JP2021148928A - 多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護膜に様々な機能を持たせることが可能な多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法を提供する。【解決手段】多層反射膜付き基板100は、基板10と、基板10の上に設けられた多層反射膜12と、多層反射膜12の上に設けられた保護膜14とを有する。保護膜14は、基板10側から、ケイ素(Si)を含む第1のSi材料層16と、第1の層18と、第2の層20とを含む。第1の層18は、第1の希ガス元素を含む。第2の層20は、第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法に関する。
近年における超LSIデバイスの高密度化、高精度化の更なる要求に伴い、極紫外(Extreme Ultra Violet、以下、EUVと称す)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィーが有望視されている。EUV光とは軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。
反射型マスクは、基板の上に形成された露光光を反射するための多層反射膜と、多層反射膜の上に形成され、露光光を吸収するためのパターン状の吸収体膜である吸収体パターンとを有する。半導体基板上にパターン転写を行うための露光機に搭載された反射型マスクに入射した光は、吸収体パターンのある部分では吸収され、吸収体パターンのない部分では多層反射膜により反射される。多層反射膜により反射された光像が、反射光学系を通してシリコンウエハ等の半導体基板上に転写される。
反射型マスクを用いて半導体デバイスの高密度化、高精度化を達成するためには、反射型マスクにおける反射領域(多層反射膜の表面)が、露光光であるEUV光に対して高い反射率を有することが必要である。
多層反射膜としては、一般的に、屈折率の異なる元素が周期的に積層された多層膜を用いる。例えば、波長13〜14nmのEUV光に対する多層反射膜としては、Mo膜とSi膜を交互に40周期程度積層したMo/Si周期積層膜が好ましく用いられる。
EUVリソグラフィーに用いられる反射型マスクとしては、例えば特許文献1に記載された反射型マスクがある。特許文献1には、基板と、前記基板上に形成され、2種の異なる膜が交互に積層された多層膜からなる反射層と、前記反射層上に形成されたルテニウム膜からなるバッファ層と、所定のパターン形状をもって前記バッファ層上に形成された軟X線を吸収し得る材料からなる吸収体パターンとを有する反射型フォトマスクが記載されている。特許文献1に記載のバッファ層は、一般的に保護膜とも呼ばれる。
特許文献2には、基板上に露光光を反射する多層反射膜を備える多層反射膜付き基板が記載されている。また、特許文献2には、多層反射膜を保護するための保護膜が多層反射膜の上に形成されること、及び、保護膜が、反射率低減抑制層と、ブロッキング層と、エッチングストッパー層とをこの順に積層してなる保護膜であることが記載されている。また、特許文献2には、エッチングストッパー層は、ルテニウム(Ru)又はその合金からなること、及び、ルテニウムの合金としては、具体的には、ルテニウムニオブ(RuNb)合金、ルテニウムジルコニウム(RuZr)合金、ルテニウムロジウム(RuRh)合金、ルテニウムコバルト(RuCo)合金、ルテニウムレニウム(RuRe)合金が挙げられることが記載されている。
特許文献3及び4には、基板と、多層反射膜と、多層反射膜上に形成された、多層反射膜を保護するためのRu系保護膜とを有する多層反射膜付き基板が記載されている。特許文献3及び4には、多層反射膜の基板と反対側の表面層はSiを含む層であることが記載されている。
特許文献3には、多層反射膜とRu系保護膜との間に、SiのRu系保護膜への移行を妨げるブロック層を有することが記載されている。特許文献3には、Ru系保護膜の構成材料としては、Ru及びその合金材料を挙げることができること、及びRuの合金としては、Ruと、Nb、Zr、Rh、Ti、Co及びReからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを有するRu化合物が好適であることが記載されている。
特許文献4には、Ru系保護膜はRu及びTiを含むRu化合物を含み、該Ru化合物は化学量論的組成のRuTiよりもRuを多く含むことが記載されている。
特許文献5には、保護層は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)のうち少なくとも1つを含む不活性ガスと、水素(H)を含む雰囲気中で、スパッタリング法により形成することが好ましいことが記載されている。
特開2002−122981号公報 特開2014−170931号公報 国際公開第2015/012151号 国際公開第2015/037564号 特開2013−122952号公報
上記した従来の反射型マスクのように、多層反射膜の上には、多層反射膜を保護するための保護膜が形成されることがある。しかし、保護膜が単層である場合、保護膜に様々な機能を持たせることが困難であった。
そこで、本発明は、保護膜に様々な機能を持たせることが可能な多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
基板と、該基板の上に設けられた多層反射膜と、該多層反射膜の上に設けられた保護膜とを有する多層反射膜付き基板であって、
前記保護膜は、前記基板側から、ケイ素(Si)を含む第1のSi材料層と、第1の層と、第2の層とを含み、
前記第1の層は、第1の希ガス元素を含み、
前記第2の層は、前記第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含むことを特徴とする多層反射膜付き基板。
(構成2)
前記第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素は、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする構成1に記載の多層反射膜付き基板。
(構成3)
前記第2の希ガス元素は、前記第1の希ガス元素よりも原子量が小さいことを特徴とする構成1又は2に記載の多層反射膜付き基板。
(構成4)
前記第2の希ガス元素は、前記第1の希ガス元素よりも原子量が大きいことを特徴とする構成1又は2に記載の多層反射膜付き基板。
(構成5)
前記第1の層は、ルテニウム(Ru)を含む第1のRu材料層であり、
前記第2の層は、ルテニウム(Ru)を含み、前記第1のRu材料層とは組成が異なる第2のRu材料層であることを特徴とする構成1乃至4の何れかに記載の多層反射膜付き基板。
(構成6)
前記第1の層は、ルテニウム(Ru)を含む第3のRu材料層であり、
前記第2の層は、ケイ素(Si)と、酸素(O)及び窒素(N)から選択される少なくとも1つとを含む第2のSi材料層であることを特徴とする構成1乃至4の何れかに記載の多層反射膜付き基板。
(構成7)
構成1乃至6の何れかに記載の多層反射膜付き基板の前記保護膜の上に、吸収体膜を備えることを特徴とする反射型マスクブランク。
(構成8)
構成7に記載の反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングした吸収体パターンを備えることを特徴とする反射型マスク。
