以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
[駐車支援システムの構成例]
図1は、本発明の第1実施形態における駐車支援システム1の構成例を示すブロック図である。駐車支援システム1は、車両を駐車目標スペースに駐車させる際に、その駐車目標スペースまで車両を移動させるための車両制御を実行するものである。また、駐車支援システム1では、ユーザ操作により駐車支援モードが起動され、駐車支援モードが設定された場合に、駐車支援制御が実行されるものとする。なお、駐車支援は、リモート駐車、リモートパーク、駐車制御等と称することができる。また、駐車支援モードは、操作支援モードと称することもできる。また、駐車支援システムは、駐車制御システムとも称することができる。
駐車支援システム1は、キー30と、駐車制御装置600と、撮像装置640と、測距装置650と、位置検出装置660と、車両制御装置700と、操舵角センサ730と、車速センサ740と、ヘッドランプユニット750と、バックランプユニット760と、ブレーキランプユニット770と、サーバ800と、携帯端末850とを備える。なお、駐車制御装置600、撮像装置640、測距装置650、位置検出装置660、車両制御装置700、操舵角センサ730、車速センサ740、ヘッドランプユニット750、バックランプユニット760及びブレーキランプユニット770は、車両V1(図3参照)に設置される。なお、図1では、車両V1に設置される各機器を点線500内に示す。
駐車支援システム1は、キー30(または、携帯端末850)において受け付けられた操作内容に基づいて、目標となる駐車スペース(駐車目標スペース)に車両V1を移動させる(駐車させる)制御を実行するリモートコントロールタイプの制御システムである。なお、駐車支援モードの設定時には、ユーザU(車両V1の乗員(図3参照))は車両V1の外部(車室外)にいて操作してもよく、車両V1の内部(車室内)にいて操作してもよい。
駐車制御装置600は、入力装置610と制御装置620と出力装置630とを備える。駐車制御装置600を構成するこれらの各装置は、相互に情報をやりとりすることが可能な態様で接続される。例えば、CAN(Controller Area Network)その他の車載LAN(Local Area Network)によって接続される。
入力装置610は、アンテナ611と通信装置612と操作装置613とを備える。通信装置612は、アンテナ611を介して、キー30、サーバ800、携帯端末850のそれぞれから各種情報(例えば、操作指令情報、地図情報)を受信し、この受信した各種情報を制御装置620に出力する。また、通信装置612は、制御装置620の制御に基づいて、キー30、サーバ800、携帯端末850のそれぞれに、アンテナ611を介して各種情報を送信する。このように、駐車制御装置600は、無線通信を利用して、キー30、サーバ800、携帯端末850のそれぞれとの間で各種情報のやりとりを行うことが可能である。また、操作装置613は、ユーザUによる操作入力を受け付けるものであり、受け付けられた操作入力に対応する操作情報を制御装置620に出力する。
制御装置620は、撮像装置640、測距装置650、位置検出装置660、操舵角センサ730及び車速センサ740のそれぞれから出力される情報と、キー30、サーバ800及び携帯端末850のそれぞれから受信した情報とに基づいて、車両V1の駐車支援制御を実行するものとする。なお、制御装置620は、操舵角センサ730及び車速センサ740から出力される情報については、車両コントローラ710を介して取得する。また、制御装置620は、CPU(Central Processing Unit)621と、ROM(Read Only Memory)622と、RAM(Random Access Memory)623と、記憶装置624とを備える。
ROM622は、第1実施形態における駐車支援方法を実現するための駐車支援プログラム(駐車制御プログラム)を格納する記憶装置である。また、RAM623は、CPU621が各処理を実行する際にアクセス可能な作業用メモリとして機能する記憶装置である。また、CPU621は、ROM622に格納されている駐車支援プログラムを実行することで、駐車制御装置600における各部を制御する動作回路である。また、記憶装置624は、各種情報を格納する記憶部である。
出力装置630は、制御装置620の制御に基づいて、各種の駐車支援情報(駐車制御情報)をユーザUに提供するためのものであり、表示装置631と音声出力装置632とを備える。なお、表示装置631として、入力機能及び出力機能を備えるタッチパネル式のディスプレイを用いることができる。このように、タッチパネル式のディスプレイを用いる場合には、このディスプレイが操作装置613及び表示装置631として機能する。
撮像装置640は、車両V1の外部の被写体を撮像して画像データを生成するものであり、1または複数のカメラ(イメージセンサを含む)により構成される。なお、これらのカメラは、車両V1の周囲、例えば、車両V1の前後左右の被写体を撮像することが可能な車両V1の外側の位置に設置される。また、撮像装置640は、複数の画像データを合成し、仮想視点から撮像したと仮定する仮想視点画像のデータを生成することもできる。また、撮像装置640は、生成した画像データを駐車制御装置600及び車両コントローラ710に出力する。なお、画像を合成することや、画像を加工することは、必ずしも撮像装置640で行う必要はなく、駐車制御装置600で行うようにしてもよい。
測距装置650は、光や電波を用いて車両V1から対象物までの距離を測定するものであり、その計測結果(計測値)を駐車制御装置600及び車両コントローラ710に出力する。なお、測距装置650として、例えば、1または複数の測距センサを備えることができる。例えば、測距センサとして、ミリ波レーダ、レーザーレーダ、超音波レーダなどのレーダ装置またはソナーを用いることができる。なお、撮像装置640を構成する複数のカメラと、測距装置650を構成する複数の距測センサとについては、車両V1における同じ位置に一組のカメラ及び距測センサを設けてもよく、異なる位置にカメラ及び距測センサを設けてもよい。
位置検出装置660は、車両V1の位置(現在位置)を検出するものであり、その検出結果(現在位置)を駐車制御装置600及び車両コントローラ710に出力する。なお、位置検出装置660は、位置検出センサにより構成される。また、位置検出センサとして、例えば、車両V1の絶対位置を計測する機器(例えば、GPS(Global Positioning System)やオドメトリ)を用いることができる。
車両制御装置700は、撮像装置640、測距装置650、位置検出装置660、操舵角センサ730及び車速センサ740のそれぞれから出力される情報に基づいて、車両V1の各部を制御するものである。具体的には、車両制御装置700は、車両コントローラ710と、駆動システム720と、ブレーキアクチュエータ780とを備える。
車両コントローラ710は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成され、駆動システム720等の動作を制御する電子制御装置である。すなわち、車両コントローラ710は、ROMに格納されている車両制御プログラムを実行することで、車両V1の駆動、停止、操舵等を制御する動作回路である。具体的には、車両コントローラ710は、撮像装置640、測距装置650、位置検出装置660、操舵角センサ730及び車速センサ740のそれぞれから出力される情報に基づいて、駆動システム720、ヘッドランプユニット750、バックランプユニット760、ブレーキランプユニット770、ブレーキアクチュエータ780の各部を制御する。
駆動システム720は、車両コントローラ710の制御に基づいて、車両V1の駆動を制御するものである。具体的には、駆動システム720は、車両コントローラ710の制御に基づいて、車両V1の駆動輪(例えば、前輪及び後輪)を駆動させる駆動装置(例えば、モータ、エンジン)を制御する。また、駆動システム720は、車両コントローラ710の制御に基づいて、車両V1の操舵装置のステアリングが備えるパワーステアリング機構を駆動して操舵量を制御する。なお、駆動装置は、車両V1を前進または後進させるものである。また、操舵装置は、車両V1の左右方向への移動を行う駆動機構である。
ブレーキアクチュエータ780は、車両コントローラ710の制御に基づいて、車両V1を停止させるための動作を実行するものである。なお、車両V1が手動運転の場合には、車両コントローラ710は、ブレーキセンサの検出値に基づいてブレーキアクチュエータ780を動作させる。また、駐車支援モードの設定時には、車両コントローラ710は、前方及び後方の障害物センサ(例えば、撮像装置640、測距装置650)の検出結果に基づいて、ブレーキアクチュエータ780を動作させる。
操舵角センサ730は、車両V1の操舵装置に備えられるセンサであり、操舵装置の操舵角(回転角度(操舵操作量))を取得し、その取得した操舵角を車両コントローラ710に出力する。
車速センサ740は、車両V1の車速を取得するものであり、取得した車速を車両コントローラ710に出力する。
ヘッドランプユニット750は、車両V1の前部に設置されるヘッドランプ751、752(図15A、図15B、図17A、図17B参照)により構成されるユニットである。また、車両コントローラ710の制御に基づいてヘッドランプ751、752の発光状態(ハイビーム、ロービーム、点滅または消灯)を変化させることが可能である。
バックランプユニット760は、車両V1の後部に設置されるバックランプ761、762(図15A、図15B参照)により構成されるユニットである。また、車両コントローラ710の制御に基づいてバックランプ761、762の発光状態(点灯、点滅または消灯)を変化させることが可能である。
ブレーキランプユニット770は、車両V1の後部に設置されるブレーキランプ771、772(図17A、図17B参照)により構成されるユニットである。また、車両コントローラ710の制御に基づいてブレーキランプ771、772の発光状態(点灯、点滅または消灯)を変化させることが可能である。
サーバ800は、通信可能なネットワーク(例えば、インターネット)上に設けられる情報処理装置であり、通信装置801と、制御装置802と、記憶装置803とを備える。
通信装置801は、制御装置802の制御に基づいて、他の機器(携帯端末850、駐車制御装置600)との間で各種情報のやりとりを行うものである。
制御装置802は、記憶装置803に記憶されている制御プログラムに基づいて、サーバ800の各部を制御するものである。
記憶装置803は、サーバ800における各処理を実行するための制御プログラムや他の各種情報を記憶するものである。記憶装置803には、例えば、地図情報、駐車場情報、障害物情報等が記憶される。また、駐車制御装置600、携帯端末850は、ネットワークを介してサーバ800の記憶装置803にアクセスし、記憶装置803に記憶されている各情報を取得できる。
また、サーバ800は、駐車制御装置600から出力された情報に基づいて、携帯端末850に所定情報を提供することが可能である。なお、サーバ800は、情報提供者が管理するものを用いるようにしてもよく、駐車場管理者が管理するものを用いるようにしてもよく、車両V1を製造販売する自動車会社が管理するものを用いるようにしてもよい。
携帯端末850は、無線通信を利用して駐車制御装置600と通信を行うことが可能な電子機器(例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant))である。また、携帯端末850は、車両V1の外部に持ち出し可能な携帯型の入力機能及び通信機能を備えるコンピュータである。なお、第1実施形態では、駐車支援モードの設定時において、キー30を用いてユーザUによるリモート操作を行う例を示すが、キー30の代わりに携帯端末850を用いてユーザUがリモート操作を行うようにしてもよい。
携帯端末850は、通信装置851と、制御装置852と、記憶装置853と、操作装置854と、表示装置855と、音声出力装置856とを備える。
通信装置851は、制御装置852の制御に基づいて、無線通信を利用して他の機器(サーバ800、駐車制御装置600)との間で各種情報のやりとりを行うものである。
制御装置852は、記憶装置853に記憶されている制御プログラムに基づいて、携帯端末850の各部を制御するものである。
記憶装置853は、携帯端末850における各処理を実行するための制御プログラムや他の各種情報を記憶するものである。
操作装置854は、ユーザUによる操作入力を受け付ける入力インターフェースであり、受け付けられた操作入力に応じた操作情報を制御装置852に出力する。また、表示装置855は、制御装置852の制御に基づいて、各種情報をユーザUに表示して提供するものである。例えば、操作装置854及び表示装置855として、入力機能及び出力機能を備えるタッチパネル式のディスプレイを用いることができる。また、音声出力装置856は、制御装置852の制御に基づいて、各種情報を音声出力してユーザUに提供するものである。
キー30は、車両V1のドアを施錠及び解錠する際に用いられるキーであり、通信部31と、制御部32と、操作部群40とを備える。操作部群40は、車両V1のドアを施錠及び解錠する際に用いられる。また、操作部群40は、駐車支援システム1において駐車支援モードが起動された場合には、車両V1の駐車制御を実行する際に用いられる。なお、キー30については、図2、図4を参照して詳細に説明する。また、キー30は、スマートキー、キーレスキー、キーフォブ等と称することもある。なお、キー30は、車両V1のドアを施錠及び解錠する機能を有していれば、必ずしも機器は限定されず、スマートフォン、ディスプレイを有するタブレット端末、スマートウォッチなどの電子機器であってもよい。
