JP2021151973A - 歯科用抗菌性材料及び歯磨剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的低用量にて良好な抗菌性を示す歯科用抗菌性材料及び歯磨剤を提供する。【解決手段】主剤及び助剤を含み、前記主剤がカンゾウフラボノイドであり、前記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、グルコサミン及びリジンからなる群から選ばれる少なくとも一種の分子に由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である歯科用抗菌性材料。【選択図】なし
Description
本開示は、歯科用抗菌性材料及び歯磨剤に関する。
近年、抗菌性を示す抗菌性材料について開発が行われている。
抗菌性材料としては、様々な形態での用途が検討されている。
抗菌性材料としては、様々な形態での用途が検討されている。
例えば特許文献1には、プロタミンを抗菌剤として用いた抗菌性物材及びその加工品が開示されている。
また、特許文献2には、(A)ε−ポリリジン及び/またはその塩、(B)pH緩衝能を有する電解質、及び(C)アミノ酸が配合された抗菌剤組成物が開示されている。
また、特許文献2には、(A)ε−ポリリジン及び/またはその塩、(B)pH緩衝能を有する電解質、及び(C)アミノ酸が配合された抗菌剤組成物が開示されている。
従来から存在する抗菌性材料は、例えば歯科用途に用いられる場合に、抗菌性が不足する場合がある。
また、価格が高い抗菌性材料を歯科用途に用いる場合には、可能な限り用量を少なくすることが求められる。
また、価格が高い抗菌性材料を歯科用途に用いる場合には、可能な限り用量を少なくすることが求められる。
特許文献1及び特許文献2に記載の抗菌剤は、歯科用途に用いた場合に用量を抑えることについて考慮されていない。
本開示の一形態が解決しようとする課題は、比較的低用量にて良好な抗菌性を示す歯科用抗菌性材料及び歯磨剤を提供することである。
前記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 主剤及び助剤を含み、前記主剤がカンゾウフラボノイドであり、前記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である歯科用抗菌性材料。
<2> 前記主剤が、水溶性カンゾウエキス及び油溶性カンゾウエキスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む<1>に記載の歯科用抗菌性材料。
<3> 前記主剤が、グラブリジンを含む<1>又は<2>に記載の歯科用抗菌性材料。
<4> 前記助剤が、プロタミン、ポリリジン、ラウロイルサルコシン塩及びドデシル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料。
<5> 前記助剤の含有量が、前記主剤及び前記助剤の合計100質量部に対して、50質量部〜99.9質量部である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料。
<6> さらに、シクロデキストリン類を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料を含む歯磨剤。
<1> 主剤及び助剤を含み、前記主剤がカンゾウフラボノイドであり、前記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である歯科用抗菌性材料。
<2> 前記主剤が、水溶性カンゾウエキス及び油溶性カンゾウエキスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む<1>に記載の歯科用抗菌性材料。
<3> 前記主剤が、グラブリジンを含む<1>又は<2>に記載の歯科用抗菌性材料。
<4> 前記助剤が、プロタミン、ポリリジン、ラウロイルサルコシン塩及びドデシル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料。
<5> 前記助剤の含有量が、前記主剤及び前記助剤の合計100質量部に対して、50質量部〜99.9質量部である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料。
<6> さらに、シクロデキストリン類を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の歯科用抗菌性材料を含む歯磨剤。
本開示の一形態によれば、比較的低用量にて良好な抗菌性を示す歯科用抗菌性材料及び歯磨剤を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
≪抗菌性材料≫
本開示の抗菌性材料は、主剤及び助剤を含み、主剤がカンゾウフラボノイドであり、助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本開示の抗菌性材料は、主剤及び助剤を含み、主剤がカンゾウフラボノイドであり、助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
上述の通り、従来から存在する抗菌性材料は、歯科用途に用いられる場合に抗菌性が不足する場合がある。また、価格が高い抗菌性材料を歯科用途に用いる場合には、可能な限り用量を少なくすることが求められる。
プロタミン、ポリリジン等の既存の抗菌剤は、単剤で用いた場合に抗菌性が不足する場合がある。また、既存の抗菌剤の中には高価な抗菌剤もあることから、高価な抗菌剤を用いる場合には、可能な限りその使用量を抑えることが求められる。
プロタミン、ポリリジン等の既存の抗菌剤は、単剤で用いた場合に抗菌性が不足する場合がある。また、既存の抗菌剤の中には高価な抗菌剤もあることから、高価な抗菌剤を用いる場合には、可能な限りその使用量を抑えることが求められる。
本発明者は、主剤としてのカンゾウフラボノイド、及び、助剤としての、上記分子Aと、上記分子Bと、上記界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種を組み合わせて用いることにより、カンゾウフラボノイド、分子A、分子B、界面活性剤、のそれぞれを単独で用いた場合と比較して、抗菌効果を相乗的に大きく向上させることができることを見出した。
