以下、図面を参照し、本発明の車両貸出サービス管理装置、車両貸出サービス管理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下の説明においては、車両貸出サービスが、無人の駐車場などの拠点に駐車されている車両を複数の利用者が共用する形態のサービス、いわゆる、カーシェアリングサービスであるものとする。
車両貸出サービスにおいて貸し出される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両である。これらの車両は、例えば、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなど、燃料をエネルギー源とする内燃機関の駆動力を利用して走行する車両である。このため、車両貸出サービスの利用者は、例えば、ガソリンスタンドなどの給油所に、貸し出しを受けた車両に乗車して立ち寄り、立ち寄った給油所において車両にエネルギー(軽油やガソリン)を補充する。車両貸出サービスにおいて貸し出される車両は、例えば、バッテリ(二次電池)から供給される電力をエネルギー源とする電動機(電動モータ)などの駆動力を利用して走行する車両(いわゆる、BEV(Battery Electric Vehicle:電気自動車))などであってもよい。車両貸出サービスにおいて貸し出される車両は、例えば、内燃機関と電動機とを組み合わせた駆動力を利用して走行する車両(いわゆる、HEV(Hybrid Electric Vehicle:ハイブリッド電気自動車))などであってもよい。これらの場合、車両貸出サービスの利用者は、例えば、充電ステーションなどに車両とともに立ち寄って、エネルギー(電力、HEVである場合にはガソリンなどの燃料を含めてもよい)を補充する。以下の説明においては、車両貸出サービスにおいて貸し出される車両が、ガソリンを燃料とする内燃機関の駆動力を利用して走行する車両であるものとする。
[車両貸出サービス管理装置の使用環境]
図1は、実施形態に係る車両貸出サービス管理装置の使用環境の一例を示す図である。車両貸出サービス管理装置100は、貸し出し対象の車両M(以下、「シェアリング車両M」という)と、端末装置Tとのそれぞれと、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局などを含む無線通信の通信網である。図1では、1台のシェアリング車両MがネットワークNWを介して車両貸出サービス管理装置100と接続されている状態を示しているが、シェアリング車両Mは複数台であってもよい。
車両貸出サービス管理装置100は、カーシェアリングサービスにおけるシェアリング車両Mの貸し出しを管理する。車両貸出サービス管理装置100は、例えば、カーシェアリングサービスを利用する利用者Uからのシェアリング車両Mの利用要求(利用予約を含む)の受け付け、利用者Uがシェアリング車両Mの利用を可能とするための処理、貸し出したシェアリング車両Mの利用状況の検知などを行う。
利用者Uがシェアリング車両Mの利用を可能とするための処理とは、例えば、利用者Uにより利用要求がされたシェアリング車両Mを他の利用者が利用することができないように確保する処理や、利用者Uが実際に利用を開始する際に必要となる利用者Uの情報をシェアリング車両Mに事前に送信しておく処理などを含んでいる。利用者Uが実際に利用を開始する際に必要となる利用者Uの情報とは、例えば、利用者Uが実際に利用を開始する場面において、シェアリング車両Mのドアを解錠するために利用者Uが入力する(例えば、シェアリング車両Mが備える読み取り装置に読み取らせる)情報と照合することにより、利用要求を受け付けた利用者Uを特定するための情報である。
シェアリング車両Mの利用状況には、貸し出した利用者Uによりシェアリング車両Mが利用されているか否かの情報や、シェアリング車両Mの位置情報、シェアリング車両Mに積載されているガソリンの残量の情報など、シェアリング車両Mに関して検知した現在の状況を含んでいる。
車両貸出サービス管理装置100は、利用者Uにより利用されていないときに保管(駐車)されている無人の駐車場などの拠点の近隣の存在し、シェアリング車両Mに補充可能な燃料(例えば、軽油やガソリンなど)を供給する給油所、いわゆる、ガソリンスタンドがある位置の情報(以下、「給油所情報」という)を記憶している。駐車場などの拠点は、特許請求の範囲における「保管場所」の一例である。給油所ある位置は、特許請求の範囲における「エネルギー補充装置が設置されている位置」の一例である。給油所は、特許請求の範囲における「エネルギー補充装置」の一例である。
車両貸出サービス管理装置100は、シェアリング車両Mが返却される状態であることを検知した場合、利用者Uに対して、返却前にシェアリング車両Mへの給油を行うことを提案する。例えば、車両貸出サービス管理装置100は、記憶している給油所情報に示された給油所での給油を提案する。このとき、車両貸出サービス管理装置100は、給油をしてからシェアリング車両Mを返却した場合に、例えば、カーシェアリングサービスを利用した場合に貯めることができるポイントなどの特典が利用者Uに付与されることを示してもよい。ここで、利用者Uに付与する特典は、例えば、シェアリング車両Mに給油をしたことに対する一律のものであってもよいし、シェアリング車両Mに積載されている現在のガソリンの残量に基づいて決定したものであってもよい。利用者Uに付与する特典は、上述したようなポイントに限らず、例えば、カーシェアリングサービスを次回利用する際の利用料金の割引などであってもよい。
車両貸出サービス管理装置100は、例えば、シェアリング車両Mへの給油を提案するためのガソリン補充提案情報(利用者Uに付与される特典の情報を含んでもよい)を、ネットワークNWを介して、シェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tに提供(送信)する。ガソリン補充提案情報は、例えば、音声や画像によってシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するための情報である。シェアリング車両Mに搭載された車載機器は、例えば、ナビゲーション装置である。ガソリン補充提案情報は、特許請求の範囲における「車両へのエネルギーの補充を提案する情報」の一例である。例えば、ナビゲーション装置などのシェアリング車両Mに搭載された車載機器や端末装置Tは、特許請求の範囲における「通知装置」の一例である。