なお、図1では、駐車制御装置600を車載装置として実現する例を示したが、駐車制御装置600を車外に設置する機器とする場合についても第1実施形態を適用可能である。例えば、駐車制御装置600における一部または全部の機能を、車載装置と情報の授受が可能な可搬の携帯端末850において実現するようにしてもよい。
〔駐車支援システムの機能構成例及び車両の動作例〕
図2は、本発明の第1実施形態における駐車支援システム1の機能構成例を示すブロック図である。図2では、図1に示す駐車支援システム1の各構成における駐車支援制御に関する機能構成の一例を示す。
図3は、駐車支援システム1により車両V1を駐車目標スペースTPSに移動させる場合の車両V1の遷移を簡略化して示す図である。また、図3では、点線の矢印R1に示すように、車両V1が位置P1から位置P3まで前進した後に、実線の矢印R2に示すように、車両V1が位置P3から位置P7まで後進して、駐車目標スペースTPSに移動する場合の遷移例を示す。また、図3では、車両V1の周囲に障害物(壁W、家H1、H2、木WD)が存在し、それらの障害物を避けて車両V1が移動する場合の例を示す。
図2に示すように、駐車支援システム1は、駐車目標スペース設定部11と、車両位置検出部12と、物体検出部13と、駐車経路生成部14と、物体減速演算部15と、経路追従制御部16と、目標車速生成部17と、操舵角制御部18と、車速制御部19と、キー制御部20と、通信装置612と、キー30とを備える。なお、駐車目標スペース設定部11、車両位置検出部12は、物体検出部13、駐車経路生成部14、物体減速演算部15、経路追従制御部16、目標車速生成部17及びキー制御部20は、図1に示す制御装置620により実現される。また、操舵角制御部18及び車速制御部19は、図1に示す車両コントローラ710により実現される。また、通信装置612、キー30は、図1に示す通信装置612、キー30に対応する。
駐車目標スペース設定部11は、車両V1を駐車させる駐車目標スペースを設定するものであり、設定された駐車目標スペースに関する情報(目標駐車位置情報)を駐車経路生成部14に出力する。
例えば、駐車目標スペース設定部11は、駐車場情報を用いて車両V1を駐車させる駐車目標スペースを設定することができる。なお、駐車場情報は、各駐車場(パーキングロット)の配置、識別番号、駐車施設における通路、柱、壁、収納スペースなどの位置情報を含む。また、駐車場情報は、制御装置620が備える記憶装置624(図1参照)に格納しておき、記憶装置624から駐車場情報を順次取得して用いることができる。また、駐車場情報は、所定のネットワーク(例えばインターネット)を介して外部機器(例えば駐車場情報を保持するサーバ800の記憶装置803)から取得するようにしてもよい。
また、例えば、駐車目標スペース設定部11は、各種センサ(例えば、撮像装置640、測距装置650)の検出データ等に基づいて、車両V1が駐車可能な駐車スペースを検出するようにしてもよい。例えば、駐車目標スペース設定部11は、複数のイメージセンサの撮像画像に基づいて、駐車スペースの枠(領域)を検出し、複数の測距センサの検出データと、それらの撮像画像から抽出された検出データとを用いて、空いている駐車スペースを検出することができる。この場合には、検出された駐車スペースのうち、空車(他車両が駐車していない)であり、駐車を完了させるための経路が算出可能である駐車スペースを、駐車可能スペースとして検出する。なお、第1実施形態において駐車経路が算出可能であるとは、障害物(駐車車両を含む)と干渉することなく、車両V1の現在位置から駐車目標スペースに至る経路の軌跡を路面座標に描けることを意味するものとする。
なお、駐車目標スペースは、所定の操作装置を用いてユーザUが手動操作により設定してもよく、制御装置620または駐車設備側が自動(例えば空きスペースを自動検索)で設定してもよい。なお、所定の操作装置は、例えば、駐車制御装置600が有する操作装置613、または、外部機器の操作装置(例えば携帯端末850の操作装置854)である。
車両位置検出部12は、設定された駐車目標スペースに移動させる車両V1の位置(現在位置)及び車両V1の進行方向(向き)を検出するものであり、検出された車両V1の位置及び進行方向に関する情報(車両位置情報)を駐車経路生成部14及び経路追従制御部16に出力する。なお、車両V1の現在位置及び進行方向の検出方法としては、公知の方法を用いることができる。
例えば、車両位置検出部12は、各種センサ(例えば、撮像装置640、位置検出装置660、車速センサ740、操舵角センサ730)の検出データ等に基づいて、車両V1の現在位置を推定することができる。一般に、前輪操舵車においては、後輪車軸中心の走行距離と前輪操舵角との関係に基づいて、車両の位置及び姿勢を推定するデッドレコニング手法を用いることが多い。デッドレコニング手法は、駐車動作等の限られた区間の走行を考える場合において有用である。また、例えば、車両位置検出部12は、イメージセンサ(例えば複数のカメラ)により生成された画像データに基づいて、道路上の白線や周囲の物体を認識し、車両V1と白線や周囲物体の相対位置関係に基づいて、現在位置を推定することも可能である。また、車両位置検出部12は、位置検出センサを用いて、車両V1の絶対位置(すなわち、所定の基準点に対する車両V1の位置)を推定してもよい。また、これらの各センサにより取得可能な複数の情報を用いて、車両V1の位置及び進行方向を特定してもよい。
物体検出部13は、車両V1の周囲の環境や、車両V1の周囲に存在する物体を検出するものであり、検出された周囲の環境や物体に関する情報(物体位置情報)を、駐車経路生成部14及び物体減速演算部15に出力する。なお、車両V1の周囲に存在する物体は、車両V1の進行の障害となる物体(障害物)となる。このような障害物として、例えば、駐車場の壁、柱などの構造物、車両V1の周囲の設置物、歩行者、他車両、駐車車両等が想定される。
物体検出部13は、例えば、車両V1に搭載されている物体検出センサ(例えば、撮像装置640、測距装置650)を用いて、車両V1の周囲の環境や、車両V1の周囲に存在する物体を検出する。なお、車両V1には、同一種類の物体検出センサを備えるようにしてもよく、複数の異なる種類の物体検出センサを備えるようにしてもよい。例えば、車両V1に複数のイメージセンサと複数の測距センサとを設け、複数の測距センサの検出結果と、複数のイメージセンサの撮像画像とに基づいて、車両V1の周囲の環境や、車両V1の周囲に存在する物体を検出することができる。例えば、複数の測距センサは、レーダ装置の受信信号に基づいて物体の存否、物体の位置、物体の大きさ、物体までの距離を検出することができる。また、複数のイメージセンサの撮像画像に基づいて物体の存否、物体の位置、物体の大きさ、物体までの距離を検出することができる。なお、車両V1の周囲に存在する物体の検出は、複数のイメージセンサによるモーションステレオの技術を用いて行うことができる。
例えば、物体検出部13は、移動物体(例えば、他の車両、バイク、自転車、歩行者)や、静止物体(例えば、停止車両)を検出し、その検出された移動物体や静止物体の車両V1に対する各種情報(位置、姿勢、大きさ、速度、加速度、減速度、ヨーレート)を検出する。また、物体検出部13は、車両V1の周囲に存在する標識(例えば、道路標識や路面表示された標識)やガイドレール等を検出することも可能である。
また、例えば、物体検出部13は、サーバ800の記憶装置803から取得した駐車場情報に基づいて、駐車場の壁、柱などの構造物を含む障害物を検出することもできる。
駐車経路生成部14は、駐車目標スペース設定部11、車両位置検出部12、物体検出部13から出力された各情報(目標駐車位置情報、車両位置情報、物体位置情報)に基づいて、車両V1を駐車目標スペースまで移動させるための駐車経路を生成するものである。そして、駐車経路生成部14は、生成された駐車経路に関する情報(駐車経路情報)を、経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。
図3を参照すると、駐車経路生成部14は、初期位置P1から切り返し位置P3を経由して駐車目標スペースTPSに車両V1を移動させる駐車経路(点線の矢印R1、実線の矢印R2)を生成する。具体的には、駐車経路生成部14は、車両位置検出部12により検出された車両V1の現在位置から、駐車目標スペース設定部11により設定された駐車目標スペースTPSまで車両V1を移動させるための経路を生成する。この場合に、駐車経路生成部14は、車両V1の現在位置から駐車目標スペースTPSまでの経路上に障害物が存在するか否かを、物体検出部13により検出された周囲の環境や物体に関する情報(物体位置情報)に基づいて判定する。そして、駐車経路生成部14は、その経路上に障害物が存在する場合には、その障害物に衝突しないように駐車経路を生成する。また、駐車経路生成部14は、例えば、ユーザUに違和感を与えないように、切り返し回数や操舵量がもっとも少なくなるような駐車経路(矢印R1、矢印R2)を生成する。
このように、駐車経路(矢印R1、矢印R2)は、図3に示す駐車可能空間内において生成される経路であって、車両V1が障害物(壁W、家H1、H2、木WD)と干渉せずに駐車目標スペースTPSまで移動可能な経路である。
物体減速演算部15は、物体検出部13から出力された物体位置情報に基づいて、車両V1の加減速度を算出するものであり、その算出結果(車両V1の加減速度)を目標車速生成部17に出力する。すなわち、物体減速演算部15は、車両V1の周囲の環境や、車両V1の周囲に存在する物体に基づいて、車両V1の速度を制限する。例えば、車両V1と障害物との距離が近づくのに応じて、減速の程度を大きくすることができる。
経路追従制御部16は、駐車経路生成部14により生成された駐車経路を車両V1が追従するように車両V1の目標操舵角を決定するものであり、その目標操舵角に関する情報(目標操舵角情報)を操舵角制御部18に出力する。すなわち、経路追従制御部16は、車両V1を移動させるために必要な目標操舵角やシフト位置に関する制御信号を生成し、その制御信号を操舵角制御部18に出力する。
具体的には、経路追従制御部16は、駐車経路生成部14により生成された駐車経路と、車両位置検出部12により検出された車両V1の現在位置及び進行方向とに基づいて、駐車経路に沿って車両V1を駐車目標スペースTPSまで移動させるための制御を行う。例えば、経路追従制御部16は、駐車経路生成部14により生成された駐車経路上を車両V1が進行しているか否かを、車両位置検出部12により検出された車両V1の現在位置及び進行方向に基づいて判定する。そして、経路追従制御部16は、駐車経路生成部14により生成された駐車経路上を車両V1が進行していないと判定した場合には、その経路上を車両V1が進行するように車両V1の目標操舵角を補正する。また、経路追従制御部16は、駐車経路生成部14により生成された駐車経路上を車両V1が進行していると判定した場合には、その経路上を車両V1が継続して進行するように車両V1の目標操舵角を決定する。
目標車速生成部17は、物体減速演算部15から出力された情報(車両V1の加減速度)に基づいて、駐車経路生成部14により生成された駐車経路を車両V1が進行する速度(目標車速)を生成するものである。そして、目標車速生成部17は、その生成された目標車速に関する情報(目標車速情報)を車速制御部19に出力する。
また、経路追従制御部16及び目標車速生成部17は、キー制御部20の指示(キー30から送信された操作情報に基づく指示)に基づいて、駐車経路に沿って車両V1を移動(前進または後進)、停止させるための制御を行う。
また、経路追従制御部16及び目標車速生成部17は、車両V1が駐車制御を実行している時に、駐車目標スペースTPSの誤差を補正する。この補正をリアルタイム補正と称することができる。このリアルタイム補正を行うことにより、駐車制御の実行中に、駐車目標スペースTPSの誤差を補正することができ、この補正に合わせて、目標操舵角及び目標速度も補正することができる。これにより、空き駐車スペースの正しい位置に車両V1を駐車することができる。なお、リアルタイム補正には、駆動制御、操舵制御、速度制御、位置制御等が含まれる。
操舵角制御部18は、経路追従制御部16から出力された目標操舵角情報に基づいて、車両V1の操舵角を制御するものである。すなわち、操舵角制御部18は、経路追従制御部16により決定された目標操舵角に基づいて操舵装置を駆動し、目標操舵角に対応させてステアリング舵角を制御する。
車速制御部19は、目標車速生成部17から出力された目標車速に基づいて、車両V1の車速を制御するものである。すなわち、車速制御部19は、目標車速生成部17から出力された目標車速となるように、車両V1の駆動輪を駆動させる駆動装置を制御する。
キー制御部20は、通信装置612を介してキー30との間でやりとりされる各種情報に基づいて、各部(例えば、経路追従制御部16、目標車速生成部17)を制御するものである。また、キー制御部20は、無線通信を利用してキー30の位置を検出して通信装置612及びキー30間の距離を計測する位置検出部21を備える。なお、通信装置612及びキー30間の距離の計測方法として、例えば、電波強度を用いた計測方法を採用することができる。
