JP2021140942A - 複合化高分子電解質膜のロール状物 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅方向端部の盛り上がりが抑制された、複合化高分子電解質膜のロール状物を提供する。【解決手段】長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する複合化高分子電解質膜のロール状物であって、該第3の層の幅方向長さ(W3)が該第2の層の幅方向長さ(W2)より小さいことを特徴とする、複合化高分子電解質膜のロール状物。【選択図】図1

Description

本発明は、高分子電解質膜と多孔質基材とを複合化した高分子電解質膜のロール状物に関する。
固体高分子電解質型燃料電池等に使用される固体高分子電解質膜は、耐久性を高めるために多孔質基材と複合化することが知られている。
上記複合化高分子電解質膜の製造方法として、例えば、基材フィルムに高分子電解質溶液を塗布し、その上に多孔質基材を重ね合わせて高分子電解質溶液を含浸させた後に多孔質基材の他方の面に高分子電解質溶液を塗布して製造することが提案されている(特許文献1〜4)。
そして、これらの製造工程は、ロール・ツー・ロール方式で実施されることが記載されている。つまり、長尺ロール状の基材フィルムを巻き出して、高分子電解質溶液を塗布し、その上に多孔質基材を重ね合わせ、乾燥あるいは未乾燥の状態で多孔質基材の多方の面に高分子電解質溶液を塗布し、乾燥して、ロール状に巻き取る方式である。
特開2004−356075号公報 特開2006−202532号公報 特開2015−76201号公報 特開2019−186183号公報
上記製造工程において、多孔質基材の両面にそれぞれ積層される第1の電解質層と第2の電解質層は、多孔質基材に電解質を浸透・含浸させるために、通常、多孔質基材を覆うように積層されている(例えば、図6)。このような製造方法で得られた複合化高分子電解質膜のロール状物は、基材上に複数の層(第1の電解質層、多孔質基材および第2の電解質層)が積層されていることから、幅方向端部が部分的に盛り上がる傾向にある(例えば、図7)。ロール状物の端部が部分的に盛り上がると、皺が発生したり、後加工が安定的に行われなかったりなど、品質悪化を招くことがある。
そこで、本発明の目的は、幅方向端部の盛り上がりが抑制された、複合化高分子電解質膜のロール状物を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって達成される。
[1]長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する複合化高分子電解質膜のロール状物であって、該第3の層の幅方向長さ(W3)が該第2の層の幅方向長さ(W2)より小さいことを特徴とする、複合化高分子電解質膜のロール状物。
[2]長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する複合化高分子電解質膜のロール状物であって、該第3の層の幅方向厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域の平均厚み(Te)が中央部領域の平均厚み(Tc)より小さいことを特徴とする、複合化高分子電解質膜のロール状物。
本発明によれば、幅方向端部の盛り上がりが抑制された、複合化高分子電解質膜のロール状物を提供することにある。
本発明の第1の発明の一実施態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。 本発明の第1の発明の他の態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。 本発明の第1の発明の他の態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。 本発明の第2の発明の一実施態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。 本発明の第2の発明の他の態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。 従来の複合化高分子電解質膜の幅方向における断面模式図である。 従来の複合化高分子電解質膜のロール状物の正面模式図である。 本発明のロール状物をロール・ツー・ロール方式で連続的に製造する工程の一実施態様の概略模式図である。 本発明のロール状物をロール・ツー・ロール方式で連続的に製造する工程の他の態様の概略模式図である。
本発明の複合化高分子電解質膜のロール状物は、長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する構成(基本構成)を含む。以下、複合化高分子電解質膜のロール状物を単に「ロール状物」ということがあり、また、長尺帯状の基材フィルムを「基材フィルム」、高分子電解質を含む第1の層を「第1の層」、多孔質基材を含む第2の層を「第2の層」、高分子電解質を含む第3の層を「第3の層」ということがある。
本発明の第1の発明は、上記基本構成において、第3の層の幅方向長さ(W3)が第2の層の幅方向長さ(W2)より小さいことを特徴とする。また、本発明の第2の発明は、上記基本構成において、前記第3の層の幅方向の厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域の平均厚み(Te)が中央部領域の平均厚み(Tc)より小さいことを特徴とする。
