JP2021146819A - リトラクタ及びシートベルト装置 - Google Patents

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【課題】ベースフレームとスプールのフランジとの接触を抑制することができる、リトラクタ及びシートベルト装置を提供する。【解決手段】リトラクタ1は、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、スプール2を回転可能に収容するベースフレーム3と、を備えている。スプール2は、第一端部21及び第二端部の内側に形成されたフランジ部22を備えている。ベースフレーム3の第一側壁部31には、スプール2の第一端部21を挿通する開口部31aが形成されており、開口部31aは、円弧部31bと拡張部31cを備えている。ストッパー43fは、円弧部31bの延長線である仮想内径31dと正常時におけるスプール2のフランジ部22の外径の位置を示す仮想外径22aとにより挟まれた領域に配置されている。【選択図】図3

Description

本発明は、リトラクタ及びシートベルト装置に関し、特に、ウェビングの引き出し時におけるスプールの傾きを抑制可能なリトラクタ及びシートベルト装置に関する。
自動車等の車両には、一般に、乗員が着座する腰掛部と乗員の背面に位置する背もたれ部とを備えたシートに乗員を拘束するシートベルト装置が設けられている。かかるシートベルト装置は、乗員を拘束するウェビングと、ウェビングの巻き取りを行うリトラクタと、シートの側面に配置されたバックルと、ウェビングに配置されたトングとを含み、トングをバックルに嵌着させることによってウェビングにより乗員をシートに拘束している。
また、リトラクタは、ウェビングの巻き取りを行うスプールと、リトラクタの骨格を形成するベースフレームとを備え、スプールはベースフレーム内に回転可能に収容されている。ベースフレームの左右両側の側壁部には、スプールを挿通する貫通孔が形成されており、スプールの側壁部内側には抜け止め用のフランジ部が形成されている。また、ベースフレームの左右何れか一方の側壁部に形成された貫通孔は、製品組立上の都合から、スプール挿通部の径よりも大きな拡大部が形成されていることが多い(特許文献1参照)。
特許文献1に記載された発明は、ウェビングがスプールのフランジ部に乗り上げた場合には、ウェビングがベースフレームの貫通孔に噛み込まれてしまい、ウェビングの引き出し及び巻き込み動作が阻害されてしまうという問題点を解決するために創案されたものである。
また、特許文献1に記載された発明は、スプールに巻き取り方向に力を付勢する渦巻バネをケース内に封じるためのスプリングシートを備え、スプリングシートには、ベースフレームの拡大部に挿入される補強リブが放射状に形成されている。かかる構成により、ウェビングの巻き取り時や引き出し時に、ウェビングが幅方向に振れても、ウェビングの側縁部は、拡大部の各補強リブの内面(位置決め部)に当接するため、ウェビングの側縁部と拡大部の周縁部との干渉を防止することができる。
特開2012−250688号公報
ところで、近年のリトラクタでは、車両衝突時等の緊急時には、プリテンショナによってウェビングを巻き取って乗員をシートに拘束し、かつ、ウェビングが引き出されないようにスプールの回転をロック機構によって拘束している。また、近年のリトラクタは、慣性力によって乗員の上体が前方に移動した際、乗員にかかる負荷が大きいことから、ウェビングに所定の荷重が生じた際にはウェビングを引き出して乗員の負荷を軽減するためのエネルギー吸収機構を備えていることも多い。
かかるエネルギー吸収時には、通常のウェビングの引き出し及び巻き取り動作よりも大きな荷重がスプールに負荷されることから、スプールが回転軸に対して傾きやすい状態にある。特に、ベースフレームの貫通部に拡大部が形成されている場合には、この拡大部にスプールが落ち込んでしまう。また、特許文献1に記載されたように、拡大部に補強リブが挿入されていた場合であっても、貫通孔における拡大部の境界部にスプールのフランジ部が接触してしまう可能性がある。
本発明はかかる問題点に鑑み創案されたものであり、ベースフレームとスプールのフランジ部との接触を抑制することができる、リトラクタ及びシートベルト装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールと、該スプールを回転可能に収容するベースフレームと、を含み、前記ベースフレームは、前記スプールの端部を挿通する開口部を備え、該開口部は、前記端部に沿って形成された円弧部と、該円弧部よりも大きく形成された拡張部と、を備え、前記スプールは、前記開口部よりも内側に形成されたフランジ部を備えた、リトラクタにおいて、前記ウェビングの引き出し時に前記円弧部と前記拡張部との境界部に、前記ベースフレームと前記フランジ部との接触を抑制するストッパーを配置した、ことを特徴とするリトラクタが提供される。
