JP2021149751A - 有価媒体処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】有価媒体処理システムを運用しやすくする。【解決手段】有価媒体処理システム1は、媒体処理装置2に着脱可能であるともに紙幣を収納する収納カセット31に設けられた通信装置3001と、通信回線9を介して通信装置3001と通信する制御部513及びコンピュータ5とを備える。制御部513及びコンピュータ5は、通信回線9を介して、通信装置3001と通信することにより所定の処理を実行する。【選択図】図1
Description
ここに開示する技術は、有価媒体処理システムに関する。
特許文献1には、貨幣の入金、貨幣の出金等を行う処理装置が記載されている。有価媒体処理装置は、貨幣を収納する収納部を備えている。収納部は、RFIDタグを備えている。RFIDタグには、収納部に収納された貨幣等の情報が格納されている。RFIDタグに格納された情報は、RFIDリーダによって読み出し可能である。
しかし、特許文献1では、RFIDタグとRFIDリーダとは一対一に接続する必要がある。複数の収納部の一つ一つについて、RFIDリーダにより情報を読みださなければならず、手間が生じる。特許文献1に記載された技術は、複数の収納部に対する管理が難しい。
ここに開示する技術は、有価媒体処理システムを運用しやすくする。
具体的に、ここに開示する技術は、有価媒体処理システムに関する。第1媒体処理装置に着脱可能であるともに有価媒体を収納する収納部に設けられた通信部と、通信ネットワークを介して、前記通信部と通信する制御装置とを備える。
そして、前記通信部は、前記収納部としての第1収納部に設けられる第1通信部と、前記収納部としての第2収納部に設けられる第2通信部とを含み、前記制御装置は、前記通信ネットワークを介して、前記第1通信部及び前記第2通信部のそれぞれと通信することにより所定の処理を実行する。
この構成によると、制御装置は、通信ネットワークを介して、各収納部と通信することができるため、複数の収納部を含む有価媒体処理システムが運用しやすくなる。
前記通信部は、前記収納部に関する収納部情報を、前記通信ネットワークを介して送信し、前記制御装置は、前記収納部情報を受信し、前記収納部情報に基づいて所定の処理を実行する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部から収納部情報を受信することができるため、有価媒体システムが運用しやすくなる。
前記収納部情報は、前記収納部の個体識別情報、前記収納部の状態に関する状態情報、前記収納部に収納された前記有価媒体に関する有価媒体情報、前記収納部の位置情報、及び、前記収納部の保守情報のうち少なくとも1つを含む、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部情報に基づいて、収納部に関する種々の処理を実行することができるため、有価媒体システムが運用しやすくなる。
前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置において使用される有価媒体を収納し、前記通信部は、少なくとも、前記収納部が前記第1媒体処理装置及び前記第2媒体処理装置から離間された状態において、前記収納部情報を送信する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、例えば回収業者等によって収納部が輸送されているときに、収納部情報を受信することができる。
前記制御装置は、少なくとも前記第1媒体処理装置の制御を行い、前記収納部は、収納している有価媒体に関する有価媒体情報を記憶する記憶部を有し、前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記有価媒体情報を送信し、前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記第1媒体処理装置に取り付けられた前記収納部の精査処理を、前記第1媒体処理装置に実行させる、としてもよい。
こうすることで、第1媒体処理装置の精査処理に要する時間を短縮することができるため、回収業者等の作業時間を短縮することができる。
前記収納部は、前記第1媒体処理装置から回収した有価媒体を収納するとともに、収納している有価媒体に関する有価媒体情報を記憶する記憶部を有し、前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記有価媒体情報を送信し、前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記収納部に収納されている有価媒体に関する処理を行う、としてもよい。
こうすることで、制御装置は収納部に収納されている有価媒体に関する処理を実行することができる。
前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置において使用される有価媒体を収納し、前記第2媒体処理装置は、前記収納部に収納されている有価媒体の計数処理を行い、前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記第2媒体処理装置が計数処理を実行する際の、動作モードを決定する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部に収納されている有価媒体に応じた、適切な動作モードを第2媒体処理装置に設定することができる。
前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置に使用される有価媒体を収納し、前記第2媒体処理装置は、前記収納部に収納されている有価媒体の計数処理を行い、前記第2媒体処理装置は、複数の第2媒体処理装置を含み、前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記複数の第2媒体処理装置のうち、前記計数処理を実行する第2処理装置を決定する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部の計数処理を実行する第2媒体処理装置を決定することができる。
前記制御装置は、前記受信した有価媒体情報に基づいて、前記媒体処理装置に補充する有価媒体の管理を行う、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、媒体処理装置に補充する有価媒体の管理を行うことができる。
前記収納部は、前記媒体処理装置に補充される有価媒体を収納し、前記制御装置は、前記収納部に収納された有価媒体に関する有価媒体情報を、前記通信部へ送信し、前記収納部は、前記通信部が受信した前記有価媒体情報を記憶する記憶部を有している、としてもよい。
こうすることで、収納部の記憶部に収納部に収納された有価媒体に関する情報を記憶させることができるため、制御装置及び/又は第1媒体処理装置は、通信ネットワークを介して、収納部に収納された有価媒体に関する情報を取得することができる。
前記通信部は、前記収納部が前記第1媒体処理装置から取り外されている状態において、前記収納部の位置情報を送信し、前記制御装置は、受信した前記位置情報に基づいて、前記収納部の監視を行う、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、例えば回収業者等によって収納部が輸送されているときに、収納部の監視を行うことができる。
前記収納部は、収納されている有価媒体に向けてインクを吐出する吐出部を含み、前記吐出部は、前記通信部が受信した情報に基づいて動作するように構成され、前記制御装置は、前記吐出部に前記インクを吐出させる指令を、前記通信ネットワークを介して前記通信部へ送信する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、例えば収納部の輸送中に収納部が盗難された場合、収納部に収納された有価媒体にインクを付着させることができる。これにより、盗難された収納部に収納された有価媒体の使用を防止することができる。
前記通信部は、前記収納部の保守情報を送信し、前記制御装置は、受信した前記保守情報に基づいて、前記収納部の管理を行う、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部の管理を容易に行うことができる。
前記通信部は、前記収納部が前記第1媒体処理装置から取り外されている状態において、前記保守情報を送信する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、収納部の位置を特定しつつ、収納部の管理を行うことができる。
前記第1収納部は前記第1通信部に電力を供給する電池を有し、前記第2収納部は前記第2通信部に電力を供給する電池を有する、としてもよい。
こうすることで、第1通信部及び第2通信部は、第1媒体処理装置から取り外された状態であっても、制御装置及び/又は第1媒体処理装置と通信を行うことができる。
前記収納部は、有価媒体を輸送するために使用され、かつ、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置に着脱可能であり、前記通信部は、少なくとも、前記収納部が前記第1媒体処理装置及び前記第2媒体処理装置から取り外されている状態において、前記収納部情報を送信する、としてもよい。
こうすることで、制御装置は、例えば回収業者等によって収納部が輸送されているときに、収納部情報を受信することができる。
以上、説明したように、有価媒体処理システムが運用しやすくなる。
以下、有価媒体処理装置の構成について、図面を参照しながら説明をする。ただし、以下の説明は例示である。
(有価媒体処理システム)
図1は、有価媒体処理システム1の構成を例示している。図2は、有価媒体処理システムの通信ネットワーク構成を例示している。有価媒体処理システム1は、各種の店舗1001と、店舗1001の売上金としての有価媒体を回収する請負契約を、店舗1001との間で行っている回収業者の管理センタ1002と、によって構成されるCIT(Cash in Transit)システムにおいて、構築されている。ここで説明するCITシステムには、管理センタ1002の要求に応じて管理センタ1002に有価媒体を供給する発券銀行1003も含まれる。尚、以下の説明では、有価媒体が紙幣である場合を例にして説明する。発券銀行1003は、主に、いわゆる新券を管理センタ1002へ供給する。
図1は、有価媒体処理システム1の構成を例示している。図2は、有価媒体処理システムの通信ネットワーク構成を例示している。有価媒体処理システム1は、各種の店舗1001と、店舗1001の売上金としての有価媒体を回収する請負契約を、店舗1001との間で行っている回収業者の管理センタ1002と、によって構成されるCIT(Cash in Transit)システムにおいて、構築されている。ここで説明するCITシステムには、管理センタ1002の要求に応じて管理センタ1002に有価媒体を供給する発券銀行1003も含まれる。尚、以下の説明では、有価媒体が紙幣である場合を例にして説明する。発券銀行1003は、主に、いわゆる新券を管理センタ1002へ供給する。
ここで説明をする構成例において、店舗1001には、店舗1001の売上金(つまり、紙幣)等を収納する、第1媒体処理装置としての媒体処理装置2が設置されている。媒体処理装置2は、紙幣の計数を行うと共に、紙幣を収納カセット31に収納する。媒体処理装置2は、入金処理又は出金処理を行う。媒体処理装置2は、例えばインターネットによって構成される、通信ネットワークとしての通信回線9に接続されている。尚、店舗1001の形態は特に制限されるものではなく、店舗1001は、例えば各種の小売り店舗であってもよい。また、店舗1001は、第1媒体処理装置としての媒体処理装置2の設置場所の例示である。第1媒体処理装置としての媒体処理装置2は、店舗に限らず、金融機関に設置されていてもよい。また、媒体処理装置2は、小売り店舗等に設置されるATM等であってもよい。
管理センタ1002には、回収業者の担当者によって店舗1001から回収された紙幣が集められる。紙幣は、後述するように、媒体処理装置2から取り外された収納カセット31によって、店舗1001から管理センタ1002に輸送される。なお、図1には簡略化のため、店舗1001は1つ図示している。
管理センタ1002には、通信回線9に接続されるコンピュータ5が設置されている。コンピュータ5は、例えば汎用のPC(personal computer:図1参照)としてもよい。又、本発明におけるコンピュータは、図1に示したPCのような形態に限らず、クラウド・コンピューティング(cloud computing)を含む概念であり、本実施形態において説明するコンピュータ5の処理が、クラウド・コンピューティングが有するリソースによって実行されてもよい。なお、クラウド・コンピューティングを場合によりクラウドと省略する。コンピュータ5は、後述するように、通信回線9を介して、収納カセット31に設けられた通信装置3001と通信を行うことによって、紙幣の管理を行う。