車両貸出サービス管理装置100は、通知装置がナビゲーション装置である場合、例えば、ナビゲーション装置に音声によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報を送信し、ナビゲーション装置が備えるスピーカーなどの音声出力部に発音させることによって、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案する。車両貸出サービス管理装置100は、例えば、ナビゲーション装置に画像によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報を送信し、ナビゲーション装置の表示装置にガソリン補充提案情報に基づく画像を表示させることによって、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案する。車両貸出サービス管理装置100は、通知装置が端末装置Tである場合、端末装置Tに音声によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報を送信し、端末装置Tのスピーカーに発音させることによって、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案する。車両貸出サービス管理装置100は、端末装置Tに画像によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報を送信し、端末装置Tの表示装置にガソリン補充提案情報に基づく画像を表示させることによって、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案する。車両貸出サービス管理装置100は、例えば、シェアリング車両Mが信号待ちで停止しているときなど、シェアリング車両Mが走行中ではない、つまり、利用者Uが運転中ではないときに、シェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tにガソリン補充提案情報(特に、画像によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報)を送信するようにしてもよい。
端末装置Tは、例えば、スマートフォンやタブレット端末など、カーシェアリングサービスを利用する利用者Uが使用する可搬型の端末装置である。端末装置Tは、利用者Uによる操作に応じて、シェアリング車両Mの貸し出し(貸し出し予約を含む)の手続きを行う。端末装置Tでは、カーシェアリングサービスを受けるためのアプリケーション(以下、「カーシェアリングアプリケーション」という)などが実行されている。カーシェアリングサービスを利用する際、利用者Uは、カーシェアリングアプリケーションからカーシェアリングサービスに事前に入会(登録)する。カーシェアリングサービスに入会する際、利用者Uは、端末装置Tを操作して、例えば、氏名、性別、生年月日、免許証の番号など、利用者Uを特定するための情報をカーシェアリングアプリケーションに入力する。そして、カーシェアリングアプリケーションは、入力された利用者Uを特定するための情報を対応付けた利用者情報(以下、「登録利用者情報」という)を、ネットワークNWを介して車両貸出サービス管理装置100に送信する。このとき、カーシェアリングアプリケーションは、例えば、端末装置IDなどの端末装置Tを識別するための識別情報も、ネットワークNWを介して車両貸出サービス管理装置100に送信する。これにより、利用者Uのカーシェアリングサービスへの入会が完了し、例えば、利用者IDが付与される。その後、利用者Uは、シェアリング車両Mの貸し出しを受ける際に、付与された利用者IDでカーシェアリングアプリケーションにログインし、ログインしたカーシェアリングアプリケーションにより、シェアリング車両Mの検索や利用日の設定(予約)などを行う。本発明は、主にシェアリング車両Mを返却する前に給油を行うことを提案する際の処理に着目したものであるため、利用者Uにおけるカーシェアリングサービスへの入会方法やシェアリング車両Mの利用要求方法(利用予約方法を含む)に関するさらに詳細な説明については省略する。
利用者Uは、複数の端末装置を保有し、それぞれの端末装置にカーシェアリングアプリケーションをインストールすることも考えられる。この場合、利用者Uは、いずれの端末装置においても、付与された同じ利用者IDでログインし、カーシェアリングアプリケーションを実行させることができる。それぞれの端末装置において実行されているカーシェアリングアプリケーションは、例えば、端末装置IDなどのそれぞれの端末装置を識別するための識別情報を車両貸出サービス管理装置100に通知してもよい。これにより、車両貸出サービス管理装置100は、同じ利用者IDでログインされて実行されている複数のカーシェアリングアプリケーションのそれぞれを、例えば、端末装置IDなどにより区別することができる。つまり、車両貸出サービス管理装置100は、同じ利用者IDでログインされてカーシェアリングアプリケーションが実行されている複数の端末装置がある場合でも、シェアリング車両Mの利用要求(利用予約を含む)をする際に使用された端末装置Tと、その他の端末装置とを区別することができる。
カーシェアリングアプリケーションは、利用者Uがシェアリング車両Mを利用するときにも利用者Uによりログインされた状態で実行される。このとき、カーシェアリングアプリケーションは、端末装置Tが備える、例えば、GPS(Global Positioning System)などの位置センサから取得した現在の位置を表す位置情報(以下、「端末位置情報」という)を、ネットワークNWを介して車両貸出サービス管理装置100に送信してもよい。カーシェアリングアプリケーションは、車両貸出サービス管理装置100によりネットワークNWを介して送信(提供)されたガソリン補充提案情報に基づく音声をスピーカーによって発音させたり、ガソリン補充提案情報に基づく画像を表示装置に表示させたりすることによって、ガソリン補充提案情報の内容を利用者Uに伝える。つまり、端末装置Tは、車両貸出サービス管理装置100によりシェアリング車両Mへの給油が提案されたことを、利用者Uに通知する。
シェアリング車両Mは、利用者Uが利用を開始する際に、例えば、カーシェアリングサービスにおいて用いられる貸し出し用のICカードや、ICカード式の免許証などに記憶されている情報を、シェアリング車両Mが備える読み取り装置に読み取らせることにより、利用可能となる。
