JP2021140894A - 誘導加熱溶着装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きなシート敷設現場において、作業者の負担が軽減される誘導加熱溶着装置の提供。【解決手段】シートSHを熱溶着層を有する固定部材FXに溶着する誘導加熱溶着装置は、固定部材FXを誘導加熱する加熱コイル6を有する複数の加熱コイルユニット2と、加熱コイル6に加熱電力を供給する電源ユニット11と、電源ユニット11からの電力を、加熱コイル6のそれぞれに時分割で供給する時分割制御部と、電源ユニット11と時分割制御部とを制御する制御ユニットとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、シートに覆われた固定部材を誘導加熱することで、このシートを固定部材に溶着する誘導加熱溶着装置に関する。固定部材は導電性材料から製作され、表面に熱溶着層を有する。
例えば、特許文献1には、溶着対象物に向き合う押圧面を有する加熱コイルユニットと、この加熱コイルユニットに収納されている加熱コイルにケーブルを介して電流を供給する給電制御装置とを備えた誘導加熱溶着装置が開示されている。この誘導加熱溶着装置を用いた防水シートの接着固定施工では、防水シートの固定部材の上となる部分に加熱コイルユニットの押圧面を接当させながら加熱コイルを励磁する。加熱コイルによる誘導加熱によって固定部材が加熱され、防水シートと固定部材とが溶着する。
特開2018−200847号公報
特許文献1に開示されたような誘導加熱溶着装置を用いたシートの溶着作業では、作業者は、固定部材の付近に給電制御装置を移動させ、シートの上から加熱コイルユニットを固定部材に位置合わせさせなければならない。1平方メートルのシート面積に数か所の固定部材が設けられるので、大きなビルの屋上にシートを敷設する場合、作業者の肉体的かつ精神的負担が大きい。炎天下や寒冷下での作業では、さらに、その負担は大きくなる。この負担を軽減するためには、多数の誘導加熱溶着装置と多人数の作業者が必要となる。しかしながら、複数の誘導加熱溶着装置が同時に稼働した場合、その消費電力は大きくなるが、屋上等の現場では、そのような電力を確保することは困難である。
このため、大きなシート敷設現場において、作業者の負担が軽減できる誘導加熱溶着装置が要望されている。
本発明による誘導加熱溶着装置は、シートに覆われた固定部材を誘導加熱することで、前記シートを前記固定部材に溶着する装置であり、前記固定部材を誘導加熱する加熱コイルを有する複数の加熱コイルユニットと、前記加熱コイルに加熱電力を供給する電源ユニットと、前記電源ユニットからの電力を、複数の前記加熱コイルユニットの前記加熱コイルのそれぞれに時分割で供給する時分割制御部と、前記電源ユニットと前記時分割制御部とを制御する制御ユニットとを備える。
この構成では、時分割給電が行われるので、消費電力の増加を伴わずに電源ユニットは複数の加熱コイルに加熱電力を供給できる。作業者は、各加熱コイルユニットの押圧面を固定部材の上になるようにシートに位置させて、各加熱コイルへの時分割給電を開始すれば、実質的に同時に、複数の固定部材を加熱することができる。その結果、複数箇所でのシートと固定部材との溶着が実現する。これは、十分な容量の電源を確保することが難しく、かつ大きな面積有する屋上などのシート敷設現場では、大きな利点となる。
加熱コイルによる加熱時間が短すぎても、あるいは長すぎても適切な溶着状態が得られない。このため、適切な溶着状態が得られるように、予め設定された強さの電流を予め設定された時間だけ加熱コイルに流すように、給電する必要がある。しかしながら、同じ加熱電力が加熱コイルに供給されても、固定部材やシートの状態、環境温度、シートに対する加熱コイルユニットの押圧状態などから、固定部材における温度は変動する。このような問題は、加熱コイルによって加熱された固定部材の温度状態を当該固定部材の周辺の温度から推定し、この推定温度に基づいて、適切な溶着状態が得られるように給電制御することで解決可能である。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記加熱コイルによって加熱された前記固定部材の周辺の温度を検出する温度センサが前記加熱コイルに対応して備えられ、前記制御ユニットは、前記温度センサによる検出結果に基づいて、前記加熱コイルそれぞれの加熱終了タイミングを決定する。
