JP2021139826A - 容器の測定システム及び測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、複数の金型を組み込む作業に起因して、容器の開口部に相当する箇所は複数の金型を組み込む際に境界部が形成されるため、金型が摩耗し或いは欠損してしまう場合がある。その様な金型の摩耗、欠損が生じると、摩耗箇所或いは欠損箇所に材料が流入し、その結果、容器の開口部に微小な突起(微小な突起はその発生箇所に応じて、「縦バリ」と「横バリ」に区別される)、凸部(所謂、金型の欠け(欠損)による「盛り上がり」)が形成されてしまう。
飲料製造ラインでは、係る不都合を防止するためにチェック工程を設け、シール不良の場合には「不合格品」として製造ラインから除去される様になっている。
ここで、微小な突起や凸部は、上述した通り、金型の摩耗、欠損に起因するので、一度形成されると、それ以降、全ての容器で微小な突起や凸部は形成されるため、シール不良による「不合格品」が発生し続けてしまう。係る不都合を防止するため、容器成形の段階で、微小な突起や凸部の有無をチェックしなければならない。
しかし、容器成形の段階で、微小な突起や凸部の有無を正確に且つ多大な労力を費やすことなくチェックすることが出来る技術は、未だに提案はされていない。
しかし、係る従来技術は、上述した微小な突起や凸部を検出することは意図してはいない。
前記コントロールユニット(60)は、レーザー変位計(50)の出力波形の所定領域から金型(20、25、30)の摩耗及び/又は欠損(欠け)に起因して容器開口部のフランジ部(10f)に形成される微小な突起や凸部を検出する機能を有していることを特徴としている。
前記所定領域から金型の摩耗及び/又は欠損(欠け)に起因して容器開口部のフランジ部(10f)に形成される微小な突起や凸部を検出する工程(S4〜S6、S9、S13〜S16、S19、S24〜S26、S29)を有していることを特徴としている。
フランジ部(10f)にアールが付いている(湾曲している)場合には、前記コントロールユニット(60)は、
出力波形における所定の領域(エリアA:「縦バリ」12が発生しうる領域)及び当該領域と隣接する領域(エリアB)を決定する機能と、
前記エリアAの最大値(Amax)を決定する機能と、
前記エリアBの最小値(Bmin)を決定する機能と、
前記最大値(Amax)と前記最小値(Bmin)の差異を決定する機能と、
当該差異から「縦バリ」12の有無を決定する機能を有しているのが好ましい。
フランジ部(10f)にアールが付いている(湾曲している)場合には、
出力波形における所定の領域(エリアA:「縦バリ」12が発生しうる領域)及び当該領域と隣接する領域(エリアB)を決定する工程(S2)と、
前記エリアAの最大値(Amax)を決定する工程(S4)と、
前記エリアBの最小値(Bmin)を決定する工程(S4)と、
前記最大値(Amax)と前記最小値(Bmin)の差異を決定する工程(S5)と、
当該差異から「縦バリ」(12)の有無を決定する工程(S5、S6、S9)を有しているのが好ましい。
フランジ部(10f)が平坦な(フラットな)場合には、前記コントロールユニット(60A)は、
出力波形における所定の領域(エリアA:「縦バリ」12が発生しうる領域)及び当該領域とは別の領域(エリアB)を決定する機能と、
前記エリアAの最大値(Amax)を決定する機能と、
前記エリアBの形状の近似線(BLn)を決定する機能と、
前記最大値(Amax)と前記近似線(BLn)の差異を決定する機能と、
当該差異から前記「縦バリ」(12)の有無を決定する機能を有しているのが好ましい。
フランジ部(10f)が平坦な(フラットな)場合には、
出力波形における所定の領域(エリアA:「縦バリ」12が発生しうる領域)及び当該領域とは別の領域(エリアB)を決定する工程(S12)と、
前記エリアAの最大値を決定する工程(S14)と、
前記エリアBの形状の近似線(BLn)を決定する工程(S14)と、
前記最大値と前記近似線(BLn)の差異を決定する工程(S15)と、
当該差異から前記「縦バリ」(12)の有無を決定する工程(S16、S19)を有しているのが好ましい。
出力波形における盛り上がった領域(「盛り上がり」16が発生しうる領域)を決定する機能と、
前記盛り上がった領域における近似円REを決定する機能と、
当該近似円(RE)の曲率半径(re)を前記盛り上がった領域(盛り上がり16)がない場合の近似円(RC)の曲率半径(rc):所謂「しきい値」と比較する機能と、
前記近似円の曲率半径の比較結果から、前記盛り上がった領域(盛り上がり16)の有無を決定する機能を有しているのが好ましい。
