JP2021143437A - ゴム−有機繊維コード複合体、及びタイヤ - Google Patents

ゴム−有機繊維コード複合体、及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムと有機繊維コードとが強固に接着しつつ、環境への負荷が少ないゴム−有機繊維コード複合体を提供する。【解決手段】ゴム部材と、有機繊維コードとを備えるゴム−有機繊維コード複合体であって、前記有機繊維コードの少なくとも一部の表面が、接着剤組成物で被覆されており、前記接着剤組成物は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを含有し、前記ゴム部材は、25℃における1%歪のtanδが0.15以下である、ことを特徴とする、ゴム−有機繊維コード複合体である。【選択図】図1

Description

本発明は、ゴム−有機繊維コード複合体、及びタイヤに関するものである。
ポリエステル繊維等の有機繊維は、高い初期弾性率や、優れた熱寸法安定性を有しているため、フィラメント、コード、ケーブル、コード織物、帆布等の形態で、タイヤ、ベルト、空気バネ、ホース等のゴム物品における補強材として多用されている。そして、これら補強材としての有機繊維は、ゴム物品の高い補強効果を得る観点から、ゴム(ゴム部材)と高度に接着することが重要である。なお、本明細書では、ゴム(ゴム部材)と有機繊維コードとの集合体を、「ゴム−有機繊維コード複合体」と称することとする。
そのような接着を可能にする接着剤組成物として、例えば、レゾルシン、ホルマリン及びゴムラテックス等を含むRFL(レゾルシン・ホルマリン・ラテックス)接着剤が挙げられ、該RFL接着剤を熱硬化させることにより、接着性を発現できることが知られている(例えば、特許文献1〜3)。
また、上述したもののほか、レゾルシンとホルマリンとを初期縮合させたレゾルシンホルマリン樹脂を用いる技術(例えば、特許文献4、5)や、エポキシ樹脂でポリエステル繊維等からなるタイヤコードを前処理することにより、接着力の向上を図る技術が知られている。
ここで、近年、環境負荷の低減が一層求められており、上述したような技術においても、環境負荷を更に低減させる余地がある。例えば、上述したホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)は、レゾルシンを架橋させるための重要な原材料であるものの、作業環境を考慮して使用量の削減が望まれる。また、レゾルシンについても同様に、環境面の観点から、使用量の削減が望まれる。
そして、例えば、レゾルシン及びホルマリンを用いず、環境への配慮がされた接着剤組成物や、接着方法が、これまでいくつか提案されている(例えば、特許文献6)。しかし、従来のレゾルシン及びホルマリンを含有しない組成物は、硬化に時間を要するため、生産性の向上という課題があり、更に、接着性の点での一層の改善が求められている。
また、レゾルシン及びホルマリンを含有しない組成物は、特にポリエチレンテレフタレート(PET)繊維とゴムとの接着性能が十分に得られない傾向にあった。その理由として、PETをはじめとした主鎖中にエステル結合を有する線状高分子であるポリエステル繊維材料は、構造的に緻密であること、また、官能基が少ないポリエステル繊維材料は、ラテックスと水溶性フェノールを架橋する原材料とを混合させて得られる接着剤組成物(RFL等)ではほとんど接着性が発現しないこと、などが考えられる。
特開昭58−2370号公報 特開昭60−92371号公報 特開昭60−96674号公報 特開昭63−249784号公報 特公昭63−61433号公報 特開2010−255153号公報
以上を踏まえると、レゾルシン及びホルマリンを極力用いないなど、環境に一層配慮し、ゴムと有機繊維コードとの接着性が得られる技術については、未だ開発の余地がある。更に、別の観点から、有機繊維コードとの接着対象となるゴム部材についても、環境負荷の低減に寄与するものであることが望まれる。
そこで、本発明は、ゴムと有機繊維コードとが強固に接着しつつ、環境への負荷が少ないゴム−有機繊維コード複合体、及び当該複合体を用いたタイヤを提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の要旨構成は、以下の通りである。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体は、ゴム部材と、有機繊維コードとを備えるゴム−有機繊維コード複合体であって、
前記有機繊維コードの少なくとも一部の表面が、接着剤組成物で被覆されており、
前記接着剤組成物は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを含有し、
前記ゴム部材は、25℃における1%歪のtanδが0.15以下である、ことを特徴とする。