前記ストッパーは、少なくとも前記拡張部の前記ウェビングの引き出し方向下流側の部分に挿入され、前記円弧部の延長線である仮想内径と正常時における前記フランジ部の外径の位置を示す仮想外径とにより挟まれた領域に配置されていてもよい。
前記ストッパーは、少なくとも前記ベースフレームの内面の位置まで挿入可能に構成されていてもよい。
前記ストッパーは、前記スプールを巻き取り方向に付勢するスプリングを収容するケーシングに形成されていてもよい。
前記拡張部には、前記仮想外径と前記拡張部の外縁とにより挟まれた領域に配置されるスペーサが挿入されていてもよい。
前記ストッパーは、前記ベースフレームの内面から前記スペーサの挿入位置までの範囲に挿入されるように構成されていてもよい。
前記スペーサは、前記スプールを巻き取り方向に付勢するスプリングを収容するケーシングに形成されていてもよい。
また、本発明によれば、上述した構成のリトラクタを備えることを特徴とするシートベルト装置が提供される。
上述した本発明に係るリトラクタ及びシートベルト装置によれば、開口部を形成する拡張部のウェビングの引き出し方向下流側の部分にストッパーを挿入したことにより、スプールに大きな荷重が負荷され傾こうとした場合であっても、スプールのフランジ部の移動をストッパーで規制することができ、ベースフレームとスプールのフランジ部との接触を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。 図1に示したリトラクタに関する別の図であり、(A)はスプリングユニット装着前の状態を示す斜視図、(B)はベースフレームの側面図、である。 スプリングユニットを示す図であり、(A)は内面図、(B)は縦断面図、(C)は変形例を示す縦断面図、である。 ベースフレームにスプリングユニットを装着した状態を示す斜視図である。 ストッパーの作用を示すリトラクタの部分断面図であり、(A)は通常状態、(B)はスプールが傾いた状態、(C)は比較例のスプールが傾いた状態、を示している。 ストッパー及びスペーサの実施形態を示す概念図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、(C)は第三例、(D)は第四例、を示している。 本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図7を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の一実施形態に係るリトラクタを示す部品展開図である。図2は、図1に示したリトラクタに関する別の図であり、(A)はスプリングユニット装着前の状態を示す斜視図、(B)はベースフレームの側面図、である。図3は、スプリングユニットを示す図であり、(A)は内面図、(B)は縦断面図、(C)は変形例を示す縦断面図、である。図4は、ベースフレームにスプリングユニットを装着した状態を示す斜視図である。
本発明の一実施形態に係るリトラクタ1は、例えば、図1に示したように、乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプール2と、スプール2を回転可能に収容するベースフレーム3と、スプール2を巻き取り方向に付勢するスプリング41を含むスプリングユニット4と、緊急時にウェビングを巻き取って弛みを除去するプリテンショナ5と、緊急時にスプール2のウェビング引き出し方向の回転を規制するロック機構6と、を備えている。なお、図1において、ウェビングの図は省略してある。
スプール2は、ウェビングを巻き取る巻胴である。スプール2は、ベースフレーム3に形成された開口部31aに挿通される第一端部21と、ベースフレーム3に形成された第一開口部32aに挿通される第二端部と、を有している。また、第一端部21及び第二端部の内側にはそれぞれフランジ部22が形成されている。なお、図1において、第二端部は、フランジ22の陰に隠れているため符号を付していない。
フランジ部22は、スプール2をベースフレーム3に収容した状態でベースフレーム3の内側に位置するように形成される。かかるフランジ部22は、ウェビングの幅方向の移動を規制するとともに、スプール2の抜け止めとして機能する部分である。また、第一端部21の外周には、ベースフレーム3との間に配置されるベアリング23が配置される。