また、例えば主剤として高価なカンゾウフラボノイドを用いる場合、助剤を組み合わせて用いることにより、抗菌効果を相乗的に大きく向上させることができるため、目的とする薬効を得るために用いられるカンゾウフラボノイドの使用量を抑制することができる。
結果として、高価なカンゾウフラボノイドの使用量を抑えることができる。
また、例えば主剤として高価なカンゾウフラボノイドを用いる場合、助剤を組み合わせて用いることにより、抗菌効果を相乗的に大きく向上させることができるため、目的とする薬効を得るために用いられるカンゾウフラボノイドの使用量を抑制することができる。
結果として、高価なカンゾウフラボノイドの使用量を抑えることができる。
<主剤>
本開示の抗菌性材料は、主剤を含み、上記主剤がカンゾウフラボノイドである。
本開示の抗菌性材料は、主剤としてカンゾウフラボノイドを含むことにより、抗菌性を示す。
カンゾウフラボノイドとは、グラブリジン、グラブレン等の混合物である。
カンゾウフラボノイドとしては、例えばカンゾウエキスが挙げられる。
本開示において、カンゾウエキスは、水溶性カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、及びそれら両方を含む組成物を意味する。
本開示の抗菌性材料は、主剤を含み、上記主剤がカンゾウフラボノイドである。
本開示の抗菌性材料は、主剤としてカンゾウフラボノイドを含むことにより、抗菌性を示す。
カンゾウフラボノイドとは、グラブリジン、グラブレン等の混合物である。
カンゾウフラボノイドとしては、例えばカンゾウエキスが挙げられる。
本開示において、カンゾウエキスは、水溶性カンゾウエキス、油溶性カンゾウエキス、及びそれら両方を含む組成物を意味する。
主剤、即ちカンゾウフラボノイドは、水溶性カンゾウエキス及び油溶性カンゾウエキスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
水溶性カンゾウエキスは、主成分としてグリチルリチン酸を含み、グラブリジン、グラブレン等の混合物であるカンゾウフラボノイドも含む。
油溶性カンゾウエキスは、水溶性カンゾウエキスと比較して、グラブリジン、グラブレン等の混合物をより多量に含み、主成分としてグラブリジンを含む。
上記の中でも、主剤としては、グラブリジンをより多量に含むために抗菌性に優れる観点から、油溶性カンゾウエキスを含むことが好ましい。
水溶性カンゾウエキスは、主成分としてグリチルリチン酸を含み、グラブリジン、グラブレン等の混合物であるカンゾウフラボノイドも含む。
油溶性カンゾウエキスは、水溶性カンゾウエキスと比較して、グラブリジン、グラブレン等の混合物をより多量に含み、主成分としてグラブリジンを含む。
上記の中でも、主剤としては、グラブリジンをより多量に含むために抗菌性に優れる観点から、油溶性カンゾウエキスを含むことが好ましい。
主剤としてのカンゾウフラボノイドは、抗菌性の観点から、グラブリジン及びグラブレンを含むことが好ましく、グラブリジンを含むことがより好ましい。
主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましい。
これによって、主剤の含有量を確保して良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。
主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.8質量部以下であることが好ましい。
これによって、主剤と助剤との組み合わせによる良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.0質量部以下であることがより好ましく、98.5質量部以下であることがさらに好ましい。
これによって、主剤の含有量を確保して良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.2質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることがさらに好ましい。
主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.8質量部以下であることが好ましい。
これによって、主剤と助剤との組み合わせによる良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.0質量部以下であることがより好ましく、98.5質量部以下であることがさらに好ましい。
主剤が油溶性カンゾウエキスである場合、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.1質量部〜99.8質量部であることが好ましく、0.2質量部〜50.0質量部であることがより好ましく、0.5質量部〜35.0質量部であることがさらに好ましい。
主剤がグラブリジンである場合、主剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.1質量部〜99.8質量部であることが好ましく、0.2質量部〜20質量部であることがより好ましく、0.5質量部〜10質量部であることがさらに好ましい。
<助剤>
本開示の抗菌性材料は、助剤を含み、上記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本開示の抗菌性材料は、上記の助剤を含むことで、主剤との組み合わせにより抗菌効果を相乗的に大きく向上させることができる。
本開示の抗菌性材料は、助剤を含み、上記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
本開示の抗菌性材料は、上記の助剤を含むことで、主剤との組み合わせにより抗菌効果を相乗的に大きく向上させることができる。
(分子A)
本開示の抗菌性材料は、助剤として分子Aを含んでもよい。
分子Aは、グアニジンに由来する構造を有する。グアニジンに由来する構造としては、特に限定されず、例えば、下記式(G−1)により表される構造であることが好ましい。