加熱コイルによって加熱された各固定部材の温度状態が異なる場合、加熱コイル毎に加熱電力の供給量を調整する必要がある。本発明では、加熱電力の供給は時分割制御されているので、加熱コイルに対する時分割パターンを変更することにより、各加熱コイルに対する加熱電力の供給量を調整することができる。このような調整は、例えば、一定の時間幅で順々に同じ回数だけ加熱コイルに加熱電力を供給する時分割パターンではなく、特定の加熱コイルへの加熱電力の供給回数を増減するような時分割パターンを採用することで、可能となる。したがって、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記加熱コイルによって加熱された前記固定部材の周辺の温度を検出する温度センサが前記加熱コイルに対応して備えられ、前記制御ユニットは、前記温度センサによる検出結果に基づいて前記時分割制御部における時分割パターンを変更することで、前記加熱コイルそれぞれの加熱時間を調整することができる。
もちろん、上述した2つの温度センサを用いた加熱電力の供給制御、つまり温度センサによる検出結果に基づく加熱終了タイミングの決定と、温度センサによる検出結果に基づく時分割パターンの変更との両方が、同時に行われてもよい。
北海道や沖縄のような地域による環境温度差、あるいは同じ地域でも冬場と夏場との環境温度差や午前と午後との環境温度差によって、適切な溶着を実現するために必要な加熱電力は基本的に異なる。そのような環境温度の違いによる加熱電力の調節は、全ての加熱コイルにとって共通となるので、電源ユニットにおける基本的な電力(時分割制御する前の電流強度や周波数)を変更することによって行われることが好ましい。このような基本的な電力の変更は、予め設定された加熱モードの、手動または自動による選択によって行われると、好都合である。このことから、本発明の好適な実施形態の1つでは、加熱モードを選択するモード選択スイッチが備えられており、前記制御ユニットは、前記モード選択スイッチの選択結果に基づいて、前記電源ユニットから前記加熱コイルに供給される基本的な電力を調節する。
電源ユニットは一箇所に置くだけであっても、複数の加熱コイルユニットを、それぞれに割り当てられた固定部材の上に個別に配置することは、作業者にとって煩わしい作業である。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、複数の前記加熱コイルユニットを連結し、前記加熱コイルユニットを個別に前記シートを挟んで前記固定部材の上に配置する保持装置が備えられている。固定部材は、一般には、等間隔で配置されているので、保持装置が、この固定部材の配置パターンに合うように複数の加熱コイルユニットを保持していれば、全ての加熱コイルユニットの配置を一挙に行うことができる。
保持装置が、規定の寸法で複数の加熱コイルユニットを固定している場合、固定部材の設置誤差に対処することはできない。この問題は、保持装置における各加熱コイルユニットの位置が調整可能であれば、解決される。したがって、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記保持装置は、前記加熱コイルを個別に収納する複数のハウジングを所定間隔で連結する連結フレームと、前記連結フレームと前記ハウジングとの位置関係を微調整する調整機構を備えている。この構成では、特定の固定部材の設置位置に誤差が生じていても、調整機構によって、加熱コイルユニットは適切に位置に調整される。
誘導加熱溶着装置と防水シートと固定部材との関係を示す斜視図である。 加熱コイルユニットの縦断面図である。 時分割加熱制御系の機能ブロック図である。 時分割加熱制御のタイムチャート図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材FXを誘導加熱することで、固定部材FXを覆っている防水シートSHなどのシートを固定部材FXに溶着させる誘導加熱溶着装置IHが示されている。図1では、屋上などにおけるコンクリート製の防水下地にアンカー等によって固定されている導電性の固定部材FXに防水シートSHを溶着する作業の様子が示されている。さらに、固定部材FXは、円形状の導電体であり、例えば、鋼板によって構成されている。固定部材FXの上面には、防水シートSHに対する熱溶着層として、例えばポリエステル樹脂等の熱可塑性合成樹脂からなる面状のホットメルト接着層が形成されている。
