JP2021147414A - 樹脂組成物および積層体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自己潤滑性、外観、柔軟性および成形性に優れ、特に高荷重下における自己潤滑性および耐摩耗性に優れた樹脂組成物の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の樹脂組成物(E)の製造方法は、樹脂組成物(E)に含まれる特定の超高分子量ポリエチレン(A)と特定の低分子量乃至高分子量ポリエチレン(B)の合計を100質量部とした場合、ポリエチレン(B)70〜90質量部と変性ポリオレフィン樹脂(D)とオルガノポリシロキサンを溶融混錬して溶融混錬物(1)を得る第1の工程;ポリエチレン(A)0.1〜5質量部とポリエチレン(B)5〜29.9質量部を溶融混錬して溶融混錬物(2)を得る第2の工程;及び溶融混錬物(1)と溶融混錬物(2)を溶融混錬する第3の工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物の製造方法および該樹脂組成物を含む層を有する積層体の製造方法に関する。
超高分子量ポリエチレンは、一般的なポリエチレンのような汎用樹脂に比べて、分子間凝集力が弱く、分子構造が対称的であり、結晶化度が高いので摺動性に優れ、かつ、耐衝撃性、引張強度などにも優れているため、摺動材などとして好適に用いることができる。しかしながら、超高分子量ポリエチレンは、分子量が高いため成形体を製造しにくく、汎用のポリエチレンの成形に採用されている方法をそのまま利用することは困難であることが多い。
そこで、超高分子量ポリエチレンの上記優れた特性を損なうことなく、超高分子量ポリエチレンの成形性を改良する方法として、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1〜3には、超高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]の低いポリエチレンとをブレンドした樹脂組成物が開示されている。しかしながら、当該組成物は超高分子量ポリエチレンと極限粘度[η]の低いポリエチレンとの相溶性が悪く、衝撃強度や外観も劣る傾向が認められた。
また、特許文献4には、極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリオレフィン15〜40重量%と、極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリオレフィン85〜60重量%とからなる射出成形用ポリオレフィン組成物が開示されている。この組成物は、超高分子量ポリオレフィンを含有しているにもかかわらず、射出成形できるという利点を有しており、さらに射出成形で得られる成形品は超高分子量ポリオレフィンの優れた摺動性を有する点において優れている。しかしながら、上記超高分子量ポリオレフィンの配合量の範囲内であっても超高分子量ポリオレフィンの配合量が多い領域では、射出成形が困難であり、また成形性、柔軟性および外観のバランスの面で改良の余地がある。
さらに、特許文献5には、極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリエチレン35重量%を超えて90重量%以下と、極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン10重量%以上65重量%未満含んでなるポリエチレン樹脂組成物と、特定のポリオレフィン系樹脂組成物とを含むポリエチレン樹脂組成物が開示されている。この組成物は、超高分子量ポリエチレンが本来具備する優れた機械的性質を有するとともに、さらに低分子量ないし高分子量ポリエチレンおよび/またはポリオレフィン系樹脂組成物の特定の物性を持つことで、外観および成形性のバランスに優れた成形体を得ることができている。しかしながら、このポリエチレン樹脂組成物中の超高分子量ポリエチレン成分量が20重量%以下となる範囲では、射出成形は可能だが、柔軟性の点で改良の余地がある。
さらに、特許文献6には、極限粘度[η]が10〜40dl/gの超高分子量ポリエチレン5重量%を超えて18重量%以下と、極限粘度[η]が0.1〜5dl/gの低分子量ないし高分子量ポリエチレン82重量%以上95重量%未満含んでなるポリエチレン樹脂組成物で、密度が953kg/m3を超えて966kg/m3未満であるポリエチレン樹脂組成物が開示されている。密度が953kg/m3となると、柔軟性は良好だが、自己潤滑性と外観の点で改良の余地がある。
特開昭60−240748号公報 特開平1−129047号公報 特開平1−156344号公報 特開昭63−12606号公報 国際公開第2003/022920号 特開2012−25904号公報