かかる本発明のゴム−有機繊維コード複合体は、ゴムと有機繊維コードとが強固に接着しつつ、環境への負荷が少ない。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例において、前記ゴム部材は、25℃における1%歪の貯蔵弾性率(E’)が、5.5MPa以上である。この場合、タイヤ等のゴム物品の低ロス性(低燃費性)の一層の向上、ひいては環境負荷の更なる低減を図ることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例において、前記ゴム部材は、窒素吸着比表面積が45m/g以下のカーボンブラックを含有する。この場合、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図ることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例において、前記ゴム部材は、天然ゴムの割合が50質量%以上であるゴム成分を含有する。この場合、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図ることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例において、前記ゴム部材は、軟化剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0質量部以上1質量部以下である。この場合、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図ることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例においては、前記アルデヒド類が、芳香族環を有するアルデヒド類を含む。芳香族環を有するアルデヒド類は、ホルムアルデヒドよりも環境負荷が少ない上、接着性、機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等の性能の向上に寄与し得るからである。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例においては、前記芳香族環を有するアルデヒド類が、2つ以上のアルデヒド基を有する。2つ以上のアルデヒド基を有することで、架橋及び縮合の際の架橋度が高くなる結果、接着性をより高めることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例においては、前記ポリフェノール類が、3つ以上の水酸基を有する。かかるポリフェノール類は、一般に水溶性であるため、接着剤組成物中で均一に分布することができ、より優れた接着性を発現し得るからである。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体においては、前記接着剤組成物が、ゴム成分を更に含有することが好ましい。この場合、ゴムと有機繊維コードとをより強固に接着することができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例においては、前記接着剤組成物に含有されるゴム成分が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)からなる群より選択される少なくとも一種である。かかるゴム成分を用いることで、有機繊維コードとの接着対象であるゴム部材との相互作用及び共加硫が図られ、ゴム部材と有機繊維コードとの接着性をより向上させることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体の好適例においては、前記有機繊維コードが、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コードである。通常、PET繊維コードは、ゴム部材との高い接着性が得られ難い傾向にあるが、本発明の接着剤組成物を用いることで、ゴムとPET繊維コードとが強固に接着した複合体とすることができる。
本発明のゴム−有機繊維コード複合体は、未加硫状態のゴム部材をあらかじめ半加硫し、次いで、有機繊維コードを被覆する前記接着剤組成物と該ゴム部材とを接触させ、次いで、加硫することにより得ることができる。
本発明のタイヤは、上述したゴム−有機繊維コード複合体を、カーカスプライ及びキャップレイヤーの少なくともいずれかに用いたことを特徴とする。本発明のタイヤは、上述したゴム−有機繊維コード複合体が用いられているため、環境への負荷が少なく、また、高い補強性を有する。
本発明によれば、ゴムと有機繊維コードとが強固に接着しつつ、環境への負荷が少ないゴム−有機繊維コード複合体、及び当該複合体を用いたタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態のタイヤの断面図である。
以下に、本発明のゴム−有機繊維コード複合体、及びタイヤを、その実施形態に基づき、詳細に例示説明する。
<ゴム−有機繊維コード複合体>
本発明の一実施形態のゴム−有機繊維コード複合体(以下、「本実施形態の複合体」と称することがある。)は、ゴム部材と、有機繊維コードとを備え、該有機繊維コードの少なくとも一部の表面が、接着剤組成物で被覆されており、該接着剤組成物は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを含有する、ことを一特徴とする。
また、本実施形態の複合体は、上記ゴム部材の25℃における1%歪のtanδが、0.15以下であることも一特徴とする。
本実施形態の複合体においては、上記ゴム部材と上記有機繊維コードとが、上述した接着剤組成物により接着された構造となっている。そして、本実施形態の複合体は、上述した接着剤組成物及びゴム部材が用いられているため、環境への負荷が少なく、また、ゴムと有機繊維コードとが強固に接着している。
本実施形態の複合体の用途は、特に限定はされない。例えば、本実施形態の複合体を、タイヤ、ベルト、空気バネ、ホース等のゴム物品に用いることができる。
(有機繊維コード)