スプール2は、中心部に空洞を有し、軸心を形成するトーションバー24が挿通されている。トーションバー24は、第一端部24aがスプール2の軸心を貫通し、スプリングユニット4のスプリングコア42に接続されている。なお、トーションバー24の第一端部24aには、スプール2とスプリングユニット4との間に配置されるプッシュナット25が挿通されていてもよい。
また、トーションバー24は、第一端部24aの内側に形成された係合部24cを有し、係合部24cはスプール2の空洞内で固定される。また、トーションバーの第一端部24aと反対側の第二端部24bは、ロック機構6の一部(ロッキングベース61)に固定されており、スプール2には固定されていない。
通常時(車両衝突時等の緊急時以外の時)は、ロック機構6は作動しておらず、スプール2の回転はロック機構6によって阻害されないように構成されている。したがって、スプール2は、通常時は、スプリングユニット4に格納されたスプリング41によってウェビングの巻き取り方向に付勢された状態で、ウェビングの引き出し方向及び巻き取り方向に回転可能に構成されている。
トーションバー24は、回転方向に所定のトルクが負荷されると捻れるように形成されている。トルク荷重は、ロック機構6が作動した状態で慣性力によって乗員の上体が前方に移動する際にウェビングに負荷される荷重を緩和するように設定される。すなわち、トーションバー24は、ウェビングに所定の荷重が生じた際にウェビングを引き出して乗員の負荷を軽減するためのエネルギー吸収機構を構成している。
なお、エネルギー吸収機構は、トーションバー24に限定されるものではなく、スプール2のシャフトとワイヤ状又はプレート状の塑性変形部材との組み合わせによって構成されていてもよい。
ベースフレーム3は、例えば、角型U字形状の断面を有する部品であり、対峙する第一側壁部31及び第二側壁部32と、これらの側壁部を連結する連結部33と、を有している。ベースフレーム3は、連結部33と対峙し第一側壁部31及び第二側壁部32に接続されるタイプレート34を備えていてもよい。
例えば、図1に示したように、第一側壁部31側にスプリングユニット4が配置され、第二側壁部32側にプリテンショナ5及びロック機構6が配置される。なお、スプリングユニット4、プリテンショナ5、ロック機構6等の配置は、図示した構成に限定されるものではない。
第一側壁部31には、スプール2の第一端部21を挿通する開口部31aが形成されている。開口部31aは、図2(B)に示したように、第一端部21に沿って形成された円弧部31bと、円弧部31bよりも大きく形成された拡張部31cと、を備えている。図中の一点鎖線で示した円弧は、円弧部31bの延長線である仮想内径31dを示している。仮想内径31dは、円弧部31bと同一中心・同一径を有する円の一部である。
拡張部31cは、この仮想内径31dよりも外側に広がる空間を形成するように構成されている。本実施形態では、拡張部31cは、円弧部31bよりも大きな径を有する円を円弧部31bと偏心させた形状に形成しているが、かかる形状に限定されるものではない。拡張部31cは、多角形状であってもよいし、円弧以外の湾曲形状であってもよいし、多角形状と湾曲形状の組み合わせであってもよい。
第二側壁部32には、図4に示したように、ロック機構6のパウル(図示せず)と係合可能な内歯を有する第一開口部32aと、車体の急減速や傾きを検出するビークルセンサ7(図1参照)を係止する第二開口部32bと、が形成されている。本実施形態では、第二側壁部32の内側にプリテンショナ5が配置され、第二側壁部32の外側にロック機構6が配置されている。なお、プリテンショナ5は、第二側壁部32の外側に配置されていてもよい。
スプリングユニット4は、例えば、図1,図3(A)及び図3(B)に示したように、スプール2に巻き取り力を付勢するスプリング41と、スプール2とスプリング41を接続するスプリングコア42と、スプリング41を収容するケーシング43と、これらの部品を覆うカバー44と、を備えている。なお、図3(B)では、スプリング41の図を省略してある。
スプリング41は、例えば、ゼンマイバネである。スプリング41の内側の端部はスプリングコア42に固定され、スプリング41の外側の端部はケーシング43に固定される。スプリングコア42は、トーションバー24の第一端部24aに固定されており、トーションバー24は係合部24cでスプール2に係止されている。したがって、スプール2はトーションバー24を介してスプリングコア42に接続されている。
ケーシング43は、図1に示したように、カバー44の内面に沿って形成された周壁部43aと、スプリング41及びスプリングコア42の位置決めを行う仕切部43bと、スプリング41の外側の端部を係止する係止部43cと、を備えている。周壁部43aは、図3(B)に示したように、カバー44の内面に密着するように形成されており、カバー44の内部に収容可能な幅に形成されている。