本発明が解決しようとする課題は、射出成形品や鋼管、耐圧ゴムホース、電線、シートなど各種成形体の被覆(積層)材の摺動部材として好適に用いることができる、自己潤滑性、外観、柔軟性および成形性に優れ、特に高荷重下における自己潤滑性および耐摩耗性に優れた樹脂組成物の製造方法ならびに該樹脂組成物を含む層を有する積層体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のポリエチレン樹脂、変性ポリオレフィン樹脂およびオルガノポリシロキサンを特定の工程で溶融混錬することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の態様として、例えば、下記[1]〜[5]に記載の態様が挙げられる。
[1] 下記要件(a−1)を満たす超高分子量ポリエチレン(A)、下記要件(b−1)を満たす低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)、変性ポリオレフィン樹脂(D)およびオルガノポリシロキサンを含有する樹脂組成物(E)の製造方法であって、
前記樹脂組成物(E)に含まれる前記ポリエチレン(A)および前記ポリエチレン(B)の合計を100質量部とした場合、
前記ポリエチレン(B)70〜90質量部と、前記変性ポリオレフィン樹脂(D)0.01〜1.5質量部と、前記オルガノポリシロキサンとを溶融混錬して溶融混錬物(1)を得る第1の工程、超高分子量ポリエチレン(A)0.1〜5質量部と、低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)5〜29.9質量部とを溶融混錬して溶融混錬物(2)を得る第2の工程、および前記溶融混錬物(1)と前記溶融混錬物(2)とを溶融混錬する第3の工程を含む、樹脂組成物(E)の製造方法:
(a−1)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gである;
(b−1)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gである。
[2] 前記変性ポリオレフィン樹脂(D)が、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の基を有する不飽和化合物により変性したポリオレフィン樹脂を含む、項[1]に記載の樹脂組成物(E)の製造方法。
[3] 前記オルガノポリシロキサンの含有量が、前記ポリエチレン(A)および前記ポリエチレン(B)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部である、項[1]または[2]に記載の樹脂組成物(E)の製造方法。
[4] 熱硬化性樹脂および加硫剤を含む第1の層と、項[1]〜[3]のいずれか1項に記載の製造方法で得られた樹脂組成物(E)を含む第2の層とを有する積層体の製造方法であって、樹脂組成物(E)と、加硫剤を含む熱硬化性樹脂とを共押出する工程、および前記共押出工程後、200〜250℃および1〜10分間の条件で加硫する工程を含む、積層体の製造方法。
[5] 前記第2の層の表面をガラスに当てて、速度150mm/秒、荷重3kgおよび温度23℃の条件で、20000回までの往復摺動を行って測定された動摩擦係数の平均値が0.32以下である、項[4]に記載の積層体。
[6] JIS B0601−1994に準拠して測定された、前記第2の層の表面粗さが0.5〜4.0μmである、項[4]または[5]に記載の積層体の製造方法。
本発明によれば、自己潤滑性、外観、柔軟性および成形性に優れ、特に高荷重下における自己潤滑性および耐摩耗性に優れた樹脂組成物ならびに当該樹脂組成物を含む層を有する積層体の製造方法を提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。なお、本明細書で数値範囲を「A〜B」と表記した場合、特に断りがない限り、A以上B以下を示すものとする。
[樹脂組成物(E)の製造方法]
本発明に係る樹脂組成物(E)の製造方法は、特定の超高分子量ポリエチレン(A)(以下、単に「ポリエチレン(A)」ともいう。)、特定の低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)(以下、単に「ポリエチレン(B)」ともいう。)、変性ポリオレフィン樹脂(D)およびオルガノポリシロキサンを含有する樹脂組成物(E)の製造方法であって、
該樹脂組成物(E)に含まれる前記ポリエチレン(A)および前記ポリエチレン(B)の合計を100質量部とした場合、
前記ポリエチレン(B)70〜90質量部と、前記変性ポリオレフィン樹脂(D)0.01〜1.5質量部と、前記オルガノポリシロキサンとを溶融混錬して溶融混錬物(1)を得る第1の工程、
前記ポリエチレン(A)0.1〜5質量部と、前記ポリエチレン(B)5〜29.9質量部とを溶融混錬して溶融混錬物(2)を得る第2の工程、および
前記溶融混錬物(1)と前記溶融混錬物(2)とを溶融混錬する第3の工程
を含むことを特徴とする。
