JP2021142984A - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】開封部分が引っ掛かって不用意に開封することがなく、しかも、開封を望むときには容易に開封できる包装袋を提供すること。【解決手段】上側の角部に注出ノズルを設ける。そして、切欠け40を注出路上側シール線32に設け、この切欠けと注出路先端シール線33との間を摘み部60とする。また、包装袋に向けて凸状の易切断線50を切欠け先端を開始点として設ける。そして、切欠け先端40xにおいて前記摘み部の端縁(摘み部端縁)60xを包装袋の垂直線x0より注出路先端側に位置させると共に、切欠け先端において包装袋の垂直線x0から右回りに注出路先端側端縁x4に至る角度αと、注出路先端側端縁x4から右回りに易切断線50の接線x5に至る角度βとを、いずれも、−10度〜10度の範囲内にする。【選択図】図2

Description

本発明は、液体洗剤、柔軟剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品等を収納する包装袋に関する。
液体洗剤や柔軟仕上げ剤などのトイレタリー用品や、食用油、インスタントコーヒーなどの食品は、それぞれ使いやすいような形状の専用容器に収納されている。専用容器は、構造もしっかりしており、従って高価であることから、内容物が無くなった段階で、繰り返し使用することができるように、内容物のみを詰替える詰替え容器入りの製品が別途販売されていることが多い。
例えば液体洗剤の容器は、洗剤を使用する時にその都度適切な量を計量して取り出す必要があるため、計量カップに注ぎやすいように、注出口にノズルを備えた剛性のあるプラスチック容器が、繰り返し使用容器として用いられている。この容器に対して、内容物を補充するための詰め替え用の容器としては、軟包装フィルムからなる柔軟な容器に、注出口を形成した包装袋や、口栓を取付けた包装袋が一般的に使用されている。
このような詰替え用の包装袋の開封に当たっては、手で簡単に開封ができるように、さまざまな工夫がなされている。出願人の出願になる特許文献1に記載された包装袋は、開封予定線に対して平行な複数の傷線からなる易カット加工を施し、さらに開封用切目線を設けてこの先端を開封予定線と平行な方向に向けて折り曲げたことにより、開封性を高めたものである。
特開2011−255947号公報
特許文献1に記載された包装袋は、易開封性を高めたことにより、手で容易に開封できるものであるが、反面、易開封性が高いあまり、搬送中や取扱いにおいて、予期しないときに、開封部分が引っ掛かって、勝手に開封してしまうことがある。
本発明はこのような事情のもとでなされたもので、開封部分が引っ掛かって不用意に開封することがなく、しかも、開封を望むときには容易に開封できる包装袋を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1に記載の発明は、表裏のフィルムを重ね周縁をシールして構成され、上側の角部に注出ノズルを有する包装袋において、
前記注出ノズルが、その上側に位置する注出路上側シール線と側方側に位置する注出路側方側シール線とで挟まれた注出路を有し、この注出路の先端が注出路先端シール線で塞がれており、
前記注出ノズルを切断する開始点となる切欠けが前記注出路上側シール線に設けられており、この切欠けと注出路先端シール線との間の領域を、注出ノズルを切断する際に摘まむ摘み部とし、かつ、この切欠けが注出路先端側に位置する端縁(注出路先端側端縁)を有して、この端縁の先端を切欠け先端としており、
前記注出ノズルを横断する易切断線が、前記切欠け先端を開始点として設けられており、
前記切欠け先端において、前記摘み部の端縁(摘み部端縁)が包装袋の垂直線より注出路先端側に位置しており、
前記切欠け先端において、包装袋の垂直線から右回りに前記注出路先端側端縁に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあり、
かつ、前記切欠け先端において、前記注出路先端側端縁から右回りに前記易切断線の接線に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあることを特徴とする包装袋である。
また、請求項2に記載の発明は、前記易切断線が包装袋に向けて凸状の曲線を構成していることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
