JP2021152062A - 過敏性腸症候群の治療のための合成組成物および方法 - Google Patents

過敏性腸症候群の治療のための合成組成物および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】過敏性腸症候群(IBS)の治療のための組成物および方法を提供する。【解決手段】有効量のヒトミルク単糖(HMS)またはヒトミルクオリゴ糖(HMO)またはその両方を含む合成組成物を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は一般に過敏性腸症候群(IBS)の治療のための組成物および方法に関する。
過敏性腸症候群はヒト、特に成人の患者における臨床的異質性疾患であり、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、疲労、並びに軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化などの慢性症状を伴う。患者に対する通常の臨床的検査においては、一般的に異常はみられないが、患者の腸はバルーン吹送検査などの特定の刺激に対して感受性がより強くなりうる。世界的なIBSの有病率は約10〜20%(Longstreth et al.Gastroenterology 130,1480 (2006))であるが、特定の国ではさらに高くなりうる。IBSの原因は解明されていないが、脳腸軸の乱れ、急性消化器感染症、小腸の細菌異常繁殖、抗生物質の使用および腸内菌共生バランス失調が重大な危険因子であると考えられている(Kim et al.Diges.Dis.Sci.57,3213 (2012))。他の危険因子は若年、長期にわたる発熱、不安、およびうつ病である。一般的に慢性的な軽度の炎症がIBS患者に生じるが、臨床的な症状がほとんどないまたは全くない場合も存在する。
IBSの診断は困難である。IBSの診断に用いることができる、バイオマーカーに基づく検査は存在しない。診断には一般的に、IBSに類似した症状を引き起こす状況を排除すること、また次いで患者の症状を分類することが含まれる。IBSの診断がなされる前に、全ての患者について、寄生虫感染、乳酸不耐症およびセリアック病を排除することが望ましい。診断後、通常、患者はRomeIII基準に従い、便の硬さに基づく4つの症状のサブタイプに分類される:下痢型(IBS−D)、便秘型(IBS−C)、下痢および便秘の両方が交互に発現する混合型(IBS−M)、並びにいずれにも分類されないIBS(IBS−U)。
IBSの治療法はなく、現在の治療法は症状の緩和を試みることを重点的に行っている。治療は、食事調節、薬物療法、および心理学的介入などの様々な形態をとる。患者教育および医者と患者の良好な関係もまた重要である。しかしながら、ほとんどの治療は不十分であり、ほとんどの患者は慢性疼痛、疲労、および他の症状を経験し続ける。IBSは平均余命に直接的に影響しないが、高い有病率およびクオリティ・オブ・ライフへの著しい影響によって、高い社会的費用を伴う状態になる。IBSに関連する一般的な絶望感は、患者および彼らを治療する医療関係者の両方にとっての不満の根源である。
現在の研究において、消化器の微生物叢、脳腸軸および肥満細胞がIBSの病態生理学に関係していることが示唆されてきた。ヒトの消化器の微生物叢には少なくとも1,000種の細菌が含まれ、それぞれの個体の腸には約160の異なる種から成る約1014の個別の細菌細胞が生息している(Qin et al.Nature 464,59 (2010))。個体の遺伝的体質および獲得免疫、並びに環境因子が、消化器の微生物叢に影響すると考えられている。さらに、微生物叢は個体の消化器システム内の免疫および生理機能を形作る。また、健康な個体は、腸に生息する微生物叢との共生関係を維持しているが、一方でIBSの患者は、この微生物叢−免疫相互作用に不均衡が生じていると考えられている。
IBS患者の消化器の微生物叢は、健康対照者のそれとは異なっていることが研究によって明らかになっている。消化器の微生物叢が感染後過敏性腸症候群(PI−IBS)を引き起こすという証拠も存在する。フラジェリンは細菌の鞭毛の主要な構成要素であるが、これが個体の先天性および適応免疫の両方を活性化することが明らかになっている。例えば、細菌のフラジェリンに対する抗体は(A4−F3a2およびFla−X)、IBSの患者において、健康対照者と比較してしばしば多く検出される(それぞれp=0.004およびp=0.009;Schoepfer et al.Neurogastroentero.Motil.20,1110 (2008))。また、感染後の小腸細菌異常増殖(SIBO)を有する個体は、感染している細菌のフラジェリンタンパク質に対する抗体を持ちうる(Spiller et al.Gastroenterology 136,1979 (2009))。これらの細菌はしばしば、カンピロバクター・ジェジュニ、大腸菌、サルモネラ腸炎菌、およびフレキシネル赤痢菌である。
抗生物質、プロバイオティクスおよびプレバイオティスなどの消化器の微生物叢を標的にした治療は、少なくとも一時的にはIBSの症状を軽減するように思われる。例えば、抗生物質のリファキシミンは、IBS患者に対して悪影響のある細菌産物の生産を減少させるように思われる。
IBSに関連する腹痛および不快感は、脳腸軸およびストレスホルモンに対する応答に関係している。一般にIBS患者は、脳腸軸または中枢のストレス応答機構によって仲介される、腸の運動異常および内臓過敏を経験する。脳腸軸の1つの経路は中枢の遠心性伝導路であり、交感神経系および視床下部・下垂体・副腎系(HPA)軸によって形成される。IBSなどのストレス感受性障害において、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルチゾール、およびカテコールアミンなどのHPA軸のストレスホルモンが放出される。いくつかの研究において、粘膜免疫がさらに活性化することでIBS患者のHPA軸応答が生じ、またこれによって血漿のサイトカイン量が上昇することで、HPA軸が活性化されることが明らかになっている。
腸のマイクロバイオームおよび脳腸軸に加えて、肥満細胞もまたIBSの病因に重要な役割を示しうる。腸の遠位領域における肥満細胞の膨潤および活性化は、症状の発症およびIBSの重症度に関係している。これらの細胞はまた、IBS患者において、粘膜刺激に対する内臓の求心性神経の応答の上昇に関係している。肥満細胞の過形成は一般に、上記の感染後過敏性腸症候群および非感染後過敏性腸症候群の両方において記述された細菌によって起こる感染の後に観測される。
IBS治療における近年の進歩にFODMAP食事療法がある。この食事療法において、患者はFODMAP炭水化物の摂取を制限する必要がある。発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類およびポリオールは、近位小腸でほとんど吸収されず、浸透圧的に活性であり、腸内細菌によって発酵し水素を生産する。何人かの患者において、この食事療法を順守した結果、症状が改善した(Staudacher et al.J.Hum.Nutr.Diet.24,487 (2011))。しかしながら、FODMAP炭水化物のうちのいくつかは有益な食物繊維であり、栄養価の高い果物、植物および豆類に含まれる食物である。しかしながら、全般的にIBS患者の症状をさらに改善する、一般的に安全で有効な方法が必要とされている。
