JP2008212944A - 突き合わせ溶接の良否判定方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高エネルギー密度溶接による金属板材料を突き合わせ溶接する際に発生する溶接ビードの形状から、突き合わせ溶接の良否を判定する方法およびその装置を提供することを課題とする。
【解決手段】開先11内に形成された溶接ビードの2次元断面形状を取得する断面読取センサ21と、該断面読取センサ21で取得した断面形状に基づいて溶接ビードの良否を判定する溶接ビード良否判定手段23を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】開先11内に形成された溶接ビードの2次元断面形状を取得する断面読取センサ21と、該断面読取センサ21で取得した断面形状に基づいて溶接ビードの良否を判定する溶接ビード良否判定手段23を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属板材料の突き合わせ溶接ビードの形状から溶接の良否を判定する良否判定方法およびその装置に関する。
自動車外板等の薄板溶接技術の一つとしてレーザ溶接技術が知られている。
また、レーザ溶接等の高エネルギー密度溶接によって金属板材料を突き合わせ溶接する場合、特に複数層にわたって溶接を行う場合は、各溶接ビード境界に融合不良等の溶接欠陥が生成されやすいことから各層の溶接ビード形状の良否が最終的な溶接良否に大きく影響する。
しかし、溶接ビードの良否判定手法については十分確立されておらず、溶接作業者または検査員が目視により判断する場合が多く、検査箇所が多くまた長距離に及ぶ場合には検査員の負担が増すことから、簡単にかつ確実に溶接ビードの良否を判定できる方法および装置が望まれている。
また、レーザ溶接等の高エネルギー密度溶接によって金属板材料を突き合わせ溶接する場合、特に複数層にわたって溶接を行う場合は、各溶接ビード境界に融合不良等の溶接欠陥が生成されやすいことから各層の溶接ビード形状の良否が最終的な溶接良否に大きく影響する。
しかし、溶接ビードの良否判定手法については十分確立されておらず、溶接作業者または検査員が目視により判断する場合が多く、検査箇所が多くまた長距離に及ぶ場合には検査員の負担が増すことから、簡単にかつ確実に溶接ビードの良否を判定できる方法および装置が望まれている。
レーザ溶接状態の良否を判定する方法について例えば以下のような提案がされている。特許文献1(特開2000−42769号公報)には、溶接過程で発生する溶接光を検知して、その溶接光に含まれる、プラズマ光や、照射レーザ光の反射光の強度に基づいて溶接の欠陥検出やビードの大きさを評価する手法が示されている。
即ち、図5に示すように、レーザトーチ01の筐体内に、ワーク02に照射されるレーザ光の光軸と同軸になるようにして溶接箇所から発する溶接光を集光する集光レンズ03を設ける。この集光レンズ03によって集光された溶接光のうち、プラズマ光は複数のフォトダイオード04で検出して電気信号に変換し、照射されたレーザ光の反射光は複数のフォトダイオード05で検出して電気信号に変換して、溶接状態判定処理装置06で判定される。
即ち、図5に示すように、レーザトーチ01の筐体内に、ワーク02に照射されるレーザ光の光軸と同軸になるようにして溶接箇所から発する溶接光を集光する集光レンズ03を設ける。この集光レンズ03によって集光された溶接光のうち、プラズマ光は複数のフォトダイオード04で検出して電気信号に変換し、照射されたレーザ光の反射光は複数のフォトダイオード05で検出して電気信号に変換して、溶接状態判定処理装置06で判定される。
また、特許文献2(特開平6−269966号公報)には、図6に示すようにレーザビーム010によって突き合わせ部分を局部加熱して金属材料011、012の突き合わせ溶接をする際に、局部加熱で発生する溶接プラズマ013を、プラズマセンサ014、015で検出して、該プラズマに含まれる各元素の波長のうち相手金属材料よりも相対的に多く含まれる元素の波長の少なくとも1つの波長の強度を測定して、溶接の良否を判断し、さらにビーム位置を修正する技術が示されている。