有機繊維コードの素材としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン等の脂肪族ポリアミド、ポリケトン、アラミド等の芳香族ポリアミド、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール、レーヨン、リヨセル等が挙げられる。本実施形態で用いる有機繊維コードの素材は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。特に、本実施形態の複合体における有機繊維コードは、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コードであることが好ましい。通常、PET繊維コードは、ゴム部材との高い接着性が得られ難い傾向にあるが、所定成分を含有する接着剤組成物を用いることで、ゴムとPET繊維コードとが強固に接着した複合体とすることができる。
有機繊維コードの形態としては、特に限定されず、単繊維フィラメント(モノフィラメント)であってもよく、又は、複数の単繊維フィラメントを撚り合わせてなる有機繊維コードを用いることができる。この場合の単繊維フィラメントの平均径は、ゴム物品に十分に高い補強性をもたらす観点から、2μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、また、50μm以下であることが好ましい。
(ゴム部材)
本実施形態の複合体におけるゴム部材は、有機繊維コードとの接着対象となるものである。ゴム部材の形状としては、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ、例えばシート状、帯状等が挙げられる。また、本実施形態の複合体におけるゴム部材は、有機繊維コードを(接着剤組成物を介して)埋設させることができる。更に、本実施形態の複合体におけるゴム部材は、加硫物とすることができる。
そして、上記ゴム部材は、25℃における1%歪のtanδ(損失正接)が0.15以下である。かかる弾性特性を満たすことにより、タイヤ等のゴム物品の低ロス性(低燃費性)を向上させることができるため、環境負荷の低減を図ることができる。同様の観点から、上記ゴム部材の25℃における1%歪のtanδは、0.13以下であることが好ましく、0.12以下であることがより好ましい。なお、上記tanδの下限値は、特に限定されないが、0.01以上であることが好ましい。
また、上記ゴム部材は、25℃における1%歪の貯蔵弾性率(E’)が、5.5MPa以上であることが好ましい。かかる弾性特性を満たすことにより、タイヤ等のゴム物品の低ロス性(低燃費性)の一層の向上、ひいては環境負荷の更なる低減を図ることができる。同様の観点から、上記ゴム部材の25℃における1%歪の貯蔵弾性率(E’)は、5.8MPa以上であることが更に好ましい。また、上記ゴム部材の25℃における1%歪の貯蔵弾性率(E’)は、7.0MPa以下であることが好ましく、6.6MPa以下であることが更に好ましい。
ゴム部材は、少なくともゴム成分を含有するゴム組成物から作製することができる。ゴム成分は、ジエン系ゴムを含むことが好ましく、ジエン系ゴムのみからなることがより好ましい。ジエン系ゴムとしては、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム(SIBR)、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。ゴム成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に、ゴム成分としては、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図る観点から、天然ゴムを用いることが好ましく、上記ゴム成分における天然ゴムの割合が50質量%以上であることがより好ましい。言い換えると、上記ゴム部材は、天然ゴムを含有することが好ましく、天然ゴムの割合が50質量%以上であるゴム成分を含有することがより好ましい。
また、ゴム部材の作製に用いるゴム組成物は、必要に応じ、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤、シランカップリング剤等の充填剤改質剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤、亜鉛華等の加硫促進助剤、軟化剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、加工助剤、潤滑剤、粘着付与剤、着色剤などを、目的に応じて適宜含有することができる。なお、上記軟化剤としては、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤が挙げられる。
特に、ゴム部材の作製に用いるゴム組成物は、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図る観点から、カーボンブラックを含有することが好ましく、窒素吸着比表面積が45m/g以下のカーボンブラックを含有することがより好ましい。言い換えると、上記ゴム部材は、カーボンブラックを含有することが好ましく、窒素吸着比表面積が45m/g以下のカーボンブラックを含有することがより好ましい。カーボンブラックは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。そして、上記カーボンブラックの含有量は、例えば、ゴム成分100質量部に対して20質量部以上であることが好ましく、35質量部以上であることがより好ましく、また、70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。