管理センタ1002には、通信回線9に接続された、第2媒体処理装置としての、複数の計数装置7,70が設置されている。計数装置7,70は、管理センタ1002に回収された紙幣を計数する。コンピュータ5は、通信装置3001から受信した情報に基づいて、収納カセット31に収納された有価媒体の計数処理を実行する計数装置7,70を決定する。回収業者の担当者は、コンピュータ5によって決定された計数装置7,70に収納カセット31の計数処理を実行させる。計数処理が実行された有価媒体は、管理センタ1002の金庫(図示省略)等に保管されたり、釣り銭用の有価媒体として、店舗1001へ輸送されたりする。
また、コンピュータ5は、収納カセット31への紙幣の収納を指示する。収納カセット31への紙幣の収納は、コンピュータ5から紙幣の収納の指示を受けた回収業者の担当者やロボット等によって行われる。紙幣が収納された収納カセット31は、回収業者の担当者によって、管理センタ1002から店舗1001に輸送される。店舗1001に輸送された収納カセット31は、回収業者の担当者によって、媒体処理装置2に取り付けられる。
発券銀行1003には、通信回線9に接続されるコンピュータ6が設置されている。コンピュータ6は、例えば汎用のPCとしてもよい。又、コンピュータ6の処理が、クラウド・コンピューティングが有するリソースによって実行されてもよい。コンピュータ6は、後述するように、コンピュータ5からの紙幣の補充要求を受け付ける。発券銀行1003は、コンピュータ5からの紙幣の補充要求に応じて、管理センタ1002に紙幣を補充する業務を行う。
(媒体処理装置の構成)
図3及び図4は、媒体処理装置2の構成を例示している。
図3及び図4は、媒体処理装置2の構成を例示している。
この媒体処理装置2は、詳しくは後述するが、投入口211に投入された、有価媒体としての紙幣を収納部3に収納する入金処理、及び、収納部3に収納している紙幣を第1又は第2出金口231、232に払い出す出金処理を少なくとも実行する。この媒体処理装置2は、いわゆる循環式の入出金機であり、出金処理時に払い出す紙幣には、入金処理時に収納部3に収納した紙幣が含まれる。尚、この構成例では、第1媒体処理装置の例として、循環式の入出金機を挙げて説明するが、これに限られない。第1媒体処理装置として、例えば入金機や出金機等、他の媒体処理装置を用いてもよい。
媒体処理装置2は、図3及び図4に示すように、上部の処理部11と、中間部の第1金庫部13と、下部の第2金庫部14とにより構成されている。処理部11を構成する筐体111内には、投入口211を有する入金部21と、第1及び第2出金口231、232を有する出金部23と、紙幣の識別を行う識別部25と、一時的に紙幣を収納する出金リジェクト一時保留部(以下、単に一時保留部という場合がある)51と、入金部21、出金部23、識別部25及び一時保留部51を相互に連結するループ搬送路411を含む搬送部41と、が配設されている。一方、処理部11を構成する筐体111の下側に配置される筐体131は、第1及び第2金庫部13、14を構成する筐体であり、その内部に格納している収納部3等を、所定以上のセキュリティレベルで防護するように構成された防護筐体131である。
第1金庫部13には、複数の(図例では4個の)スタック式の収納カセット31を含んで構成された収納部3と、同じくスタック式の精査カセット33とが配設され、第2金庫部14には、回収カセット53が配設されている。防護筐体131の前面には、第1金庫部13を開閉するための第1開閉扉133と、第2金庫部14を開閉するための第2開閉扉135とがそれぞれ個別に設けられており、第1金庫部13のアクセス権限と、第2金庫部14のアクセス権限とは、互いに異なっている。
入金部21の投入口211は、前述したように、例えば入金処理の際に入金する紙幣を投入するための口である。投入口211は、処理部側筐体111の上面において上向きに開口していて、複数枚の紙幣を一度に受け入れ可能に構成されている。入金部21はまた、投入口211に投入された複数枚の紙幣を、一枚ずつ、ループ搬送路411に繰り出す繰り出し機構を備えている。
出金部23の第1及び第2出金口231、232はそれぞれ、前述したように、例えば出金処理の際に紙幣を払い出すための口である。これらの出金口231、232は、投入口211よりも装置手前側(図2の紙面右側)の、処理部側筐体111における上面から前面にかけての位置で前後に並んでかつ、斜め上方に向かって開口している。これら第1及び第2出金口231、232は、搬送されてきた紙幣を集積し、複数枚の紙幣を一度に保持可能に構成されている。
識別部25は、ループ搬送路411上に配設されて、そのループ搬送路411に沿って搬送される紙幣の一枚一枚について、その真偽、金種及び正損を識別するように構成されている。具体的には、画像センサ、赤外線センサ、紫外線センサ、及び磁気センサ等の、紙幣の特徴を取得するセンサを搭載し、搬送される紙幣の特徴が、記憶している各種紙幣の特徴と一致するかを判定し、金種、真偽、及び正損を識別する。識別部25はまた、紙幣に印字されている記番号を光学的に読み取る機能を有している。ここで、記番号の読み取りは、紙幣における所定の位置に印字されている記番号の画像を取得し、その取得した画像に基づいて、記番号の各桁の文字や数字を認識することである。尚、識別部25が記番号の読み取りを行うのではなく、識別部25とは別の読取部を、例えばループ搬送路411上に配置してもよい。また、識別部25におけるセンサ以外の機能を、後で述べる制御部513が行ってもよい。
搬送部41は、処理部側筐体111内においてエンドレスに設けられたループ搬送路411を備えている。紙幣は、このループ搬送路411に沿って図4における時計回り方向及び反時計回り方向に搬送される。このループ搬送路411は、図示は省略するが、多数のローラ、複数のベルト、これらを駆動するモータ、搬送される紙幣を検出するセンサ及び複数のガイドの組み合わせによって構成されている。ループ搬送路411は、その搬送路に沿って、紙幣と紙幣との間に所定間隔を隔てた状態で、紙幣を一枚ずつ、その長辺を先にした向きで搬送する。
ループ搬送路411と投入口211との間は、投入路413によって互いに接続されており、投入口211に投入された紙幣は、この投入路413を通ってループ搬送路411まで搬送される。
ループ搬送路411には、4つの収納カセット31のそれぞれに接続される分岐路417が、図示省略の分岐機構を介して接続されており、各分岐機構の動作制御によって、ループ搬送路411上を搬送されている紙幣が選択的に、分岐路417を通じて4つの収納カセット31のいずれかに搬送されてそこに収納されると共に、いずれかの収納カセット31から繰り出された紙幣が、分岐路417を介してループ搬送路411に搬送されるようになる。
ループ搬送路411にはまた、第1及び第2払出路415、416が、紙幣の搬送方向を切り替える分岐機構(図示省略)を介してそれぞれ接続されている。第1払出路415の先端は、第1出金口231に接続され、第2払出路416の先端は、第2出金口232に接続されている。各分岐機構は、互いに異なる3方向に延びる搬送路の集合位置において、所定方向から搬送されてくる紙幣を、それとは別の2方向それぞれに選択的に搬送させるように動作する。分岐機構の具体的な構成は、国際公開第2009/034758号に例示されている。この構成によって、ループ搬送路411上を搬送されている紙幣は、分岐機構の動作制御によって選択的に、第1又は第2払出路415、416を通って第1又は第2出金口231、232に搬送される。
ループ搬送路411にはさらに、精査カセット33に接続される第1接続路418と、回収カセット53に接続される第2接続路419とが、それぞれ図示省略の分岐機構を介して接続されている。この内、第2接続路419は、第1金庫部13を上下に貫通するように延びて配設されており、その途中に分岐路4110が設けられている。この分岐路4110は、後述する第4収納カセット下部31−4Lに接続されている。
これら第1接続路418及び第2接続路419の接続位置に設けられた各分岐機構もまた、互いに異なる3方向に延びる搬送路の集合位置において、所定方向から搬送されてくる紙幣を、それとは別の2方向それぞれに選択的に搬送させるように動作する。この構成によって、ループ搬送路411上を時計回り方向又は反時計回りに搬送されている紙幣は、分岐機構の動作制御によって選択的に、第1接続路418を通って精査カセット33に搬送されるか、第2接続路419を通って、第4収納カセット下部31−4L又は回収カセット53に搬送される。また、精査カセット33又は第4収納カセット下部31−4Lから繰り出されかつ、第1又は第2接続路418、419を通って搬送されてきた紙幣が、ループ搬送路411上で時計回り又は反時計回り方向に搬送される。
収納部3は、前述したように、図例では第1−第4のスタック式の収納カセット31を含んで構成されている。ここで、以下の説明において、各々の収納カセットを総称する場合には、符号「31」を付し、第1、第2、第3…の、各々の収納カセットを区別する場合には、符号「31−1、31−2、31−3…」を付す。尚、収納カセット31の数は特に限定されず、1個以上で、適宜の数を設定すればよい。4個の収納カセット31は、この例では、装置の奥行き方向(図2の紙面左右方向)に並んで配設されている。
図4に示すように、収納部3は、第1金庫部13の開閉扉133を開けた状態で、装置の手前に引き出し可能であり、収納部3を引き出した状態で、各収納カセット31及び精査カセット33はそれぞれ、装置に対して着脱することが可能に構成されている。
図6に収納カセット31の一例を示す。第1−第3の収納カセット31−1、31−2、31−3は、互いに同じ構成であり、上下方向に細長い形状を有している。各収納カセット31の上面には、紙幣の通過が可能な出入口が、カセットの内外を連通するように形成されている。各収納カセット31の上面には、紙幣の通過が可能な出入口3000がカセットの内外を連通するように形成されており、その出入口3000に、前述した分岐路417又は第2接続路418が着脱可能に接続される。収納カセット31の側面には、カセットドア3002が設けられている。カセットドア3002は、揺動することにより開閉するように構成されている。
また、各収納カセット31には、通信部としての通信装置3001が設けられている。通信装置3001には、収納カセット31に関する収納部情報としてのカセット情報を記憶するための記憶部3014が設けられている。記憶部3014は、たとえば不揮発性メモリである。通信装置3001は、収納カセット31が金庫部13内の所定の位置に配置された状態では、媒体処理装置2に設けられたカセット情報通信部61(図5参照)を介して、媒体処理装置2と通信を行う。通信装置3001は、収納カセット31が金庫部13内の所定の位置に配置されていない状態(言い換えると、媒体処理装置2から取り外された状態)では、通信回線9を介して、媒体処理装置2、又は、コンピュータ5と通信を行う。
各収納カセット31の内部には、そこに集積される紙幣の量に応じて昇降する集積台311が配設されている。こうして、第1−第3の収納カセット31−1、31−2、31−3は、ループ搬送路411から、各カセットの出入口を通ってその内部に送り込まれた紙幣を、集積台311の上で、下から上の順に積み重ねて収納するように構成されていると共に、集積台311上に積み重ねられた紙幣を上から下の順に一枚ずつ出入口を通じてカセット外に、つまりループ搬送路411に繰り出すことが可能な構成されている。
これに対し、第4の収納カセット31−4は、その内部に仕切りが設けられており、これによって第4の収納カセット31−4は、上側のカセット上部(第4収納カセット上部31−4U)と、下側のカセット下部(第4収納カセット下部31−4L)に分割されている。第4収納カセット上部31−4Uの出入口は、その上面に形成されている一方、第4収納カセット下部31−4Lの出入口は、その側面に形成されている。収納カセット上部31−4Uの出入口には、ループ搬送路411から分岐した分岐路417が接続され、収納カセット下部31−4Lの出入口には、第2接続路419から分岐した分岐路4110が接続されている。これにより、第4収納カセット上部31−4Uは、ループ搬送路411から出入口を通ってその内部に送り込まれた紙幣を、集積台311の上で、下から上の順に積み重ねて収納するように構成されていると共に、集積台311上に積み重ねられた紙幣を上から下の順に一枚ずつ出入口を通じてループ搬送路411に繰り出すことが可能に構成されている。これに対し、第4収納カセット下部31−4Lは、ループ搬送路411から、第2接続路419及び出入口を通ってその内部に送り込まれた紙幣を、集積台311の上で、下から上の順に積み重ねて収納するように構成されていると共に、集積台311上に積み重ねられた紙幣を上から下の順に一枚ずつ出入口を通じて、第2接続路419及びループ搬送路411に繰り出すことが可能に構成されている。
精査カセット33は、詳しくは後述するが、各収納カセット31の精査処理に利用されるカセットであり、各収納カセット31に収納している紙幣を全て収納することが可能となるように、収納カセット31と同じかそれよりも大きい容量を有している。精査カセット33は、精査処理時以外の通常時は、空である。精査カセット33は、第1金庫部13内において、第2接続路419を挟んだ第4収納カセット31−4とは反対側の位置において、筐体131に対し着脱可能に取り付けられている。この精査カセット33は、収納カセット31と同様にスタック式であり、収納カセット31と同様に、その上面に出入口が形成されていると共に、その内部には集積台311が設けられている。精査カセット33の出入口は、前述の通り、第1接続路418に接続されており、精査カセット33は、ループ搬送路411から出入口を通ってカセット内に送り込まれた紙幣を、集積台311の上に、下から上の順に積み重ねて収納すると共に、集積台311上に積み重ねられている紙幣を上から下の順に一枚ずつ出入口を通じてループ搬送路411に繰り出すことが可能に構成されている。尚、この精査カセット33を、精査処理用の精査カセットとして構成する代わりに、収納カセット31の一つ(第5の収納カセット)として構成してもよい。