前記したように、特許文献1、特許文献2には、レーザ溶接状態の良否を判定する手法について示されており、特許文献1においては溶接光の強度から判定するものであり、特許文献2においては特定元素の波長の強度から判定するものであり、いずれも溶接ビードの高さ、幅等の形状を直接的に計測せずに間接的にその溶接状態を判定しているものである。このため、欠陥検出精度が十分とは言えない。特に、複数層の溶接ビードを重ね合わせる場合には、次層を溶接した際に融合不良などの欠陥を招かないために、前層の溶接ビードの形状は重要であり、また最終的な溶接接合強度を確保する上重要である。このため、各層の溶接ビードの良否を精度良く判定することが必要とされている。
そこで、本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、金属板材料を突き合わせ溶接する際に発生する溶接ビードの形状から、突き合わせ溶接の良否を判定する方法およびその装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、請求項1記載の突き合わせ溶接の良否判定方法にかかる発明は、金属板材料の突き合わせ溶接の良否判定方法において、溶接開先内に形成された溶接ビードに対して断面読取センサをスキャンさせて前記溶接ビードの2次元断面形状を取得し、該取得した溶接ビードの断面形状から溶接の良否を判定することを特徴とする。
また、請求項8記載の突き合わせ溶接の良否判定装置にかかる発明は、金属板材料の突き合わせ溶接の良否判定装置において、溶接開先内に形成された溶接ビードの2次元断面形状を取得する断面読取センサと、該断面読取センサで取得した断面形状から溶接ビードの良否を判定する溶接ビード良否判定手段とを備えたことを特徴とする。
そして、これら発明によれば、溶接開先内に形成された溶接ビードに対して断面読取センサをスキャンさせて前記溶接ビードの2次元断面形状を取得し、該取得した断面形状から溶接ビードの良否を判定するため、溶接状態を直接的に確認することで溶接の良否を確実に判定することができる。そして、不良と判定した場合には溶接を中止することで、不良ビードの発生を最小限に抑えることが可能になる。
また、溶接条件の最適化を進める過程においても、ビード良否の定量評価に用いることができ、最適な溶接条件を容易にかつ的確に見出すことが可能になる。
また、溶接条件の最適化を進める過程においても、ビード良否の定量評価に用いることができ、最適な溶接条件を容易にかつ的確に見出すことが可能になる。
具体的な判定手法は、請求項2〜4記載の発明のように、請求項2においては、前記読み取った断面形状から溶接対象の板表面を延長して仮想表面線を設定し、該仮想表面線と実測値との差が一定値を越える部分を開先内として抽出し、該開先内で最も深いビード両脇の2位置を谷部として抽出し、ビードの最も高い位置を頂部として抽出し、前記2つの谷部および頂部からビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めて溶接ビードの良否を判定することを特徴とする。
かかる請求項2記載の発明によれば、仮想表面線を設定してその位置からビード表面までの距離に基づいて開先内を把握して、さらにビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、(w)を求めるため、正確にビード形状を把握して判定することができる。
すなわち、該開先内で最も深いビード両脇の2位置を谷部として抽出し、ビードの最も高い位置を頂部として抽出し、ビードの両脇の谷のうち深い方の谷と頂部との高さの差をビードの凸高さ(h)として数値化し、ビードの両脇の谷部を結ぶ直線の傾きをビードの偏り(θ)として数値化し、ビードの両脇の谷部の幅をビードの幅(w)として数値化して溶接ビードの良否を判定することができる。
すなわち、該開先内で最も深いビード両脇の2位置を谷部として抽出し、ビードの最も高い位置を頂部として抽出し、ビードの両脇の谷のうち深い方の谷と頂部との高さの差をビードの凸高さ(h)として数値化し、ビードの両脇の谷部を結ぶ直線の傾きをビードの偏り(θ)として数値化し、ビードの両脇の谷部の幅をビードの幅(w)として数値化して溶接ビードの良否を判定することができる。