ある局面において、本発明は有効量の1つ以上のヒトミルク単糖(「HMS」)または1つ以上のヒトミルクオリゴ糖(「HMO」)またはその両方を含むことを特徴とする、下記の用途に用いるための合成組成物を提示する:
−過敏性腸症候群(IBS)の患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者の治療、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷を有する患者におけるIBS症状の軽減、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、腹痛、腹部不快感および/または腹部膨満の慢性症状のうち1つ以上の治療、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状のうち1つ以上の治療、
−IBSの元患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を以前有していた元患者におけるIBSの再発の予防、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状を軽減するための、IBS患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、および/または
−抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者におけるIBSまたはIBS症状の予防。
当該合成組成物は好ましくは栄養組成物である。
ある実施態様において、患者のIBS症状は細菌異常繁殖および/または腸内菌共生バランス失調である。
別の局面において、本発明は下記の用途に用いるための方法を提示し、その方法は有効量の1つ以上のHMSもしくは1つ以上のHMO、またはその両方を好ましくは合成組成物の形態として患者に経口投与することを特徴とする:
−IBSの患者、特に1つ以上の細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者の治療、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、IBS症状の軽減、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、1つ以上のIBS症状の治療、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷を有する患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状のうち1つ以上の治療、
−IBSの元患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうちの1つ以上を有していた元患者におけるIBS症状の再発の予防、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、および/または腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうちの1つ以上を有する患者におけるIBS症状を軽減するための、IBS患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、および/または
−抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者におけるIBSまたはIBS症状の予防。
ある実施態様において、患者のIBS症状は細菌異常繁殖および/または腸内菌共生バランス失調である。
好ましくは、内臓感受性および便通異常が改善される。例えば、便秘型IBS患者において、内臓感受性および完全な自発的排便が改善した。さらに下痢型IBS患者において、内臓感受性および便の硬さが改善した。患者は最初の治療期間においては高用量、好ましくは1日あたり5gから10gの1つ以上の中性のHMOを投与され、次いでメンテナンス期間においては低用量、好ましくは1日あたり1gから5gを投与されうる。最初の治療期間は1から8週間でありうる。メンテナンス期間は少なくとも1ヶ月である。
さらなる局面において、本発明はIBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷の1つ以上を有する患者におけるIBS症状の治療/軽減のための、1つ以上のHMSもしくは1つ以上のHMO、またはその両方を好ましくは合成組成物の形態で使用することを提示する。この点について、本発明は下記の用途のために、1つ以上のHMSもしくは1つ以上のHMOまたはその両方を使用することを提示する:
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、IBS症状の軽減、
−IBS患者における、腹痛、腹部不快感または腹部膨満の慢性症状のうち1つ以上の治療
−IBSの患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状のうち1つ以上の治療、
−IBSの患者、特に細菌異常繁殖、および/または腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状を軽減するための、IBS患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、
−IBSの元患者におけるIBSの再発の予防、および/または
−抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者におけるIBSまたはIBS症状の予防。
いくつかの実施態様において、患者のIBS症状は細菌異常繁殖および/または腸内菌共生バランス失調である。
好ましくは、本発明の全ての局面において、HMSはシアル酸およびフコースから選択され、HMOは2’−FL、3−FL、DFL、3’−SL、6’−SL、LNT、LNnT、LNFP−IおよびDSLNTから選択される。さらに好ましくは、HMOは1つ以上のHMO骨格および1つ以上のフコシルHMOの組み合わせ、例えば2’−FLおよびLNnTである。2’−FLおよびLNnTは質量比で約4:1から1:1、さらに好ましくは約3:1から1:1で存在しうる。
(発明の詳細な説明)
