JP2021143802A - 冷却液体監視システムおよび監視方法 - Google Patents

冷却液体監視システムおよび監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】受精卵などを冷凍保存する冷凍保存容器の異常の検出を簡易に行なえる冷却液体監視システムおよび監視方法を提供する。【解決手段】冷凍保存容器FC1〜5が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布の画像であるサーモグラフを取得し、このサーモグラフを解析して、撮像範囲の温度を検出する。検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、冷凍保存容器FC1〜5に異常が生じたと判断する。【選択図】図1

Description

本開示は、液体窒素などの冷却用液体の監視技術に関する。
−200度C近い極低温で受精卵や細胞などを冷凍保存するために、液体窒素などの冷却用液体が用いられる。例えば、受精卵を冷凍保存する容器には、液体窒素が入れられ、内部は極低温に保たれる。こうした容器からは、液体窒素などの冷却用液体が少しずつ気化して失われる。このため、定期的に冷却用液体を補充する必要がある。
こうした容器に内部の冷却用液体を極低温のまま収容するために、真空断熱層を備えるが、この断熱層に何らかの理由で不具合が生じると、断熱の機能が失われ、あるいは低下し、冷却用液体が大量に気化して失われることがある。受精卵を冷凍保存する容器がこうした事態が生じると、冷凍されていた受精卵は場合によっては溶解し、傷んでしまう。そこで、こうした冷凍保存用容器を載せて、容器の重量を計測し、重量変化を監視することで、冷却用液体が既定値を超えて失われた場合、これを報知する装置が実用化されている。
特開2007−000000号公報
大陽日酸株式会社 液体窒素残量監視装置(AMDシリーズ)カタログ
しかしながら、不妊治療を行なっている病院や細胞の冷凍保存を行なっている研究所などでは、こうした冷凍保存容器を複数保有し、常時利用しているところも多く、それぞれの容器に対して一つずつ監視装置を用意してやらなければならないという問題があった。また、こうした容器毎に監視装置を設けるのは、電源を用意しなければならず、商用交流を用いる場合には、コンセントや配線が必要になり、電池やバッテリなどを用いる場合には、監視装置毎に電源を管理する必要があった。監視する冷凍保存容器の数が増えれば、こうした電源の管理も煩雑なものとなる。かといって、管理を疎かにすれば、冷凍保存容器に異常が生じて冷凍用液体が失われても気付くことができず、冷凍保存されている受精卵や細胞等を毀損してしまう。なお、こうした課題は、受精卵の冷凍保存容器に限らず、細胞や血液、微生物などの生物試料等を保存する場合も同様であった。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
(1)本開示の第1の態様として、冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視システムが提供される。この冷凍保存容器の監視システムは、前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布を画像として取得するサーモグラフィと、前記サーモグラフィの出力であるサーモグラフを解析し、前記撮像範囲の温度を検出する検出部と、前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、前記冷凍保存容器に異常が生じたと判断する判断部と、を備える。
この監視システムによれば、サーモグラフを用いて異常を検出するので、各冷凍保存容器にその重量を計測するセンサなどを取り付ける必要がなく、また監視対象となる冷凍保存容器の増減や配置の変更などにも柔軟に対応して、監視を行なうことができる。
(2)こうした監視システムにおいて、前記判断部は、前記検出した温度が、予め定めた温度より所定温度以上低い場合に異常と判断するものとしてもよい。こうすれば、冷凍保存容器からの冷凍用液体の漏れ、例えば気体化して生じる漏れなどを容易に検出できる。
(3)こうした監視システムにおいて、前記予め定めた温度は環境温度であるものとしてもよい。冷凍保存容器の表面の温度が環境温度より低下することは、冷凍保存容器が正常であれば生じないからである。したがって、この温度より、所定温度以上低くなっていれば、冷凍保存容器の異常と判断し得る。
(4)こうした監視システムにおいて、前記検出部は、前記撮像範囲について、第1タイミングでの温度である第1温度と、前記第1タイミングから所定時間経過後の第2タイミングでの温度である第2温度とを検出し、前記判断部は、前記第2温度と前記第1温度との差分が、予め定めた閾値より大きい場合に異常と判断するものとしてもよい。こうすれば、通常の使用における冷凍保存容器表面の温度の高低によらず、冷凍保存容器の異常を容易に検出できる。
(5)こうした監視システムにおいて、前記撮像範囲に存在する冷凍保存容器を個別に認識する認識部と、前記判断部が、前記異常が発生したと判断したとき、前記検出の結果が所定の条件を満たした位置の冷凍保存容器を、前記認識部の認識結果を用いて特定する特定部とを備えるものとしてもよい。こうすれば、冷凍保存容器を個別に認識するので、異常が生じた冷凍保存容器を個別に認識することができる。認識部は、サーモグラフィとは別に設けた撮像手段などによって実現してもよいし、予め冷凍保存容器を保管する場所を区画しておき、その区画とサーモグラフ上のエリアとを対応付けて記憶しておくことで実現してもよい。