この誘導加熱溶着装置IHは、複数の(図1では4つであるがそれ以上でもそれ以下でもよい)加熱コイルユニット2と加熱溶着管理装置1とからなる。加熱溶着管理装置1は、複数の誘導加熱溶着装置IHに電力を供給するとともに、加熱コイルユニット2を用いた加熱溶着作業を管理する機能を備えている。複数の加熱コイルユニット2は、保持装置HDによって、固定部材FXの設置ピッチに一致するように等間隔で連結されており、保持装置HDを用いて、一度に複数の加熱コイルユニット2が移動される。加熱溶着管理装置1と各加熱コイルユニット2とは、動力線と制御線とを含む接続ケーブルCAで接続されている。加熱コイルユニット2は、固定部材FXを誘導加熱する加熱コイル6が収納されている。
加熱溶着管理装置1には、制御ユニット10、電源ユニット11、時分割制御部12、データロガーユニット13、環境温度センサ14、操作パネル15、表示パネル16、GNSSユニット17などが備えられている。制御ユニット10は、環境温度センサ14、操作パネル15、表示パネル16と接続しており、各種構成要素の制御や管理を行う。
電源ユニット11は、商用電源または自家発電装置を入力として、加熱コイル6に加熱電力(基本的な電力)を供給する。時分割制御部12は、電源ユニット11から送られてくる電力を時分割して、複数の加熱コイルユニット2の各加熱コイル6に順次供給する。
GNSSユニット17は、衛星測位システムを用いて加熱溶着場所の位置座標を算出する。これによって算出される位置座標はアンテナ(非図示)の位置であることから、アンテナだけは各加熱コイルユニット2に設けられている。もちろん、1つまたは2つの加熱コイルユニット2の位置から他の加熱コイルユニット2の位置は推定可能であるので、全ての加熱コイルユニット2にアンテナを設けなくてもよい。さらには、アンテナが加熱溶着管理装置1だけに設けられてもよい。
データロガーユニット13は、加熱溶着作業箇所の位置座標とともに、そこで行われた加熱溶着作業のデータ(環境温度、作業日時、加熱強度、加熱時間、加熱溶着の位置ずれ、加熱対象箇所の温度など)を記録する。環境温度センサ14は、加熱溶着管理装置1が置かれた周辺の温度を検出する。操作パネル15には、各種操作スイッチ群(スイッチだけでなくボタンやレバーなども含む)15a、さらには各種報知ランプ15bが配置されている。表示パネル16は、作業者に対する情報を視覚的に報知するための液晶ディスプレイである。
この実施形態では、固定部材FXは、多数の固定箇所に所定の配置ピッチで設けられている。保持装置HDは、長尺フレームである連結フレーム80を有している。各加熱コイルユニット2は、装着ブラケット81を介して、固定部材FXの配置ピッチに一致する所定間隔で、連結フレーム80に装着されている。作業者は、連結フレーム80を用いて加熱コイルユニット2を運び、防水シートSHを挟んで固定部材FXの上に全ての加熱コイルユニット2を置く。加熱コイルユニット2は、保持装置HDの重量により、防水シートSHを挟んで固定部材FXの上面を押え付ける。この状態で、加熱コイル6が励磁されることで、固定部材FXが加熱され、防水シートSHは固定部材FXに溶着される。
図2に示すように、加熱コイルユニット2は、加熱コイル6と、コイル駆動部61と、位置ずれ検出コイル63と、ハウジング20とを備えている。ハウジング20は、円筒状の胴体部21と、胴体部21の上端に接続している上端部22と、胴体部21の下端に接続している下端部23ととからなる。胴体部21の側壁には、接続ケーブルCAが接続されている。
加熱コイル6は、薄く平坦状に巻かれたコイルであり、下端部23の底凹部23aに収納されている。加熱コイル6の下方には、90度の円周角で分布した4つの位置ずれ検出コイル63が配置され、さらに、位置ずれ検出コイル63下面には、加熱コイルユニット2の押圧面として機能するシリコンゴム製の押圧パッド24が配置されている。
