JP2021147904A - 繊維組成物の吹付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法において、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こり難いことを開始時や施工中に推定できる技術、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こることを抑制し、施工性を向上できる技術を提供する。【解決手段】繊維類を繊維圧送経路内に所定量供給し、繊維圧送経路内に送風機を用いて空気を所定量供給することで繊維類を空気圧送した後に繊維吐出口より吐出し、当該繊維吐出口の外周又は内部、或いは繊維吐出口から1m以内の繊維圧送経路内の何れかに設けた1個又は複数個の液状添加材用の噴射口から液状添加材を噴射することで、前記繊維類と液状添加材とを合流混合した合流混合物を被覆対象物に吹付ける繊維組成物の吹付け方法であって、前記合流混合物の吹付けを開始するとき、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認する。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維組成物の吹付け方法に関する。
耐火性、防火性、吸音性および/または断熱性などを付与する目的で、構造物表面にロックウールからなる繊維層を設けることが広く行われている。繊維層の形成には、粒状繊維(直径数mm〜数cmの繊維塊)および水を主成分とする凝集材を用いた吹付工法が用いられることも多い。ロックウール吹付工法としては、湿式工法、乾式工法、半乾式工法が知られている。
湿式工法は、主材(ロックウール粒状繊維やセメント)に副材(界面活性剤や増粘剤)を配合してなる吹付施工用被覆材を用い、これに水を加えミキサで練混ぜた混練物を圧縮空気によりノズルから吹付ける方法である。
乾式工法は、予め、ロックウール粒状繊維とセメントとを乾式混合した乾燥混合物(乾式混合物、以下「ロックウール・セメント混綿」又は「混綿」と言うこともある。)を、ロックウール吹付機(岩綿吹付機)や解綿機等と呼ばれている解綿装置に投入され、内蔵されている回転式カッタや回転棒等の解綿部により解され、当該解綿装置に内蔵されているロータリフィーダ等により定量的に圧送経路内に送り出され、ブロワ(送風機)によりホース内を圧送され、吹付ノズルから吐出し、これと同時に吹付ノズルの周縁に配置した複数個の噴水口又は/及び吹付ノズルの中心軸付近に配置されている1個の噴水口より圧力水を噴射し、両者を合流・混合し吹付ける工法である。
半乾式工法は、予め、ロックウール粒状繊維とセメントとを混合しない工法である。半乾式工法において、ロックウール粒状繊維は、乾式工法における混綿同様に解綿装置に投入され、内蔵されている回転式カッタや回転棒等の解綿部により細粒化され(細かく粒状(直径数mm〜数cm程度の繊維塊)にされ)、当該解綿装置に内蔵されているロータリフィーダ等により定量的に圧送経路内に送り出され、ブロワ(送風機)によりホース内を圧送され、吹付ノズルに供給される。セメントはミキサで水と混合されてセメントスラリーとされた後、スラリーポンプにより搬送パイプ(セメントスラリー圧送用ホース)を通って粒状繊維吹付ノズルに配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルに供給される。そのセメントスラリーは、粒状繊維吹付ノズルの周縁に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射されるか、或いは粒状繊維吹付ノズルの中心軸付近に配置されている液状材用(セメントスラリー用)噴霧ノズルから噴射され、ロックウールと合流・混合し、ロックウールとセメント水和物からなる繊維層が形成される。半乾式工法によれば、浮遊粉塵が少なく、乾式工法に近い嵩密度の被覆層が形成できる。このようなことから、半乾式工法がロックウール吹付工法の主流となっている(例えば特許文献1(第2頁、第3図)、特許文献2(第4図)及び非特許文献1参照。)。
乾式工法や半乾式工法は、湿式工法に比べて圧送できる距離が長いため、広い施工現場や施工する階が複数ある施工現場でも、ミキサ等の練混ぜに用いる機材や材料を吹付施工する付近に何度も移動させる必要が無く手間が掛からない。また、乾式工法および半乾式工法は、湿式工法に比べて、ロックウール吹付け工法により形成される被覆層(吹付けロックウール層)の嵩密度を小さくできる。これにより、乾式工法や半乾式工法は、湿式工法に比べて一般的に行なわれている。
特開2002−348978号公報 特開平07−166618号公報
″耐火被覆工事″ [online]、株式会社ファーストビルト、[2020年 1月 20日検索]、インターネット〈 URL:http://www.firstb.co.jp/fireproofing_01.html〉
しかしながら、乾式工法および半乾式工法においては、施工条件によってはロックウール粒状繊維又は混綿(以下、適宜「ロックウール類」または「繊維類」という)を圧送するときに脈動が起こり、ロックウール類の繊維圧送経路内への供給を止めても繊維圧送経路内に滞留しているロックウール類の微粒分が繊維吐出口から噴出続け、又はロックウール類が繊維圧送経路内で詰まることがあった。
脈動が起きると、形成される繊維組成物の品質が不安定となる。ロックウール類の微粒分が排出されると、粉塵が周囲に舞い作業環境が悪化する。繊維圧送経路内が詰まれば、ただちに施工中断となる。これらは予期せず発生するため、施工中の施工者にとって、心理的負担が大きい。
本願発明は上記課題を解決するものであり、乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法において、繊維圧送経路内での脈動が起こり難いこと、ロックウール類等の繊維類の繊維圧送経路内への供給を止めても繊維圧送経路内に滞留している繊維類の微粒分が繊維吐出口から噴出続けることが起こり難いこと、繊維類が繊維圧送経路内で詰まることが起こり難いことを、開始時または施工中に推定できる技術を提供することを目的とする。