本発明においては、前記切欠けが前記注出路上側シール線に設けられており、この切欠けと注出路先端シール線との間に位置する領域を、注出ノズルを切断する際に摘まむ摘み部としている。そして、摘み部の端縁(摘み部端縁)が包装袋の垂直線より注出路先端側に位置しているから、仮に搬送中等に切欠けが引っ掛かったとしても、この切欠けに強いせん断力が加わることがなく、不用意に破断しない。
一方、包装袋の垂直線から右回りに前記注出路先端側端縁に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあり、また、注出路先端側端縁から右回りに前記易切断線の接線に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあるため、後述する実施例から分かるように、開封を望むときには容易に開封することが可能である。
図1は本発明の包装袋の具体例に係り、図1(a)はその正面図、図1(b)は分解側断面図である。 図2は本発明の包装袋の具体例の要部拡大説明である。
以下、添付図面を参照して、本開示の具体例を説明する。図1(a)は本発明の包装袋の具体例を示す正面図である。また、図1(b)はこの包装袋Aの構成要素を説明するもので、包装袋Aを各構成要素に分解した状態の側断面図である。
これら図1(a)及び図1(b)から分かるように、この包装袋Aは、表裏のフィルムa,bと底フィルムcとで構成されている。底フィルムcは二つ折りされて、その折り目c1を上側に向けて表側フィルムaと裏側フィルムbとの間に挟まれており、このように3枚のフィルムa,b,cを重ねた状態で周縁をシールすることにより、この包装袋Aを構成している。
図1(a)では、前記シール部分にハッチングを施して示している。すなわち、まず、左右両側の側シール線21,22である。これら両側シール線21,22のうち、底フィルムcの折り目c1より上側の領域では、表側フィルムaと裏側フィルムbとが互いにシールされている。折り目c1より下側の領域では、二つ折りされた底フィルムcの一方と表側フィルムaとが互いにシールされ、また、他方と裏側フィルムbとが互いにシールされている。なお、その一部で、これら表側フィルムa,二つ折りされた底フィルムc及び裏側フィルムbは互いに固定されている。
また、図1(a)に図示するように前記シール部分には、底シール線23が含まれている。この底シール線23では、二つ折りされた底フィルムcの一方と表側フィルムaとが互いにシールされ、また、他方と裏側フィルムbとが互いにシールされている。
一方、包装袋Aの上辺は未シールのまま残されている。この未シール部は、包装袋Aの充填口であり、ここから内容物を充填収容した後ヒートシールして密封する。
この包装袋Aは、以上のように左右両側の側シール線21,22と底シール線23とでシールされ、しかも、左右両側の側シール線21,22は、折り目c1より下側の領域の一部で表側フィルムa,二つ折りされた底フィルムc及び裏側フィルムbが互いに固定されているから、これに内容物を充填収容すると、二つ折りされた底フィルムcがその中央で開き、こうして開いた底フィルムcを底面として自立できるようになる。
ところで、図1(a)に図示するように、この包装袋Aは、その上側の左側角部に注出ノズルが設けられている。
この注出ノズルは、その上側に位置する注出路上側シール線32と、左側方側に位置し、側シール線21に連接する注出路側方側シール線31とを有しており、これら注出路上側シール線32と注出路側方側シール線31とで挟まれた領域を注出路30としている。そして、この注出路30の先端には、注出路先端シール線33が設けられており、この注出路先端シール線33で注出路30が塞がれている。
そして、前記注出路上側シール線32には切欠け40が設けられている。この例では、この切欠け40は、注出路先端側に位置する直線状の端縁(注出路先端側端縁)と、その反対側に位置する直線状の端縁(充填口側端縁)とを有するもので、Vノッチと呼ばれるものである。そして、このVノッチでは、前記注出路先端側端縁と充填口側端縁とが交わる位置をこの切欠け40の先端40xとしている(図2参照)。
また、この切欠け40と注出路先端シール線33との間に位置する領域を、注出ノズルを切断する際に摘まむ摘み部60としている。このため、この摘み部60を指で摘まんでねじ切るようにせんだん力を加えると、その力は切欠け先端40xに集中して、ここから、注出ノズルの切断を開始することができる。
そして、前記底面に対して垂直な方向に伸びる線を垂直線x0とすると、前記摘み部60の端縁のうち前記切欠け40に続く端縁(摘み部端縁)60xは、切欠け先端40xに立てた包装袋の垂直線x0より注出路先端側に位置している必要がある。後述する実施例や比較例から分かるように、切欠け先端40xにおいて、摘み部端縁60xが包装袋の前記垂直線x0より注出路先端側に位置している場合、搬送中や取扱いにおいても切欠け先端40xに強いせん断力が加わることがなく、不用意に破断しない。