出金リジェクト一時保留部51は、第2出金口231に接続される第2払出路416の途中からさらに分岐した分岐路に接続されている。この一時保留部51は、詳しくは後述するが、例えば出金処理時に発生したリジェクト紙幣を一時的に収納する収納部である。一時保留部51は、スタック式の収納カセット31等とは異なり、巻き取り方式に構成されている。一時保留部は、概略矩形箱状の筐体内に、紙幣をガイドする一枚のテープ、ガイド部材、及び、紙幣と共にテープを巻き取るリールを備えて構成されるか(例えば特開2000−123219号公報を参照)又は、WO2011/036782に例示されるように、筐体内に、紙幣を挟む2枚のテープ、及び、紙幣を挟み込んだ2枚のテープを巻き取るリールを備えて構成される。いずれの構成においても、巻き取り方式の一時保留部は、紙幣を一枚ずつ巻き取って収納すると共に、その収納した順番とは逆順で、紙幣を一枚ずつ繰り出す、いわゆる先入れ後出しとなるように紙幣を収納する。
回収カセット53は、第2金庫部14内に着脱可能に取り付けられており、前述したように、第2接続路419を介してループ搬送路411に接続されている。回収カセット53はスタック式の収納部であるが、前述した収納カセット31や精査カセット33とは異なり、装置の奥行き方向に細長い形状を有しており、図示は省略するが、その内部に奥行き方向に移動する札押さえを備えている。回収カセット53は、その札押さえが紙幣の収納量に応じて移動をしながら、立てた姿勢の紙幣を奥行き方向に並べるように収納するよう構成されている。
回収カセット53はまた、収納カセット31や精査カセット33とは異なり、収納している紙幣を繰り出し不可に構成されており、回収カセット53には、例えば入金処理時に投入口211に投入された紙幣の内、収納部3に収納しきれなかったオーバーフロー紙幣が収納される。また、出金処理時等に識別不可であったリジェクト紙幣が、この回収カセット53に収納される場合がある。
後述するように、回収処理時には、回収対象の紙幣が回収カセット53に収納される場合がある。回収業者の担当者は、回収カセット53を媒体処理装置2から取り外して、回収カセット53を管理センタ1002に輸送する。尚、回収業者の担当者は、収納カセット31を媒体処理装置2から取り外し、収納カセット31を管理センタ1002に輸送する場合もある。
回収カセット53には、図示は省略するが、収納カセット31と同様に、通信部としての通信装置が設けられている。通信装置は、回収カセット53が第2金庫部14内に配置された状態では、媒体処理装置2に設けられたカセット情報通信部61を介して、媒体処理装置2と通信を行う。通信装置は、回収カセット53が第2金庫部14内に配置されていない状態では、通信回線9を介して、媒体処理装置2又はコンピュータ5と通信を行う。
図5は、媒体処理装置2の動作制御に係る構成を示している。媒体処理装置2は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部513を備えている。制御部513には、前述した入金部21、出金部23、第1−第4収納カセット31を含む収納部3、精査カセット33、出金リジェクト一時保留部51、回収カセット53、及び搬送部41が、信号の送受信可能に接続されている。これらの各部21,23,3,33,41,51,53は、例えば図4に示す、収納カセット31、精査カセット33及び回収カセット53の出入口に設けられかつ、紙幣の通過を検知する通過センサ320のような、搬送中の紙幣を検知するといった機能を有する各種のセンサを含んでおり、各種センサの検知信号は制御部513に入力される。制御部513は、入力された検知信号等に基づいて制御信号を出力し、入金部21、出金部23、識別部25、収納部3、精査カセット33、搬送部41、出金リジェクト一時保留部51、回収カセット53は、その制御信号に従って動作をする。
制御部513にはまた、識別部25が接続されている。識別部25は、識別結果及び記番号の読み取り結果を制御部513に提供する。さらに、図1等では図示を省略するが、テラー等の、この媒体処理装置2を操作するオペレータに対するヒューマンインターフェース部分としての操作部55、媒体処理装置2が、例えばLANやシリアルバスを通じて、図示を省略する上位端末及び例えば、コンピュータ5等の、その他の機器との間で信号の送受信を行うための通信部57、及び、各種の情報を記憶するための、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の汎用のストレージデバイスにより構成される記憶部59がそれぞれ、制御部513に接続されている。
記憶部59は、媒体処理装置2が収納している紙幣の金種別枚数又は金額である在高を少なくとも記憶する。また、記憶部59は、収納カセット31及び回収カセット53毎の在高も記憶する。この媒体処理装置2では、紙幣の管理を記番号を利用して行うように構成されており、記憶部59は、各部に収納している紙幣の記番号を、その収納順に並べると共に、各々の記番号を、その収納枚数に対応する通し番号を紐付けした記番号リストを記憶している。
また、媒体処理装置2には、各種の情報を表示するための、例えばフラットパネルディスプレイからなる表示部511がオプション機器として装着可能に構成されており、この表示部511もまた、制御部513に接続される。表示部511をタッチパネル式のディスプレイとして、表示部511と操作部55とを一体にしてもよい。
制御部513は、通信部57を通じて受けた上位端末からの指令、及び/又は、操作部55を通じて受けた各種の指令に応じて、入金部21、出金部23、識別部25、収納部3、精査カセット33、搬送部41、出金リジェクト一時保留部51、回収カセット53、操作部55、通信部57、記憶部59、表示部511の動作を制御する。このことにより、媒体処理装置2は、以下に説明する入金処理、出金処理、回収処理及び精査処理を含む、各種処理を行う。媒体処理装置2において実行した各種の処理の履歴は、記憶部59にログとして記憶される。
制御部513にはまた、前述したように、各収納カセット31に設けられた通信装置3001と通信を行うためのカセット情報通信部61が接続されており、収納カセット31又は回収カセット53が媒体処理装置2に取り付けられた状態では、媒体処理装置2に設けられたカセット情報通信部61を介して、媒体処理装置2と通信を行う。
図7は、収納カセットの動作制御に係る構成を示している。収納カセット31は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部3011を備えている。制御部3011には、集積台311、集積台311に積み重ねられた紙幣を繰り出す繰出部312、及び、集積台311と出入口3000との間で紙幣を搬送する搬送部313が、信号の送受信可能に接続されている。収納カセット31は、紙幣の収納及び繰り出し動作に必要な各種のセンサを含んでいる。
制御部3011には、収納カセット31の開閉扉133が開いたことを検知する開閉センサ3015が接続されている。開閉センサ3015は、開閉扉133が開いた場合に、開信号を制御部3011に出力する。
制御部3011にはまた、媒体処理装置2との間で信号の送受信を行うために、カセット情報通信部61と接続されるインターフェース3012、無線通信によって通信回線9に接続し、上位端末(例えば、媒体処理装置2、コンピュータ5等)、及び、その他の機器との間で信号の送受信を行うための無線通信部3013、及び、各種の情報を記憶するための、例えばハードディスクドライブやフラッシュメモリ等の汎用のストレージデバイスにより構成される記憶部3014がそれぞれ、制御部3011に接続されている。尚、無線通信部3013は、低消費電力で遠距離データ転送が可能なLPWA(Low Power Wide Area)等の無線通信規格に従って、上位端末及びその他の機器との間で、信号を送受信する。
記憶部3014は、設けられている収納カセット31に関するカセット情報を記憶する。カセット情報は、収納カセット31のシリアル番号、収納カセット31の媒体処理装置2への着脱状況、収納カセット31が取り付けられている媒体処理装置2の型番及びシリアル番号、開閉扉133の開閉状況、収納カセット31に収納されている紙幣に関する紙幣情報などである。紙幣情報には、収納カセット31に収納されている紙幣の、通貨、金種、シリーズ、正損、記番号リスト等が含まれている。尚、記憶部3014に記憶されたカセット情報は、後述するが、外部の上位端末(例えば、媒体処理装置2及びコンピュータ5等)によって、読み取り、及び、書き込み可能である。
制御部3011は、インターフェース3012及び無線通信部3013を通じて受けた上位端末(例えば、媒体処理装置2及びコンピュータ5等)からの指令に応じて、集積台311、繰出部312、搬送部313、インターフェース3012、無線通信部3013記憶部3014の動作を制御する。
また、制御部3011は、インターフェース3012又は無線通信部3013を通じて受けた上位端末の各種指令をうけて、記憶部3014に記憶されたカセット情報の読み出し、および、記憶部3014へのカセット情報の書き込みを行う。
収納カセット31は、媒体処理装置2から取り外されている状態においても、前述した動作が可能となるよう、電源3010を備えている。電源3010は、例えば、通信装置3001の各部に電力を供給する電池を含む。無線通信部3013が、低消費電力の無線通信により、上位端末及びその他の機器と通信を行うため、電源3010の電池を長寿命化することができる。電源3010として、例えば1次電池、2次電池または太陽電池などを使用してもよいし、他の種類の電池を使用してもよい。
尚、通信装置3001は、制御部3011、インターフェース3012、無線通信部3013、記憶部3014及び電源3010を含む。なお、図7に示す例では、収納カセット31は1つの制御部3011を備え、当該制御部3011が通信装置3001の制御と、搬送部313の制御などカセットにおける紙幣(有価媒体)の移動に関する制御とを行う例を示したが、収納カセット31に複数の制御部を備え、一部の制御部により通信装置3001の制御を行い、他の制御部により搬送部313の制御などカセットにおける紙幣(有価媒体)の移動に関する制御とを行ってもよい。
図示は省略するが、回収カセット53も、収納カセット31と同様の構成の通信装置を備えている。但し、回収カセット53は、紙幣の繰り出しを行わないため、繰出部312を備えていない。
(入金処理)
入金処理は、媒体処理装置2に紙幣を入金(収納)する処理であり、投入口211に投入された紙幣は、識別部25による識別結果と、予め設定された収納割当とに従って、いずれかの収納カセット31に収納される。より詳細に、媒体処理装置2は、入金処理の際には、次のように動作する。すなわち、入金する紙幣を投入口211に投入した状態で、例えば上位端末及び/又は操作部55の操作によって入金処理の開始コマンドを、媒体処理装置2に入力する。入金部21の繰り出し機構は、図8に実線の矢印で示すように、投入口211の紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送部41は、各紙幣を識別部25に搬送する。識別部25は、その紙幣の識別を行うと共に、計数を行う。このときに、記番号の読み取りをリアルタイムに行う。
入金処理は、媒体処理装置2に紙幣を入金(収納)する処理であり、投入口211に投入された紙幣は、識別部25による識別結果と、予め設定された収納割当とに従って、いずれかの収納カセット31に収納される。より詳細に、媒体処理装置2は、入金処理の際には、次のように動作する。すなわち、入金する紙幣を投入口211に投入した状態で、例えば上位端末及び/又は操作部55の操作によって入金処理の開始コマンドを、媒体処理装置2に入力する。入金部21の繰り出し機構は、図8に実線の矢印で示すように、投入口211の紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送部41は、各紙幣を識別部25に搬送する。識別部25は、その紙幣の識別を行うと共に、計数を行う。このときに、記番号の読み取りをリアルタイムに行う。
搬送部41はまた、識別部25によって正常に識別された紙幣(この紙幣を、リジェクト紙幣の対の名称として正常紙幣と呼ぶ)であって、記番号を任意の桁数以上読み取ることができた紙幣(例えば、全桁読み取りできた紙幣、又は、1、2桁程度未読である紙幣等)を、図8に実線の矢印で示すように、その識別結果及び予め設定された収納割当に従って、所定の収納カセット31に収納する。すなわち、各紙幣は、金種別や正損別に応じて、第1−第4のいずれかの収納カセット31に収納される。このように、この媒体処理装置2では、入金処理時には、紙幣を直接的に収納カセット31に収納することになる。尚、収納カセット31に割り当てられていない金種の紙幣(正常紙幣)や損券は回収カセット53に収納される。また、割り当てられている収納カセット31が満杯であるとき等にも、回収カセット53に正常紙幣が収納される。