仕切部43bは、周壁部43aの中間部に形成された仕切り板であり、略円板形状を有している。仕切部43bの中心部にはスプリングコア42を軸支する開口部43dが形成されている。
また、仕切部43bの表面(開放側の面)には、図3(A)及び図3(B)に示したように、開口部31aの円弧部31bに沿って配置される補強リブ43eと、円弧部31bの延長線である仮想内径31dと正常時におけるスプール2のフランジ部22の外径の位置を示す仮想外径22aとにより挟まれた領域に配置されるストッパー43fと、仮想外径22aと拡張部31cの外縁とにより挟まれた領域に配置されるスペーサ43gと、が形成されている。なお、図3(A)において、説明の便宜上、仮想内径31dを示す円を一点鎖線で示し、仮想外径22aを示す円を点線で示してある。また、本実施形態において、「正常時」とは、スプール2の軸心が水平に保持された状態を意味する。
補強リブ43eは、ケーシング43の強度を補強する部分であり、必要に応じて、径方向に延びるリブと一体に形成されていてもよい。また、周壁部43aとスペーサ43gとの隙間に略径方向に延びるリブを配置してもよい。
ストッパー43fは、スペーサ43gの内側に段違いに形成された肉盛部である。ストッパー43fは、例えば、仮想内径31dに沿って形成された円弧形状のリブと、略径方向に延びるリブとにより構成された略格子形状を有している。なお、ストッパー43fは、略格子形状に限定されるものではなく、中実形状であってもよい。
また、ストッパー43fは、図3(B)に示したように、少なくともベースフレーム3(第一側壁部31)の内面の位置まで挿入可能に構成されている。この位置までストッパー43fを形成することにより、スプール2のフランジ部22が開口部31aに侵入することを効果的に抑制することができ、フランジ部22をベースフレーム3に衝突させないようにすることができる。なお、図3(B)において、説明の便宜上、ベースフレーム3(第一側壁部31)を一点鎖線で示してある。
スペーサ43gは、図3(A)に示したように、例えば、略三日月形状のリブと略径方向に延びるリブとにより構成された略格子形状を有している。なお、スペーサ43gは、略格子形状に限定されるものではなく、中実形状であってもよい。
また、スペーサ43gは、図3(B)に示したように、例えば、ベースフレーム3(第一側壁部31)の内面を超えた位置まで挿入可能に構成されている。なお、スペーサ43gは、ウェビングの噛み込みを防止する機能を有していることから、少なくともベースフレーム3(第一側壁部31)の内面の位置まで挿入されていればよい。
また、図3(C)の変形例に示したように、ストッパー43fは、スペーサ43gと同じ高さとなるように、ベースフレーム3(第一側壁部31)の内面を超えた位置まで挿入可能に構成されていてもよい。すなわち、ストッパー43fは、ベースフレーム3(第一側壁部31)の内面からスペーサ43gの挿入位置までの範囲に挿入されるように構成されていればよい。
本実施形態では、ストッパー43f及びスペーサ43gをケーシング43と一体に形成しているが、ストッパー43f及びスペーサ43gをケーシング43と別部品として構成し、ストッパー43f及びスペーサ43gをケーシング43に組み付けるようにしてもよい。このとき、ストッパー43f及びスペーサ43gを一体に形成し、ケーシング43と別部品に構成してもよい。また、ストッパー43f、スペーサ43g及びケーシング43をそれぞれ別部品により構成してもよい。
カバー44は、ベースフレーム3(第一側壁部31)の開口部31aを覆うことができる外形を有する蓋部材である。カバー44の内面には、図3(B)に示したように、スプリングコア42を回転可能に支持する突起44aが形成されている。なお、カバー44は、リベット等の留め金具によりベースフレーム3(第一側壁部31)に固定される。
図2(A)に示したように、スプール2をベースフレーム3に組み付け、スプリングユニット4を組み付ける前の状態では、ベースフレーム3(第一側壁部31)に形成された開口部31aとスプール2との間には、拡張部31cの部分に隙間Gが形成される。図4に示したように、この空隙には、スプリングユニット4をベースフレーム3(第一側壁部31)に装着することによって、ストッパー43f及びスペーサ43gが挿入される。なお、図4では、説明の便宜上、ベースフレーム3及びスプリングユニット4以外の部品を省略してある。