[第1の発明]
図1は、本発明の第1の発明の一実施態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。ここで、一単位とは、基材フィルム/第1の層/第2の層/第3の層がそれぞれ単一層で構成されたものであり、ロール状物は上記一単位が巻き回されたものである。
ロール状物の一単位1は、基材フィルム10上に、第1の層11、第2の層12および第3の層13を有する。第3の層13の幅方向長さW3は、第2の層12の幅方向長さW2より小さくなっている。
第3の層13の幅方向長さW3は、例えば、塗布幅を調整することによって制御することができる。ロール状物の端部盛り上がりを抑制するという観点から、W3は、第2の層の幅方向の両端部にそれぞれ未塗布領域Aが存在するように調整することが好ましい。第3の層の幅方向両端部の未塗布領域Aは、それぞれ1〜30mmが好ましく、2〜20mmがより好ましく、3〜15mmが特に好ましい。
つまり、第3の層13の幅方向長さW3と第2の層12の幅方向長さW2の関係は、2mm≦W2−W3≦60mmが好ましく、4mm≦W2−W3≦40mmがより好ましく、6mm≦W2−W3≦30mmが特に好ましい。
基材、第1の層および第2の層の関係については、特に限定されないが、図1に示すような関係が好ましい。すなわち、第1の層の幅方向長さW1は、基材フィルムの幅方向長さW0より小さく、第2の層の幅方向長さW2は第1の層の幅方向長さW1より小さいことが好ましい。W1とW0の関係およびW2とW1の関係は、上記したW3とW2の関係と同様とすることができる。このような関係を採用することによって、ロール状物の端部盛り上がりをさらに抑制することができる。
図2および図3は、第1の発明の他の態様の断面模式図である。図2は、第1の層11と第2の層12の幅方向長さが概略同一で、基材フィルム10の幅方向長さより小さい場合の態様である。第3の層と第2の層の関係は、図1の態様と同じである。
図3は、基材フィルム、第1の層および第2の層の幅方向長さが概略同一の場合の態様である。第3の層と第2の層の関係は、図1の態様と同じである。
[第2の発明]
図4は、本発明の第2の発明の一実施態様の複合化高分子電解質膜のロール状物の一単位の幅方向における断面模式図である。ロール状物の一単位2は、基材フィルム20上に、第1の層21、第2の層22および第3の層23を有する。
第3の層23は、その幅方向の厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域Eの平均厚み(Te)が中央部領域Cの平均厚み(Tc)より小さくなっている。ここで、端部領域Eの長さは、それぞれ20mmである。中央部領域Cの長さは、第3の層23の幅方向長さW3から両方の端部領域Eの長さを差し引いたものであり、C=W3−E×2となる。
端部領域Eの平均厚み(Te)は、最端部から内側に5mm間隔で3点測定して平均したものである。中央部領域Cの平均厚み(Tc)は、等間隔に3点測定して平均したものである。上記厚みは、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察で測定することができる。
ロール状物の両端部の盛り上がりを抑制するという観点から、端部領域Eの平均厚み(Te)は、中央部領域Cの平均厚み(Tc)の90%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、50%以下が特に好ましい。実現可能な下限は、10%程度である。
端部領域Eの平均厚み(Te)を中央部領域Cの平均厚み(Tc)より小さくする方法としては、(イ)第3の層を塗布後乾燥する前に端部領域の塗布液の一部を吸引あるいはナイフで除去する方法、(ロ)スリットダイコーターの端部領域の塗布液吐出スリットの幅を相対的に小さくする方法、(ハ)スリットダイコーターの端部領域の塗布液供給量を相対的に小さくする方法、(ニ)スリットダイコーターを用いてキス方式(バックアップローラーを配置しない方式)で塗布する方法が挙げられるが、本発明では(ニ)の方法が好ましく用いられる。
図4は、第3の層23の幅方向長さW3と第2の層22の幅方向長さW2が概略同一である態様を示したものであるが、図5に示すように、W3をW2より小さくしてもよい。つまり、図5は、第1の発明と第2の発明を併合した発明の態様であり、ロール状物の両端部盛り上がりをさらに抑制することができる。
第2の発明および第1の発明と第2の発明を併合した発明において、基材フィルム20、第1の層21および第2の層22の関係については、特に限定されないが、図4および図5に示すような関係、すなわち、第1の発明である図1の態様で説明した関係であることが好ましい。
また、第2の発明および第1の発明と第2の発明を併合した発明において、基材フィルム20、第1の層21および第2の層22の関係は、前述の図2および図3と同様な関係であってもよい。
[基本構成]
本発明のロール状物の基本構成は、長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する。以下、各構成要素について詳細に説明する。
[基材フィルム]
基材フィルムとしては、高分子電解質溶液に対する耐薬品性、乾燥温度に対する耐熱性を有しているものが好ましく、このような基材フィルムの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリスチレン等が挙げられる。これらのなかでも、耐薬品性、耐熱性の観点から、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