そして、請求項3においては、前記2つの谷部の間隔が一定値以下の場合には凹ビードと判断して良好なビードと判定することを特徴とし、かかる発明によれば、谷部が近接している場合には凸形状のビードではなく凹形状のビードと判断して望ましい形状であるため良好なビードと判定する。
さらに、請求項4においては、前記ビードの凸高さと幅との比(h/w)が一定値以下で、かつビードの偏り(θ)が一定値以内の場合には良好なビードと判定することを特徴とする。
かかる請求項4記載の発明によれば、ビード形状が極端に突出した形状とか、開先内に偏って盛られている場合等を定量的に不良と判定することができるため、溶接の良否の判定を確実に行なうことができる。
かかる請求項4記載の発明によれば、ビード形状が極端に突出した形状とか、開先内に偏って盛られている場合等を定量的に不良と判定することができるため、溶接の良否の判定を確実に行なうことができる。
また、請求項9記載の突き合わせ溶接の良否判定装置にかかる発明は、請求項8において前記溶接ビード良否判定手段は、前記読み取った断面形状からビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めるビード形状算出部と、該算出部で算出された前記ビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)が一定の条件を満たす場合には良いビードと判定する良否判定部とからなることを特徴とする。
かかる請求項9記載の発明によれば、溶接ビード良否判定手段のビード形状算出部および良否判定部によって、ビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めるため、正確にビード形状を把握して、ビード形状が極端に突出した形状とか、開先内に偏って盛られている場合等には不良と判定することができるため、溶接の良否の判定を確実に行なうことができる。
好ましくは、請求項5、10に記載の発明のように、前記金属板材料の突き合わせ溶接が高エネルギー密度溶接によることを特徴とし、請求項6、11に記載の発明のように、前記高エネルギー密度溶接がレーザ溶接によることを特徴とする。
さらに、請求項7、12に記載の発明は、前記金属板材料の突き合わせ溶接の前記溶接ビードが複数層重ねられるとともに各層毎に溶接ビードの2次元断面形状から良否を判定することを特徴とする。
そして、これら請求項7、12に記載の発明によれば、突き合わせ溶接において溶接ビードを重ねて施す場合に、複数の溶接ビード毎に溶接ビード形状から正確に溶接の良否が判定されるため、次層を溶接した際に融合不良などの欠陥を招きやすい不良ビードを的確に判定し、不良ビードがある場合には手直しをする等の処置をすることで、不良を抑えた突き合わせ溶接が可能になる。また、良否判定装置と溶接装置は一体であっても、分離していてもよい。
本発明によれば、金属板材料を突き合わせ溶接する際に発生する溶接ビードの2次元断面形状から、溶接状態を直接的に確認することで溶接の良否を確実に判定することができる突き合わせ溶接の良否判定方法および装置を得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
参照する図面において、図1は本発明の実施形態を示す突き合わせ溶接の良否判定装置の全体構成図である。図2は突き合わせ溶接部の拡大断面図である。図3は良否の判定手順を示すフローチャートである。図4は溶接ビード形状から算出されたビードの凸高さ(h)/幅(w)および偏り(θ)と、外観目視による良否との関係を示した関係図である。
図1には、溶接対象の鋼板材料1、2が突き合わされて位置決めされ、高エネルギー密度溶接としてレーザ溶接(溶接手段)3、特に、ファイバレーザ溶接によって突き合わせ溶接をする例を示す。具体的には、LNG(液化天然ガス)タンク等のタンク側板を内側から、ファイバレーザ溶接によって突き合わせ溶接をする場合である。
溶接装置4の概要についてまず説明する。ファイバレーザのレーザ発振器5からのレーザ光は、光ファィバ7を介して溶接トーチ9へ導かれ、該溶接トーチ9から鋼板材料1、2の突き合わされる端面間に形成される開先11の開先開口13を通って、開先11内の底部の接合部にレーザビーム15が照射される。同時に溶接棒17もレーザビーム15の照射先端部に供給され、レーザビーム15による高エネルギー密度の照射によって、母材の鋼板材料1、2および溶接棒17が溶融され、鋼板材料1、2が突き合わせ溶接される。