(6)こうした監視システムにおいて、前記認識部は、前記撮像範囲の映像を撮像する撮像部を有し、前記撮像した映像を解析して、前記撮像範囲に存在する前記冷凍保存容器を個別に認識するものとしてもよい。サーモクラフィが撮像する範囲の映像を撮像しているので、どの冷凍保存容器が何処に置かれているかを容易に認識することができる。
(7)こうした監視システムにおいて、更に、前記判断部が前記異常が発生したと判断したとき、予め登録した登録先に、前記異常の発生を報知する報知部を備えるものとしてもよい。こうすれば、予め登録した登録先に異常の発生を報知するので、異常に対する対応をとることが容易となる。
(8)こうした監視システムにおいて、前記冷凍保存容器は、受精卵を保存する容器であるものとしてもよい。受精卵は、不妊治療に用いられる重要な対象であるため、こうした監視システムにより、異常の発生を確実にかつ素早く行なうことは、治療に確実性を高めることに資する。
(9)本開示の第2の態様として、冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視方法が提供される。この監視方法は、前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布の画像であるサーモグラフを取得し、前記サーモグラフを解析して、前記撮像範囲の温度を検出し、前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、前記冷凍保存容器に異常が生じたと判断する。こうすれば、監視システムと同様の効果を奏し得る。
本開示は、これらの態様に限らず、冷凍保存容器の異常の報知装置、報知方法や、冷凍保存容器の保全装置、保全方法、あるいは、コンピュータにより冷凍保存容器の監視を実現するプログラムなど、他の態様でも実施できることはもちろんである。
第1実施形態の監視システムの全体構成を示す概略構成図。 第1実施形態の監視対象となる冷凍保存容器の外観を示す説明図。 監視対象となる冷凍保存容器の内部の状態を示す説明図。 監視システムにおいて実行される容器異常検出処理ルーチンを示すフローチャート。 サーモグラフィの一例を示す説明図。 サーモグラフィの他の一例を示す説明図。 液体窒素が漏れた場合のサーモグラフィの一例を示す説明図。 冷凍容器保管スペースを区画する一例を示す説明図。 冷凍容器保管スペースを区画する他の例を示す説明図。 第2実施形態の監視システムの全体構成を示す概略構成図。 第2実施形態の監視システムにおいて実行される容器異常検出処理ルーチンを示すフローチャート。 第3実施形態の監視システムの全体構成を示す概略構成図。 第3実施形態において用いられる冷凍容器用のタグの構成を示す説明図。 タグの他の構成例を示す説明図。
A.第1実施形態:
(1)装置構成:
第1実施形態の監視システム10は、図1に示すように、研究室や胚培養室の一角に設けられた冷凍容器保管スペース20に置かれた複数の冷凍保存容器を監視するシステムである。この例では、符号FC1〜FC5として示した5台の冷凍保存容器FC1〜FC5が監視の対象となっている。5台の冷凍保存容器を特に区別して扱う必要がない場合には、単に冷凍保存容器FCとして記載する。
この監視システム10は、監視処理を行なう制御装置40、ディスプレイ52を備えたサーモグラフィ50から構成されている。制御装置40は、予め用意されたプログラムによって算術論理演算を行なう周知のCPU41、プログラムやデータを記憶するメモリ43,サーモグラフィ50が接続された入力部45、ネットワークNWを介して携帯端末80と通信するための通信部47等を備える。メモリ43には、640×480程度の配列を記憶するエリアが用意されている。この配列には、後述するように、サーモグラフィ50によって検出した冷凍容器保管スペース20の温度が、640×480のエリアに分けて記憶される。また、CPU41は、後述する容器異常検出処理を実行することにより、サーモグラフィ50の出力であるサーモグラフを解析し、サーモグラフィ50が撮像した範囲の温度を検出する検出部、および検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、冷凍保存容器FCに異常が生じたと判断する判断部としても働く。
サーモグラフィ50は、物体から放射される赤外線を分析し、熱分布を図として表した画像(サーモグラフ)に変換する。赤外線は絶対零度(ケルビン温度0度K)以上のすべての物質から放射されており、絶対温度の4乗に比例して赤外線量が増える。サーモグラフィ50の内部には、対象からの赤外線を透過し、赤外線による像を結像させる光学系と、この結像位置に配置され、赤外線量を検出する二次元のセンサと、が設けられている。サーモグラフィ50は、撮像範囲に存在する対象の温度を赤外線量として検出し、赤外線量の多寡を可視光に変換する。本実施形態で用いるサーモグラフィ50は、対象の温度として、ケルビン温度150〜350度(摂氏約−123〜123度)の範囲を測定可能で有り、温度が低いほど青色の画像として、高いほど赤色の画像として、これを表現する。熱分布を色により表現した画像は、サーモグラフィ50の本体背面に設けられたディスプレイ52に表示される。また、この表示画像を表わす映像信号TGSが、制御装置40に出力される。従って、サーモグラフィ50からの映像信号TGSを解析すれば、撮像した範囲の温度分布を知ることができる。なお、ディスプレイ52は、制御装置40に設けられていてもよいし、監視システム10の機能としては、なくてもよい。