また、ゴム部材の作製に用いるゴム組成物は、上述した弾性特性をより確実に達成して環境負荷の低減を図る観点から、上記軟化剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0質量部以上1質量部以下であることが好ましい。言い換えると、上記ゴム部材は、上記軟化剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0〜1質量部であることが好ましく、軟化剤を含有しないことがより好ましい。
上記ゴム組成物は、特に限定されず、例えば、常法に従って上述した各成分を配合して混練することにより調製することができる。なお、混練に際しては、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機を用いることができる。更に、ゴム組成物を用いてシート状や帯状等のゴム部材に成形する場合には、押出成形機、プレス機等の公知の成形機を用いることができる。その際、上述したゴム組成物を、有機繊維コード表面上の接着剤組成物と接触させた状態で加硫することにより、本実施形態の複合体における一部材としてのゴム部材を得ることができる。
(接着剤組成物)
接着剤組成物は、上述の通り、ポリフェノール類と、アルデヒド類とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、ゴム成分、溶媒、その他の成分等を適宜含有することができる。かかる接着剤組成物を用いれば、ゴムと有機繊維コードとを強固に接着させることができる。
ポリフェノール類は、芳香族環に複数の水酸基(フェノール性水酸基)が結合した構造を有する化合物群を指し、接着剤組成物において接着性を高め得る樹脂成分である。ポリフェノール類における芳香族環の数、水酸基の数は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、本実施形態で用いるポリフェノール類は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
本実施形態で用いるポリフェノール類は、水等の溶媒に溶解して均一に分散した接着剤組成物を得る観点から、水溶性であることが好ましい。更に、本実施形態で用いるポリフェノール類は、環境負荷低減に十分に配慮する観点から、レゾルシン(レゾルシノール)以外のポリフェノール類であることが好ましい。換言すると、上記接着剤組成物は、レゾルシン(レゾルシノール)を実質的に含有しないことが好ましい。
なお、本明細書において「実質的に含有しない」とは、接着剤組成物中の割合が0.5質量%未満であることを指すものとする。
また、本明細書において「水溶性」とは、必ずしも完全な水溶性のみを意味するのではなく、部分的に水溶性であること、或いは水を含む溶媒中で相分離しないことも包含するものとする。
上記ポリフェノール類において、芳香族環における複数の水酸基の結合位置は、特に限定されず、例えば、互いの水酸基が、オルト位、メタ位、又はパラ位の位置関係にあってもよい。
上記ポリフェノール類は、複数の芳香族環を有してもよい。この場合、全ての芳香族環にそれぞれ、複数の水酸基が結合していることが好ましい。
上記ポリフェノール類は、3つ以上の水酸基を有することが好ましい。かかるポリフェノール類は、一般に水溶性であるため、接着剤組成物中で均一に分布することができ、より優れた接着性を発現し得るからである。
3つ以上の水酸基を有するポリフェノール類としては、例えば、下記式(I)で表されるフロログルシノール、下記式(II)で表されるモリン(別名:2’,4’,3,5,7−ペンタヒドロキシフラボン)、下記式(III)で表されるフロログルシド(別名:2,4,6,3’,5’−ビフェニルペントール)、並びにこれらのうち任意の2種以上の混合物、等が挙げられる。
Figure 2021143437
Figure 2021143437
Figure 2021143437
特に、上記接着剤組成物は、接着性をより向上させる観点から、ポリフェノール類としてフロログルシノールを少なくとも含有することが好ましい。
上記接着剤組成物においては、より優れた接着性を確保する観点から、固形分全体のうちのポリフェノール類の含有量が、1.0質量%以上であることが好ましく、2.5質量%以上であることがより好ましい。また、上記接着剤組成物においては、アルデヒド類を確実に溶解させるとともに、良好な作業性を確保する観点から、固形分全体のうちのポリフェノール類の含有量が、13質量%以下であることが好ましく、11質量%以下であることがより好ましい。
次に、アルデヒド類は、アルデヒド基を有する化合物群を指し、上記接着剤組成物において、上述したポリフェノール類との併用により接着性を高め得る成分である。アルデヒド類におけるアルデヒド基の数は、特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができる。また、本実施形態で用いるアルデヒド類は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