通信装置612は、無線通信を利用してキー30との間で相互に通信を行うものである。ここで、無線通信として、例えば、所定の電波を使用する通信方式を採用することができる。なお、所定の電波は、例えば、30〜300kHzの周波数の電波(長波(LF(Low Frequency)))や0.3〜3GHzの周波数の電波(極超短波(UHF(Ultra High Frequency)))である。また、複数の通信方式を採用するようにしてもよい。例えば、車両V1のドアを施錠及び解錠する際に用いられる無線通信と、駐車支援モードの設定時に車両V1をリモート操作する際に用いられる無線通信とを異なる通信方法で実行してもよい。
キー30は、上述したように、通信部31と、制御部32と、操作部群40とを備える。
通信部31は、制御部32の制御に基づいて、駐車制御装置600が備える通信装置612との間で無線通信を利用して各種情報のやりとりを行うものである。
制御部32は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェース等で構成され、キー30の各部を制御するものである。例えば、制御部32は、操作部群40においてユーザUにより受け付けられた操作内容に応じた操作情報(制御信号)を、無線通信を利用して通信部31から通信装置612に出力させる。
なお、図3に示すユーザUは、携帯端末850及びキー30を所持する場合に、携帯端末850及びキー30の何れかを用いて車両V1の駐車制御を実行することが可能である。ただし、第1実施形態では、ユーザUがキー30を用いて車両V1の駐車制御を実行する例を示す。
〔キーの構成例〕
図4は、駐車支援システム1において車両V1を操作するためのキー30の外観構成例を示す図である。なお、第1実施形態では、車両V1を施錠及び解錠する際に用いられる操作部(操作ボタン)と、車両V1の駐車制御を実行する際に用いられる操作部とを共有する例を示すが、本発明はこれに限定されない。例えば、車両V1を施錠及び解錠する際に用いられる操作部と、車両V1の駐車制御を実行する際に用いられる操作部とを異なる操作部で構成してもよい。
キー30は、操作部群40として、前進ボタン41と、後進ボタン42と、制御停止ボタン43と、デッドマンスイッチ44とを備える。なお、駐車支援モードの設定時には、駐車目標スペースTPSまでの駐車経路は制御装置620により自動で生成され、車両V1の操舵角も自動で制御されるため、車両V1を駐車経路に沿うように左右に移動させる操作をユーザUが行うことはない。このため、キー30には、車両V1の進行に関する操作部として、前進ボタン41及び後進ボタン42が設けられる。
前進ボタン41は、駐車支援モードの設定時に車両V1の前進を指示する際に押下される操作部である。なお、駐車支援モードが設定されていない状態(通常時)では、前進ボタン41の押下操作は無効とされる。また、前進ボタン41の表面には、操作部の種類をユーザUが容易に把握できるような標識(例えば、車の図形と前向きの矢印)が付される。
後進ボタン42は、駐車支援モードの設定時に車両V1の後進を指示する際に押下される操作部である。なお、駐車支援モードが設定されていない状態(通常時)では、後進ボタン42の押下操作は無効とされる。なお、後進ボタン42の表面には、操作部の種類をユーザUが容易に把握できるような標識(例えば、車の図形と後向きの矢印)が付される。
制御停止ボタン43は、駐車支援モードが設定されていない状態(通常時)では、車両V1のドアを施錠(ロック)する際に押下される操作部である。また、制御停止ボタン43は、駐車支援モードの設定時には、直前まで行われていた車両V1の動作の停止を指示する際に押下される操作部である。すなわち、制御装置620により実行されている車両V1の動作をキャンセルする場合(例えば、進行中の車両V1を停止させる場合)に、制御停止ボタン43が押下される。このように、制御停止ボタン43は、車両V1の施錠を指示する操作部と、駐車支援モードの設定時に車両V1の動作をキャンセルする操作部とを兼ねている。なお、制御停止ボタン43の表面には、操作部の種類をユーザUが容易に把握できるような標識(例えば、閉じた鍵の図形と停止を意味する図形)が付される。
デッドマンスイッチ44は、駐車支援モードが設定されていない状態(通常時)では、車両V1のドアを解錠する際に押下される操作部である。また、デッドマンスイッチ44は、駐車支援モードの設定時には、他の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)と同時に押下されることにより、その同時に押下された操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)の押下操作を有効とするための操作部である。すなわち、駐車支援モードの設定時において、前進ボタン41及び後進ボタン42の何れかの操作部のみが押下された場合には、その押下操作は無効とされる。ただし、駐車支援モードの設定時において、デッドマンスイッチ44の押下操作とともに、前進ボタン41及び後進ボタン42の何れかの操作部が押下された場合には、デッドマンスイッチ44の押下操作とともに押下された操作部の押下操作は有効とされる。
なお、2つの操作部を同時に押下するとは、2つの操作部を同時(または略同時)に押下する場合と、2つの操作部のうちの一方の操作部を押下している状態で他の操作部を押下する場合との双方を含むものとする。例えば、デッドマンスイッチ44が押下された状態で、前進ボタン41が押下された場合には、前進ボタン41の押下操作は有効とされる。また、前進ボタン41が押下された状態で、デッドマンスイッチ44が押下された場合には、前進ボタン41の押下操作は有効とされる。なお、駐車支援モードの設定時において、3つの操作部(前進ボタン41、後進ボタン42、デッドマンスイッチ44)が同時に押下された場合には、それらの操作部の押下操作は無効とされる。
また、駐車支援モードが設定されていない状態(通常時)で、デッドマンスイッチ44の長押し操作が行われた場合には、その長押し操作が駐車支援モードの起動開始操作と判定され、駐車支援モードの起動が開始される。また、デッドマンスイッチ44の表面には、操作部の種類をユーザUが容易に把握できるような標識(例えば、空いた鍵の図形と安全を意味する図形)が付される。
上述したように、第1実施形態では、駐車支援モードの設定時には、制御停止ボタン43のみの押下操作、デッドマンスイッチ44と前進ボタン41との押下操作、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42との押下操作のみが有効な押下操作とされる。
なお、1つの操作部の押下操作に複数の機能を関連付けてもよい。例えば、駐車支援モードの設定時において、車両V1の停止中に制御停止ボタン43の押下操作がされた場合に、駐車支援モードを終了させ、この終了後に車両V1を施錠する設定としてもよい。すなわち、制御停止ボタン43の押下操作に、駐車支援モードの終了と車両V1の施錠との2つの機能を関連付けることができる。
〔駐車支援システムの動作例〕
図5は、制御装置620が実行する駐車支援制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、制御装置620の記憶部(例えばROM622)にプログラムされた処理である。また、この処理手順については、図3を参照して説明する。
ステップS101において、制御装置620は、駐車支援モードの起動を開始させるための操作を受け付ける。例えば、駐車支援モードの起動を開始させる操作としては、車両V1に設置されている操作装置613(図1参照)を用いて駐車支援モードの起動開始操作を行う場合と、キー30の所定の操作部を用いて駐車支援モードの起動開始操作(例えばデッドマンスイッチ44の長押し)を行う場合とが考えられる。
ステップS102において、駐車目標スペース設定部11は、車両V1を駐車させる駐車スペースを探索する。例えば、駐車目標スペース設定部11は、ユーザUによる手動操作または自動検索により駐車スペースを探索する。
ステップS103において、駐車目標スペース設定部11は、ステップS102で探索した結果、車両V1を駐車させる駐車スペースが存在するか否かを判定する。車両V1を駐車させる駐車スペースが存在しない場合には、駐車支援モードを終了させ、ステップS101に戻る。この場合に、駐車支援モードの起動後に車両V1を駐車させる駐車スペースを探索したが、駐車スペースが存在しない旨をユーザUに通知、例えば、その旨の音声出力、メッセージ表示、画像表示等をするようにしてもよい。
車両V1を駐車させる駐車スペースが存在する場合には、ステップS104において、駐車目標スペース設定部11は、その駐車スペースを駐車目標スペースとして設定する。例えば、図3に示す駐車目標スペースTPSが設定される。
ステップS105において、駐車経路生成部14は、駐車目標スペース設定部11により設定された駐車目標スペースTPSに、車両V1を駐車させるための駐車経路を演算して生成する。この場合に、駐車経路生成部14は、物体検出部13により検出された周囲の環境や物体に関する情報(物体位置情報)に基づいて、車両V1が障害物に衝突しないように駐車経路を生成する。
ステップS106において、制御装置620は、車両V1を駐車目標スペースTPSに駐車させるための駐車支援制御を実行するアシストモード駐車を開始させる。
ステップS107において、制御装置620は、ユーザUに停車/降車を指示する。例えば、制御装置620は、停車/降車の指示をユーザUに通知する。例えば、停車/降車を指示する旨の音声出力装置632からの音声出力、停車/降車を指示する旨のメッセージや画像の表示装置631への表示により通知することができる。
ステップS108において、制御装置620は、携帯端末850を起動する旨の指示をユーザUに通知する。例えば、携帯端末850を起動する旨の音声出力装置632からの音声出力、携帯端末850を起動する旨のメッセージや画像の表示装置631への表示により通知することができる。
ステップS109において、制御装置620は、携帯端末850と車両V1のペアリングを行う。すなわち、ステップS108での通知により起動された携帯端末850をユーザUの手動操作または自動でペアリングを行う。なお、携帯端末850がすでに起動され、携帯端末850と車両V1のペアリングがすでに行われている場合には、ステップS108、109の処理を省略することができる。また、駐車支援モードの設定時に、携帯端末850を用いない場合にも、ステップS108、109の処理を省略することができる。
ステップS120において、制御装置620は、キー30を用いて車両V1を遠隔操作するリモート操作を行う。すなわち、制御装置620のキー制御部20は、キー30から受信した操作情報に基づいて、車両V1の移動または停止を行うための制御信号を経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。なお、このリモート操作については、図6を参照して詳細に説明する。
ステップS110において、キー制御部20は、位置検出部21による検出結果に基づいて、キー30と車両V1との距離が遠隔操作距離(例えば6m)の範囲内となっているか否かを判定する。そして、キー30と車両V1との距離が遠隔操作距離を超えている場合には、キー30と車両V1との距離が遠隔操作距離の範囲内となるまで、ステップS110の処理を継続して行う。なお、キー30と車両V1との距離が遠隔操作距離を超えている場合には、ユーザUに対して、キー30と車両V1との距離が遠隔操作距離を超えているため、操作不能である旨の通知(その旨の音声出力、メッセージ表示、画像表示)を行うようにしてもよい。
なお、図5では、ステップS120のリモート操作処理の後に、ステップS110の処理を行う例を示すが、これに限定されない。ステップS120のリモート操作処理の前に、ステップS110の処理を行うようにしてもよく、ステップS120のリモート操作処理の前後に、ステップS110の処理を行うようにしてもよい。また、ステップS120のリモート操作処理を実行している間に、定期的または不定期に、ステップS110の処理を行うようにしてもよい。
ステップS111において、制御装置620は、自律駐車制御を実行する。具体的には、制御装置620は、車両V1を駐車目標スペースTPSに自律的に移動させるための駐車支援制御を実行する。
ステップS112において、経路追従制御部16は、駐車目標スペース設定部11により設定された駐車目標スペースTPSに車両V1が到達したか否かを判定する。駐車目標スペースTPSに車両V1が到達していない場合には、ステップS120に戻る。一方、駐車目標スペースTPSに車両V1が到達して車両V1の駐車目標スペースTPSへの駐車が完了した場合には、駐車支援制御処理の動作を終了する。
[キーの動作例]
図6は、キー30の制御部32が実行するキー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、制御部32にプログラムされた処理である。また、この処理手順は、図5に示すステップ120に対応する処理である。
ステップS121において、制御部32は、キー30における各操作部の操作を検出したか否かを判定する。キー30における各操作部の操作を検出していない場合には、キー30における何れかの操作部の操作を検出するまでの間、動作を継続する。