本願発明は上記課題を解決するものであり、乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法において、繊維圧送経路内での脈動が起こることを抑制し、ロックウール類等の繊維類の繊維圧送経路内への供給を止めても繊維圧送経路内に滞留している繊維類の微粒分が繊維吐出口から噴出続けることが起こることを抑制し、繊維類が繊維圧送経路内で詰まることが起こることを抑制して、施工性を向上できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は、繊維組成物の吹付け方法である。繊維類を繊維圧送経路内に所定量供給し、繊維圧送経路内に送風機を用いて空気を所定量供給することで繊維類を空気圧送した後に繊維吐出口より吐出し、当該繊維吐出口の外周又は内部、或いは繊維吐出口から1m以内の繊維圧送経路内の何れかに設けた1個又は複数個の液状添加材用の噴射口から液状添加材を噴射することで、前記繊維類と液状添加材とを合流混合した合流混合物を被覆対象物に吹付ける繊維組成物の吹付け方法であって、前記合流混合物の吹付けを開始するとき、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認する。繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こらないように、合流混合物の吹付けを開始するとき、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認することが好ましい。
吹き付け開始時に不具合が発生していないと推定すれば、吹き付けを継続しても、不具合が発生しないと推定できる。
本発明において、好ましくは、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認しながら前記合流混合物を吹付ける。本発明における上記圧力の確認は、繊維類の微粒分の繊維圧送経路内における滞留又は/及び繊維圧送経路内における脈動を抑制するために行うことが好ましい。
圧力変動がないことを確認することで、不具合が発生していないこと、すなわち、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こり難いことを施工中に推定できる。また、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こることが抑制されるため、施工性が向上する。
本発明において、好ましくは、試験施工において、繊維類を繊維圧送経路内に供給せずに送風機を用いて空気のみを繊維圧送経路内に所定量供給するときの風速ごとに、繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起こらないときの、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における許容圧力上限を把握し、本施工において、前記試験施工と同じ風速に設定し、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が、前記許容圧力上限以下にあることを確認しながら前記合流混合物を吹付ける。
許容圧力上限以下にあることを確認することで、不具合が発生していないこと、すなわち、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こり難いことを施工中に推定できる。また、繊維類の微粒分の滞留や脈動が起こることが抑制されるため、施工性が向上する。
本発明において、好ましくは、前記の確認において、繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限超である場合には、繊維圧送経路内への繊維類の供給量を調整し、繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限以下になったことを確認した上で吹付けを続ける。
これにより、施工中に不具合発生を推定でき、供給量調整により、不具合を解消できる。このとき吹付を中断する必要はない。
本発明において、好ましくは、試験施工において、繊維類を繊維圧送経路内に供給せずに送風機を用いて空気のみを繊維圧送経路内に所定量供給するときの風速ごとに、吹付け後に繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起こらないときの、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における許容圧力上限を把握し、本施工において、前記試験施工と同じ風速に設定し、前記所定量より少ない繊維類を繊維圧送経路内に供給し、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限より低いことを確認した後、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が、前記許容圧力上限に近づくように、繊維圧送経路内への繊維類の供給量を調整しながら、前記合流混合物を吹付ける。
吹き付け開始時に不具合が発生していないと推定したのち、許容圧力上限に近づくように供給量を調整することにより、不具合が発生しない。
本発明において、好ましくは、 前記繊維類の供給量は、1.0kg/分以上とする。
これにより、施工能力を担保できる。
本願発明に係る乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法によれば、繊維圧送経路内での脈動が起こり難いこと、ロックウール類等の繊維類の繊維圧送経路内への供給を止めても繊維圧送経路内に滞留している繊維類の微粒分が繊維吐出口から噴出続けることが起こり難いこと、繊維類が繊維圧送経路内で詰まることが起こり難いことを、開始時または施工中に推定できる。これにより、施工中の施工者の心理的負担は軽減される。