出力波形における盛り上がった領域(「盛り上がり」16が発生しうる領域)を決定する工程(S22)と、
前記盛り上がった領域における近似円(RE)を決定する工程(S24)と、
当該近似円(RE)の曲率半径(re)を前記盛り上がった領域(盛り上がり16)がない場合の近似円(RC)の曲率半径(rc:所謂「しきい値」)と比較する工程(S25)と、
前記比較する工程(S24)の結果から、前記盛り上がった領域(盛り上がり16)の有無を決定する工程(S26、S29)を有しているのが好ましい。
容器成形の中間体(パリソン)の側面(図19における「パリソンの垂直フラット面」10fo)の位置(X軸座標)を決定する機能と、
半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置(はみ出した樹脂の最右端のX軸座標:図20の符号10fvのX軸座標:「樹脂ハミ出し位置」X軸座標)を決定する機能と、
前記容器成形の中間体(パリソン)の側面(図19における「パリソンの垂直フラット面」10fo)の位置(X軸座標)と、前記半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置(はみ出した樹脂の最右端:図20の符号10fv:「樹脂ハミ出し位置」)の位置(X軸座標)の差異を決定する機能と、
前記差異から金型間の隙間を経由して半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成型材料(所謂「横バリ」:14)の大きさを決定する機能、或いは、前記差異から前記微小な突起の有無を決定する機能を有しているのが好ましい。
容器成形の中間体(パリソン)の側面(図19における「パリソンの垂直フラット面」10fo)の位置(X軸座標)を決定する工程(S32)と、
半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置(はみ出した樹脂の最右端のX軸座標:図20の符号10fvのX軸座標:「樹脂ハミ出し位置」X軸座標)を決定する工程(S33)と、
前記容器成形の中間体(パリソン)の側面(図19における「パリソンの垂直フラット面」10fo)の位置(X軸座標)と、前記半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置(はみ出した樹脂の最右端:図20の符号10fv:「樹脂ハミ出し位置」)の位置(X軸座標)の差異を決定する工程(S34)と、
前記差異から金型間の隙間を経由して半径方向外方(図1では矢印X方向の端部側)に漏出した状態で固化した容器成型材料(所謂「横バリ」:14)の大きさを決定する工程(S35、S38)、或いは、前記差異から前記微小な突起の有無を決定する工程(S35、S38)を有しているのが好ましい。
なお、「縦バリ」(12)、「横バリ」(14)については、形成されたか否かだけでなく、それぞれの大きさも計測することができる。
そして容器10の開口部において、「縦バリ」(12)、「盛り上がり」(16)、「横バリ」(14)の何れかが形成された場合には、容器成形で用いられる金型(20、25、30)が摩耗或いは欠損しているので、容器成形を中止して、摩耗或いは欠損した金型を交換することにより、最終製品のシール不良による内容物の漏洩を事前に防止することが出来る。
しかし、「縦バリ」(12)を含む領域であるエリアAに隣接するエリアBにおけるZ軸座標の最小値(Bmin)と、エリアAのZ軸座標の最大値(Amax)(「縦バリ」12がある場合には、「縦バリ」12の頂点)とを比較すれば、「縦バリ」(12)が形成された場合には、全ての容器において明確に差異が現れる。これにより、「縦バリ」(12)が形成されたか否かを正確に判定することが出来る。ここで、「縦バリ」(12)が形成されていなければ、エリアBにおけるZ軸座標の最小値(Bmin)とエリアAのZ軸座標の最大値(Amax)は、概略、同一の数値となる。
また、容器(10)のフランジ部(10f)が平坦な場合には、エリアBにおける(フランジの計測結果の)形状と適合する近似線を演算して、演算された近似線と、エリアAの最大値(「縦バリ」12の頂点のZ軸座標)と比較することにより、「縦バリ」(12)が形成されたか否かを正確に判定することが出来る。
なお、容器(10)のフランジ部(10f)が平坦な場合には、エリアBはエリアAに隣接しなくても「縦バリ」(12)が形成されたか否かを判定することが出来る。
ここで、当該「盛り上がり」(16)が生じる箇所における近似円の曲率半径を演算すれば、金型(コア座25)が欠損しておらず前記「盛り上がり」(16)が形成されていない場合には、近似円を決定するべき領域は、単一種類の円弧で近似され、その曲率半径がフランジ部(10f)全周に亘って同様の数値となる。