本実施形態で用いるアルデヒド類は、環境負荷低減に十分配慮する観点から、ホルムアルデヒド以外のアルデヒド類であることが好ましい。換言すると、上記接着剤組成物は、ホルムアルデヒドを実質的に含有しないことが好ましい。
上記アルデヒド類は、芳香族環を有するアルデヒド類を含むことが好ましい。芳香族環を有するアルデヒド類は、ホルムアルデヒドよりも環境負荷が少ない上、接着性、機械的強度、電気絶縁性、耐酸性、耐水性、耐熱性等の性能の向上に寄与し得るからである。
また、上記芳香族環を有するアルデヒド類は、2つ以上のアルデヒド基を有することが好ましい。2つ以上のアルデヒド基を有することで、架橋及び縮合の際の架橋度が高くなる結果、接着性をより高めることができる。更に、上記芳香族環を有するアルデヒド類は、1つの芳香族環上に2つ以上のアルデヒド基が存在することがより好ましい。この場合のアルデヒド類において、芳香族環における上記2つ以上のアルデヒド基の結合位置は、特に限定されず、例えば、互いのアルデヒド基が、オルト位、メタ位、又はパラ位の位置関係にあってもよい。
このようなアルデヒド類としては、例えば、1,2−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,3−ベンゼンジカルボキサルデヒド、1,4−ベンゼンジカルボアルデヒド、及び2−ヒドロキシベンゼン−1,3,5−トリカルボアルデヒド、並びにこれらのうち任意の2種以上の混合物、等が挙げられる。特に、本実施形態の接着剤組成物は、接着性をより向上させる観点から、アルデヒド類として1,4−ベンゼンジカルボアルデヒドを少なくとも含有することが好ましい。
なお、芳香族環を有するアルデヒド類には、ベンゼン環を有するものだけでなく、複素芳香族化合物も含まれる。複素芳香族化合物であるアルデヒド類としては、例えば、下記一般式(IV):
Figure 2021143437
[式中、Xは、Oであり;Rは、−H、−CHO又はメチロールを示す]で表されるフラン環を有するアルデヒド類が挙げられる。上記のフラン環を有するアルデヒド類として、より具体的には、下記式でそれぞれ表される5つの化合物が挙げられる。
Figure 2021143437
なお、上記接着剤組成物においては、上記ポリフェノール類と上記アルデヒド類とが縮合された状態で存在していてもよい。また、上記接着剤組成物において、上記ポリフェノール類に対する上記アルデヒド類の質量比(アルデヒド類の含有量/ポリフェノール類の含有量)は、0.1以上であることが好ましく、また、3以下であることが好ましい。この場合、ポリフェノール類及びアルデヒド類の縮合反応の生成物の硬度及び接着性がより適したものとなる。同様の観点から、上記ポリフェノール類に対する上記アルデヒド類の質量比(アルデヒド類の含有量/ポリフェノール類の含有量)は、0.25以上であることがより好ましく、また、2.5以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましい。
上記接着剤組成物においては、固形分全体のうちのポリフェノール類及びアルデヒド類の合計含有量が、1質量%以上60質量%以下であることが好ましい。この場合、作業性を悪化させることなく、より優れた接着性を確保することができる。同様の観点から、固形分全体のうちのポリフェノール類及びアルデヒド類の合計含有量は、5質量%以上であることがより好ましく、また、30質量%以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において「固形分」とは、乾燥固形分を指すものとする。
上記接着剤組成物は、上述したポリフェノール類及びアルデヒド類に加え、ゴム成分を更に含有することが好ましい。この場合、ゴムと有機繊維コードとをより強固に接着することができる。また、上記接着剤組成物がゴム成分を含有することで、比較的柔軟で且つ可撓性である利点を生かし、有機繊維コードの変形にも良好に追随することができる。
上記ゴム成分としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム(NR)の他、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)等の合成ゴムを用いることができる。これらゴム成分は、1種単独であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。かかるゴム成分を用いることで、有機繊維コードとの接着対象であるゴム部材との相互作用及び共加硫が図られ、ゴム部材と有機繊維コードとの接着性をより向上させることができる。なお、上記ゴム成分は、通常、ゴムラテックスを配合することで接着剤組成物中に含有させることができる。
上記接着剤組成物においては、より優れた接着性を確保する観点から、固形分全体のうちのゴム成分の含有量が、40質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、上記接着剤組成物においては、耐凝集破壊抗力を十分に確保するために、固形分全体のうちのゴム成分の含有量が、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
上記接着剤組成物は、溶媒を更に含有してもよい。溶媒としては、上記ポリフェノール類を確実に溶解させて均一に分散させる観点からは、水、水酸化ナトリウム溶液等の塩基性溶媒が好ましい。また、溶媒としては、上記アルデヒド類を十分に溶解させる観点からは、アンモニア水等の塩基性溶媒が好ましい。そして、同様の観点から、溶媒としては、水及び水酸化ナトリウム溶液を併用することが好ましく、水、水酸化ナトリウム溶液及びアンモニア水を併用することがより好ましい。