上記のように、第1の工程、第2の工程および第3の工程を含む本発明の製造方法で得られる樹脂組成物(E)は、全ての成分を一括して溶融混錬して得られた組成物よりも、高荷重下における自己潤滑性および耐摩耗性に優れた積層体を製造することができる。なお、上記の第1の工程、第2の工程および第3の工程は、公知の方法で行うことができる。
樹脂組成物(E)において、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の合計量を100質量部とした場合、ポリエチレン(A)の含有量は0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜4.8質量部、より好ましくは1.0〜4.5質量部であり、ポリエチレン(B)の含有量は99.9〜95質量部、好ましくは99.5〜95.2質量部、より好ましくは99.0〜95.5質量部である。なお、樹脂組成物(E)の全体を100質量%とした場合、ポリエチレン(A)とポリエチレン(B)の合計量の割合は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは84〜99質量%、さらに好ましくは85〜95質量%である。
<超高分子量ポリエチレン(A)>
前記ポリエチレン(A)は、下記要件(a−1)を満たす。
要件(a−1):135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/g、好ましくは10〜35dl/g、より好ましくは12.5〜35dl/gである。
極限粘度[η]が上記範囲内にあるポリエチレン(A)を使用することにより、自己潤滑性、衝撃強度、耐薬品性などに優れた樹脂組成物(E)および成形品が得られる。
前記ポリエチレン(A)の代わりに、極限粘度[η]が10dl/g未満の高分子量ポリエチレンを用いた場合、得られる成形品は、耐衝撃性などの機械的性質の点で劣るため、好ましくない。一方、前記ポリエチレン(A)の代わりに、極限粘度[η]が40dl/gを超える超高分子量ポリエチレンを用いた場合、射出成形して得られる成形品の外観が悪く、フローマークが発生し、かつ層状剥離を生じるなど成形加工性の点で不具合が生じる虞がある。
前記ポリエチレン(A)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンもしくは3−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィンとの共重合体である。これらのうち、エチレンの単独重合体、またはエチレンと上記のα−オレフィンとの共重合体であって、エチレンを主成分として構成される共重合体を使用することが好ましく、エチレンの単独重合体であることが特に好ましい。
ポリエチレン(A)は、公知のオレフィン重合用触媒の存在下で製造することができる。公知のオレフィン重合用触媒としては、前記ポリエチレン(A)を製造することができるものであれば、特に制限無く用いることができる。具体的には、四塩化チタンまたは三塩化チタンからなるチーグラー・ナッタ触媒、チタンをマグネシウム等の担体に担持した担体担持型固体状チタン触媒、メタロセン触媒、ポストメタロセン触媒が挙げられる。
<低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)>
前記ポリエチレン(B)は、下記要件(b−1)を満たす。また、前記ポリエチレン(B))は、下記要件(b−2)をさらに満たすことが好ましい。
要件(b−1):135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/g、好ましくは0.3〜3dl/g、より好ましくは0.5〜2.5dl/gである。
要件(b−2):密度(ASTM D1505に準拠)が915〜966kg/m3、好ましくは915〜953kg/m3、より好ましくは920〜953kg/m3である。
前記ポリエチレン(B)の代わりに、極限粘度[η]が0.1dl/g未満の低分子量ポリエチレンを用いた場合、当該低分子量ポリエチレンの分子量が低すぎて、得られる成形品の表面にブリードし、他基材へ移行する虞がある。一方、前記ポリエチレン(B)の代わりに、極限粘度[η]が5dl/gを超える高分子量ポリエチレンを用いた場合、得られるポリエチレン樹脂組成物の溶融流動性が下がるため汎用のポリエチレン射出成形機をそのまま使用できなくなる点で不具合が生じる虞がある。
密度が上記範囲にあることが、得られる樹脂組成物(E)および成形体の自己潤滑性と柔軟性において好ましい。
前記ポリエチレン(B)を使用することにより、超高分子量ポリエチレンの性質を持ち、かつ、柔軟性を合わせ持つ樹脂組成物(E)を得ることができる。