キー30における各操作部の操作を検出した場合には、ステップS122において、制御部32は、その検出された操作部の操作が所定の操作であるか否かを判定する。上述したように、駐車支援モードの設定時には、制御停止ボタン43のみの押下操作、デッドマンスイッチ44と前進ボタン41との同時押下操作、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42との同時押下操作のみが有効な押下操作とされる。すなわち、その検出された操作部の操作が、それらの有効な押下操作のうちの何れかである場合には、所定の操作であると判定される。その検出された操作部の操作が所定の操作でない場合には、ステップS121に戻り、操作部の操作検出処理を行う。例えば、デッドマンスイッチ44、前進ボタン41、後進ボタン42の何れか1つの押下操作である場合には、所定の操作でないと判定される。
その検出された操作部の操作が所定の操作である場合には、ステップS123において、制御部32は、操作情報(これに相当する制御信号)を駐車制御装置600の通信装置612に送信する。この操作情報を通信装置612を介して受信した制御装置620のキー制御部20は、受信した操作情報に基づいて、車両V1を移動または停止させるための制御信号を経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。
例えば、制御停止ボタン43のみの押下操作が行われた場合には、制御部32は、制御停止ボタン43のみの押下操作が行われた旨の操作情報(これに相当する制御信号)を駐車制御装置600の通信装置612に送信する。この場合には、制御装置620のキー制御部20は、受信した操作情報に基づいて、移動中の車両V1を停止させるための制御信号を経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。また、例えば、デッドマンスイッチ44と前進ボタン41との同時押下操作が行われた場合には、制御部32は、デッドマンスイッチ44と前進ボタン41との同時押下操作が行われた旨の操作情報(これに相当する制御信号)を駐車制御装置600の通信装置612に送信する。この場合には、制御装置620のキー制御部20は、受信した操作情報に基づいて、車両V1を前進させるための制御信号を経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。また、例えば、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42との同時押下操作が行われた場合には、制御部32は、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42との同時押下操作が行われた旨の操作情報(これに相当する制御信号)を駐車制御装置600の通信装置612に送信する。この場合には、制御装置620のキー制御部20は、受信した操作情報に基づいて、車両V1を後進させるための制御信号を経路追従制御部16及び目標車速生成部17に出力する。このように、駐車支援システム1では、車両V1の進行に関する所定の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)と、他の所定の操作部(デッドマンスイッチ44)とが同時に操作されている間、当該車両V1の進行に関する所定の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)に応じて、車両V1を進行させる駐車制御を実行する。
ステップS124において、制御部32は、車両V1が目標位置に到達したか否かを判定する。なお、目標位置は、例えば、駐車経路生成部14により生成された駐車経路における切返し位置付近(図3に示す矢印R1の先端付近(位置P3付近))、駐車目標スペースTPS付近(図3に示す矢印R2の先端付近(位置P7付近))である。また、制御装置620のキー制御部20は、定期的または不定期に、車両V1の駐車支援制御に関する情報(例えば、車両V1の目標位置への到達を示す情報)を制御部32に送信する。そして、制御部32は、制御装置620のキー制御部20から送信された情報に基づいて、車両V1が目標位置に到達したか否かを判定することができる。
車両V1が目標位置に到達していない場合には、ステップS121に戻り、操作部の操作検出処理を行う。車両V1が目標位置に到達した場合には、キー制御処理の動作を終了する。このように、駐車経路生成部14により生成された駐車経路における切返し位置付近や駐車目標スペースTPS付近に車両V1が移動した場合には、キー30によるリモート操作を終了させ、制御装置620による自律駐車制御が実行される。ただし、キー30における制御停止ボタン43の押下操作については、常時受け付けられるものとする。
なお、以上では、キー30の制御部32が、キー30において所定の操作が行われたか否かを判定し、この判定結果に基づいて操作情報を通信装置612に送信する例を示した。ただし、そのような判定処理を駐車制御装置600側で行うようにしてもよい。例えば、キー30の制御部32は、キー30において押下された操作部に応じた操作情報を駐車制御装置600の通信装置612に順次送信し、制御装置620のキー制御部20がステップS122の判定処理を行い、この判定結果に基づいて、キー30において行われた操作に基づく制御を実行するか否かを判定してもよい。すなわち、ステップS122の判定処理を行う判定部は、駐車制御装置600側(車両V1側)に設けるようにしてもよく、キー30側に設けるようにしてもよい。
また、以上では、駐車支援モードの設定時において、2つの操作部(デッドマンスイッチ44と前進ボタン41、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42)の押下操作が同時(または略同時)に行われた場合に、デッドマンスイッチ44と同時に押下された操作部の押下操作を有効とする例を示した。ただし、駐車支援モードの設定時において、3以上の操作部の押下操作が同時(または略同時)に行われた場合に、それらの同時に押下された操作部の押下操作を有効とするようにしてもよい。例えば、駐車支援モードの設定時において、3つの操作部(制御停止ボタン43とデッドマンスイッチ44と前進ボタン41、制御停止ボタン43とデッドマンスイッチ44と後進ボタン42)の押下操作が同時(または略同時)に行われた場合に、制御停止ボタン43及びデッドマンスイッチ44と同時に押下された操作部の押下操作を有効とすることができる。また、例えば、駐車支援モードの設定時において、2つの操作部(制御停止ボタン43とデッドマンスイッチ44)の押下操作が同時に行われている状態で、前進ボタン41または後進ボタン42の押下操作が行われた場合に、その押下操作がされた前進ボタン41または後進ボタン42の押下操作を有効とするようにしてもよい。
[第1実施形態の作用効果]
第1実施形態に係る駐車支援方法は、車両V1を施錠及び解錠するための操作部(制御停止ボタン43、デッドマンスイッチ44)を含む複数の操作部(前進ボタン41、後進ボタン42、制御停止ボタン43、デッドマンスイッチ44)を有するキー30を用いて、車両V1の駐車制御を実行する駐車支援方法である。この駐車支援方法では、ステップS122において、複数の操作部のうちの少なくとも2つの所定の操作部(デッドマンスイッチ44と前進ボタン41、デッドマンスイッチ44と後進ボタン42)が操作されたと判定された場合に、車両V1を進行させる駐車制御を実行する。
このような駐車支援方法によれば、ユーザUがキー30の操作部に誤って接触した場合でも、車両V1が意図せず動いてしまうことを防止することができる。すなわち、キー30の誤操作を防止することができる。例えば、ユーザUがキー30の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)に誤って接触した場合でも、所定の操作部が操作されたと判定されないため、車両V1を進行させる駐車制御が実行されない。このため、ユーザUがキー30の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)に誤って接触した場合でも、車両V1が意図せず動いてしまうことを防止することができ、キー30の誤操作を防止することができる。これにより、駐車支援制御の安全性を高めることができる。また、駐車支援モードの設定時において、車両V1の駐車支援を適切に行うことができる。
また、第1実施形態に係る駐車支援方法では、車両V1の進行に関する所定の操作部(前進ボタン41、後進ボタン42)と他の所定の操作部(デッドマンスイッチ44)とが同時に操作されている間、その車両の進行に関する所定の操作部(前進ボタン41または後進ボタン42)に応じて、車両V1を進行させる駐車制御を実行する。例えば、2つの所定の操作部として、前進ボタン41とデッドマンスイッチ44とが同時に操作されている間、前進ボタン41に応じて車両V1を前進させる駐車制御が実行される。
このような駐車支援方法によれば、ユーザUがキー30の操作部に誤って接触した場合でも、車両V1が意図せず動いてしまうことを防止することができ、キー30の誤操作を防止することができる。これにより、駐車支援制御の安全性を高めることができる。
また、第1実施形態に係る駐車支援システムは、キー30と、判定部(制御装置620または制御部32)と、制御部(制御装置620)とを備える。キー30は、車両V1を施錠及び解錠するための操作部(制御停止ボタン43、デッドマンスイッチ44)を含む複数の操作部(前進ボタン41、後進ボタン42、制御停止ボタン43、デッドマンスイッチ44)を有する。また、判定部(制御装置620または制御部32)は、キー30の複数の操作部のうちの少なくとも2つの所定の操作部が操作されたことを判定する。また、制御部(制御装置620)は、キー30の複数の操作部を用いた操作に基づいて車両V1の駐車制御を実行する。また、制御部(制御装置620)は、その判定結果に基づいて、車両V1を進行させる駐車制御を実行する。
このような駐車支援システムによれば、ユーザUがキー30の操作部に誤って接触した場合でも、車両V1が意図せず動いてしまうことを防止することができ、キー30の誤操作を防止することができ、駐車支援制御の安全性を高めることができる。また、駐車支援モードの設定時において、車両V1の駐車支援を適切に行うことができる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、キー30における複数の操作部のうちの少なくとも2つの所定の操作部を操作した場合にのみ、操作部の操作に基づく車両V1の移動を行う駐車支援制御を実行する例を示した。これにより、キー30の誤操作を防止することができ、安全性を高めることができる。ここで、駐車支援モードの設定時において、車両V1のユーザUがキーを用いて次に何を操作すべきかを容易に把握できないことも想定される。すなわち、車両V1のユーザUがキーの操作部及び操作手順を容易に把握できないことも想定される。そこで、第2実施形態では、駐車支援モードの設定時において、車両V1のユーザUがキーを用いて操作すべき内容を容易に把握できる例を示す。なお、第2実施形態は、第1実施形態の一部を変更した例であり、第1実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
〔キーの構成例〕
図7Aは、駐車支援システム1において車両V1を操作するためのキー50の外観構成例を示す図である。具体的には、図7Aには、駐車支援モードが設定されていない状態のキー50の外観構成例を示す。なお、キー50が備える操作部群60の外観構成は、図4に示すキー30が備える操作部群40と同様であるが、各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)を所定の表示態様に変化させる点、例えば、所定色で発光させる点がキー30とは異なる。そこで、以下では、キー30と異なる点を中心にして説明する。また、キー50が備える操作部群60の各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)の押下操作時の処理については、第1実施形態と略同様であるため、ここでの説明の一部を省略する。
また、第2実施形態では、制御装置620のキー制御部20は、駐車支援システム1を構成する各部から情報(例えば、目標駐車位置情報、車両位置情報、物体位置情報)を取得し、その取得した情報に基づいて、キー50における各操作部の表示態様を変化させるための制御を行う。
第2実施形態では、キー50が備える各操作部は、所定色で発光するため、表面(ユーザUにより押下操作される面)を透過性部材(例えば透明または半透明部材)とする。また、透明または半透明とされる操作部の内部には、1または複数の色を発光することが可能な発光部材を1または複数設置することができる。なお、発光部材として、キー50が備える制御部32(図2参照)の制御に基づいて発光させることが可能な発光素子(例えばLED(light emitting diode))を用いることができる。また、キー50が備える各操作部の表面を発光させるため、発光部材(例えば発光シート)を各操作部の表面に設置するようにしてもよい。
また、キー50が備える各操作部の表示態様について説明する。操作可能である操作部については、操作部全体を緑色に発光させる。また、操作可能であるが、何らかの理由により操作不能となる可能性がある操作部については、操作部全体を黄色に発光させる。また、何らかの理由により操作不能である操作部については、操作部全体を赤色に発光させる。なお、ここで示す色は一例であり、他の色を採用するようにしてもよい。また、ここで示す表示態様(色による表示態様)は一例であり、他の表示態様、例えば画像やメッセージ表示による変化を採用してもよい。
