JP2021139580A - 給気システム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象室の内部と外部との差圧を検知する要素の故障の有無を良好に診断すること。【解決手段】制御部50は、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、給気ファン44を最大周波数で所定時間駆動させつつ差圧検知センサ32により第1の差圧を検知した後に、給気ファン44を最小周波数で所定時間駆動させつつ差圧検知センサ32により第2の差圧を検知し、かつ給気ファン44を最大周波数で所定時間駆動させる直前に差圧検知センサ32により検知された直前差圧と第1の差圧との差の第1の絶対値と、第1の差圧と第2の差圧との差の第2の絶対値との少なくとも一方が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うもので、故障診断運転において、第1の絶対値と第2の絶対値とが設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせる。【選択図】図2

Description

本発明は、給気システムに関するものである。
従来、例えば店舗のような室には、給気システムが設けられている。給気システムは、給気ファンと差圧検知センサとを備えている。給気ファンは、店舗の内部に外部空気を供給するものである。差圧検知センサは、店舗の内部と外部との差圧を検知するものである。
このような給気システムでは、差圧検知センサの検知結果により、店舗の内部の圧力が店舗の外部の圧力(大気圧)と同等になるよう、若しくは店舗の内部の圧力が店舗の外部の圧力(大気圧)よりも大きくなるよう、給気ファンを駆動させて、店舗の正圧化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−153441号公報
ところで、上述した給気システムにおいては、構成要素である給気ファンや差圧検知センサは、主に店舗の屋根裏に配設されている。そして、差圧検知センサが配設されるダクトは、店舗の屋根裏において、店舗の内部と外部とを連通する態様で設置されているが、かかるダクトが破損等した場合に目視等で確認することは困難である。そのため、ダクトが破損等して差圧検知センサによる検知結果が、本来の店舗の内外の差圧とは異なっていても、差圧検知センサが故障等でない限り、発見することができなかった。
そして、上記給気システムでは、差圧検知センサの検知精度に依存しており、上述したようにダクト等が破損していても差圧検知センサの検知結果により給気ファンを駆動させていた。このように給気ファンを駆動させてしまうことは、該給気ファンを無駄に駆動させて消費電力量の増大化を招来するだけでなく、店舗の正圧化を図ることができない虞れがあり、好ましくない。
本発明は、上記実情に鑑みて、対象室の内部と外部との差圧を検知する要素の故障の有無を良好に診断することができる給気システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る給気システムは、対象室の内部と外部との差圧を検知する差圧検知センサにより検知された差圧に基づいて、前記対象室の内部に外部空気を供給する給気ファンを駆動させる通常運転を行う制御部を備えた給気システムであって、前記制御部は、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、前記給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、前記制御部は、前記故障診断運転において、前記絶対値が前記設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせることを特徴とする。
また、本発明に係る給気システムは、対象室の内部と外部との差圧を検知する差圧検知センサにより検知された差圧に基づいて、前記対象室の内部に外部空気を供給する給気ファンを駆動させる通常運転を行う制御部を備えた給気システムであって、前記制御部は、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、前記給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させる直前に前記差圧検知センサにより検知された直前差圧と前記第1の差圧との差の第1の絶対値と、前記第1の差圧と前記第2の差圧との差の第2の絶対値との少なくとも一方が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、前記制御部は、前記故障診断運転において、前記第1の絶対値と前記第2の絶対値とが前記設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせることを特徴とする。