(構成9)
構成8に記載の反射型マスクを用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
本発明によれば、保護膜に様々な機能を持たせることが可能な多層反射膜付き基板、反射型マスクブランク、反射型マスク、及び半導体装置の製造方法を提供することができる。
本実施形態の多層反射膜付き基板の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の反射型マスクブランクの一例を示す断面模式図である。 本実施形態の反射型マスクブランクの別の例を示す断面模式図である。 反射型マスクの製造方法の一例を示す模式図である。 パターン転写装置を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体的に説明するための形態であって、本発明をその範囲内に限定するものではない。
図1は、本実施形態の多層反射膜付き基板100の一例を示す断面模式図である。図1に示す多層反射膜付き基板100は、基板10と、基板10の上に形成された多層反射膜12と、多層反射膜12の上に形成された保護膜14とを含む。保護膜14は、基板10側から、ケイ素(Si)を含む第1のSi材料層16と、第1の層18と、第2の層20とをこの順で含む。第1の層18は、第1の希ガス元素を含み、第2の層20は、第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含む。基板10の裏面(多層反射膜12が形成された側と反対側の面)には、静電チャック用の裏面導電膜22が形成されてもよい。
なお、本明細書において、基板や膜の「上に」とは、その基板や膜の上面に接触する場合だけでなく、その基板や膜の上面に接触しない場合も含む。すなわち、基板や膜の「上に」とは、その基板や膜の上方に新たな膜が形成される場合や、その基板や膜との間に他の膜が介在している場合等を含む。また、「上に」とは、必ずしも鉛直方向における上側を意味するものではない。「上に」とは、基板や膜などの相対的な位置関係を示しているに過ぎない。
<基板>
基板10は、EUV光による露光時の熱による転写パターンの歪みを防止するため、0±5ppb/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましく用いられる。この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えば、SiO−TiO系ガラス、多成分系ガラスセラミックス等を用いることができる。
基板10の転写パターン(後述の吸収体パターン)が形成される側の主表面は、平坦度を高めるために加工されることが好ましい。基板10の主表面の平坦度を高めることによって、パターンの位置精度や転写精度を高めることができる。例えば、EUV露光の場合、基板10の転写パターンが形成される側の主表面の132mm×132mmの領域において、平坦度が0.1μm以下であることが好ましく、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。また、転写パターンが形成される側と反対側の主表面(裏面)は、露光装置に静電チャックによって固定される面であって、その142mm×142mmの領域において、平坦度が0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下、特に好ましくは0.03μm以下である。なお、本明細書において平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を表す値で、基板表面を基準として最小二乗法で定められる平面を焦平面とし、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある基板表面の最も低い位置との高低差の絶対値である。
EUV露光の場合、基板10の転写パターンが形成される側の主表面の表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(Rq)で0.1nm以下であることが好ましい。なお表面粗さは、原子間力顕微鏡で測定することができる。
基板10は、その上に形成される膜(多層反射膜12など)の膜応力による変形を防止するために、高い剛性を有しているものが好ましい。特に、65GPa以上の高いヤング率を有しているものが好ましい。
<多層反射膜>
多層反射膜12は、屈折率の異なる元素を主成分とする複数の層が周期的に積層された構成を有している。一般的に、多層反射膜12は、高屈折率材料である軽元素又はその化合物の薄膜(高屈折率層)と、低屈折率材料である重元素又はその化合物の薄膜(低屈折率層)とが交互に40〜60周期程度積層された多層膜からなる。
多層反射膜12を形成するために、基板10側から高屈折率層と低屈折率層をこの順に複数周期積層してもよい。この場合、1つの(高屈折率層/低屈折率層)の積層構造が、1周期となる。
なお、多層反射膜12の最上層、すなわち多層反射膜12の基板10と反対側の表面層は、高屈折率層であることが好ましい。基板10側から高屈折率層と低屈折率層をこの順に積層する場合は、最上層が低屈折率層となる。しかし、低屈折率層が多層反射膜12の表面である場合、低屈折率層が容易に酸化されることで多層反射膜の表面の反射率が減少してしまうので、その低屈折率層の上に高屈折率層を形成することが好ましい。一方、基板10側から低屈折率層と高屈折率層をこの順に積層する場合は、最上層が高屈折率層となる。その場合は、最上層の高屈折率層が、多層反射膜12の表面となる。
本実施形態において、高屈折率層は、Siを含む層であってもよい。高屈折率層は、Si単体を含んでもよく、Si化合物を含んでもよい。Si化合物は、Siと、B、C、N、O及びHからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含んでもよい。Siを含む層を高屈折率層として使用することによって、EUV光の反射率に優れた多層反射膜が得られる。
本実施形態において、低屈折率層は、Mo、Ru、Rh、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む層、あるいは、Mo、Ru、Rh、及びPtからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含む合金を含む層であってもよい。
例えば、波長13〜14nmのEUV光のための多層反射膜12としては、好ましくは、Mo膜とSi膜を交互に40〜60周期程度積層したMo/Si多層膜を用いることができる。その他に、EUV光の領域で使用される多層反射膜として、例えば、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などを用いることができる。露光波長を考慮して、多層反射膜の材料を選択することができる。
このような多層反射膜12の単独での反射率は、例えば65%以上である。多層反射膜12の反射率の上限は、例えば73%である。なお、多層反射膜12に含まれる層の厚み及び周期は、ブラッグの法則を満たすように選択することができる。
多層反射膜12は、公知の方法によって形成できる。多層反射膜12は、例えば、イオンビームスパッタ法により形成できる。