[前進及び後退可能時の表示態様例]
図7Bは、駐車支援モードの設定時において、前進及び後退の両方を車両V1が行うことが可能な場合のキー50の外観構成例を示す図である。この場合には、前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64が操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。なお、図7Bでは、操作部全体を緑色に発光させることを示すため、各操作部の左側に「緑」の文字を付す。なお、以降の各図においても、同様に、操作部における一部または全部を特定色に発光させることを示すため、各操作部内に色を示す文字(緑、黄、赤)を付す。また、制御停止ボタン63については、常に操作可能であるが、ユーザUが操作すべき内容を容易に把握できるように、緑色に発光させない。すなわち、制御停止ボタン63については、ユーザUの操作が必要な特別の場合(例えば図10Aに示す例の場合)を除き、特定色に発光させない。例えば、駐車支援モードが起動した直後の初期状態では、図7Bに示す表示態様となることが多い。すなわち、駐車支援モードの起動時に、駐車支援モード専用ボタン(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を発光させる。
[後方に障害物が存在する場合の表示態様例]
図8A、図8Bは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の後方に障害物(自転車B1)が存在する場合のキー50の外観構成例を示す図である。なお、キー50の右側には、車両V1と自転車B1との関係例を簡略化して示す。また、車両V1の後方の障害物については、物体検出部13(図2)により検出される。また、図8A、図8Bに示す例は、車両V1が切返し位置に到達したものの、車両V1の後方に自転車B1が存在する場合の一例である。
図8Aには、車両V1と、後方の自転車B1との距離L1が比較的離れている場合(距離L1が閾値TH1以上離れている場合)の表示態様例を示す。この場合には、前進ボタン61、デッドマンスイッチ64は操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。ただし、後進ボタン62については、車両V1の後方に自転車B1が存在し、それ以上後進すると衝突のおそれがあり、操作不能となる可能性があるため、操作部全体を黄色に発光させる。
このように、後進ボタン62の表示態様を黄色とすることにより、車両V1の後方の経路上に障害物が存在することをユーザUに通知することができる。この場合には、後進ボタン62の操作は受け付けるものの、その操作を無効とすることも可能である。また、後進ボタン62の表示態様を黄色とする場合には、車両V1が後進する速度を落とす制御を実行してもよい。
図8Bには、車両V1と、後方の自転車B1との距離L2が比較的近い場合(距離L2が閾値TH2(ただしTH1>TH2)未満の場合)の表示態様例を示す。この場合には、前進ボタン61、デッドマンスイッチ64が操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。ただし、後進ボタン62については、車両V1の後方に自転車B1が近接し、それ以上後進すると衝突の可能性が高く、操作不能と判定されるため、操作部全体を赤色に発光させる。
このように、後進ボタン62の表示態様を赤色とすることにより、車両V1の後方の経路上に障害物が存在し、後進が不可能であることをユーザUに通知することができる。この場合には、後進ボタン62の操作自体を受け付けないようにするか、または、その操作を無効とすることができる。また、赤色となっている後進ボタン62の押下操作が行われた場合には、所定の通知、例えば、操作エラーを知らせる表示、操作エラーを知らせる音声出力等をするようにしてもよい。
[前方に障害物が存在する場合の表示態様例]
図9A、図9Bは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の前方に障害物(自転車B1)が存在する場合のキー50の外観構成例を示す図である。なお、キー50の右側には、車両V1と自転車B1との関係例を簡略化して示す。また、車両V1の前方の障害物については、物体検出部13(図2)により検出される。また、図9A、図9Bに示す例は、車両V1が切返し位置に到達する前に、車両V1の前方に自転車B1が存在する場合の一例である。
図9Aには、車両V1と、前方の自転車B1との距離L3が比較的離れている場合(距離L3が閾値TH3以上離れている場合)の表示態様例を示す。この場合には、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64は操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。ただし、前進ボタン61については、車両V1の前方に自転車B1が存在し、それ以上前進すると衝突のおそれがあり、操作不能となる可能性があるため、操作部全体を黄色に発光させる。
このように、前進ボタン61の表示態様を黄色とすることにより、車両V1の前方の経路上に障害物が存在することをユーザUに通知することができる。この場合には、前進ボタン61の操作は受け付けるものの、その操作を無効とすることも可能である。また、前進ボタン61の表示態様を黄色とする場合には、車両V1が前進する速度を落とす制御を実行してもよい。
図9Bには、車両V1と、前方の障害物(自転車B1)との距離L4が比較的近い場合(距離L4が閾値TH4(ただしTH3>TH4)未満の場合)の表示態様例を示す。この場合には、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64が操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。ただし、前進ボタン61については、車両V1の前方に自転車B1が近接し、それ以上前進すると衝突の可能性が高く、操作不能と判定されるため、操作部全体を赤色に発光させる。
このように、前進ボタン61の表示態様を赤色とすることにより、車両V1の前方の経路上に障害物が存在し、前進が不可能であることをユーザUに通知することができる。この場合には、前進ボタン61の操作自体を受け付けないようにするか、または、その操作を無効とすることができる。また、赤色となっている前進ボタン61の押下操作が行われた場合には、所定の通知、例えば、操作エラーを知らせる表示、操作エラーを知らせる音声出力等をするようにしてもよい。
以上では、車両V1と後方の障害物との距離が比較的離れている場合には、後進ボタン62の全体を黄色に発光させ、車両V1と後方の障害物との距離が比較的近い場合には、後進ボタン62の全体を赤色に発光させる例を示した。このように、車両V1の後方に障害物が存在する場合には、後進ボタン62の全体を緑色から黄色または赤色に変化させる。ただし、緑色、黄色、赤色の3段階の変化以外にも、障害物までの距離に応じて、4色以上の発光をさせて4段階以上の色(例えば、緑→黄緑→黄色→オレンジ→赤)を徐々に変化をさせるようにしてもよい。この場合に、障害物までの距離に応じて、グラデーションのように色を連続的に変化させるようにしてもよい。また、車両V1の前方に障害物が存在する場合についても同様に、前進ボタン61の色を変化させることができる。
また、以上では、車両V1から障害物までの距離に応じて色を変化させて操作部の表示態様を変化させる例を示したが、色の変化以外の方法により車両V1から障害物までの距離をユーザUに通知するようにしてもよい。例えば、キー50が備える各操作部のそれぞれの内部に少なくとも1つの発光部材を設け、その発光部材の発光状態により車両V1の状況をユーザに提示するようにしてもよい。例えば、操作部の内部に設けられた発光部材の消灯、点灯、点滅、点滅周期の変更により車両V1の状況をユーザに提示することができる。例えば、車両V1の後方の経路上に障害物が存在せず、後進が可能である場合には、後進ボタン62の全体を点灯させ、車両V1の後方の経路上に障害物が存在し、後進が不可能である場合には、後進ボタン62の全体を点滅させることができる。すなわち、車両V1の状態が、後進可能な状態から後進不可能な状態に変化した場合に、後進ボタン62を点灯から点滅に変化させる。また、車両V1から障害物までの距離に応じて点滅周期を変化させるようにしてもよい。例えば、車両V1と後方の障害物との距離が比較的離れている場合には、後進ボタン62の点滅周期を長くし、車両V1と後方の障害物との距離が比較的近い場合には、後進ボタン62の点滅周期を短くすることができる。すなわち、車両V1と後方の障害物との距離が近くなるのに応じて点滅周期を短くするように、点滅周期を変化させることができる。このように、車両V1が進行できないと判定された場合には、所定の操作部に係る表示態様を変化させることができる。
また、何らかの理由により車両V1の前方または後方への走行距離が制限されることも想定される。例えば、車両V1が前方の目標位置に近接している場合に、車両V1の前方への走行距離が制限される。また、車両V1が後方の目標位置に近接している場合に、車両V1の後方への走行距離が制限される。このように、車両V1の前方または後方への走行距離が制限された場合についても、車両V1の前方または後方に障害物が存在する場合と同様に、その制限された走行距離に応じて、前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64の全体の色を変化させることができる。
[目標位置に到達した場合の表示態様例]
図10Aは、駐車支援モードの設定時において、車両V1が目標位置(駐車目標スペースSP2)に到達した場合のキー50の外観構成例を示す図である。なお、キー50の右側には、車両V1と駐車目標スペースSP2との関係例を簡略化して示す。この例では、前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64の何れも操作する必要がないため、特定色に発光させない。ただし、制御停止ボタン63については、駐車支援モードを終了させる操作が行われる可能性があるため、操作部全体を緑色に発光させる。
[車両とキーとの距離が所定値以上離れている場合の表示態様例]
図10Bは、駐車支援モードの設定時において、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れている場合の表示態様例を示す図である。なお、キー50の右側には、車両V1とキー50との関係例を簡略化して示す。この例では、制御装置620のキー制御部20は、駐車制御装置600の通信装置612と、キー50の通信部31との間で通信が可能であっても、安全性を考慮して操作不能と判定する。このため、前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64の何れも操作不能とされ、操作部全体を赤色に発光させる。また、制御停止ボタン63については、駐車支援モードの起動の終了操作や車両V1の施錠操作が行われる可能性があるため、操作部全体を緑色に発光させる。
なお、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れて、かつ、駐車制御装置600の通信装置612とキー50の通信部31との通信が不能(通信途絶)となっていることも想定される。この場合には、キー50の制御部32は、駐車制御装置600の通信装置612とキー50の通信部31との通信が不可能であるため、全ての操作部を操作不能と判定する。このため、前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64の何れも操作不能とされ、操作部全体を赤色に発光させる。すなわち、キー50における全ての操作部が赤色となる。
ただし、通信装置612と通信部31との通信が完全に途絶した場合でも、車両V1を施錠及び解錠するための通信は可能なことも想定される。そこで、通信装置612と通信部31との通信が完全に途絶し、キー50における全ての操作部を赤色とした場合でも、車両V1を施錠及び解錠する操作は有効としてもよい。また、このように、車両V1の施錠及び解錠操作を有効とする場合には、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64を赤色以外の他の色(例えば黄緑色)に発光させるようにしてもよい。
このように、第2実施形態では、駐車支援モードの設定時における車両V1の作動状態に応じて、キー50における各操作部の表示態様を変化させることができる。この場合に、例えば、車両V1の前方または後方に障害物が検出された場合や、車両V1の走行距離が制限された場合には、進めない方向の操作部を赤く発光させる。また、進行可能な方向の操作部は緑色に発光させる。
なお、以上では、駐車支援モードの設定時における操作部の表示態様を変化させる例を示した。ただし、車両V1の施錠及び開錠の機能がオンされている場合についても、操作部の表示態様を変化させるようにしてもよい。例えば、駐車支援モードの設定時に制御停止ボタン43の押下操作がされた場合に、駐車支援モードを終了させるとともに、車両V1の施錠及び開錠の機能をオンし、この機能に対応する制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64を緑色に発光させるようにしてもよい。