図2Aは、冷凍容器保管スペース20に置かれる冷凍保存容器FCを示す側面図、図2Bは、冷凍保存容器の内側を模式的に示す説明図である。冷凍保存容器FCは、冷凍用液体の一つである液体窒素を収容する本体FF、本体FFの開口部OP、キャップCPを備える。冷凍保存容器FCの内部には、保存しようとする対象を収容したキャニスタCNが複数本収容される。キャニスタCNの内部には、凍結された受精卵を収容した複数のケーンが更に収容されている。図2A,図2Bに示したように、本体FFのキャップCPを開け、開口部OPからキャニスタCNを出し入れできる。
本体FFの壁面および底面には、真空断熱するための空隙が設けられている。従って、冷凍保存容器FCに液体窒素を入れて、キャップCPを締めると、液体窒素の液相部分はもとより、その上部に形成される気相部分も、およそ−170度から−180度に保たれる。キャップCPも断熱構造を備え、開口部OPに取付けられる。本体FF内に収容された液体窒素は、蒸発により少しずつ気化するから、キャップCPは、液体窒素の漏出を妨げつつ、容器内部の圧力を正常の範囲に保つように、気化した低温の窒素の僅かな排出を許容する。このような気化した窒素の排出の許容は、冷凍保存容器FCとしては、正常な機能である。
冷凍保存容器FC1〜FC5の利用者は、必要に応じてキャップCPを開けて、キャニスタCNを内部に収容して保管し、あるいは保管中のキャニスタCNを取り出して、キャニスタCN内部に保管していたケーン内の受精卵を取り出すなどの作業を行なう。また、気化によって液体窒素が所定量以上失われた場合には、液体窒素の補充も行なう。
(2)監視処理:
次に、監視システム10が行なう監視動作を、図3に示した容器異常検出処理を用いて説明する。図3に示した容器異常検出処理ルーチンは、制御装置40により実行される処理である。制御装置40は、電源が投入され、監視の開始が指示されると、図3に示した処理ルーチンを開始する。
処理が開始されると、制御装置40はまずサーモグラフィ50からサーモグラフを取得する(ステップS100)。サーモグラフは、サーモグラフィ50からの映像信号TGSを解析することにより取得できる。サーモグラフを取得すると、次にステップS110sからS110eまでの処理を繰り返す。この繰り返しの処理は、取得したサーモグラフを、例えば640×480などのエリアに分割し、このサーモグラフの左上を原点として、サーモグラフを構成する全エリアを順に走査しながら繰り返される。各エリアについて、サーモグラフから温度を取得し、各エリアに対応してメモリに用意された配列に保存する(ステップS120)。配列は、640×480のエリアに対して一組用意してもよいし、複数組用意し、時系列的に温度を記憶してもよい。
サーモグラフの640×480に分割した全エリアについて温度を配列に保存すると、ステップS110sからS110eまでの繰り返し処理を終了し、温度異常があったかの判断を行なう(ステップS130)。この異常の判断としては、種々の手法が考えられる。例えば、
[1]メモリ43の配列に記憶した各エリアの温度を読み出し、予め定めた温度以下の領域が存在する場合、温度異常と判断する、予め定めた温度とは、冷凍保存容器が置かれる場所の最低温度として予め設定された温度でもよいし、環境温度のように変化する温度であってもよい;
[2]メモリ43の配列に記憶した各エリアの温度を読み出し、時系列的に記憶した以前の温度と比較し、一定以上の温度低下を生じたエリアがあれば、温度異常と判断する;
[3]上記[1]と[2]とを組み合わせ、予め定めた温度以下でかつ以前の温度から一定以上の温度低下を生じたエリアがあれば、温度異常と判断する;
などが考えられる。
図4は、サーモグラフの一例を示す説明図である。冷凍容器保管スペース20を斜め上から撮像したサーモグラフには、5つの冷凍保存容器FC1〜FC5に対応した第1温度の領域TZ1が映っている。この第1温度の領域TZ1は、シングルのハッチで示した領域である。この領域TZ1は、冷凍保存容器FC1〜FC5の存在領域とほぼ一致している。冷凍保存容器FCは、真空断熱されているので、内部に液体窒素が収容されているものも、容器本体FFの表面は、冷凍容器保管スペース20の室温と同等か、あるいは僅かに低い第1温度に保たれている。温度差がない場合は、第1感度の領域TZ1は、冷凍保存容器FCの周りにも連続して拡がっている。また、各冷凍保存容器FCのキャップCPの周辺は、第1温度と同等か、あるいは第1温度より低い第2温度になっている。この第2温度TZ2の領域を、図4には、ダブルハッチにより示した。従って、冷凍保存容器FC1〜FC5のいずれにも異常がなければ、サーモグラフには、第1温度領域TZ1のみか、あるいは第1温度領域TZ1と第2温度領域TZ2が存在する状態かのいずれかの状態となっている。
これに対して、上述したように、異常判断として[1]、つまり例えば図4に領域TEとして示したように、摂氏0℃以下の領域が存在すると判断した場合には、温度異常ありと判断する。こうした状態は、例えば冷凍保存容器FC3のキャップCPに亀裂などが生じた場合に起こりえる。亀裂から、まだ十分に温度の低い気体としての窒素が漏出しているため、そのエリアが、摂氏0℃以下となっている。なお、640×480エリアの1つでも摂氏0℃以下となっていれば、摂氏0℃以下の領域が存在する温度異常であると判断してもよいし、少なくとも上下左右のいずれかに連続する2エリア、あるいは3エリア以上が摂氏0℃以下となった場合に、温度異常の領域があると判断するものとしてもよい。