基材フィルムは、必要に応じ離型処理、鏡面処理、エンボス処理、或いは艶消し処理等が施されていてもよい。
基材フィルムの厚みは、30〜300μmが好ましく、50〜200μmがより好ましく、70〜150μmが特に好ましい。
[高分子電解質を含む第1の層]
第1の層に含まれる高分子電解質としては、特に限定されず、燃料電池を構成する固体高分子電解質膜に使用される公知の高分子電解質を用いることができる。係る高分子電解質としては、例えば、イオン性基を有するパーフルオロ系ポリマー、イオン性基を有する炭化水素系ポリマーが挙げられる。
イオン性基を有するパーフルオロ系ポリマーとは、ポリマー中のアルキル基および/またはアルキレン基の水素の大部分または全部がフッ素原子に置換されたものを意味する。イオン性基を有するパーフルオロ系ポリマーの代表例としては、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)、フレミオン(登録商標)(旭硝子社製)およびアシプレックス(登録商標)(旭化成社製)などの市販品を挙げることができる。
イオン性基を有する炭化水素系ポリマーとしては、ポリマー主鎖に芳香環を有する芳香族炭化水素系ポリマーであることがより好ましい。芳香族炭化水素系ポリマーの具体例としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリアリーレンエーテル系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリパラフェニレン、ポリアリーレン系ポリマー、ポリアリーレンケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレンホスフィンホキシド、ポリエーテルホスフィンホキシド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾイミダゾール、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミドスルホンから選択される構造を芳香環とともに主鎖に有するポリマーが挙げられる。なお、ここでいうポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン等は、その分子鎖にスルホン結合、エーテル結合、ケトン結合を有している構造の総称であり、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンスルホンなどを含む。炭化水素骨格は、これらの構造のうち複数の構造を有していてもよい。これらのなかでも、芳香族炭化水素系ポリマーとして特にポリエーテルケトン骨格を有するポリマー、すなわちポリエーテルケトン系ポリマーが最も好ましい。
ここでイオン性基は、スルホン酸基(−SO(OH))、硫酸基(−OSO(OH))、スルホンイミド基(−SONHSOR(Rは有機基を表す。))、ホスホン酸基(−PO(OH))、リン酸基(−OPO(OH))、カルボン酸基(−CO(OH))およびこれらの金属塩からなる群より選択される一種以上を好ましく採用することができる。中でも、高プロトン伝導度の点から少なくともスルホン酸基、スルホンイミド基、硫酸基、ホスホン酸基のいずれかを有することがより好ましく、耐加水分解性の点から少なくともスルホン酸基を有することが最も好ましい。
第1の層および第2の層の塗布・製膜時は、塗布装置の材質による不純物の混入や、加熱によるイオン性基の分解を軽減するために、これらのイオン性基は金属塩として導入しておくことが好ましく、この場合、製膜後に酸性溶液と接触させることで、金属塩をプロトンに置換してイオン性基に変換することができる。金属塩を形成する金属は、イオン性基と塩を形成しうるものであればよい。価格および環境負荷の点からはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Sr、Ba、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Mo、Wなどが好ましく、これらの中でもLi、Na、K、Ca、Sr、Baがより好ましく、Li、Na、Kがさらに好ましい。電解質膜へのイオン性基の導入は、重合後のポリマーにイオン性基の金属塩または誘導体を導入する方法で行ってもよく、あるいはモノマーにイオン性基の金属塩を導入後、該モノマーを重合する方法で行っても構わない。
第1の層は、さらに、機械的強度の向上およびイオン性基の熱安定性向上、耐水性向上、耐溶剤性向上、耐ラジカル性向上、塗液の塗布性の向上、保存安定性向上などの目的のために、架橋剤や通常の高分子化合物に使用される結晶化核剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、無機微粒子などの添加剤を含有することができる。
第1の層の乾燥厚みは、0.5〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましく、2〜10μmが特に好ましい。
[多孔質基材を含む第2の層]
第2の層に含まれる多孔質基材の形態としては、織布、不織布、多孔質フィルム等が挙げられる。これらのなかでも、不織布および多孔質フィルムが好ましく、特に多孔質フィルムが好ましい。