本発明によれば、驚くべきことに、ヒトミルク単糖(HMS)、有利にはシアル酸および/またはフコース、およびヒトミルクオリゴ糖(HMO)、有利には2’−FL、3−FL、LNT、LNnT、3’−SL、6’−SL、DFL、DSLNTおよび/またはLNFP−Iによって、IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調または粘膜関門の損傷に苦しんでいる患者における過敏性腸症候群の慢性症状を軽減できることが発見された。さらにHMS/HMOによって、IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調または粘膜関門の損傷に苦しんでいる患者における、IBSの再発のリスクを軽減することが発見された。当該HMS/HMOは下記の働きを示しうると考えられている:(1)有益な細菌の増殖を促進し、細菌異常繁殖および腸内菌共生バランス失調を軽減させるプレバイオティクスとしての働き;(2)病原体に結合し、それによって病原体が消化管の上皮性細胞へ結合するのを軽減/抑制するデコイとしての働き;(3)慢性の粘膜炎症を軽減する働き;および/または(4)粘膜関門の損傷の修復。また、HMS/HMOは腸の伝播性筋放電群に神経系的に依存して腸の運動性障害に対処し働きうるため、患者の中枢神経系に有益な効果を持つ可能性がある。
用語「経口投与」は、好ましくは、患者に対して組成物を経口投与するための通常のいずれかの形態であって、患者の消化管(胃など)に組成物の沈着させるものを意味する。そのため経口投与は、患者による組成物の嚥下、経鼻胃栄養チューブを介した腸内投与などを含む。
用語「有効量」は、好ましくは、患者に望ましい治療結果を与えるのに充分な分量のヒトミルク単糖またはヒトミルクオリゴ糖を提供する組成物の分量を意味する。有効量は、望ましい治療結果を得るために、1回以上の用量として患者に投与されうる。
用語「ヒトミルク単糖」または「HMS」は、好ましくはヒトの母乳に存在する単糖を意味する。例として、シアル酸およびL−フコースが挙げられる。ヒトの母乳において、シアル酸はN−アセチルノイラミン酸である。
用語「ヒトミルクオリゴ糖」または「HMO」は、好ましくは、ヒトの母乳の中に酸性型または中性型で存在しうる複合炭水化物を意味する。約200を超える異なる構造のHMOが、ヒトの母乳に存在することが知られている(Urashima et al.:Milk Oligosaccharides,Nova Biomedical Books,New York,2011)。HMOはフコシルおよびシアリルオリゴ糖の骨格になりうる。HMO骨格はGlu、GalおよびGlcNAcから成り、Fucおよびシアル酸を欠いている。HMO骨格の例としては、ラクト−N−テトラオース(LNT)、ラクト−N−ネオテトラオース(LNnT)、ラクト−N−ネオヘキサオース(LNnH)およびラクト−N−ヘキサオース(LNH)が挙げられる。フコシルHMOは、2’−フコシルラクトース(2’−FL)、ラクト−N−フコペンタオースI(LNFP−I)、ジフコヘキサオースI(NDFH−I)、3−フコシルラクトース(3−FL)、ジフコシルラクトース(DFL)、ラクト−N−フコペンタオースIII(LNFP−III)、フコシル−パラ−ラクト−N−ネオヘキサオース(F−pLNnH)ラクト−N−ジフコヘキサオースI(LNDFH−I)、フコシル−ラクト−N−ヘキサオースII(FLNH−II)ラクト−N−フコペンタオースV(LNFP−V)、ラクト−N−ジフコヘキサオースII(LNDFH−II)、フコシル−ラクト−N−ヘキサオースI(FLNH−I)、フコシル−ラクト−N−ヘキサオースIII(FLNH−III)およびフコシル−パラ−ラクト−N−ネオヘキサオース(F−pLNnH)などの、フコシルラクトースまたはフコシル化HMO骨格である。シアリルHMOは、3’,6−ジシアリルラクト−N−テトラオース(DSLNT)、6’−シアリルラクトース(6’−SL)、3’−シアリルラクトース(3’−SL)、6’−シアリルラクト−N−ネオテトラオース(LSTc)、3’−シアリルラクト−N−テトラオース(LSTa)および6−シアリルラクト−N−テトラオース(LSTb)などの、シアリルラクトースまたはシアリルHMO骨格である。シアリルおよびフコシル基の両方を含むHMOは上記2つのグループのいずれかに属するとみなしてもよい。シアリルおよびフコシルHMOの例としては、ジシアリル−フコシル−ラクト−N−ヘキサオース(DSFLNH−II)、フコシル−シアリル−ラクト−N−ネオヘキサオースI(FSLNnH−I)、フコシル−シアリル−ラクト−N−ヘキサオースI(FSLNH−I)および3−フコシル−3’−シアリルラクトース(FSL)が挙げられる。
用語「微生物叢」、「細菌叢」および「マイクロバイオーム」は好ましくは、一般に肉体組織または部位に生息する生存微生物群を意味する。消化器の微生物叢のうち最も優占的なメンバーには、ファーミキューテス、バクテロイデス、放線菌、プロテオバクテリア、シネルギステス、ウェルコミクロビウム、フソバクテリウム、およびユリアーキオータ門の微生物;属のレベルでは、バクテロイデス、フィーカリバクテリウム、ビフィドバクテリウム、ロゼブリア、アリスティペス、コリンゼラ、ブラウチア、コプロコッカス、ルミノコッカス、ユーバクテリウムおよびドレア属の微生物;および種のレベルでは、バクテロイデス・ユニフォルミス(Bacterioides uniformis)、アリスティペス・プトレディニス(Alistipes putredinis)、パラバクテロイデス・メルダ(Parabacteroides merdae)、ルミコッカス・ブロミイ(Ruminococcus bromii)、ドレア・ロンギカテナ(Dorea longicatena)、バクテロイデス・カッカ(Bacteroides caccae)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、ユーバクテリウム・ハリイ(Eubacterium halli)、ルミノコッカス・トロクエス(Ruminococcus torques)、フィーカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(Faecalibacterium prausnitzii)、ルミノコッカス・ラクタリス(Runminococcus lactaris)、コリンゼラ・アエロファシエンス(Collinsella aerofaciens)、ドレア・フォルミシゲネランス(Dorea formicigenerans)、バクテロイデス・ブルガータス(Bacteroides vulgatus)およびロゼブリア・インテスチナリス(Roseburia intestinalis)種の微生物が含まれる。いくつかの例において、消化器の微生物叢は、消化管上皮を覆う粘液層に位置するまたは接触する粘膜関連微生物叢および、消化管の細胞内腔に存在する管腔関連微生物層を含む。
用語「過敏性腸症候群」および「IBS」は好ましくは、腹痛、腹部不快感、腹部膨満、疲労、並びに軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化などの、一般に明確な構造的異常が存在しない慢性症状の1つ以上を特徴とする、ヒト、特に成人の腸の機能障害群を意味する。IBSには下記の症状に従って、少なくとも3つの型が存在する:(1)下痢型(IBS−D);(2)便秘型(IBS−C);および(3)排便パターンの変化を伴うIBS(IBS−AまたはIBS−M)。感染後過敏性腸症候群 (IBS−PI)など、様々なIBSの臨床的なサブタイプもまた存在する。
