JP2021150252A - 複合粒子およびトナー - Google Patents

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【課題】実質的にプリンテッドエレクトロニクスに良好に対応するトナー印刷を可能とし、さらには環境に配慮され、かつ半導体デバイスなどにも適用可能な高精細の金属配線を印刷可能とする複合粒子およびトナーを提供する。【解決手段】複合粒子は、導電性粒子と、導電性粒子とは異種の材料からなる被覆粒子を含み、導電性粒子の表面の少なくとも一部が、被覆粒子により被覆されるよう構成され、またトナーは、上記複合粒子を含んで構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、複合粒子およびトナーに関する。
フレキシブル有機半導体デバイスなどの製造技術として、現在、インクジェット印刷やグラビア印刷を始めとする印刷技術が広く研究されている。これらの技術はプリンテッドエレクトロニクスと呼ばれ、目的位置に必要量の材料を塗布することが可能であり、従来の半導体製造技術のように真空プロセスを必要とせず、大面積化・高速印刷が可能であるため、期待されている。
ただし、プリンテッドエレクトロニクスには以下の問題があった。すなわち、現在のプリンテッドエレクトロニクスは、金属、半導体、絶縁体材料等の材料を適切な溶媒に溶解あるいは分散等させることによってインク化し、これを用いてインクジェット印刷やグラビア印刷などの印刷技術を用いるものが主流である。ここで、上記インクにおける溶媒としては、ハロゲン系溶媒や芳香族系溶媒等の揮発性有機溶媒が用いられることが一般的あるが、これらの揮発性有機溶媒は、作業者への直接的な影響だけでなく、地球環境保全等の関係においても問題がある。
一方、金属粉などの導電性粒子による静電潜像の現像方法が提案されている(下記特許文献1)。上記現像方法は、実質的に導電性材料のみからなる導電性粒子と、樹脂キャリア粒子を混合した現像剤を用いて現像する現像方法に関する技術である。特許文献1によれば、上記現像方法により形成された画像パターンは、導電性材料のみからなる導電性粒子によるものであるため、その画像パターンに焼成等の後処理を施して電気回路として導電性を付与することができ、当該画像パターンを用いて半導体集積素子内等の電気回路を形成することが可能である旨、説明されている。
特開2011−257684号公報
本発明者らは、上述するプリンテッドエレクトロニクスにおいて、インクジェット印刷などのインクを用いた印刷技術の問題点を踏まえ、導電性粒子を用いたトナー印刷に着眼した。トナー印刷を利用したプリンテッドエレクトロニクスでは、インク化に必要な化学修飾や特殊な溶媒を必要としないため、環境負荷を低減することができる。またインクジェット印刷は点印刷であるため、点状に転写されたインクが乾燥すると成分が当該点の縁にリング状に集中する、所謂コーヒーリング現象が発生する場合がある。コーヒーリング現象は、印刷ムラの原因となるため、電気回路をパターニングしようとした場合、高精細化の支障となり、また電気抵抗の増加要因となりうる。これに対し、トナー印刷であれば、コーヒーリング現象の発生の心配もない。
上述する特許文献1に開示される技術は、導電性粒子を用いているため、電気回路のパターニングは可能であるものの、本発明者らの検討によれば、当該技術では高精細な電気回路のパターニングは難しく、半導体の高集積化を図ることが困難であることがわかった。つまり、実質的にプリンテッドエレクトロニクスに良好に対応するトナー印刷はいまだ実現されていないのが現状であった。
本発明は上記問題に鑑み、実質的にプリンテッドエレクトロニクスに良好に対応するトナー印刷を可能とすることを念頭になされたものである。より具体的には、本発明は、環境に配慮され、かつ半導体デバイスなどにも適用可能な高精細の金属配線を印刷可能とする複合粒子およびトナーを提供することを課題とする。
本発明の複合粒子は、導電性粒子と、前記導電性粒子とは異種の材料からなる被覆粒子を含み、前記導電性粒子の表面の少なくとも一部が、前記被覆粒子により被覆されていることを特徴とする。