一方、金型(コア座25)が欠損して前記「盛り上がり」(16)が形成されている場合には、前記「盛り上がり」(16)を包含する場合は、「盛り上がり」(16)が形成されていない場合と比較すると、曲率半径が大きく異なる。そのため、「盛り上がり」(16)を包含する場合の近似円(RE)の曲率半径(re)と「盛り上がり」(16)が形成されていない場合における近似円(RC)の曲率半径(rc)を比較すれば、「盛り上がり」(16)の有無を正確に判断することが出来る。
なお、「盛り上がり」(16)が形成されていない場合における近似円(RC)の曲率半径(rc)については、事前に所定値(しきい値)として、入力している必要がある。
そして、前記パリソンの側面の水平方向位置(X軸座標)と、はみ出した樹脂の最右端(図20の符号10fv:「樹脂ハミ出し位置」)の水平方向位置(X軸座標)とを比較すれば、「横バリ」14の大きさが求まるので、「横バリ」形成の有無が正確に判断することが出来る。
図示の実施形態では、ポリスチレン製の飲料容器(PS容器、以下、「容器」と記載する)を例示して説明している。
最初に、図1を参照して、容器10の開口部における微小な突起(所謂「縦バリ」や「横バリ」)や凸部(所謂、型の欠け(欠損)による「盛り上がり」)について説明する。なお、本明細書では、型の欠け(欠損)による「盛り上がり」を、単に「盛り上がり」と記載する場合がある。
また図1で示す様に、容器10のフランジ部10fに垂直方向上方に延在する凸部(所謂、「盛り上がり」)が形成されることがある。係る「盛り上がり」は後述する様に、容器成形用の金型(コア座:図3参照)25が欠損する(欠ける)ことにより形成される。型の欠損による「盛り上がり」には、符号16が付されている。
図1における符号10oはフランジ部10fの最外縁を示す。
図2において、図示の実施形態に係る測定システムは符号100で示されており、レーザー変位計50と、制御装置であるコントロールユニット60と、ディスプレイ70と、警報装置80を備えている。ディスプレイ70は、測定に関わる総ての計測結果や、計測後の諸々の解析結果を表示する。警報装置80は、測定した容器10について、「縦バリ」12、「盛り上がり」16、「横バリ」14の何れかを検知した際に警報を発する。
ここで、レーザー変位計としては、市販の製品(例えば株式会社キーエンス製の商品名「LJ−V7020」)を用いることができる。
第1実施形態では、容器10のフランジ部10fにおける「縦バリ」12の有無を検出する。
第1実施形態において、測定される容器10は、フランジ部10fが湾曲している(フランジ部10fにはアールが付いている)。
図3において、容器10を形成するに際しては、射出成形により中間体であるパリソン(或いは、プリフォーム)10Pを成形し、パリソン10Pを吹込み成形して最終的な容器10が成形される。
図3で示す様に、射出成形でパリソン10Pを成形する際には、4種類の金型を組み合わせて成形する。本明細書においては、係る4種類の金型を、それぞれ、キャビティ20、コア座25、コアリング30、コアピン40と表記する。そして容器10のフランジ部10f(図4)は、図3、図4で示す様に、キャビティ20、コア座25、コアリング30で挟まれた領域である。
コアリング30とコア座25の境界が摩耗すると、図4で示す様に隙間が形成されてしまい、当該隙間に樹脂が入り込んで、垂直方向上方(図3、図4の上方)に延在するバリが形成されてしまう。これにより、「縦バリ」12が生じる。
ここで、図示の実施形態で用いられる容器10が飲料容器である場合には、内容物である飲料を充填した後、キャップで密閉される。上述した「縦バリ」12が形成されてしまうと、「縦バリ」12がキャップを貫通して、キャップにピンホールが形成されてしまう。そして、ピンホールが形成されてしまうと、内容物である飲料が漏れ出してしまう恐れがある。
上述した通り、金型「コア座」25と金型「コアリング」30の摩耗により、「縦バリ」12が形成される。一度「縦バリ」12が形成されてしまうと、それ以降、大部分の商品におけるキャップにピンホールが生じることになり、大部分の商品が「不合格品」となってしまう。係る不都合を防止するため、容器成形の段階で、「縦バリ」12の有無をチェックしなければならない。
なお図4において、符号10oは、パリソン10Pにおけるフランジ部10fの最外縁を示し、符号10frは、フランジ面10fにおける上に凸のアール形状を示す。図4の符号10rtについては後述する。
図2で示すレーザー変位計50により容器10のフランジ部10fを計測した結果、すなわちレーザー変位計50の出力波形が、図5で示されている。図5の出力波形は、例えばディスプレイ70に表示される。