前記ポリエチレン(B)は、エチレンの単独重合体、または、エチレンとα−オレフィンの共重合体である。前記共重合体を構成するα−オレフィンとしては、炭素原子数3〜20の直鎖状または分岐状のα−オレフィンであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3-メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ペンテン、3−エチル−4−メチル−1−ペンテン、3,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘプテン、3,4−ジメチル−1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンおよび1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、プロピレンおよび1−ブテンが、得られる樹脂組成物(E)の柔軟性および成形体の自己潤滑性と柔軟性の観点から好ましく用いられる。
なお、前記ポリエチレン(B)は、エチレンを主成分として構成されるエチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましく、エチレン含量が60mol%以上であることがより好ましく、エチレン含量が80mol%以上であることがさらに好ましい。
ポリエチレン(B)は、公知のオレフィン重合用触媒の存在下で製造することができる。公知のオレフィン重合用触媒としては、前記ポリエチレン(B)を製造することができるものであれば、特に制限無く用いることができる。具体的には、四塩化チタンまたは三塩化チタンからなるチーグラー・ナッタ触媒、チタンをマグネシウム等の担体に担持した担体担持型固体状チタン触媒、メタロセン触媒、ポストメタロセン触媒が挙げられる。
<変性ポリオレフィン樹脂(D)>
前記変性ポリオレフィン樹脂(D)は、オレフィン由来の構造単位を主成分として含み、かつヘテロ原子を含む官能基(以下、単に「官能基」ともいう。)を有する構造単位を、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%の割合で含む重合体である。この割合は、たとえば国際公開第2015/011935号の[0067]〜[0071]に記載の方法で特定することができる。
前記官能基としては、たとえばカルボン酸基(無水カルボン酸基を含む)、エステル基、エーテル基、アルデヒド基およびケトン基が挙げられる。官能基を有する構造単位は、たとえばオレフィン重合体を変性反応させることで導入することができる。
前記変性ポリオレフィン樹脂(D)は、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の基を有する不飽和化合物により変性したポリオレフィン樹脂を含むことが好ましい。
前記不飽和化合物の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸およびエンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸(商標))等の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸、ならびにこれらの酸ハライド、アミド、イミド、酸無水物およびエステル等の誘導体などが挙げられる。これらの中でも、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、マレイン酸、ナジック酸およびこれらの酸無水物がより好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。無水マレイン酸は、変性前のオレフィン重合体との反応性が比較的高く、無水マレイン酸同士の重合等が生じにくく、基本構造として安定な傾向があり、このため、安定した品質の変性ポリオレフィンが得られるなどの様々な優位点がある。
変性ポリオレフィン樹脂(D)のポリオレフィン骨格部分の例としては、エチレン系重合体、プロピレン系重合体およびブテン系重合体などが挙げられる。
変性ポリオレフィン樹脂(D)の製造方法の一例として、未変性のオレフィン重合体を変性剤(たとえば、不飽和カルボン酸およびその誘導体)でグラフト変性させる方法が挙げられる。
ポリオレフィンのグラフト変性は、公知の方法で行うことができ、たとえば、ポリオレフィンを有機溶媒に溶解し、得られた溶液に不飽和カルボン酸またはその誘導体およびラジカル開始剤などを加え、好ましくは60〜350℃、より好ましくは80〜190℃の温度で、好ましくは0.5〜15時間、より好ましくは1〜10時間反応させる方法により行うことができる。
ポリオレフィンを溶解させる有機溶媒の例としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ならびにペンタン、ヘキサンおよびヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒が挙げられる。