また本発明のトナーは、本発明の複合粒子をトナー粒子として含むことを特徴とする。
上述する構成を備える本発明の複合粒子は、分散性が良好であり、凝集することが防止される。かかる本発明の複合粒子をトナー部材として用いた場合、半導体デバイスなどにも適用可能な高精細の金属配線を印刷可能である。もちろん、当該トナー部材を用いてトナー印刷により金属配線を印刷した場合には、上述するインクジェットなどが有していた環境問題やコーヒーリングの発生が防止されることは言うまでもない。
本発明の一例である複合粒子のSEM写真に、当該複合粒子を用い行ったエネルギー分散型X線分析(EDX分析)で分析されたニッケル元素の分析画像を重ねて示すものである。 実施例1の複合粒子の走査型顕微鏡写真である。 実施例3の複合粒子の走査型顕微鏡写真である。 比較例1の銀粒子の攪拌前の電子顕微鏡写真である。 比較例1の銀粒子をボールミルで攪拌した後の電子顕微鏡写真である。 実施例5を用いたトナー印刷に使用した現像装置の模式図である。 実施例5を用いたトナー印刷に使用したフォトマスクのパターンである。 キャリア粒子および銀粒子をボールミルで攪拌し調製された従来の二成分系のトナーの電子顕微鏡写真である。
本発明者らは、プリンテッドエレクトロニクスに関しトナー印刷により高精細なパターニングを可能とするために鋭意検討した。その結果、一般的な導電性粒子を用いてトナー印刷した場合に、高精細なパターニングを困難とさせる主要な原因が、当該導電性粒子の凝集にあることを見出した。つまり、プリンテッドエレクトロニクスにおいて用いられる導電性粒子は、たとえばナノサイズ〜数十ミクロン程度の平均粒径のものが好適であるが、そのような平均粒径の導電性粒子は、互いに凝集し塊状になる傾向にある。図4は後述する比較例1の銀粒子(メーカーカタログ値;平均粒径2μm〜3、5μm程度)の電子顕微鏡写真であるが、かかる図4によれば、銀粒子は、数十ミクロン程度の塊状になっていることがわかる。この銀粒子をボールミルなどで攪拌しても、小粒径化せず、図5に示すような塊状のまま潰されて大径かつ扁平の銀粒子の塊が形成される傾向にある。尚、図5は、後述する比較例1の銀粒子をボールミルで攪拌した後の電子顕微鏡写真である。
このように塊状となり、見かけ上の粒径が大きくなった銀粒子を用いてトナー印刷をした場合、高精細なパターンニングは困難であり、また印刷ムラなどが発生しやすい。換言すると、従来の導電性粒子を用いたトナー印刷において、高精細なパターニングが困難であった主たる要因は、銀粒子が塊状となり見かけ上の粒径が大きくなっていたことによるものと推察された。
ところで、トナー印刷は、帯電したトナー成分を、露光され所定領域の電圧が高められたターゲット電極に移行させて現像を行う。ここで、現像前のトナー成分を担持するとともに帯電させるために、トナー成分とともにキャリア粒子と呼ばれる粒子含むトナーを用いる二成分現像法が知られる。二成分現像法に用いられるトナーを調製する場合、トナー成分とキャリア粒子とを併せて攪拌させることが一般的である。かかる攪拌によって、トナー成分はキャリア粒子に担持されるとともに帯電し、現像装置においてターゲット電極へ移行し転写物を形成する。
ところが、導電性粒子であるトナー成分とキャリア粒子とをボールミルなどで混合させた場合、数ミクロン以下の導電性粒子(またはその塊状物)はキャリア粒子表面に担持されうるが、それ以上の大きさに凝集した導電性粒子は、キャリア粒子表面に担持され難いことがわかった。具体例を図8に示す。図8は、キャリア粒子(パウダーテック株式会社製、1793A4451;平均粒径70μm)2質量部に対し、銀粒子(Sigma−Aldrich社製、シルバーナノパウダー;平均粒径150nm)を0.2質量部の割合で計測し、計測されたキャリア粒子および銀粒子をボールミルで600rpm、30分間攪拌を行い調製した二成分系のトナーの電子顕微鏡写真である。図8からわかるとおり、キャリア粒子の表面には、小径の銀粒子(またはその塊状物)が担持されているものの、当該キャリア粒子の周囲には、10μm以上を超える大径の塊状となった銀粒子が、担持されずに多量に存在している。このような二成分系のトナーを用いた場合、担持されていない塊状の銀粒子はターゲット電極に対して移行しにくく、そのため銀粒子の転写量が少なくなり転写効率が悪くなる傾向にある。また担持されていない大径の塊状の銀粒子がターゲット電極に移行した場合、大径であるため、現像されたパターンの解像度が悪くなる。上述する理由から、従来の導電性粒子とキャリア粒子とを含む二成分系のトナーを用いてトナー印刷した場合、高精細なパターニングが実現され難いものと推察された。