図5、図6、図7で示すレーザー変位計50の計測結果(出力波形)は、容器10のフランジ部10fの全周に対して、例えば0.36°毎に1000点測定し、その内の円周上の1箇所(1点)における測定結果を表示したものである。
図5、図6、図7に示されている符号は図1と共通しており、符号10iは容器10の内壁を示し、符号10fは容器のフランジ部を示し、符号10oは容器10のフランジ部10fの最外縁を示している。
ここで、コア座25とコアリング30の相対位置は変化せず、「縦バリ」12が生じる位置は、コア座25とコアリング30の境界部であり、事前にX軸方向の位置を把握することが出来る。
したがって、フランジ部10fの設計値から「縦バリ」12が生じる位置(矢印X方向位置:コア座25とコアリング30の境界位置)を包含する領域をエリアA(領域EA)として設定し、エリアA(符号EA)に隣接する領域であって容器外周側(図5、図6、図7では右側)をエリアB(符号EB)として設定できる。
なお、フランジ部10fが大きく変形し、例えば容器外周側に向かって高さが低くなる場合や、フランジ部10fから内壁10iに向かってかけている場合などは、容器成形異常として、本装置での測定対象外となる。
「縦バリ」12が生じていない場合には、エリアA(領域EA)における最大値Amax(「縦バリ」の頂点におけるZ軸座標)と、エリアBにおける最小値Bmin(Z軸座標)は、同一位置になる可能性が高い(図6の状態)。
上述した様に、容器10のフランジ部10fはアールが付いている(湾曲している)。そのため、フランジ部10fにおける「縦バリ」12が無い部分のZ軸座標が一定ではなく、フランジ部10fにおける任意の一点のZ軸座標と、エリアA(領域EA:「縦バリ」を含む領域)のZ軸座標の最大値(Amax:「縦バリ」12がある場合は「縦バリ」12の頂点)とを比較しても、「縦バリ」12の存在の有無は正確に判定することが出来ない。
一方、「縦バリ」12が形成されていなければ、エリアB(領域EB)におけるZ軸座標の最小値BminとエリアA(領域EA)のZ軸座標の最大値Amaxは、概略、同一の数値となる。
そのため、エリアB(領域EB)の最小値Bminを基準点として設定している。
垂直フラット面(図4の符号10o:容器の最外縁)と「縦バリ」12のX軸方向位置との相対的な差は一定である。そのため、「X軸方向の位置補正」の際に、垂直フラット面10oを基準としている。容器10の内壁10iのX軸方向の位置は吹込み成形により変動するので、「X軸方向の位置補正」の基準としては用いることが出来ない。
Z軸方向の位置補正は、パリソン10Pのアール(図4の符号10r:キャビティ20とコア座25の間の部分の樹脂の頂部の湾曲)の頂点10rtを基準としている。第2実施形態で後述する様に、パリソン10Pにアールがなく平坦に形成されている場合には、Z軸方向の位置補正は、容器のフランジ部の頂面において基準点を適宜設定することができる。
図2で述べた通り、第1実施形態の測定システム100は、レーザー変位計50、コントロールユニット60、ディスプレイ70、警報装置80を備えている。そしてレーザー変位計50は出力ブロック51を内蔵している。
コントロールユニット60は、Z軸補正ブロック61、X軸補正ブロック62、エリアA決定ブロック63A、エリアB決定ブロック63B、エリアAの最大値Amax決定ブロック64A、エリアBの最小値Bmin決定ブロック64B、「Amax−Bmin」演算ブロック65、判定ブロック66を備えている。
X軸補正ブロック62は、ラインL23Aを介してエリアA決定ブロック63Aと接続され、ラインL23Bを介してエリアB決定ブロック63Bと接続されている。
エリアA決定ブロック63Aは、ラインL34Aを介してエリアA最大値Amax決定ブロック64Aと接続されており、エリアA最大値Amax決定ブロック64Aは、ラインL4A5を介して「Amax−Bmin」演算ブロック65と接続されている。
そして、「Amax−Bmin」演算ブロック65は、ラインL56を介して判定ブロック66と接続されている。また、判定ブロック66は、ラインL67を介してディスプレイ70と接続され、ラインL68を介して警報装置80と接続されている。
なお、レーザー変位計50におけるレーザー照射範囲は、フランジ部10fをすべてカバーする仕様とする(例えば、本システムを構築するレーザー変位計においては、7mmである)。
図8では明示されていないが、レーザー変位計50のレーザー照射部は出力ブロック51と接続され、計測結果が出力ブロック51からラインL65を経由してZ軸補正ブロック61に伝送され、Z軸補正ブロック61からラインL12を経由してX軸補正ブロック62に伝送される。