また本発明は、上記給気システムにおいて、前記制御部は、前記故障診断運転の開始条件を満足する時点で前記給気ファンが駆動停止している場合、該給気ファンを予め決められた周波数で所定時間駆動させることを特徴とする。
本発明によれば、制御部が、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、該制御部が、故障診断運転において、絶対値が設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせるので、圧力差を強制的に作り出したときの差圧の差の絶対値を利用することができ、対象室の内部と外部との差圧を検知する要素の故障の有無を良好に診断することができるという効果を奏する。
また本発明によれば、制御部が、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させる直前に差圧検知センサにより検知された直前差圧と第1の差圧との差の第1の絶対値と、第1の差圧と第2の差圧との差の第2の絶対値との少なくとも一方が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、該制御部が、故障診断運転において、第1の絶対値と第2の絶対値とが設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせるので、圧力差を強制的に作り出したときの差圧の差の絶対値を利用することができ、対象室の内部と外部との差圧を検知する要素の故障の有無を良好に診断することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態である給気システムを模式的に示す模式図である。 図2は、本発明の実施の形態である給気システムの特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。 図3は、図2に示した制御部の故障診断運転制御処理部が実施する故障診断運転の処理内容を示すフローチャートである。 図4は、図3に示した差圧判定処理の処理内容を示すフローチャートである。 図5は、図4に示した差圧判定処理の変形例の処理内容を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る給気システムの好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態である給気システムを模式的に示す模式図であり、図2は、本発明の実施の形態である給気システムの特徴的な制御系を模式的に示すブロック図である。ここで例示する給気システムは、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の店舗1を対象室とするものである。かかる店舗1には、空調装置10及び排気装置20a,20bが設けられている。
空調装置10は、店舗1の内部(以下、店内ともいう)の空気(以下、内部空気ともいう)の温度・湿度や清浄度などを調節し、快適な状態に保つものであり、室内機11を備えている。室内機11は、店内の天井等に設置されており、店舗1の外部(以下、店外ともいう)に設置された室外機12と冷媒管路13を通じて接続されている。このような空調装置10では、室内機11と室外機12との間で冷媒が、圧縮、凝縮、断熱膨張及び蒸発を繰り返しながら循環することにより、内部空気の温度等を調整している。尚、ここでは、空調装置10は、内部空気を冷却するものであり、室内機11には、複数(例えば4つ)の空気吹出口11aが設けられている。
また上記店舗1には、図には明示しないが、外壁2の一部には顧客等のための出入口が形成されており、店内には、食物の調理を行う調理領域や、例えばショーケース等の商品収納装置が設置されている。
排気装置20a,20bは、複数(図示の例では2つ)設けられており、互いに離隔した個所において、排気流路21a,21bを備えている。排気流路21a,21bは、店内と店外とを連通する態様で屋根裏に設けられており、その途中に排気ファン22a,22bが配設されている。排気ファン22a,22bは、店舗1の換気や臭気等の排出を目的として店舗1に設置された操作部(図示せず)が操作されることにより、駆動するものである。このような排気装置20a,20bは、排気ファン22a,22bが駆動する場合に、排気流路21a,21bの導入口23a,23bより内部空気を導入し、排気流路21a,21bを通過させた後に店外に排出させるものである。
尚、上記排気装置20a,20bは、店内と店外とを連通する排気流路21a,21bを備えるものとして説明したが、排気装置20a,20bは、店舗(対象室)1の外壁2に形成された排気孔に対し、換気扇と称される排気ファンを設置して構成されるものであってもよい。この場合、排気孔における店内を臨む開口が導入口となり、排気ファンの駆動により、導入口より内部空気を導入し、店外に排出することになる。