本発明は、トナー印刷に用いる導電性粒子の分散性を向上させ凝集を抑制することによって、上述する種々の問題を解決可能とするものである。具体的には、本発明の複合粒子は、導電性粒子の表面の少なくとも一部が、当該導電性粒子とは異種の材料からなる被覆粒子により被覆される。
かかる構成を備える本発明の複合粒子は、凝集して塊状となることが抑制される。そのため、当該複合粒子をトナー成分として用いてトナー印刷した場合、高精細なパターニングが可能である。また、本発明の複合粒子は小径の状態で分散性が良好であるため、キャリア粒子とともにボールミルなどで攪拌混合してトナーを調製した場合、キャリア粒子の表面へ担持される複合粒子の割合が高い。そのため当該トナーを用いてトナー印刷した場合、高精細で解像度の高いパターニング(現像)が可能である。
このように高精細なパターニングを可能とする本発明によれば、半導体デバイスなどの高集積化を促進することが可能である。
本発明に関し、被覆粒子が、導電性粒子とは異種の材料から構成されるとは、被覆粒子および導電性粒子を構成する主たる成分が異なることを意味する。尚、本明細書において、主たる成分とは、粒子100質量%において、50質量%を超えて含有される成分を意味し、主たる成分は粒子100質量%において、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。導電性粒子および被覆粒子の主たる成分については後述する。
以下に、本発明の複合粒子についてより詳細に説明する。
[複合粒子]
(導電性粒子)
本発明における導電性粒子は、導電性を示す物質を含んで構成される粒子状物である。ここでいう導電性を示す物質とは、電気が流れやすい性質を備える物質を指し、たとえば銀、金、銅、ニッケル、酸化インジウムスズおよびスズ−アンチモン系酸化物などのスズ系酸化物、並びに、グラファイト、カーボンナノチューブ、およびグラフェンなどのカーボン部材などが挙げられ、これらの成分が導電性粒子において主たる成分であることが好ましい。
中でも銀、金および銅は、電気抵抗率が低く導電性が高いため、本発明における導電性粒子の構成成分として好ましく、半導体に直接接合する微細な電気配線を印刷形成する部材としてより適しているという理由から、銀および金は、本発明の導電性粒子の構成成分としてより好ましい。なお、金粒子および銀粒子は、粒子表面の活性が強く特に凝集しやすい粒子であるが、本発明によれば、金または銀を含む導電性粒子を用いた場合であっても、粒子の凝集を良好に抑制することができ、金や銀の高い導電性を活かした高精細な電気回路等をパターニングすることができる。
導電性粒子は、上述する導電性を示す物質を含んで構成され、好ましくは、導電性粒子100質量%において、導電性を示す物質が50質量%を超えて含まれることが好ましく、80質量%以上含まれることがより好ましく、90質量%以上含まれることがさらに好ましい。
導電性粒子の平均粒径は特に限定されないが、高精細なパターニングをより十分に可能とするという観点からは、10nm以上10μm以下の範囲であることが好ましく、100nm以上8μm以下であることがより好ましく、500nm以上5μm以下であることがさらに好ましい。上記導電性粒子の平均粒径は、たとえば導電性粒子として用いる市販粒子のメーカーカタログ値を参照することができる。
本発明における導電性粒子とは、全く凝集していない粒子単体、および粒子単体が少量凝集して構成される小径の凝集体を便宜的に含む。上述する導電性粒子の平均粒径は、導電性粒子単体の平均粒径を指している。
(被覆粒子)
本発明における被覆粒子は、当該導電性粒子とは異種の材料から構成される粒子である。
導電性粒子とは異種の材料からなる粒子で、当該導電性粒子の表面の少なくとも一部を被覆することによって、複合粒子の凝集が抑制されうる。ここで被覆とは、導電性粒子の表面に小径粒子が付着している状態を指す。