利用者Uは、シェアリング車両Mを利用する。このとき、利用者Uは、付与された利用者IDでカーシェアリングアプリケーションにログインして実行された状態の端末装置Tを携帯することが想定される。この端末装置Tは、シェアリング車両Mの利用要求をする際に利用者Uが使用した端末装置Tであってもよいし、利用要求をする際に使用していないが、同じ利用者IDでログインして利用者Uが使用することができる他の端末装置Tであってもよい。利用者Uにより利用可能となった状態のシェアリング車両Mは、利用中の現在の状況を表す車両情報を、ネットワークNWを介して車両貸出サービス管理装置100に逐次送信する。車両情報には、上述した貸し出した利用者Uによりシェアリング車両Mが利用されているか否かの情報や、現在のシェアリング車両Mの位置情報(以下、「車両位置情報」という)、現在のガソリンの残量の情報などに加えて、例えば、シェアリング車両Mが向かう先の目的地の情報や、シェアリング車両Mが走行する経路の情報、シェアリング車両Mが目的地に到着する到着予定時刻の情報も含まれている。車両位置情報や、目的地の情報、経路の情報、到着予定時刻の情報は、例えば、不図示のナビゲーション情報取得部が、シェアリング車両Mが備えるナビゲーション装置から取得する情報であってもよい。つまり、車両位置情報や、目的地の情報、経路の情報、到着予定時刻の情報は、例えば、シェアリング車両Mが備えるナビゲーション装置が、シェアリング車両Mが走行する経路を案内するために用いる情報であってもよい。この場合、例えば、車両位置情報は、ナビゲーション装置が備える、またはシェアリング車両Mが備えるGPSなどの位置センサから取得した現在の位置を表す位置情報であってもよい。目的地の情報は、利用者Uによりナビゲーション装置に設定された目的地の名称や位置を表す情報であってもよい。経路の情報は、ナビゲーション装置が案内する目的地までの経路を表す情報であってもよい。到着予定時刻の情報は、ナビゲーション装置が案内する経路に基づいて推定した目的地への到着予定時刻を表す情報であってもよい。経路の情報、到着予定時刻の情報は、例えば、記憶部110に地図情報(不図示)を記憶しておき、不図示の車両移動検出部が、車両情報に含まれる車両位置情報と、記憶部110に記憶されている地図情報(不図示)とに基づいて、ナビゲーション装置と同様の方法によって推定した情報であってもよい。
[車両貸出サービス管理装置100の構成]
次に、車両貸出サービス管理装置100の構成について説明する。図2は、実施形態に係る車両貸出サービス管理装置100の構成の一例を示す図である。車両貸出サービス管理装置100は、記憶部110と、通信部120と、受付部130と、データ管理部140と、給油提案決定部150と、給油提案部160と、を備える。給油提案決定部150は、帰路推定部152を備える。
通信部120と、受付部130と、データ管理部140と、給油提案決定部150と、給油提案部160とは、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。これらの構成要素の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め車両貸出サービス管理装置100が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が車両貸出サービス管理装置100が備えるドライブ装置に装着されることで車両貸出サービス管理装置100が備えるHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。車両貸出サービス管理装置100は、クラウドコンピューティングシステムに組み込まれたサーバ装置や記憶装置に実現されてもよい。この場合、クラウドコンピューティングシステムにおける複数のサーバ装置や記憶装置によって、車両貸出サービス管理装置100の機能が実現されてもよい。
記憶部110は、例えば、登録車両情報112と、登録利用者情報114と、給油所情報116と、管理データベース(DB)118とが記憶される。登録車両情報112は、カーシェアリングサービスに登録されているシェアリング車両Mの情報である。登録車両情報112には、シェアリング車両Mを保管(駐車)する駐車場などの拠点(保管場所)の位置を示す情報が含まれている。登録利用者情報114は、カーシェアリングサービスに入会(登録)している利用者Uの情報である。給油所情報116は、給油所ある位置を示す情報である。給油所情報116には、シェアリング車両Mの保管場所の近隣の給油所の位置が示されている。給油所情報116は、シェアリング車両Mごとに対応付けられる情報であってもよいし、シェアリング車両Mを含む複数のシェアリング車両が保管(駐車)されている駐車場などの拠点に対応付けられる情報であってもよい。給油所情報116は、例えば、記憶部110に記憶している地図情報(不図示)に登録されていてもよい。管理DB118は、データ管理部140により生成されたデータベースである。
通信部120は、ネットワークNWを介して、シェアリング車両Mや端末装置Tと通信する。通信部120は、ネットワークNWを介して端末装置Tにより送信された登録利用者情報や、シェアリング車両Mの利用要求(利用予約を含む)の情報を受信し、受信したそれぞれの情報を受付部130に出力する。通信部120は、ネットワークNWを介してシェアリング車両Mにより送信された車両情報を受信し、受信した車両情報をデータ管理部140に出力する。通信部120は、ネットワークNWを介して端末装置Tにより送信された端末位置情報を受信した場合、受信した端末位置情報をデータ管理部140に出力する。通信部120は、給油提案部160により出力されたガソリン補充提案情報を、ネットワークNWを介してシェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tに送信する。
通信部120は、利用者Uがシェアリング車両Mに給油を行った場合にネットワークNWを介して給油所により送信される、ガソリンの給油量の情報や支払い請求の情報を受信し、受信したそれぞれの情報を、例えば、不図示の支払い処理部に出力する。不図示の支払い処理部は、通信部120により出力された情報に基づいて、給油所に対してガソリンの対価を支払う支払いの手続きを行う。
受付部130は、通信部120により出力されたそれぞれの情報に基づいて、利用者Uのカーシェアリングサービスへの入会や、利用者Uによるシェアリング車両Mの利用要求の受け付け処理を行う。利用者Uからの利用要求には、利用者Uが指定したシェアリング車両Mの返却予定時刻の情報も含まれている。受付部130は、受け付け処理を行ったシェアリング車両Mの登録車両情報と利用要求を受け付けた利用者Uの登録利用者情報とを対応付けるための情報(不図示)を記憶部110に記憶させる。この登録車両情報と登録利用者情報とを対応付けるための情報には、利用者Uにより指定されたシェアリング車両Mの返却予定時刻の情報も含まれている。
データ管理部140は、記憶部110に記憶させた登録車両情報と登録利用者情報とを対応付けるための情報を参照して、シェアリング車両Mの利用状況を管理(把握)するための管理DB118を生成する。管理DB118は、受付部130が利用を受け付けたシェアリング車両Mの車両情報に基づいて、データ管理部140によりシェアリング車両Mの利用状況が逐次更新されるデータベースである。