給気システムは、差圧検知装置30、給気装置40及び制御部50を備えて構成されている。差圧検知装置30は、差圧検知用ダクト31及び差圧検知センサ32を備えている。
差圧検知用ダクト31は、店内と店外とを連通する態様で屋根裏に設置されている。この差圧検知用ダクト31は、一端の開口33が店内を臨み、他端の開口34が店外を臨んでいる。かかる差圧検知用ダクト31は、自身の軸方向に沿って空気を流通させるものである。
差圧検知センサ32は、差圧検知用ダクト31の任意の個所に配設してあり、店内と店外との差圧を検知するものである。この差圧検知センサ32は、検知結果を差圧信号として制御部50に与えるものである。
給気装置40は、給気流路41を備えている。給気流路41は、店内と店外とを連通する態様で屋根裏に設けられており、一端が店外を臨んで外気導入口42が設けられており、途中で2つに分岐されてそれぞれの他端が店内を臨んで給気口43a,43bが設けられている。また給気流路41において、外気導入口42と分岐個所との間には、給気ファン44が配設されている。給気ファン44は、制御部50から与えられる指令に応じて駆動するものである。また給気ファン44の近傍には、給気ファン検知センサ44aが設けられている。この給気ファン検知センサ44aは、給気ファン44が駆動しているか否かを検知するものであり、その検知結果を検知信号として制御部50に与えるものである。
このような給気装置40は、給気ファン44が駆動する場合に、外気導入口42より外部空気を導入し、給気流路41を通過させた後に給気口43a,43bより店内に吹き出させるものである。そして、給気装置40においては、給気口43a,43bは、排気装置20a,20bの導入口23a,23bの近傍に配設されている。
より詳細には、給気口43aは、空調装置10の空気吹出口11aよりも導入口23aに近接する態様で配設してあり、給気口43bは、空調装置10の空気吹出口11aよりも導入口23bに近接する態様で配設されている。
制御部50は、記憶部55に記憶されたプログラムやデータにしたがって給気システムの各部の動作を統括的に制御するものであり、通常運転制御処理部51及び故障診断運転制御処理部52を備えている。
通常運転制御処理部51は、差圧検知センサ32から与えられた差圧信号により、店内の圧力が店外の圧力(大気圧)と同等となるよう、あるいは店内の圧力が店外の圧力よりも大きくなるよう、給気ファン44を駆動させる通常運転を行うものである。
故障診断運転制御処理部52は、所定の間隔時間(例えば48時間程度)が経過しつつ予め設定された開始時間(例えば1:00頃)が経過したことが図示せぬ時計部を通じて判断された場合、故障診断運転の開始条件を満足するものとして、後述する故障診断運転を行うもので、入力処理部521、ファン駆動処理部522、第1判定処理部523、第2判定処理部524及び出力処理部525を備えている。
入力処理部521は、差圧検知センサ32からの差圧信号や、給気ファン検知センサ44aからの検知信号を入力するものである。
ファン駆動処理部522は、給気ファン44に対して任意の周波数での駆動指令を送出して該給気ファン44を該周波数で駆動させるものである。
第1判定処理部523は、詳細は後述するが、故障診断運転における差圧判定処理において、入力処理部521を通じて入力した各差圧から差圧の差の絶対値を算出し、その絶対値のうち、記憶部55から読み出した設定値情報に含まれる設定値(例えば1Pa)以上のものがあるか否かを判断し、設定値以上のものがある場合には「OK」と判定する一方、設定値以上のものがない場合には「NG」と判定するものである。
第2判定処理部524は、第1判定処理部523を通じての差圧判定処理において「NG」と判定された場合、「NG」と連続して判定された回数をカウントしつつ、その連続カウント数が記憶部55から読み出した基準回数情報に含まれる基準回数(例えば4回)以上であるか否かを判定するものである。
出力処理部525は、報知部60に対して報知指令を出力するものである。ここで報知部60は、出力処理部525から出力された報知指令により報知動作を行うものである。本実施の形態においては、報知部60は、例えば店舗1の管理装置を構成する各種情報を表示する表示部により構成されている。そして、報知部60により行われる報知動作としては、表示部に警告表示を行うことである。
尚、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
以上のような構成を有する給気システムにおいては、排気装置20a,20bが駆動している条件下にて、制御部50の通常運転制御処理部51が、差圧検知センサ32から与えられた差圧信号により、店内の圧力が店外の圧力(大気圧)と同等となるよう、あるいは店内の圧力が店外の圧力よりも大きくなるよう、給気ファン44を駆動させることにより、外気導入口42より導入された店外の外部空気は、給気流路41を通過し、給気口43a,43bより店内に吹き出される。