ポリオレフィンのグラフト変性の他の方法の例としては、溶媒非存在下で、押出機などでポリオレフィンと変性剤(たとえば、不飽和カルボン酸およびその誘導体)とをラジカル開始剤を用いて反応させる方法が挙げられる。この場合、反応温度は、通常、ポリオレフィンの融点以上、たとえば100〜350℃であり、反応時間は、通常、0.5〜10分間である。
ラジカル開始剤の例としては、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンおよび1,4−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどの公知のラジカル開始剤が挙げられる。ラジカル開始剤は、変性前のポリオレフィン100質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部の割合で用いられる。
本発明の樹脂組成物(E)における変性ポリオレフィン樹脂(D)の含有量は、前記ポリエチレン(A)および(B)の合計100質量部に対して0.01〜1.5質量部、好ましくは0.05〜1.2質量部、より好ましくは0.1〜1.0質量部の範囲である。変性ポリオレフィン樹脂(D)の含有量が前記範囲内であり、かつ、後述するオルガノポリシロキサンを用いることにより、超高分子量ポリエチレン(A)の含有量が少なくても十分な自己潤滑性が得られる。
<オルガノポリシロキサン>
本発明において用いられるオルガノポリシロキサンとしては、具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フルオロポリシロキサン、テトラメチルテトラフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなど、あるいはエポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシポリエーテル変性などの変性ポリシロキサンなどが挙げられる。これらの中ではジメチルポリシロキサンが好ましく用いられる。
オルガノポリシロキサンの粘度〔JIS K 2283、25℃〕は、好ましくは10万cSt以上、より好ましくは1×105cSt〜1×108cSt、さらに好ましくは1×106cSt〜1×107cStの範囲である。
上記範囲の粘度を有するオルガノポリシロキサンは非常に粘度が高いため、ポリエチレン(B)への分散性を高めるために、オレフィン系樹脂とマスターバッチとなっていてもよい。前記オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン(A)およびポリエチレン(B)のいずれか一方または両方であってもよく、ポリエチレン(A)および(B)以外のオレフィン系樹脂であってもよい。前記ポリオレフィン系樹脂としてポリエチレン(A)および(B)の少なくとも一方を用いる場合、マスターバッチに用いられるポリエチレン(A)および(B)の使用量は、上述した各成分の配合量に含める。
また、上記粘度のオルガノポリシロキサンと、粘度〔JIS K 2283、25℃〕が10cSt〜10万cSt未満、好ましくは100cSt〜5万cStの範囲であるオルガノポリシロキサンとをあわせて用いることも好ましい。粘度が10万cSt以上のオルガノポリシロキサンに、粘度が10cSt〜10万cSt未満のオルガノポリシロキサンをあわせて用いることで、成形時に目ヤニが発生することを抑制できることがある。
本発明の樹脂組成物(E)における前記オルガノポリシロキサンの含有量は、前記ポリエチレン(A)および(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部、より好ましくは0.5〜10質量部、さらに好ましくは1〜7質量部の範囲である。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物(E)は、本発明の目的を損ねない範囲であれば、他のポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂や、樹脂用添加剤(例えば、耐熱安定剤、耐候安定剤などの安定剤、架橋剤、架橋助剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、フィラー、鉱物油系軟化剤、石油樹脂、ワックスなど)などを含有してもよい。
[積層体の製造方法]
本発明に係る積層体の製造方法は、熱硬化性樹脂および加硫剤を含む第1の層と、上述した樹脂組成物(E)を含む第2の層とを有する積層体の製造方法であって、
樹脂組成物(E)と、加硫剤を含む熱硬化性樹脂とを共押出する工程(以下「共押出工程」ともいう。)、および前記共押出工程後、得られた積層物を200〜250℃および1〜10分間の条件で加硫する工程(以下「加硫工程」ともいう。)を含むことを特徴とする。このように第1の層と第2の層は共押出により積層された後、加硫工程を経ることにより十分な効果を得ることができる。なお、第1の層と第2の層は接していることが好ましい。