温度異常があると判断した場合(ステップS130:「YES」)には、異常を報知する処理を行なう(ステップS160)。異常の報知は、通信部47から携帯端末80に対して、異常を知らせるメールを送信するといった手法により実現する。この例では、制御装置40は、温度異常を検出すると、予め設定したメールアドレスに温度異常の発生を知らせるメールを送信する。このメールには、例えば「冷凍容器保管スペースで温度異常が検出されました」というテキストや、温度異常検出の時刻や、異常と判断した温度等のうちの少なくとも1つが掲載されてもよい。もとよりステップS100で取得したサーモグラフをメールに添付してもよい。こうしたメールは、インターネットのような広域ネットワークNWを介して送信されるので、携帯端末80の使用者がどこにいても、つまり冷凍容器保管スペース20が設けられた研究施設の内外のどこにいても、異常報知を受け取ることができる。こうしたメールに、サーモグラフが添付されていれば、異常報知のメールを受け取った者は、サーモグラフを読み取って、異常の程度、つまり異常が生じた各冷凍保存容器FCの数や窒素漏れの程度などを知ることも可能である。なお、異常報知は、メールに限らず、架電によってもよく、あるいは警報音やフラッシュライトの点灯、研究施設の保安部門への通知などであっもよく、またこれらを任意に組み合わせてもよい。
異常報知を行なった後(ステップS160)、または温度異常なしと判断した場合(ステップS130:「NO」)は、取得したサーモグラフをメモリ43に保存し(ステップS170)、更に処理を終了して良いか判断し(ステップS190)、明示的な終了の指示がなければ、ステップS100に戻って上記の処理を繰り返す。サーモグラフを保存するのは、後で異常の原因などを検討する際の資料とするためである。サーモグラフは画像データであるため、経時的に保存することで、メモリ43の容量が不足する場合には、タイムスタンプの古いサーモグラフから順に削除すればよい。温度異常ありと判断されたサーモグラフの前後、特に時間的に前の一定期間にわたるサーモグラフが残されていれば、異常発生の検証に資することができる。
以上説明した第1実施形態によれば、液体窒素などの液相の冷却媒体を用いた複数の冷凍保存容器FCの異常を容易に検出することができる。異常の検出に、それぞれの冷凍保存容器FCの重さを個別に量ったりする必要がない。また検出を非接触で行なえるので、冷凍保存容器FCの移動なども容易である。更に、監視する冷凍保存容器FCの配置の変更や増設などに容易に対応できる。こうした冷凍保存容器FCは、何日かに一度、液体窒素を補充する必要があり、補充のたびに移動させることも少なくない。また、保存すべき受精卵等の数が増減して、冷凍保存容器FCを増減することも生じる。こうした場合でも、本実施形態の監視システム10によれば、冷凍保存容器FC毎にいちいち検出装置を取り外したり、新たに取り付けるといった手間を要しない。
更に、本実施形態では、異常を検出すると、メールにより使用者(管理者)に異常報知するので、施設の管理者等がどこにいても素早く対応することができる。この結果、早期に対応できるので、冷凍保存容器FC内部の温度が上昇して、保存している受精卵等の毀損を回避しやすくなる。受精卵や採取あるいは培養された細胞、細菌などは一旦失われれたり、常温に戻って活動を再開したりした場合、取り返しがつかない。したがって、早期に対応して、こうした事態を回避できる意義は大きい。
以上説明した第1実施形態では、サーモグラフィ50により検出した冷凍容器保管スペース20温度分布を小さなエリアに分けて取得・保存し、幾つかのエリアが所定の温度以下となっていれば異常と判断した。これに対して、例えば図5A、図5Bに示すように、温度変化により異常の発生を判断してもよい。図5Aは、所定のタイミングt1でのサーモグラフの一例を、図5Bは、その後、所定時間経過したタイミングt2でのサーモグラフの一例を示す。この例では、タイミングt1からt2までは、約5分に設定されている。図5Aに例示したサーモグラフから、冷凍保存容器FC2のキャップCP周辺の領域TZ3は、その周りの領域TZ1とほぼ同じ温度かあるいは幾分低い温度TC1であることが読み取れる。これに対して、図5Bに例示したサーモグラフでは、冷凍保存容器FC2のキャップCP周辺の領域TZ4は、図5Aより、低い温度TC2に変化していることが読み取れる。この両者の温度変化、ΔT=TC1−TC2が予め定めた閾値Thcを上回っていれば、異常と判断する。こうすれば、冷凍容器保管スペース20が常温施設か低温倉庫かといった環境温度に大きな違いがあっても、特に設定することなく、冷凍保存容器FCの異常を検出することができる。
(3)変形例:
上述した第1実施形態では、冷凍保存容器FCの冷却媒体漏れによる異常の犬種を行なうことができるが、冷凍容器保管スペース20に置かれたいずれの冷凍保存容器FCに異常が生じたかは報知しない構成とした。これに対して、いずれの冷凍保存容器FCに異常が生じたかを併せて報知するものとしてもよい。このためには、次のようにすればよい。
[1]サーモグラフィ50が監視している領域に、冷凍保存容器FCを置く場所を予め設定する。例えば、冷凍容器保管スペース20の真上、天井付近にサーモグラフィ50を設け、冷凍容器保管スペース20の床面に、図5Cに例示したように、冷凍保存容器FCの保管場所を示すマーキングを施しておく。冷凍保存容器FCの保管場所は、図5Cに示したように、二次元的に区画DAを配列したものでもよいし、一列に配列するといったものでもよい。二次元的な配列としては、ハニカム状の配置であってもよい。