なお、以上では、キー50が備える各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)の全体を発光させることにより表示態様を変化させる例を示した。ただし、操作部以外の部分を発光させることにより表示態様を変化させようにしてもよい。例えば、各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)の周囲(例えば上側)に、1または複数の発光部材(発光素子(例えばLED))を設置し、この発光部材を発光させることにより、操作部及びその周囲の表示態様を変化させることができる。このように、第2実施形態では、キー50が備える操作部及びその周囲のうちの少なくとも一部であってその操作部をユーザが視覚的に認識可能な部分(操作部自体、操作部の周囲の上側または下側、操作部の周囲の右側または左側)の表示態様を変化させることができる。
また、各操作部の周囲(例えば上側)に複数の発光部材を並べて設置する場合には、車両V1の左右の操舵方向(転舵方向)に合わせて、各発光部材の発光位置を徐々に変化させるようにしてもよい。例えば、図3の矢印R1に示すように、車両V1が右に操舵しながら前進する駐車経路となっている場合を想定する。この場合には、前進ボタン61の上側に一列に並べて設置された複数の発光部材について、各発光部材の光が左から右に流れるように、各発光部材の発光位置を順次変化させる。または、各発光部材の点灯位置及び点滅位置が左から右に流れるように変化させるようにしてもよい。また、各操作部の内部に複数の発光部材を並べて設置する場合についても同様に、車両V1の転舵方向に合わせて、各発光部材を徐々に発光させるようにしてもよい。
〔駐車支援システムの動作例〕
図11は、制御装置620が実行する駐車支援制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、制御装置620の記憶部(例えばROM622)にプログラムされた処理である。また、この処理手順については、図3に示すステップS120に対応する処理である。
ステップS131において、キー制御部20は、物体検出部13や位置検出部21による検出結果や、通信装置612の通信状況に基づいて、車両V1の周囲の状況を検出する。例えば、キー制御部20は、図8A、図8Bに示すように、車両V1の後方に障害物が存在する場合には、車両V1の後方の障害物の存在を検出する。また、キー制御部20は、図9A、図9Bに示すように、車両V1の前方に障害物が存在する場合には、車両V1の前方の障害物の存在を検出する。また、キー制御部20は、図10Aに示すように、車両V1が目標位置(駐車目標スペースSP2)に到達した場合には、その旨を検出する。また、キー制御部20は、図10Bに示すように、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れている場合には、その旨を検出する。また、キー制御部20は、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れて、かつ、駐車制御装置600の通信装置612と、キー50の通信部31との通信が不能(通信途絶)となった場合には、その旨を検出する。
ステップS132において、キー制御部20は、ステップS131で検出された車両V1の周囲の状況に基づいて実行可能な制御を決定し、その決定された制御に応じたキー50の表示態様を決定する。例えば、キー制御部20は、図8Aに示すように、車両V1と後方の自転車B1との距離L1が比較的離れている場合(距離L1が閾値TH1以上離れている場合)には、後進ボタン62を黄色に発光させ、他の操作部(前進ボタン61、デッドマンスイッチ64)を緑色に発光させる決定をする。
また、キー制御部20は、図8Bに示すように、車両V1と後方の自転車B1との距離L1が比較的近い場合(距離L2が閾値TH2未満の場合)には、後進ボタン62を赤色に発光させ、他の操作部(前進ボタン61、デッドマンスイッチ64)を緑色に発光させる決定をする。
また、キー制御部20は、図9Aに示すように、車両V1と前方の自転車B1との距離L3が比較的離れている場合(距離L3が閾値TH3以上離れている場合)には、前進ボタン61を黄色に発光させ、他の操作部(後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を緑色に発光させる決定をする。
また、キー制御部20は、図9Bに示すように、車両V1と前方の自転車B1との距離L4が比較的近い場合(距離L4が閾値TH4未満の場合)には、前進ボタン61を赤色に発光させ、他の操作部(後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を緑色に発光させる決定をする。なお、図8A乃至図9Bに示す例では、キー制御部20は、制御停止ボタン63を特定色に発光させない決定をする。
また、キー制御部20は、図10Aに示すように、車両V1が目標位置(駐車目標スペースSP2)に到達した場合には、各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を特定色に発光させない決定をする。ただし、キー制御部20は、制御停止ボタン63を緑色に発光させる決定をする。
また、キー制御部20は、図10Bに示すように、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れている場合には、各操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を赤色に発光させ、制御停止ボタン63を緑色に発光させる決定をする。
また、キー制御部20は、車両V1とキー50との距離L5が所定値(例えば6m)以上離れて、かつ、駐車制御装置600の通信装置612と、キー50の通信部31との通信が不能(通信途絶)となった場合には、全ての操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)を赤色に発光させる決定をする。この場合には、通信が不能であるため、キー50の制御部32の制御に基づいて、全ての操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)が赤色となる。
ステップS133において、キー制御部20は、ステップS122で決定したキー50の表示態様に関する情報(制御信号)を通信装置612を介してキー50に送信する。
ステップS134において、キー制御部20は、キー50から操作情報を受信したか否かを判定する。そして、キー50から操作情報を受信した場合には、ステップS135に進み、キー50から操作情報を受信していない場合には、ステップS136に進む。
ステップS135において、キー制御部20は、キー50から受信した操作情報に基づいて駐車支援制御を実行する。
ステップS136において、キー制御部20は、車両V1が目標位置に到達したか否かを判定する。車両V1が目標位置に到達していない場合には、ステップS131に戻り、車両V1の周囲の状況の検出処理を行う。車両V1が目標位置に到達した場合には、リモート操作処理の動作を終了する。
[キーの動作例]
図12は、キー50の制御部32が実行するキー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、制御部32にプログラムされた処理である。なお、この処理手順は、図6に示す処理手順の変形例であるため、ここでは、図6と異なる点を中心にして説明する。
ステップS141において、制御部32は、駐車制御装置600の通信装置612から表示態様に関する情報(制御信号)を受信したか否かを判定する。そして、表示態様に関する情報を受信した場合には、ステップS142に進み、表示態様に関する情報を受信していない場合には、ステップS121に進む。
ステップS142において、制御部32は、受信した情報(表示態様に関する情報)に基づいて、各操作部の表示態様を変化させる。例えば、図7B乃至図10Bに示すように、各操作部の表示態様が変更される。ただし、駐車制御装置600の通信装置612とキー50の通信部31との通信が不能(通信途絶)となった場合には、制御部32は、全ての操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)を赤色に発光させる。
ステップS121において、制御部32は、キー30における各操作部の操作を検出したか否かを判定する。
キー30における各操作部の操作を検出した場合には、ステップS122において、制御部32は、その検出された操作部の表示態様が赤ではなく、かつ、その検出された操作部の操作が所定の操作であるか否かを判定する。上述したように、表示態様が赤となっている操作部は、操作不能と判定されているため、その検出された操作部のうちの少なくとも1つの表示態様が赤である場合には、ステップS141に戻る。一方、その検出された操作部の全ての表示態様が赤以外(緑、黄、色なし)であり、かつ、第1実施形態で示した有効な押下操作のうちの何れかである場合には、所定の操作であると判定される。
なお、図11、図12では、制御装置620のキー制御部20が、キー50における各操作部の表示態様を決定し、その決定内容をキー50に送信する例を示した。ただし、他の機器が、キー50における各操作部の表示態様を決定するようにしてもよい。例えば、制御装置620のキー制御部20は、車両V1の周囲の状況に関する情報(制御状態、障害物検出状況)をキー50に順次送信する。そして、キー50の制御部32が、その受信した情報(周囲の状況に関する情報)に基づいて、制御装置620が実行可能な制御を決定し、その決定された制御に応じた各操作部の表示態様を決定するようにしてもよい。また、例えば、制御装置620のキー制御部20は、車両V1の周囲の状況に関する情報を携帯端末850に順次送信する。そして、携帯端末850が、その受信した情報(周囲の状況に関する情報)に基づいて、制御装置620が実行可能な制御を決定し、その決定された制御に応じたキー50における各操作部の表示態様を決定するようにしてもよい。この場合には、携帯端末850が、キー50における各操作部の表示態様(決定内容)をキー50に送信する。なお、他の機器が、キー50における各操作部の表示態様を決定する場合には、その機器からキー50への送信情報として、各操作部の表示態様に関する情報を送信するようにしてもよく、キー50における各操作部の点灯位置及び色(点灯ボタン)を指定する情報(制御信号)のみを送信するようにしてもよい。
[第2実施形態の作用効果]
第2実施形態に係る駐車支援方法は、キー50を用いて車両V1の駐車制御を実行する駐車支援モードの設定時において、キー50の操作部及びその周囲のうちの少なくとも一部(その操作部をユーザが視覚的に認識可能な部分)の表示態様を、車両V1の動作状態に基づいて変化させる。例えば、キー50の前進ボタン61自体またはその周囲(前進ボタン61をユーザが視覚的に認識可能であり他の操作部(後進ボタン62、制御停止ボタン63、デッドマンスイッチ64)と識別可能な部分(例えば上側))を緑色、黄色、赤色に変化させることができる。
このような駐車支援方法によれば、ユーザUに操作してほしい内容(次に操作すべき内容)を容易に通知することができる。また、駐車支援モードの設定時に用いられる複数の操作部と、これらの操作手順とを強調してユーザに通知することができる。また、駐車支援制御による車両V1の動きに応じて、その動きをユーザUが容易に把握することができる。これにより、ユーザUは、駐車支援モードの設定時に用いられる複数の操作部と操作手順と車両V1の動作状態とを容易に把握することができる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車支援モードの起動開始時において、所定の操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)に係る表示態様を変化させる。例えば、図7Bに示すように、車両V1を進行させる際に用いられる所定の操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を緑色に発光させ、それらの表示態様を変化させる。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの起動開始時において、車両V1を進行させる際に用いられる所定の操作部を強調してユーザに通知することができる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車支援モードの設定時において、所定の操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)を特定色(緑色)に変化させる。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの設定時において、車両V1を進行させる際に用いられる所定の操作部を強調してユーザに通知することができる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車支援モードの設定により生成された駐車経路において車両V1が進行できないと判定された場合には、車両V1が進行できない方向の進行に関する所定の操作部を特定色(緑色)から他の特定色(黄色、赤色)に変化させる。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの設定時において、車両V1が進行できない方向の進行に関する所定の操作部を強調してユーザに通知することができる。これにより、車両V1が停止した理由を容易に把握できる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車支援モードの設定により生成された駐車経路において車両V1が進行できないと判定された場合には、所定の操作部(前進ボタン61、後進ボタン62、デッドマンスイッチ64)に係る表示態様を変化させる。例えば、進行できないと判定された車両V1の方向に係る所定の操作部を点灯から点滅に変化させる。この場合に、例えば、車両V1から障害物までの距離に応じて、所定の操作部の点滅周期を変化させるようにしてもよい。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの設定時において、車両V1が進行できない方向の進行に関する所定の操作部を強調してユーザに通知することができる。これにより、車両V1が停止した理由を容易に把握できる。また、1色のみを発光可能な発光部を操作部内に設けることができるため、製造コストを低減させることができる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車経路における車両V1の前方または後方に障害物が検出された場合、または、駐車経路における車両V1の前方または後方への走行距離が制限された場合に、駐車経路において車両V1が進行できないと判定される。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの設定時において、車両V1が進行できない方向の進行に関する所定の操作部が強調された場合に、ユーザUは、その理由を容易に把握することができる。また、ユーザUは、車両V1の状態を容易に把握することができる。