本願発明に係る乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法によれば、乾式工法又は半乾式工法による繊維組成物の吹付け工法において、繊維圧送経路内での脈動が起こることを抑制し、ロックウール類等の繊維類の繊維圧送経路内への供給を止めても繊維圧送経路内に滞留している繊維類の微粒分が繊維吐出口から噴出続けることが起こることを抑制し、繊維類が繊維圧送経路内で詰まることが起こることを抑制して、施工性を向上できる。脈動が抑制されることにより、繊維類と液状添加材との混合割合が安定し、形成される繊維組成物の品質が安定する。微粒分の噴出が抑制されることにより、粉塵の発生が抑制され、作業環境が改善される。繊維圧送経路内で詰まることが抑制されることにより、中断されることなく施工完了となる。
本工法に用いる吹付システムの例である。 ホース長とホース圧との関係を示す図である。 ホース長毎の供給量とホース圧との関係を示す図である。
〜システム概略・基本動作〜
図1は、本工法に用いる吹付システムの例である。一般的に用いられている吹付システムを用いる。半乾式工法を例に説明し、適宜、乾式工法に関する事項についても挿入する。
吹付システム10は、解綿機20と、ブロワ14と、繊維圧送用ホース9と、液状添加材用圧送ポンプ7と、液状添加材圧送用ホース6と、粒状繊維吹付ノズル1とを備える。
解綿機20は、第一解綿部21と、第二解綿部22と、ホッパ23と、スクリューフィーダ24と、ロータリフィーダ(定量供給装置)25と、繊維圧送管26とを有する。
パック状の繊維11が開封され、ホッパ23に投入される。繊維11は、第一解綿部21により解綿されながら内部に供給され、スクリューフィーダ24により搬送され、第二解綿部22により細粒化され、外部の供給量指令に基づいてロータリフィーダ25により、所定量の繊維が繊維圧送管26に供給される。繊維圧送管26は、ブロワ14と繊維圧送用ホース9との間に介挿されている。
繊維圧送管26に供給された繊維は、ブロワ(送風機)14によりホース9内を圧送され、粒状繊維吹付ノズル1まで搬送され、吐出口より吐出される。ブロワ14は外部の風速指令に基づいて所定の風速とすることができる。
粒状繊維吹付ノズル1は、吐出口の中央付近(吹付ノズルの中心軸付近)に1個又は/及び吐出口の周縁に配置した1個又は複数個の液状添加材用の噴射口3を有する。
液状添加材用貯留槽8において液状添加材4が貯留されている。液状添加材4がセメントスラリー等のようなスラリー状の場合は、分散媒(例えば、水。)と分散質(例えば、セメント。)が混合されており、液状添加材用貯留槽8に攪拌装置を設定し攪拌してもよい。液状添加材4(例えば、セメントスラリー。)は、液状添加材用圧送ポンプ7により液状添加材圧送用ホース6を通り、噴射口3から噴射される。
粒状繊維吹付ノズル1から吐出した粒状繊維5と、液状添加材用の噴射口より噴射されたセメントスラリー4が、粒状繊維吹付ノズル1の先で合流混合した上で、被覆対象物13の表面を被覆し、合流混合物からなる繊維層12が形成される。
なお、乾式工法では、繊維に代えて、繊維とセメント等とを混合した繊維乾燥組成物(混綿)が吐出され、セメントスラリーに代えて水が噴射される。粒状繊維吹付ノズル1の先で合流混合物となる。
繊維としては、無機繊維、有機繊維、無機繊維と有機繊維との混合物が挙げられる。無機繊維としては、例えば金属繊維、ロックウール、グラスウール、セラミックスウール等が挙げられ、有機繊維としては、例えばセルロース繊維、ジュート繊維、ポリプロピレン繊維やポリビニルアルコール繊維等の合成繊維等が挙げられ、例えば、ロックウール、グラスウール、セラミックスウール等から選ばれる綿状無機繊維が耐久性、吸音性又は断熱性の点で好ましく、ロックウール又はセラミックスウールが800℃以上に晒されても溶融せずに形状を維持でき、耐熱性又は耐火性の点で優れることからより好ましい。
ここでロックウールとは、溶融炉で溶融された岩石や高炉スラグ等を主体とする材料が、急冷されながら、繊維化された素材(鉱物繊維)である。例えば、高炉スラグを主体とする材料より製造されたスラグウールなども含まれる。
前記ロックウールは、好ましくは、繊維化された鉱物繊維を集めただけの原綿を解綿機等で細かくした粒状ロックウール(粒状綿)である。原綿を用いる場合は、輸送前に、解綿機等で細かくして用いられる。粒状ロックウールは、ロックウールの原綿を解砕、解綿、切断、分級(例えば、篩い分け)、造粒などの工程の一種又は二種以上の組み合わせを経て得られる。斯かるロックウールが用いられた場合、ロックウールで被覆される下地(被覆対象物)に熱が伝わり難い。前記粒状繊維としては、粒状ロックウールとセメントとの乾式混合物(ロックウール・セメント混綿)を用いることもでき、この場合も、形成する繊維層が耐火性又は不燃性を得易いことから、好ましい。鉱物繊維としては、廃ガラス等を原料として製造されたグラスウールも、ロックウールと同様に用いることができる。
繊維乾燥組成物とは、上記繊維の1種又は2種以上と無機粉末及び/又は有機粉末との乾式混合物、或いは、該混合物又は上記繊維にスラリー状又は粘土状とならない範囲の添加量(概ね20質量%以下)の液体を添加したものでもよい。無機粉末としては、例えばフライアッシュ,シリカフューム,高炉スラグ粉末,石粉,コンクリート用膨張材,急結剤等の無機質の粉末状セメント用混和材料、ポルトランドセメントやアルミナセメント等のセメント、珪酸アルカリ粉末、消石灰や水酸化ナトリウム等の水酸化物の粉末等から選ばれる1種又は2種以上が好ましい例として挙げられ、有機粉末としては、粉末状高性能減水剤を含む粉末状セメント分散剤,再乳化形粉末樹脂,セルロース系増粘剤等の粉末状有機質を主成分とするセメント用混和材料又はこれらに類するものから選ばれる1種又は2種以上が好ましい例として挙げられる。繊維乾燥組成物に含有させることのできる上記液体としては、液体の高性能減水剤を含む液体のセメント分散剤,液体の収縮低減剤,樹脂エマルション等の液状セメント用混和材料、鉱油からなる防塵油、水等が好ましい例として挙げられる。