前記共押出工程は、公知の方法で行うことができる。前記加硫工程は、押出された積層物を、高温水蒸気、高温空気または高温無機塩が満たされた加硫管または加硫槽の中に導入し、加硫し、冷却し、製品として引取る工程である。また、常圧加熱空気浴(HAV)での加硫、高周波加硫(UHF)、またはこれらを併用した工程を行うことができる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
前記加硫剤としては、例えば、硫黄や、アルキル系パーオキサイドやアシル系パーオキサイド等の有機過酸化物などが挙げられる。
加硫剤として硫黄等を用いた場合、第1層中の硫黄原子の含有量は、好ましくは0.2〜5質量%である。
前記第1の層は、本発明の効果を損なわない範囲で、加硫促進剤を含んでもよい。加硫促進剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。
前記第1の層の厚さは、特に限定されず、用途に応じて適宜決定することができる。また、前記第2の層の厚さは、好ましくは1〜500μm、より好ましくは10〜300μmである。
前記第2の層の表面粗さ(JIS B0601−1994に準拠)は、好ましくは0.5〜4.0μm、より好ましくは0.6〜3.5μm、さらに好ましくは0.7〜3.0μmである。前記表面粗さが前記範囲内であることにより外観に優れた積層体を得ることができる。
前記第2の層の表面をガラスに当てて、速度150mm/秒、荷重1kgおよび温度23℃の条件で、5000回までの往復摺動を行って測定された動摩擦係数の平均値は、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.38以下、さらに好ましくは0.01〜0.35である。前記動摩擦係数が前記範囲内であることにより、自己潤滑性に優れた積層体を得ることができる。
また、前記第2の層の表面をガラスに当てて、速度150mm/秒、荷重3kgおよび温度23℃の条件で、20000回までの往復摺動を行って測定された動摩擦係数(高荷重動摩擦係数)の平均値は、好ましくは0.32以下、より好ましくは0.30以下、さらに好ましくは0.01〜0.28である。前記高荷重動摩擦係数が前記範囲内であることにより、高荷重下における自己潤滑性、さらに耐摩耗性に特に優れた積層体を得ることができる。
さらに、前記高荷重摩擦係数を測定するための試験前後の断面を実体顕微鏡で観察し、試験前後の層の厚みを測定して算出した摩耗量は、好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは0.1〜30μmである。
本発明の積層体は、従来公知のポリエチレン用途に広く使用できるが、特に、自己潤滑性、衝撃強度、薄肉成形などの特性のバランスに優れているので、これらが要求される用途として、例えば、鋼管、電線、自動車スライドドアレールなどの金属の被覆(積層)、耐圧ゴムホース、自動車ドア用ガスケット、クリーンルームドア用ガスケット、自動車グラスランチャンネル、自動車ウエザストリップなどの各種ゴムの被覆(積層)、ホッパーやシュートなどのライニング、ギアー、軸受、ローラー、テープリール、各種ガイドレールやエレベーターレールガイド、各種保護ライナー材などの摺動材などに使用される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[物性の測定方法]
下記実施例および比較例で得られた各種ポリマーおよび樹脂組成物の各物性は、以下の方法にて求めた。
(1)極限粘度[η]
135℃、デカリン溶媒中で測定した。
(2)密度
ASTM D1505に準拠して測定した。
(3)引張試験
ASTM D638に準拠して、試験片形状をASTM 4号及び引張速度を50mm/minとし、引張弾性応力(YM:MPa)を求めた。
(4)ショアD硬度
プレス成形によって、2mm厚みのプレス板を作製した。
ASTM D2240に準拠して、デュロメータ硬度計を使用して23℃で、作製した2mm厚みのプレス板を4枚重ねて測定した(5秒後)。
(5)動摩擦係数
後述の方法で得られた二層積層体(長さ20cm、幅5mm、厚み2mm)における樹脂組成物(E)層側の表面をガラスに当てて、5000回までの往復摺動を行い、1回往復から5000回往復までの動摩擦係数を測定し、平均値を算出した。試験条件は速度:150mm/秒、荷重:1kg、測定環境温度:23℃とした。
(6)高荷重、20000回までの動摩擦係数
後述の方法で得られた二層積層体(長さ20cm、幅5mm、厚み2mm)における樹脂組成物(E)層側の表面をガラスに当てて、20000回までの往復摺動を行い、1回往復から20000回往復までの動摩擦係数を測定し、平均値を算出した。試験条件は速度:150mm/秒、荷重:3kg、測定環境温度:23℃とした。
(7)高荷重、20000回までの摩耗量