溶接トーチ9および溶接棒17は開先開口13に沿って図1の矢印aに示す方向に移動するように移動機構19に支持されていて、また溶接トーチ9および溶接棒17の移動に伴って、溶接棒17が自動でレーザビーム15内に供給されるようになっている。
さらに、その溶接トーチ9の移動方向の後方側には、溶接結果の溶接ビード形状を検出するためにレーザスキャンさせて変位を計測する断面読取センサ21が設けられ、前記溶接トーチ9および溶接棒17の移動とともに移動するように移動機構19に支持されている。
さらに、その溶接トーチ9の移動方向の後方側には、溶接結果の溶接ビード形状を検出するためにレーザスキャンさせて変位を計測する断面読取センサ21が設けられ、前記溶接トーチ9および溶接棒17の移動とともに移動するように移動機構19に支持されている。
断面読取センサ21のスキャンは、溶接トーチ9が開先開口13に沿って移動する矢印a方向に直交する方向に、すなわち溶接ビードを横切るように行われて溶接ビードと開先11の形状を検出する。また、データ取得タイミングは、溶接トーチ9の移動速度に応じて設定され一定時間毎(例えば数秒毎)に取得して、先方を進む溶接トーチ9による溶接ビードの良否を判定する。
このような溶接装置4によって、突き合わせ溶接が行なわれるが、鋼板材料1、2が厚板(例えば10mm以上)であるため、十分な溶接強度を確保するために複数回重ねて溶接する。そのため、複数回重ねて溶接するように移動機構19によって溶接トーチ9および溶接棒17の動きが制御され、溶接ビードも開先内部に複数層形成される。
断面読取センサ21からの検出信号は、溶接ビード良否判定手段23に入力される。この断面読取センサ21は、前記読み取った断面形状からビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めるビード形状算出部25と、該算出部25で算出されたビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)が一定の条件を満たす場合には良いビードと判定する良否判定部27とから構成されている。
次に、ビード形状算出部25での算出方法および良否判定部27での判定方法について図2、3を参照して説明する。
断面読取センサ21はレーザスキャンによって、断面読取センサ21の位置からの変位として鋼板材料1、2および溶接のビード部29の形状が図2のように検出される。
断面読取センサ21はレーザスキャンによって、断面読取センサ21の位置からの変位として鋼板材料1、2および溶接のビード部29の形状が図2のように検出される。
そして、ビード形状算出部25では次のステップS3〜S7の処理が行われて、ビード部29の凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)が求められる。
図3のフローチャートに示すように、ステップS1で既に説明した溶接装置4による溶接を実施し、その後ステップS3では、鋼板材料1、2の板表面を延長して仮想表面線b1を作成する。そしてステップS5で図2に示すように仮想表面線b1と実測値との差を求め、差が一定値を越える部分を開先内b2として抽出し、該開先内b2の両端を開先肩b3として抽出し、さらに開先内b2の両端近くで最も深い2位置をビードの両脇の谷部b4として抽出し、最も高い位置を頂部b5として抽出する。
図3のフローチャートに示すように、ステップS1で既に説明した溶接装置4による溶接を実施し、その後ステップS3では、鋼板材料1、2の板表面を延長して仮想表面線b1を作成する。そしてステップS5で図2に示すように仮想表面線b1と実測値との差を求め、差が一定値を越える部分を開先内b2として抽出し、該開先内b2の両端を開先肩b3として抽出し、さらに開先内b2の両端近くで最も深い2位置をビードの両脇の谷部b4として抽出し、最も高い位置を頂部b5として抽出する。