液状添加材としては、例えば水、水溶液、無機質スラリー、樹脂エマルジョン、無機質含有樹脂エマルジョン(樹脂含有無機質スラリー)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。より好ましい例としては、水、水溶液、セメントや高炉スラグ粉末等の水硬性無機粉末と水又は水溶液からなる水硬性無機粉末スラリー、セメントや高炉スラグ粉末等のAl2O3,CaO及び/又はSiO2が組成に含まれる無機質粉末と珪酸アルカリと水とを含有するスラリー、樹脂エマルジョン(ポリマー)、セメント含有樹脂エマルジョン(樹脂含有セメントスラリー)が挙げられる。前記液状添加材に用いられる樹脂エマルジョンとしては、例えば合成ゴム(例えば、スチレン・ブタジエン共重合体、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体又はメチルメタクリレート・ブタジエン共重合体等)のエマルジョン、天然ゴムのエマルジョン、合成樹脂(例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等)、ポリクロロピレン、ポリアクリル酸エステル、スチレン・アクリル共重合体、オールアクリル共重合体、酢酸ビニル系樹脂(例えば、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・アクリル共重合体、酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体、変性酢酸ビニル、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニルビニルバーサテート共重合体、アクリル・酢酸ビニル・ベオバ(t−デカン酸ビニルの商品名)共重合体等)、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂及びエポキシ樹脂等)のエマルジョン、瀝青質材(例えば、アスファルト、ゴムアスファルト等)のエマルジョンが挙げられる。前記液状添加材は、液状添加材自体の粘性により、粒状繊維同士を凝集させる凝集材としての役割が期待される。従って、半乾式工法の場合は、セメントスラリー等の水硬性無機粉末スラリー、Al2O3,CaO及び/又はSiO2が組成に含まれる無機質粉末と珪酸アルカリと水とを含有するスラリー、樹脂エマルジョン(ポリマー)並びにセメント含有樹脂エマルジョン(樹脂含有セメントスラリー)は、特に、好ましい。なぜならば、硬化又は/及び分散媒の蒸発により、粒状繊維同士をより強固に結合させるからである。また、乾式工法の場合は、水又は水溶液が特に好ましい。
〜特徴的構成〜
吹付システム10は、特徴的構成として、圧力計2を備える。圧力計2は、繊維圧送経路上に取付けられている。ここで、繊維圧送経路とは、繊維圧送管26から繊維圧送用ホース9を通って粒状繊維吹付ノズル1までの間をいう。圧力計の方式等は、空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が測定できるものであれば特に限定されない。
圧力計2は、繊維圧送経路のなるべく上流側(解綿機20に近い方)に設けられていると好ましい。これにより、圧力損失の影響をほぼ無視でき、繊維圧送経路における不具合発生の影響が圧力変動として表れる。
具体的には、繊維圧送管26供給箇所から10m以内が好ましく、より好ましくは当該供給箇所から5m以内とする。
吹付システム10による吹付施工中の間、圧力計2による圧力測定を継続する。それ以外は、吹付システム10の一般的な操作と同様である。
〜試験結果〜
本願発明に至る過程において、本願発明者は下記の吹付け試験を行ない、下記の知見を得た。
繊維類として混綿(商品名「太平洋スプレーコート」、太平洋マテリアル社製、主成分:セメント,ロックウール粒状綿)、液状添加材として水を用い、図1に概略図を示す吹付けシステムを用いて表1に示した条件で吹付け試験を行い、混綿圧送時及び空気のみ送った時の繊維圧送用ホース内の圧力(ホース圧)、空気のみ送った時の風速、混綿の単位時間当たりの供給量、及び混綿の排出時間を測定するとともに、混綿の空気圧送時の繊維圧送経路内における混綿の微粒分の滞留の有無、及び吹付け時の繊維圧送経路内における脈動(吐出変動)の有無を確認した。送風機(ブロワ)は、リングブロワ(日立ボルテックスブロワ社製「VB−020−E3」)とルーツブロワ(アンレット社製「BH80」(7.5KW))の2種類を用いた。各測定方法および確認方法は、以下の通りとした。
・ホース圧
繊維圧送用ホースと解綿機の繊維圧送管との間に圧力計を取り付けた鋼管を挟み、その鋼管内の圧力を測定し、ホース圧とした。ホース圧は、混綿を空気圧送している時、即ち搬送圧力(T)と、搬送圧力(T)を測定しているときと同じ送風機の設定で空気のみ送った時の圧力(N)を測定した。また、圧力計の設置位置は、混綿の繊維圧送経路内への供給箇所から5m以内(約1m)の位置とした。
・風速(空気のみ送った時の風速)
繊維圧送用ホースから吹付けノズルを外し、混綿を繊維圧送管へ供給しない状態で送風し、繊維圧送用ホースのホース先で風速を風速計により測定した。なお、風速は外部の風速指令に基づいて設定可能である。
・混綿の単位時間当たりの供給量
繊維圧送用ホースから吹付けノズルを外し、繊維圧送用ホースのホース先に麻袋を取り付け、30秒間混綿のみを吹き出してそのときに麻袋内に入った材料の質量Wを測定し、次式により混綿の単位時間当たりの供給量Sを求めた。なお、供給量は外部の供給量指令に基づいて設定可能である。
S=W/0.5 ・・・・・(1)
・混綿の排出時間
解綿機のロータリフィーダの回転を止め、即ち、混綿の繊維圧送管への供給を止めてから、混綿に含まれるロックウール微粒綿が繊維圧送経路内から排出が完了するまでの時間を測定し、混綿の排出時間tとした。さらに繊維圧送用ホースの長さ(ホース長)Lを排出時間tで割った値を搬送速度Vとした。
V=L/t ・・・・・(2)
・混綿の空気圧送時の繊維圧送経路内における混綿の微粒分の滞留の有無
30秒間吹付けを行った後に混綿の繊維圧送経路内への供給を止め、混綿に含まれるロックウール微粒綿の排出後に3秒以上の混綿の微粒分の噴出が見られるか否かで判断した。ロックウール微粒綿の排出後に3秒以上の混綿の微粒分の噴出が見られない場合を、混綿の微粒分の滞留が起きていない(記号:〇)と判断した。また、ロックウール微粒綿の排出後に3秒以上5秒未満の混綿の微粒分の噴出が見られた場合を、混綿の微粒分の滞留が若干起きている(記号:△)と判断し、5秒以上の混綿の微粒分の噴出が見られた場合を、混綿の微粒分の滞留が多量に起きている(記号:×)と判断した。