また、第2実施形態に係る駐車支援方法では、駐車経路における車両V1の前方または後方に障害物が検出され、その駐車経路において車両V1が進行できないと判定された場合において、その駐車経路において当該障害物が検出された車両V1の進行方向に関する所定の操作部を、車両V1と障害物との距離に応じて複数の特定色(緑→黄→赤)に順次変化させる。
このような駐車支援方法によれば、駐車支援モードの設定時において、車両V1が進行できない方向の進行に関する所定の操作部が複数の特定色に変化した場合に、ユーザUは、その理由を容易に把握することができる。また、ユーザUは、車両V1の状態を容易に把握することができる。
[第2実施形態の変形例]
第2実施形態では、車両V1の進行に関する操作部(前進ボタン61、後進ボタン62)の全体の表示態様を変化させる例を示した。ただし、これらの操作部の一部の表示態様を変化させるようにしてもよい。また、例えば、1つの操作部に複数の指示操作が関連付けられているキーについても第2実施形態を適用することができる。そこで、第2実施形態の変形例では、1つの操作部に複数の指示操作が関連付けられているキーの操作部の全体またはその一部の表示態様を変化させる例を示す。なお、第2実施形態の変形例は、第1、2実施形態の一部を変更した例であり、第1、2実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
〔キーの構成例〕
図13Aは、駐車支援システム1において車両V1を操作するためのキー70の外観構成例を示す図である。具体的には、図13Aには、駐車支援モードが設定されていない状態のキー70の外観構成例を示す。なお、キー70が備える操作部群80は、図7Aに示すキー50が備える操作部群60と一部が共通する。具体的には、制御停止ボタン83、デッドマンスイッチ84が、図7Aに示すキー50が備える操作部群60と共通する。ただし、キー70では、車両V1の前進として複数種類の指示をすることが可能な前進ボタン81と、車両V1の後進として複数種類の指示をすることが可能な後進ボタン82とを備える点が、図7Aに示すキー50が備える操作部群60とは異なる。また、キー70では、前進ボタン81及び後進ボタン82については、その一部の表示態様を変更可能な点が、図7Aに示すキー50が備える操作部群60とは異なる。
具体的には、前進ボタン81は、車両V1の前進として、直進、左方向への前進(左転舵前進)、右方向への前進(右転舵前進)を指示することが可能な操作部である。また、後進ボタン82は、車両V1の後進として、直進、左方向への後進(左転舵後進)、右方向への後進(右転舵後進)を指示することが可能な操作部である。ただし、ユーザUによる前進ボタン81、後進ボタン82の操作としては、操作部全体の押下操作のみを行うことが可能である。すなわち、前進ボタン81の表示態様によって、押下操作に応じた制御が異なる。この表示態様と駐車支援制御との関係については、図13B乃至図14Bを参照して詳細に説明する。
[直進可能時の表示態様例]
図13Bは、駐車支援モードの設定時において、前進(直進)のみを車両V1が行うことが可能な場合のキー70の外観構成例を示す図である。すなわち、図13Bの右側に示すように、駐車目標スペースSP2に車両V1を移動させる場合には、車両V1を前進(直進)させる必要がある。この場合には、前進ボタン81、デッドマンスイッチ84が操作可能であるため、これらの操作部全体を緑色に発光させる。なお、図13Bでは、操作部全体を緑色に発光させることを示すため、前進ボタン81、デッドマンスイッチ84を点線の矩形85、86で囲んで示し、前進ボタン81、デッドマンスイッチ84内に「緑」の文字を付す。
このように、前進ボタン81全体を緑色に発光させることにより、キー70を所持するユーザUは、車両V1が前進(直進)可能であることを容易に把握できる。また、キー70を所持するユーザUは、前進ボタン81及びデッドマンスイッチ84の押下操作(同時押し)により車両V1が前進(直進)することを容易に把握できる。
[右方向への前進可能時の表示態様例]
図14Aは、駐車支援モードの設定時において、右方向への前進(右転舵前進)のみを車両V1が行うことが可能な場合のキー70の外観構成例を示す図である。すなわち、図14Aの右側に示すように、駐車目標スペースSP2に車両V1を移動させる場合には、車両V1を切返し位置に移動させるため、右転舵前進させる必要がある。この場合には、前進ボタン81、デッドマンスイッチ84が操作可能である。ただし、図14Aに示す例では、前進ボタン81の押下操作がされた場合には、車両V1を右転舵前進させる制御が実行される。このため、デッドマンスイッチ84については操作部全体を緑色に発光させるが、前進ボタン81については、右転舵前進を意味する標識部分のみを緑色に発光させる。なお、図14Aでは、前進ボタン81の一部のみを緑色に発光させることを示すため、緑色に発光させる部分を点線の矩形87で囲んで示し、その部分内に「緑」の文字を付す。
このように、前進ボタン81の一部を緑色に発光させることにより、キー70を所持するユーザUは、車両V1が右転舵前進可能であることを容易に把握できる。また、キー70を所持するユーザUは、前進ボタン81及びデッドマンスイッチ84の押下操作(同時押し)により車両V1が右転舵前進することを容易に把握できる。すなわち、制御装置620により生成された駐車経路をユーザUに通知することができる。
[左方向への後進可能時の表示態様例]
図14Bは、駐車支援モードの設定時において、左方向への後進(左転舵後進)のみを車両V1が行うことが可能な場合のキー70の外観構成例を示す図である。すなわち、図14Bの右側に示すように、駐車目標スペースSP2に車両V1を移動させる場合には、切返し位置から車両V1を移動させるため、左転舵後進させる必要がある。この場合には、後進ボタン82、デッドマンスイッチ84が操作可能である。ただし、図14Bに示す例では、後進ボタン82の押下操作がされた場合には、車両V1を左転舵後進させる制御が実行される。このため、デッドマンスイッチ84については操作部全体を緑色に発光させるが、後進ボタン82については、左転舵後進を意味する標識部分のみを緑色に発光させる。なお、図14Bでは、後進ボタン82の一部のみを緑色に発光させることを示すため、緑色に発光させる部分を点線の矩形88で囲んで示す。
このように、後進ボタン82の一部を緑色に発光させることにより、キー70を所持するユーザUは、車両V1が左転舵後進可能であることを容易に把握できる。また、キー70を所持するユーザUは、後進ボタン82及びデッドマンスイッチ84の押下操作(同時押し)により車両V1が左転舵後進することを容易に把握できる。すなわち、制御装置620により生成された駐車経路をユーザUに通知することができる。
なお、第2実施形態で示したように、各操作部の周囲(例えば上側)に複数の発光部材を並べて設置するようにしてもよい。この場合には、車両V1の左右の操舵方向(転舵方向)に合わせて、各発光部材の発光位置(点灯位置または点滅位置)を徐々に変化させることができる。これにより、前進ボタン81または後進ボタン82の一部の緑色への変化と、各発光部材の発光位置の変化により、ユーザUは、車両V1の左右の操舵方向(転舵方向)をさらに容易に把握できる。
[第2実施形態の変形例の作用効果]
第2実施形態の変形例に係る駐車支援方法は、駐車支援モードの設定時において、駐車支援モードの設定により生成された駐車経路において車両V1を進行させるための所定の操作部(前進ボタン81、後進ボタン82)に係る表示態様を、当該所定の操作部の操作により当該駐車経路上を進行する車両V1の左右の操舵方向を示す表示態様に変化させる。例えば、図14Aに示すように、車両V1を前進させるための操作部(前進ボタン81)については、右転舵前進を意味する標識部分(点線の矩形87内に示す)のみを緑色に発光させることにより、前進ボタン81の操作により当該駐車経路上を進行する車両V1が右転舵前進することを示す表示態様に変化させる。
このような駐車支援方法によれば、車両V1の転舵方向を操作部の表示態様の変化でユーザUに通知でき、ユーザUは、車両V1が進行する方向や車両V1の転舵方向と、そのための操作部と操作手順とを容易に把握することができる。
また、第2実施形態の変形例に係る駐車支援方法では、操舵方向を示す表示態様として、当該操舵方向に光が流れるように複数の発光部を順次発光させる表示態様、または、当該操舵方向に光が流れるように複数の発光部における点灯位置及び点滅位置を順次変化させる表示態様とする。
このような駐車支援方法によれば、車両V1の転舵方向を、複数の発光部を用いた光の流れでユーザUに通知でき、ユーザUは、車両V1の転舵方向をさらに容易に把握することができる。
[第3実施形態]
第2実施形態、第2実施形態の変形例では、車両V1の周囲の状態に応じてキー50、70の操作部を発光させ、操作可能な操作部をユーザUが容易に把握できる例を示した。ここで、例えば、車両V1の周囲の状態によっては、移動中の車両V1が急に停止することも想定される。このような場合には、車両V1の車外にいるユーザUがその停止の理由を知ることが困難であることも想定される。そこで、第3実施形態では、車両の周囲の状態を車両V1のランプを用いてユーザUに通知し、ユーザUがその状態を容易に迅速に把握できる例を示す。なお、第3実施形態は、第1、2実施形態の一部を変更した例であり、第1、2実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
〔車両の構成例〕
図1を参照して、第3実施形態における車両V1の機能構成例について説明する。ここでは、第3実施形態に用いられる構成のみについて説明し、他の説明は省略する。
車両V1は、駐車制御装置600と、車両コントローラ710と、前方及び後方の障害物センサと、ヘッドランプユニット750と、バックランプユニット760と、ブレーキランプユニット770と、ブレーキアクチュエータ780とを備える。なお、前方の障害物センサは、例えば、車両V1の前部に設置され、車両V1の前方の障害物を検出可能な撮像装置640、測距装置650により実現される。また、後方の障害物センサは、例えば、車両V1の後部に設置され、車両V1の後方の障害物を検出可能な撮像装置640、測距装置650により実現される。
なお、前方の障害物センサは、車両V1の前方に存在する物体を検出するものであり、検出された物体に関する情報(物体情報)を車両コントローラ710に出力する。また、後方の障害物センサは、車両V1の後方に存在する物体を検出するものであり、検出された物体に関する情報(物体情報)を車両コントローラ710に出力する。
また、車両コントローラ710は、駐車支援モードの設定時には、制御装置620の制御に基づいて各部を制御する。具体的には、車両コントローラ710は、前方の障害物センサ及び後方の障害物センサのうちの少なくとも1つの検出結果に基づいて、ヘッドランプユニット750、バックランプユニット760、ブレーキランプユニット770のうちの少なくとも1つの発光制御、または、ブレーキアクチュエータ780の動作を制御する。
[前方に障害物が存在する場合の車両の動作例]
図15Aは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の前方に障害物400が存在する場合の車両V1の動作例を示す図である。なお、車両V1の前方の障害物400については、前方の障害物センサにより検出される。
車両コントローラ710は、車両V1の前方に障害物400が存在する場合には、ヘッドランプユニット750を制御してヘッドランプ751、752を点滅させる。また、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752を点滅させるとともに、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。なお、図15Aに示す制御は、車両V1と前方の障害物400との距離L6が比較的近い場合(距離L6が閾値TH6未満の場合)にのみ実行することができる。また、図15Aに示す制御は、前方の障害物センサにより障害物が検出される毎に実行するようにしてもよい。