本開示の抗菌性材料は、助剤として分子Aを含んでもよい。
分子Aは、グアニジンに由来する構造を有する。グアニジンに由来する構造としては、特に限定されず、例えば、下記式(G−1)により表される構造であることが好ましい。
式(G−1)中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、波線部は他の構造との結合部位を表す。
式(G−1)に含まれるR1〜R4は、抗菌性の観点から、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、いずれもが水素原子であることがより好ましい。上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
式(G−1)に含まれるR1〜R4は、抗菌性の観点から、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基であることが好ましく、いずれもが水素原子であることがより好ましい。上記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。
分子Aは、アミノ酸であることが好ましく、アルギニンに由来する構造を有するアミノ酸であることがより好ましく、アルギニンに由来する構成単位を含むペプチドであることが更に好ましい。上記アルギニンは、公知の置換基を有するアルギニンであってもよいが、無置換のアルギニンであることが好ましい。
上記アルギニンに由来する構造、及び、上記アルギニンに由来する構成単位には、グアニジンに由来する構造が含まれる。
本開示において、アミノ酸とは、1分子内にアミノ基(−NH2)とカルボキシ基(−COOH)とを有する化合物をいう。
本開示において、ペプチドとは、2個〜100個のアミノ酸分子がペプチド結合により連結してなる化合物をいう。
上記アルギニンに由来する構造、及び、上記アルギニンに由来する構成単位には、グアニジンに由来する構造が含まれる。
本開示において、アミノ酸とは、1分子内にアミノ基(−NH2)とカルボキシ基(−COOH)とを有する化合物をいう。
本開示において、ペプチドとは、2個〜100個のアミノ酸分子がペプチド結合により連結してなる化合物をいう。
分子Aは、プロタミン及びプロタミンの塩の少なくとも一方(以下、「プロタミン等」とも称する。)を含むことが好ましく、プロタミンの塩を含むことがより好ましい。また、分子Aは、プロタミン及びプロタミンの塩の少なくとも一方であってもよく、好ましくはプロタミンの塩であってもよい。
プロタミン等としては特に制限はなく、魚類、鳥類、哺乳類等の精巣に存在する核タンパクを、DNAとタンパクに加水分解して得られる塩基性タンパク質、及びこれらの塩が挙げられる。プロタミンの塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩;例えば、酢酸塩、プロピオン酸等の有機塩が挙げられる。
これらのプロタミン等の使用方法としては特に制限はなく、用途に応じて選択することが好ましい。プロタミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またプロタミン等は市販品であってもよい。
これらのプロタミン等の使用方法としては特に制限はなく、用途に応じて選択することが好ましい。プロタミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またプロタミン等は市販品であってもよい。
プロタミン等の重量平均分子量(Mw)は、抗菌性の観点から、それぞれ独立に、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましい。プロタミン等の重量平均分子量(Mw)は、溶解性及び粘度の観点から、それぞれ独立に、50,000以下が好ましく、20,000以下がより好ましく、10,000以下が更に好ましい。
プロタミン等について、分子量及び分子量分布の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて以下の条件で行う。
装置 :ビルドアップGPCシステム(東ソー株式会社)(デガッサー/SD−8022、ポンプ/DP−8020、オートサンプラー/AS−8021、カラムヒーター/CO−8020、示差屈折計/RI−8020)
移動相:0.1mol/L NaNO3水溶液
カラム:TSKgel G3000PWXL−CP(7.8mmID×30cm) 2本(東ソー株式会社)
流速 :1.0mL/分
試料 :移動相溶剤を用いて4mg/mL濃度の試料溶液を作成し、100μL注入
検出器:RI(示差屈折計)、polarity=(+)
温度 :40℃
分子量校正:標準ポリエチレンオキサイド(PEO)(アジレント・テクノロジー株式会社)
プロタミン等について、分子量及び分子量分布の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて以下の条件で行う。
装置 :ビルドアップGPCシステム(東ソー株式会社)(デガッサー/SD−8022、ポンプ/DP−8020、オートサンプラー/AS−8021、カラムヒーター/CO−8020、示差屈折計/RI−8020)
移動相:0.1mol/L NaNO3水溶液
カラム:TSKgel G3000PWXL−CP(7.8mmID×30cm) 2本(東ソー株式会社)
流速 :1.0mL/分
試料 :移動相溶剤を用いて4mg/mL濃度の試料溶液を作成し、100μL注入
検出器:RI(示差屈折計)、polarity=(+)
温度 :40℃
分子量校正:標準ポリエチレンオキサイド(PEO)(アジレント・テクノロジー株式会社)
(分子B)
本開示の抗菌性材料は、助剤として分子Bを含んでもよい。
分子Bはリジンに由来する構造を有する。
リジンに由来する構造を有する分子Bとしては、ポリリジン及びポリリジンの塩が挙げられる。
本開示の抗菌性材料は、助剤として分子Bを含んでもよい。
分子Bはリジンに由来する構造を有する。
リジンに由来する構造を有する分子Bとしては、ポリリジン及びポリリジンの塩が挙げられる。