より具体的には、図1に示すように、本発明の複合粒子の表面には被覆粒子が存在する。図1は、本発明の一例である複合粒子のSEM写真に、当該複合粒子を用い行ったエネルギー分散型X線分析(EDX分析)で分析されたニッケル元素の分析画像を重ねて示すものである。図面全体に確認される塊が複合粒子であり、その表面において、多数の細かい点でニッケルの存在が示されている。
図1に示す複合粒子は、ネジ口試験管に、攪拌部材であるジルコニアボール(平均粒径0.9mm〜1.1mm程度)とともに、市販の平均粒径2μm〜3.5μmの銀粒子と、平均粒径100nm以下のニッケル粒子とを入れ、ネジ口試験管をボールミルで回転させて内容物を攪拌して作成したものである。このようにして作成された複合粒子のSEM写真を撮影するとともに、エネルギー分散型X線分析(EDX分析)によって元素分析を行ったところ、導電性粒子である銀粒子の表面に被覆粒子であるニッケル粒子が付着していることが確認された。
本発明において、被覆粒子は、導電性粒子よりも小径であることが好ましい。被覆粒子の平均粒径は、特に数値範囲で限定的に特定されるものではないが、たとえば、5nm以上5μm以下であることが好ましく、10nm以上1μm以下であることがより好ましく、30nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。被覆粒子の平均粒径が5nm以上であることにより、当該被覆粒子の調製または入手が容易であり、また被覆粒子の平均粒径が5μm以下であることによって、導電性粒子の表面に被覆させやすい。上記被覆粒子の平均粒径は、たとえば被覆粒子として用いる市販粒子のメーカーカタログ値を参照することができる。
上記被覆粒子を構成する部材は、導電性粒子を構成する部材とは異なる部材であればよく、特に限定されない。
たとえば、複合粒子の導電性をより良いものにするという観点からは、被覆粒子は導電性部材を含むことが好ましく、たとえば、酸化インジウムスズおよびスズ−アンチモン系酸化物などのスズ系酸化物、グラファイト、カーボンナノチューブ、およびグラフェンなどのカーボン部材、並びにニッケルなどは被覆粒子の構成部材として好適であり、これらの成分は被覆粒子において主たる成分であることが好ましい。
また別の観点からは、被覆粒子は、磁性体材料を含むことが好ましく、たとえば、磁性体材料として、ニッケル、磁性を示すニッケル鉄系合金、フェライトなどは被覆粒子の構成部材として好適である。磁性体材料を含む被覆粒子が導電性粒子の表面に被覆されてなる複合粒子は、結果として当該複合粒子自体が磁性体材料のような振る舞いを示しうるからであり、これらの成分は被覆粒子において主たる成分であることが好ましい。このような態様の複合粒子をトナー部材として用いた場合、ターゲット電極に対するトナー部材(複合粒子)の移行がスムーズであり転写効率を上げることが可能である。また、従来、二成分系のトナーにおいて、キャリア粒子の表面に導電性粒子が担持させることによって当該導電性粒子を帯電させていたところ、磁性体材料に被覆された導電性粒子を備える複合粒子であれば、複合粒子自体が磁性を帯びることになるため、キャリア粒子による帯電を要しない。したがって、磁性体材料を含んで構成される態様の本発明の複合粒子は、キャリア粒子を有しないキャリアレストナーのトナー成分として使用することが可能である。
本発明において、導電性粒子の構成部材と、被覆粒子との構成部材とは、異種の材料であればよいが、特に、導電性粒子として銀粒子または金粒子を含み、かつニッケル粒子およびITO粒子などの導電性を示す被覆粒子で被覆する態様は、好ましい組み合わせといえる。被覆粒子も導電性を有することで、複合粒子の導電性をより良好なものとすることができる。ニッケル粒子またはITO粒子などは、銀粒子や金粒子の凝集性を良好に抑制する。
上述する導電性粒子と被覆粒子とを含んで構成される本発明の複合粒子は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、導電性粒子と複合粒子以外の成分を含んでいてもよいが、実質的に導電性粒子および複合粒子のみから構成されることが好ましい。