例えば、多層反射膜12がMo/Si多層膜である場合、イオンビームスパッタ法により、Moターゲットを用いて、厚さ3nm程度のMo膜を基板10の上に形成する。次に、Siターゲットを用いて、厚さ4nm程度のSi膜を形成する。このような操作を繰り返すことによって、Mo/Si膜が40〜60周期積層した多層反射膜12を形成することができる。このとき、多層反射膜12の基板10と反対側の表面層は、Siを含む層(Si膜)である。1周期のMo/Si膜の厚みは、7nmとなる。
<保護膜>
後述する反射型マスク200の製造工程におけるドライエッチング及び洗浄から多層反射膜12を保護するために、多層反射膜12の上に、又は多層反射膜12の表面に接するように保護膜14を形成することができる。また、保護膜14は、電子線(EB)を用いた転写パターンの黒欠陥修正の際に、多層反射膜12を保護する機能も有している。多層反射膜12の上に保護膜14が形成されることにより、反射型マスク200を製造する際の多層反射膜12の表面へのダメージを抑制することができる。その結果、多層反射膜12のEUV光に対する反射率特性が良好となる。
本実施形態の多層反射膜付き基板100において、保護膜14は、基板100側から、ケイ素(Si)を含む第1のSi材料層16と、第1の層18と、第2の層20とを含む。以下、これらの各層について詳しく説明する。
第1のSi材料層16は、ケイ素(Si)を含む材料からなる層である。第1のSi材料層16は、例えば、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiO、SiO、Si等のSi(x、yは1以上の整数))、窒化ケイ素(SiN、Si等のSi(x、yは1以上の整数))、及び酸化窒化ケイ素(SiON等のSi(x、y、zは1以上の整数))から選択される少なくとも1つの材料を含む。第1のSi材料層16は、多層反射膜12がMo/Si多層膜であって、基板10側からMo膜とSi膜とがこの順に積層された場合に多層反射膜12の最上層として設けられる高屈折率層であるSi膜であってもよい。
第1の層18は、第1の希ガス元素を含み、第2の層20は、第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含む。第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素は、それぞれ、1種の希ガス元素でもよく、2種以上の希ガス元素でもよい。第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素が「異なる」とは、第1の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素が、第2の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素と異なることを意味する。
第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素は、それぞれ、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)から選ばれる少なくとも1種の希ガス元素を含む。第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素は、好ましくは、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、及びキセノン(Xe)から選ばれる少なくとも1種の希ガス元素を含む。
本実施形態の多層反射膜付き基板100において、第2の希ガス元素は、第1の希ガス元素よりも原子量が小さい。ここでいう「小さい」とは、第2の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素の原子量が、第1の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素の原子量よりも小さいことを意味する。例えば、第1の希ガス元素がクリプトン(Kr)であり、第2の希ガス元素はアルゴン(Ar)である場合には、このような条件を満たす。
あるいは、第2の希ガス元素は、第1の希ガス元素よりも原子量が大きい。ここでいう「大きい」とは、第2の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素の原子量が、第1の希ガス元素に含まれる少なくとも1種の希ガス元素の原子量よりも大きいことを意味する。例えば、第1の希ガス元素はアルゴン(Ar)又はクリプトン(Kr)であり、第2の希ガス元素はキセノン(Xe)である場合には、このような条件を満たす。あるいは、第1の希ガス元素はアルゴン(Ar)及びクリプトン(Kr)であり、第2の希ガス元素はアルゴン(Ar)及びキセノン(Xe)である場合には、このような条件を満たす。
保護膜14(第1のSi材料層16、第1の層18及び第2の層20)は、公知の方法を用いて成膜することが可能である。保護膜14の成膜方法として、例えば、イオンビームスパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、反応性スパッタリング法、気相成長法(CVD)、及び真空蒸着法が挙げられる。第1の層18をイオンビームスパッタリング法によって成膜する場合、多層反射膜12及び第1のSi材料層16の成膜後に連続して成膜することができるため、好ましい。
多層反射膜12、第1のSi材料層16、第1の層18及び第2の層20は、同じ方法によって成膜してもよく、異なる方法によって成膜してもよい。例えば、多層反射膜12及び第1のSi材料層16をイオンビームスパッタリング法によって連続的に成膜した後、第1の層18及び第2の層20をマグネトロンスパッタリング法によって連続的に成膜してもよい。あるいは、多層反射膜12から第1の層18までをイオンビームスパッタリング法によって連続的に成膜した後、第2の層20をマグネトロンスパッタリング法によって成膜してもよい。
本実施形態の多層反射膜付き基板100において、第1の層18は、ルテニウム(Ru)を含む第1のRu材料層であることが好ましく、第2の層20は、ルテニウム(Ru)を含み、第1のRu材料層とは組成が異なる第2のRu材料層であることが好ましい。
第1のRu材料層は、ルテニウム(Ru)単体、又はルテニウム(Ru)と、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、ゲルマニウム(Ge)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ロジウム(Rh)、ハフニウム(Hf)及びタングステン(W)から選択される少なくとも1つとを含むことが好ましい。第1のRu材料層におけるRu含有量は、50原子%より大きく、80原子%以上がより好ましく、95原子%より大きいことがさらに好ましい。また、Ru含有量は、100原子%未満であることがより好ましい。
第2のRu材料層は、ルテニウム(Ru)単体、又はルテニウム(Ru)と、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)及びハフニウム(Hf)から選択される少なくとも1つとを含むことが好ましい。第2のRu材料層のRu含有量は、50原子%以上が好ましく、60原子%以上がより好ましく、95原子%以下が好ましく、80原子%以下がより好ましい。