一方、搬送部41は、識別部25において真偽の識別ができない紙幣等、媒体処理装置2がそのまま受け入れることができないリジェクト紙幣を、図8に破線の矢印で示すように、第2出金口232に払い出す。尚、入金処理時に発生したリジェクト紙幣は、投入口211に再度投入され、識別部25による識別が、もう一度行われることになる。
また、入金処理時に、収納カセット31及び回収カセット53が共に満杯になることに起因して、収納することができなくなった紙幣は、図8に破線の矢印で示すように、第1出金口231に払い出される。尚、リジェクト紙幣を、第1出金口231に払い出すようにし、収納することができなくなった紙幣を、第2出金口232に払い出すようにしてもよい。
そうして、入金処理の終了後には、記憶部59に記憶している在高が更新される。それと共に、各収納カセット31に収納している紙幣の記番号を収納順に並べた記番号リストが、紙幣の収納に応じて更新される。この記番号リストにおける記番号の並びは、紙幣が識別部25を通過した順番に従うことになる。
(出金処理)
出金処理は、媒体処理装置2に収納されている紙幣を払い出す処理である。具体的には、上位端末及び/又は操作部55において、少なくとも金種と枚数とを指定する所定の出金操作を行うことによって、出金処理は開始する。収納部3は、図9に実線の矢印で例示するように、指定された金種の紙幣を、それが収納されている収納カセット31から、指定された枚数だけ繰り出す。搬送部41は、繰り出された紙幣を、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別と、記番号の読み取りとを行った後に、正常紙幣は、第1出金口231に払い出される。
出金処理は、媒体処理装置2に収納されている紙幣を払い出す処理である。具体的には、上位端末及び/又は操作部55において、少なくとも金種と枚数とを指定する所定の出金操作を行うことによって、出金処理は開始する。収納部3は、図9に実線の矢印で例示するように、指定された金種の紙幣を、それが収納されている収納カセット31から、指定された枚数だけ繰り出す。搬送部41は、繰り出された紙幣を、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別と、記番号の読み取りとを行った後に、正常紙幣は、第1出金口231に払い出される。
出金処理時に、識別部25による識別が不可であったリジェクト紙幣が発生したときに、そのリジェクト紙幣は、図9に破線の矢印で示すように、出金リジェクト一時保留部51に搬送されて、そこに収納される。また、記番号を読み取ることができなかった紙幣も、出金リジェクト一時保留部51に収納される。一時保留部51に収納された紙幣は、必要に応じて、出金処理の終了後に、各収納カセット31又は回収カセット53に収納される。
また、出金処理の終了後には、記憶部59に記憶している在高を更新すると共に、各収納カセット31の記番号リストも、紙幣の繰り出しに応じて更新される。
(回収処理)
回収処理は、収納カセット31に収納されている紙幣を、回収カセット53に搬送する処理である。具体的には、上位端末及び/又は操作部55において、少なくとも金種を指定する所定の回収操作を行うことによって、回収処理は開始する。指定された金種を収納する収納カセット31が、第1−第3の収納カセット31−1、31−2、31−3又は第4収納カセット上部31−4Uであるときには、図10に実線の矢印で示すように、収納部3は、指定された金種の紙幣を、それが収納されている収納カセット31から順次繰り出す。搬送部41は、繰り出された紙幣を、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別及び記番号の読み取りを行った後に、正常紙幣は、ループ搬送路411から第2接続路419を通って回収カセット53へと搬送される。そうして、回収カセット53内に紙幣が収納される。一方、リジェクト紙幣は、図10に破線の矢印で示すように、出金リジェクト一時保留部51に収納される。
回収処理は、収納カセット31に収納されている紙幣を、回収カセット53に搬送する処理である。具体的には、上位端末及び/又は操作部55において、少なくとも金種を指定する所定の回収操作を行うことによって、回収処理は開始する。指定された金種を収納する収納カセット31が、第1−第3の収納カセット31−1、31−2、31−3又は第4収納カセット上部31−4Uであるときには、図10に実線の矢印で示すように、収納部3は、指定された金種の紙幣を、それが収納されている収納カセット31から順次繰り出す。搬送部41は、繰り出された紙幣を、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別及び記番号の読み取りを行った後に、正常紙幣は、ループ搬送路411から第2接続路419を通って回収カセット53へと搬送される。そうして、回収カセット53内に紙幣が収納される。一方、リジェクト紙幣は、図10に破線の矢印で示すように、出金リジェクト一時保留部51に収納される。
これに対し、回収処理において指定された金種の紙幣が、第4収納カセット下部31−4Lに収納されているときには、図11の(a)に示すように、搬送部41は、第4収納カセット下部31−4Lから繰り出された紙幣を、第2接続路419からループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別及び記番号の読み取りを行った後に、正常紙幣は、精査カセット33へと搬送する。一方、リジェクト紙幣は、図11に破線の矢印で示すように、出金リジェクト一時保留部51に収納される。第4収納カセット下部31−4Lから繰り出された紙幣が全て精査カセット33に収納された後に、図11の(b)に実線の矢印で示すように、精査カセット33は紙幣を一枚ずつ繰り出し、搬送部41は、その紙幣をループ搬送路411から第2接続路419を通って回収カセット53へと搬送する。こうして、回収カセット53内に、第4収納カセット下部31−4L内の紙幣が収納されることになる。
回収処理の終了後にも、記憶部59に記憶している在高を更新すると共に、各収納カセット31の記番号リストが更新される。
尚、図示は省略するが、回収処理時に、第1〜第3収納カセット31−1、31−2、31−3又は精査カセット33に、回収対象の紙幣を収納し、当該カセットを、回収用のカセットとして用いてもよい。
(精査処理)
精査処理は、収納カセット31に収納している紙幣を確定させるための処理であって、この媒体処理装置2では、収納カセット31内に収納されている紙幣を、一旦、全て繰り出して行う全精査処理と、収納カセット31内に収納されている紙幣の一部のみを繰り出して行う部分精査処理との2種類の処理が存在している。
精査処理は、収納カセット31に収納している紙幣を確定させるための処理であって、この媒体処理装置2では、収納カセット31内に収納されている紙幣を、一旦、全て繰り出して行う全精査処理と、収納カセット31内に収納されている紙幣の一部のみを繰り出して行う部分精査処理との2種類の処理が存在している。
この内、全精査処理は、収納カセット31が装置から取り外されて、そこに設けられている扉が一旦開けられたことを検知したときに行われる処理である。これは、収納カセット31が開けられたときには、そこに収納されていた紙幣の一部が抜き取られたり、また、その順番が入れ替えられたりする可能性があり、その収納カセット31内に収納されている紙幣の枚数や順番が不確定になるためである。また、収納カセット31が交換された場合にも全精査処理が行われる。さらに、収納カセット31内の紙幣は確定しているものの、計数及び記番号の読み取りをし直して再確定を行うべく、例えば上位端末において、全精査処理の実行が指定された場合も、全精査処理は行われる。こうした全精査処理は、個々の収納カセット31について個別に行われる場合と、全ての収納カセット31について、順次行われる場合とがある。
全精査処理は具体的に、図12の(a)に示すように、精査対象の収納カセット31(図例では、第1収納カセット31−1が精査対象のカセットである)から、紙幣を一枚ずつ繰り出す。搬送部41は、繰り出された紙幣を、ループ搬送路411を通じて識別部25に搬送し、識別部25が識別及び計数、並びに、記番号の読み取りを行う。正常紙幣でかつ、記番号の全桁を読み取ることができた紙幣は、図12に実線の矢印で示すように、精査カセット33へと搬送されて、そこに収納される。一方、リジェクト紙幣は、図12に破線の矢印で示すように、出金リジェクト一時保留部51へと搬送され、そこに収納される。
そうして、精査対象の収納カセット31内に収納されている紙幣の全てが繰り出され、それの計数が完了した後には、図12の(b)に示すように、精査カセット33に収納されている紙幣が一枚ずつ繰り出されて、ループ搬送路を通じて識別部25に搬送される。そうして、識別部25において再度、識別及び計数、並びに、記番号の読み取りが行われた後に、正常紙幣は、元の収納カセット31、つまり、精査対象の収納カセット31に収納される。こうして、収納カセット31に収納している紙幣が確定し、記憶部59に記憶している在高が更新されると共に、その収納カセット31の記番号リストも更新される。尚、精査カセット33から収納カセット31に戻されているときに発生したリジェクト紙幣は、出金リジェクト一時保留部51に搬送されて、そこに収納される。
これに対し、部分精査処理は、収納カセット31からの紙幣の搬送中や、収納カセット31への紙幣の搬送中に異常が発生した場合に行われる。こうした異常によって、収納カセット31内に収納している紙幣の枚数に誤差が発生する場合があるため、収納カセット31内に収納している紙幣を確定させる必要がある。ここでいう異常としては、例えば出金処理時に、複数の紙幣が重なって繰り出されたことを識別部25が検出した場合(重送)や、入金処理時に、搬送中の紙幣が詰まった(ジャム)場合を例示することができる。
出金処理時に重送が生じたときには、収納カセット31から繰り出した紙幣の枚数が不確定になるため、出金処理後の収納カセット31の在高が未確定になる。そのため、重送が発生した収納カセット31の全てに対して部分精査処理を行い、各収納カセット31の、少なくとも在高を確定させる必要がある。
また、入金処理時にジャムが発生すると、紙幣をオペレータが取り除いてジャムを解除する必要がある。ジャム発生が収納カセット31の入口付近であると、収納カセット31に収納済みと判定されている紙幣を取り除いてしまい、収納カセット31内の紙幣の枚数に誤差が生じる場合がある。そのため、こうした異常によって誤差が生じた可能性のある収納カセット31を精査処理しなければならない。
部分精査処理は、前述した記番号リストを利用することによって、収納カセット31に収納している紙幣の一部のみを繰り出すだけで、その収納カセット31に収納している紙幣を確定させる処理であり、全精査処理と比較して精査処理の負担が軽減されると共に、処理に要する時間が大幅に短縮されるという利点がある。
具体的には、精査対象の収納カセット31は紙幣を繰り出すと共に、識別部25は繰り出された紙幣の記番号を読み取る。制御部513は、読み取った記番号と、当該収納カセット31の記番号リストとを照合する。記番号リストは、収納カセット31の収納順に、記番号を並べたリストであるため、記番号リストにおける、当該記番号の位置を特定すれば、収納カセット31内に残っている紙幣を特定できる。つまり、制御部513は、収納カセット31に収納している紙幣を確定できる。
(計数装置の構成)
図13は、計数装置7の外観図を示し、図14は、計数装置7の概略構成を示すブロック図を示す。計数装置7は、バラ状態の紙幣を取り込み、紙幣の計数を行うと共に、紙幣の種類や状態に応じて分類をし、集積する機能を有する紙幣整理機である。この計数装置7は、紙幣を結束する機能も有する。
図13は、計数装置7の外観図を示し、図14は、計数装置7の概略構成を示すブロック図を示す。計数装置7は、バラ状態の紙幣を取り込み、紙幣の計数を行うと共に、紙幣の種類や状態に応じて分類をし、集積する機能を有する紙幣整理機である。この計数装置7は、紙幣を結束する機能も有する。
計数装置7は、紙幣が載置され、該紙幣を取り込むホッパ部702と、紙幣を識別する識別部703と、結束を行う紙幣を集積する、結束スタッカ704と、結束を行わない紙幣を集積する、非結束スタッカ705と、リジェクト紙幣を集積するリジェクトスタッカ706と、ホッパ部702から取り込まれた紙幣を、搬送する搬送部707と、紙幣を結束する結束部709と、結束紙幣を投出する投出部711と、識別部703、結束スタッカ704、非結束スタッカ705、リジェクトスタッカ706、第1搬送部707、第2搬送部708、結束部709及び第3搬送部710を収容する箱状の筐体712とを備えている。
結束スタッカ704は、第1結束スタッカ704Aと第2結束スタッカ704Bとの2つのスタッカを含んでいる。第1結束スタッカ704Aと第2結束スタッカ704Bはともに、結束対象の紙幣を集積する。結束対象の紙幣として集積する紙幣は、適宜設定することができる。結束スタッカ704は、結束を行わない紙幣を集積することも可能である。
結束スタッカ704は、筐体712の側面に開口する第1取出口747を開閉する扉743(図13参照)を有している。