分子Bとしては、ポリリジン及びポリリジンの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の分子を含むことが好ましく、ポリリジンを含むことが更に好ましい。
以下、ポリリジン及びポリリジンの塩の少なくとも一方を「ポリリジン等」とも称する。
以下、ポリリジン及びポリリジンの塩の少なくとも一方を「ポリリジン等」とも称する。
ポリリジン等としては特に制限はなく、例えば、発酵法により製造されるε−ポリリジン(ε−ポリ−L−リジン)、化学合成により製造されるα−ポリリジン(α−ポリ−L−リジン、α−ポリ−D−リジン)及びこれらの塩が挙げられる。
これらのポリリジン等は、用途に応じて選択することが好ましい。ポリリジン等は1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。またポリリジン等は市販品であってもよい。
これらのポリリジン等は、用途に応じて選択することが好ましい。ポリリジン等は1種単独で用いてもよく、2種を併用してもよい。またポリリジン等は市販品であってもよい。
ポリリジン等の重量平均分子量(Mw)は、抗菌性の観点から、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。
また、ポリリジン等の重量平均分子量(Mw)は、溶解性及び粘度の観点から、それぞれ独立に、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましい。
また、ポリリジン等の重量平均分子量(Mw)は、溶解性及び粘度の観点から、それぞれ独立に、100,000以下が好ましく、50,000以下がより好ましく、20,000以下が更に好ましい。
ポリリジン等について、分子量及び分子量分布の測定は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法を用いて以下の条件で行う。
装置:ビルドアップGPCシステム(東ソー株式会社)(デガッサー/SD−8022、ポンプ/DP−8020、オートサンプラー/AS−8021、カラムヒーター/CO−8020、示差屈折計/RI−8020)
移動相:0.1mol/L NaNO3水溶液
カラム:TSKgel G3000PWXL−CP(7.8mmID×30cm) 2本(東ソー株式会社)
流速 :1.0mL/分
試料 :移動相溶剤を用いて4mg/mL濃度の試料溶液を作成し、100μL注入
検出器:RI(示差屈折計)、polarity=(+)
温度 :40℃
分子量校正:標準ポリエチレンオキサイド(PEO)(アジレント・テクノロジー株式会社)
装置:ビルドアップGPCシステム(東ソー株式会社)(デガッサー/SD−8022、ポンプ/DP−8020、オートサンプラー/AS−8021、カラムヒーター/CO−8020、示差屈折計/RI−8020)
移動相:0.1mol/L NaNO3水溶液
カラム:TSKgel G3000PWXL−CP(7.8mmID×30cm) 2本(東ソー株式会社)
流速 :1.0mL/分
試料 :移動相溶剤を用いて4mg/mL濃度の試料溶液を作成し、100μL注入
検出器:RI(示差屈折計)、polarity=(+)
温度 :40℃
分子量校正:標準ポリエチレンオキサイド(PEO)(アジレント・テクノロジー株式会社)
(陰イオン性界面活性剤)
本開示の抗菌性材料は、助剤として陰イオン性界面活性剤を含んでもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、ラウロイルサルコシンナトリウム等のラウロイルサルコシン塩、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のドデシル硫酸塩、ラウリルリン酸ナトリウム等のラウリルリン酸塩、ラウリン酸ナトリウム等のラウリン酸塩などが挙げられる。
本開示の抗菌性材料は、助剤として陰イオン性界面活性剤を含んでもよい。
陰イオン性界面活性剤としては、ラウロイルサルコシンナトリウム等のラウロイルサルコシン塩、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)等のドデシル硫酸塩、ラウリルリン酸ナトリウム等のラウリルリン酸塩、ラウリン酸ナトリウム等のラウリン酸塩などが挙げられる。
陰イオン性界面活性剤は、臨界ミセル濃度が0.2g/L〜10g/Lであることが好ましい。
臨界ミセル濃度が0.2g/L以上であることで、ミセルを形成せず単分子で存在する活性剤の濃度を高くできる。
臨界ミセル濃度が10g/L以下であることで、細菌の細胞膜の脂質と適切に相互作用し、主剤の抗菌性を補助できる。
上記同様の観点から、陰イオン性界面活性剤は、臨界ミセル濃度が0.5g/L〜10g/Lであることがより好ましく、1.0g/L〜5.0g/Lであることがさらに好ましい。
臨界ミセル濃度は、電導度法、色素法、可溶化法等の手法で測定することができる。
臨界ミセル濃度が0.2g/L以上であることで、ミセルを形成せず単分子で存在する活性剤の濃度を高くできる。
臨界ミセル濃度が10g/L以下であることで、細菌の細胞膜の脂質と適切に相互作用し、主剤の抗菌性を補助できる。
上記同様の観点から、陰イオン性界面活性剤は、臨界ミセル濃度が0.5g/L〜10g/Lであることがより好ましく、1.0g/L〜5.0g/Lであることがさらに好ましい。
臨界ミセル濃度は、電導度法、色素法、可溶化法等の手法で測定することができる。
助剤としては、プロタミン、ポリリジン、ラウロイルサルコシン塩及びドデシル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、ポリリジンを含むことがより好ましい。
助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、1.0質量部以上であることが好ましい。
これによって、主剤と助剤との組み合わせによる良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、1.5質量部以上であることがより好ましい。
助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.9質量部以下であることが好ましい。