あるいは、第1の層18は、ルテニウム(Ru)を含む第3のRu材料層であることが好ましく、第2の層20は、ケイ素(Si)と、酸素(O)及び窒素(N)から選択される少なくとも1つとを含む第2のSi材料層であることが好ましい。
第3のRu材料層は、ルテニウム(Ru)単体、又はルテニウム(Ru)と、アルミニウム(Al)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、ロジウム(Rh)及びハフニウム(Hf)から選択される少なくとも1つとを含むことが好ましい。第3のRu材料層のRu含有量は、50原子%以上が好ましく、60原子%以上がより好ましく、95原子%以下が好ましく、80原子%以下がより好ましい。
第2のSi材料層は、酸化ケイ素(SiO、SiO、Si等のSi(x、yは1以上の整数))、窒化ケイ素(SiN、Si等のSi(x、yは1以上の整数))、及び酸化窒化ケイ素(SiON等のSi(x、y、zは1以上の整数))から選ばれる少なくとも1つを含むことが好ましい。
保護膜14(第1の層18又は第2の層20)に含まれるRu材料層として、ルテニウム(Ru)にアルミニウム(Al)を添加した材料を使用した場合(例えばRuAl膜の場合)には、保護膜14の塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスに対するエッチング耐性、フッ素ガスに対するエッチング耐性及び硫酸過水(SPM)洗浄耐性が向上する。保護膜14中のAl濃度は、少なすぎると添加の効果が得られず、多すぎると保護膜14のEUV光に対する消衰係数が高くなり、反射型マスク200の反射率が低下する。また、Al濃度が多すぎるとフッ素ガスに対する耐性が下がる。そのため、保護膜14中のAl濃度は、5原子%以上40原子%以下であることが好ましく、10原子%以上25原子%以下であることがより好ましい。
保護膜14(第1の層18又は第2の層20)に含まれるRu材料層として、ルテニウム(Ru)にイットリウム(Y)を添加した材料を使用した場合(例えばRuY膜の場合)には、保護膜14の塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスに対するエッチング耐性及びフッ素系ガスに対するエッチング耐性が高くなる。保護膜14中のY濃度は、少なすぎると添加の効果が得られず、多すぎると保護膜14の硫酸過水(SPM)洗浄耐性が低下する。そのため、保護膜14中のY濃度は5原子%以上50原子%未満であることが好ましく、10原子%以上40原子%以下であることがより好ましい。
保護膜14(第1の層18又は第2の層20)に含まれるRu材料層として、ルテニウム(Ru)にジルコニウム(Zr)を添加した材料を使用した場合(例えばRuZr膜の場合)には、保護膜14の塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスに対するエッチング耐性が向上する。保護膜14中のZr濃度は、少なすぎると添加の効果が得られず、多すぎると保護膜14の硫酸過水(SPM)洗浄耐性が低下する。また、Zr濃度が多すぎると塩素系ガスに対する耐性が下がる。そのため、保護膜14中のZr濃度は、5原子%以上45原子%以下であることが好ましく、10原子%以上25原子%以下であることがより好ましい。
保護膜14(第1の層18又は第2の層20)に含まれるRu材料層として、ルテニウム(Ru)にロジウム(Rh)を添加した材料を使用した場合(例えばRuRh膜の場合)には、保護膜14の塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスに対するエッチング耐性、塩素系ガスに対するエッチング耐性、フッ素系ガスに対するエッチング耐性及び硫酸過水(SPM)洗浄耐性が向上する。保護膜14中のRh濃度は、少なすぎると添加の効果が得られず、多すぎると保護膜14のEUV光に対する消衰係数kが高くなるので、反射型マスク200の反射率が低下する。そのため、保護膜14中のRh濃度は、15原子%以上50原子%未満であることが好ましく、20原子%以上40原子%以下であることがより好ましい。
保護膜14(第1の層18又は第2の層20)に含まれるRu材料層として、ルテニウム(Ru)にハフニウム(Hf)を添加した材料を使用した場合(例えばRuHf膜の場合)には、保護膜14の塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスに対するエッチング耐性及び硫酸過水(SPM)洗浄耐性が向上する。保護膜14中のHf濃度は、少なすぎると添加の効果が得られず、多すぎると保護膜14のEUV光に対する消衰係数kが高くなるので、反射型マスク200の反射率が低下する。そのため、保護膜14中のHf濃度は、5原子%以上30原子%以下であることが好ましく、10原子%以上25原子%以下であることがより好ましい。
第1の層18及び第2の層20の合計の膜厚は、保護膜14としての機能を果たすことができる限り特に制限されない。EUV光の反射率の観点から、第1の層18及び第2の層20の合計の膜厚は、1.0nmから8.0nmであることが好ましく、1.5nmから6.0nmであることがより好ましい。また、第1の層18の膜厚は、0.5nmから2.0nmであることが好ましく、1.0nmから1.5nmであることがより好ましい。また、第2の層20の膜厚は、1.0nmから7.0nmであることが好ましく、1.5nmから4.0nmであることがより好ましい。
図2は、本実施形態の反射型マスクブランク110の一例を示す断面模式図である。図2に示す反射型マスクブランク110は、上述の多層反射膜付き基板100の保護膜14の上に、EUV光を吸収するための吸収体膜24を有する。なお、反射型マスクブランク110は、吸収体膜24の上に、レジスト膜26などの他の薄膜をさらに有することができる。
図3は、本実施形態の反射型マスクブランク110の別の例を示す断面模式図である。図3に示すように、反射型マスクブランク110は、吸収体膜24とレジスト膜26の間に、エッチングマスク膜28を有してもよい。
<吸収体膜>
本実施形態の反射型マスクブランク110の吸収体膜24は、保護膜14の上に形成される。吸収体膜24の基本的な機能は、EUV光を吸収することである。吸収体膜24は、EUV光の吸収を目的とした吸収体膜24であってもよいし、EUV光の位相差も考慮した位相シフト機能を有する吸収体膜24であっても良い。位相シフト機能を有する吸収体膜24とは、EUV光を吸収するとともに一部を反射させて位相をシフトさせるものである。すなわち、位相シフト機能を有する吸収体膜24がパターニングされた反射型マスク200において、吸収体膜24が形成されている部分では、EUV光を吸収して減光しつつパターン転写に悪影響がないレベルで一部の光を反射させる。また、吸収体膜24が形成されていない領域(フィールド部)では、EUV光は、保護膜14を介して多層反射膜12で反射される。そのため、位相シフト機能を有する吸収体膜24からの反射光と、フィールド部からの反射光との間に所望の位相差が生ずる。位相シフト機能を有する吸収体膜24は、吸収体膜24からの反射光と、多層反射膜12からの反射光との位相差が170度から190度となるように形成されることが好ましい。180度近傍の反転した位相差の光同士がパターンエッジ部で干渉し合うことにより、投影光学像の像コントラストが向上する。その像コントラストの向上に伴って解像度が上がり、露光量裕度、及び焦点裕度等の露光に関する各種裕度を大きくすることができる。