・吹付け時の繊維圧送経路内における脈動(吐出変動)の有無
1分間吹付けを行ったときに、混綿の吐出量の変化が見られた場合を、脈動(吐出変動)有り(記号:×)と判断した。又、そのときに、混綿の吐出量の変化が見られなかった場合を、脈動(吐出変動)無し(記号:〇)と判断した。
・施工能力
形成する吹付け後の繊維組成物の施工厚さを30mm、絶乾嵩密度を0.35g/cm、施工時間を6時間/日と仮定した場合に、1日当たりの施工面積を100m以上とすることができるときを施工能力が優れている(記号:◎)、1日当たりの施工面積を10m以上とすることができるが100m未満のときを施工能力は充分である(記号:○)、1日当たりの施工面積を10m未満のときを施工能力が不足している(記号:×)と、評価した。
試験の結果を表1に示すとともに、図2及び図3にも示した。
Figure 2021147904
図2は、ホース長とホース圧との関係を示す図である。参考に、ホース長と搬送速度との関係も併せて示す。試験No.12〜15の結果をプロットする。試験No.12〜15において、混綿の供給量7.0(kg/分)、風速25(m/s)は共通である。
ホース長が40→60→80→120(m)と長くなるに伴い、ホース圧は25→31→35→45(kPa)と上がる。
ホース長が40→60→80→120(m)と長くなるに伴い、搬送速度は5.1→4.0→3.4→3.0(m/s)と下がる。
したがって、供給量とホース圧との関係(たとえば図3)を把握するためには、ホース長毎に行なう必要がある。供給量と搬送速度との関係についても同様にホース長毎に行なう必要がある。もしくは、ホース長に基づく関係式により適宜補正してもよい。
図3は、ホース長毎の供給量とホース圧との関係を示す図である。参考に、ホース長毎の供給量と搬送速度との関係も併せて示す。ホース長20mの例として試験No.1〜3の結果を、ホース長40mの例として試験No.4〜6の結果を、ホース長60mの例として試験No.7〜11の結果をプロットする。試験No.1〜3において風速29(m/s)は共通である。試験No.4〜6において風速26(m/s)は共通である。試験No.7〜11において風速24(m/s)は共通である。
ホース長20mにおいて、供給量を0→3.8→5.4→6.8(kg/分)と上げるにともない、ホース圧は4→10→11→12(kPa)と上がる。ホース長40mにおいて、供給量を0→3.6→5.6→6.8(kg/分)と上げるにともない、ホース圧は7→13→14→15(kPa)と上がる。ホース長60mにおいて、供給量を0→3.6→5.6→7.0→9.0→11.0(kg/分)と上げるにともない、ホース圧は8→14→15→16→17→18(kPa)と上がる。
ホース長20mにおいて、供給量を3.8→5.4→6.8(kg/分)と上げるにともない、搬送速度は5.1→4.7→4.3(m/s)と下がる。ホース長40mにおいて、供給量を3.6→5.6→6.8(kg/分)と上げるにともない、搬送速度は5.0→4.0→2.9(m/s)と下がる。ホース長60mにおいて、供給量を3.6→5.6→7.0→9.0→11.0(kg/分)と上げるにともない、搬送速度は4.5→2.9→2.5→2.0→1.6(m/s)と下がる。
すなわち、供給量が上がることにより、搬送速度が下がり、繊維類が繊維圧送経路内で滞留するおそれがあり、ホース圧が上がるものと思われる。このことは、圧力モニタリングにより概略供給量や概略搬送速度を把握できることを示唆している。
なお、現場施工において、施工中の供給量や搬送速度の測定は難しい。このため、圧力モニタリングが非常に有益となる。
さらに詳しく検討する。試験No.8〜10を比較する。試験No.8では、微粒滞留、脈動とも不発生である。試験No.9では、微粒滞留に若干の異常が見られる。試験No.10では、微粒滞留および脈動とも発生している。このことは、圧力モニタリングにより、微粒滞留や脈動が発生するおそれを推定できることを示唆している。
たとえば、ホース長60mにおいて風速24m/sと設定した場合、圧力モニタリングにおいてホース圧15kPa以下であれば、微粒滞留、脈動とも発生しないと推定できる。ホース圧15kPaが許容圧力上限となる。微粒滞留についての若干の異常まで許容できる場合は、ホース圧16kPaが許容圧力上限となる。
別の例を示す。試験No.15〜17を比較する。試験No.15では、微粒滞留、脈動とも不発生である。試験No.16では、微粒滞留に若干の異常が見られる。試験No.17では、微粒滞留および脈動とも発生している。ホース長120mにおいて風速25m/sと設定した場合、圧力モニタリングにおいてホース圧45kPa以下であれば、微粒滞留、脈動とも発生しないと推定できる。ホース圧45kPaが許容圧力上限となる。微粒滞留についての若干の異常まで許容できる場合は、ホース圧46kPaが許容圧力上限となる。
なお、想定される供給量の範囲では、微粒滞留や脈動の発生が確認されなかった場合、最大の供給量に相当するホース圧が許容圧力上限となる。試験No.1〜3の比較においてはホース圧12kPaが許容圧力上限となる。試験No.4〜6の比較においてはホース圧15kPaが許容圧力上限となる。更に、混綿の供給量を増加させて追加の試験を行い、微粒滞留又は/及び脈動の発生するホース圧を確認した上で許容圧力上限を把握することもできる。
さらに、供給量を調整することで、ホース圧Tを調整することができる。仮に、ホース圧Tが許容圧力上限超であった場合、供給量を下げることで、ホース圧Tを許容圧力上限以下にすることができる。
ところで、供給量を予め下げておくことにより、微粒滞留や脈動に係る不具合は生じない。しかし、供給量が低すぎると、充分な施工能力が得られない(試験No.18〜19参照)。
したがって、繊維供給量を1kg/分以上とすることが、施工能力の点から好ましく、繊維供給量を2kg/分以上とすることがより好ましく、更には繊維供給量を3kg/分以上とする。