上記接着剤組成物は、本発明の目的を逸脱しない範囲において、上述したもの以外のその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、イソシアネート化合物等が挙げられる。
上記接着剤組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、各種原材料を準備し、これらを溶媒に溶解させることで、溶液状の接着剤組成物を得ることができる。
特に、上記接着剤組成物は、溶媒としての水にポリフェノール類を溶解させて溶液を得、次いで、必要に応じて上記溶液に塩基性溶媒を追加し、次いで、上記溶液にアルデヒド類を溶解させる、ことにより製造することが好ましい。これにより、ゲル化を回避しつつ、溶解性及び分散性を高めることができ、安定的且つ効率的に接着剤組成物を製造することができる。
上記溶媒としての水の温度は、ポリフェノール類及びアルデヒド類をより確実に溶解させる観点から、40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
塩基性溶媒としては、例えば、水酸化ナトリウム溶液、アンモニア水等が挙げられる。
また、アルデヒド類をより確実に溶解させつつ、生産性の低下を抑える観点から、上記アルデヒド類は、ポリフェノール類を含有する溶液に漸次的に加えて溶解させることが好ましい。
アルデヒド類を溶解させる際には、撹拌及び熟成を行うことが好ましい。上記撹拌及び熟成時の温度は、接着性をより高める観点から、20℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましく、また、溶媒の蒸発に伴う高粘度化を抑制する観点から、80℃以下であることが好ましく、60℃以下であることがより好ましい。
上記撹拌及び熟成の時間は、接着性をより高める観点から、30分間以上であることが好ましく、1時間以上であることがより好ましく、また、生産性の低下を抑制する観点から、6時間以下であることが好ましく、4時間以下であることがより好ましい。
また、接着剤組成物にゴム成分を含有させる場合には、上述の通りにして得られたポリフェノール類及びアルデヒド類の溶液にラテックスを添加し、その後、熟成することが好ましい。このように熟成を行うことで、より確実にラテックスを凝固させ、接着剤組成物の取り扱い易さを向上できるとともに、接着性の向上を図ることもできる。
なお、ラテックス添加後の熟成とは、ラテックスの特性を向上させることを目的として、一定時間経過させる操作を指す。熟成の条件については特に限定されず、例えば、25℃程度で、1時間〜1週間経過させて熟成することができる。
また、接着剤組成物にイソシアネート化合物を含有させる場合には、上述の通りにしてラテックスを添加し、熟成した後に、当該イソシアネート化合物を添加することができる。
(ゴム−有機繊維コード複合体の製造)
本実施形態の複合体の製造方法は、特に限定されないが、例えば、有機繊維コードの表面を上述した接着剤組成物で被覆し、次いで、有機繊維コードを被覆する上記接着剤組成物と未加硫状態のゴム部材とを接触させ、次いで、任意に加圧しながら加硫することで、本実施形態の複合体を得ることができる。
或いは、未加硫状態のゴム部材を、接着剤組成物と接触させる前にあらかじめ半加硫して(加硫して)、仮成形してもよい。即ち、未加硫状態のゴム部材をあらかじめ半加硫し、次いで、有機繊維コードを被覆する上記接着剤組成物と該ゴム部材とを接触させ、次いで、任意に加圧しながら加硫することで、本実施形態の複合体を得ることもできる。
有機繊維コードの表面を上述した接着剤組成物で被覆する方法としては、特に限定されず、例えば、浸漬、塗布、吹き付け等が挙げられる。また、上述した接着剤組成物が溶媒を含有する場合には、被覆後、乾燥処理により当該溶媒を除去してもよい。更に、乾燥後には、接着性をより効果的に発現させるために加熱処理を行ってもよい。
なお、有機繊維コードの表面を上述した接着剤組成物で被覆する前に、該有機繊維コードの表面を所定の前処理用組成物で被覆してもよい。この場合には、有機繊維コードの表面に2つの被覆層を形成することとなる。かかる前処理用組成物としては、例えば、エポキシ化合物及びイソシアネート化合物を含む組成物が挙げられる。
有機繊維コードにおける上記接着剤組成物の被覆量は、例えば、未被覆の有機繊維コード100質量部に対して0.2質量部以上6.0質量部以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の複合体においては、有機繊維コードの少なくとも一部の表面が接着剤組成物で被覆されていればよいが、十分強固にゴムと接着させるために、有機繊維コードの全表面が接着剤組成物で被覆されていることが好ましい。
<タイヤ>
本発明の一実施形態のタイヤ(以下、「本実施形態のタイヤ」と称することがある。)は、上述したゴム−有機繊維コード複合体を用いたことを特徴とする。換言すると、本実施形態のタイヤは、上述したゴム−有機繊維コード複合体を備える。本実施形態のタイヤは、上述した本実施形態の複合体が用いられているため、環境への負荷が少なく、また、高い補強性を有する。