吸収体膜24は単層の膜であってもよいし、複数の膜(例えば、下層吸収体膜及び上層吸収体膜)からなる多層膜であっても良い。単層膜の場合は、マスクブランク製造時の工程数を削減できて生産効率が向上する。多層膜の場合には、上層吸収体膜が、光を用いたマスクパターン欠陥検査時の反射防止膜になるように、その光学定数と膜厚を適当に設定することができる。このことにより、光を用いたマスクパターン欠陥検査時の検査感度が向上する。また、上層吸収体膜に酸化耐性が向上する酸素(O)及び窒素(N)等が添加された膜を用いると、経時安定性が向上する。このように、吸収体膜24を多層膜にすることによって、吸収体膜24に様々な機能を付加することが可能となる。吸収体膜24が位相シフト機能を有する場合には、多層膜にすることによって光学面での調整の範囲を大きくすることができるので、所望の反射率を得ることが容易になる。
吸収体膜24の材料としては、EUV光を吸収する機能を有し、エッチング等により加工が可能(好ましくは塩素(Cl)系ガス及び/又はフッ素(F)系ガスのドライエッチングでエッチング可能)であり、保護膜14(第2の層20)に対してエッチング選択比が高い材料である限り、特に限定されない。そのような機能を有するものとして、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)、タングステン(W)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、ハフニウム(Hf)、鉄(Fe)、銅(Cu)、テルル(Te)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、及びケイ素(Si)から選ばれる少なくとも1つの金属、又はこれらの化合物を好ましく用いることができる。
吸収体膜24は、DCスパッタリング法及びRFスパッタリング法などのマグネトロンスパッタリング法で形成することができる。例えば、タンタル化合物等の吸収体膜24は、タンタル及びホウ素を含むターゲットを用い、酸素又は窒素を添加したアルゴンガスを用いた反応性スパッタリング法により成膜することができる。
吸収体膜24を形成するためのタンタル化合物は、Taと上述の金属との合金を含む。吸収体膜24がTaの合金の場合、平滑性及び平坦性の点から、吸収体膜24の結晶状態は、アモルファス状又は微結晶の構造であることが好ましい。吸収体膜24の表面が平滑あるいは平坦でない場合、吸収体パターン24aエッジラフネスが大きくなり、パターンの寸法精度が悪くなることがある。吸収体膜24の好ましい表面粗さは、二乗平均平方根粗さ(Rms)で、0.5nm以下であり、より好ましくは0.4nm以下、さらに好ましくは0.3nm以下である。
吸収体膜24を形成するためのタンタル化合物の例として、TaとBとを含む化合物、TaとNとを含む化合物、TaとOとNとを含む化合物、TaとBとを含み、さらにOとNの少なくともいずれかを含む化合物、TaとSiとを含む化合物、TaとSiとNとを含む化合物、TaとGeとを含む化合物、及びTaとGeとNとを含む化合物、等を挙げることができる。
Taは、EUV光の吸収係数が大きく、また、塩素系ガス又はフッ素系ガスで容易にドライエッチングすることが可能な材料である。そのため、Taは、加工性に優れた吸収体膜24の材料であるといえる。さらにTaにB、Si及び/又はGe等を加えることにより、アモルファス状の材料を容易に得ることができる。この結果、吸収体膜24の平滑性を向上させることができる。また、TaにN及び/又はOを加えれば、吸収体膜24の酸化に対する耐性が向上するため、経時的な安定性を向上させることができる。
<裏面導電膜>
基板100の第2主表面(多層反射膜12が形成された側と反対側の主表面)の上には、静電チャック用の裏面導電膜22が形成される。静電チャック用として、裏面導電膜22に求められるシート抵抗は、通常100Ω/□(Ω/square)以下である。裏面導電膜22は、例えば、クロム又はタンタル等の金属、又はそれらの合金のターゲットを使用したマグネトロンスパッタリング法又はイオンビームスパッタリング法によって形成することができる。裏面導電膜22の材料は、クロム(Cr)又はタンタル(Ta)を含む材料であることが好ましい。例えば、裏面導電膜22の材料は、Crに、ホウ素、窒素、酸素、及び炭素から選択される少なくとも一つを含有したCr化合物であることが好ましい。Cr化合物としては、例えば、CrN、CrON、CrCN、CrCON、CrBN、CrBON、CrBCN及びCrBOCNなどを挙げることができる。また、裏面導電膜22の材料は、Ta(タンタル)、Taを含有する合金、又はこれらのいずれかにホウ素、窒素、酸素、及び炭素の少なくとも一つを含有したTa化合物であることが好ましい。Ta化合物としては、例えば、TaB、TaN、TaO、TaON、TaCON、TaBN、TaBO、TaBON、TaBCON、TaHf、TaHO、TaHN、TaHON、TaHON、TaHCON、TaSi、TaSiO、TaSiN、TaSiONCON、TaSi、TaSiO、TaSiN、TaSiON、及びTaSiCONなどを挙げることができる。
裏面導電膜22の膜厚は、静電チャック用の膜として機能する限り特に限定されないが、通常10nmから200nmである。また、裏面導電膜22は、反射型マスクブランク110の第2主表面側の応力を調整する機能を有することが好ましい。すなわち、裏面導電膜22は、第1主表面に薄膜が形成されることによって生じる応力と、第2主表面の応力とのバランスをとることによって、反射型マスクブランク110が平坦となるように調整する機能を有することが好ましい。
<エッチングマスク膜>
吸収体膜24の上には、エッチングマスク膜28を形成してもよい。エッチングマスク膜28の材料としては、エッチングマスク膜28に対する吸収体膜24のエッチング選択比が高い材料を用いることが好ましい。エッチングマスク膜28対する吸収体膜24のエッチング選択比は、1.5以上が好ましく、3以上が更に好ましい。
本実施形態の反射型マスクブランク110は、吸収体膜24の上に、クロム(Cr)を含むエッチングマスク膜28を含むことが好ましい。吸収体膜24をフッ素系ガスでエッチングする場合には、エッチングマスク膜28の材料として、クロム又はクロム化合物を使用することが好ましい。クロム化合物の例としては、Crと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。エッチングマスク膜28は、CrN、CrO、CrC、CrON、CrOC、CrCN又はCrOCNを含むことがより好ましく、クロム及び酸素を含むCrO系膜(CrO膜、CrON膜、CrOC膜又はCrOCN膜)であることが更に好ましい。
保護膜14を上述の構成とすることにより、クロム(Cr)を含むエッチングマスク膜28を塩素系ガス及び酸素ガスの混合ガスを用いたドライエッチングによって除去する際の、保護膜14へのダメージを抑制することができる。
吸収体膜24を実質的に酸素を含まない塩素系ガスでエッチングする場合には、エッチングマスク膜28の材料として、ケイ素又はケイ素化合物を使用することが好ましい。ケイ素化合物の例として、Siと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料、並びにケイ素及びケイ素化合物に金属を含む金属ケイ素(金属シリサイド)、及び金属ケイ素化合物(金属シリサイド化合物)などが挙げられる。金属ケイ素化合物の例としては、金属と、Siと、N、O、C及びHから選ばれる少なくとも一つの元素とを含む材料が挙げられる。