これによって、主剤の含有量を確保して良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.8質量部以下であることがより好ましい。
これによって、主剤と助剤との組み合わせによる良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、1.5質量部以上であることがより好ましい。
助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.9質量部以下であることが好ましい。
これによって、主剤の含有量を確保して良好な抗菌性を得ることができる。
上記同様の観点から、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、99.8質量部以下であることがより好ましい。
主剤が油溶性カンゾウエキスである場合、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.2質量部〜99.9質量部であることが好ましく、50質量部〜99.8質量部であることがより好ましく、65質量部〜99.5質量部であることがさらに好ましい。
主剤がグラブリジンである場合、助剤の含有量としては、主剤及び助剤の合計100質量部に対して、0.2質量部〜99.9質量部であることが好ましく、80質量部〜99.8質量部であることがより好ましく、90質量部〜99.5質量部であることがさらに好ましい。
本開示の歯科用抗菌性材料は、さらに、シクロデキストリン類を含むことが好ましい。
シクロデキストリン類には、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体が含まれる。
シクロデキストリン類には、シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体が含まれる。
本開示において使用されるシクロデキストリンとは、7〜8個のD−グルコースがα−1,4結合により環状に連なった非還元性のマルトオリゴ糖である。
シクロデキストリンは、バチルス属(Bacillus sp.)の微生物などが産生するシクロデキストリン生成酵素(Cyclomylos Glucanotransferase)等をでんぷんに作用させることにより製造できる。
本開示におけるシクロデキストリンとしては、6個のD−グルコースが結合したα−シクロデキストリン、7個のD−グルコースが結合したβ−シクロデキストリン、8個のD−グルコースが結合したγ−シクロデキストリン、及びこれらの混合物を使用できる。
上記の中でも、水溶性向上効果が高いことから、シクロデキストリンとしては、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンであることが好ましい。
シクロデキストリンは、バチルス属(Bacillus sp.)の微生物などが産生するシクロデキストリン生成酵素(Cyclomylos Glucanotransferase)等をでんぷんに作用させることにより製造できる。
本開示におけるシクロデキストリンとしては、6個のD−グルコースが結合したα−シクロデキストリン、7個のD−グルコースが結合したβ−シクロデキストリン、8個のD−グルコースが結合したγ−シクロデキストリン、及びこれらの混合物を使用できる。
上記の中でも、水溶性向上効果が高いことから、シクロデキストリンとしては、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンであることが好ましい。
シクロデキストリン類としては、シクロデキストリン誘導体を用いることもできる。
シクロデキストリン誘導体としては、水溶性を高める等の目的で、シクロデキストリンの水酸基に、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基などを導入したシクロデキストリン誘導体を用いることができる。
シクロデキストリン誘導体としては、水溶性を高める等の目的で、シクロデキストリンの水酸基に、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル基などを導入したシクロデキストリン誘導体を用いることができる。
本開示において、上記のシクロデキストリン類を重合させた多量体も使用する事ができる。
シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
シクロデキストリン及びシクロデキストリン誘導体は、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
主剤が油溶性カンゾウエキス及びグラブリジンの少なくとも一方である場合、シクロデキストリン類の含有量としては、主剤の水溶性を向上させる観点から、主剤及びシクロデキストリン類の合計100質量部に対して、10質量部〜99質量部であることが好ましく、20質量部〜98質量部であることがより好ましく、50質量部〜95質量部であることがさらに好ましい。
抗菌性材料の具体例としては、例えば、口腔ジェルが挙げられる。
≪歯磨剤≫
本開示の歯磨剤は、本開示の歯科用抗菌性材料を含む。
即ち、本開示の歯科用抗菌性材料は、歯磨剤として好適に用いることができる。
本開示の歯磨剤は、本開示の歯科用抗菌性材料を含む。
即ち、本開示の歯科用抗菌性材料は、歯磨剤として好適に用いることができる。
歯磨剤は、上述の歯科用抗菌性材料に加えて、さらに、研磨剤、界面活性剤、湿潤剤、粘結剤、粘度調整剤、保存剤、香料、甘味料、清掃助剤、殺菌剤、歯質強化剤、消炎剤、水等を含んでいてもよい。
歯磨剤の形態としては、特に制限はなく、例えば、ペースト状、液体、粉末等の形態であってもよく、これらの形態に限定されない。
以下、本開示を実施例により更に具体的に説明するが、本開示はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、本実施例において、「ppm」は質量基準である。
なお、本実施例において、「ppm」は質量基準である。
[実施例1〜15、及び、比較例1〜8]
実施例及び比較例において、以下の成分を用いた。
<カンゾウエキス>