コイル駆動部61は、所定のタイミングで加熱コイル6に電流を流す。位置ずれ算出部62は、4つの位置ずれ検出コイル63からの検出信号を用いて、加熱コイルユニット2の中心と固定部材FXの中心とが一致しているかどうか、つまり加熱コイル6の固定部材FXに対するずれ具合を算出する。位置ずれ算出部62による判定結果(位置ずれ方向)は、接続ケーブルCAを介して、加熱溶着管理装置1の制御ユニット10に送られる。制御ユニット10は、受け取った判定結果を、表示パネル16に表示する。さらに、位置ずれ算出部62による判定結果は、加熱コイルユニット2に設けられた非図示の表示デバイスを通じて表示可能である。
図2に示されているように、ハウジング20の上端部22には、加熱コイルユニット2を連結フレーム80に取り付けるための装着ブラケット81が設けられている。この装着ブラケット81には、連結フレーム80とハウジング20との水平方向の位置関係を微調整する調整機構と、ハウジング20を下方に付勢する付勢機構とが組み込まれている。調整機構は、送りねじ機構などにより構成され、付勢機構は、バネ付きスライド機構などにより構成される。調整機構は、調整ねじなどを用いて、手動調整される。もちろん、調整機構は、位置ずれ算出部62によって算出される位置ずれ方向及び位置ずれ量に基づいてアクチュエータ等が駆動されることにより、自動調整される構成としてよい。
さらに、この加熱コイルユニット2には、防水シートSHの表面温度を検出する非接触式の温度センサ7(例えば、赤外線方式)と、この温度センサ7の検出信号に基づいて表面温度を算出する温度測定回路70とが備えられている。温度センサ7及び温度測定回路70は、加熱コイル6の励起による信号妨害をできるだけ受けないように、加熱コイル6からできるだけ離れた位置に配置する必要がある。このため、温度センサ7と防水シートSHとの間に形成される赤外線通過路は長くなる。この赤外線通過路を確保するため、ハウジング20の下端部23に第1貫通孔23bが設けられ、押圧パッド24に第2貫通孔23cが設けられている。さらに加熱コイル6は内側コイル部と外側コイル部とに分けられ、内側コイル部の最外周の巻き線と外側コイル部の最内周の巻き線との間隔が広げられていることにより、内側コイル部と外側コイル部との間に、隙間が形成されている。この構造により、温度センサ7の赤外線通過路が、第1貫通孔23b、加熱コイル6の隙間、第2貫通孔23cによって作り出される。温度測定回路70で測定された表面温度データは、接続ケーブルCAを介して、加熱溶着管理装置1の制御ユニット10に送られる。
図2に示されているように、ハウジング20の防水シートSHに対する下方案内具として機能する筒状のスカート体26が、ハウジング20の下端部23に嵌め込まれている。筒状のスカート体26は上下摺動可能であり、バネにより下方付勢されている。
図3には、複数の加熱コイル6を時分割で励磁するために用いられている制御系の機能ブロック図が示されている。各加熱コイル6は、コイル駆動部61を介して、電源ユニット11からの電力線に接続されている。コイル駆動部61はインバータ回路として機能し、スイッチング素子611と共振コンデンサ612とを備えている。スイッチング素子611はパワーMOSFETやIGBT等であり、ダイオード613が接続されている。
時分割制御部12は、各加熱コイル6にコイル駆動部61を介して供給する加熱電力を時系列で切り替える。時分割制御部12は、各加熱コイル6に割り当てられるゲートドライバ12aを有しており、各ゲートドライバ12aは各コイル駆動部61のスイッチング素子611にゲートパルス信号を送る。このゲートパルス信号は、制御ユニット10からの制御信号に基づいて生成される。
加熱コイル6に供給される加熱電力の元になる電力は、電源ユニット11から供給される。この電源ユニット11は、整流回路11aと電圧制御回路11bとを有する。商用電源から電源ユニット11に供給された電力は、整流回路11aで整流され、電圧制御回路11bで電圧制御される。電圧制御回路11bによる出力電圧は、制御ユニット10によって制御可能である。