プリテンショナ5は、例えば、スプール2に接続されたリングギア(図示せず)と、緊急時にリングギアに動力を伝達する動力伝達装置51と、リングギアを格納するプリテンショナカバー52と、を備えている。リングギアは、外周に係合歯を備えた駆動輪であり、ロック機構6の一部品であるロッキングベース61に固定されている。ロッキングベース61には、トーションバー24が固定されていることから、リングギアは、ロッキングベース61及びトーションバー24を介してスプール2に接続されている。
動力伝達装置51は、例えば、リングギアに動力を伝達する動力伝達部材(図示せず)と、動力伝達部材をリングギアに案内する筒形状の案内部材51aと、案内部材51aの内部に作動ガスを供給するガス発生器51bと、を備えている。プリテンショナカバー52は、例えば、ベースフレーム3の第二側壁部32の内側に固定される。
動力伝達部材は、金属製のボールであってもよいし、樹脂製のロッドであってもよい。案内部材51aは、例えば、第一側壁部31の上部からタイプレート34及び第二側壁部32の上部を通り、第二側壁部32と連結部33との隅部に挿入されるように湾曲した形状に構成されたパイプである。ガス発生器51bは、案内部材51aの末端に配置されており、ECU(電子制御装置)の信号により作動する。
車両衝突時等の緊急時には、ガス発生器51bから作動ガスが放出され、この作動ガスによって動力伝達部材が案内部材51aから放出され、動力伝達部材の移動によってリングギアがウェビングの巻き取り方向に回転される。かかるプリテンショナ5の動作により、リングギアに連結されたスプール2が回転し、ウェビングが巻き取られ、乗員はシートに拘束される。
なお、プリテンショナ5は、上述した構成に限定されるものではなく、公知のプリテンショナを任意に選択して使用することができる。また、プリテンショナ5の構成は既に公知であることから、これ以上の詳細な説明を省略する。
ロック機構6は、トーションバー24に連結されたロッキングベース61と、ロッキングベース61に隣接するように配置されたロックギア(図示せず)と、これらの部品を覆うリテーナカバー62と、を備えている。ロッキングベース61には、第二側壁部32の第一開口部32aの内歯に係合可能なパウル(図示せず)を備えている。また、ロックギアは、揺動可能に配置されたフライホイール(図示せず)を備えている。
そして、ウェビングが通常の引き出し速度よりも早い場合には、フライホイールが揺動してリテーナカバー62に立設された壁部材に形成された内歯に係合する。また、ビークルセンサ7が作動した場合には、そのセンサレバーがロックギアの外周面に形成された外歯に係合する。このように、ロックギアは、フライホイール又はビークルセンサ7の作動により回転が規制される。
ロックギアの回転が規制されると、ロッキングベース61とロックギアとの間に相対回転が生じ、この相対回転に伴ってパウルがロッキングベース61の側面部から突出され、ベースフレーム3の第二側壁部32に係合する。そして、パウルがベースフレーム3(第二側壁部32)に係合すると、スプール2のウェビングの引き出し方向の回転が規制される。
なお、ロック機構6は、上述した構成に限定されるものではなく、公知のロック機構を任意に選択して使用することができる。また、ロック機構6の構成は既に公知であることから、これ以上の詳細な説明を省略する。
ここで、上述したストッパー43fの作用について、図5(A)〜図5(C)を参照しつつ説明する。図5は、ストッパーの作用を示すリトラクタの部分断面図であり、(A)は通常状態、(B)はスプールが傾いた状態、(C)は比較例のスプールが傾いた状態、を示している。
図5(A)は、プリテンショナ5やロック機構6が作動していない通常状態を示しており、スプール2の軸心Lは水平に保持されている。ロック機構6が作動した状態でウェビングが引き出された場合、図5(B)に矢印に示した方向に大きな荷重Fが作用する。
このとき、スプール2はウェビングによって荷重Fの方向に引っ張られることから、図5(B)に示したように、図の左斜め上に向かって傾くことになる。そして、スプール2のフランジ部22がストッパー43fに接触し、それ以上の傾きが抑制される。その結果、フランジ部22がベースフレーム3の第一側壁部31の開口部31aに侵入することがなく、スプール2がウェビングの引き出し方向に回転した場合であっても、フランジ部22と開口部31aとの接触を抑制することができる。
図5(C)は、本実施形態のストッパー43fを省略した比較例である。図示したように、ストッパー43fがない場合には、スプール2は、スプリングユニット4を構成するケーシング43の仕切部43bに接触するまで傾くこととなる。図5(B)及び図5(C)に示したスプール2の軸心Lの傾きを比較すれば、ストッパー43fを有する本実施形態の方が明らかにスプール2の傾きを小さくすることができる。なお、図5(B)及び図5(C)において、説明の便宜上、通常状態の軸心を細い一点鎖線で示し、傾いた状態の軸心を太い一点鎖線で示してある。