当該HMOは、これらに限定はされないがヒト、ウシ、ヒツジ、ブタ、またはヤギの種などの哺乳類から分泌されるミルクから、周知のプロセスによって単離または濃縮されうる。また、当該HMOは微生物発酵、酵素法、化学合成またはそれらの技術の組み合わせを用いた周知のプロセスによって生産されうる。例として、WO2011/100980およびWO2013/044928に記載されているようにLNnTは化学合成によって製造され、WO2012/155916およびWO2013/044928に記載されているようにLNTは合成され、WO2013/091660に記載されているようにLNTおよびLNnTの混合物が製造され、WO2010/115934およびWO2010/115935に記載されているように2’−FLが製造され、WO2013/139344に記載されているように3−FLが製造され、WO2010/100979に記載されているように6’−SLおよびその塩が製造され、WO2012/113404に記載されているようにシアリル化オリゴ糖が製造され、WO2012/113405に記載されているようにヒトミルクオリゴ糖の混合物が製造されうる。酵素的製造法の例として、WO2012/007588に記載されているようにシアリル化オリゴ糖が製造され、WO2012/127410に記載されているようにフコシル化オリゴ糖が製造され、WO2012/156897およびWO2012/156898に記載されているようにヒトミルクオリゴ糖の有利に多様化された混合物が製造されうる。生化学的な方法に関しては、WO01/04341およびWO2007/101862において、フコースまたはシアル酸によって適宜置換されていてもよいヒトミルクオリゴ糖のコア骨格を、遺伝子改変大腸菌を用いて製造する方法が記載されている。
1つ以上のヒトミルク単糖または1つ以上のヒトミルクオリゴ糖、またはその両方を含む本発明の合成組成物は、いずれかの適切な形態を取りうる。例えば、当該組成物はタンパク質、脂質または他の炭水化物などの他の主要栄養素を含む栄養組成物の形態でありうる。当該合成組成物はまた、医薬組成物でありうる。ある実施態様において、当該合成組成物は1つ以上のHMO骨格および1つ以上のフコシルHMO骨格および適宜フコースを含む。別の実施態様において、当該合成組成物は1つ以上のHMO骨格および1つ以上のシアリルHMOおよび適宜シアル酸を含む。さらに別の実施態様において、当該合成組成物は1つ以上のフコシルHMO並びに1つ以上のシアリルHMO、並びに適宜フコースおよび/またはシアル酸、好ましくはその両方を含む。好ましい実施態様において、当該合成組成物は1つ以上のHMO骨格、1つ以上のシアリルHMO並びに1つ以上のフコシルHMO、並びに適宜フコースおよび/またはシアル酸、好ましくはその両方を含む。
栄養組成物
本発明の栄養組成物はタンパク質、脂質および/または可消化炭水化物源を含み、粉末または液体の形態で存在しうる。当該組成物は唯一の栄養源または栄養補助剤として設計されうる。IBS患者にとって、栄養補助剤、特に食事または間食と置き換えられる形態を取りうる補助剤が好ましい。好ましくは、当該栄養組成物は低ラクトース、できればラクトースフリーである。好ましくは、当該栄養素組成物はまたFODMAP炭水化物を全くまたは少量しか含まない。
適切なタンパク質源としては、ミルクプロテイン、大豆プロテイン、ライスプロテイン、ピープロテインおよびオートプロテイン、またはそれらの混合物が挙げられる。ミルクプロテインは、ミルクプロテインの濃縮物、ホエイプロテインもしくはカゼイン、または2つの混合物の形態で存在しうる。大豆、ライス、ピーおよびオートプロテインは単離されたタンパク質の形態で存在しうる。タンパク質は全長タンパク質または、部分的に加水分解されたもしくは広範囲にわたって加水分解された加水分解タンパク質でありうる。タンパク質は当該栄養組成物のエネルギーの約5%から約50%、好ましくは約10%から30%でありうる。タンパク質源は好ましくは、ラクトースなどの非発酵性の炭水化物源ではない。そのため、ミルクプロテインがタンパク質源として用いられる場合、ミルクタンパク質は好ましくは低ラクトースまたはラクトースフリーである。
適切な可消化炭水化物としてはマルトデキストリン、加水分解または加工デンプンまたはコーンスターチ、グルコースポリマー、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、タピオカ、スクロース、およびグルコース、またはそれらの混合物が挙げられる。一般に可消化炭水化物は当該栄養組成物のエネルギーの約35%から約75%、好ましくは約45%から70%でありうる。好ましくは、可消化炭水化物はラクトースを含まない。
適切な脂質としては菜種油、ヒマワリ種子油、パーム油、大豆油、乳脂、トウモロコシ油および大豆レシチンが挙げられる。長鎖多価不飽和脂肪酸(LC−PUFA)、特にドコサヘキサエン酸(DHC)などのオメガ−3脂肪酸は抗炎症性の性質を有するため、脂質源に含まれうる。適切なLC−PUFA源は植物油、海洋プランクトン油、真菌油、および魚油である。また、脂質源は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)を含みうる。分別されたヤシ油は適切な中鎖脂肪酸トリグリセリド源である。脂質源は好ましくは当該栄養組成物のエネルギーの約5%から約25%であり、例えば約10%から20%である。高脂肪の食事はIBS症状を引き起こすため、好ましくは脂質含有量は抑えられている。
当該栄養組成物はまた、好ましくはビタミンおよびミネラルを含む。当該栄養組成物が唯一の栄養源として意図されている場合、好ましくは全てのビタミンおよびミネラル特性が含まれる。ビタミンの例には、ビタミンA、B群(B1、B2、B6およびB12など)、C、D、EおよびK、ナイアシン並びに、パントテン酸および葉酸およびビオチンなどのビタミン酸が含まれる。ミネラルの例には、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ヨウ素、銅、リン、マンガン、カリウム、クロム、モリブデン、セレニウム、ニッケル、スズ、ケイ素、バナジウムおよびホウ素が含まれる。
当該栄養組成物はまた、ルテイン、リコピン、ゼアキサンチン、およびベータ−カロテンなどのカロテノイドを含みうる。含まれるカロテノイドの総量は約0.001μg/mlから約10μg/mlの範囲で変動しうる。ルテインは約0.001μg/mlから約10μg/ml、好ましくは約0.044μg/mlから約5g/mlの分量のルテインが含まれうる。リコピンは約0.001μg/mlから約10μg/ml、好ましくは約0.0185mg/mlから約5g/mlの分量のリコピンが含まれうる。ベータ−カロテンは約0.001μg/mlから約10mg/ml、例えば約0.034μg/mlから約5μg/mlのベータ−カロテンを含みうる。