保護膜14を上述の構成とすることにより、ケイ素を含むエッチングマスク膜28をフッ素系ガスを用いたドライエッチングによって除去する際の、保護膜14へのダメージを抑制することができる。
エッチングマスク膜28の膜厚は、パターンを精度よく吸収体膜24に形成するために、3nm以上であることが好ましい。また、エッチングマスク膜28の膜厚は、レジスト膜26の膜厚を薄くするために、15nm以下であることが好ましい。
<反射型マスク>
本実施形態の反射型マスクブランク110を使用して、本実施形態の反射型マスク200を製造することができる。以下、反射型マスクの製造方法の例について説明する。
図4は、反射型マスク200の製造方法の一例を示す模式図である。
図4に示すように、まず、基板10と、基板10の上に形成された多層反射膜12と、多層反射膜12の上に形成された保護膜14(第1のSi材料層16、第1の層18、及び第2の層20)と、保護膜14の上に形成された吸収体膜24とを有する反射型マスクブランク110を準備する(図4(a))。つぎに、吸収体膜24の上に、レジスト膜26を形成する(図4(b))。レジスト膜26に、電子線描画装置によってパターンを描画し、さらに現像・リンス工程を経ることによって、レジストパターン26aを形成する(図4(c))。
レジストパターン26aをマスクとして、吸収体膜24をドライエッチングする。これにより、吸収体膜24のレジストパターン26aによって被覆されていない部分がエッチングされ、吸収体パターン24aが形成される(図4(d))。
吸収体膜24のエッチングガスとしては、例えば、フッ素系ガス及び/又は塩素系ガスを用いることができる。フッ素系ガスとしては、CF、CHF、C2F、C、C、C、CH、CHF、C、SF、及びF等を用いることができる。塩素系ガスとしては、Cl、SiCl、CHCl、CCl、及びBCl等を用いることができる。また、フッ素系ガス及び/又は塩素系ガスと、Oとを所定の割合で含む混合ガスを用いることができる。これらのエッチングガスは、必要に応じて、更に、He及び/又はArなどの不活性ガスを含むことができる。
吸収体パターン24aが形成された後、レジスト剥離液によりレジストパターン26aを除去する。レジストパターン26aを除去した後、酸性やアルカリ性の水溶液を用いたウェット洗浄工程を経ることによって、本実施形態の反射型マスク200が得られる(図4(e))。
なお、吸収体膜24の上にエッチングマスク膜28が形成された反射型マスクブランク110を用いた場合には、レジストパターン26aをマスクとして用いてエッチングマスク膜28にパターン(エッチングマスクパターン)を形成した後、エッチングマスクパターンをマスクとして用いて吸収体膜24にパターンを形成する工程が追加される。
このようにして得られた反射型マスク200は、基板10の上に、多層反射膜12、保護膜14、及び吸収体パターン24aが積層された構成を有している。
多層反射膜12(保護膜14を含む)が露出している領域30は、EUV光を反射する機能を有している。多層反射膜12(保護膜14を含む)が吸収体パターン24aによって覆われている領域32は、EUV光を吸収する機能を有している。本実施形態の反射型マスク200によれば、反射率が例えば2.5%以下になるような吸収体パターン24aの厚みを従来よりも薄くすることができるため、より微細なパターンを被転写体に転写することができる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の反射型マスク200を使用したリソグラフィーにより、半導体基板上に転写パターンを形成することができる。この転写パターンは、反射型マスク200のパターンが転写された形状を有している。半導体基板上に反射型マスク200によって転写パターンを形成することによって、半導体装置を製造することができる。
図5を用いて、レジスト付き半導体基板56にEUV光によってパターンを転写する方法について説明する。
図5は、パターン転写装置50を示している。パターン転写装置50は、レーザープラズマX線源52、反射型マスク200、及び、縮小光学系54等を備えている。縮小光学系54としては、X線反射ミラーが用いられている。
反射型マスク200で反射されたパターンは、縮小光学系54により、通常1/4程度に縮小される。例えば、露光波長として13〜14nmの波長帯を使用し、光路が真空中になるように予め設定する。このような条件で、レーザープラズマX線源52で発生したEUV光を、反射型マスク200に入射させる。反射型マスク200によって反射された光を、縮小光学系54を介して、レジスト付き半導体基板56上に転写する。
反射型マスク200によって反射された光は、縮小光学系54に入射する。縮小光学系54に入射した光は、レジスト付き半導体基板56上のレジスト層に転写パターンを形成する。露光されたレジスト層を現像することによって、レジスト付き半導体基板56上にレジストパターンを形成することができる。レジストパターンをマスクとして半導体基板56をエッチングすることにより、半導体基板上に例えば所定の配線パターンを形成することができる。このような工程及びその他の必要な工程を経ることで、半導体装置が製造される。
上述したように、保護膜14は、基板10側から順に、第1のSi材料層16、第1の層18及び第2の層20を含む。第1の層18は、第1の希ガス元素を含む。第2の層20は、第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含む。
(1)第2の希ガス元素は、第1の希ガス元素よりも原子量が小さい。以下、このような条件を満たす保護膜14の構成を、「第1の構成」と呼ぶ。
(2)あるいは、第2の希ガス元素は、第1の希ガス元素よりも原子量が大きい。以下、このような条件を満たす保護膜14の構成を、「第2の構成」と呼ぶ。
<第1の構成について>
以下、保護膜14が第1の構成の場合における、本実施形態の多層反射膜付き基板100、反射型マスクブランク110、及び反射型マスク200の効果について説明する。
上述したように、吸収体パターン24aを形成する際には、レジストパターン26aあるいはエッチングマスクパターンを介して吸収体膜24をエッチングによって加工する。吸収体パターン24aを設計通りの形状に加工するためには、吸収体膜24に対して若干のオーバーエッチングを行う必要がある。オーバーエッチングの際には、吸収体膜24の下の多層反射膜12も、エッチングによるダメージを受ける。多層反射膜12がエッチングによってダメージを受けることを防止するために、保護膜14が設けられる。したがって、保護膜14は、吸収体膜24のエッチングガスに対して高い耐性を有することが求められる。
また、保護膜14は、電子線(EB)を用いた転写パターンの黒欠陥修正の際に、多層反射膜12を保護する機能も有している。したがって、保護膜14は、電子線(EB)を用いた欠陥修正に対して高い耐性を有することも求められる。さらに、保護膜14は、これらの要求を満たしつつ、EUV光に対する高い反射率を維持することが求められる。