非結束スタッカ705は、第1及び第2非結束スタッカ705A,705Bの2つのスタッカを含んでいる。第1及び第2非結束スタッカ705A,705Bは、第1処理部7126内において実質的に水平方向に並んで配置されている。非結束スタッカ705は、筐体712の側面に開口する第2取出口753を有している。
識別部703は、搬送される紙幣の一枚一枚について、その金種、真偽及び正損を識別するように構成されている。具体的には、識別部703は、ラインセンサ731及び磁気センサ732を有し、紙幣の特徴を取得する。識別部703は、紙幣の特徴が、記憶している各種紙幣の特徴と一致するかを判定し、通貨、金種、発行年、新旧、真偽、及び正損を識別する。新旧は、紙幣の版(バージョン)を示す情報である。
識別部703は、紙幣の正損を、ATM正券(ATM)、テラー正券(TLR)、及び損券(UNFIT)の3つのレベルに分類する。ATM正券は、ATMから出金する紙幣として使用できるレベルの正券であり、テラー正券は、ATMから出金する紙幣として使用できるレベルにないが、銀行のテラーカウンタで出金する紙幣としては使用できるレベルの正券である。尚、紙幣の正損を2つのレベルに分類してもよい。その場合、識別部703は、紙幣の正損を、ATM正券(ATM)及びテラー正券(TLR)を含む正券(FIT)、並びに、損券(UNFIT)の2つのレベルに分類する。尚、以下の説明では、正損のレベルを「正損レベル」と称する場合がある。
識別部703はまた、紙幣の識別の際に、紙幣の記番号を読み取る。
結束部709は、集積された紙幣を結束する。結束部709は、例えばテープ輪Lを作成し、該テープ輪Lの中へ紙幣が搬送された後にテープを引き戻し、紙幣をテープで結束する。
筐体712の側面には、図13に示すように、計数装置7への情報を入力する操作部であり且つ計数装置7の情報を表示する表示部であるタッチパネル717が設けられている。タッチパネル717は、計数装置7を操作するオペレータに対するヒューマンインターフェース部分である。
計数装置7は、例えば周知のマイクロコンピュータをベースとした制御部7120を備えている。制御部7120には、前述したホッパ部702、識別部703、結束スタッカ704、非結束スタッカ705、リジェクトスタッカ706、搬送部707、結束部709、及びタッチパネル717が、信号の送受信可能に接続されている。また、制御部7120には、各種の情報を記憶する記憶部7131、有線又は無線の通信線を介してコンピュータ5に対し信号を入出力する通信部7132がそれぞれ接続され、制御部7120と、記憶部7131及び通信部7132との間で、各種の信号を入出力するように構成されている。
制御部7120は、タッチパネル717からの入力信号及び各種センサからの検知信号等に基づいて制御信号を生成し、ホッパ部702等へ該制御信号を出力する。ホッパ部702等は、制御部7120からの制御信号に従って動作する。制御部7120は、計数装置7において、バッチ処理を含む各種の処理を行う処理部を構成する。
尚、図示は省略するが、計数装置7は、計数対象の紙幣を収納する収納カセット31が接続可能に構成してもよい。この場合、計数装置7に接続された収納カセット31は、収納している紙幣を一枚ずつ繰り出し、繰り出された紙幣は、計数装置7の筐体712に取り込まれる。
(紙幣処理装置の基本的な動作)
以下、計数装置7の動作について説明する。計数装置7は、基本的に、ホッパ部702に載置された紙幣について、識別部703が識別等を行うと共に、その識別結果と、コンピュータ5によって設定されている動作モード(詳しくは後述する)とに従って、紙幣を、第1及び第2結束スタッカ4A、4B、並びに、第1及び第2非結束スタッカ5A、5Bに分けて集積することにより、紙幣を分類する動作を行う。
以下、計数装置7の動作について説明する。計数装置7は、基本的に、ホッパ部702に載置された紙幣について、識別部703が識別等を行うと共に、その識別結果と、コンピュータ5によって設定されている動作モード(詳しくは後述する)とに従って、紙幣を、第1及び第2結束スタッカ4A、4B、並びに、第1及び第2非結束スタッカ5A、5Bに分けて集積することにより、紙幣を分類する動作を行う。
まず、オペレータは、処理対象の紙幣をホッパ部702へ載置する。続いて、オペレータは、タッチパネル717を操作して、紙幣の取込を開始する。
ホッパ部702に載置された紙幣は、筐体712内へ取り込まれていく。取り込まれた紙幣は、搬送部707により搬送され、識別部703を通過する。識別部703は、通過する紙幣に関する情報(少なくとも金種、発行年数、新旧情報、正損情報、記番号を含む)を取得し、紙幣情報を制御部7120へ通知する。
制御部7120は、紙幣に関する情報と、設定されている動作モードとに応じて、当該紙幣に対応する搬送先、つまり、第1結束スタッカ704A、第2結束スタッカ704B、第1非結束スタッカ705A、又は、第2非結束スタッカ705Bを決定する。搬送部707は、決定した搬送先に基づいて、紙幣を、第1結束スタッカ704A、第2結束スタッカ704B、第1非結束スタッカ705A、又は、第2非結束スタッカ705Bに搬送する。
尚、第1結束スタッカ704A、及び、第2結束スタッカ704Bが共に、同一種類の紙幣を集積する動作モードであれば、2つの結束スタッカ704のうち一方の結束スタッカ704へ紙幣が搬送される。一方の結束スタッカ704に集積された紙幣の枚数が所定の枚数(例えば、100枚)に達すると、それ以降の紙幣は、他方の結束スタッカ704へ搬送される。第1非結束スタッカ705A、及び、第2非結束スタッカ705Bが共に、同一種類の紙幣を集積する動作モードであるときも、同様である。尚、紙幣がリジェクト紙幣であるときには、制御部7120は、搬送先をリジェクトスタッカ706とする。リジェクト紙幣は、指定外紙幣、異常紙幣、搬送異常紙幣、及び偽券を含む。指定外紙幣は、正常な紙幣であると判定されたものの、その紙幣の搬送先が、第1結束スタッカ704A、第2結束スタッカ704B、第1非結束スタッカ705A、又は、第2非結束スタッカ705Bのいずれにも設定されていない紙幣である。異常紙幣は、識別部703で取得した情報に基づいて、紙幣であることが判定できなかったものである。搬送異常紙幣は、斜行や連鎖などの搬送異常により、紙幣に関する情報を正常に取得できなかった紙幣である。偽券は、紙幣に関する情報と、予め記憶された偽券情報とを照合した結果、偽券である可能性があると判定された紙幣である。
計数装置7は、紙幣を分類しながら、結束スタッカ704、又は、非結束スタッカ705に、所定枚数(つまり、設定されたバッチ枚数)の紙幣を集積させるバッチ処理を行うことが可能である。バッチ処理時には、結束スタッカ704、又は、非結束スタッカ705において設定されたバッチ枚数の紙幣が集積されると、そのスタッカでは、新たな紙幣の集積が禁止される。結束スタッカ704に、バッチ枚数の紙幣が集積されると、オペレータは、第1取出口747を通じて結束スタッカ704から紙幣を取り出す。また、非結束スタッカ705に、バッチ枚数の紙幣が集積されると、オペレータは、第2取出口753を通じて非結束スタッカ705から紙幣を取り出す。取り出し完了後は、自動で、又は、手動で、そのスタッカへの新たな紙幣の集積が再開する。
また、結束スタッカ704に集積した紙幣を結束する場合、結束スタッカ704に、設定された結束枚数の紙幣が集積されると、結束部709は、紙幣をテープで結束する。結束紙幣は、投出部711から投出される。
(動作モード)
以下、計数装置7の動作モードについて説明する。計数装置7は、以下に説明する第1〜第4の動作モードを有する。計数装置7は、通信回線9を介して、コンピュータ5から動作モードの設定を受け付ける。計数装置7は、コンピュータ5から受け付けた動作モードに従って、紙幣を分類する動作を行う。
以下、計数装置7の動作モードについて説明する。計数装置7は、以下に説明する第1〜第4の動作モードを有する。計数装置7は、通信回線9を介して、コンピュータ5から動作モードの設定を受け付ける。計数装置7は、コンピュータ5から受け付けた動作モードに従って、紙幣を分類する動作を行う。
第1〜第4動作モードにおいて、計数装置7は、複数回の計数処理を行うことにより、紙幣の分類を行う。以下の説明において、計数装置7の1回目の計数処理を第1次計数、計数装置7の2回目の計数処理を第2次計数等と呼ぶ。
第1動作モードでは、まず、オペレータは、分類されていない紙幣をホッパ部702に載置する。計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込み、取り込んだ紙幣を非結束スタッカ705に集積する(第1次計数)。このとき、計数装置7は、識別部703を通過する紙幣に関する紙幣情報を取得する。この紙幣情報には、紙幣の金種等、計数装置7が紙幣を分類する際に用いられる情報が含まれる。
次に、オペレータは、非結束スタッカ705に集積された紙幣を、再度ホッパ部702に載置する。計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、計数装置7は、第1次計数において取得した紙幣情報を参照して、ホッパ部702に載置された紙幣に最も多く含まれる紙幣の種類を特定する。計数装置7は、ホッパ部702から紙幣を取り込んだ紙幣のうち、特定した種類の紙幣を例えば結束スタッカ704に集積し、他の種類の紙幣を非結束スタッカ705に集積する(第2次計数)。この後、オペレータが非結束スタッカ705に集積された紙幣を、ホッパ部702に載置することにより、計数装置7は、第2次計数と同様の処理を行う。このときに、計数装置7は、ホッパ部702から紙幣を取り込んだ紙幣に、最も多く含まれる紙幣の種類を特定し、特定した種類の紙幣を例えば結束スタッカ704に集積する。オペレータは、紙幣が、種類毎に分類されるまで同様の操作を行う。すなわち、第1動作モードでは、計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を種類の多い順に、1種類ずつ分類する。
第2動作モードでは、第1動作モードと同様の第1次計数が行われる。
次に、オペレータは、非結束スタッカ705に集積された紙幣を、ホッパ部702に載置する。計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、計数装置7は、第1次計数において取得した紙幣情報を参照して、ホッパ部702に載置された紙幣に、最も多く含まれる紙幣の種類と、2番目に多く含まれる紙幣の種類を特定する。計数装置7は、ホッパ部702から紙幣を取り込んだ紙幣のうち、最も多く含まれる紙幣の種類と特定した種類の紙幣を例えば結束スタッカ704に集積し、2番目に含まれる紙幣の種類と特定した種類の紙幣を第1非結束スタッカ705Aに集積し、他の種類の紙幣を第2非結束スタッカ705Bに集積する(第2次計数)。この後、オペレータが第2非結束スタッカ705Bに集積された紙幣を、ホッパ部702に載置することにより、計数装置7は、第2次計数と同様の処理を行う。オペレータは、紙幣が分類されるまで同様の操作を行う。すなわち、第2動作モードでは、計数装置7は、1回の計数処理によって、ホッパ部702に載置された紙幣から、2種類の紙幣を分類する。
尚、第1動作モード及び第2動作モードの第1次計数において、計数装置7は、所定の種類の紙幣を結束スタッカ704に集積してもよい。これにより、計数装置7において実行される計数処理の回数を減らすことができる。
第3動作モード及び第4動作モードは、複数の計数装置7の連携によって行われる。尚、先に計数処理を実行する計数装置7を第1計数装置7、後に計数処理を実行する計数装置7を第2計数装置7と呼ぶ。
第3動作モードでは、オペレータは、分類されていない紙幣を第1計数装置7のホッパ部702に載置する。第1計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、第1計数装置7は、識別部703を通過する紙幣に関する紙幣情報を取得するとともに、所定の種類の紙幣を例えば結束スタッカ704に集積し、他の種類の紙幣を非結束スタッカ705に集積する(第1次計数)。第1計数装置7は、取得した紙幣情報を第2計数装置7に送信する。
次に、オペレータは、非結束スタッカ705に集積された紙幣を第2計数装置7のホッパ部702に載置する。第2計数装置7は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、第2計数装置7は、第1計数装置7から受信した紙幣情報を参照して、ホッパ部702に載置された紙幣に最も多く含まれる紙幣の種類を特定する。計数装置7は、ホッパ部702から紙幣を取り込んだ紙幣のうち、特定した種類の紙幣を例えば結束スタッカ704に集積し、他の種類の紙幣を非結束スタッカ705に集積する(第2次計数)。この後、オペレータが非結束スタッカ705に集積された紙幣を、ホッパ部702に載置することにより、計数装置7は、第2次計数と同様の処理を行う。オペレータは、紙幣が分類されるまで同様の操作を行う。すなわち、第3動作モードでは、第1計数装置7および第2計数装置7が連携して、紙幣を種類の多い順に分類する。
尚、複数の第1計数装置7がそれぞれ第1次計数を行い、1の第2計数装置7が第2次計数処理を行うものとしてもよい。この場合、第2計数装置7は、第2次計数以降において、複数の第1計数装置7からそれぞれ受信した紙幣情報を参照して、紙幣の分類を行う。また第3動作モードにおいては、3以上の計数装置7を用いて、第2次計数によって集積された他の種類の紙幣を、第3計数装置7のホッパ部702に載置することにより、計数装置7は、第2次計数と同様の処理を行う(第3次計数)と共に、第3次計数によって集積された他の種類の紙幣を、第4計数装置7のホッパ部702に載置することにより、計数装置7は、第3次計数と同様の処理を行う(第4次計数)ようにしてもよい。