多孔質基材の材質としては、プロトン伝導を遮断や妨害しないものであれば特に限定されないが、耐熱性や物理的強度の観点から、脂肪族系高分子、芳香族系高分子、含フッ素高分子が好ましく使用される。
脂肪族系高分子としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
芳香族系高分子としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルフィドスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンオキシド、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド等が挙げられる。
含フッ素高分子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)などが挙げられる。
上記の多孔質基材の材質のなかでも、含フッ素高分子が好ましく、さらに耐水性の観点から、PTFE、ポリヘキサプロピレン、FEP、PFAが好ましく、分子配向により高い機械強度を有することからPTFEがより好ましい。
本発明における多孔質基材としては、PTFEの多孔質フィルムが特に好ましい。PTFEの多孔質フィルムは、延伸することによって得られる。また、PTFEの延伸多孔質フィルムは、市販品、例えば、テトラテックス(ドナルドソン社の登録商標)、ゴアテックス(ジャパンゴアテックスの登録商標)を用いることができる。
多孔質基材の空隙率は、特に限定されないが、得られる複合化高分子電解質膜のプロトン伝導性と機械強度の両立の観点から、50〜98%が好ましく、60〜95%がより好ましく、70〜93%が特に好ましい。なお、多孔質基材の空隙率(Y1:体積%)は下記の数式によって求めた値と定義する。
Y1=(1−Db/Da)×100
Da:含フッ素高分子多孔質基材を構成する高分子の比重
Db:含フッ素高分子多孔質基材全体の比重。
多孔質基材の平均孔径は、0.01〜5μmが好ましく、0.02〜3μmがより好ましく、0.05〜1μmが特に好ましい。多孔質基材の平均孔径は、バブルポイント法(JIS K3832)で測定できる。
多孔質基材の厚みは、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、3〜20μmが特に好ましい。
多孔質基材は、その空孔に高分子電解質が充填されていることが好ましい。ここで、高分子電解質は、第1の層および/または第2の層に含まれる高分子電解質であることが好ましい。
多孔質基材に高分子電解質を充填させる方法は、特に限定されないが、基材フィルム上に塗布された第1の層が乾燥する前に多孔質基材を積層して含浸させる方法が好ましい。詳細は後述する。
多孔質基材の厚みは、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、3〜20μmが特に好ましい。多孔質基材を含む第2の層の厚みは、1〜100μmが好ましく、2〜50μmがより好ましく、3〜20μmが特に好ましい。
第2の層は、さらに、機械的強度の向上およびイオン性基の熱安定性向上、耐水性向上、耐溶剤性向上、耐ラジカル性向上、塗液の塗布性の向上、保存安定性向上などの目的のために、架橋剤や通常の高分子化合物に使用される結晶化核剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、無機微粒子などの添加剤を含有することができる。
[高分子電解質を含む第3の層]
第3の層に含まれる高分子電解質は、第1の層に含まれる高分子電解質として例示したポリマーと同様のものを用いることができる。第3の層の高分子電解質と第1の層の高分子電解質とは、同種であってもよいし、異種であってもよいが、同種であることが好ましい。
第3の層は、さらに、機械的強度の向上およびイオン性基の熱安定性向上、耐水性向上、耐溶剤性向上、耐ラジカル性向上、塗液の塗布性の向上、保存安定性向上などの目的のために、架橋剤や通常の高分子化合物に使用される結晶化核剤、可塑剤、安定剤、離型剤、酸化防止剤、ラジカル補足剤、無機微粒子などの添加剤を含有することができる。
第1の層の乾燥厚みは、0.5〜20μmが好ましく、1〜15μmがより好ましく、2〜10μmが特に好ましい。
[ロール状物]
本発明のロール状物は、前述の基本構成が巻き回されたものである。ロール状物を構成する長尺帯状の基材フィルムの幅方向長さは、100〜3000mmが適当であるが、生産性および品質安定性の観点から、200〜2500mmが好ましく、500〜2000mmがより好ましく、700〜1500mmが特に好ましい。
基材フィルムの帯状長さは、50〜3000mが適当であるが、生産性および品質安定性の観点から、100〜2500mが好ましく、200〜2000mmがより好ましく、300〜1500mmが特に好ましい。
基材フィルムの幅方向長さおよび帯状長さが、ロール状物の幅方向長さおよび巻き長さを決定する。
基材フィルム上に積層される第1の層、第2の層、および第3の層の幅方向長さは、基材フィルムの幅方向長さを基準にして、前述した本発明の第1の発明および第2の発明に基づいて適宜設定される。
本発明の複合化高分子電解質膜のロール状物は、必要に応じて、プロトン置換や不純物除去のための酸処理や水洗処理、複合化高分子電解質膜に前述した各種添加剤を導入するための処理(塗布)、あるいは触媒層の積層を実施することができる。これらの処理や積層は、ロール・ツー・ロール方式で行うことが好ましい。本発明のロール状物は、端部盛り上がりが抑制されているために、上記のような後加工が安定的に実施できる。