一方、その反対側(充填口側)に摘み部端縁60xが位置している場合には、摘み部60が引っ掛かり易く、切欠け先端40xに強いせん断力が加わって、不用意に破断し易い。
また、この包装袋Aでは、切欠け先端40xを開始点として、前記注出ノズルを横断する易切断線50が設けられている。このため、前記切欠け40を注出ノズルを切断する開始点として、易切断線50に沿って切断することにより、前記注出路先端シール線33を除去して、注出路30を開くことができる。
なお、この易切断線50は、包装袋の内部に向けて凸状の曲線を構成していることが望
ましい。
ところで、前述のように、図2において、切欠け先端40xに立てた符合x0は包装袋の垂直線を示しており、この垂直線x0は前記底面に垂直である。また、符合x4は切欠け先端40xにおける前記注出路先端側端縁であり、図2では、図示の便宜上、前記注出路先端側端縁を延長して、この延長線に符合x4を付けて示している。そして、この垂直線x0から注出路先端側端縁x4に至る角度αを測定したとき、この角度αが−10度〜10度の範囲内にある必要がある。後述する実施例や比較例から分かるように、角度αがこの範囲外にある場合には、開封を望むときにもその開封が困難である。
また、切欠け先端において、前記注出路先端側端縁x4から右回りに前記易切断線50の接線x5に至る角度βを測定したときも、この角度βは−10度〜10度の範囲内にある必要がある。後述する実施例や比較例から分かるように、角度βがこの範囲外にある場合には、開封を望むときにもその開封が困難である。
各フィルムa,b,cとしては公知の包装用フィルムを使用できる。例えば、熱融着可能な内層フィルムと、この内層フィルムに積層された外層フィルムとを必須の構成要素として、これらを積層したものである。内層フィルムと外層フィルムとは、例えば、接着剤層を介して接着することができる。
内層フィルムは、包装体製造の際にヒートシール層としての役割を果たすもので、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、無延伸ポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等が使用できる。
外層フィルムは単層構造又は多層構造の樹脂フィルムで構成することができる。単層構造の樹脂フィルムとしては、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルムが例示できる。また、多層構造の樹脂フィルムとしては、これらポリエステルフィルムやポリアミドフィルムに他の樹脂層を積層して多層構造としたものを使用することもできる。また、金属箔や真空蒸着層を一部に含む多層構造のフィルムを外層フィルムとしてもよい。真空蒸着層としては、金属の真空蒸着層のほか、無機酸化物の真空蒸着層が例示できる。例えば、酸化ケイ素又は酸化アルミニウムの真空蒸着層である。
また、この例では、切欠け40として、2本の直線状端縁(注出路先端側端縁及び充填口側端縁)で構成されたVノッチを採用しているが、この他の形状のノッチを切欠け40として採用することも可能である。例えば、Iノッチ、五角形ノッチ等である。これらのノッチは、いずれも、公知の方法で形成することができる。
また、易切断線50の形成方法も公知である。例えばレーザー光線を照射して、表裏のフィルムa,bを線状にハーフカットすることにより易切断線50を形成することができる。易切断線50は実線状でもよいし、破線状でもよい。
図1〜2に示す包装袋Aを構成する各フィルムa,b,cとして内層フィルムと外層フィルムとから成るフィルムを準備した。外層フィルムは基材フィルムとガスバリア性フィルムの二層構造で、基材フィルムは厚さ15μmの延伸ナイロンフィルム、ガスバリア性フィルムは厚さ15μmのポリエステルフィルムに金属アルミニウムを真空蒸着したフィルムである。また、内層フィルムは厚さ100μmのLLDPEフィルムである。
(実施例1)
切欠け先端40xにおいて、包装袋の垂直線x0から右回りに注出路先端側端縁x4に
至る角度α及び切欠け先端において、前記注出路先端側端縁x4から右回りに前記易切断線50の接線x5に至る角度βを、いずれも、0度とし、摘み部60の端縁のうち、切欠け40に続く摘み部端縁60xを、切欠け先端40xに立てた包装袋の垂直線x0より注出路先端側に位置させて、図1〜2に示す包装袋Aを製造した。
(実施例2,3及び比較例1〜5)