当該栄養組成物はまた、防腐剤、乳化剤、増粘剤、緩衝剤、繊維およびプロバイオティクス、特にIBS患者の症状の軽減を助けるプロバイオティクス(例えば、VSL#3、B.infantis 35624、B.animals subsp.lactis BB-12、B.lactis Bi-07、L.rhamnosus GG、L.rhamnosus Lc705、L.plantarum DSM9843、L.plantarum CECT7484、L.plantarum CECT7485、L.acidophilus NCFM、L.fermentum CECT5716、B.breve Bb99、Propionibacterium freundenreichii ssp. Shermanii JS、P.acidilactici CECET7483、Streptococcus faecium)、トコフェロール、カロテノイド、アスコルビン酸/ビタミンC、パルミチン酸アスコルビル、ポリフェノール、グルタチオン、およびスーパーオキシドディスムターゼ(メロン)などの抗酸化/抗炎症性化合物、他の生理活性因子(例えば、成長ホルモン、サイトカイン、TFG−β)、着色剤、香味剤および安定剤、滑沢剤などの従来の他の様々な成分を含みうる。
当該栄養組成物は可溶性粉末、液体濃縮物、または即時使用可能な製剤の形態で存在しうる。様々な香味剤、繊維および他の添加剤もまた存在しうる。
当該栄養組成物は、栄養組成物を固体または液体の形態で製造するための一般的に用いられるいずれかの生産技術によって製造されうる。例えば、当該組成物は様々な供給液から製造されうる。タンパク質の脂質供給液は脂質源を加熱および混合し、次いで乳化剤(例えば、レシチン)、脂溶性ビタミン、および少なくとも一部のタンパク質源を加熱および攪拌しながら加えることで製造されうる。炭水化物供給液もまた、ミネラル、微量および超微量ミネラル、増粘剤または懸濁化剤を水に加熱および攪拌しながら加えることで製造される。炭水化物(例えば、HMOおよび可消化炭水化物源)を加える前に、得られた溶液を10分間連続して加熱および攪拌する。次いで得られた供給液を加熱および攪拌しながら混合し、pHを6.6〜7.0に合わせ、その後当該組成物を高温短時間処理することで組成物を熱処理、乳化および均質化し、次いで冷却した。水溶性ビタミンおよびアスコルビン酸を加え、必要であればpHを望ましい範囲に調節し、香味剤を加え、望ましい全固体値になるまで水を加える。
液体生成物においては、得られた溶液は次いで無菌包装され、無菌包装栄養組成物が形成されうる。この形態において、当該栄養組成物は即時使用可能または濃縮液の形態でありうる。あるいは、当該組成物は噴霧乾燥および加工および包装によって処理された再構成可能な粉末でありうる。当該栄養組成物が即時使用可能な液体栄養剤である場合、液体中のHMS/HMOの総濃度は、液体の重量で約0.0001%から約2.0%であり、例えば約0.001%から約1.5%および約0.01%から約1.0%;または約0.002%から約3.0%であり、例えば約0.005%から約2%および約0.05%から約1.0%である。当該栄養組成物が濃縮液体栄養剤である場合、液体中のHMS/HMOの総濃度は、液体の重量で約0.0002%から約4.0%であり、例えば約0.002%から約3.0%および約0.02%から約2.0%;または約0.004%から約6.0%であり、例えば約0.01%から約4.0%および約0.1%から約2.0%である。
単位剤形
本発明の合成組成物はまた、カプセル、錠剤または小袋の単位剤形でありうる。例えば、当該組成物はヒトミルク単糖および/またはオリゴ糖、並びに、希釈剤、添加物、抗酸化剤、滑沢剤、着色剤、結合剤、崩壊剤などの製剤化および投与を補助する1つ以上の追加成分を含む錠剤の形態でありうる。
適切な希釈剤、添加物、滑沢剤、着色剤、結合剤、および崩壊剤としては、ポリエチレン、ポリビニルクロライド、エチルセルロース、アクリルポリマーおよびそれらのコポリマー、ヒドロキシエチル−セルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド(PEO)、またはポリアクリルアミド(PA)、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ポリカルボフィル、ポリアクリル酸、トラガカント、メチルセルロース、ペクチン、天然ガム、キサンタンガム、グアーガム、カラヤゴム、ハイプロメロース、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース、およびコロイド状二酸化ケイ素が挙げられる。適切な抗酸化剤はビタミンA、カロテノイド、ビタミンC、ビタミンE、セレニウム、フラボノイド、ポリフェノール、リコピン、ルテイン、リグナン、コエンザイムQ10(「CoQIO」)およびグルタチオンである。
単位剤形、特に小袋の形態のものは、主要栄養素などの様々な栄養を含みうる。
投与量
細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および/または粘膜関門の損傷を有する患者におけるIBS症状を軽減するために、患者に投与されるのに必要なHMSおよび/またはHMOの分量は、疾患のリスクおよび重症度、患者の年齢、組成物の形態、および患者に投与される他の薬物治療などの因子に従って変化する。しかしながら、必要な分量は医師によって即座に決定されることができ、一般に1日あたり約20mgから約20gの範囲であり、いくつかの実施態様において、好ましくは1日あたり約50mgから約10gであり、さらに好ましくは1日あたり約100mgから約7.5gであり、それよりさらに好ましくは1日あたり約500mgから約5gであり、特に1日あたり1gから約2.5gである。別の実施態様においては、好ましくは1日あたり約50mgから約20gであり、さらに好ましくは1日あたり約100mgから約15gであり、それよりさらに好ましくは1日あたり約500mgから約10gであり、特に1日あたり約1gから約7.5gである。最初の治療段階の間、高用量とすることができ、例えば1日あたり100mgから20gまたは100mgから30g、好ましくは1日あたり500mgから15g、さらに好ましくは1日あたり1gから10gであり、いくつかの実施態様においては1日あたり2.5gから7.5gである。続く予防段階の間、用量を減少することでき、例えば、いくつかの実施態様においては1日あたり20mgから10g、好ましくは1日あたり100mgから7.5g、さらに好ましくは1日あたり500mgから2.5g、それよりさらに好ましくは1日あたり750mgから1.5g、または別の実施態様においては、1日あたり20mgから20g、好ましくは1日あたり100mgから10g、さらに好ましくは1日あたり500mgから7.5g、それよりもさらに好ましくは1日あたり750mgから5gである。
本発明をさらに例証するために実施例を記述する:
実施例1―臨床試験
合計60人の男性および女性のIBS患者が、試験に参加するために採用される。1〜2週間のスクリーニング訪問および導入期間(run−in−period)の後、患者が選択される。患者はそれぞれ20人の患者ごとの3つのグループに無作為に分けられ、8週間にわたり2つのグループは治療薬を、1つのグループはプラセボを使用する。当該治療薬は5または10グラムのいずれかの2’−FL、LNnT、LNT、3−FL、6’−SLおよび3’−SLの組み合わせを含み、当該対照薬は2グラムのグルコースを含む。両薬剤は単一用量包装に含まれる粉末の形態である。