[2]冷凍保存容器FCを保管しようとする者は、マーキングされた所定の位置に冷凍保存容器FCを置いて保管する。マーキングが、数字や文字のように、序列を有する符号を含む場合には、冷凍保存容器FCを、符号の昇順また降順に並べて保管することも好ましい。もちろんマーキングされた場所に置くのであれば、並び順は自由であっても差し支えない。
[3]制御装置40が撮像するサーモグラフのどの領域が、マーキングされたどの位置に相当するかを、予め紐付けておく。サーモグラフィ50は、固定されているので、一旦設置すれば、撮像範囲は決定されるので、撮像されたサーモグラフの領域と、マーキングされた場所とを一対一に対応づけることは容易である。具体的には、分割エリアのどこが冷凍容器保管スペース20のどこに対応しているかを、メモリ43に記憶する。この作業は、監視システム10の管理者がマニュアルで行なってもよいし、冷凍容器保管スペース20の床面に室温より高い温度に発熱するテープ状のヒータを配置してマーキングとし、これを撮像することで、冷凍容器保管スペース20のマーキングを自動登録するようにしてもよい。登録を一度だけ行なうのであれば、発熱体(使い捨てカイロやお湯の入った容器など)を冷凍容器保管スペース20のマーキングされた各領域に順次おいて、サーモグラフィ50による撮像を繰り返し、登録するようにしてもよい。
[4]図3に示した容器異常検出処理ルーチンにおいて、異常報知(ステップS160)を行なう際、異常を検出した分割エリアが、冷凍容器保管スペース20の何処に対応しているかを、メモリ43を参照して認識し、異常報知の際に、「○○に置かれた冷凍保存容器FCに異常が検出されました」といった報知を行なう。なお、冷凍容器保管スペース20に冷凍保存容器FCを保管する際に、マーキングされたどの区域に、どの冷凍保存容器FCを置いたかを、制御装置40に登録するものとすれば、異常報知に、どの冷凍保存容器FCに異常を検出したかという情報を含ませることも可能である。
以上説明した変形例では、サーモグラフィ50のみを用いても、異常発生の有無のみならず、少なくともどの場所の冷凍保存容器FCに異常が生じたかを報知することができる。なお、冷凍容器保管スペース20の異常監視は、冷凍容器保管スペース20の上部からの監視に限らず、水平方向からの監視とすることも可能である。例えば図5Dに例示するように、冷凍容器保管スペース20における冷凍保存容器FCの配置を、壁面にそって一列に行なうものとし、これを正面からサーモグラフィ50により撮像するものとしてもよい。図5Dでは、冷凍容器保管スペース20は、壁面に設けられた区画壁PWで区切っており、床面のマーキングなどは施していない。この場合でも、サーモグラフィ50により撮像されたサーモグラフのどの分割エリアがどの保管場所の区画DAに対応するかを紐付けて、メモリ43に記憶しておけばよい。
こうした手法の他、冷凍保存容器FCを置く場所を予め設定するのであれば、サーモグラフィ50による撮像範囲とほぼ重なるような画像をカメラで一度撮像し、メモリ43に保存しておき、異常報知(図3、ステップS160)の際に、異常を検出した際のサーモグラフと共に、予め撮像しておいた冷凍容器保管スペース20の画像を、メール等に添付して送信するものとしてもよい。こうすれば、異常報知を受けた管理者は、異常を検出した際のサーモグラフと予め保管場所を写した画像とを見比べることで、異常が生じた冷凍保存容器FCを認識することができる。
B.第2実施形態:
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態の監視システム10Aは、第1実施形態と同様のハードウェア構成を備えるが、図6に示したように、サーモグラフィ50に加えてカメラ60を備え、カメラ60の映像信号MVSを、制御装置40の入力部45に入力している点で、第1実施形態と異なる。第1実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し、その説明は省略する。
カメラ60は、サーモグラフィ50が冷凍容器保管スペース20おいて撮像している範囲とほぼ同一の範囲を撮像可能であり、撮像した画像を、制御装置40の求めに応じて、映像信号MVSとして出力可能である。制御装置40は、容器異常検出処理において、この映像信号MVSを参照する。第2実施形態における容器異常検出処理ルーチンを、図7に示した。図示した容器異常検出処理ルーチンは、第1実施形態の処理ルーチン(図4)とほぼ同一であり、ステップS140,S150を備えること、ステップS170に代えて、ステップS175の処理を行なう点で相違する。従って、これらの相違点を中心に、第2実施形態での容器異常検出処理について説明する。
第2実施形態でも、サーモグラフィ50を用いたサーモグラフの取得、640×480に分割されたサーモグラフからの各エリアの温度取得と配列への保存、その後の温度異常の判定が行なわれる(ステップS100〜S130)。温度異常の判定は、第1実施形態と同様である。温度異常ありと判断されると(ステップS130:「YES」)、制御装置40は、入力部45介して、カメラ60に指示を出し、冷凍容器保管スペース20を撮像させ(ステップS140)、カメラ60が撮像した画像から異常が発生した冷凍保存容器FCがいずれの容器であるかを認識する(ステップS150)。この異常が発生した冷凍保存容器FCの認識とは、撮像した画像とサーモグラフとを重ね合わせ、どの冷凍保存容器FCが温度異常となったかを認識するものである。サーモグラフでは、特定のエリアの温度か所定の温度以下になったとか、あるいは温度変化が予め定めた閾値を上回ったなどの条件により、異常の検出を行なうが、サーモグラフにおける温度分布の形状自体は、冷凍保存容器FCの形状とは必ずしも一致しない。そこで、ステップS150では、サーモグラフに撮像した画像を重ね合わせることにより、温度異常を判定したエリアがどの冷凍保存容器FCに対応しているかを判断する。これにより、冷凍容器保管スペース20おけるどの冷凍保存容器FCに温度異常が生じたかを容易に知ることができる。