図7も参照して述べた通り、「縦バリ」12の発生領域(範囲)は、容器10の開口部の内壁10iとフランジ部10fの境界近傍となる。この領域がエリアA(領域EA)であり、エリアA(領域EA)の半径方向外方(図7の右側)に隣接する領域がエリアB(領域EB)となる。
エリアA決定ブロック63Aは、図5〜図7で示す出力波形に基づいてエリアA(領域EA)を決定する機能を有し、エリアB決定ブロック63Bは図5〜図7で示す出力波形に基づいてエリアB(領域EB)を決定する機能を有している。
決定した最大値Amax及び最小値Bminは、「Amax−Bmin」演算ブロック65に伝送され、「Amax−Bmin」演算ブロック65は「Amax−Bmin」を演算する機能を有している。
図示の例では、容器のフランジ部の全周に亘って、例えば0.36°毎に1000点の計測ポイントでレーザー光線を照射し、1つの計測ポイントごとに出力波形を解析して、「縦バリ」12の有無を判定している。
また、前記所定値(しきい値)については、容器の各種寸法、キャップの材質、厚さ、その他の条件により、ケース・バイ・ケースに決定される。
一方、「縦バリ」12が形成されておらず、合格品と判定されれば、警報装置80が警報を発することはない。また、その情報はディスプレイ70に伝送される。
図9において、ステップS1では、容器10をターンテーブル(図示せず)に載置して、レーザー変位計50に対して所定の相対位置となる様にセットする。ステップS2に進み、図5〜図7で示す様なレーザー変位計50の出力波形を求め(特定し)、Z軸補正ブロック61により高さ方向の位置補正をすると共に、X軸補正ブロック62によって横方向位置の補正を行った後、その出力波形に基づいて、制御装置60のエリアA決定ブロック63AにおいてエリアA(領域EA)を決定し、エリアB決定ブロック63BにおいてエリアB(領域EB)を決定する。
次のステップS4では、エリアA(領域EA)の最大値Amax及びエリアBの最小値Bminを決定する。そしてステップ5に進み、コントロールユニット60の「Amax−Bmin」演算ブロック65により、Amax−Bminの値を演算し、その結果を判定ブロック66に伝送する。
一方、「Amax−Bmin」の値がしきい値以上であれば(ステップS5がNO)ステップS9に進み、判定ブロック66は「縦バリ」12が形成されており、不合格品であると判定し、警報装置80に不合格品発生の情報を伝送する。そしてステップS10において、警報装置80は「縦バリ」12が形成された旨の警報を発生する。当該警報により、作業者は容器成形を中止し、金型交換等の必要な処理を行う。
測定を続行するのであれば(ステップS7がNO)、ステップS8に進み、次に測定するべき容器10について測定を移行するべく、ステップS1に戻る。
図3〜図9の第1実施形態では、容器10のフランジ部10fにはアールが形成されている(上方に向かって湾曲している)。それに対して、図10(10−1)で示す様に、容器10のフランジ部10fが平坦な場合も存在する。
そして図10(10−2)で示す様に、平坦なフランジ部10fに「縦バリ」12が形成されてしまう場合も存在する。第1実施形態に関連して上述したのと同様に、「縦バリ」12が形成されるとキャップにシール不良が形成され、飲料が漏れ出してしまう恐れがある。そして、一度「縦バリ」が形成されると、それ以降、大部分の商品が「不合格品」となってしまう。
そのため、図10〜図12の第2実施形態では、フランジ部10fが平坦な場合において、「縦バリ」12の有無を検出する。
ここで、エリアEBはフラットな頂面全域において、エリアEA以外の領域を適宜設定することが出来る。そしてエリアEBの形状と適合する近似線BLnを演算するに際しては、市販のレーザー変位計に内蔵されているソフトウェア(例えば、株式会社キーエンス製の商品名「LJ−V7000」に内蔵されているソフトウェア)を用いることができる。
図11において、図8のコントロールユニット100における「Bmin決定ブロック」64Bは存在せず、「近似線BLn決定ブロック」67が組み込まれている。そして、図8のコントロールユニット100における「Amax−Bmin演算ブロック」65は存在せず、「Amax−BLn演算ブロック」68が組み込まれている。
そして、「Amax−BLn」演算ブロック68は、エリアEAにおける高さの最高値Amaxから近似線BLnによって求まるエリアEBの近似線のZ軸座標を減算する機能を有している。
「判定ブロック」66では、「Amax−BLn」演算ブロック68で上記「Amax−BLn」の値が所定値(しきい値)未満か否かを判定する機能を有している。