第4動作モードでは、第2計数装置は、例えば図15に例示するような多数のスタッカ708、710を備えているものとする。図15の計数装置70は、結束部709及び結束スタッカ704を備えていない点、及び、多数のスタッカ708、710を備えている点で、図13の計数装置7と相違する。計数装置70において、計数装置7と対応する構成には、同じ符号を付している。計数装置70はまた、複数の第1のスタッカ708と、複数の第2のスタッカ710とを備えている。第1のスタッカ708の容量は、第2のスタッカ710の容量よりも大きい。尚、結束スタッカ708は、結束スタッカ及び非結束スタッカのいずれか一方であってもよいし、結束スタッカ710は、結束スタッカ及び非結束スタッカのいずれか一方であってもよい。
具体的に、第4動作モードでは、オペレータは、分類されていない紙幣を、複数の第1計数装置7のホッパ部702それぞれに載置する。複数の第1計数装置7はそれぞれ、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、各第1計数装置7は、識別部703を通過する紙幣に関する紙幣情報を取得するとともに、所定の種類の紙幣を結束スタッカ704に集積し、他の種類の紙幣を非結束スタッカ705に集積する(第1次計数)。複数の第1計数装置7は、取得した紙幣情報を第2計数装置7に送信する。
次に、オペレータは、複数の第1計数装置7それぞれの非結束スタッカ705に集積された紙幣を、1の第2計数装置70のホッパ部702に載置する。第2計数装置70は、ホッパ部702に載置された紙幣を取り込む。このとき、第2計数装置70は、複数の第1計数装置7それぞれから受信した紙幣情報を参照して、ホッパ部702に載置された紙幣に最も多く含まれる紙幣の種類を特定する。計数装置70は、ホッパ部702から紙幣を取り込んだ紙幣のうち、特定した種類の紙幣を、例えば1又は複数の第1のスタッカ708に集積し、他の種類の紙幣を種類ごとに別の、第1のスタッカ708又は第2のスタッカ710に集積する(第2次計数)。第2計数装置70は、多数のスタッカ708、710を備えているため、第4モードでは、第1計数装置7および第2計数装置70は、それぞれ一度の計数処理により、ホッパ部702に載置された紙幣を分類することができる。
尚、1の第1計数装置7が第1次計数を行い、1又は複数の第2計数装置7が第2次計数処理を行うものとしてもよい。また、複数の第1計数装置7が第1次計数を行い、複数の第2計数装置7が第2次計数処理を行うものとしてもよい。
(貨幣回収システムの運用)
次に、有価媒体処理システム1の運用について説明する。まず、店舗1001から管理センタ1002に現金を回収する流れについて説明する。
次に、有価媒体処理システム1の運用について説明する。まず、店舗1001から管理センタ1002に現金を回収する流れについて説明する。
前述したように店舗1001には、店舗1001の売上金(有価媒体)としての紙幣を収納する媒体処理装置2が設置されている。媒体処理装置2は、集められた紙幣の入金処理を行う。具体的に、入金処理を行おうとする店舗1001の担当者は、投入口210に紙幣を投入する。前述したように、媒体処理装置2は、投入口210に投入された紙幣を、処理部によって第1〜第4の収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4に収納する(但し、リジェクト紙幣を除く)。ここで、媒体処理装置2は、第1〜第4の収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4に、金種別に紙幣を収納する。又は、媒体処理装置2は、第1〜第4の収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4に、入金日別に紙幣を収納してもよい。この場合、各収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4には、異なる金種の紙幣が混合状態で収納される。
店舗1001においては、例えば一日の業務終了時に、店舗1001の担当者の操作に従って、媒体処理装置2において締め処理が行われる。締め処理は、当日に収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4に収納された紙幣の収納量(つまり、在高)を確定する処理である。前述の通り、この媒体処理装置2では、複数の収納カセット31−1、31−2、31−3、31−4に対し、入金日別に紙幣を収納する。例えば、3月1日に入金処理を行った紙幣は、第1の収納カセット31−1に収納され、3月2日に入金処理を行った紙幣は、第2の収納カセット31−2に収納される。従って、締め処理も、収納カセット毎に行うことができる。尚、一日の入金処理において紙幣を収納する収納カセット31は一つに限らず、入金する紙幣量が多いときには、二つ以上の収納カセット31に分けて、一日分の紙幣の入金を行ってもよい。従って、締め処理の対象となる収納カセット31も、一つに限らず、複数の場合がある。締め処理を行うと、その後、当該収納カセット31に紙幣を収納することはできない。次の日に紙幣を収納する収納カセット31は、締め処理を行っていない収納カセット31になる。
媒体処理装置2は、締め処理が行われると、収納カセット31に設けられた通信装置3001に、カセット情報通信部61及びインターフェース3012を介して、カセット情報を送信する。このカセット情報には、収納カセット31内の在高や収納された紙幣の記番号リストが含まれる。通信装置3001は、受信したカセット情報を記憶部3014に記憶する(書き込む)。
回収業者の担当者は、毎日、又は、所定の日数を空けて定期的に、又は、店舗1001からのリクエストに応じて、店舗1001に出向いて、媒体処理装置2に収納されている紙幣(つまり、売上金)の回収を行う。回収業者の担当者は、店舗1001に設置された媒体処理装置2から収納カセット31を取り外し、収納カセット31を管理センタ1002に輸送する。このとき、通信装置3001は、カセット情報通信部61及びインターフェース3012を介して、媒体処理装置2と通信不能となる。この場合、通信装置3001は、媒体処理装置2から取り外された(離間された)と判定して、無線通信(無線通信部3013)により、通信回線9を介して、記憶部3014に記憶されたカセット情報をコンピュータ5に送信する。このカセット情報には、例えば、収納カセット31のシリアル番号、収納カセット31が取り付けられている媒体処理装置2の型番及びシリアル番号、収納カセット31に収納されている紙幣の、通貨、金種、シリーズ、正損、記番号リスト等の情報が含まれる。コンピュータ5は、収納カセット31が管理センタ1002に到着する前に、カセット情報を取得できる。
尚、回収業者の担当者は、1日に複数の店舗1001に出向いて、媒体処理装置2に収納されている紙幣(つまり、売上金)を回収してもよいし、1つの媒体処理装置2から複数の収納カセット31を回収してもよい。
管理センタ1002には、収納カセット31内の紙幣の計数を行う、複数の計数装置7,70が設けられている。紙幣処理の一例として、管理センタ1002では、店舗1001ごとに計数処理を実行する計数装置7,70が予め定まっている場合がある。たとえば、計数装置7,70は、ライン状に配置されたり、複数の部屋に分けて配置されたりする。店舗1001ごとに計数処理を行うラインや部屋が割り当てられており、計数装置7,70は、対応する店舗1001の収納カセット31の計数処理を行う。コンピュータ5は、収納カセット31のシリアル番号と、収納カセット31の回収元の店舗1001を示すデータと、店舗1001の計数処理を実行する計数装置7,70を特定するためのデータとを関連付けたリストを記憶している。尚、計数装置7,70を特定するためのデータは、計数装置7,70ごとに割り振られていてもよいし、計数装置7,70の設置場所(例えば、ライン番号、部屋番号、机番号等)ごとに割り振られていてもよい。コンピュータ5は、事前に取得したカセット情報と、このリストとを参照して、回収した収納カセット31の計数処理を行う計数装置7,70を決定し、回収業者の担当者に、当該計数装置7,70を通知する。例えば、コンピュータ5は、計数処理を行う計数装置7,70の表示部(タッチパネル717)を点灯させることにより、回収業者の担当者に、決定した計数装置7,70を通知する。
なお、管理センタ1002での紙幣処理は、上記のように、店舗1001ごとに計数処理を実行する計数装置7,70が予め定まっていない処理方法でもよい。この場合、回収された紙幣は、任意の計数装置7,70で処理される。具体的に、コンピュータ5は、回収された紙幣が任意の計数装置で処理される前に、回収された紙幣を収納していた収納カセット31のカセット情報を取得する。このカセット情報には、収納カセット31のシリアル番号と、収納カセット31の回収元の店舗1001を示すデータとが含まれている。コンピュータ5は、管理センタ1002の計数装置7,70の計数処理の結果を示す記番号リストと、計数された紙幣が収納されていた収納カセット31のシリアル番号とを関連付けて記憶する。これにより、コンピュータ5は、カセットのシリアル番号及び記番号リストに基づいて、管理センタ1002で計数処理された紙幣がどの店舗から来たものであるかを特定することができる。
又、コンピュータ5は、通信装置3001から受信したカセット情報(ここでは、収納カセット31に収納されている紙幣の、通貨、金種、シリーズ、正損、記番号リスト等の情報)に基づいて、計数装置7,70の動作モードを設定する。例えば、コンピュータ5は、受信したカセット情報に基づいて、前述した第1〜第4動作モードのうち、例えば計数処理の回数が最も少なくなる、計数装置7,70の動作モードを決定し、当該動作モードを示す信号を、通信回線9を介して、計数装置7,70に送信する。計数装置7,70は、受信した信号に含まれる動作モードに自己を設定する。コンピュータ5は、他のルールに従って、計数装置7,70の動作モードを決定してもよい。
又、コンピュータ5は、受信したカセット情報に基づいて、前述した第1〜第4動作モードの以外の動作モードを、計数装置7,70に設定してもよい。
なお、前述した第1〜第4動作モードは、計数装置7,70によって行われた第1次計数における計数結果を用いて、コンピュータ5が、紙幣を集積部(スタッカ)に集積するための設定を決定し、当該設定に基づいて計数装置7,70が計数処理を行う、モードである。一方、受信したカセット情報に基づく動作モード(前述した第1〜第4動作モードの以外の動作モード)は、計数装置7,70よって第1次計数を行わずに、コンピュータ5が、カセット情報を取得するとともに当該カセット情報に基づき紙幣を集積部(スタッカ)に集積するための設定を生成し、当該生成された設定に基づいて計数装置7,70が計数処理を行う、モードである。具体的に、受信したカセット情報に基づく動作モードにおいては、コンピュータ5は、受信したカセット情報(例えば、紙幣の金種情報等)に基づいて、計数処理の回数が最も少なくなる動作モードを生成し、生成した動作モードを計数装置7,70に設定する。例えば、コンピュータ5は、収納カセット31に収納された紙幣のうち、最も多く含まれる紙幣の種類を結束スタッカ704に集積し、他の紙幣の種類を非結束スタッカ705に集積するように、計数装置7の動作モードを生成してもよい。すなわち、コンピュータ5は、計数処理の回数が最も少なくなるように、紙幣の搬送先のスタッカが定められた動作モードを生成する。これにより、計数装置7の処理効率を高めることができる。なお、コンピュータ5により設定変更することで、上記に例示した、第1〜第4モードによる計数処理と、受信したカセット情報に基づく動作モード(第1〜第4動作モードの以外の動作モード)による計数処理とを切り替えることができる。これにより、計数装置7,70の設置位置の移動等なく、管理センタ1002における紙幣処理の態様を臨機応変に変更できる。
回収業者の担当者は、収納カセット31内に収納された紙幣を、コンピュータ5に通知された計数装置7,70のホッパ部702に載置する。計数装置7,70は、設定された動作モードで、紙幣の分類を行う。これにより、収納カセット31によって回収された紙幣は、分類される。分類された紙幣は、管理センタ1002の金庫等に保管される。尚、計数装置7,70に収納カセット31が取り付け可能である場合、回収業者の担当者は、収納カセット31をコンピュータ5に通知された計数装置7,70に取り付ける。
次に、管理センタ1002から店舗1001に現金を補充する流れについて説明する。管理センタ1002は、業務の一環として、店舗1001で使用される現金を準備する場合がある。
管理センタ1002において、回収業者の担当者により、空の収納カセット31に紙幣が収納される。具体的に、コンピュータ5は、空の収納カセット31に紙幣を収納するように、回収業者の担当者に通知する。回収業者の担当者は、コンピュータ5の通知に従って、収納カセット31に紙幣を収納する。このとき、コンピュータ5は、収納カセット31に収納する紙幣を指定する。例えば、コンピュータ5は、金庫に保管されている紙幣の記番号と、金庫における紙幣の収納位置と関連付けて記憶している。コンピュータ5は、収納位置に載置された紙幣を収納カセット31に収納するように、回収業者の担当者に通知する。例えば、コンピュータ5は、収納する紙幣と、紙幣を収納する収納カセット31を示す情報を、自己に接続されたディスプレイ(図示省略)等に表示する。又は、空の収納カセット31に紙幣を収納する前に、計数装置7,70が、紙幣の計数を行ってもよい。