後述の方法で得られた二層積層体(長さ20cm、幅5mm、厚み2mm)における樹脂組成物(E)層側の表面をガラスに当てて、20000回までの往復摺動を行い、1回往復から20000回往復までの往復摺動試験を実施した後に、実体顕微鏡(株式会社 島津理化製、STZ−171−TLED)による断面観察により試験前後の層の厚みを測定し、摩耗量を算出した。試験条件は速度:150mm/秒、荷重:3kg、測定環境温度:23℃とした。
(8)表面粗さ
後述の方法で得られた二層積層体(長さ20cm、幅5mm、厚み2mm)における樹脂組成物(E)層側の表面粗さを、表面粗さ測定機(ミツトヨ製サーフテストSV−3200S4)を用いて、JIS B0601−1994に準拠して、評価長さ:4mm、測定速度:0.5mm/secで測定した。
[製造例]
<触媒調製>
充分に窒素置換された10Lの撹拌機付反応器に4.0Lの精製ヘキサンおよび95gの無水塩化マグネシウムを加え、撹拌下に室温で350mlのエタノールを2時間かけて滴下した後、約1時間室温で混合した。次いで330mlのジエチルアルミニウムクロライドを2時間かけて滴下した後、約1時間室温で混合した。次いで1.3Lの四塩化チタンを1時間かけて滴下した後、80℃で1時間の反応を行なった。
反応終了後、フイルターを用いて固体部を分離し、この固体部を、精製ヘキサンを使い2回洗浄することにより固体状チタン触媒成分を得た。該チタン触媒成分中のチタン含有量は6.8質量%、マグネシウム含有量は15質量%、塩素含有量は60質量%であった。またこの固体触媒成分を390倍の光学顕微鏡で観察したところ、約1μm前後の微粒子固体が幾重にも凝集した凝集体であることが観測された。
<超高分子量ポリエチレン樹脂(A1)の製造>
充分に窒素置換された24Lのオートクレーブに12Lの精製n−デカンを添加した後、50℃に昇温し、同温度で12mmolのトリエチルアルミニウムおよび上記固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.12mmol添加した。次いで触媒装入口を閉じ、オートクレーブの内圧が3.1kg/cm2・Gになるようにエチレンを導入して重合を行なった。重合温度は45〜46℃に維持した。エチレンを導入してから45分後に降温し、固体状白色ポリマーを分離して乾燥した。得られた超高分子量ポリエチレン(A1)の極限粘度は28.1dl/gであった。
<ポリエチレン樹脂(B1)の製造>
充分に窒素置換された24Lのオートクレーブに12Lの精製n−デカンを添加した後、80℃に昇温し、同温度で12mmolのトリエチルアルミニウムおよび上記固体状チタン触媒成分をチタン原子換算で0.12mmol添加した。次いで触媒装入口を閉じ、水素を5.0kg/cm2・G導入し、更にエチレンを2.57kg/cm2、プロピレンを0.43kg/cm2導入して全圧を8.0kg/cm2・Gにした。重合時間は490分とした。重合終了後、降温し、固体状白色ポリマーを分離して乾燥した。得られたポリエチレン樹脂(B1)の極限粘度は1.28dl/g、密度は930kg/m3であった。
<変性ポリオレフィン樹脂(D1)の製造>
ポリプロピレン(プライムポリマー製J106G)100質量部、無水マレイン酸4.0質量部、および有機過酸化物[日本油脂(株)製、商品名パーヘキシン−25B]0.35質量部をヘキシェルミキサーで混合し、得られた混合物を270℃に設定した100mmφの二軸押出機で、混練時間1分30秒程で溶融グラフト変性することによって、変性ポリオレフィン樹脂(D1)を得た。この変性ポリオレフィン樹脂(D1)の無水マレイン酸グラフト量をIR分析で測定したところ、3.0質量%であった。
[実施例1]
<樹脂組成物(E1)の製造>
(第1工程)
上記で得られたポリエチレン樹脂(B1)と、上記で得られた変性ポリオレフィン樹脂(D1)と、オルガノポリシロキサンとして東レダウコーニング社製の超高分子量シリコーンポリマーマスターバッチ(製品名:BY27−001、ベース樹脂:ポリプロピレン、オルガノポリシロキサン含有量:50質量%、オルガノポリシロキサンの粘度:1×105cSt以上)とを表1に示す量でドライブレンドした後、2軸押出機(テクノベル社製、φ=15mm、L/D=30、シリンダ温度:230℃)を用いて溶融混練を行って溶融混錬物(e1−1)を得た。
(第2工程)
上記で得られた超高分子量ポリエチレン(A)と上記で得られたポリエチレン樹脂(B)を表1に示す量でドライブレンドした後、2軸押出機(テクノベル社製、φ=15mm、L/D=30、シリンダ温度:230℃)を用いて溶融混練を行って溶融混錬物(e1−2)を得た。
(第3工程)
上記の第1工程で得られた溶融混錬物(e1−1)と、上記の第2工程で得られた溶融混錬物(e1−2)とをドライブレンドした後、2軸押出機(テクノベル社製、φ=15mm、L/D=30、シリンダ温度:230℃)を用いて溶融混練を行って樹脂組成物(E1)を得た。得られた樹脂組成物(E1)の各物性を測定した結果を表1に示す。
<二層積層体の製造>