そこで、異常報知(ステップS160)を行なった後、サーモグラフおよび撮像した画像をメモリ43に保存する(ステップS175)。こうすることで、第2実施形態の監視システム10Aでは、第1実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に温度異常が発生した場合、どの冷凍保存容器FCに問題が生じたかを容易に知ることができる。このために、異常報知(ステップS160)の際にサーモグラフのみならず、撮像した画像もメールに添付して送信すると言ったことも望ましい。こうすれば、異常報知を受け取った使用者は、どの冷凍保存容器FCに問題が生じたかを、異常報知によって理解でき、一層的確な対応をとることができる。
上記第2実施形態では、冷凍容器保管スペース20の映像は、カメラ60により撮像したが、ヒデオカメラを用い、動画として撮影してもよい。また、上記実施形態では、温度異常があると判断したときにカメラ60による冷凍容器保管スペース20の撮像を行なわせたが、カメラ60、予め定めたインターバル、例えば約5分間隔で撮像を継続しているものとし、温度異常が検出された場合に、直近の画像を用いて、温度異常が生じた冷凍保存容器FCを認識するものとしてもよい。また、ステップS175においては、温度異常の検出の前後の複数の画像を保存するものとしてもよい。
C.第3実施形態:
次に、第3実施形態の監視システム10Bについて、説明する。第3実施形態の監視システム10Bは、図8に示したように、次の3点で、第1実施形態と相違する。
〈1〉サーモグラフィ50が冷凍容器保管スペース20を斜め情報から撮像するのではなく、冷凍容器保管スペース20のほぼ真上から撮像するように配置されていること、
〈2〉各冷凍保存容器FC1〜FC5に、タグTGが取り付けられること、
〈3〉冷凍容器保管スペース20に設置された冷凍保存容器FCのタグTGとの間で信号をやり取りする送受信装置70が、サーモグラフィ50の近傍に設けられていること。
第3実施形態の監視システム10Bで用いられるタグTGは、ワイヤTLを用いて、冷凍保存容器FCの開口部OPに取り付けられる。このタグTGの内部には、図9に示すように、通信装置90が設けられている。通信装置90は、全体を制御するCPU91,タグ毎に異なる固有番号(ID)を記憶したID記憶部92、無線通信を行なう通信部93、発光用のLED95、通信装置90全体の電力を供給するバッテリ98を備える。
送受信装置70は、タグTGの通信装置90に設けられた通信部93と無線通信によりデータのやり取りが可能である。無線通信としては、WiFi(登録商標)またはブルートゥース(登録商標)が採用される。第3実施形態では、第2実施形態での容器異常検出処理とほぼ同様の処理を行なうが、以下の点で処理内容が異なる。
〈4〉温度異常があると判断した場合、冷凍容器保管スペース20を撮像する代わりに、送受信装置70とタグTGとを用いて、異常容器認識処理(図7、ステップS150)を行なう、
〈5〉異常報知(ステップS160)の際に、異常が生じた冷凍保存容器FCがいずれのタグTGを付けた容器かを報知する、
〈6〉データをメモリ43に保存する際(ステップS175)、サーモグラフと異常が生じ冷凍保存容器FC番号と保存する。
異常容器認識処理は、以下の手順で行なわれる。
[1]この監視システム10Bの利用者は、冷凍容器保管スペース20に冷凍保存容器FCを置く度に、その冷凍保存容器FCにタグTGを取り付け、スイッチ(図示省略)をオンにして、タグTG内部の通信装置90を起動する。通信装置90は、起動すると、短い時間LED95を点灯するようにして、各タグTGが正常に動作を開始したことを確認できるようにしてもよい。
[2]制御装置40と送受信装置70は信号IDSをやり取りし、送受信装置70から冷凍容器保管スペース20に向けて、応答を求める信号を送信する。このタイミングは、所定のインターバルで繰り返し行なうタイミングでもよいし、温度異常が検出されたタイミングでもよい。このとき、制御装置40は、管理しているタグTGのIDを付けて、各タグTGに対して、順次応答を求める信号を出力する。
[3]冷凍容器保管スペース20に置かれた各冷凍保存容器FCに取り付けられたタグTG1〜TG5は、この信号を受け取ると、信号に含まれるIDを取得し、記憶部92に記憶された自己のIDと付き合わせる。
[4]信号に含まれていたIDと自己のIDとが一致すると判断したタグTGの通信装置90は、信号に応答して、送受信装置70にレスポンスを返し、かつLED95を点灯する。
[5]LED95が点灯すると、その周囲の温度は上昇するので、サーモグラフィ50により、いずれの場所の容器が、そのIDを記憶したものかを知ることができる。タグTGを取り付けた各冷凍保存容器FCの位置が認識されたら、制御装置40は、送受信装置70を介して信号IDSを送信し、そのIDの通信装置90に指示してLED95を消灯する。