図2には、データ管理部140が生成して記憶部110に記憶している管理DB118の一例を示している。図2に示した管理DB118の一例は、例えば、現在の時刻が12:00の場合の一例である。管理DB118には、例えば、シェアリング車両Mの識別情報である車両IDごとに、保管場所と、車両状態と、開始時刻と、燃料残量と、車両位置と、返却時刻とが対応付けられている。保管場所は、登録車両情報に含まれているシェアリング車両Mの保管場所の位置を示す情報である。車両状態は、利用者Uによる利用(貸し出し)や予約がされているか否かを示す情報である。開始時刻は、利用者Uが実際にシェアリング車両Mの利用を開始したシェアリング車両Mの貸し出し開始時刻を示す情報である。燃料残量は、車両情報に含まれているガソリンの残量の情報に基づいた、現在のシェアリング車両Mのガソリン残量を示す情報である。車両位置は、車両情報に含まれている車両位置情報に基づいた、シェアリング車両Mの現在位置を示す情報である。返却時刻は、登録車両情報と登録利用者情報とを対応付けるための情報に含まれている、利用者Uにより指定されたシェアリング車両Mの返却予定時刻を示す情報である。
さらに、管理DB118には、利用者Uが利用中のシェアリング車両Mに対して、目的地と、経路と、到着時刻とが対応付けられている。目的地は、車両情報に含まれているシェアリング車両Mが向かう先の目的地を示す情報である。経路は、車両情報に含まれているシェアリング車両Mが走行する経路の情報を示す情報である。到着時刻は、車両情報に含まれているシェアリング車両Mが目的地に到着する到着予定時刻を示す情報である。到着時刻は、図2に示した管理DB118の一例のように、目的地が保管場所である場合に対応付けられてもよい。
さらに、管理DB118には、利用者Uによる利用や予約がされているシェアリング車両Mに対して、利用者IDが対応付けられている。利用者IDは、利用者Uを識別するために付与した利用者IDを示す情報である。管理DB118には、例えば、端末装置Tにおいて実行されている(利用者Uがログインしている)カーシェアリングアプリケーションにより送信された端末位置情報に基づいた端末装置Tの現在位置、つまり、利用者Uの現在位置を示す情報を含んでもよい。
データ管理部140は、利用者Uに利用されているシェアリング車両Mに対応する車両情報(端末位置情報を含めてもよい)が通信部120から出力されたるごとに、それぞれの情報に基づいて、記憶部110に記憶させている管理DB118の情報を逐次更新する。
給油提案決定部150は、記憶部110に記憶された管理DB118に基づいて、利用者Uによるシェアリング車両Mの利用状況を検知(把握)する。給油提案決定部150は、検知したシェアリング車両Mの利用状況に基づいて、返却前にシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する。例えば、給油提案決定部150は、管理DB118に含まれている返却時刻と到着時刻とに基づいて、シェアリング車両Mが保管場所に返却予定時刻までに到着するか否かを検知する。さらに、給油提案決定部150は、シェアリング車両Mが保管場所に返却予定時刻までに到着することを検知した場合、シェアリング車両Mにガソリンを給油するために要する時間(以下、「給油時間」という)を加算した場合でも、シェアリング車両Mの到着予定時刻(以下、「給油後到着予定時刻」という)が返却予定時刻よりも前の時刻であるか否かを検知する。給油時間は、例えば、管理DB118に含まれている燃料残量を参照し、燃料残量が100%(いわゆる、満タン)になるまでガソリンを給油する場合に想定される時間である。給油提案決定部150は、給油後到着予定時刻が返却予定時刻よりも前の時刻であることを検知した場合、シェアリング車両Mに対する給油を利用者Uに提案すると決定する。給油提案決定部150は、特許請求の範囲における「エネルギー補充提案決定部」の一例である。給油後到着予定時刻は、特許請求の範囲における「エネルギー補充後到着予定時刻」の一例である。
給油提案決定部150における返却前にシェアリング車両Mへのガソリンの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、提案に応じて利用者Uがシェアリング車両Mへの給油を行う可能性があるタイミングを提案するタイミングとして決定する方法であれば、いかなる方法であってもよい。例えば、給油提案決定部150は、シェアリング車両Mの保管場所とシェアリング車両Mの現在位置との間の距離が、保管場所と保管場所の近隣の給油所との間の距離よりも長く、給油所が、シェアリング車両Mの現在位置から保管場所までの間の経路上に位置する場合に、利用者Uにシェアリング車両Mへのガソリンの給油を提案するか否かを決定してもよい。つまり、給油提案決定部150は、シェアリング車両Mが走行する経路が保管場所の近隣の給油所の位置を通過するような経路である場合に、シェアリング車両Mへのガソリンの給油を利用者Uに提案するか否かを決定してもよい。
帰路推定部152は、記憶部110に記憶された管理DB118に基づいて、シェアリング車両Mが帰路についたか否かを推定する。例えば、帰路推定部152は、管理DB118に含まれている目的地がシェアリング車両Mの保管場所である場合に、シェアリング車両Mが帰路についたと推定する。例えば、帰路推定部152は、管理DB118に含まれている経路が、保管場所に向かう経路である場合に、シェアリング車両Mが帰路についたと推定する。例えば、帰路推定部152は、管理DB118に含まれている経路が、いままで走行してきた経路と逆の経路である、つまり、同じ経路を戻っている場合に、シェアリング車両Mが帰路についたと推定する。例えば、帰路推定部152は、管理DB118に含まれている保管場所と車両位置との間の距離(例えば、直線距離)が短くなってきた場合に、シェアリング車両Mが帰路についたと推定する。例えば、帰路推定部152は、管理DB118に含まれている開始時刻から返却予定時刻までの間の時間が半分以上経過した場合に、シェアリング車両Mが帰路についたと推定する。帰路推定部152におけるシェアリング車両Mが帰路についたか否かを推定する方法は、上述した方法に限定されるものではなく、シェアリング車両Mが帰路についたタイミングを推定することができる方法であれば、いかなる方法であってもよい。
給油提案決定部150は、帰路推定部152によりシェアリング車両Mが帰路についたことが推定された後、シェアリング車両Mに対する給油の提案を行う所定の期間である場合に、シェアリング車両Mに対する給油を利用者Uに提案することを決定する。このとき、給油提案決定部150は、管理DB118に含まれているシェアリング車両Mの返却予定時刻を基準として、ガソリンの給油の提案を可能とする所定の期間tR(以下、「給油提案可能期間tR」という)と、ガソリンの給油の提案を不可とする所定の期間tU(以下、「給油提案不可期間tU」という)とを設定する。さらに、給油提案決定部150は、給油所情報116に示されたシェアリング車両Mの保管場所の近隣の給油所の位置を基準として、ガソリンの給油の提案を可能とする所定の距離の範囲xR(以下、「給油提案可能距離xR」という)を設定してもよい。図2には、給油提案決定部150が検知したシェアリング車両Mの利用状況と、利用者Uにシェアリング車両Mに対する給油を提案する所定の期間および所定の距離の範囲との関係の一例を示している。図2では、横軸を時刻tとし、縦軸をシェアリング車両Mの保管場所からの距離xとして、給油提案可能期間tR、給油提案不可期間tU、および給油提案可能距離xRのそれぞれの関係の一例を示している。図2には、シェアリング車両Mの現在位置と、貸し出し開始時刻からシェアリング車両Mの現在位置までの間のシェアリング車両Mの位置の変位も併せて示している。