そして、給気口43aが、空調装置10の空気吹出口11aよりも導入口23aに近接する態様で配設してあり、給気口43bが、空調装置10の空気吹出口11aよりも導入口23bに近接する態様で配設されているので、給気口43aより吹き出された外部空気は、その大部分が店内を循環することなく、導入口23aを通じて排気流路21aに導入されて店外に排出され、給気口43bより吹き出された外部空気は、その大部分が店内を循環することなく、導入口23bを通じて排気流路21bに導入されて店外に排出される。
つまり、給気装置40を通じて店内に吹き出され、該店内を循環する空気量を低減させることができ、店内における外部空気の侵入量を低減することができる。
そのような通常運転を行っている制御部50は、時計部を通じて、所定の間隔時間が経過しつつ予め設定された開始時間が経過した場合、故障診断運転の開始条件が満足したものとして、次のような故障診断運転を行う。
図3は、図2に示した制御部50の故障診断運転制御処理部52が実施する故障診断運転の処理内容を示すフローチャートである。
この故障診断運転において、故障診断運転制御処理部52は、入力処理部521を通じて給気ファン検知センサ44aからの検知信号を入力することで、給気ファン44が駆動しているか否かを判断する(ステップS101)。
給気ファン44が駆動していない場合(ステップS101:No)、すなわち何らかの要因により給気ファン44が駆動停止している場合、故障診断運転制御処理部52は、ファン駆動処理部522を通じて給気ファン44に定格周波数(例えば40Hz程度)での駆動指令を送出して、該給気ファン44を定格周波数で駆動させ(ステップS102)、予め決められた所定時間(例えば30分間〜60分間程度)の経過待ちとなる(ステップS103)。所定時間が経過した場合(ステップS103:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、差圧判定処理を実施する(ステップS104)。
一方、ステップS101において給気ファン44が駆動している場合(ステップS101:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、差圧判定処理を実施する(ステップS104)。
図4は、図3に示した差圧判定処理の処理内容を示すフローチャートである。この差圧判定処理の故障診断運転制御処理部52は、入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号の入力の有無、すなわち差圧検知センサ32により差圧(直前差圧)が検知されたか否かを判断する(ステップS104A)。
差圧検知センサ32により直前差圧が検知されていないと判断した場合(ステップS104A:No)、故障診断運転制御処理部52はかかる処理を繰り返す。一方、差圧検知センサ32により直前差圧が検知された場合(ステップS104A:Yes)、すなわち入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号を入力した場合、故障診断運転制御処理部52は、ファン駆動処理部522を通じて給気ファン44に運転許容範囲の最大周波数(例えば60Hz程度)での駆動指令を送出して、該給気ファン44を最大周波数で駆動させ(ステップS104B)、該ステップS104Bの処理を開始してから予め設定された設定時間(例えば10分間〜15分間程度)が経過するまでに、入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号の入力待ち、すなわち差圧検知センサ32による差圧(第1の差圧)の検知待ちとなる(ステップS104C,ステップS104D)。
第1の差圧が検知され、かつ設定時間が経過した場合(ステップS104C:Yes,ステップS104D:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、ファン駆動処理部522を通じて給気ファン44に運転許容範囲の最小周波数(例えば15Hz程度)での駆動指令を送出して、該給気ファン44を最小周波数で駆動させ(ステップS104E)、該ステップS104Eの処理を開始してから予め設定された設定時間(例えば10分間〜15分間程度)が経過するまでに、入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号の入力待ち、すなわち差圧検知センサ32による差圧(第2の差圧)の検知待ちとなる(ステップS104F,ステップS104G)。