本発明の複合粒子における導電性粒子とは、導電性粒子単体であってもよいし、導電性粒子単体が少量凝集してなる小径の塊状であってもよい。複合粒子における導電性粒子が、このような小径の塊状である場合、被覆粒子は、少なくとも当該塊状の導電性粒子の表面に付着し、さらに導電性粒子単体間に被覆粒子が存在していてもかまわない。
本発明の複合粒子の平均粒径は特に限定されないが、当該平均粒径は10nm以上30μm以下の範囲であることが好ましく、100nm以上10μm以下であることがより好ましく、500nm以上7μm以下であることがさらに好ましい。平均粒径が10nm以上である複合粒子は取り扱性が容易であり、また、平均粒径が30μm以下の複合粒子を用いることによって、トナー印刷において印刷ムラを抑制し高精細なパターニングを容易に実現することができるため好ましい。
複合粒子の粒径は、電子顕微鏡観察から実測することができ、平均粒径を求める場合には、電子顕微鏡観察において無作為に選択された複数(例えば50個)の複合粒子の最長径部分を実測し、それら実測値を算術平均することにより求めることができる。
上述する本発明の複合粒子は、分散性がよく凝集が抑制されるため、流動性にも優れ取り扱い性が良い。複合粒子の流動性は、たとえば、当該複合粒子に用いられた導電性粒子のみの対象サンプル、および複合粒子それぞれの安息角を測定することにより確認することができる。一般的に、複合粒子の安息角の方が、これに用いられた導電性粒子自体の安息角よりも小さくなり、流動性が高いことが確認できる。
上述する本発明の複合粒子の用途は特に限定されないが、金属配線形成用のトナー粒子として用いられることは、好ましい態様といえる。すなわち、本発明の複合粒子は、導電性粒子を用いているため導電性を示し、かつ、被覆粒子を備えることによって凝集が抑制されるため、微細なパターンの金属配線を印刷形成するために用いられるトナーに含まれるトナー粒子として有用である。
[トナー]
本発明は、上述する本発明の複合粒子をトナー粒子として含むトナーを包含する。本発明のトナーは、凝集が抑制された本発明の複合粒子をトナー粒子として含む。そのため、本発明のトナーを用いて、転写装置(現像装置)において静電転写を行うと、高精細なパターニングが可能である。これによってプリンテッドエレクトロニクスに関し、インクジェット印刷などのインクを用いた印刷技術における課題を解決し、環境に配慮しつつ、高精細なパターニングを実現することができる。しかも、トナー粒子である複合粒子は、表面に被覆粒子が被覆されてはいるものの、これを用いて形成された金属配線は、十分に低い電気抵抗を示しうるものであり、電気的な性能も良好である。
また、ターゲット電極にトナー粒子を移行させることによって形成された転写物は、後工程において適宜カバーフィルムで覆われ、超音波焼結などにより溶融または焼結され、金属配線を構成することができる。
以下に本発明を実施例、比較例を挙げてより具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。なお、表1に示す複合粒子の材料の詳細は以下とおりである。
(導電性粒子)
銀粒子:Silver powder(327085−10G)、平均粒径2μm〜3.5μm、Sigma−Aldrich社製
金粒子:Gold powder(326585−500MG)、平均粒径10μm以下、Sigma−Aldrich社製
(被覆粒子)
ニッケル粒子:Nickel nanopowder(577995−5G)、平均粒径100nm以下、Sigma−Aldrich社製
ITO粒子:Indium tin oxide nanopowder(544876−5G)、平均粒径50nm以下、Sigma−Aldrich社製
(実施例1〜3)
攪拌部材であるジルコニアボール(直径0.9mm〜1.1mm)を入れたネジ口試験管に、表1に示す配合割合で導電性粒子および被覆粒子を入れ、ボールミル装置にて、攪拌し複合粒子を作成し、これを各実施例とした。ジルコニアボールの使用量および攪拌時間は表1に示す。また攪拌速度は600rpmとした。また実施例および比較例に用いたネジ口試験管は、径28mm、長さ105mm、容量30mLのものを用いた。