上記以外については、図11の測定システム100Aは図8で示す測定システム100と同様である。
図12において、第1実施形態の制御手順を示す図9と同様の工程(ステップ)に関しては説明を省略する。
図12のステップS14では、コントロールユニット60AのAmax決定ブロック64AがエリアEAの最大値Amaxを求め(決定し)、BLn決定ブロック67がエリアBの形状の近似線BLnを決定する。次のステップS15では「Amax−BLn」演算ブロック68が、「Amax−BLn(エリアEAにおけるZ軸座標の最大値からエリアEBの近似線のZ軸座標を減算した値)」を演算し、当該演算結果の数値がしきい値未満であるか否かを判断する。
ステップS16は図9のステップS6と同様であり、ステップS19は図9のステップS9と同様である。
第3実施形態では、所謂「盛り上がり」の有無を検出する。
パリソン成形に際して、上述した様に金型を組み込む作業を行うが、金型「コア座」25に対して金型「コアリング」30を嵌合するのは所謂「締り嵌め」であり、「tоn(トン)」単位の大きな力で行われるので、金型「コア座」25に金型「コアリング」30を嵌合する作業を繰り返すと、図13で示す様に、金型「コア座」25を欠損(符号K)してしまう場合がある。
金型「コア座」25を欠損すると、当該欠損部分Kにパリソン成形材料である樹脂が入り込み、図1及び図13で示す様に、フランジ部10fに「盛り上がり」16、すなわちフランジ部10fに垂直方向上方に延在する凸部が生じる。
係る「盛り上がり」16もシール不良が発生する要因となり、内容物の漏出を惹起するので、容器成形の段階でチェックする必要がある。
図13〜図18の第3実施形態では、係る「盛り上がり」16の有無を検出する。
第3実施形態では、「盛り上がり」16が形成されうる箇所における近似円の曲率半径を演算して、同部における「盛り上がり」16が存在しない場合の近似円の曲率半径と比較することにより、凸部の有無を判断している。
近似円および近似円の曲率半径については、レーザー変位計に内蔵されているソフトを用いて、演算或いは決定する(表示する)ことが出来、市販品に内蔵されているソフトウェア(例えば、株式会社キーエンス製の商品名「LJ−V7000」に内蔵されているソフトウェア)を用いることができる。
上述した様に、「盛り上がり」16は金型「コア座」25の欠損により発生し、金型「コア座」25が欠損する箇所については高い精度で予測できるので、フランジ10fに前記「盛り上がり」16が形成されてしまう箇所についても高精度で予測することが可能である。そのため、金型「コア座」25が欠損する箇所を高精度で予測することにより、近似円を演算するべき範囲ERも事前に設定することが出来る。
ここで、近似円Reの曲率半径reが「盛り上がり」16が存在しない状態(図16−2)の近似円RCの曲率半径rc(所謂しきい値)と同様であれば、前記「盛り上がり」16は存在せず、金型「コア座」25は欠損していないと判断することが出来る。
なお、「盛り上がり」16が存在しない場合における近似円Rの曲率半径は、図16−2に示す様にフランジ部10fのアールの設計値と近似し、容器ごとの差異は小さく、事前に測定しておくことでしきい値として設定できる。
図17において、計測システム100Bは、レーザー変位計50、コントロールユニット60B、ディスプレイ70及び警報装置80で構成されている。
レーザー変位計50は第1実施形態と同様であり、コントロールユニット60Bは、X軸補正ブロック62、近似円エリア決定ブロック63D、近似円決定ブロック64D、判定ブロック66(第1実施形態のコントロールユニット60と同様)を備えている。
図17で示すX軸補正ブロック62は、第1実施形態のコントロールユニット60が具備するブロックと同様である。
なお、「盛り上がり」については、その大きさを特定しないため、第1実施形態、第2実施形態と異なり、Z軸補正ブロックは必要としない。
図18において、スタートした後、先ずステップS21で、容器10とレーザー変位計50をセットする。ステップS21は図9のステップS1と同様である。
そしてステップS22に進み、X軸補正決定ブロック62と近似円エリア決定ブロック63Dによって近似円を決定するべき領域(エリア)を決定する。
そしてステップS23に進み、計測を開始する。
近似円の曲率半径がしきい値の範囲内であれば(ステップS25がYES)ステップS26に進み、判定ブロック66は、「盛り上がり16は存在しない」と判断し、「合格品」であると判定する。そして、ステップS27に進む。