また、図5(C)に示した比較例では、スプール2のフランジ部22が開口部31a(拡張部31c)に侵入していることから、この状態でウェビングが引き出されてスプール2が回転すると、フランジ部22が開口部31aの円弧部31bと拡張部31cの境界部でベースフレーム3に接触することとなる。
次に、ストッパー43fを配置する範囲について、図6(A)〜図6(D)を参照しつつ説明する。図6は、ストッパー及びスペーサの実施形態を示す概念図であり、(A)は第一例、(B)は第二例、(C)は第三例、(D)は第四例、を示している。なお、各図において、説明の便宜上、ストッパー43fを薄い灰色で図示し、スペーサ43gを濃い灰色で図示してある。
各図に示したように、ベースフレーム3を構成する第一側壁部31には開口部31aが形成されている。開口部31aは、上述したように、円弧部31bと拡張部31cを備えている。スプール2の回転中心Oに対して、ウェビングの引き出し方向Rpは図中の矢印で示したように反時計回りであるものとする。
いま、引き出し方向Rpの上流側における円弧部31bと拡張部31cとの境界点をPsとし、引き出し方向Rpの下流側における円弧部31bと拡張部31cとの境界点をPeとする。また、円弧部31bの延長線である仮想内径31dを一点鎖線で図示し、正常時におけるスプール2のフランジ部22の外径の位置を示す仮想外径22aを点線で図示してある。
図6(A)に示した第一例は、仮想内径31dと仮想外径22aとにより挟まれた領域の全域に渡ってストッパー43fを配置し、スペーサ43gを省略したものである。このように、スペーサ43gは、必要に応じて省略することができる。
図6(B)に示した第二例は、第一例に示した構成に加えて、仮想外径22aと拡張部31cとにより挟まれた領域の全域に渡ってスペーサ43gを配置したものである。この第二例は、図3(A)〜図3(C)に示した実施形態と同じものである。
ところで、上述したストッパー43fは、ウェビングの引き出し時に円弧部31bと拡張部31cとの境界部に対するフランジ部22の衝突を抑制するように配置されたものである。したがって、スプール2がウェビングの引き出し方向Rpに回転する場合、衝突を避けるべき境界部は、引き出し方向Rpの下流側における境界点Peの部分である。
すなわち、ストッパー43fは、図6(A)に示した第一例や図6(B)に示した第二例のように、必ずしも仮想内径31dと仮想外径22aとにより挟まれた領域の全域に渡って配置する必要はない。
例えば、図6(C)に示した第三例のように、ストッパー43fは、少なくとも拡張部31cのウェビングの引き出し方向Rpの下流側の部分に配置されていればよい。図示した第三例では、仮想内径31dと仮想外径22aとにより挟まれた領域の境界点Peから位相θが45°の範囲に渡ってストッパー43fを配置している。なお、ストッパー43fを配置する範囲の位相θは、45°に限定されるものではない。
図6(D)に示した第四例は、第一例に示した構成に加えて、仮想外径22aと拡張部31cとにより挟まれた領域の全域に渡ってスペーサ43gを配置したものである。このように、部分的に配置したストッパー43fとスペーサ43gとを組み合わせて使用することもできる。
次に、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置について、図7を参照しつつ説明する。ここで、図7は、本発明の一実施形態に係るシートベルト装置を示す全体構成図である。なお、図7において、説明の便宜上、シートベルト装置以外の構成部品については、一点鎖線で図示している。
図7に示した本実施形態に係るシートベルト装置100は、乗員を拘束するウェビングWと、ウェビングWの巻き取りを行うリトラクタ1と、車体側に設けられウェビングWを案内するガイドアンカー101と、ウェビングWを車体側に固定するベルトアンカー102と、シートSの側面に配置されたバックル103と、ウェビングWに配置されたトング104と、を備え、リトラクタ1は、例えば、図1に示した構成を有している。
以下、リトラクタ1以外の構成部品について、簡単に説明する。シートSは、例えば、乗員が着座する腰掛部S1と、乗員の背面に位置する背もたれ部S2と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト部S3とを備えている。リトラクタ1は、例えば、車体のBピラーBに内蔵される。また、一般に、バックル103は腰掛部S1の側面に配置されることが多く、ベルトアンカー102は腰掛部S1の下面に配置されることが多い。また、ガイドアンカー101は、BピラーBに配置されることが多い。そして、ウェビングWは、一端がベルトアンカー102に接続され、他端がガイドアンカー101を介してリトラクタ1に接続されている。