また、EUVリソグラフィーでは、EUV露光によって反射型マスクにカーボン膜が堆積するといった露光コンタミネーションが生じることが知られている。これを抑制するために、近年、露光中の雰囲気に水素ガスを導入する技術が取り入れられている。本発明者らは、露光中の雰囲気に水素ガスを導入した場合に、吸収体膜が保護膜の表面から浮き上がって剥がれる現象が発生することを発見した。さらに、保護膜に含まれるSi材料層とその上の層との間でも、膜剥がれの現象が発生することを発見した(以下、このような膜剥がれの現象を、「ブリスター」と呼ぶ。)。特に、吸収体膜がTaを含む材料である場合には、Taは水素を吸着しやすいため、このような現象が顕著に発生することを発見した。したがって、保護膜14には、ブリスターの問題を解決することも求められる。
そこで、本発明者らは、保護膜14に含まれる第1の層18及び第2の層20のそれぞれに機能を持たせることで、これらの問題を同時に解決できることを見出した。すなわち、上層である第2の層20に対しては、主に吸収体膜24のエッチングガスに対する耐性を持たせる。下層である第1の層18に対しては、主にブリスターに対する耐性を持たせる。これにより、これらの問題を同時に解決できることを見出した。
第1の層18にブリスターに対する耐性を持たせるためには、第1の層18の材料として、第1のSi材料層16との密着性が高い材料を用いることが好ましい。このような材料の例として、Ruを含む材料(例えばRuTi)が挙げられる。したがって、第1の層18は、上述の第1のRu材料層であることが好ましい。
第2の層20に吸収体膜24のエッチングガスに対する耐性を持たせるためには、第2の層20の材料として、Ruを含み、第1のRu材料層とは組成が異なる材料を用いることが好ましい。したがって、第2の層20は、上述の第2のRu材料層であることが好ましい。
第1の層18が上述の第1のRu材料層であり、第2の層20が上述の第2のRu材料層である場合には、第1のSi材料層16と第1の層18との間のブリスターの発生を抑制することができる。しかし、第1の層18と第2の層20との間では、ブリスターが発生する可能性がある。そこで、第2の層20に、第1の層18に含まれる第1の希ガス元素よりも原子量の小さい第2の希ガス元素を加える。これにより、第1の層18と第2の層20の間に、異なる希ガス元素が相互に拡散した拡散層が形成されるため、第1の層18と第2の層20の間の密着性が向上する。その結果、第1の層18と第2の層20との間でのブリスターの発生を抑制することができる。
一方、多層反射膜12から第1の層18までは、イオンビームスパッタリング法によって連続的に成膜することが好ましい。多層反射膜12の反射率を向上させるためには、多層反射膜12から第1の層18までは、原子量が大きい希ガス元素が含まれることが好ましい。したがって、第2の層20に含まれる第2の希ガス元素は、第1の層18に含まれる第1の希ガス元素よりも原子量が小さいことが好ましい。
したがって、保護膜14を第1の構成とすることにより、ブリスターの発生を抑制することが可能であるとともに、吸収体膜24のエッチングガスに対して高い耐性を有する保護膜14を備えた多層反射膜付き基板100、反射型マスクブランク110、及び反射型マスク200を得ることが可能である。
<第2の構成について>
以下、保護膜14が第2の構成の場合における、本実施形態の多層反射膜付き基板100、反射型マスクブランク110、及び反射型マスク200の効果について説明する。
第2の層20の材料として、酸素ガスを含有するエッチングガスに対して耐性を有するSiO系又はSiN系材料を選択した場合、第1の層18の材料として、第1のSi材料層16との間の密着性が低い材料を選択せざるを得ない場合がある。このような材料としては、上述の第3のRu材料層が挙げられる。その場合、第1のSi材料層16と第1の層18との間にブリスターが発生しやすくなる。そこで、第1の層18に原子量の小さい希ガス元素を加えることにより、第1のSi材料層16と第1の層18との間に拡散層を形成する。これにより、第1のSi材料層16と第1の層18との密着性が向上するため、これらの層の間にブリスターが発生することを抑制することができる。
また、第2の層20の材料としてSiO系又はSiN系材料を選択した場合には、吸収体膜の材料によっては、第2の層20をパターニングすることがある。このような材料としては、上述の第2のSi材料層が挙げられる。この場合、第1の層18と第2の層20との間には、拡散層が形成されないことが好ましい。そこで、第2の層20には、原子量の大きい希ガス元素を加えることが好ましい。
したがって、保護膜14を第2の構成とすることにより、ブリスターの発生を抑制することが可能であるとともに、吸収体膜24のエッチングガスに対して高い耐性を有する保護膜14を備えた多層反射膜付き基板100、反射型マスクブランク110、及び反射型マスク200を得ることが可能である。
以下、実施例1、2及び比較例1について図面を参照しつつ説明する。
(多層反射膜付き基板100)
実施例1、2の多層反射膜付き基板100は、図1に示すように、基板10と、多層反射膜12と、保護膜14(第1のSi材料層16、第1の層18、及び第2の層20)を有する。比較例1の多層反射膜付き基板100は、保護膜14が第1の層18を有していない以外は、実施例1、2と同様である。
まず、第1主表面及び第2主表面が研磨された6025サイズ(約152mm×152mm×6.35mm)の基板10を準備した。この基板10は、低熱膨張ガラス(SiO−TiO系ガラス)からなる基板である。基板10の主表面は、粗研磨加工工程、精密研磨加工工程、局所加工工程、及びタッチ研磨加工工程によって研磨した。
次に、基板10の主表面(第1主表面)上に、多層反射膜12を形成した。基板10上に形成される多層反射膜12は、波長13.5nmのEUV光に適した多層反射膜12とするために、MoとSiからなる周期多層反射膜12とした。多層反射膜12は、MoターゲットとSiターゲットを使用し、プロセスガスとしてクリプトン(Kr)を用いたイオンビームスパッタリング法により、基板10上にMo膜及びSi膜を交互に積層して形成した。先ず、Si膜を4.2nmの厚みで成膜し、続いて、Mo膜を2.8nmの厚みで成膜した。これを1周期とし、同様にして40周期積層し、多層反射膜12を形成した。
次に、多層反射膜12の上に、第1のSi材料層16及び第1の層18を形成した。多層反射膜12、第1のSi材料層16及び第1の層18は、イオンビームスパッタリング法によって連続的に成膜した。第1のSi材料層16は、Siターゲットを使用し、プロセスガスとしてクリプトン(Kr)を用いて、Si膜を4.0nmの厚みで成膜した。第1の層18は、表1に示す組成のターゲットを使用し、プロセスガスとしてクリプトン(Kr)を用いて、表1に示す膜厚で成膜した。なお、比較例1では、第1の層18を形成しなかった。
次に、第1の層18の上に、第2の層20を形成した。第2の層20は、表1に示す組成のターゲットを使用し、マグネトロンスパッタリング法によって表1に示す膜厚で成膜した。第2の層20に含まれる希ガス元素の種類は、成膜時に雰囲気中に導入される希ガス元素の種類によって調整した。なお、比較例1では、第1のSi材料層16の上に、第2の層20を形成した。
以下の表1に、実施例及び比較例における、第1の層18及び第2の層20の組成、それぞれの層に含まれる希ガス元素の種類及び膜厚を示す。実施例及び比較例に希ガス元素が含まれていることは、ダイナミックSIMS(四重極型二次イオン質量分析装置:PHI ADEPT-1010TM、アルバック・ファイ株式会社製)によって確認した。
(反射型マスクブランク110)