(比較例1)
銀粒子のみを用い、これを導電性粒子のみからなる比較例1とした。
(比較例2)
金粒子のみを用い、これを導電性粒子のみからなる比較例2とした。
各実施例および各比較例の走査型電子顕微鏡写真を撮影し、粒子の凝集性、分散性を観察し、以下のとおり評価した。またいくつかの実施例および比較例についてSEM写真を示す。
◎・・・分散性が良好で、使用した導電性粒子の平均粒径(メーカーカタログ値)に対し10倍以上の長径を示す塊がほとんど観察されなかった。
○・・・適度な分散が見られ、使用した導電性粒子の平均粒径(メーカーカタログ値)に対し10倍以上の長径を示す塊が観察されたが、20倍以上の長径を示す塊はほとんど観察されなかった。
×・・・凝集による塊が多く、使用した導電性粒子の平均粒径(メーカーカタログ値)に対し20倍以上の長径を示す塊が有意に観察された。
実施例1のSEM写真を図2に示す。図2では、図4に観察されるような銀粒子単体の時に観察される凝集した塊がほぐれ、数μm〜10μm程度の中粒子が複数構成されていることが確認された。これらの中粒子は、SEM写真上では寄せ集まっているが、使用時にはマクロな流動性は良好であり、中粒子同士は強固な凝集状態にはなかった。
実施例3のSEM写真を図3に示す。図3では、図4に観察されるような銀粒子単体の時に観察された凝集した塊がほぐれ、数μm〜十数μm程度の独立した中粒子が構成されていることが観察された。
比較例1の攪拌前のSEM写真を図4に示す。銀粒子は、凝集して数十μmの塊として存在していることが確認された。
比較例1について、ネジ口試験管にジルコニアボールを5.0g入れ、さらに比較例1である銀粒子を1.00g入れ、当該ネジ口試験管をボールミルにセットし、600rpmで0.5時間攪拌した。比較例1の攪拌後のSEM写真を図5に示す。銀粒子は、攪拌により、十数μm〜数十μmの扁平状に変形したことが確認された。被覆粒子を用いない場合には、攪拌によって銀粒子の塊がほぐれきれず、その大きさ故、ジルコニアボールに押し潰されたものと推察された。
(実施例4)
次に、以下のとおりトナーを調製し、これを実施例4とした。実施例4のトナーを用い、電気配線回路のトナー印刷を行った。トナー印刷には図6に示す現像機を用い、図7に示すパターンのフォトマスクを用いた。尚、上記フォトマスクは、実際に流通しているマイコン回りの回路をモデルとしたものであり、細密部分が150μmライン/350μmスペースであるパターンを有するものを用いた。
まず現像用のターゲット電極を以下のとおり作製した。ITO付きガラス基板にフォトレジスト(OFPR−800;東京応化工業株式会社製)を滴下しスピンコーターにより薄膜状に塗布し、その後、10分間80℃の条件でプリベークした。プリベークされたガラス基板とIC回路パターンが形成されたフォトマスク(図7参照)を露光装置にセットし30秒露光した。露光後、ガラス基板を現像液に90秒間浸し、続いて純水で50秒間リンスした後、100℃20分間の条件でポストベークした。ポストベークされたガラス基板を、湯煎で80℃に保持されたエッチング液(ITO−06N;関東化学株式会社製)に15分間浸した。その後、ガラス基板をアセトンおよびイソプロピルアルコールを用い、この順でそれぞれ10分間ずつ超音波洗浄を行った。洗浄後のガラス基板を乾燥し、絶縁膜(TMR−P10;東京応化工業株式会社製)をスンピンコートし、これを現像用のターゲット電極とした。
キャリア粒子(コート剤なし、(非売品);パウダーテック株式会社製)2.0gをネジ口試験管に入れた。次にニッケル粒子(Nickel nanopowder;平均粒径100nm以下、Sigma−Aldrich社製)0.04gを、上記ネジ口試験管に入れ、手による振動でニッケル粒子を攪拌した。その後、上記ネジ口試験管に銀粒子(Silver powder;平均粒径2μm〜3.5μm、Sigma−Aldrich社製)0.02gを入れ、手による振動で内容物を攪拌し、続いて同様の銀粒子0.02gをさらにネジ口試験管に入れ、再度、手による振動で内容物を攪拌した。その後、ネジ口試験管をボールミル装置にセットし、30分間、600rpmの条件で攪拌し、トナー(実施例4)を調製した。