したがって、トング104をバックル103に嵌着させる場合、ウェビングWはガイドアンカー101の挿通孔を摺動しながらリトラクタ1から引き出されることとなる。また、乗員がシートベルトを装着した場合や降車時にシートベルトを解除した場合には、リトラクタ1のスプリングユニット4の作用により、ウェビングWは一定の負荷がかかるまで巻き取られる。
上述したシートベルト装置100は、前部座席における通常のシートベルト装置に、上述した実施形態に係るリトラクタ1を適用したものである。したがって、本実施形態に係るシートベルト装置100によれば、開口部31aを形成する拡張部31cのウェビングWの引き出し方向下流側の部分にストッパー43fを挿入したことにより、スプール2に大きな荷重が負荷され傾こうとした場合であっても、スプール2のフランジ部22の移動をストッパー43fで規制することができ、ベースフレーム3とフランジ部22との接触を抑制することができる。
なお、本実施形態に係るシートベルト装置100は、前部座席への適用に限定されるものではなく、例えば、ガイドアンカー101を省略して後部座席にも容易に適用することができる。また、本実施形態に係るシートベルト装置100は、車両以外の乗物にも使用することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 リトラクタ
2 スプール
3 ベースフレーム
4 スプリングユニット
5 プリテンショナ
6 ロック機構
7 ビークルセンサ
21 第一端部
22 フランジ部
22a 仮想外径
23 ベアリング
24 トーションバー
24a 第一端部
24b 第二端部
24c 係合部
25 プッシュナット
31 第一側壁部
31a 開口部
31b 円弧部
31c 拡張部
31d 仮想内径
32 第二側壁部
32a 第一開口部
32b 第二開口部
33 連結部
34 タイプレート
41 スプリング
42 スプリングコア
43 ケーシング
43a 周壁部
43b 仕切部
43c 係止部
43d 開口部
43e 補強リブ
43f ストッパー
43g スペーサ
44 カバー
44a 突起
51 動力伝達装置
51a 案内部材
51b ガス発生器
52 プリテンショナカバー
61 ロッキングベース
62 リテーナカバー
100 シートベルト装置
101 ガイドアンカー
102 ベルトアンカー
103 バックル
104 トング

Claims (8)

  1. 乗員を拘束するウェビングの巻き取りを行うスプールと、該スプールを回転可能に収容するベースフレームと、を含み、前記ベースフレームは、前記スプールの端部を挿通する開口部を備え、該開口部は、前記端部に沿って形成された円弧部と、該円弧部よりも大きく形成された拡張部と、を備え、前記スプールは、前記開口部よりも内側に形成されたフランジ部を備えた、リトラクタにおいて、
    前記ウェビングの引き出し時に前記円弧部と前記拡張部との境界部に、前記ベースフレームと前記フランジ部との接触を抑制するストッパーを配置した、
    ことを特徴とするリトラクタ。
  2. 前記ストッパーは、少なくとも前記拡張部の前記ウェビングの引き出し方向下流側の部分に挿入され、前記円弧部の延長線である仮想内径と正常時における前記フランジ部の外径の位置を示す仮想外径とにより挟まれた領域に配置されている、請求項1に記載のリトラクタ。
  3. 前記ストッパーは、少なくとも前記ベースフレームの内面の位置まで挿入可能に構成されている、請求項1に記載のリトラクタ。
  4. 前記ストッパーは、前記スプールを巻き取り方向に付勢するスプリングを収容するケーシングに形成されている、請求項1に記載のリトラクタ。
  5. 前記拡張部には、前記仮想外径と前記拡張部の外縁とにより挟まれた領域に配置されるスペーサが挿入されている、請求項2に記載のリトラクタ。
  6. 前記ストッパーは、前記ベースフレームの内面から前記スペーサの挿入位置までの範囲に挿入されるように構成されている、請求項5に記載のリトラクタ。
  7. 前記スペーサは、前記スプールを巻き取り方向に付勢するスプリングを収容するケーシングに形成されている、請求項5に記載のリトラクタ。
  8. 請求項1〜請求項7の何れか一項に記載されたリトラクタを備える、ことを特徴とするシートベルト装置。
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