本発明のロール状物は、適当なサイズに切断されて、各種用途、例えば、固体高分子燃料電池、電気化学式水素ポンプ、水電解式水素発生装置などに電解質膜として適用することができる。
[ロール状物の製造方法]
本発明のロール状物の製造方法の一例を説明するが、本発明はこれに限定されない。図8は、本発明のロール状物をロール・ツー・ロール方式で連続的に製造する工程の概略模式図である。
ロールで供給された長尺帯状の基材フィルム100は、巻出機120に支持されながら巻き出され、第1の塗布装置121にて第1の層の塗布液101が塗布される。
第1の塗布装置としては、スリットダイコーター、グラビアコーター、バーコーター、ロールコーター、ドクターコーター、ナイフコート、ダイレクトロールコート、スプレーコーター、ディップコーター、カーテンコート、エクストルージョンコーター、スピンコーターなどを用いることができる。これらのなかでも、スリットダイコーターが好ましく、さらに基材フィルム100をバックアップローラー122で支持しながらスリットダイコーターで塗布することが好ましい。
多孔質基材102はロールで供給され、巻出機123で支持されながら巻き出され、基材フィルム100の第1の層の塗布液101が塗布された面に貼り合わされ、多孔質基材102に第1の層の塗布液の一部が含浸され、多孔質基材102の空孔内に充填されて第2の層が形成される。含浸されないで残った塗布液で第1の層が形成される。従って、第1の層の塗布時のウェット塗布量(ウェット厚み)は、多孔質基材に含浸される量と第1の層の最終設計膜厚とから適宜設定される。
基材フィルム100に第1の層の塗布液101が塗布されてから多孔質基材102が貼り合わされるまでの時間は、塗布液101のウェット状態が維持されていれば特に限定されないが、生産性向上や設備縮小の観点から、5分以内が好ましく、3分以内がより好ましく、2分以内が特に好ましい。下限は5秒程度である。
次に、多孔質基材102の第1の層とは反対面に、第3の層の塗布液103が第2の塗布装置124にて塗布される。第2の塗布装置は、第1の塗布装置と同様のものを用いることができるが、スリットダイコーターが好ましく、基材フィルム100をバックアップローラー125で支持しながらスリットダイコーターで塗布することが好ましい。
上記した第1の層が塗布された面に多孔質基材101が貼り合わされてから第3の層の塗布液103が塗布されるまでの時間、すなわち含浸時間は、多孔質基材101の空孔に高分子電解質を十分に充填するという観点から、10秒以上が好ましく、15秒以上がより好ましく、20秒以上が特に好ましい。また、生産性向上や設備縮小の観点から、上記含浸時間は、4分以内が好ましく、3分以内がより好ましく、2分以内が特に好ましい。
また、第3の層を塗布するまでに、すでに塗布された第1の層の塗布液(多孔質基材に含浸された塗布液を含む)を乾燥してもよいが、未乾燥の状態で第3の層の塗布液を塗布することが好ましいい。これによって、発電効率が向上する。
第3の層の塗布液の一部は多孔質基材102に含浸されてもよいし、含浸されなくてもよい。含浸される場合は、含浸されないで残った塗布液で第3の層が形成される。第3の層の塗布液の一部が多孔質基材に含浸されるかどうかは、第1の層に多孔質基材が貼り合わされてから第3の塗布層が塗布されるまでの時間(第1の層の塗布液の含浸時間)に影響される。また、第1の層の塗布液と第3の層の塗布液の濃度や浸透性の関係で、多孔質基材の表面近傍で第3の層の塗布液が置換浸透することがある。
第3の層が塗布された後、乾燥炉126にて乾燥され、巻取機127でロール状に巻き取られて、本発明のロール状物110が得られる。乾燥炉126の温度は、50〜150℃が好ましく、60〜130℃がより好ましく、70〜110℃が特に好ましい。
図9は、本発明のロール状物を製造する工程の他の実施態様の概略模式図である。第2の塗布装置124を、スリットダイコーターを用いたキス方式に変更した以外は、図8の工程と概略同一である。キス方式とは、塗布装置の基材フィルムを挟んだ対向位置にバックアップロールを配置しない方式である。
スリットダイコーターを用いたキス方式にて第3の層を塗布することによって、本発明の第2の発明、すなわち、「第3の層の幅方向厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域の平均厚み(Te)が中央部領域の平均厚み(Tc)より小さい」を実現することができる。このメカニズムは明確ではないが、両方の端部領域と中央部領域のギャップ量の違いによるためと推測される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
[評価方法]
(1)ロール状物の端部盛り上がり量の測定
端部盛り上がり部の最大直径を外周長さから求めた。同様にして、中央部の平均直径を等間隔で3か所測定して求めた。端部盛り上がり部の最大直径から中央部の平均直径を差し引いたものを端部盛り上がり量とした。
(2)第3の層の端部領域の平均厚み(Te)と中央部領域の平均厚み(Tc)の測定
基材フィルム上に第1の層、第2の層および第3の層が積層された複合化高分子電解質膜について、第3の層の両方の端部領域E(再端部から20mmまでの領域)においてそれぞれ最端部から5mm間隔で3点測定し平均したものを端部領域の平均厚み(Te)とし、同様に、中央部領域Cを等間隔で3点測定し平均したものを中央部領域の平均厚み(Tc)とした。厚みは、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察によって求めた。