そして、次にステップS7で、ビード部29の両脇の谷部b4のうち深い方の谷部と頂部b5との高さの差をビードの凸高さ(h)として数値化し、ビード部29の両脇の谷部b4、b4を結ぶ直線の傾きをビードの偏り(θ)として数値化し、ビード部29の両脇の谷部b4、b4の幅をビードの幅(w)として算出して数値化する。
また、前記谷部b4の抽出に際して、板表面の微細な凹凸や断面読取センサ21の計測誤差の影響を取除くため、実測値の連続性が不十分な点を谷から除外してもよい。このように連続性が不十分な点を除外することで谷部b4の検出精度が向上し、谷部b4の検出値に基づいて算出されるビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)の算出精度も向上する。
また、前記谷部b4の抽出に際して、板表面の微細な凹凸や断面読取センサ21の計測誤差の影響を取除くため、実測値の連続性が不十分な点を谷から除外してもよい。このように連続性が不十分な点を除外することで谷部b4の検出精度が向上し、谷部b4の検出値に基づいて算出されるビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)の算出精度も向上する。
次に、良否判定部27で次のステップS9〜S17の処理が行われて、ビードの良否が判定される。
まず、ステップS9で、ビード部29の両脇の谷部b4、b4の幅、すなわちビードの幅(w)が、一定値以下かどうかが判断され、例えば開先開口13の開口幅が8mmのときに、最も深い2位置の幅が、その開口幅の8mmの半分以下の3mm程度の場合には、谷部b4が近接しているため、ビード部29は凸形状ではなく凹形状ビードと判断して、望ましい形状であるためステップS11に進み良好なビードと判定する。
まず、ステップS9で、ビード部29の両脇の谷部b4、b4の幅、すなわちビードの幅(w)が、一定値以下かどうかが判断され、例えば開先開口13の開口幅が8mmのときに、最も深い2位置の幅が、その開口幅の8mmの半分以下の3mm程度の場合には、谷部b4が近接しているため、ビード部29は凸形状ではなく凹形状ビードと判断して、望ましい形状であるためステップS11に進み良好なビードと判定する。
そして、ビードの幅(w)が一定値以下でない場合にはステップS13に進んで、ビードの凸高さ(h)と幅(w)との比(h/w)が一定値以下かどうか判断され、一定値以下の場合にはステップS15に進み、一定値以下でない場合にはステップS17に進んで不良なビードと判定する。ステップS15では、ビードの偏り(θ)が一定値以内かどうか判断され、一定値以内の場合にはステップS11に進み良好なビードと判定され、一定値以内でない場合には、ステップS17に進み不良なビードと判定される。
すなわち、ステップS13とステップS15とによって、ビード形状が極端に凸状に突出した形状とか、開先内b2内で偏って盛られている場合等には不良と判定することができるため、溶接ビードの良否判定をビード形状から確実に判定でき、その結果突き合わせ溶接の良否の判定を確実に行なうことができる。
さらに、ステップS11で良好なビードと判定された場合には、次のステップS19で次の溶接工程へ進める信号を移動機構19に出力して、次の第2層目のビード部31を溶接する。ステップS17で不良なビードと判定した場合には、ステップS21でアラーム信号を発して移動機構19に溶接及び移動の停止信号を出力して、溶接作業を停止する。そしてステップS23でビード形状の手直しの指示を出力する。
この溶接ビードの手直しは、例えば、作業員が開先開口13の部分を削り落として、間口を広げて、その後、不良ビード箇所を削り落とす等の作業を行ない、均一で偏りのないビード形状に修正する。
図4は、実験的に複数個所の突き合わせ溶接を行い、形成された溶接ビードの形状を目視による外観からの良否判断と、前記断面読取センサ21からの検出信号に基づいて算出された凸高さ(h)/幅(w)との比および偏り(θ)との関係を示す関係図である。
図4において、横軸がビードの偏り即ち傾き(θ)を示し、ゼロを中心にプラス側、マイナス側を示し、縦軸が、凸高さ(h)/幅(w)の比を表している。