繊維供給量を1.0kg/分以上(2.0kg/分以上)とすると、形成する吹付け後の繊維組成物の施工厚さを30mm、絶乾嵩密度を0.35g/cm、施工時間を6時間/日と仮定した場合に、1日当たりの施工面積を10m以上とすることができる。また、繊維供給量を3kg/分以上とすると、同条件で1日当たりの施工面積を100m以上とすることができる。また、繊維供給量を6kg/分以上とすると、同条件で1日当たりの施工面積を200m以上とすることができることから、更に好ましい。
〜システム運用〜
上記知見に基づく、システム運用について説明する。システム運用は、試験施工と本施工とからなる。試験施工で用いる吹付システムと本施工で用いる吹付システムとは同じものであることが好ましいが、本施工で用いる吹付システムを模擬するシステムを試験施工で用いてもよい。すなわち、ホース長を同じとする。やむなくホース長が異なる場合は、ホース長に基づく補正係数を求めておく。
試験施工と本施工とを別個独立に行なう前提とするが、余裕があれば、試験施工を本施工直前に行なってもよい。試験施工を本施工直前に行なう場合、同じ吹付システムを用いることができる。
・試験施工
繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起こらないときの、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における許容圧力上限を把握する。
繊維類の空気圧送時に繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起きていないことは、20秒間〜3分間吹付けを行った後に繊維類の繊維圧送経路内への供給を止め、粒状繊維排出後に3秒以上の繊維類の微粒分の噴出が見られるか否かで判断することが好ましい。より好ましくは、30秒間〜1分間吹付けを行った後に繊維類の繊維圧送経路内への供給を止め、粒状繊維排出後に3秒以上の繊維類の微粒分の噴出が見られるか否かで判断する。
粒状繊維排出後に3秒以上の繊維類の微粒分の噴出が見られない場合を、繊維類の微粒分の滞留が起きていないと判断する。また、粒状繊維排出後に3秒以上の繊維類の微粒分の噴出が見られた場合を、繊維類の微粒分の滞留が起きていると判断する。
また、併せて、繊維類の空気圧送時に脈動が起こっていないことを確認することが好ましい。この確認においては、20秒間以上吹付けを行い、脈動が起こっていないことを確認する。繊維類の空気圧送時に脈動が起こっていないことを確認するための吹付けは、好ましくは30秒間以上連続して吹付けを行うことがより好ましく、更には、1分間以上連続して吹付けを行うことが更に好ましい。
繊維類の空気圧送時に脈動が起こっていないことを確認するための吹付け時間の上限は、好ましくは10分間であり、更に好ましくは5分間であり、最も好ましくは3分間である。吹付け時間が長いと、材料が無駄になってしまう。
その際、繊維類を繊維圧送経路内に供給せずに送風機を用いて空気のみを繊維圧送経路内に所定量供給するときの風速を記録しておく。
風速は、送風機の設定値を用いてもよい。繊維吐出口、粒状繊維吹付ノズルを外した繊維圧送用ホースの先端部、繊維圧送用ホースを外した解綿装置の繊維圧送管の先端部、又は送風機の排出口若しくは該排出口と繋がるホース先端部に風速計を配置し、測定値を用いてもよい。
許容圧力上限の把握について、例示しながら、さらに詳細に説明する。
ホース長60mにおいて風速24m/sと設定し、供給量を0→3.6→5.6→7.0→9.0→11.0(kg/分)と上げる。圧力モニタリングによれば、ホース圧は8→14→15→16→17→18(kPa)と上がる(図3参照)。このとき、微粒滞留または/および脈動の有無を観察し、ホース圧15kPaが許容圧力上限であると把握する(表1 試験No.8参照)。
さらに、供給量と繊維圧送経路内における圧力との関係を換算表、関係式、グラフ等により記録しても良い。
このとき、所定の供給量が確実に供給されているか否かを確認してもよい。外部からの供給量指令に基づいて供給量を設定し、所定の風速において送風機で圧送し、繊維吐出口または粒状繊維吹付ノズルを外した繊維圧送用ホースの先端部に麻袋を取り付け、一定時間繊維類のみを吹き出してそのとき麻袋内に入った材料の質量を測定する。
なお、外部からの風速指令に基づいて風速は設定可能である。また、外部からの供給量指令に基づいて供給量は設定可能である。
外部からの風速指令に基づいて風速を設定する方法としては、例えば、ブロワに内蔵されているモーターの回転数を、当該モーターの回転数調整用の設定ダイヤルや設定パネル等で調整する方法、ブロワに内蔵されているモーターの回転数を調整する電気的指令をブロワ内蔵のモーターの回転数をコントロールしている制御装置に送り、その電気的指令に基づきブロワ内蔵のモーターの回転数を設定する方法がある。
外部からの供給量指令に基づいて供給量を設定する方法としては、例えば、解綿機に内蔵されているロータリフィーダ回転用のモーター及び/又はスクリューフィーダ回転用のモーターの回転数を、当該モーターの回転数調整用の設定ダイヤルや設定パネル等で設定する方法、解綿機に内蔵されている解綿部用のモーターの回転数を下げるように、当該モーターの回転数調整用の設定ダイヤルや設定パネル等で調整する方法、解綿機に内蔵されているロータリフィーダ回転用モーター、スクリューフィーダ回転用のモーター及び/又は解綿部用のモーターの回転数を調整する電気的指令を当該モーターの回転数をコントロールしている制御装置に送り、その電気的指令に基づき当該モーターの回転数を設定する方法がある。
・本施工
本施工において、一般的な吹付と同様に、合流混合物を吹付ける。上述の通り、本施工におけるホース長は試験施工のホース長と同じである。試験施工に用いたブロワと同じ仕様のブロワを用い、試験施工時の風速と同じ風速を設定する。更に、許容圧力上限に対応する供給量以下の供給量を設定する。許容圧力上限に対応する供給量と同じ供給量を設定することが好ましい。そして吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力が、許容圧力上限以下にあることを確認する。
なお、外部からの風速指令に基づいて風速は設定可能である。また、外部からの供給量指令に基づいて供給量は設定可能である。