[基材フィルム]
基材フィルムとして、厚み125μm、幅方向長さ1000mm、長尺長さ500mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ(株)製の“ルミラー(登録商標)T60)を用いた。
[高分子電解質]
高分子電解質として、イオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマー(ブロックコポリマーb1)を以下の要領で合成した。
<下記一般式(G1)で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン(K−DHBP)の合成)>
Figure 2021140942
攪拌器、温度計及び留出管を備えた500mLフラスコに、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン(DHBP)49.5g、エチレングリコール134g、オルトギ酸トリメチル96.9g及びp−トルエンスルホン酸一水和物0.50gを仕込み溶解する。その後78〜82℃で2時間保温攪拌した。更に、内温を120℃まで徐々に昇温、ギ酸メチル、メタノール、オルトギ酸トリメチルの留出が完全に止まるまで加熱した。この反応液を室温まで冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、有機層を5%炭酸カリウム水溶液100mLで洗浄し分液後、溶媒を留去した。残留物にジクロロメタン80mLを加え結晶を析出させ、濾過し、乾燥して2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン52.0gを得た。この結晶をGC分析したところ99.8%の2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソランと0.2%の4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンであった。
<下記一般式(G2)で表されるジソジウム−3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの合成>
Figure 2021140942
4,4’−ジフルオロベンゾフェノン109.1g(アルドリッチ試薬)を発煙硫酸(50%SO3)150mL(和光純薬試薬)中、100℃で10時間反応させた。その後、多量の水中に少しずつ投入し、NaOHで中和した後、食塩200gを加え合成物を沈殿させた。得られた沈殿を濾別し、エタノール水溶液で再結晶し、上記一般式(G2)で示されるジソジウム−3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノンを得た。純度は99.3%であった。構造は1H−NMRで確認した。不純物はキャピラリー電気泳動(有機物)およびイオンクロマトグラフィー(無機物)で定量分析を行った。
<下記一般式(G3)で表されるイオン性基を含有しないオリゴマーa1の合成>
Figure 2021140942
(式(G3)中、mは正の整数を表す。)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム16.59g(アルドリッチ試薬、120mmol)、K−DHBP 25.8g(100mmol)および4,4’−ジフルオロベンゾフェノン20.3g(アルドリッチ試薬、93mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中にて160℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のメタノールで再沈殿することで精製を行い、イオン性基を含有しないオリゴマーa1(末端OM基、なおOM基のMはNaまたはKを表し、これ以降の表記もこれに倣う。)を得た。数平均分子量は10000であった。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム1.1g(アルドリッチ試薬、8mmol)、イオン性基を含有しない前記オリゴマーa1(末端OM基)を20.0g(2mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中にて100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、デカフルオロビフェニル4.0g(アルドリッチ試薬、12mmol)を入れ、105℃で1時間反応を行った。多量のメタノールで再沈殿することで精製を行い、前記式(G3)で示されるイオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端フルオロ基)を得た。数平均分子量は11000であり、イオン性基を含有しないオリゴマーa1の数平均分子量は、リンカー部位(分子量630)を差し引いた値10400と求められた。
<下記一般式(G4)で表されるイオン性基を含有するオリゴマーa2の合成>
Figure 2021140942
(式(G4)において、Mは、NaまたはKを表す。)