[6]上記の処理を、制御装置40が管理している全てのタグについて繰り返す。管理しているタグTGが10個あり、冷凍容器保管スペース20では、そのうちの5コが用いられ、電源がオンにされているとすれば、総てのIDについて、上記処理を行なうことで、そのうち5個のIDに対応するタグTGのLED95が点灯し、LED95の温度上昇を利用して、サーモグラフによりその位置が特定される。その結果、各冷凍保存容器FCの位置とタグTGのIDとが、対応付けられる。
この状態で、温度異常ありと判断されると、制御装置40は、サーモグラフから検出した温度異常の位置と、上記[6]で対応付けた冷凍保存容器FCとタグTGのIDとの関係から、いずれのタグTGが付けられた冷凍保存容器FCに温度異常が生じたかを認識し(図7、ステップS150)、これを使用者に報知する(ステップS160)。また、第3実施形態では、このとき、温度異常が検出された冷凍保存容器FCに付けられたタグTGに対して、LED95の点灯を指示し、バッテリ98の電力の続く限り、LED95を点灯状態に維持する。したがって、第3実施形態では、第1,第2実施形態と同様の作用効果を奏する上、更に、異常報知を受けた使用者もしくは使用者から連絡を受けた保安員や当直者が、冷凍容器保管スペース20に駆けつけたとき、温度異常の生じた冷凍保存容器FCをすぐに識別して対応をとることができる。なお、LED95の点灯は、数秒に1回といった間歇点灯にして、バッテリ98の電力消費を抑えてもよい。
上記第3実施形態では、タグTG1〜TG5を取り付けた冷凍保存容器FC1〜FC5が何処に置かれているかを認識するために、LED95を設け、タグTGに記憶されたIDを用いて特定のタグTGのLED95を点灯させた。こうした光学的な位置の認識に代えて、電波の指向性を利用して、タグTGの位置を認識するようにしてもよい。あるいは、例えば図10に示すように、タグTGの表面に、番号や文字などの符号NMを表記し、第2実施形態で用いたカメラ60によりこのタグを撮像し、符号を文字認識することで、どのタグTGがどこに置かれた冷凍保存容器FCに取り付けられているかを認識するものとしてもよい。この場合には、タグTGに通信装置90を設ける必要がなく、装置構成を簡略化できる。
しかも、タグTGに書かれた文字や符号を認識し、これを異常報知のメールなどに記載すれば、使用者は、異常が生じた冷凍保存容器FCの置かれた場所だけでなく、どのような対象を保存した冷凍保存容器であるかまで、特定することができ、異常に対する対応をきめ細かく行なうことができる。
D.他の態様:
上記実施形態では、サーモグラフィ50が撮像したサーモグラフを640×480のエリア2分割して、各エリアの温度などを検出し、これを配列に記憶して、温度異常の判断、後でまとめて行なったが、環境温度から一定温度以上低い場合に温度異常が発生していると判断するのであれば、分割されたエリア毎の異常の判断を行なってもよい。また、サーモグラフの分割は、640×480に限らす、撮像画像の大きさや分解能から適宜定めればよい。また、サーモグラフを原点(例えば、画像左上)から順次処理を行なうのではなく、サーモグラフ内の最も温度の低いエリアからその周辺に向けて順次判断するものとしてもよい。
上記の各実施形態では、液体窒素を用いた冷凍保存容器を想定したが、液体酸素や他の極低温液体を用いた冷凍保存容器を用いることも差し支えない。サーモグラフィ50は、天井付近に設け、冷凍容器保管スペース20に置かれる各冷凍保存容器FCの温度分布を認識できればよく、冷凍容器保管スペース20に対して斜めでも真上からでも、撮像して差し支えない。もとよりサーモグラフィ50を複数台設けて、冷凍容器保管スペース20を分割して撮像してもよいし、少なくとも一部が重なる様に撮像し、検出精度の向上を図ってもよい。
異常の判断は複数の閾値を設けて行なってもよい。例えば第1実施形態におい、環境温度から摂氏15℃低下したら異常と判断する場合において、環境温度から摂氏5℃低い温度を第2の閾値として用意し、これを検出した場合に、異常の報知ではなく、異常の可能性が生じていることの報知、いわば予備的報知を行なうようにしてもよい。こうすれば、報知を受けたものは、異常報知の可能性が一定上高まっていると判断し、予備の冷凍保存容器が存在するかとか、漏洩した液体窒素を補充するストックがあるかなど、異常の発生に備えた確認作業をしたり、異常が発生した場合に、所定時間以内に冷凍容器保管スペース20に入って対応作業ができる作業者(本人を含む)を確保するなど、準備を行なうことができる。こうしておけば実際に異常が発生した場合に、迅速に対応することができる。
上記各実施形態において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよい。ソフトウェアによって実現されていた構成の少なくとも一部は、ディスクリートな回路構成により実現することも可能である。また、本開示の機能の一部または全部がソフトウェアで実現される場合には、そのソフトウェア(コンピュータプログラム)は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された形で提供することができる。「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。すなわち、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、データパケットを一時的ではなく固定可能な任意の記録媒体を含む広い意味を有している。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