実施例1と同様に図1〜2に示す包装袋Aを製造した。各例における角度α及び角度βは表1に示す。また、摘み部端縁60xが、切欠け先端40xに立てた包装袋の垂直線x0に対して注出路先端側に位置するか、あるいはその反対側(充填口側)に位置するか、という点についても、表1に示す。
(評価)
これら実施例1〜3及び比較例1〜5の包装袋について2つの観点から評価した。まず、不用意な開封が生じ易いか否か(不用意な開封)という点である。また、第2の観点は、開封を望むときには容易に開封することができるか否か(易開封性)という点である。
すなわち、前記各例の包装袋Aに内容物を充填して充填口をシールして密封した。不用意な開封の評価については、こうして得られた包装体について、搬送中や取扱い中に引っ掛かり易く、予期しない開封が生じ易いものを「×」と評価し、予期しない開封が生じないものを「〇」と評価した。
また、この包装体の摘み部60を指で摘まみ、ねじ切るように力を加えて、切欠け先端40xから易切断線50に沿って切断して開封した。こうして開封したとき、その開封が容易であったものを易開封性が「〇」と評価し、開封が容易とはいえないものを易開封性が「×」と評価した。
この結果を表1に示す。
Figure 2021142984
(考察)
この結果では、摘み部端縁60xが切欠け先端40xに立てた包装袋の垂直線x0に対して注出路先端側に位置するもの(実施例1〜3及び比較例2〜5)では、いずれも、搬送中や取扱い中に予期しない不用意な開封が生じない。一方、充填口側に位置する比較例1では予期しない不用意な開封が生じている。この結果から、搬送中や取扱い中の予期しない不用意な開封を防ぐためには、摘み部端縁60xを切欠け先端40xに立てた包装袋の垂直線x0に対して注出路先端側に位置させればよいことが分かる。
次に、このように予期しない不用意な開封を防止した場合であっても、前記角度α及び角度βのいずれか一方が−10度〜10度の範囲内にない場合(比較例2〜5)には、開封を望むときにも容易に開封できない。一方、角度α及び角度βの両方が−10度〜10度の範囲内にある場合(実施例1〜3)には容易に開封できる。
以上の結果から、摘み部端縁60xを注出路先端側に位置させると共に、角度α及び角度βの両方を−10度〜10度の範囲内とすることにより、不用意な開封を防いで、しかも、開封を望むときに容易に開封できることが理解できる。
A: 包装袋
10:内容物収容部
21:左側の側シール線 22:右側の側シール線 23:底シール線
30:注出路 31:注出路側方側シール線 32:注出路上側シール線 33:注出路先端シール線
40:切欠け 40x:切欠け先端
50:易切断線
60:摘み部 60x:摘み部端縁
x0:切欠け先端に立てた包装袋の垂直線 x4:切欠け先端における注出路先端側端縁 x5:切欠け先端における易切断線の接線
α:切欠け先端において、包装袋の垂直線から右回りに前記注出路先端側端縁に至る角度
β:切欠け先端において、注出路先端側端縁から右回りに前記易切断線の接線に至る角度

Claims (2)

  1. 表裏のフィルムを重ね周縁をシールして構成され、上側の角部に注出ノズルを有する包装袋において、
    前記注出ノズルが、その上側に位置する注出路上側シール線と側方側に位置する注出路側方側シール線とで挟まれた注出路を有し、この注出路の先端が注出路先端シール線で塞がれており、
    前記注出ノズルを切断する開始点となる切欠けが前記注出路上側シール線に設けられており、この切欠けと注出路先端シール線との間の領域を、注出ノズルを切断する際に摘まむ摘み部とし、かつ、この切欠けが注出路先端側に位置する端縁(注出路先端側端縁)を有して、この端縁の先端を切欠け先端としており、
    前記注出ノズルを横断する易切断線が、前記切欠け先端を開始点として設けられており、
    前記切欠け先端において、前記摘み部の端縁(摘み部端縁)が包装袋の垂直線より注出路先端側に位置しており、
    前記切欠け先端において、包装袋の垂直線から右回りに前記注出路先端側端縁に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあり、
    かつ、前記切欠け先端において、前記注出路先端側端縁から右回りに前記易切断線の接線に至る角度を測定したとき、この角度が−10度〜10度の範囲内にあることを特徴とする包装袋。
  2. 前記易切断線が包装袋に向けて凸状の曲線を構成していることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
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