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた1000mL三口フラスコに、炭酸カリウム27.6g(アルドリッチ試薬、200mmol)、K−DHBP 12.9g(50mmol)および4,4’−ビフェノール9.3g(アルドリッチ試薬、50mmol)、ジソジウム−3,3’−ジスルホネート−4,4’−ジフルオロベンゾフェノン39.3g(93mmol)、および18−クラウン−6エーテル17.9g(和光純薬、82mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)300mL、トルエン100mL中にて170℃で脱水後、昇温してトルエン除去、180℃で1時間重合を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、前記式(G4)で示されるイオン性基を含有するオリゴマーa2(末端OM基)を得た。数平均分子量は16000であった。
<ブロックコポリマーb1の合成>
イオン性基を含有するセグメントとしてオリゴマーa2、イオン性基を含有しないセグメントとしてオリゴマーa1、リンカー部位としてオクタフルオロビフェニレンを含有するポリケタールケトン(PKK)系ブロックコポリマーb1を以下の要領で合成した。
かき混ぜ機、窒素導入管、Dean−Starkトラップを備えた500mL三口フラスコに、炭酸カリウム0.56g(アルドリッチ試薬、4mmol)、イオン性基を含有するオリゴマーa2(末端OM基)16g(1mmol)を入れ、窒素置換後、N−メチルピロリドン(NMP)100mL、シクロヘキサン30mL中にて100℃で脱水後、昇温してシクロヘキサン除去し、イオン性基を含有しないオリゴマーa1’(末端フルオロ基)11g(1mmol)を入れ、105℃で24時間反応を行った。多量のイソプロピルアルコールで再沈殿することで精製を行い、ブロックコポリマーb1を得た。重量平均分子量は28万であった。
[第1の層の塗布液の調製]
上記で得たブロックコポリマーb1の22部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)80部に添加し、撹拌機で3分間撹拌し、ポリマー濃度22質量%の透明な塗布液を調整した。
[多孔質基材]
第2の層を構成する多孔質基材として、厚み6μm、長尺長さ500mの延伸多孔質PTFEフィルム(ドナルドソン社製“テトラテックス”(登録商標)AX−18、空隙率:85%)を用意した。
[第3の層の塗布液]
第1の層の塗布液と同様にして調製した。
[実施例1]
実施例1は、本発明の第1の発明の一実施態様の実施例である。本発明の複合化高分子電解質膜のロール状物を図8の製造工程に従って製造した。具体的には、基材フィルム上に第1の層の塗布液をウェット厚み40μmで塗布し、60秒後に多孔質基材を積層し、30秒間含浸させた後、第2の層をウェット厚み40μmで塗布し、30秒後に乾燥炉にて100℃で約10分間熱風乾燥して巻き取った。このロール状物の巻き長さは500mであった。各構成要素の幅方向長さは、以下の通りである。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:960mm
・第3の層の幅方向長さW3:940mm
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、0.2mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が良好であり、皺の発生もなかった。
[実施例2]
実施例2は、本発明の第1の発明の他の実施態様の実施例である。実施例1において、各構成要素の幅方向長さを以下のように変更する以外は、実施例1と同様にして製造した。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:980mm
・第3の層の幅方向長さW3:960mm
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、0.4mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が良好であり、皺の発生もなかった。
[実施例3]
実施例3は、本発明の第2の発明の一実施態様の実施例である。本発明の複合化高分子電解質膜のロール状物を図9の製造工程に従って製造した。具体的には、基材フィルム上に第1の層の塗布液をウェット厚み40μmで塗布し、60秒後に多孔質基材を積層し、30秒間含浸させた後、第2の層をウェット厚み40μmで塗布し、30秒後に乾燥炉にて100℃で約10分間熱風乾燥して巻き取った。このロール状物の巻き長さは500mであった。各構成要素の幅方向長さ、および第3の層の端部領域の平均厚み(Te)と中央部領域の平均厚み(Tc)は以下の通りである。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:960mm
・第3の層の幅方向長さW3:960mm
・第3の層の端部領域の平均厚み(Te):2μm
・第3の層の中央部領域の平均厚み(Tc):5μm
・(Te)/(Tc)×100=40%
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、0.4mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が良好であり、皺の発生もなかった。
[実施例4]
実施例4は、本発明の第2の発明の他の実施態様の実施例である。実施例3において、各構成要素の幅方向長さを以下のように変更する以外は、実施例3と同様にして製造した。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:980mm