試験施工において、微粒滞留または/および脈動の起きない許容圧力上限を把握し、試験施工と同じ条件において本施工を行えば、不測の事態が発生しない限り、本施工においても微粒滞留または/および脈動は発生しないと推定される。
上記試験施工例に対応するリングブロワを用いた本施工例を説明する。本施工におけるホース長は60mである。試験施工の結果を参考に、風速24m/sおよび供給量5.4kg/分と設定する。この条件で本施工をおこなえば、微粒滞留または/および脈動は発生しないと推定される。
吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力が許容圧力上限15kPa以下にあることを確認することで、不具合が発生していないと推定できる。施工者は安心して施工を継続できる。
・確認施工
上記では、試験No.8〜10の比較に基づき、試験No.8に対応するホース圧を許容圧力上限とした。同様に、試験No.3,6,15に対応するホース圧を試験No.3,6,15の条件における許容圧力上限とする。
実際に、吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力が試験No.3,6,8,15における許容圧力上限以下にあることを確認しながら、対応する試験施工と同じブロワ仕様及びホース長で吹付けを行いロックウール組成物層を形成したところ、試験No.3,6,8,15相当の吹き付けとも混綿の微粒分の滞留及び脈動は起こらなかった。
・調整
供給量を調整することで、ホース圧Tを調整することができる。以下、調整例について説明する。
調整例1(事後調整)
上記の通り、試験施工において、微粒滞留または/および脈動の起きない条件を確認し、試験施工と同じ条件において本施工を行えば、不測の事態が発生しない限り、本施工においても微粒滞留または/および脈動は発生しないと推定される。しかしながら、実際には不測の事態が発生することもある。
上記本施工例では、吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力が許容圧力上限15kPa以下にあることを確認することで、不具合が発生していないと推定できる。
仮に、ホース圧Tが許容圧力上限15kPa超であった場合、外部からの供給量指令に基づいて、供給量の設定を供給量5.4kg/分から下げることで、ホース圧Tを許容圧力上限15kPa以下にすることができる。
調整後、許容圧力上限15kPa以下ことを確認して、不具合が発生していないと推定し、施工を継続する。
調整例2(事前調整)
上記のような不具合発生を避けるため、施工開始時に調整してもよい。
上記試験施工例に基づき、許容圧力上限15kPaであり、対応する供給量5.4kg/分であると把握する。そして、設定供給量5.4kg/分より十分少ない供給量3.6kg/分を設定し、吹き付けを開始する。
吹付施工開始時、繊維圧送経路内における圧力が許容圧力上限より低い14kPa以下(表1 試験No.7参照)にあることを確認する。
圧力モニタリングしながら、供給量の設定を徐々に上げる。繊維圧送経路内における圧力も徐々に上がる。許容圧力上限15kPaに近づけ、調整を終了する。
以降、本施工の間、繊維圧送経路内における圧力が許容圧力上限15kPa以下にあることを確認することで、不具合が発生していないと推定できる。
・調整備考
ところで、上記調整については供給量調整に着目している。風量を上げることで微粒分を吹き飛ばし、微粒滞留または/および脈動にかかる不具合を解消でき得るが、風量を上げるに伴い、ホース圧も増加し、圧力モニタリングができなくなるおそれがある。風量を上げて対応する場合は、その風量(その時の風速)、ホース長、ブロワ仕様における微粒滞留及び脈動が起こらないホース圧の上限、許容圧力上限を予め、同様に把握しておく。
〜システム運用変形例1〜
上記システム運用では試験施工により許容圧力上限を把握することを必須としている。しかしながら、繰り返し施工して、運用安定性を確認できれば、試験施工を省くことができる。
吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力が大きく変動しないことを確認することで、不具合が発生していないと推定できる。
〜システム運用変形例2〜
上記システム運用では、吹付施工の間、繊維圧送経路内における圧力をモニタリングすることを必須としている。
ところで、本願発明者は、微粒滞留や脈動にかかる不具合発生の有無は、パックごとに異なることが多いことに気がついた。
たとえば、同一条件のパックにおいて梱包されている繊維類を用いて吹き付けを開始した場合、開始時に不具合がなければ、継続して、不具合が発生しない可能性が高い。
一方、異なる条件のパックにおいて梱包されている繊維類を用いて吹き付けを開始した場合、開始時に不具合が発生すると、継続して、不具合が発生する可能性が高い。
そこで、少なくとも、吹付けを開始するとき、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認する。
開始時に不具合が発生していないと推定し、同一条件のパックに梱包されている繊維類を用いて吹き付けを継続すれば、不具合が発生しないと推定できる。
〜不具合発生原因に係る推察等〜
上記の通り、試験施工において、微粒滞留または/および脈動の起きない条件を確認し、試験施工と同じ条件において本施工を行えば、不測の事態が発生しない限り、本施工においても微粒滞留または/および脈動は発生しないと推定される。しかしながら、実際には不測の不具合が発生することもある。本願発明者は、不具合発生の原因について検討した。
吹付システムにおいては、混綿又はロックウール粒状繊維と液状添加材(水又はセメントスラリー)とが合流混合している。この時、液状添加材は、混綿又はロックウール粒状繊維に比べて、安定して吐出している。したがって、液状添加材吐出において不具合が発生する可能性は低い。
混綿又はロックウール粒状繊維は、解綿機により供給され、ブロアにより搬送される。ブロアは気流を励起するものであり、比較的安定している。したがって、風速が変動する可能性は低い。
解綿機は、外部からの供給量指令に基づいて、所定の供給量の混綿又はロックウール粒状繊維を供給できることが原則である。