患者は、少なくとも18歳であり、IBSのRomeIII基準を満たし、細菌異常繁殖/腸内菌共生バランス失調であると診断されている場合に、参加する資格がある。採用された全ての患者は、試験の手順を理解し従うことが可能であり、それらに前向きである。患者が除外されるのは、患者がスクリーニング訪問の1ヶ月前に臨床試験に参加した;患者がスクリーニング検査において、試験への参加に臨床的に関係のある異常な結果を示した;患者が悪性腫瘍、糖尿病、深刻な冠疾患、腎疾患、神経性疾患などの深刻な疾患、もしくは深刻な神経疾患などの深刻な疾患、または当該試験の結果を混乱させうるいずれかの状態を患っている;当該試験前の3ヶ月に、高用量のプロバイオティクス補助剤を受けていた(ヨーグルトは許容される);当該試験前の3ヶ月に、抗生物質薬剤を摂取していた;当該試験前の2週間に、症状の評価を妨げうる、いずれかの薬物治療を定期的に受けていた;および妊娠または授乳中である場合である。
スクリーニング訪問において、病歴および併用している薬物治療を登録し、安全性分析のための血液サンプルを収集する。便サンプルキットを配布する。患者は次の訪問までサンプルを冷凍庫で保管するよう指導を受ける。
2回目の訪問において、適格基準が確認され、適格な患者を試験において無作為に3つの群に分ける。便サンプルを回収し、新たな試料のための備品を配布する。患者は毎日のデータを記録することのできる相互作用的なインターネットに慣れ親しんでおり、治療薬またはコントロール薬のいずれかを与えられる。患者は試験の間、通常の食事を変化させないよう注意される。血液サンプルをバイオマーカー解析のために回収する。
血液サンプルからの血清をクライオチューブに移し、−80℃で保存する。下記のバイオマーカーが測定される:アルドステロン、アンギオテンシンII、ApoA1、ApoB、血液尿素窒素、鉄分、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、コルチゾール、ECP(好中球カチオン性タンパク質)、エストラジオール、FFA(脂肪族カルボン酸塩)、グルカゴン、HbA1c、IgA、IgM、IgG、IL−10、IL−6、インスリン、リゾチーム、プロゲステロン、テストステロン、TNF−α、トランスフェリン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB12、ビタミンB6、ビタミンD、ビタミンK1、Α−1−アンチトリプシン。
便サンプルを解析まで−80℃で保存する。便サンプルを16S RNAシーケンス解析にかける。
当該試験は8週間にわたり、毎日プラセボまたは治療薬を摂取する患者と共に進行する。患者は薬を朝食とともに朝に摂取するように指導を受ける。相互作用的インターネット対応システムを通じてコンプライアンスをモニターする。当該患者はまた、以下を記録するためのシステムを利用する:
−ブリストル便形状スケール(BSF)の情報、
−腹痛、腹部不快感、腹部けいれん、腹部膨満および鼓腸などの症状の情報、
−さらなる消化器疾患症状尺度(GSRS)の情報。
このアンケート調査は5つの尺度(腹痛、消化不良、逆流、下痢、便秘)に関する15項目を含み、7段階のリッカート尺度を用いる。
当該試験の終わりに、それぞれの患者は医療チームの終了訪問を受ける。前回と同様に便サンプルおよび血液サンプルを回収し、解析する。
治療患者は、プラセボグループと比較して、苦痛の軽減および便通の改善を報告する。血液バイオマーカー解析において、治療患者が炎症性マーカーのレベルが低下したことが示される。便解析において、治療患者が細菌異常繁殖/腸内菌共生バランス失調のレベルが低下したことが示される。
実施例2―臨床試験
合計300人の男性および女性のIBS患者が、試験に参加するために採用される。1〜2週間のスクリーニング訪問および導入期間(run−in−period)の後、患者が選択される。患者はそれぞれ150人の患者ごとの2つのグループに無作為に分けられ、8週間にわたり1つのグループは治療薬を、1つのグループはプラセボを使用する。当該治療薬は5グラムの2’−FLおよびLNnTを含み、当該対照薬は2グラムのグルコースを含む。両薬剤は単一用量包装に含まれる粉末の形態である。
患者が参加する資格があるのは:患者が18から60歳の間である;IBSのRomeIII基準を満たす;一日で最も酷い、0−10段階評価で3以上の腹痛強度スコアの週平均を報告する;スクリーニング評価の間、少なくとも週に2日の頻度の痛み/不快感を報告する;IBS−Cサブグループの患者において、週に3回未満の完全な自発的排便(CSBM)を報告する;およびIBS−Dサブグループの患者において、少なくとも週に2日、ブリストル便スケール(BSS)のタイプ6またはタイプ7に一致する少なくとも1回の便である場合である。採用された全ての患者は試験の手順を理解し従うことが可能であり、それらに前向きである。患者が除外されるのは:患者がスクリーニング訪問の1ヶ月前に臨床試験に参加した;患者がスクリーニング検査において、試験への参加に臨床的に関係のある異常な結果を示した;患者が悪性腫瘍、糖尿病、深刻な冠疾患、腎疾患、神経性疾患、もしくは深刻な神経疾患などの深刻な疾患、または当該試験の結果を混乱させうるいずれかの状態を患っている;当該試験前の3ヶ月に、高用量のプロバイオティクス補助剤を受けていた(ヨーグルトは許容される);当該試験前の3ヶ月に、抗生物質薬剤を摂取していた;当該試験前の2週間に、症状の評価を妨げうる、いずれかの薬物治療を定期的に受けていた;妊娠または授乳中である場合である。
最初の訪問(スクリーニング)において、それぞれの患者は当該試験に関する文書および口頭の情報を伝えられ、当該患者はインフォームドコンセント用紙にサインすることが求められる。
患者は全ての病歴の審査に従って評価され、臨床的症状に基づき以下の3つのグループのうちの1つに特徴づけられる:下痢支配型(IBS−D)、便秘支配型(IBS−C)または交互型/混合型(IBS−A/M)。これにより事後解析において、患者をサブグループに振り分けることが可能になる。
適格性解析のための血液サンプルを回収する。患者に電子媒体システムを把握させるため、電子媒体によるアンケートを通した会話(GSRS、IBS−SSS、QoLおよびBSFS)を実施し、便サンプル採取のための装置を患者に配布する。患者は次の訪問までサンプルを冷凍庫で保管するよう指導をうける。
第二の訪問において(介入の開始)、適格基準が確認され、適格な患者を試験において無作為に2つの群に分ける。症状(GSRS、IBS−SSS、BSFSおよびQoL尺度)を評価する。試験補足物(trial supplementation)が、電子コンプライアンス日記(electronic compliance diary)の使用の説明書と共に配布される。便サンプルを回収し、新たなサンプルの回収のための装置を配布する。患者は研究の間、通常の食生活を変化させないように指導される。