ビード形状を目視によって外観から判断した場合に良好なビード形状であるものが、図4中の○印で、外観上偏ったり、極端に出っ張ったりしたものがその程度によって△印と×印で示されている。○印が存在する範囲は、図4において、横軸の偏りゼロを中心に、偏り(θ)が±0.25以内の範囲で、さらに凸高さ(h)/幅(w)の比が0.25より小さい範囲に集まっており、この範囲にあることがビード形状として好ましいことが言える。
すなわち、ビード形状が極端に凸に突出した形状とか、開先内b2に偏って盛られている場合等には不良と判定することができる。
ビード形状を目視によって外観から判断した場合に良好なビード形状であるものが、図4中の○印で、外観上偏ったり、極端に出っ張ったりしたものがその程度によって△印と×印で示されている。○印が存在する範囲は、図4において、横軸の偏りゼロを中心に、偏り(θ)が±0.25以内の範囲で、さらに凸高さ(h)/幅(w)の比が0.25より小さい範囲に集まっており、この範囲にあることがビード形状として好ましいことが言える。
すなわち、ビード形状が極端に凸に突出した形状とか、開先内b2に偏って盛られている場合等には不良と判定することができる。
このように、凸高さ(h)/幅(w)の比が0.25以下で、且つ偏りが±0.25以内にある場合には良好な溶接ビードとするように良否判定の閾値を設定することによって、溶接ビードの良否を形状データに基づいて算出された高さ(h)、幅(w)および偏り(θ)の値から定量的にビードの良否を判定することができるようになる。
なお、この閾値の値0.25は、板の厚さ、開先の開口幅、開先の形状等によって、さらに溶接トーチ9の移動速度等の溶接条件によって異なってくるため、あらかじめ実験、計算等によって適切な閾値を設定することによって、種々の材質、溶接条件に対応した良否判定を定量的に行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、開先内b2に形成された溶接ビードに対して断面読取センサ21をスキャンさせてビード部29の2次元断面形状を取得し、該取得した断面形状からビード部29の良否を判定するため、溶接状態を直接的に確認することで溶接の良否を判断できるので確実な判定を行なうことができる。
さらに、不良と判定した場合には溶接を中止することで、不良ビードの発生を最小限に抑えることができる。
また、溶接条件の最適化を進める過程においても、ビード良否の定量評価に用いることができ、最適な溶接条件を容易にかつ的確に見出すことが可能になる。
さらに、不良と判定した場合には溶接を中止することで、不良ビードの発生を最小限に抑えることができる。
また、溶接条件の最適化を進める過程においても、ビード良否の定量評価に用いることができ、最適な溶接条件を容易にかつ的確に見出すことが可能になる。
さらに、仮想表面線b1を設定してその位置からビード部29までの距離に基づいて開先内b2を把握して、さらにビード部29の凸高さ(h)、偏り(θ)、(w)を求めるため、正確にビード形状を把握して判定することができる。
また、ビード部29の凸高さと幅との比(h/w)が一定値以下で、かつビードの偏り(θ)が一定値以内の場合には良好なビードと判定するためビード形状が極端に突出した形状とか、開先内に偏って盛られている場合等には不良と判定することができるため、溶接の良否の判定を確実に行なうことができる。
さらに、ビード部29の上にビード部31が重ねられるような複数層からなる溶接ビートの場合においても、各層の溶接ビード毎にビード部29、31の2次元断面形状から溶接ビードの良否を判定するため、次層を溶接した際に融合不良などの欠陥を招きやすい不良ビードを的確に判定できる。
そして、不良ビードがある場合には手直しをする等の処置をすることで、不良を抑えた突き合わせ溶接が可能になる。
そして、不良ビードがある場合には手直しをする等の処置をすることで、不良を抑えた突き合わせ溶接が可能になる。
本発明によれば、高エネルギー密度溶接による金属板材料を突き合わせ溶接する際に発生する溶接ビードの2次元断面形状から、溶接状態を直接的に確認することで溶接の良否を確実に判定することができる突き合わせ溶接の良否判定方法および装置を提供することができるので、LNG(液化天然ガス)タンク等のタンク側板の溶接への適用に際して有益である。
1、2 鋼板材料(金属板材料)
3 レーザ溶接(溶接手段)