CN…キャニスタ、CP…キャップ、FC…冷凍保存容器、FF…容器本体、MVS…映像信号、NW…広域ネットワーク、OP…開口部、TG…タグ、TL…ワイヤ、10,10A,10B…監視システム、20…冷凍容器保管スペース、40…制御装置、41…CPU、43…メモリ、45…入力部、47…通信部、50…サーモグラフィ、52…ディスプレイ、60…カメラ、70…送受信装置、80…携帯端末、90…通信装置、91…CPU、92…ID記憶部、93…通信部、95…LED、98…バッテリ
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本開示の一つの形態は、移動可能な冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視システムとしての形態である。この冷凍保存容器の監視システムは、前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布を画像として取得するサーモグラフィと、前記サーモグラフィの出力であるサーモグラフを解析し、前記撮像範囲の温度を検出する検出部と、前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、複数の冷凍保存容器のうちのいずれの冷凍保存容器に異常が生じたかを判断する判断部とを備える。
本開示は、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本開示の一つの形態は、移動可能な冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視システムとしての形態である。この冷凍保存容器の監視システムは、前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布を画像として取得するサーモグラフィと、前記サーモグラフィの出力であるサーモグラフを解析し、前記撮像範囲の温度を検出する検出部と、前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、複数の冷凍保存容器のうちのいずれの冷凍保存容器に異常が生じたかを判断する判断部とを備え、前記判断部は、前記サーモグラフィが取得する前記熱分布の画像における位置と当該位置に置かれた前記冷凍保存容器との対応関係を予め紐付けておき、前記冷凍保存容器に異常が生じたとの判断の際に、前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、前記対応関係の紐付けにしたがって、前記条件を満たした前記熱分布の画像における位置に置かれた冷凍保存容器を特定する

Claims (9)

  1. 冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視システムであって、
    前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布を画像として取得するサーモグラフィと、
    前記サーモグラフィの出力であるサーモグラフを解析し、前記撮像範囲の温度を検出する検出部と、
    前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、前記冷凍保存容器に異常が生じたと判断する判断部と
    を備えた監視システム。
  2. 前記判断部は、前記検出した温度が、予め定めた温度より所定温度以上低い場合に異常と判断する、請求項1記載の監視システム。
  3. 前記予め定めた温度は環境温度である、請求項2記載の監視システム。
  4. 請求項1記載の監視システムであって、
    前記検出部は、前記撮像範囲について、第1タイミングでの温度である第1温度と、前記第1タイミングから所定時間経過後の第2タイミングでの温度である第2温度とを検出し、
    前記判断部は、前記第2温度と前記第1温度との差分が、予め定めた閾値より大きい場合に異常と判断する、
    監視システム。
  5. 前記撮像範囲に存在する冷凍保存容器を個別に認識する認識部と、
    前記判断部が、前記異常が発生したと判断したとき、前記検出の結果が所定の条件を満たした位置の冷凍保存容器を、前記認識部の認識結果を用いて特定する特定部と
    を備えた、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の監視システム。
  6. 前記認識部は、前記撮像範囲の映像を撮像する撮像部を有し、前記撮像した映像を解析して、前記撮像範囲に存在する前記冷凍保存容器を個別に認識する、請求項5記載の監視システム。
  7. 更に、前記判断部が前記異常が発生したと判断したとき、予め登録した登録先に、前記異常の発生を報知する報知部を備えた、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の監視システム。
  8. 前記冷凍保存容器は、受精卵を保存する容器である、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の監視システム。
  9. 冷凍用液体を用いた冷凍保存容器の監視方法であって、
    前記冷凍保存容器が存在するとして定められた撮像範囲の熱分布の画像であるサーモグラフを取得し、
    前記サーモグラフを解析して、前記撮像範囲の温度を検出し、
    前記検出の結果が予め定めた条件を満たす場合、前記冷凍保存容器に異常が生じたと判断する
    監視方法。
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