バイオマーカー解析およびバイオバンクのために、血液サンプルを回収する。血液サンプルからの血清をクライオチューブに移し、−80℃で保管する。以下のバイオカーカーが観測される:TNF−α、IL−1β、IL−8、IL−6、IL−12、IL−10、MIP−1β、hs−CRP、タンパク質結合リポ多糖、トリプターゼ、抗フラジェリン、ゾヌリン、ヒスタミン、プロスタグランジン2およびコルチゾール。便サンプルを解析まで−80℃で保管する。16S rRNA遺伝子シーケンスを用いて、便サンプルの微生物学解析を行う。
当該試験は8週間にわたり、毎日プラセボまたは治療薬を摂取する患者と共に進行する。患者は薬を朝食とともに朝に摂取するように指導を受ける。相互作用的インターネット対応システムを通じてコンプライアンスをモニターする。患者はまた、以下を記録するためのシステムを利用する:
−ブリストル便形状スケール(BSFS)の情報、
−腹痛、腹部不快感、腹部けいれん、腹部膨満および鼓腸などの症状の情報、
−クオリティ・オブ・ライフ(QoL)の情報、
−IBS重症度評価システム(IBS−SSS)の情報、
さらなる消化器疾患症状尺度(GSRS)の情報。このアンケート調査は5つの尺度(腹痛、消化不良、逆流、下痢、便秘)に関する15の項目を含み、7段階のリッカート尺度を用いる。
開始から4週間後、中間のチェックを行う。健康診断を行い、症状(GSRS、IBS−SSS、BSFSおよびQoL尺度などによって測定される)を再評価する。前回と同様に便サンプルおよび血液サンプルを回収、解析し、新たな便サンプルの回収のための装置を配布する。
介入(8週間)の終わりに、それぞれの患者は医療チームの終了訪問を受ける。健康診断を行い、症状(GSRS、IBS−SSS、BSFSおよびQoL尺度などによって測定される)を再評価する。コンプライアンスを確認するため、試験補足物(trial supplementation product)を回収する。
前回と同様に便サンプルおよび血液サンプルを回収し、解析する。
この訪問において、患者は非盲検追跡試験を継続することを望むかどうかを質問される。継続する患者の50%は当該活性組成物の半分の用量を服用し、残りは当該組成物を服用しない。継続に同意した患者には便サンプル回収のための装置を配布し、活性組成物を継続する患者には試験補足物(trial supplementation)を配布する。
当該試験の終わりに患者は最終訪問を受け、このとき非盲検追跡研究の患者から便サンプルを回収し、症状(GSRS、IBS−SSS、BSFSおよびQoL尺度によって測定する)を再評価する。さらに、彼らは有害事象について質問される。
非盲検追跡研究に参加していない患者において、この訪問は有害事象がある場合にのみ関係がある。この訪問は電話で完了しうる。治療患者は、プラセボグループに対して、痛み/内臓感受性の軽減および便通の改善を報告する。血液バイオマーカー解析によって、治療患者において炎症性マーカーの量の減少、粘膜関門の向上を意味する腸透過性の減少、および肥満細胞の脱顆粒の兆候の軽減が示される。便解析によって、治療患者において細菌異常繁殖/腸内菌共生バランス失調の程度の軽減、およびビフィズス菌、特にビフィドバクテリウム・アドレセンティスの量のさらなる増加が示される。
実施例3−栄養組成物
即時使用可能な栄養組成物は、水、マルトデキストリン、コーンシロップ、糖、ミルクプロテインの濃縮物、植物油(キャノーラ、高オレインヒマワリおよびコーン)、大豆プロテイン単離物、アカシアガム、香味剤、HMO、クエン酸カリウム、リン酸マグネシウム、セルロースゲルおよびガム、炭酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム、大豆レシチン、重酒石酸コリン、リン酸カルシウム、アルファ−トコフェロール酢酸エステル、アスコルビン酸、カラギーナンガム、リン酸鉄(III)、香味剤、甘味剤(ステビア)、パルミチン酸ビタミンA、ナイアシンアミド、ビタミンD3、パントテン酸カルシウム、硫酸マンガン、硫酸銅、塩酸ピリドキシン、塩酸チアミン、ベータカロテン、リボフラビン、塩化クロム、葉酸、ビオチン、ヨウ化カリウム、フィトナジオン、亜セレン酸ナトリウム、モリブデン酸ナトリウム、ビタミンB12から製造される。
当該組成物は、豊富なタンパク質源、低脂肪、ビタミン、ミネラル、および抗酸化剤を含む栄養補助剤であり、FODMAP基準を満たす。さらに、当該組成物は有益な腸内細菌の生育を促進し、慢性炎症を調節することができるHMOを含む。
実施例4−カプセル組成物
充填機を用いて、000ゼラチンカプセル内に約1gのHMS/HMOを充填してカプセルが製造される。次いで、当該カプセルを閉じる。当該HMS/HMOは自由流動性の粉末の形態である。
実施例5−粘膜関門機能
2’−FLおよびLNnTを、胚細胞のヒトLS174T細胞培養モデルにおいてMUC2、TFF3、ΕΙΜβ、CHST5およびGAL3ST2の発現を誘導する能力に関して検査する。当該ヒトLS174T細胞株はアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)から得る。LS174T細胞を、説明書に従い5%COで37℃の最小必須培地(MEM)で保持する。2’−FLおよびLNnTを、所要の濃度になるように細胞培養グレードの水に溶解する。LS174T細胞は0または5mgHMO/mLを含むHMO溶液によって処理する。
LS174細胞を回収し、トリゾール試薬に懸濁し、製造者の説明書に従いRNA解析キット(Qiagen)を用いて全RNAを単離し、当該単離RNAをナノドロップ解析(Thermo Fisher Scientific)を用いて定量する。単離RNAは、大容量cRNA逆転写キット(Applied Biosystems)を用いて逆転写されcDNAを生成し、次いでこれを定量RT−PCRによる遺伝子発現の評価に用いる。
定量RT−PCRのために、Applied Biosystemsから特定のTaqMAN遺伝子発現アッセイを得、これはMUC2、TFF3、CHST5およびGAL3ST2の発現アッセイを含む。TaqMAN PCRマスターミックス(Applied Biosystems)を用いて、定量リアルタイムPCRを行う。反応は、Applied Biosystems 7900HT Fast Real−Time PCR Systemを用いて、384−ウェルプレートにおいて、2回行われる。結果をSDS 2.3 softwareを用いて解析し、delta delta Ct methodを用いて計算する。すべてのサンプルはGus−βの発現量で標準化し、無処理のコントロールに対して誘導の倍率を計算する。遺伝子発現は、HMO−フリーのコントロール細胞に対して倍増する。当該実験を3回くり返す。
結果において、2’−FLおよびLNnTによる処置によってMUC2およびTFF3遺伝子の発現が、コントロール培養に対して増加することが示される。杯細胞遺伝子の発現の増加が全体的ではなく特異的であり、これはCHST5およびGAL3ST2がそれぞれ最小の誘導率または誘導されなかったことによって示される。MUC2およびTFF3は粘膜関門の主要な要素であり、粘膜関門機能を向上させる。