給油提案可能期間tRは、例えば、帰路推定部152によりシェアリング車両Mが帰路についたことが推定された時刻から始まり、給油の提案に応じて利用者Uがシェアリング車両Mに給油を行った場合でも返却予定時刻までには保管場所に到着すると考えられる時刻までの間の期間である。給油提案可能期間tRの始まりの時刻は、上述した帰路推定部152によりシェアリング車両Mが帰路についたことが推定された時刻に限らず、その後に所定の時刻が経過した時刻であってもよい。例えば、給油提案可能期間tRの始まりの時刻は、シェアリング車両Mへの給油を提案された場合でも、利用者Uがこの提案を煩わしく感じないような、保管場所と現在のシェアリング車両Mとの間の距離がある程度短くなった時刻にしてもよい。帰路推定部152によりシェアリング車両Mが帰路についたことが推定された時刻またはその後の所定の時刻、つまり、給油提案可能期間tRの始まりの時刻は、特許請求の範囲における「第2の所定時刻」の一例である。
給油提案不可期間tUは、給油の提案に応じて利用者Uがシェアリング車両Mに給油を行うと返却予定時刻までには保管場所に到着することができなくなると考えられる時刻からシェアリング車両Mの返却予定時刻までの間の期間である。給油提案不可期間tUには、返却予定時刻まであまり時間がなく、シェアリング車両Mへの給油を提案したことにより利用者Uがシェアリング車両Mに対して給油をすることはできるが、利用者Uが急いで給油の作業を行わなくてはならないような期間を含んでもよい。給油提案不可期間tUの始まりの時刻は、例えば、給油提案可能期間tRの終わりの時刻である。給油の提案に応じて利用者Uがシェアリング車両Mに給油を行うと返却予定時刻までには保管場所に到着することができなくなると考えられる時刻、つまり、給油提案不可期間tUの始まりの時刻(給油提案可能期間tRの終わりの時刻)は、特許請求の範囲における「第1の所定時刻」の一例である。
給油提案可能距離xRは、給油の提案に応じて利用者Uがシェアリング車両Mに給油をしようとした場合に、給油所に立ち寄ることができると考えられる距離だけ離れた位置と給油所との間の距離の範囲である。給油提案可能距離xRの始まりの位置は、給油提案可能期間tRの期間内に入った場合にシェアリング車両Mが走行していると考えられる位置であってもよい。例えば、給油提案可能距離xRの始まりの位置は、給油提案可能期間tRの始まりの時刻においてシェアリング車両Mが走行している位置であってもよい。ただし、給油提案可能距離xRの始まりの位置は、シェアリング車両Mへの給油を提案された場合でも、利用者Uがこの提案を煩わしく感じないように、保管場所と現在のシェアリング車両Mとの間の距離がある程度近くなった位置にしてもよい。
給油提案決定部150は、現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻である場合、または/およびシェアリング車両Mの現在位置が給油提案可能距離xRの範囲内である場合に、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する。給油提案決定部150は、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定した場合、そのことを給油提案部160に通知する。
給油提案部160は、給油提案決定部150によるシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かの決定結果に応じて、ガソリン補充提案情報をシェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tに提供する。より具体的には、給油提案部160は、給油提案決定部150によりシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定したことを表す通知が入力された場合、通信部120にガソリン補充提案情報を出力する。これにより、通信部120が、給油提案部160により出力されたガソリン補充提案情報をネットワークNWを介してシェアリング車両Mの車載機器および/または端末装置Tに送信する。これにより、利用者Uは、シェアリング車両Mの車載機器および/または端末装置Tにより、例えば、画像および/または音声によって通知されたガソリン補充提案情報に基づく提案を受けることができる。そして、利用者Uは、この提案を受け入れる場合、例えば、ガソリンスタンドなどの給油所に向けてシェアリング車両Mを走行させ、シェアリング車両Mにガソリンを給油する。給油提案部160は、特許請求の範囲における「エネルギー補充提案部」の一例である。
[給油の手続きの全体の流れ]
次に、カーシェアリングサービスにおいてシェアリング車両Mへのガソリンの給油を提案する際の手続きの全体の一例について説明する。図3は、実施形態に係る車両貸出サービス管理装置100が採用された車両貸出サービス(カーシェアリングサービス)において車両(シェアリング車両M)への給油を促す提案をする手続きの全体の流れの一例を示す図である。図3には、利用者Uが、貸し出しを受けたシェアリング車両Mに乗車して走行している途中でガソリンの給油の提案を受け、給油所に立ち寄ってガソリンの給油を行う際の手続きの一例を示している。以下の説明においては、利用者Uが使用している端末装置Tにおいて、ログインされているカーシェアリングアプリケーションが実行されており、車両貸出サービス管理装置100が、画像によって給油を提案するためのガソリン補充提案情報を端末装置Tに送信するものとする。車両貸出サービス管理装置100は、上述したように、車両貸出サービス管理装置100が備える受付部130、データ管理部140、および給油提案部160のそれぞれは、通信部120およびネットワークNWを介してそれぞれの情報をやり取りするが、説明を容易にするため、車両貸出サービス管理装置100が備えるそれぞれの構成要素が直接、それぞれの情報をやり取りするものとする。
まず、利用者Uは、端末装置T(カーシェアリングアプリケーション)を操作して、シェアリング車両Mの利用要求の手続きをする。このとき、カーシェアリングアプリケーションは、例えば、利用者IDおよび返却予定時刻と、端末装置IDとを含むシェアリング車両Mの利用要求を車両貸出サービス管理装置100に送信する(手続きP1)。受付部130は、端末装置Tにより送信されたシェアリング車両Mの利用要求を受け付ける受け付け処理を行う。受付部130は、受け付け処理によって利用者Uによるシェアリング車両Mの利用要求を受け付けると、受け付けたシェアリング車両Mの登録車両情報と利用者Uの登録利用者情報とを対応付けるための情報(不図示)を記憶部110に記憶させる。利用者Uは、受付部130によりシェアリング車両Mの利用要求が受け付けられると、シェアリング車両Mを利用可能な状態となる。