又、コンピュータ5は、収納カセット31に設けられた通信装置3001に、通信回線9を介して、カセット情報を送信する。このカセット情報には、収納カセット31内の在高や記番号リストが含まれる。通信装置3001は、受信したカセット情報を記憶部3014に記憶する(書き込む)。
又は、コンピュータ5は、金庫内に、100枚の紙幣が結束された小束紙幣および10束の小束紙幣が結束された大束紙幣が保管されている場合、小束紙幣および大束紙幣ごとに識別情報を付与する。コンピュータ5は、当該識別情報ごとに、対応する小束紙幣および大束紙幣の記番号リストを関連付けて記憶している。コンピュータ5は、回収業者の担当者によって収納された紙幣(小束紙幣および大束紙幣)に対応する記番号リストを読み出して、読み出した記番号リストを含むカセット情報を通信装置3001に送信してもよい。
尚、収納カセット31への紙幣の収納は、特開2019−28730号公報に例示されるような装填装置(ロボット)を用いて行ってもよい。装填装置(ロボット)が使用される場合は、コンピュータ5は、通信回線9を介して当該装填装置と通信可能に接続されている。装填装置により収納カセット31に紙幣を装填した場合は、コンピュータ5から収納カセット31の無線通信部3012に、収納カセット31に装填された紙幣に関する情報が送信される。これにより、記憶部3014に記憶された記番号リストと、収納カセット31に収納された紙幣の収納順を、より正確に一致させることができる。
回収業者の担当者は、紙幣が収納された収納カセット31を、管理センタ1002から店舗1001に輸送する。このとき、収納カセット31は、計数装置7,70から所定距離以上、離間されることとなる。この場合、通信装置3001は、無線通信部3013及び通信回線9を介して、収納カセット31が取り付けられる媒体処理装置2に、カセット情報を送信する。このカセット情報には、収納カセット31内の在高や記番号リストが含まれる。媒体処理装置2は、収納カセット31が店舗1001に到着する前に、カセット情報を取得できる。
回収業者の担当者は、紙幣が収納された収納カセット31を、店舗1001に設置された媒体処理装置2に取り付ける。媒体処理装置2に収納カセット31が取り付けられたときには、媒体処理装置2は取り付けられた収納カセット31に収納されている紙幣(すなわち媒体処理装置2に補充される現金)の記番号リスト等を取得している。これにより、媒体処理装置2に収納カセット31が取り付けられた後、収納カセット31の精査処理を行うことなく収納カセット31の在高を確定することができるので、記番号リスト等を使った紙幣処理等が速やかに実施できる。尚、媒体処理装置2は、収納カセット31からの紙幣の搬送中や、収納カセット31への紙幣の搬送中に異常が発生した場合に、受信したカセット情報の記番号リストに基づいて、部分精査処理を行ってもよい。これにより、短時間で、収納カセット31内の在高を確定させることができる。
又、媒体処理装置2は、収納カセット31が装着されると精査処理を行い、収納カセット31内の在高を確定させてもよい。媒体処理装置2は、通信装置3001から受信したカセット情報に含まれる記番号リストに基づいて、前述した部分精査処理を実行することにより、収納カセット31内の在高を確定してもよい。これにより、回収業者の担当者の補充作業を短縮することができる。なお、後述するように、収納カセット31の輸送中に、収納カセット31の監視を行うことによって、輸送中の収納カセット31内の紙幣の出入りが無いことが保証できるため、収納カセット31内の在高を確定できる。
上記の処理に対して、従来の補充処理は、例えば補充用の紙幣を、入金部21に投入し、識別部25が、紙幣を一枚一枚、識別及び計数をした後、対応する収納カセットに紙幣を収納していた。このため、補充用の紙幣の枚数が多いほど、補充処理に要する時間が長くなる。前記の構成では、補充用の紙幣を収納している収納カセット31から、紙幣を繰り出さなくても、収納カセット31内の在高を確定できて、補充処理を完了できるため、回収業者の担当者の補充作業が大幅に短縮できる。又、前記の構成により、収納カセット31から紙幣を繰り出さなくても、収納カセット31内の在高を確定することができるため、紙幣(媒体)管理の厳正化を図ることができる。前記の構成は、補充用の紙幣を収納している収納カセット31を、媒体処理装置2に取り付けることによる補充処理が実現できる。
また、媒体処理装置2は、収納カセット31の通信装置3001から送信された記番号リストを、その後の処理においても継続して利用できる。媒体処理装置2は、収納カセット31内の紙幣の管理のために、改めて全紙幣の記番号を読み取って記番号リストを作成し直す必要はない。尚、媒体処理装置2は、収納カセット31の取り付け後に、全精査処理を行って、収納カセット31内の在高の確定、及び、記番号リストの作成を行ってもよい。
(管理センタのコンピュータの処理)
図16は、発券銀行1003から現金を補充する処理に関して、コンピュータ5が実行する制御フローである。
図16は、発券銀行1003から現金を補充する処理に関して、コンピュータ5が実行する制御フローである。
管理センタ1002は、店舗1001から紙幣を回収するとともに、店舗1001に紙幣を供給する。店舗1001に供給する紙幣、具体的には正券又は新券が不足した場合、管理センタ1002の管理者は、管理センタ1002での業務が滞る可能性がある。このため、管理センタ1002は、発券銀行1003に現金の補充を要求する。この例では、管理センタ1002に設置されたコンピュータ5が、通信回線9を介して、発券銀行1003に設置されたコンピュータ6に現金の補充を要求する。この例によれば、管理センタ1002において計数処理が行われる前(店舗1001から収納カセット31を回収しているとき)に、現金の補充を要求することができる。
まず、スタート後のステップS1において、コンピュータ5は、各収納カセット31の通信装置3001からカセット情報を受信する。通信装置3001は、例えば、収納カセット31が媒体処理装置2から取り外された場合、通信回線9を介して、カセット情報を送信する。このカセット情報には、収納カセット31に収納されている紙幣の通貨、金種、正損の内訳および記番号リスト等が含まれる。又、このカセット情報は、媒体処理装置2によって生成され、通信装置3001の記憶部3014に記憶された情報である。
ステップS2において、コンピュータ5は、ステップS1において受信したカセット情報、及び、ステップS1よりも前に受信した他のカセット情報に基づいて、店舗1001から管理センタ1002に回収されている紙幣(言い換えると、回収業者によって回収されている紙幣)の総量を算出する。尚、コンピュータ5は、紙幣の種類ごとに紙幣の総量を算出する。尚、以下のステップにおいて、紙幣の総量は、紙幣の種類ごとに算出等されるものとする。
ステップS3において、コンピュータ5は、管理センタ1002内の金庫等に保管されているリサイクル可能な紙幣の総量を参照する。ここでいうリサイクル可能な紙幣とは、正損の閾値を超えており、正券として使用できるレベルにある紙幣のことを指す。リサイクル可能な紙幣には、旧版の紙幣に該当しない紙幣を含んでもよい。
ステップS4において、コンピュータ5は、有価媒体処理システム1において使用される紙幣の総量の予測を行った予測データを参照する。予測データにおける紙幣の総量は、各収納カセット31への収納される紙幣の総量、各店舗1001からの補充要求される紙幣の総量等を含む。尚、予測データは、2〜3日後、あるいは、1週間後に、有価媒体処理システム1において使用される紙幣の総量を予測したものである。有価媒体処理システム1は、管理センタ1002の金庫内の紙幣の総量、各収納カセット31に収納されている紙幣の総量および紙幣の金種等に基づいて所定日(所定時間)経過後に必要な紙幣の総量を予測するプログラムを有している。なお、当該プログラムは、用途に応じたものが適宜採用される。
ステップS5において、コンピュータ5は、紙幣の総量が十分であるか否かを判定する。具体的に、コンピュータ5は、カセット情報に基づいて算出した紙幣の総量と管理センタ1002内の金庫等に保管されているリサイクル可能な紙幣の総量とを合算した紙幣の総量と、予測データに含まれる紙幣の総量とを比較する。コンピュータ5は、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を上回った場合には、処理を終了する(ステップS5のYes)。言い換えると、コンピュータ5は、コンピュータ6に現金の補充を要求しない。一方、コンピュータ5は、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を下回った場合には、ステップS6に進む。
ステップS6において、コンピュータ5は、正損の閾値を変化させることで、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を超えるか否かを判定する。具体的に、コンピュータ5は、計数装置7,70が計数を行う際の正損の閾値を低下させる。このことにより、今後、回収された収納カセット31内の紙幣について、計数装置7,70が計数を行う場合に、正券と判定される紙幣の総量が増加する。コンピュータ5は、所定の閾値まで正損の閾値を低下させたときに、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を上回った場合(ステップS6のYes)には、管理センタ1002内において正損の判定に用いられる閾値を変更する(ステップS7)。コンピュータ5は、所定の閾値まで正損の閾値を低下させたときに、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を下回った場合(ステップS6のNo)には、ステップS8に進む。
ステップS8において、コンピュータ5は、発券銀行1003のコンピュータ6に紙幣の補充を要求する。具体的に、コンピュータ5は、金種ごとに、合算した紙幣の総量が予測データに含まれる紙幣の総量を比較して、不足分の紙幣を発券銀行1003に補充するように、コンピュータ6に要求する。尚、発券銀行1003への紙幣の補充要求は、管理センタ1002の担当者が発券銀行1003に連絡するものとしてもよい。なお、ステップS6及びS7の処理がない処理フローでもよい。すなわち、コンピュータ5は、ステップS5においてNoと判断した場合、ステップS8に処理を進めるような、処理フローでもよい。
この有価媒体処理システム1は、媒体処理装置2に着脱可能であるともに紙幣を収納する収納カセット31に設けられた通信装置3001と、通信回線9を介して通信装置3001と通信する制御部513及びコンピュータ5とを備える。制御部513及びコンピュータ5は、通信回線9を介して、通信装置3001と通信することにより所定の処理を実行する。こうすることで、制御部513及びコンピュータ5は、通信回線9を介して、収納カセット31と通信することができるため、有価媒体処理システムが運用しやすくなる。
又、通信装置3001は、収納カセット31に関するカセット情報を、通信回線9を介して送信し、制御部513及びコンピュータ5は、カセット情報を受信し、カセット情報に基づいて所定の処理を実行する。こうすることで、制御部513及びコンピュータ5は、収納カセット31からカセット情報を受信することができるため、有価媒体処理システムが運用しやすくなる。
又、収納カセット31は、媒体処理装置2及び計数装置7において使用される紙幣を収納する。通信装置3001は、少なくとも、収納カセット31が媒体処理装置2及び計数装置7から取り外されている(離間されている)状態において、カセット情報を送信する。こうすることで、制御部513及びコンピュータ5は、例えば回収業者等によって収納カセットが輸送されているときに、カセット情報を受信することができる。
又、収納カセット31は、収納している紙幣に関するカセット情報を記憶する記憶部3014を有する。通信装置3001は、記憶部3014に記憶されたカセット情報を送信する。制御部513は、通信装置3001が送信したカセット情報を受信し、受信したカセット情報に基づいて、媒体処理装置2に取り付けられた収納カセット31の精査処理を、媒体処理装置2に実行させる。こうすることで、媒体処理装置2の精査処理に要する時間を短縮することができるため、回収業者等の作業時間を短縮することができる。
又、収納カセット31は、媒体処理装置2から回収した紙幣を収納するとともに、収納している紙幣に関するカセット情報を記憶する記憶部3014を有する。通信装置3001は、記憶部3014に記憶されたカセット情報を送信する。コンピュータ5は、通信装置3001が送信したカセット情報を受信し、受信したカセット情報に基づいて、収納カセット31に収納されている紙幣に関する処理を行う。こうすることで、コンピュータ5は、収納カセット31に収納されている紙幣に関する処理を実行することができる。