上記で得られた樹脂組成物(E1)と、熱硬化性加硫物を含んでいるEPDMとを二層押出成形することにより、長さ20cm、幅5mm、厚み2mmの試験片を作製し、これを230℃、5分間の条件で加硫することで二層積層体を得た。トータル厚みは2mmで、EPDM層が1.9mm、樹脂組成物(E1)層が0.1mmであった。得られた二層積層体における樹脂組成物(E1)層側の表面について、表面粗さ、動摩擦係数、高荷重試験による動摩擦係数、および高荷重試験による摩耗量を測定した。結果を表1に示す。
[参考例1]
第1工程として、超高分子量ポリエチレン(A1)、ポリエチレン樹脂(B1)、変性ポリオレフィン樹脂(D1)、およびオルガノポリシロキサンとして東レダウコーニング社製の超高分子量シリコーンポリマーマスターバッチ(製品名:BY27−001、ベース樹脂:ポリプロピレン、オルガノポリシロキサン含有量:50質量%、オルガノポリシロキサンの粘度:1×105cSt以上)を表1に示す量でドライブレンドした後、2軸押出機(テクノベル社製、φ=15mm、L/D=30、シリンダ温度:230℃)を用いて溶融混練を行い、第2工程および第3工程は行わずに、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして二層積層体を製造した。得られた樹脂組成物および二層積層体について、各物性を測定した。結果を表1に示す。
[実施例2〜3および参考例2〜4]
第1工程および第2工程において、表1に示す組成となるように各成分をドライブレンドして溶融混錬して溶融混錬物を得たこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物および二層積層体を製造した。得られた樹脂組成物および二層積層体について、各物性を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021147414

Claims (6)

  1. 下記要件(a−1)を満たす超高分子量ポリエチレン(A)、下記要件(b−1)を満たす低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)、変性ポリオレフィン樹脂(D)およびオルガノポリシロキサンを含有する樹脂組成物(E)の製造方法であって、
    前記樹脂組成物(E)に含まれる前記ポリエチレン(A)および前記ポリエチレン(B)の合計を100質量部とした場合、
    前記ポリエチレン(B)70〜90質量部と、前記変性ポリオレフィン樹脂(D)0.01〜1.5質量部と、前記オルガノポリシロキサンとを溶融混錬して溶融混錬物(1)を得る第1の工程、
    超高分子量ポリエチレン(A)0.1〜5質量部と、低分子量ないし高分子量ポリエチレン(B)5〜29.9質量部とを溶融混錬して溶融混錬物(2)を得る第2の工程、および
    前記溶融混錬物(1)と前記溶融混錬物(2)とを溶融混錬する第3の工程
    を含む、樹脂組成物(E)の製造方法:
    (a−1)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が10〜40dl/gである;
    (b−1)135℃のデカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が0.1〜5dl/gである。
  2. 前記変性ポリオレフィン樹脂(D)が、カルボキシル基および酸無水物基から選ばれる少なくとも1種の基を有する不飽和化合物により変性したポリオレフィン樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物(E)の製造方法。
  3. 前記オルガノポリシロキサンの含有量が、前記ポリエチレン(A)および前記ポリエチレン(B)の合計100質量部に対して0.1〜20質量部である、請求項1または2に記載の樹脂組成物(E)の製造方法。
  4. 熱硬化性樹脂および加硫剤を含む第1の層と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法で得られた樹脂組成物(E)を含む第2の層とを有する積層体の製造方法であって、
    樹脂組成物(E)と、加硫剤を含む熱硬化性樹脂とを共押出する工程、および
    前記共押出工程後、200〜250℃および1〜10分間の条件で加硫する工程
    を含む、積層体の製造方法。
  5. 前記第2の層の表面をガラスに当てて、速度150mm/秒、荷重3kgおよび温度23℃の条件で、20000回までの往復摺動を行って測定された動摩擦係数の平均値が0.32以下である、請求項4に記載の積層体の製造方法。
  6. JIS B0601−1994に準拠して測定された、前記第2の層の表面粗さが0.5〜4.0μmである、請求項4または5に記載の積層体の製造方法。
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