4 溶接装置
21 断面読取センサ
23 ビード良否判定手段
25 ビード形状算出手段
27 良否判定手段
29、31 ビード部
b1 仮想表面線
b2 開先内
b3 開先肩
b4 谷部
b5 頂部
h ビードの凸高さ
w ビードの幅
θ ビードの偏り
3 レーザ溶接(溶接手段)
4 溶接装置
21 断面読取センサ
23 ビード良否判定手段
25 ビード形状算出手段
27 良否判定手段
29、31 ビード部
b1 仮想表面線
b2 開先内
b3 開先肩
b4 谷部
b5 頂部
h ビードの凸高さ
w ビードの幅
θ ビードの偏り
Claims (12)
- 金属板材料の突き合わせ溶接の良否判定方法において、
溶接開先内に形成された溶接ビードに対して断面読取センサをスキャンさせて前記溶接ビードの2次元断面形状を取得し、該取得した溶接ビードの断面形状から溶接の良否を判定することを特徴とする突き合わせ溶接の良否判定方法。 - 前記読み取った断面形状から溶接対象の板表面を延長して仮想表面線を設定し、該仮想表面線と実測値との差が一定値を越える部分を開先内として抽出し、該開先内で最も深いビード両脇の2位置を谷部として抽出し、ビードの最も高い位置を頂部として抽出し、前記2つの谷部および頂部からビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めて溶接ビードの良否を判定することを特徴とする請求項1記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 前記2つの谷部の間隔が一定値以下の場合には凹ビードと判断して良好なビードと判定することを特徴とする請求項2記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 前記ビードの凸高さと幅との比(h/w)が一定値以下で、かつビードの偏り(θ)が一定値以内の場合には良好なビードと判定することを特徴とする請求項2記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 前記金属板材料の突き合わせ溶接が高エネルギー密度溶接によることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 前記高エネルギー密度溶接がレーザ溶接によることを特徴とする請求項5に記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 前記金属板材料の突き合わせ溶接の前記溶接ビードが複数層重ねられるとともに各層毎に溶接ビードの2次元断面形状から良否を判定することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の突き合わせ溶接の良否判定方法。
- 金属板材料の突き合わせ溶接の良否判定装置において、
溶接開先内に形成された溶接ビードの2次元断面形状を取得する断面読取センサと、該断面読取センサで取得した断面形状から溶接ビードの良否を判定する溶接ビード良否判定手段とを備えたことを特徴とする突き合わせ溶接の良否判定装置。 - 前記溶接ビード良否判定手段は、前記読み取った断面形状からビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)を求めるビード形状算出部と、該算出部で算出された前記ビードの凸高さ(h)、偏り(θ)、幅(w)が一定の条件を満たす場合には良いビードと判定する良否判定部とからなることを特徴とする請求項8記載の突き合わせ溶接の良否判定装置。
- 前記金属板材料の突き合わせ溶接が高エネルギー密度溶接によることを特徴とする請求項8または9に記載の突き合わせ溶接の良否判定装置。
- 前記高エネルギー密度溶接がレーザ溶接によることを特徴とする請求項10に記載の突き合わせ溶接の良否判定装置。
- 前記金属板材料の突き合わせ溶接の前記溶接ビードが複数層重ねられるとともに前記溶接ビード良否判定手段は各層毎に溶接ビードの2次元断面形状から良否を判定することを特徴とする請求項8〜11の何れかに記載の突き合わせ溶接の良否判定装置。
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