図6に示す現像機10に、アクリル板20をセットし上述のとおり調製したトナー(トナー40)を入れた。現像機内にトナー40が均等に行き渡るように、現像機10下の磁石50を紙面手前奥行方向に複数回移動させた。
イソプロピルアルコールで充分に湿らせたキムワイプでターゲット電極の表面を拭き、当該表面を自然乾燥させた。
トナー40の真下に磁石50が配置されないよう磁石50をタイヤ60で移動させた後、ターゲット電極30を現像機10にセットし、電源とアースを接続し、電源のスイッチを入れ、極板間距離1mm、印加電圧100Vの条件で、磁石10を、トナー40の真下を通過し紙面手前奥方向に一定の速度で連続的に5往復移動させて現像した。
上述のとおり現像した現像物を観察したところ、図7のパターンを示す、配線パターンが高精細に形成されたことが目視で確認された。また、上記現像物の線幅150μm部分を光学顕微鏡で観察したところ、微細な複合粒子が線内に良好に分布し、配線が明確に描画(現像)されていることが確認された。
上述する実施例4のトナーを用い、プリンテッドエレクトロニクスに対応可能な高精細なトナー印刷を実施することが可能であることを確認した。
Figure 2021150252
本発明の複合粒子は、導電性を有し、かつ分散性にも優れるため、種々の用途に利用可能であり、たとえば、プリンテッドエレクトロニクスにおけるトナー印刷のトナー粒子として好適に用いることができる。
すなわち、本発明の複合粒子は、自己凝集して塊状になることが抑制されているため、流動性がよく、トナーに含まれる導電材料として好適である。本発明の複合粒子は、キャリア粒子とともにトナーに含まれた場合、塊状になりにくいことから、当該キャリア粒子に担持されやすく、静電印刷においてターゲット電極に良好に転写されるとともに、高い解像度を示しうる。そのため、本発明の複合粒子を含有するトナーを用いて、トナー印刷により回路電極をパターニングした場合、高精細なパターン形成が可能であって、半導体デバイスの高集積化を促進することができる。
上述する本発明は、下記の技術的思想を包含する。
(1)導電性粒子と、上記導電性粒子とは異種の材料からなる被覆粒子を含み、
上記導電性粒子の表面の少なくとも一部が、上記被覆粒子により被覆されていることを特徴とする複合粒子。
(2)上記被覆粒子が、磁性体材料を含む上記(1)に記載の複合粒子。
(3)上記導電性粒子が、銀または金を含む上記(1)または(2)に記載の複合粒子。
(4)金属配線形成用のトナー粒子である上記(1)から(3)のいずれか一項に記載の複合粒子。
(5)上記(1)から(4)のいずれか一項に記載の複合粒子をトナー粒子として含むことを特徴とするトナー。
10・・・現像機
20・・・アクリル板
30・・・ターゲット電極
40・・・トナー
50・・・磁石
60・・・タイヤ

Claims (5)

  1. 導電性粒子と、前記導電性粒子とは異種の材料からなる被覆粒子を含み、
    前記導電性粒子の表面の少なくとも一部が、前記被覆粒子により被覆されていることを特徴とする複合粒子。
  2. 前記被覆粒子が、磁性体材料を含む請求項1に記載の複合粒子。
  3. 前記導電性粒子が、銀または金を含む請求項1または2に記載の複合粒子。
  4. 金属配線形成用のトナー粒子である請求項1から3のいずれか一項に記載の複合粒子。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の複合粒子をトナー粒子として含むことを特徴とするトナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07307110A (ja) * 1994-03-15 1995-11-21 Hitachi Chem Co Ltd 導電ペースト
JP2003270846A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Dowa Mining Co Ltd 導体パターン形成用金属トナー、キャリアおよびこれらからなる現像剤

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