ところで、液状添加材やブロアが供給する空気が均一であるのに対し、異なるパックから開封された混綿又はロックウール粒状繊維が均一でないおそれがある。たとえば、パック積みされて管理されているうち、パックが圧縮されることもあり得る。
また、原料が解綿機に供給されてから、解綿されて、繊維圧送経路に搬送されるまで解綿機内において複数の工程を経る。そこで、本願発明者は、混綿又はロックウール粒状繊維の供給量が安定しないおそれがあるのではないかと考えた。
試験施工時や本施工直前においては、混綿又はロックウール粒状繊維の供給量を実測することは可能である。これに対し、本施工において、混綿又はロックウール粒状繊維の供給量を実測することは難しい。上記発明者仮説に基づけば、試験施工時や本施工直前においては供給量が安定していても、本施工においては多数のパックから開封された混綿又はロックウール粒状繊維を用いることが多く、本施工時に供給量が一時的に不安定となるおそれがある。
本願発明者は、解綿機のロータリフィーダ回転用モーターの負荷やロータリフィーダの回転軸に掛かっている荷重を測定し、供給量を推定することも検討した。しかし、混綿又はロックウール粒状繊維は軽く、当該モーターの負荷やロータリフィーダの回転軸に掛かっている荷重の相違を検出することは難しい。すなわち、本施工時の繊維(ロックウール粒状繊維)又は繊維乾燥組成物(混綿)の供給量の変動を検出することは難しい。
供給量が変動する場合、特に供給過多の場合、ロックウール類が繊維圧送経路内を通る勢いが弱く、ロックウール類の微粒分が繊維圧送経路内に詰まりかけ、又はロックウール類の微粒分が繊維圧送経路内に多く滞留するのではないか、さらに、詰まりかけていたロックウール類の微粒分又は/及びロックウール類の微粒分以外(綿状部分)が一気に排出されることにより脈動が起こるのではないかと推察した。
しかしながら、不具合発生原因が供給量変動であると推定できても、繰り返すように、本施工において、混綿又はロックウール粒状繊維の供給量を実測することは難しい。
これに対し、本願発明者は、繊維圧送経路内における圧力に着目することで、不具合発生(不発生)を推定できることを見出した。本願発明は、上記のような思考過程を経て、想到したものである。
1 粒状繊維吹付ノズル
2 圧力計
3 液状添加材用の噴射口
4 液状添加材
5 粒状繊維
6 液状添加材圧送用ホース
7 液状添加材用圧送ポンプ
8 液状添加材用貯留槽
9 繊維圧送用ホース
10 吹付けシステム
11 繊維又は繊維乾燥組成物
12 合流混合物からなる繊維層
13 被覆対象物
14 ブロワ(送風機)
20 解綿機
21 第一解綿部
22 第二解綿部
23 ホッパ
24 スクリューフィーダ
25 ロータリフィーダ(定量供給装置)
26 繊維圧送管

Claims (6)

  1. 繊維類を繊維圧送経路内に所定量供給し、繊維圧送経路内に送風機を用いて空気を所定量供給することで繊維類を空気圧送した後に繊維吐出口より吐出し、当該繊維吐出口の外周又は内部、或いは繊維吐出口から1m以内の繊維圧送経路内の何れかに設けた1個又は複数個の液状添加材用の噴射口から液状添加材を噴射することで、前記繊維類と液状添加材とを合流混合した合流混合物を被覆対象物に吹付ける繊維組成物の吹付け方法であって、
    前記合流混合物の吹付けを開始するとき、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認することを特徴とする繊維組成物の吹付け方法。
  2. 繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力を確認しながら前記合流混合物を吹付けることを特徴とする請求項1記載の繊維組成物の吹付け方法。
  3. 試験施工において、繊維類を繊維圧送経路内に供給せずに送風機を用いて空気のみを繊維圧送経路内に所定量供給するときの風速ごとに、繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起こらないときの、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における許容圧力上限を把握し、
    本施工において、前記試験施工と同じ風速に設定し、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が、前記許容圧力上限以下にあることを確認しながら前記合流混合物を吹付けることを特徴とする請求項2記載の繊維組成物の吹付け方法。
  4. 前記の確認において、繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限超である場合には、繊維圧送経路内への繊維類の供給量を調整し、繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限以下になったことを確認した上で吹付けを続けることを特徴とする請求項3記載の繊維組成物の吹付け方法。
  5. 試験施工において、繊維類を繊維圧送経路内に供給せずに送風機を用いて空気のみを繊維圧送経路内に所定量供給するときの風速ごとに、吹付け後に繊維圧送経路内に繊維類の微粒分の滞留が起こらないときの、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における許容圧力上限を把握し、
    本施工において、前記試験施工と同じ風速に設定し、前記所定量より少ない繊維類を繊維圧送経路内に供給し、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が前記許容圧力上限より低いことを確認した後、繊維類の空気圧送時の繊維圧送経路内における圧力が、前記許容圧力上限に近づくように、繊維圧送経路内への繊維類の供給量を調整しながら、前記合流混合物を吹付けることを特徴とする請求項2記載の繊維組成物の吹付け方法。
  6. 前記繊維類の供給量は、1.0kg/分以上とすることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の繊維組成物の吹付け方法。
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