図4に、3つの加熱コイルユニット2(図4ではコイルA、コイルB、コイルCと記されている)を用いた誘導加熱溶着における時分割タイムチャートの一例が示されている。この実施形態では、電源ユニット11からの基本的な電力(時分割制御する前の電流強度や周波数)として、電流強度または周波数、あるいはその両方が異なる2つの加熱モード、つまりモードA出力電力とモードB出力電力とが用意されている。これらの加熱モードの選択は、手動操作されるモード選択スイッチ(操作スイッチ群15aに含まれている)によって行われる。図4に示されているモードA出力電力は、モード選択スイッチによって加熱モードAが選択された際に、電源ユニット11から出力される出力電力を示している。モードB出力電力は、モード選択スイッチによって加熱モードBが選択された際に、電源ユニット11から出力される出力電力を示している。つまり、モード選択スイッチによる選択結果に基づいて、電圧や周波数が異なる出力電力が電源ユニット11から出力される。
なお、加熱モードの選択は、操作パネル15を通じて入力された、防水シートSHの厚さや環境温度センサ14によって検出された環境温度、GNSSユニット17によって算出される位置情報と日時情報とに基づく温度情報(地域や季節によって特定される温度情報)などに基づいて、自動的に行うことも可能である。
図4における時分割パターンAと時分割パターンBは、制御ユニット10によって自動的に、または時分割パターン選択スイッチ(操作スイッチ群15aに含まれている)によって選択される時分割パターンの例を示している。時分割パターンAと時分割パターンBとでは、ゲートパルスの幅(図4ではW1とW2とで示されている時間幅)が異なっている。ここでは、時分割パターンAと時分割パターンBのいずれにおいても、コイルA、コイルB、コイルCに与えられているゲートパルスは共通となっているので、同じ時分割パターンであれば、コイルA、コイルB、コイルCはそれぞれ、同じ時間幅で励磁される。もちろん、加熱コイル6毎に、そのゲートパルスの幅が異なる時分割パターンを選択することも可能である。図4で示された時分割パターンでは、コイルA、コイルB、コイルCには、A−B−C−A−B−C・・・というように、順番に等しくゲートパルスが与えられている。これに代えて、異なる順列組み合わせ、例えば、A−B−A−C−A−B−A−C・・・といった不均等な順序で各コイルにゲートパルスが与えられる構成を採用してもよい。
時分割制御部12における時分割パターンの変更、つまり各加熱コイル6の加熱時間の調整は、温度センサ7による検出結果に基づいて、行うことができる。
図4の例で示すように、ゲートパルスが、各加熱コイル6のスイッチング素子611に重複せずに与えられると、電源ユニット11から出力される出力電力は、加熱コイル6の数が増加しても一定である。複数の加熱コイルユニット2を組み込んだ保持装置HDを用いて、誘導加熱溶着作業を行っても、時間当たりの電力使用量は限定的であり、電源確保が制限的である屋上のような現場でも、安心して用いられる。
この実施形態では、各加熱コイル6への加熱電力の供給は、温度測定回路70で測定された防水シートSHの表面温度データ、つまり温度センサ7の測定結果に基づいて、停止される。つまり、加熱コイル6の加熱終了タイミングは、温度測定回路70から送られてきた表面温度データに基づいて、制御ユニット10が決定する。例えば、表面温度が所定値に達してから所定時間の経過後に加熱コイル6への加熱電力の供給が停止されるような制御が可能である。
温度測定回路70で測定される表面温度データは、時分割制御部12における時分割パターンの変更にも利用可能である。例えば、特定の加熱コイル6による加熱が不十分であることが表面温度データに基づいて判定されると、当該加熱コイル6のスイッチング素子611に与えられるゲートパルスの幅を拡げるか、あるいはゲートパルスの繰り返し回数を他より多くするような時分割パターンが生成される。
誘導加熱溶着作業が終了すると、各加熱コイル6の励磁時間、温度測定回路70の測定結果データ、環境温度センサ14の測定値、GNSSユニット17からの測位データなどからなる作業データがデータロガーユニット13に送られる。データロガーユニット13は、受け取った作業データを所定のフォーマットで、誘導加熱溶着ポイント毎にメモリに記録する。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、固定部材FXに溶着されるシートは防水シートSHであったが、その他のシートであってもよい。