カンゾウエキス(商品名:カンゾウエキスパウダー、日本粉末薬品株式会社製)
<油溶性カンゾウエキス>
油溶性カンゾウエキス(商品名:油溶性甘草エキスP−T(40)、丸善製薬株式会社製)
<グラブリジン>
グラブリジン(商品名:グラブリジン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
<ポリリジン>
以下の実施例及び比較例では、抗菌剤として以下のポリリジンを用いた。
ポリリジンとして、ガードキープGK−900G(ポリリジン22.5質量%、グリセリン10質量%を含む水溶液、JNC株式会社)から、以下の方法により抽出精製したものを使用した。
まず、ガードキープGK−900G 1.93kgを3Lのフラスコに入れて減圧蒸留した。得られた粘稠液体745gに、室温でイソプロパノール2.5Lを加え一晩撹拌し、析出した白色粉末を減圧濾過したのち、イソプロパノールで洗浄(0.8L×3回)、減圧乾燥(80℃、4kPa、24時間)により、ポリリジンの白色粉末394gを得た。
<カンゾウエキス>
カンゾウエキス(商品名:カンゾウエキスパウダー、日本粉末薬品株式会社製)
<油溶性カンゾウエキス>
油溶性カンゾウエキス(商品名:油溶性甘草エキスP−T(40)、丸善製薬株式会社製)
<グラブリジン>
グラブリジン(商品名:グラブリジン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
<ポリリジン>
以下の実施例及び比較例では、抗菌剤として以下のポリリジンを用いた。
ポリリジンとして、ガードキープGK−900G(ポリリジン22.5質量%、グリセリン10質量%を含む水溶液、JNC株式会社)から、以下の方法により抽出精製したものを使用した。
まず、ガードキープGK−900G 1.93kgを3Lのフラスコに入れて減圧蒸留した。得られた粘稠液体745gに、室温でイソプロパノール2.5Lを加え一晩撹拌し、析出した白色粉末を減圧濾過したのち、イソプロパノールで洗浄(0.8L×3回)、減圧乾燥(80℃、4kPa、24時間)により、ポリリジンの白色粉末394gを得た。
<プロタミンの塩>
以下の実施例及び比較例では、抗菌剤として以下のプロタミンの塩を用いた。なお、プロタミンの塩の重量平均分子量は、既述の方法で測定した。
プロタミンの塩:プロタミン塩酸塩、マルハニチロ株式会社、プロタミン含有量(全体に対するプロタミンの塩の含有量)88.3質量%、強熱残分11.4質量%、重量平均分子量5800
以下の実施例及び比較例では、抗菌剤として以下のプロタミンの塩を用いた。なお、プロタミンの塩の重量平均分子量は、既述の方法で測定した。
プロタミンの塩:プロタミン塩酸塩、マルハニチロ株式会社、プロタミン含有量(全体に対するプロタミンの塩の含有量)88.3質量%、強熱残分11.4質量%、重量平均分子量5800
<他の成分>
ラウロイルサルコシンナトリウム(陰イオン性界面活性剤、臨界ミセル濃度:3.8g/L、商品名:Sodium N−Lauroylsarcosinate、東京化成工業株式会社製)
ドデシル硫酸ナトリウム(陰イオン性界面活性剤、臨界ミセル濃度:2.3g/L、関東化学株式会社製)
Span20(非イオン性界面活性剤、東京化成工業株式会社製)
Tween20及びTween80(非イオン性界面活性剤、関東化学株式会社製)
ラウロイルサルコシンナトリウム(陰イオン性界面活性剤、臨界ミセル濃度:3.8g/L、商品名:Sodium N−Lauroylsarcosinate、東京化成工業株式会社製)
ドデシル硫酸ナトリウム(陰イオン性界面活性剤、臨界ミセル濃度:2.3g/L、関東化学株式会社製)
Span20(非イオン性界面活性剤、東京化成工業株式会社製)
Tween20及びTween80(非イオン性界面活性剤、関東化学株式会社製)
(実施例1〜実施例5及び比較例1)
<水溶液1の調製>
反応器(50mL)に、水と、主剤としての水溶性カンゾウエキスと、を水溶性カンゾウエキスの含有量が5質量%となる比率にて装入した後、室温で1時間攪拌した。その後滅菌済メンブレンフィルター0.22μmを用いてろ過滅菌を行い、水溶液1を得た。
<水溶液1の調製>
反応器(50mL)に、水と、主剤としての水溶性カンゾウエキスと、を水溶性カンゾウエキスの含有量が5質量%となる比率にて装入した後、室温で1時間攪拌した。その後滅菌済メンブレンフィルター0.22μmを用いてろ過滅菌を行い、水溶液1を得た。
<細菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)>
1.前培養
(供試菌種)
S.mutans(Streptococcus mutans NBRC 13955)
1.前培養
(供試菌種)
S.mutans(Streptococcus mutans NBRC 13955)
2.サンプル作製
上記で調製した水溶液1を、121℃、20分にてオートクレーブ滅菌した表1に記載の助剤を含むBHI培地に加えて、水溶性カンゾウエキスの最大濃度を10000ppmとし、最小濃度を78ppmとする8段階の2倍希釈系列(即ち、8個のサンプル)を作製した。
上記で調製した水溶液1を、121℃、20分にてオートクレーブ滅菌した表1に記載の助剤を含むBHI培地に加えて、水溶性カンゾウエキスの最大濃度を10000ppmとし、最小濃度を78ppmとする8段階の2倍希釈系列(即ち、8個のサンプル)を作製した。
3.菌液調製
BHI培地に、初期菌数として1.1E+7[CFU(colony forming unit)/mL]に相当する規定数量のS.mutans(NBRC 13955)の菌液を添加して、S.mutansを含むブイヨン培地(試験菌液)を調製した。
BHI培地に、初期菌数として1.1E+7[CFU(colony forming unit)/mL]に相当する規定数量のS.mutans(NBRC 13955)の菌液を添加して、S.mutansを含むブイヨン培地(試験菌液)を調製した。
4.MIC測定試験
以下の手順にて、MIC測定試験を行った。
(i)上記2倍希釈系列を構成する各サンプル100μLに対して、上記で調製した菌液を2μL接種し、Anoxomat(登録商標、Advanced Instruments社製)を用いて酸素6%の微好気条件とした後、24時間37℃で培養した。