一方、ステップS24で決定された近似円の曲率半径がしきい値の範囲外であれば (ステップS25がNO)、ステップS29に進み、判定ブロック66は「盛り上がり16が存在する」と判定して、警報装置80に対して不合格品発生の情報を伝送する。そしてステップS30に進み、警報装置80が警報を発して不合格品の発生を知らしめ、係る警報により作業者は容器成形を中止し、金型交換等の必要な作業を行う。
一方、まだ計測を続行するのであれば(ステップS27がNO)、ステップS28に進み、計測対象となる容器(被測定容器)を変更して、次の容器を測定するべくステップS21に戻る。
図19〜図22の第4実施形態では、係る「横バリ」14を検出する。
図19において、摩耗により金型「コア座」25と金型「キャビティ」20の境界に隙間が発生すると、パリソン10Pの射出成形の際に樹脂が当該隙間を介して半径方向外方(図19では右側)にはみ出てしまう。当該はみ出した樹脂により、水平方向に延在する突起、所謂「横バリ」14が形成される。
そのため図19〜図22の第4実施形態では、「横バリ」14を検出する。
図20において、はみ出した樹脂の最右端を「樹脂ハミ出し位置」とすれば(図20における符号10fvで示す)、「樹脂ハミ出し位置」と「パリソン10Pの垂直フラット面」(図20の符号10fo)のX軸座標の差を求めれば、「横バリ」14の大きさが求まる。
図21において、測定システム100Cは、レーザー変位計50、コントロールユニット60C、ディスプレイ70、警報装置80で構成されている。
レーザー変位計50は図8の計測システム100と同様である。
コントロールユニット60Cは、10fo決定ブロック63ADと、10fv決定ブロック63BDと、「10fv−10fo」演算ブロックと、判定ブロック66を備えている。
10fv−10fo演算ブロックでは、樹脂ハミ出し位置10fvのX軸座標からパリソン10Pの垂直フラット面10foのX軸座標を減算する機能を有している。そして、判定ブロック66では、上記減算した値がしきい値未満か否かを判定する機能を有している。
図22において、スタートした後、先ずステップS31では、被測定容器をターンテーブルにセットし、レーザー変位計を所定の位置にセットする。ステップS31は、図9のステップS1と同様である。
次にステップS32では、10fo決定ブロック63ADによって、フランジ外周端面10foのX軸座標を決定する。そしてステップS33では、10fv決定ブロック63BDによって、樹脂ハミ出し位置10fvのX軸座標を決定する。
減算値がしきい値以下であれば(ステップS34がYES)ステップS35に進み、「横バリ14が存在しない」と判断し、当該容器は「合格品」と判定して、ステップS36に進む。
一方、減算値がしきい値を越えていれば(ステップS34がNO)ステップS38に進み、「横バリ14が存在する」と判定して、当該容器は「不合格」と判定する。そして、警報装置80に不合格品発生の情報を伝送し、ステップS39に進む。ステップS39では、警報装置80は警報を発生し、不合格品の発生を報知し、警報により作業員は容器成形を中止し、金型交換等の必要な措置を行う。
ステップS36、ステップS37は、第1実施形態〜第3実施形態と同様である。
例えば、図示の実施形態ではコントロールユニットは例えば情報処理機器を用いており、自動制御を行う様になっているが、コントロールユニット或いは各種ブロックによる機能は作業者が実行することも可能である。
12・・・「縦バリ」
14・・・「横バリ」
16・・・「盛り上がり」
20・・・金型「キャビティ」
25・・・金型「コア座」
30・・・金型「コアリング」
40・・・金型「コアピン」
50・・・レーザー変位計
51・・・出力ブロック
60・・・コントロールユニット
70・・・ディスプレイ
80・・・警報装置
Claims (10)
- レーザー変位計と、その出力を分析するコントロールユニットを備え、前記コントロールユニットは、
レーザー変位計の出力波形の所定領域から金型の摩耗及び/又は欠損に起因して容器開口部に存在する微小な突起、凸部を検出する機能を有していることを特徴とする容器の測定システム。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が、容器口部の上縁で垂直方向上方に延在する容器成形材料であり、容器のフランジ部にアールが付いており、
前記コントロールユニットは、
前記微小な突起を含む領域及び当該領域と隣接する領域を決定する機能と、
前記微小な突起を含む領域の最大値を決定する機能と、
前記微小な突起を含む領域と隣接する領域の最小値を決定する機能と、
前記最大値と前記最小値の差異を決定する機能と、
当該差異から前記微小な突起の有無を決定する機能を有している請求項1の容器の測定システム。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が、容器口部の上縁で垂直方向上方に延在する容器成形材料であり、容器のフランジ部が平坦であり、