その後、利用者Uは、貸し出しを受けたシェアリング車両Mの利用を開始する。利用者Uにより利用されている状態のシェアリング車両Mは、利用中の現在の状況を表す車両情報を車両貸出サービス管理装置100に逐次送信する(手続きP2)。カーシェアリングアプリケーションが実行されている端末装置Tも、現在の位置を表す端末位置情報を車両貸出サービス管理装置100に逐次送信してもよい。データ管理部140は、シェアリング車両Mにより送信された車両情報に基づいて、管理DB118の情報、つまり、利用者Uによるシェアリング車両Mの利用状況を逐次更新する。データ管理部140は、端末装置Tにより送信された端末位置情報を含めて、管理DB118を逐次更新してもよい。そして、給油提案決定部150は、逐次更新された管理DB118に基づいて、利用者Uによるシェアリング車両Mの利用状況を検知(把握)する。
その後もシェアリング車両Mは、車両情報の車両貸出サービス管理装置100への送信を継続している(手続きP3)。端末装置Tも、端末位置情報の車両貸出サービス管理装置100への送信を継続してもよい。従って、データ管理部140も、シェアリング車両Mにより送信された車両情報や端末装置Tにより送信された端末位置情報に基づいて、管理DB118の情報の更新を逐次行う。給油提案決定部150も、逐次更新された管理DB118に基づいて、シェアリング車両Mの利用状況を逐次検知(把握)する。
そして、給油提案決定部150では、帰路推定部152が、データ管理部140により更新された管理DB118に基づいて、シェアリング車両Mが帰路についたと推定すると、返却前にシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する。給油提案決定部150は、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定した場合、そのことを給油提案部160に通知する。この通知を受けて、給油提案部160は、ガソリン補充提案情報を端末装置Tに送信する。このとき、給油提案部160が、利用者Uにポイントなどの特典が付与されることを表す情報を含めたガソリン補充提案情報を、端末装置Tに送信してもよい。これにより、端末装置Tは、車両貸出サービス管理装置100により送信されたガソリン補充提案情報に基づく画像を表示装置に表示させることにより、車両貸出サービス管理装置100からシェアリング車両Mへの給油が提案されたことを利用者Uに通知する(手続きP4)。図3には、端末装置Tが、給油所および問い合わせを表すクエスチョンマーク「?」のアイコンを表示装置に表示させることによって、車両貸出サービス管理装置100からシェアリング車両Mへの給油が提案されたことを利用者Uに通知する場合の一例を示している。
ここで、給油提案決定部150がシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する処理の一例について説明する。図4は、実施形態に係る車両貸出サービス管理装置100において車両(シェアリング車両M)への給油を促す提案をする際に実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5は、実施形態に係る車両貸出サービス管理装置100において車両(シェアリング車両M)への給油を促す提案をする時期(タイミング)を判断する際の考え方の一例を示す図である。以下の説明においては、図5に示した考え方の一例を参照して、車両貸出サービス管理装置100において実行される処理の流れの一例を説明する。
給油提案決定部150は、例えば、図2に示したような管理DB118に基づいてシェアリング車両Mの利用状況を検知(把握)する。給油提案決定部150では、まず、帰路推定部152が、シェアリング車両Mが帰路についたか否かを推定する(ステップS100)。このステップS100における推定は、上述したように、管理DB118に含まれている車両位置や、目的地、経路、開始時刻、返却予定時刻などに基づいて行うことができる。ステップS100における推定は、管理DB118に含まれているそれぞれの情報の組み合わせに基づいて行ってもよい。例えば、図2に示した管理DB118の一例では、開始時刻から返却予定時刻までの間の時間が半分以上経過したことにより推定すると、車両ID=M002のシェアリング車両Mと車両ID=M005のシェアリング車両Mとが、帰路についたと推定することができる。しかし、図2に示した管理DB118の一例では、車両ID=M002のシェアリング車両Mの目的地は保管場所と同じ位置であるが、車両ID=M005のシェアリング車両Mの目的地は保管場所と異なる位置である。このため、帰路推定部152は、ステップS100において、車両ID=M005のシェアリング車両Mは帰路についておらず、車両ID=M002のシェアリング車両Mが帰路についていると推定する。図5には、保管場所と車両位置との間の距離が短くなってきた、シェアリング車両Mの現在位置のタイミング(一点鎖線で示した時刻)で、シェアリング車両Mが帰路についたと推定した場合の一例を示している。帰路推定部152は、帰路についたことが推定されるシェアリング車両Mの情報を出力する。
ステップS100において帰路推定部152により帰路についたと推定されたシェアリング車両Mの情報が出力されると、給油提案決定部150は、現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻であるか否かを判定する(ステップS102)。ステップS102において現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻ではないと判定した場合、給油提案決定部150は、現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻になるのを待つ。図5には、帰路推定部152によりシェアリング車両Mが帰路についたと推定されたタイミング(一点鎖線で示した時刻)よりも後の時刻から給油提案可能期間tRが始まる場合の一例を示している。
一方、ステップS102において現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻であると判定した場合、給油提案決定部150は、検知したシェアリング車両Mの利用状況に基づいて、シェアリング車両Mの保管場所への到着予定時刻が返却予定時刻よりも前の時刻であるか否かを判定する(ステップS104)。このステップS104における判定は、管理DB118に含まれている到着時刻が、返却時刻よりも前の時刻であるか否かによって判定することができる。図5には、例えば、ナビゲーション装置によって推定された到着予定時刻(破線で示したシェアリング車両Mの位置の変位が、距離x=0となる時刻)が返却予定時刻よりも前の時刻である場合の一例を示している。