(ii)(i)が終了した後、目視にて菌の発育の有無を確認し、発育のない最大希釈濃度をMIC値とした。
結果を表1に示す。
以下の手順にて、MIC測定試験を行った。
(i)上記2倍希釈系列を構成する各サンプル100μLに対して、上記で調製した菌液を2μL接種し、Anoxomat(登録商標、Advanced Instruments社製)を用いて酸素6%の微好気条件とした後、24時間37℃で培養した。
(ii)(i)が終了した後、目視にて菌の発育の有無を確認し、発育のない最大希釈濃度をMIC値とした。
結果を表1に示す。
(実施例6〜実施例13、比較例2及び比較例4〜比較例8)
<水溶液2の調製>
反応器(15mL)に、70質量%エタノール水溶液と、主剤としての油溶性カンゾウエキスと、を油溶性カンゾウエキスの含有量が1000ppmとなる比率にて装入した後、室温で1時間攪拌した。その後滅菌済メンブレンフィルター0.22μmを用いてろ過滅菌を行い、水溶液2を得た。
次に、2.サンプル作製において、水溶液1を水溶液2に変更し、油溶性カンゾウエキスの最大濃度を50ppmとし、最小濃度を0.4ppmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表1に示す。
<水溶液2の調製>
反応器(15mL)に、70質量%エタノール水溶液と、主剤としての油溶性カンゾウエキスと、を油溶性カンゾウエキスの含有量が1000ppmとなる比率にて装入した後、室温で1時間攪拌した。その後滅菌済メンブレンフィルター0.22μmを用いてろ過滅菌を行い、水溶液2を得た。
次に、2.サンプル作製において、水溶液1を水溶液2に変更し、油溶性カンゾウエキスの最大濃度を50ppmとし、最小濃度を0.4ppmとしたこと以外は、実施例1の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表1に示す。
(実施例14、実施例15及び比較例3)
<水溶液3の調製>
油溶性カンゾウエキスをグラブリジンに変更した以外は、<水溶液2の調製>の場合と同様にして水溶液3を得た。
次に、2.サンプル作製において、水溶液2を水溶液3に変更し、グラブリジンの最大濃度を62.5ppmとし、最小濃度を0.5ppmとしたこと以外は、実施例6の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表1に示す。
<水溶液3の調製>
油溶性カンゾウエキスをグラブリジンに変更した以外は、<水溶液2の調製>の場合と同様にして水溶液3を得た。
次に、2.サンプル作製において、水溶液2を水溶液3に変更し、グラブリジンの最大濃度を62.5ppmとし、最小濃度を0.5ppmとしたこと以外は、実施例6の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表1に示す。
表1に示す通り、主剤が水溶性カンゾウエキスであり、助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジン由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である実施例1〜実施例5に係る抗菌性材料は、水溶性カンゾウエキスを単独で用いた比較例1と比較して、MICの値が低く、少ない使用量にて良好な抗菌性を示すことができた。
同様に、主剤が油溶性カンゾウエキスであり、助剤が、分子Aと、分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である実施例6〜実施例13に係る抗菌性材料は、油溶性カンゾウエキスを単独で用いた比較例2と比較して、菌の発育を阻止できる最小濃度としてのMIC値が低く、少ない使用量にて良好な抗菌性を示すことができた。
同様に、主剤がグラブリジンであり、助剤が、分子Aと、分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である実施例14及び実施例15に係る抗菌性材料は、グラブリジンを単独で用いた比較例3と比較して、MICの値が低く、少ない使用量にて良好な抗菌性を示すことができた。
一方、助剤として非イオン性界面活性剤を用いた比較例4〜8は、油溶性カンゾウエキスを単独で用いた比較例2と比較して、MICの値は小さくなっておらず、少ない使用量にて抗菌性を示すことができなかった。
同様に、主剤が油溶性カンゾウエキスであり、助剤が、分子Aと、分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である実施例6〜実施例13に係る抗菌性材料は、油溶性カンゾウエキスを単独で用いた比較例2と比較して、菌の発育を阻止できる最小濃度としてのMIC値が低く、少ない使用量にて良好な抗菌性を示すことができた。
同様に、主剤がグラブリジンであり、助剤が、分子Aと、分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である実施例14及び実施例15に係る抗菌性材料は、グラブリジンを単独で用いた比較例3と比較して、MICの値が低く、少ない使用量にて良好な抗菌性を示すことができた。
一方、助剤として非イオン性界面活性剤を用いた比較例4〜8は、油溶性カンゾウエキスを単独で用いた比較例2と比較して、MICの値は小さくなっておらず、少ない使用量にて抗菌性を示すことができなかった。
(実施例16〜実施例18及び比較例9)
表2に記載の種類及び含有量にて、油溶性カンゾウエキス及びシクロデキストリン類を、3.5質量%エタノール水溶液に添加し、溶解性を濁度で比較した。
シクロデキストリン類を添加しない比較例9に対し、シクロデキストリン類を添加した実施例16〜実施例18の場合、油溶性カンゾウエキス水溶液の濁度が低くなった。このことから、シクロデキストリン類はカンゾウエキス類の溶解性を向上させていることが示された。
なお、濁度はプレートリーダー(機器名;Spark 10M、テカンジャパン株式会社製)を用い、660nmの波長で測定した。
表2に記載の種類及び含有量にて、油溶性カンゾウエキス及びシクロデキストリン類を、3.5質量%エタノール水溶液に添加し、溶解性を濁度で比較した。