上述の多層反射膜付き基板100を用いて、吸収体膜24を含む反射型マスクブランク110を製造した。以下、反射型マスクブランク110の製造方法について、説明する。
DCマグネトロンスパッタリング法により、多層反射膜付き基板100の保護膜14の上に、吸収体膜24を形成した。吸収体膜24は、吸収層であるTaN膜及び低反射層であるTaO膜の二層からなる積層膜の吸収体膜24とした。上述した多層反射膜付き基板100の保護膜14の表面に、DCマグネトロンスパッタリング法により、吸収層としてTaN膜を成膜した。このTaN膜は、Taターゲットに多層反射膜付き基板100を対向させ、Arガス及びNガスの混合ガス雰囲気中で、反応性スパッタリング法により成膜した。次に、TaN膜の上に、TaO膜(低反射層)を、DCマグネトロンスパッタリング法によって形成した。このTaO膜は、TaN膜と同様に、Taターゲットに多層反射膜付き基板100を対向させ、Ar及びOの混合ガス雰囲気中で、反応性スパッタリング法により成膜した。
TaN膜の組成(原子比率)は、Ta:N=70:30であり、膜厚は48nmであった。また、TaO膜の組成(原子比率)はTa:O=35:65であり、膜厚は11nmであった。
次に、基板1の第2主表面(裏側主表面)に、CrNからなる裏面導電膜22をマグネトロンスパッタリング法(反応性スパッタリング法)により下記の条件にて形成した。
裏面導電膜22の形成条件:Crターゲット、ArとNの混合ガス雰囲気(Ar:90原子%、N:10原子%)、膜厚20nm。
以上のようにして、実施例1、2及び比較例1の反射型マスクブランク110を製造した。
(反射型マスク200)
次に、上述の反射型マスクブランク110を用いて、反射型マスク200を製造した。図4を参照して反射型マスク200の製造について説明する。
まず、図4(b)に示されるように、反射型マスクブランク110の吸収体膜24の上に、レジスト膜26を形成した。そして、このレジスト膜26に回路パターン等の所望のパターンを描画(露光)し、さらに現像、リンスすることによって所定のレジストパターン26aを形成した(図4(c))。次に、レジストパターン26aをマスクとして、吸収体膜24のTaO膜(低反射層)を、CFガスを用いてドライエッチングし、引き続き、TaN膜を、Clガスを用いてドライエッチングすることで、吸収体パターン24aを形成した(図4(d))。
その後、レジストパターン26aを酸素アッシングで剥離した。最後に純水(DIW)を用いたウェット洗浄を行って、実施例1、2、及び比較例1の反射型マスク200を製造した。
(実施例及び比較例の反射型マスク200の評価)
上述の実施例及び比較例の反射型マスク200について、吸収体膜24をエッチングする前後での反射率の変化を評価した。また、EUV露光装置内に反射型マスク200をセットし、水素を含む雰囲気中で半導体基板上にパターンを転写した際のブリスター発生の有無を評価した。
具体的には、多層反射膜付き基板100の保護膜14の表面に吸収体膜24を形成する前に、波長13.5nmのEUV光に対する保護膜14の表面の反射率(エッチング前の反射率)を測定した。また、吸収体膜24をエッチングすることにより吸収体パターン24aを形成した後、吸収体パターン24aによって被覆されていない保護膜14の表面の反射率(エッチング後の反射率)を同様に測定した。以下の表1に、保護膜14の表面のエッチング前後の反射率の変化(エッチング前の反射率とエッチング後の反射率との差分の絶対値)を示す。
また、ブリスター発生の有無については、反射型マスク200を露光装置から取り出した後、反射型マスク200の断面を電子顕微鏡で観察することで確認した。任意の10箇所の断面を観察し、ブリスターの発生が1つでも確認された場合には、ブリスターの発生が「有り」であると判定した。
Figure 2021148928
表1に示す結果から分かる通り、実施例1、2の反射型マスク200は、吸収体膜24のエッチング前後での反射率の変化が小さかった。また、反射型マスク200を露光装置内にセットして水素を含む雰囲気中で半導体基板上にパターンの転写を行った後であっても、保護膜14と吸収体パターン24aとの間、あるいは、第1のSi材料層16と第1の層18との間にブリスターの発生は確認されなかった。
比較例1の反射型マスク200は、吸収体膜24のエッチング前後での反射率の変化が小さかった。しかし、保護膜14と吸収体パターン24aとの間、あるいは、第1のSi材料層16と第2の層20との間にブリスターの発生が確認された。
10 基板
12 多層反射膜
14 保護膜
16 第1のSi材料層
18 第1の層
20 第2の層
22 裏面導電膜
24 吸収体膜
26 レジスト膜
100 多層反射膜付き基板
110 反射型マスクブランク
200 反射型マスク

Claims (9)

  1. 基板と、該基板の上に設けられた多層反射膜と、該多層反射膜の上に設けられた保護膜とを有する多層反射膜付き基板であって、
    前記保護膜は、前記基板側から、ケイ素(Si)を含む第1のSi材料層と、第1の層と、第2の層とを含み、
    前記第1の層は、第1の希ガス元素を含み、
    前記第2の層は、前記第1の希ガス元素とは異なる第2の希ガス元素を含むことを特徴とする多層反射膜付き基板。
  2. 前記第1の希ガス元素及び第2の希ガス元素は、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)及びキセノン(Xe)から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の多層反射膜付き基板。
  3. 前記第2の希ガス元素は、前記第1の希ガス元素よりも原子量が小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層反射膜付き基板。
  4. 前記第2の希ガス元素は、前記第1の希ガス元素よりも原子量が大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の多層反射膜付き基板。
  5. 前記第1の層は、ルテニウム(Ru)を含む第1のRu材料層であり、
    前記第2の層は、ルテニウム(Ru)を含み、前記第1のRu材料層とは組成が異なる第2のRu材料層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の多層反射膜付き基板。
  6. 前記第1の層は、ルテニウム(Ru)を含む第3のRu材料層であり、
    前記第2の層は、ケイ素(Si)と、酸素(O)及び窒素(N)から選択される少なくとも1つとを含む第2のSi材料層であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の多層反射膜付き基板。
  7. 請求項1乃至6の何れか1項に記載の多層反射膜付き基板の前記保護膜の上に、吸収体膜を備えることを特徴とする反射型マスクブランク。
  8. 請求項7に記載の反射型マスクブランクの前記吸収体膜をパターニングした吸収体パターンを備えることを特徴とする反射型マスク。
  9. 請求項8に記載の反射型マスクを用いて、露光装置を使用したリソグラフィプロセスを行い、被転写体に転写パターンを形成する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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