[後方に障害物が存在する場合の車両の動作例]
図15Bは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の後方に障害物401が存在する場合の車両V1の動作例を示す図である。なお、車両V1の後方の障害物については、後方の障害物センサにより検出される。
車両コントローラ710は、車両V1の後方に障害物401が存在する場合には、バックランプユニット760を制御してバックランプ761、762を点滅させる。また、車両コントローラ710は、バックランプ761、762を点滅させるとともに、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。なお、図15Bに示す制御は、車両V1と後方の障害物401との距離L7が比較的近い場合(距離L7が閾値TH7未満の場合)にのみ実行することができる。また、図15Bに示す制御は、後方の障害物センサ220により障害物が検出される毎に実行するようにしてもよい。
〔車両の動作例〕
図16は、車両コントローラ710が実行する駐車支援制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、車両コントローラ710(例えばROM)にプログラムされた処理である。
ステップS301において、車両コントローラ710は、駐車支援モードの設定時において、キー30を用いたユーザUによるリモート操作を実行中であるか否かを判定する。リモート操作を実行中でない場合には、駐車支援制御処理の動作を終了する。リモート操作を実行中である場合には、ステップS302に進む。
ステップS302において、車両コントローラ710は、車両V1の進行方向(前進、後進)を選択する。車両V1が前進している場合には、ステップS303に進み、車両V1が後進している場合には、ステップS309に進む。
ステップS303において、車両コントローラ710は、前方の障害物センサによる検出結果に基づいて、車両V1の前方の障害物を探索する。
ステップS304において、車両コントローラ710は、ステップS303での探索結果に基づいて、車両V1の前方に障害物が検出されたか否かを判定する。車両V1の前方に障害物が検出された場合には、ステップS305に進み、車両V1の前方に障害物が検出されない場合には、ステップS307に進む。
ステップS305において、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752を点滅させる制御を実行する。
ステップS306において、車両コントローラ710は、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。このように、車両V1の前方に障害物が検出された場合に、車両V1を停止させるとともに、ヘッドランプ751、752を点滅させることにより、車両V1の前方に障害物が存在するため、車両V1が停止したことをユーザUに通知することができる。
ステップS307において、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752を消灯させる制御を実行する。なお、ステップS307よりも前にヘッドランプ751、752が消灯している場合には、その消灯を継続させる。また、ステップS307において、ヘッドランプ751、752を消灯させる代わりに、ヘッドランプ751、752を点灯させるようにしてもよい。
ステップS308において、車両コントローラ710は、車両V1の前方への進行を継続させる。
ステップS309において、車両コントローラ710は、後方の障害物センサによる検出結果に基づいて、車両V1の後方の障害物を探索する。
ステップS310において、車両コントローラ710は、ステップS309での探索結果に基づいて、車両V1の後方に障害物が検出されたか否かを判定する。車両V1の後方に障害物が検出された場合には、ステップS311に進み、車両V1の後方に障害物が検出されない場合には、ステップS313に進む。
ステップS311において、車両コントローラ710は、バックランプ761、762を点滅させる制御を実行する。
ステップS312において、車両コントローラ710は、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。このように、車両V1の後方に障害物が検出された場合に、車両V1を停止させるとともに、バックランプ761、762を点滅させることにより、車両V1の後方に障害物が存在するため、車両V1が停止したことをユーザUに通知することができる。
ステップS313において、車両コントローラ710は、バックランプ761、762を消灯させる制御を実行する。なお、ステップS313よりも前にバックランプ761、762が消灯している場合には、その消灯を継続させる。
ステップS314において、車両コントローラ710は、車両V1の後方への進行を継続させる。
[第3実施形態の作用効果]
第3実施形態に係る駐車支援方法は、キー30を用いて車両V1の駐車制御を実行する駐車支援モードの設定時において、駐車支援モードの設定により生成された駐車経路における車両V1の前方または後方に障害物が検出された場合に、車両V1が備える発光部(ヘッドランプ751、752、バックランプ761、762)の発光制御を行う。
このような駐車支援方法によれば、車両V1の外側(車外)にいるユーザUが、車両V1が備える発光部(ヘッドランプ751、752、バックランプ761、762)の発光を見ることにより、目視で車両V1の状態(例えば障害物検知状態)を容易に把握することができる。これにより、例えば、車両V1が障害物の存在により停止した状況でも、ユーザUは、なぜ駐車制御が停止したかを容易に把握することができる。また、ユーザUが車両V1の後方にいる場合でも、車両V1が備える発光部(バックランプ761、762)の発光を見ることにより、目視で車両V1の状態を容易に把握することができる。
[第3実施形態の変形例]
第3実施形態では、駐車支援モードの設定時において、車両V1の前進中に車両V1の前方に障害物が検出された場合には、ヘッドランプ751、752を点滅させ、車両V1の後進中に車両V1の後方に障害物が検出された場合には、バックランプ761、762を点滅させる例を示した。ただし、本発明はこれに限定されず、車両V1の前進中に車両V1の前方に障害物が検出された旨の通知や、車両V1の後進中に車両V1の後方に障害物が検出された旨の通知を他の方法により実行するようにしてもよい。そこで、第3実施形態の変形例では、車両V1の前進中に車両V1の前方に障害物が検出された旨の通知や、車両V1の後進中に車両V1の後方に障害物が検出された旨の通知を他の方法により実行する例を示す。なお、第3実施形態の変形例は、第1乃至3実施形態の一部を変更した例であり、第1乃至3実施形態と共通する部分については、図示及びその説明の一部を省略する。
[前方に障害物が存在する場合の車両の動作例]
図17Aは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の前方に障害物400が存在する場合の車両V1の動作例を示す図である。なお、図17Aに示す例は、図15Aに示す例において、ヘッドランプ751、752を点滅させる代わりに、ハイビームで点灯させる点が異なる。この点以外は、図15Aに示す例と共通するため、ここでは、図15Aと異なる点を中心にして説明する。
車両コントローラ710は、車両V1の前方に障害物400が存在する場合には、ヘッドランプユニット750を制御してヘッドランプ751、752をハイビームで点灯させる。また、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752をハイビームで点灯させるとともに、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。
[後方に障害物が存在する場合の車両の動作例]
図17Bは、駐車支援モードの設定時において、車両V1の後方に障害物401が存在する場合の車両V1の動作例を示す図である。なお、図17Bに示す例は、図15Bに示す例において、バックランプ761、762を点滅させる代わりに、ブレーキランプ771、772を点滅させる点が異なる。この点以外は、図15Bに示す例と共通するため、ここでは、図15Bと異なる点を中心にして説明する。
車両コントローラ710は、車両V1の後方に障害物401が存在する場合には、ブレーキランプユニット770を制御してブレーキランプ771、772を点滅させる。また、車両コントローラ710は、ブレーキランプ771、772を点滅させるとともに、ブレーキアクチュエータ780を制御して車両V1を停止させる。
〔車両の動作例〕
図18は、車両コントローラ710が実行する駐車支援制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この処理手順は、車両コントローラ710(例えばROM)にプログラムされた処理である。また、この処理手順は、図16に示す処理手順の一部を変形したものであるため、図16に示す処理手順と同一の処理については同一の符号を付して説明を省略する。
ステップS304において、車両コントローラ710は、ステップS303での探索結果に基づいて、車両V1の前方に障害物が検出されたか否かを判定する。車両V1の前方に障害物が検出された場合には、ステップS321に進み、車両V1の前方に障害物が検出されない場合には、ステップS322に進む。
ステップS321において、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752をハイビームで点灯させる制御を実行する。
ステップS322において、車両コントローラ710は、ヘッドランプ751、752をロービームで点灯させる制御を実行する。なお、ステップS322よりも前にヘッドランプ751、752がロービームで点灯している場合には、その点灯を継続させる。
ステップS310において、車両コントローラ710は、ステップS309での探索結果に基づいて、車両V1の後方に障害物が検出されたか否かを判定する。車両V1の後方に障害物が検出された場合には、ステップS323に進み、車両V1の後方に障害物が検出されない場合には、ステップS324に進む。
ステップS323において、車両コントローラ710は、ブレーキランプ771、772を点滅させる制御を実行する。
ステップS324において、車両コントローラ710は、ブレーキランプ771、772を通常動作させる制御を実行する。
[第3実施形態の変形例の作用効果]
第3実施形態、その変形例に係る駐車支援方法は、駐車支援モードの設定時において、駐車経路における車両V1の前方に障害物が検出された場合には、車両V1が備えるヘッドランプ751、752を点滅させる発光制御、または、ヘッドランプ751、752をハイビームとする発光制御を行う。
このような駐車支援方法によれば、ユーザUが車両V1の周囲にいる場合に、車両V1が備えるヘッドランプ751、752の発光を見ることにより、目視で車両V1の状態を容易に把握することができる。
また、第3実施形態、その変形例に係る駐車支援方法では、駐車支援モードの設定時において、駐車経路における車両V1の後方に障害物が検出された場合には、車両V1が備えるバックランプ761、762を点滅させる発光制御、または、車両V1が備えるブレーキランプ771、772を点滅させる発光制御を行う。
このような駐車支援方法によれば、ユーザUが車両V1の周囲にいる場合に、車両V1が備えるバックランプ761、762またはブレーキランプ771、772の発光を見ることにより、目視で車両V1の状態を容易に把握することができる。
なお、第3実施形態及びその変形例では、第1実施形態で示したキー30を用いる例を示したが、キー30の代わりに、第2実施形態、その変形例で示したキー50、70を用いるようにしてもよい。このように、キー50、70を用いることにより、車両V1が備えるランプによるユーザUへの通知とともに、キー50、70を用いたユーザUへの通知を行うことができる。これにより、ユーザUに車両V1の状態を確実、迅速に通知することができる。
また、第3実施形態及びその変形例では、車両V1の外部に備えられる各ランプ(ヘッドランプ751、752、バックランプ761、762、ブレーキランプ771、772)の発光制御を行い、ユーザUに車両V1の状態を通知する例を示した。ただし、車両V1の外部に備えられる他のランプ(例えば、フォグランプ、ウインカーランプ)の発光制御を行い、ユーザUに車両V1の状態を通知するようにしてもよい。また、車両V1の室内に備えられる他のランプ(例えば、室内灯)の発光制御を行い、ユーザUに車両V1の状態を通知するようにしてもよい。
なお、第1乃至3実施形態及びその変形例では、4つの操作部を備えるキーを例にして説明したが、5以上の操作部を備えるキーについても各実施形態を適用することができる。また、第1乃至3実施形態及びその変形例では、操作部として押下操作可能なボタンを備えるキーを例にして説明したが、複数の操作ボタンを表示して、これらの各操作ボタンの接触操作または近接操作が可能なタッチパネルを備えるキーについても各実施形態を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。