シクロデキストリン類を添加しない比較例9に対し、シクロデキストリン類を添加した実施例16〜実施例18の場合、油溶性カンゾウエキス水溶液の濁度が低くなった。このことから、シクロデキストリン類はカンゾウエキス類の溶解性を向上させていることが示された。
なお、濁度はプレートリーダー(機器名;Spark 10M、テカンジャパン株式会社製)を用い、660nmの波長で測定した。
表2に記載の成分の詳細は下記の通りである。
なお、表2中、下記の成分以外の成分についての詳細は上述の通りである。
α―シクロデキストリン(商品名:α―シクロデキストリン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
β―シクロデキストリン(商品名:β―シクロデキストリン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
γ―シクロデキストリン(商品名:γ―シクロデキストリン、東京化成工業株式会社製)
なお、表2中、下記の成分以外の成分についての詳細は上述の通りである。
α―シクロデキストリン(商品名:α―シクロデキストリン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
β―シクロデキストリン(商品名:β―シクロデキストリン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
γ―シクロデキストリン(商品名:γ―シクロデキストリン、東京化成工業株式会社製)
(参考例1〜参考例10)
表3に記載の各成分を単独で用いた場合の抗菌性について示す。
〔参考例1〜参考例7〕
上述の<水溶液1の調製>の項において、反応器に装入した水溶性カンゾウエキスを、表3に記載の各成分に変更したこと以外は、上述の比較例1の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。
〔参考例8〜参考例10〕
上述の<水溶液2の調製>の項において、反応器に装入した油溶性カンゾウエキスを、表3に記載の各成分に変更し、
2.サンプル作製において各成分の最大濃度を500ppmとし、最小濃度を4ppmとしたこと以外は、上述の比較例2の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表3に示す。
表3に記載の各成分を単独で用いた場合の抗菌性について示す。
〔参考例1〜参考例7〕
上述の<水溶液1の調製>の項において、反応器に装入した水溶性カンゾウエキスを、表3に記載の各成分に変更したこと以外は、上述の比較例1の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。
〔参考例8〜参考例10〕
上述の<水溶液2の調製>の項において、反応器に装入した油溶性カンゾウエキスを、表3に記載の各成分に変更し、
2.サンプル作製において各成分の最大濃度を500ppmとし、最小濃度を4ppmとしたこと以外は、上述の比較例2の場合と同様にしてMIC測定試験を行った。結果を表3に示す。
表3に記載の成分の詳細は下記の通りである。
なお、表3中、下記の成分以外の成分についての詳細は上述の通りである。
ルチン(商品名:ルチン三水和物、関東化学株式会社製)
ヘスペリジン(商品名:ヘスペリジン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
ノビレチン(商品名:ノビレチン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
なお、表3中、下記の成分以外の成分についての詳細は上述の通りである。
ルチン(商品名:ルチン三水和物、関東化学株式会社製)
ヘスペリジン(商品名:ヘスペリジン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
ノビレチン(商品名:ノビレチン、富士フィルム和光純薬株式会社製)
Claims (7)
- 主剤及び助剤を含み、
前記主剤がカンゾウフラボノイドであり、
前記助剤が、グアニジンに由来する構造を有する分子Aと、リジンに由来する構造を有する分子Bと、陰イオン性界面活性剤と、からなる群から選ばれる少なくとも1種である歯科用抗菌性材料。 - 前記主剤が、水溶性カンゾウエキス及び油溶性カンゾウエキスからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載の歯科用抗菌性材料。
- 前記主剤が、グラブリジンを含む請求項1又は請求項2に記載の歯科用抗菌性材料。
- 前記助剤が、プロタミン、ポリリジン、ラウロイルサルコシン塩及びドデシル硫酸ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料。
- 前記助剤の含有量が、前記主剤及び前記助剤の合計100質量部に対して、50質量部〜99.9質量部である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料。
- さらに、シクロデキストリン類を含む請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の歯科用抗菌性材料を含む歯磨剤。
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|---|
KR20230073986A (ko) | 2021-11-19 | 2023-05-26 | (주) 베리콤 | 항균성 3d 프린팅 조성물 및 이를 이용한 치과용 항균성 3d 프린팅 제품 |
-
2020
- 2020-03-24 JP JP2020053436A patent/JP2021151973A/ja active Pending
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KR20230073986A (ko) | 2021-11-19 | 2023-05-26 | (주) 베리콤 | 항균성 3d 프린팅 조성물 및 이를 이용한 치과용 항균성 3d 프린팅 제품 |
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