Claims (16)

  1. 有効量のヒトミルク単糖(HMS)またはヒトミルクオリゴ糖(HMO)またはその両方を含むことを特徴とする、下記の用途に用いるための合成組成物:
    −過敏性腸症候群(IBS)の患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者の治療、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状の軽減、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、腹痛、腹部不快感および/または腹部膨満の慢性症状のうち1つ以上の治療、
    −IBSの患者で、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状のうち1つ以上の治療、
    −IBSの元患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を以前有していた元患者における、IBSの再発の予防、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、および/または腸内菌強制バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状を軽減するためのIBS患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、および/または
    −抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者における、IBSまたはIBS症状の予防。
  2. 組成物が栄養組成物である、請求項1に記載の組成物。
  3. HMSがシアル酸およびフコースから選択され、HMOが2’−FL、3−FL、DFL、3’−SL、6’−SL、LNT、LNnT、LNFP−IおよびDSLNTから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 組成物が1つ以上のHMO骨格、1つ以上のシアリルHMO、および1つ以上のフコシルHMOを含み、適宜フコースおよび/またはシアル酸、好ましくはその両方を含んでいてもよい、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 組成物が2’−FLおよびLNnTを含む、請求項4に記載の組成物。
  6. 1つ以上のHMS、または1つ以上のHMO、またはその両方の有効量を、合成組成物の形態で患者に経口投与することを特徴とする、下記の用途に用いられる方法:
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者の治療、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状の軽減、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状の1つ以上の治療、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状のうち1つ以上の治療、
    −IBSの元患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有していた元患者におけるIBSの再発の予防、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、および/または腸内菌強制バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状を軽減するための、IBSの患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、および/または
    −抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者における、IBSまたはIBS症状の予防。
  7. 合成組成物が栄養組成物である、請求項6に記載の方法。
  8. HMSがシアル酸およびフコースから選択され、HMOが2’−FL、3−FL、DFL、3’−SL、6’−SL、LNT、LNnT、LNFP−IおよびDSLNTから選択される、請求項6または7に記載の方法。
  9. 合成組成物が1つ以上のHMO骨格、1つ以上のシアリルHMO、および1つ以上のフコシルHMOを含み、適宜フコースおよび/またはシアル酸、好ましくはその両方を含んでいてもよい、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 合成組成物が2’−FLおよびLNnTを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 内臓感受性および通便異常の改善のための、請求項6〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 1つ以上のHMS、1つ以上のHMO、またはその両方を含む合成組成物の、下記の用途における使用:
    −IBSの患者、特に細菌の異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状の減少
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、腹痛、腹部不快感または腹部膨満の慢性症状の治療、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者における、軟便または頻繁な便通、下痢および便秘などの便通パターンの変化の慢性症状の治療、
    −IBSの元患者、特に細菌異常繁殖、腸内菌共生バランス失調および粘膜関門の損傷を有していた元患者におけるIBSの再発の予防、
    −IBSの患者、特に細菌異常繁殖、および/または腸内菌強制バランス失調および粘膜関門の損傷のうち1つ以上を有する患者におけるIBS症状を抑制するための、IBSの患者の結腸中のビフィズス菌、好ましくはビフィドバクテリウム・アドレセンティスの増加、および/または
    −抗生物質による治療を受けているまたは受けたことのある患者における、IBSまたはIBS症状の予防。
  13. 合成組成物が栄養組成物である、請求項12に記載の使用。
  14. HMSがシアル酸およびフコースから選択され、HMOが2’−FL、3−FL、DFL、3’−SL、6’−SL、LNT、LNnT、LNFP−IおよびDSLNTから選択される、請求項12または13に記載の使用。
  15. 合成組成物が1つ以上のHMO骨格、1つ以上のシアリルHMO、および1つ以上のフコシルHMOを含み、適宜フコースおよび/またはシアル酸、好ましくはその両方を含んでいてもよい、請求項12〜14のいずれかに記載の使用。
  16. 合成組成物が2’−FLおよびLNnTを含む、請求項15に記載の使用。
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