ステップS104においてシェアリング車両Mの保管場所への到着予定時刻が返却予定時刻よりも前の時刻であると判定した場合、給油提案決定部150は、到着予定時刻に給油時間を加算した給油後到着予定時刻を算出する(ステップS106)。
そして、給油提案決定部150は、算出した給油後到着予定時刻、つまり、給油をした場合におけるシェアリング車両Mの保管場所への到着予定時刻が返却予定時刻よりも前の時刻であるか否かを判定する(ステップS108)。このステップS108における判定は、算出した給油後到着予定時刻が、管理DB118に含まれている返却時刻よりも前の時刻であるか否かによって判定することができる。図5には、給油所情報116に示されたシェアリング車両Mの保管場所の近隣の給油所において利用者Uがシェアリング車両Mへの給油を行った場合における給油時間tFを加算した給油後到着予定時刻(二点鎖線で示したシェアリング車両Mの位置の変位が、距離x=0となる時刻)が返却予定時刻よりも前の時刻である場合の一例を示している。
ステップS108において算出した給油後到着予定時刻が返却予定時刻よりも前の時刻であると判定した場合、給油提案決定部150は、返却前にシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定する。そして、給油提案決定部150は、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定したことを給油提案部160に通知する。この通知を受けて、給油提案部160は、ガソリン補充提案情報をシェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tに提供する(ステップS110)。これにより、シェアリング車両Mの車載機器および/または端末装置Tは、例えば、画像の表示および/または音声の発音によってガソリン補充提案情報に基づく提案を利用者Uに通知する。
図3に戻り、利用者Uは、端末装置Tに表示されたガソリン補充提案情報に基づく給油が提案されたことの通知に応じて、シェアリング車両Mで走行している経路上で発見した給油所GSに立ち寄り、シェアリング車両Mにガソリンを給油する(手続きP5)。例えば、利用者Uは、シェアリング車両Mに備え付けられている、給油の支払いを行うための給油支払いカード(ICカード)などを使用して、シェアリング車両Mにガソリンを給油する。図3には、利用者Uが、立ち寄った給油所GSにおいてシェアリング車両Mにガソリンを給油している状態の一例を示している。このとき、シェアリング車両Mは、利用中の現在の状況として、ガソリンの給油がされたことを表す車両情報を車両貸出サービス管理装置100に送信してもよい(手続きP6)。
シェアリング車両Mへのガソリンの給油が完了した後、給油所GSでは、ガソリンの給油量の情報や支払い請求の情報を車両貸出サービス管理装置100に送信して、車両貸出サービス管理装置100との間で、シェアリング車両Mに給油したガソリンの対価を支払う支払いの手続きを行う。給油所GSと車両貸出サービス管理装置100との間の支払いの手続きは、例えば、利用者Uがシェアリング車両Mにガソリンを給油する際に使用した給油支払いカード(ICカード)などの情報に基づいて行う。言い換えれば、車両貸出サービス管理装置100と給油所GSとは、給油支払いカード(ICカード)を利用した電子決済のシステムによって、シェアリング車両Mに給油したガソリンの購入および支払い手続きを行う。
その後、車両貸出サービス管理装置100では、例えば、不図示の特典処理部が、特典が付与されたことを利用者Uに通知する。この通知は、例えば、不図示の特典処理部が、付与されたポイントを示すポイント情報を通信部120に出力し、通信部120がネットワークNWを介して端末装置Tに送信してもよい。この場合、端末装置Tは、車両貸出サービス管理装置100により送信されたポイント情報に基づく画像を表示装置に表示させることにより、車両貸出サービス管理装置100から特典が付与されたことを利用者Uに通知する(手続きP7)。図3には、端末装置Tが、付与されたポイントを表すポイントマーク「Pt」のアイコンを表示装置に表示させることによって、車両貸出サービス管理装置100からの特典としてポイントが付与されたことを利用者Uに通知する場合の一例を示している。
このような手続きの流れによって、車両貸出サービス管理装置100は、カーシェアリングサービスにおいて利用者Uが利用しているシェアリング車両Mの返却前に、シェアリング車両Mへの給油を行うことを利用者Uに提案するためのガソリン補充提案情報を、端末装置Tに提供する。これにより、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、車両貸出サービス管理装置100からの提案に応じて、利用者Uが返却前にシェアリング車両Mに対するガソリンの給油を行う可能性が高くなる。言い換えれば、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、次の利用者がシェアリング車両Mの利用を開始した最初の段階でシェアリング車両Mへの給油を行う必要がなくなり、カーシェアリングサービスにおける利便性を向上させることができる。
さらに、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、シェアリング車両Mが返却される前に給油が行われている可能性が高くなるため、例えば、シェアリング車両Mを管理する担当者などが、積載されているガソリンの残量が少ないシェアリング車両Mに対してガソリンの給油を行う作業の工数を削減することができる。
上記に述べたとおり、実施形態の車両貸出サービス管理装置100によれば、シェアリング車両Mにより逐次送信された車両情報(端末装置Tにより逐次送信された端末位置情報を含んでもよい)に基づいて、シェアリング車両Mが帰路についたことを推定する。そして、実施形態の車両貸出サービス管理装置100では、利用者Uによるシェアリング車両Mの利用状況を検知(把握)し、給油提案可能期間tRの期間中に、返却前にシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する。実施形態の車両貸出サービス管理装置100では、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案すると決定した場合に、ガソリン補充提案情報をシェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置Tに提供する。これにより、実施形態の車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、返却前に利用者Uがシェアリング車両Mに対してガソリンの給油を行う可能性が高くなり、カーシェアリングサービスにおける利便性の向上や、カーシェアリングサービスを維持するための作業工数の削減をすることができる。