(2)上述した実施形態では、複数の加熱コイルユニット2が保持装置HDに組み込まれて保持され、全ての加熱コイルユニット2が同時に次の誘導加熱溶着ポイントに運ばれる。これに代えて、各加熱コイルユニット2は、接続ケーブルCAにだけ接続されており、個別に次の誘導加熱溶着ポイントに運ばれる構成であってもよい。
(3)上述した実施形態では、図3で示された機能ブロックのうち、制御ユニット10、電源ユニット11、時分割制御部12は、加熱溶着管理装置1に収納され、コイル駆動部61は、加熱コイルユニット2に収納されていたが、これらの機能ブロックは、任意に組み合わされて、収納可能である。
(4)上述したように、連結フレーム80とハウジング20との水平方向の位置関係を微調整する調整機構は、位置ずれ算出部62によって算出される位置ずれ方向及び位置ずれ量に基づいて、手動または自動で操作される。しかしながら、位置ずれ方向及び位置ずれ量を目視で判定し、その判定結果から、調整機構を手動で操作してもよい。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、溶着対象物を誘導加熱することにより、溶着対象物を溶着させる誘導加熱溶着装置に適用可能である。
1 :加熱溶着管理装置
2 :加熱コイルユニット
6 :加熱コイル
7 :温度センサ
10 :制御ユニット
11 :電源ユニット
11a :整流回路
11b :電圧制御回路
12 :時分割制御部
12a :ゲートドライバ
15a :操作スイッチ群(モード選択スイッチ)
61 :コイル駆動部
70 :温度測定回路
80 :連結フレーム
81 :装着ブラケット
611 :スイッチング素子
612 :共振コンデンサ
613 :コンデンサ
CA :接続ケーブル
FX :固定部材
HD :保持装置
IH :誘導加熱溶着装置

Claims (6)

  1. シートに覆われた固定部材を誘導加熱することで、前記シートを前記固定部材に溶着する誘導加熱溶着装置であって、
    複数の前記固定部材を誘導加熱する加熱コイルを有する複数の加熱コイルユニットと、
    前記加熱コイルに加熱電力を供給する電源ユニットと、
    前記電源ユニットからの電力を、複数の前記加熱コイルユニットの前記加熱コイルのそれぞれに時分割で供給する時分割制御部と、
    前記電源ユニットと前記時分割制御部とを制御する制御ユニットと、
    を備える誘導加熱溶着装置。
  2. 前記加熱コイルによって加熱された前記固定部材の周辺の温度を検出する温度センサが前記加熱コイルに対応して備えられ、前記制御ユニットは、前記温度センサによる検出結果に基づいて、前記加熱コイルそれぞれの加熱終了タイミングを決定する請求項1に記載の誘導加熱溶着装置。
  3. 前記加熱コイルによって加熱された前記固定部材の周辺の温度を検出する温度センサが前記加熱コイルに対応して備えられ、前記制御ユニットは、前記温度センサによる検出結果に基づいて、前記時分割制御部における時分割パターンを変更することで、前記加熱コイルそれぞれの加熱時間を調整する請求項1または2に記載の誘導加熱溶着装置。
  4. 加熱モードを選択するモード選択スイッチが備えられており、前記制御ユニットは、前記モード選択スイッチの選択結果に基づいて、前記電源ユニットから前記加熱コイルに供給される電力を調節する請求項1から3のいずれか一項に記載の誘導加熱溶着装置。
  5. 複数の前記加熱コイルユニットを連結し、前記加熱コイルユニットを個別に前記シートを挟んで前記固定部材の上に配置する保持装置が備えられている請求項1から4のいずれか一項に記載の誘導加熱溶着装置。
  6. 前記保持装置は、前記加熱コイルを個別に収納する複数のハウジングを所定間隔で連結する連結フレームと、前記連結フレームと前記ハウジングとの位置関係を微調整する調整機構を備えている請求項5に記載の誘導加熱溶着装置。

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