・第3の層の幅方向長さW3:980mm
・第3の層の端部領域の平均厚み(Te):2μm
・第3の層の中央部領域の平均厚み(Tc):5μm
・(Te)/(Tc)×100=40%
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、0.8mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が良好であり、皺の発生もなかった。
[実施例5]
実施例5は、本発明の第1の発明と第2の発明を組み合わせた実施例である。本発明の複合化高分子電解質膜のロール状物を図9の製造工程に従って製造した。具体的には、基材フィルム上に第1の層の塗布液をウェット厚み40μmで塗布し、60秒後に多孔質基材を積層し、30秒間含浸させた後、第2の層をウェット厚み40μmで塗布し、30秒後に乾燥炉にて100℃で約10分間熱風乾燥して巻き取った。このロール状物の巻き長さは500mであった。各構成要素の幅方向長さ、および第3の層の端部領域の平均厚み(Te)と中央部領域の平均厚み(Tc)は以下の通りである。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:960mm
・第3の層の幅方向長さW3:940mm
・第3の層の端部領域の平均厚み(Te):2μm
・第3の層の中央部領域の平均厚み(Tc):5μm
・(Te)/(Tc)×100=40%
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、0.1mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が極めて良好であり、皺の発生もなかった。
[比較例1]
実施例1において、各構成要素の幅方向長さを以下のように変更する以外は、実施例1と同様にして製造した。
・基材フィルムの幅方向長さW0:1,000mm
・第1の層の幅方向長さW1:980mm
・第2の層(多孔質基材)の幅方向長さW2:980mm
・第3の層の幅方向長さW3:980mm
上記で製造したロール状物の端部盛り上がり量は、2.5mmであった。また、このロール状物は、目視観察による巻き姿が悪く、皺の発生も認められた。
2 ロール状物の一単位
10、20 基材フィルム
11、21 高分子電解質を含む第1の層
12、22 多孔質基材を含む第2の層
13、23 高分子電解質を含む第2の層
30 長尺帯状の基材フィルム
31 第1の電解質層
32 多孔質基材
33 第2の電解質層
100 基材フィルム
101 高分子電解質を含む第1の層の塗布液
102 多孔質基材
103 高分子電解質を含む第3の層の塗布液
110 複合化高分子電解質膜のロール状物
120 ロール状基材フィルムの巻出機
121 第1の塗布装置
122 第1の塗布装置のバックアップローラー
123 ロール状多孔質基材の巻出機
124 第2の塗布装置
125 第2の塗布装置のバックアップローラー
126 乾燥炉
127 複合化高分子電解質膜のロール状物の巻取機
W0 基材の幅方向長さ
W1 高分子電解質を含む第1の層の幅方向長さ
W2 基多孔質基材を含む第2の層の幅方向長さ
W3 基高分子電解質を含む第2の層の幅方向長さ
A 高分子電解質を含む第2の層の両端部の未塗布部
C 高分子電解質を含む第2の層の中央部領域
E 高分子電解質を含む第2の層の端部領域

Claims (6)

  1. 長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する複合化高分子電解質膜のロール状物であって、該第3の層の幅方向長さ(W3)が該第2の層の幅方向長さ(W2)より小さいことを特徴とする、複合化高分子電解質膜のロール状物。
  2. 長尺帯状の基材フィルム上に、高分子電解質を含む第1の層、多孔質基材を含む第2の層、高分子電解質を含む第3の層をこの順に有する複合化高分子電解質膜のロール状物であって、該第3の層の幅方向厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域の平均厚み(Te)が中央部領域の平均厚み(Tc)より小さいことを特徴とする、複合化高分子電解質膜のロール状物。
  3. 前記第3の層の幅方向厚みプロファイルにおいて、両方の端部領域の平均厚み(Te)が中央部領域の平均厚み(Tc)より小さいことを特徴とする、請求項1に記載の複合化高分子電解質膜のロール状物。
  4. 前記第1の層の幅方向長さ(W1)は、前記基材フィルムの幅方向長さ(W0)より小さく、かつ前記第2の層の幅方向長さ(W2)は前記第1の層の幅方向長さ(W1)より小さいことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の複合化高分子電解質膜のロール状物。
  5. 前記第1の層および前記第3の層に含まれる高分子電解質が、イオン性基を有する芳香族炭化水素系ポリマーである、請求項1〜4のいずれかに記載の複合化高分子電解質膜のロール状物。
  6. 前記多孔質基材がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の多孔質フィルムである、請求項1〜5のいずれかに記載の複合化高分子電解質膜のロール状物。
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