上述した実施形態では、車両貸出サービスにおいて貸し出されるシェアリング車両Mが、ガソリンを燃料とする内燃機関の駆動力を利用して走行する車両である場合について説明した。しかし、車両貸出サービスにおいて貸し出される車両には、例えば、バッテリ(二次電池)から供給される電力をエネルギー源とする電動機(電動モータ)などの駆動力を利用して走行するBEV(電気自動車)や、内燃機関と電動機とを組み合わせた駆動力を利用して走行するHEV(ハイブリッド電気自動車)などもある。これらの車両の場合には、ガソリンなどの燃料を給油する代わりに、バッテリへの電力の充電が必要となる。しかしながら、これらの車両に対する充電の提案をする手続きや処理は、上述した実施形態における給油所GSでの「給油」を、例えば、充電ステーションなどでの「充電」に置き換えて考えることにより容易に理解することができる。従って、車両貸出サービスにおいて貸し出される車両に対する充電提案をする場合におけるカーシェアリングサービスの全体の手続きや、車両貸出サービス管理装置100の処理に関する詳細な説明は省略する。
上述した実施形態では、車両貸出サービス管理装置100が、シェアリング車両Mが帰路につき、現在の時刻が給油提案可能期間tR内の時刻になったときに、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する場合について説明した。つまり、上述した実施形態では、車両貸出サービス管理装置100が、返却予定時刻を基準とした時刻に基づいて、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定する場合について説明した。しかし、車両貸出サービス管理装置100がシェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定するタイミングは、上述したように、シェアリング車両Mの現在位置と給油所の位置との関係に基づいたタイミングであってもよい。この場合、車両貸出サービス管理装置100は、例えば、図5に示したシェアリング車両Mへの給油を提案するタイミングの考え方の一例において、シェアリング車両Mの現在位置が、給油提案可能距離xRの範囲内に入ったことを検知した場合に、シェアリング車両Mへの給油を利用者Uに提案するか否かを決定してもよい。この場合、例えば、保管場所の近隣の給油所がカーシェアリングサービスと提携している場合には、提携している給油所においてシェアリング車両Mの給油が行われる可能性を高くすることができる。この場合の手続きや処理も、上述した実施形態と同様に考えることによって容易に理解することができる。従って、車両貸出サービス管理装置100がシェアリング車両Mの現在位置と給油所の位置との関係に基づいたタイミングで給油の提案をするか否かを決定してガソリン補充提案情報を提供する場合におけるカーシェアリングサービスの全体の手続きや、車両貸出サービス管理装置100の処理に関する詳細な説明は省略する。
上述した実施形態では、車両貸出サービス管理装置100が、ガソリン補充提案情報を端末装置Tに提供することにより、端末装置Tが車両貸出サービス管理装置100からの提案を利用者Uに通知する場合について説明した。しかし、上述したように、車両貸出サービス管理装置100は、ガソリン補充提案情報をシェアリング車両Mに搭載された、例えば、ナビゲーション装置などの車載機器に提供してもよい。この場合、車両貸出サービス管理装置100は、シェアリング車両Mへの給油を承認するか否かの入力を利用者Uに促す情報を、ガソリン補充提案情報に含めてもよい。そして、利用者Uによりシェアリング車両Mへの給油が承認された場合に、車両貸出サービス管理装置100は、例えば、ナビゲーション装置が案内する経路を、シェアリング車両Mの保管場所の近隣の給油所に立ち寄る経路に変更させるようにしてもよい。
以上説明した実施形態の車両貸出サービス管理装置によれば、利用者(例えば、利用者U)からの車両(シェアリング車両M)の利用要求を受け付けて、利用者Uがシェアリング車両Mを利用可能とするための処理を行う受付部130と、少なくとも、シェアリング車両Mが保管場所(例えば、駐車場などの拠点)に返却される返却予定時刻と、シェアリング車両Mが保管場所に到着する予定の到着予定時刻とに基づいて、シェアリング車両Mに対するエネルギー(ここでは、ガソリン)の補充(給油)を提案するか否かを決定する給油提案決定部150と、給油提案決定部150によりシェアリング車両Mに対するガソリンの給油を提案すると決定された場合に、シェアリング車両Mへのガソリンの給油を提案するガソリン補充提案情報を通知装置(例えば、シェアリング車両Mに搭載された車載機器および/または端末装置T)に出力させる給油提案部160と、を備えることにより、貸し出しを受ける利用者Uによるシェアリング車両Mに対するガソリンの給油をより促進することができる。これにより、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、返却されたシェアリング車両Mに対する給油が完了している可能性を高くすることができる。さらに、車両貸出サービス管理装置100では、利用者Uに付与する特典の情報を含めて、シェアリング車両Mへのガソリンの給油を提案する。これにより、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、返却されたシェアリング車両Mに対する給油が完了している可能性をさらに高くすることができる。このことにより、車両貸出サービス管理装置100が採用されたカーシェアリングサービスでは、利便性の向上やサービスを維持するための作業工数の削減をすることができる。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
ハードウェアプロセッサと、
プログラムを記憶した記憶装置と、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、
利用者からの車両の利用要求を受け付けて、前記利用者が前記車両を利用可能とするための処理を行い、
少なくとも、前記車両が保管場所に返却される返却予定時刻と、前記車両が前記保管場所に到着する予定の到着予定時刻とに基づいて、前記車両に対するエネルギーの補充を提案するか否かを決定し、
前記車両に対するエネルギーの補充を提案すると決定した場合に、前記車両へのエネルギーの補充を提案する情報を通知装置に出力させる、
ように構成されている、車両貸出サービス管理装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形および置換を加えることができる。