又、収納カセット31は、媒体処理装置2及び計数装置7において使用される紙幣を収納する。計数装置7は、収納カセット31に収納されている紙幣の計数処理を行う。コンピュータ5は、通信装置3001が送信したカセット情報を受信し、受信したカセット情報に基づいて、計数装置7が計数処理を実行する際の、動作モードを決定(設定)する。こうすることで、コンピュータ5は、収納カセット31に収納されている紙幣に応じた、適切な動作モードを計数装置7に設定することができる。
又、収納カセット31は、媒体処理装置2及び計数装置7において使用される紙幣を収納する。計数装置7は、収納カセット31に収納されている紙幣の計数処理を行う。コンピュータ5は、通信装置3001が送信したカセット情報を受信し、受信したカセット情報に基づいて、複数の計数装置7のうち、計数処理を実行する計数装置7を決定する。こうすることで、コンピュータ5は、収納カセット31の計数処理を実行する計数装置7を決定することができる。
又、コンピュータ5は、受信したカセット情報に基づいて、媒体処理装置2に補充する紙幣の管理を行う。こうすることで、コンピュータ5は、媒体処理装置2に補充する紙幣の管理を行うことができる。
又、収納カセット31は、媒体処理装置2に補充される紙幣を収納する。コンピュータ5は、収納カセット31に収納された紙幣に関するカセット情報を、通信装置3001へ送信する。収納カセット31は、通信装置3001が受信したカセット情報を記憶する記憶部3014を有している。こうすることで、収納カセット31の記憶部3014に収納カセット31に収納された紙幣に関する情報を記憶させることができるため、媒体処理装置2及びコンピュータ5は、通信回線9を介して、収納カセット31に収納された有価媒体に関する情報を取得することができる。
又、各収納カセット31(通信装置3001)は、無線通信部3013に電力を供給する電池を有する。こうすることで、各無線通信部3013は、媒体処理装置2から取り外された状態であっても、コンピュータ5及び媒体処理装置2の制御部513と通信を行うことができる。
(有価媒体処理システムの変形例)
図17は、図7と異なる構成の収納カセット31(又は回収カセット53)の動作制御に係る構成を示している。変形例に係る収納カセット31には、図6等への図示は省略するが、位置検出部314と吐出部315とが備えられている。位置検出部314及び吐出部315は、制御部3011に接続されている。尚、図17では、通信装置3001は、制御部3011、インターフェース3012、無線通信部3013、記憶部3014及び電源3010を含むように構成されているが、位置検出部314を含んでもよい。
図17は、図7と異なる構成の収納カセット31(又は回収カセット53)の動作制御に係る構成を示している。変形例に係る収納カセット31には、図6等への図示は省略するが、位置検出部314と吐出部315とが備えられている。位置検出部314及び吐出部315は、制御部3011に接続されている。尚、図17では、通信装置3001は、制御部3011、インターフェース3012、無線通信部3013、記憶部3014及び電源3010を含むように構成されているが、位置検出部314を含んでもよい。
位置検出部314は、例えば、GPS等のアンテナで構成され、受信したGPS信号に基づいて、収納カセット31の位置を示す位置情報を制御部3011に出力する。
吐出部315は、収納カセット31においてダイインクと呼ばれる特殊インクを吐出する。吐出部315は、制御部3011からの信号に応じて、ダイインクを、収納カセット31に収納された紙幣に吐出する。
また、記憶部3014には、収納カセット31における開閉センサ3015等を含む各部の摩耗状況や点検時期等を示す第1保守情報、及び、制御部3011によって実行されるプログラムのバージョン情報等を示す第2保守情報が記憶されている。
収納カセット31に以上のような構成や機能を備えることにより、以下のような運用を行うことが可能となる。
収納カセット31の無線通信部3013は、位置検出部314から出力された位置情報を、通信回線9を介して、コンピュータ5に送信する。コンピュータ5は、受信した位置情報に基づいて、各収納カセット31の監視を行う。こうすることで、管理センタ1002の回収業者によって収納カセット31が輸送されているときに、収納カセット31の監視を行うことができる。尚、コンピュータ5は、受信した位置情報に基づいて、収納カセット31のトラッキング情報(位置情報の履歴)を生成することで、収納カセット31の監視を行ってもよい。
又、コンピュータ5は、オペレータの操作に応じて、収納カセット31の通信装置3001にダイインクの吐出指令を、通信回線9を介して、送信する。通信装置3001は、受信したダイインクの吐出指令に従って、吐出部315を制御し、収納カセット31に収納された紙幣にダイインクを吐出させる。こうすることで、コンピュータ5のオペレータが吐出部315を遠隔操作することができるので、収納カセット31の輸送中に収納カセット31が盗難された場合、盗難された収納カセット31に収納された紙幣の使用を防止することができる。尚、収納カセット31の輸送ルートが予め定まっている場合、コンピュータ5は、収納カセット31の輸送ルートを参照して、収納カセット31の位置が輸送ルートから外れているとき、収納カセット31の通信装置3001にダイインクの吐出指令を、通信回線9を介して、送信してもよい。又、コンピュータ5は、収納カセット31の位置が所定のルートや所定のエリアから外れているとき、収納カセット31の通信装置3001にダイインクの吐出指令を送信してもよい。
又、コンピュータ5は、第1保守情報および位置情報を受信した場合、第1保守情報に基づいて点検が必要となっている収納カセット31を特定し、当該収納カセット31の位置情報を回収業者の担当者に通知してもよい。こうすることで、収納カセット31の管理が容易となる。
又、コンピュータ5が第2保守情報を受信した場合更新プログラムを各収納カセット31の通信装置3001に送信して、通信装置3001が受信した更新プログラムに基づいて、記憶部3014に記憶されたプログラムを更新してもよい。こうすることで、記憶部3014に記憶されたプログラムを更新するために、収納カセット31を集める必要がなくなるため、収納カセット31の管理が容易となる。
尚、上記実施形態では、有価媒体として紙幣を例にしたが、その他の有価媒体(例えば、硬貨、小切手等)を用いることができる。
又、収納部を収納カセットとして説明したが、収納部は、有価媒体を収納するパウチであってもよいし、有価媒体を輸送するコンテナ等であってもよい。
尚、前述した様々な実施形態は、適宜、組み合わせることが可能である。
1 有価媒体処理システム
2 媒体処理装置
31 収納カセット(収納部)
314 位置検出部
315 吐出部
3001 通信装置
3013 無線通信部
3014 記憶部
5 管理コンピュータ
6 銀行コンピュータ
7 計数装置
1001 店舗
1002 管理センタ
1003 発券銀行
2 媒体処理装置
31 収納カセット(収納部)
314 位置検出部
315 吐出部
3001 通信装置
3013 無線通信部
3014 記憶部
5 管理コンピュータ
6 銀行コンピュータ
7 計数装置
1001 店舗
1002 管理センタ
1003 発券銀行
Claims (16)
- 第1媒体処理装置に着脱可能であるともに有価媒体を収納する収納部に設けられた通信部と、
通信ネットワークを介して、前記通信部と通信する制御装置とを備え、
前記通信部は、前記収納部としての第1収納部に設けられる第1通信部と、前記収納部としての第2収納部に設けられる第2通信部とを含み、
前記制御装置は、前記通信ネットワークを介して、前記第1通信部及び前記第2通信部のそれぞれと通信することにより所定の処理を実行する、有価媒体処理システム。 - 前記通信部は、前記収納部に関する収納部情報を、前記通信ネットワークを介して送信し、
前記制御装置は、前記通信部から送信された収納部情報を受信し、前記収納部情報に基づいて所定の処理を実行する請求項1に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部情報は、前記収納部の個体識別情報、前記収納部の状態に関する状態情報、前記収納部に収納された前記有価媒体に関する有価媒体情報、前記収納部の位置情報、及び、前記収納部の保守情報のうち少なくとも1つを含む請求項2に記載の有価媒体処理システム。
- 前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置において使用される有価媒体を収納し、
前記通信部は、少なくとも、前記収納部が前記第1媒体処理装置及び前記第2媒体処理装置から離間された状態において、前記収納部情報を送信する請求項2又は3に記載の有価媒体処理システム。 - 前記制御装置は、少なくとも前記第1媒体処理装置の制御を行い、
前記収納部は、収納している有価媒体に関する有価媒体情報を記憶する記憶部を有し、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記有価媒体情報を送信し、
前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記第1媒体処理装置に取り付けられた前記収納部の精査処理を、前記第1媒体処理装置に実行させる請求項2〜4のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部は、前記第1媒体処理装置から回収した有価媒体を収納するとともに、収納している有価媒体に関する有価媒体情報を記憶する記憶部を有し、
前記通信部は、前記記憶部に記憶された前記有価媒体情報を送信し、
前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記収納部に収納されている有価媒体に関する処理を行う請求項2〜5のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置において使用される有価媒体を収納し、
前記第2媒体処理装置は、前記収納部に収納されている有価媒体の計数処理を行い、
前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記第2媒体処理装置が計数処理を実行する際の、動作モードを決定する請求項6に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部は、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置において使用される有価媒体を収納し、
前記第2媒体処理装置は、前記収納部に収納されている有価媒体の計数処理を行い、
前記第2媒体処理装置は、複数の第2媒体処理装置を含み、
前記制御装置は、前記通信部が送信した前記有価媒体情報を受信し、受信した前記有価媒体情報に基づいて、前記複数の第2媒体処理装置のうち、前記計数処理を実行する第2処理装置を決定する請求項6又は7に記載の有価媒体処理システム。 - 前記制御装置は、前記受信した有価媒体情報に基づいて、前記第1媒体処理装置に補充する有価媒体の管理を行う請求項6〜8のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。
- 前記収納部は、前記第1媒体処理装置に補充される有価媒体を収納し、
前記制御装置は、前記収納部に収納された有価媒体に関する有価媒体情報を、前記通信部へ送信し、
前記収納部は、前記通信部が受信した前記有価媒体情報を記憶する記憶部を有している請求項1〜9のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記通信部は、前記収納部が前記第1媒体処理装置から取り外されている状態において、前記収納部の位置情報を送信し、
前記制御装置は、受信した前記位置情報に基づいて、前記収納部の監視を行う請求項1〜10のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部は、収納されている有価媒体に向けてインクを吐出する吐出部を含み、
前記吐出部は、前記通信部が受信した情報に基づいて動作するように構成され、
前記制御装置は、前記吐出部に前記インクを吐出させる指令を、前記通信ネットワークを介して前記通信部へ送信する請求項11に記載の有価媒体処理システム。 - 前記通信部は、前記収納部の保守情報を送信し、
前記制御装置は、受信した前記保守情報に基づいて、前記収納部の管理を行う請求項1〜12のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記通信部は、前記収納部が前記第1媒体処理装置から取り外されている状態において、前記保守情報を送信する請求項13に記載の有価媒体処理システム。
- 前記第1収納部は前記第1通信部に電力を供給する電池を有し、
前記第2収納部は前記第2通信部に電力を供給する電池を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。 - 前記収納部は、有価媒体を輸送するために使用され、かつ、前記第1媒体処理装置、及び、前記第1媒体処理装置とは異なる第2媒体処理装置に着脱可能であり、
前記通信部は、前記収納部が前記第1媒体処理装置及び前記第2媒体処理装置から取り外されている状態において、前記収納部情報を送信する請求項2〜15のいずれか1項に記載の有価媒体処理システム。
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