前記コントロールユニットは、
前記微小な突起を含む領域及び当該領域とは別の領域を決定する機能と、
前記微小な突起を含む領域の最大値を決定する機能と、
前記微小な突起を含む領域とは別の領域の形状の近似線を決定する機能と、
前記最大値と前記近似線の差異を決定する機能と、
当該差異から前記微小な突起の有無を決定する機能を有している請求項1の容器の測定システム。 - 容器の開口部に存在する凸部が、金型の欠損に起因して容器開口部の上縁に広範囲にわたり盛り上がった容器成形材料であり、前記コントロールユニットは、
出力波形における盛り上がった領域を決定する機能と、
前記盛り上がった領域における近似円を決定する機能と、
当該近似円の曲率半径を前記盛り上がった領域がない場合の近似円の曲率半径と比較する機能と、
前記近似円の曲率半径の比較結果から、前記盛り上がった領域の有無を決定する機能を有している請求項1の容器の測定システム。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が、金型間の隙間を経由して半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料であり、前記コントロールユニットは、
容器開口部の側面の位置を決定する機能と、
半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置を決定する機能と、
前記容器開口部の側面の位置と、前記半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置の差異を決定する機能と、
当該差異から前記微小な突起の有無を決定する機能を有している請求項1の容器の測定システム。 - レーザー変位計の出力波形に基づき、当該出力波形の所定領域を特定する工程と、
前記所定領域から金型の摩耗及び/又は欠損に起因して容器開口部に存在する微小な突起、凸部を検出する工程を有していることを特徴とする容器の測定方法。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が、容器開口部の上縁で垂直方向上方に延在する容器成形材料であり、容器のフランジ部にアールが付いており、
前記微小な突起を含む領域及び当該領域と隣接する領域を決定する工程と、
前記微小な突起を含む領域の最大値を決定する工程と、
前記微小な突起を含む領域と隣接する領域の最小値を決定する工程と、
前記最大値と前記最小値の差異を決定する工程と、
当該差異から前記微小な突起の有無を決定する工程を有している請求項6の容器の測定方法。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が、容器開口部の上縁で垂直方向上方に延在する容器成形材料であり、容器のフランジ部が平坦であり、
前記微小な突起を含む領域及び当該領域とは別の領域を決定する工程と、
前記微小な突起を含む領域の最大値を決定する工程と、
前記微小な突起を含む領域は別の形状の近似線を決定する工程と、
前記最大値と前記近似線の差異を決定する工程と、
当該差異から前記微小な突起の有無を決定する工程を有している請求項6の容器の測定方法。 - 容器の開口部に存在する凸部が、金型の欠損に起因して容器開口部の上縁に広範囲にわたり盛り上がった容器成形材料であり、
出力波形における盛り上がった領域を決定する工程と、
前記盛り上がった領域における近似円を決定する工程と、
当該近似円の曲率半径を前記盛り上がった領域がない場合の近似円の曲率半径と比較する工程と、
前記比較する工程の結果から、前記盛り上がった領域の有無を決定する工程を有している請求項6の容器の測定方法。 - 容器の開口部に存在する微小な突起が金型間の隙間を経由して半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料であり、
容器開口部の側面の位置を決定する工程と、
半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置を決定する工程と、
前記容器開口部の側面の位置と、前記半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料の位置の差異を決定する工程と、
前記差異から金型間の隙間を経由して半径方向外方に漏出した状態で固化した容器成形材料の有無を決定する工程を有している請求項6の容器の測定方法。
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