図1に、本実施形態のタイヤを示す。図1に示すタイヤ100は、トレッド部11と、トレッド部11の側部に連続してタイヤ径方向内方へ延びるサイドウォール部12と、サイドウォール部12のタイヤ径方向内方に連続するビード部13とを備える。また、タイヤ100においては、ビードコア14がビード部13に埋設され、カーカスプライ15が一対のビードコア14間にトロイド状に延びる。また、ビードコア14のタイヤ径方向外方には、ビードフィラー16が配設される。また、トレッド部11におけるカーカスプライ15の外周側には、1層又は2層以上からなる(図1では2層からなる)ベルト層17が配設され、ベルト層17の外周側には、キャップレイヤー(ベルト補強層とも称される)18が配置され、このキャップレイヤー18の外周側に、トレッド踏面19を形成するトレッドゴム20が配設されている。
また、図示しないが、本実施形態のタイヤは、ビードフィラー16の少なくとも一部を内包するフリッパーを備えていてもよい。
そして、本実施形態のタイヤ100においては、上述した複合体を、例えば、カーカスプライ15、ベルト層17、キャップレイヤー18、フリッパー等として用いることができる。特に、本実施形態のタイヤにおいては、上述した複合体を、カーカスプライ及びキャップレイヤーの少なくともいずれかに用いることが好ましい。
なお、本実施形態のタイヤは、上述した複合体を用いること以外特に制限はなく、常法に従って製造することができる。また、本実施形態のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
本発明によれば、ゴムと有機繊維コードとが強固に接着しつつ、環境への負荷が少ないゴム−有機繊維コード複合体、及び当該複合体を用いたタイヤを提供することができる。
100 タイヤ;11 トレッド部;12 サイドウォール部;13 ビード部;14
ビードコア;15 カーカスプライ;16 ビードフィラー;17、17A、17B ベルト層;18 キャップレイヤー;19トレッド踏面;20トレッドゴム;

Claims (13)

  1. ゴム部材と、有機繊維コードとを備えるゴム−有機繊維コード複合体であって、
    前記有機繊維コードの少なくとも一部の表面が、接着剤組成物で被覆されており、
    前記接着剤組成物は、ポリフェノール類とアルデヒド類とを含有し、
    前記ゴム部材は、25℃における1%歪のtanδが0.15以下である、ことを特徴とする、ゴム−有機繊維コード複合体。
  2. 前記ゴム部材は、25℃における1%歪の貯蔵弾性率(E’)が、5.5MPa以上である、請求項1に記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  3. 前記ゴム部材は、窒素吸着比表面積が45m/g以下のカーボンブラックを含有する、請求項1又は2に記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  4. 前記ゴム部材は、天然ゴムの割合が50質量%以上であるゴム成分を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  5. 前記ゴム部材は、軟化剤の含有量が、ゴム成分100質量部に対して0質量部以上1質量部以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  6. 前記アルデヒド類が、芳香族環を有するアルデヒド類を含む、請求項1〜5のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  7. 前記芳香族環を有するアルデヒド類が、2つ以上のアルデヒド基を有する、請求項6に記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  8. 前記ポリフェノール類が、3つ以上の水酸基を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  9. 前記接着剤組成物が、ゴム成分を更に含有する、請求項1〜8のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  10. 前記接着剤組成物に含有されるゴム成分が、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム(NBR)及びビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(Vp)からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項9に記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  11. 前記有機繊維コードが、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コードである、請求項1〜10のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  12. 未加硫状態のゴム部材をあらかじめ半加硫し、次いで、有機繊維コードを被覆する前記接着剤組成物と該ゴム部材とを接触させ、次いで、加硫することにより得られる、請求項1〜11のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のゴム−有機繊維コード複合体を、カーカスプライ及びキャップレイヤーの少なくともいずれかに用いたことを特徴とする、タイヤ。

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