第2の差圧が検知され、かつ設定時間が経過した場合(ステップS104F:Yes,ステップS104G:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、直前差圧と第1の差圧との差の絶対値(第1の絶対値)と、第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値(第2の絶対値)とを算出する(ステップS104H)。
このように第1の絶対値と第2の絶対値とを算出した故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて記憶部55より設定値情報を読み出し、第1の絶対値と設定値情報に含まれる設定値(例えば1Pa)とを比較するとともに、第2の絶対値と設定値とを比較する(ステップS104I)。
上記ステップS104Iの結果、第1の絶対値と第2の絶対値との少なくとも一方が設定値以上である場合(ステップS104J:Yes)、すなわち、第1の絶対値のみが設定値以上の場合、第2の絶対値のみが設定値以上の場合、あるいは第1の絶対値及び第2の絶対値が設定値以上の場合、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、「OK」と判定して記憶部55に記憶させ(ステップS104K)、その後に手順をリターンさせて今回の差圧判定処理を終了する。
一方、上記ステップS104Iの結果、第1の絶対値と第2の絶対値との少なくとも一方が設定値以上でない場合(ステップS104J:No)、すなわち、第1の絶対値及び第2の絶対値が設定値未満の場合、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、「NG」と判定して記憶部55に記憶させ(ステップS104L)、その後に手順をリターンさせて今回の差圧判定処理を終了する。
上記差圧判定処理を実施した故障診断運転制御処理部52は、第2判定処理部524を通じて差圧判定処理にて「NG」判定があったか否かを判断し(ステップS105)、「NG」判定がない場合(ステップS105:No)、手順をリターンさせて今回の故障診断運転を終了する。
一方、「NG」判定があった場合(ステップS105:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、第2判定処理部524を通じて「NG」判定の連続回数をカウントし(ステップS106)、「NG」判定の連続回数が、記憶部55から読み出した基準回数情報に含まれる基準回数(例えば4回)以上であるか否かを判定する(ステップS107)。
「NG」判定の連続回数が基準回数以上でない場合(ステップS107:No)、故障診断運転制御処理部52は、手順をリターンさせて今回の故障診断運転を終了する。
一方、「NG」判定の連続回数が基準回数以上である場合(ステップS107:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、出力処理部525を通じて報知部60に対して報知指令を出力する(ステップS108)。これにより報知部60は、表示部に警告表示を行う等の報知動作を行う。その後、故障診断運転制御処理部52は、手順をリターンさせて今回の故障診断運転を終了する。
そのような故障診断運転を行った制御部50は、その後に定格周波数で給気ファン44を所定時間駆動させた後に、上記通常運転を行う。
以上説明したように、本発明の実施の形態である給気システムによれば、制御部50が、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、給気ファン44を最大周波数で設定時間駆動させつつ差圧検知センサ32により第1の差圧を検知した後に、給気ファン44を最小周波数で設定時間駆動させつつ差圧検知センサ32により第2の差圧を検知し、かつ給気ファン44を最大周波数で駆動させる直前に差圧検知センサ32により検知された直前差圧と第1の差圧との差の第1の絶対値と、第1の差圧と第2の差圧との差の第2の絶対値との少なくとも一方が設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行っており、該制御部50が、故障診断運転において、第1の絶対値と第2の絶対値とが設定値未満であると連続して判定した回数が基準回数以上となる場合、報知部60に報知動作をさせるので、圧力差を強制的に作り出したときの差圧の差の絶対値を利用することができ、店舗1の内外の差圧を検知する差圧検知装置30の故障の有無を良好に診断することができる。
これにより、給気ファン44を無駄に駆動させて消費電力量の増大化を防止できるとともに、店舗1の内部の圧力が店舗1の外部の圧力よりも大きくなるよう、給気ファン44を駆動させて、店舗1の正圧化を図ることができる。
上記給気システムによれば、制御部50が、故障診断運転の開始条件を満足する時点で給気ファン44が駆動停止している場合、該給気ファン44を定格周波数で所定時間駆動させるので、給気ファン44を駆動させた状態で差圧(直前差圧)を検知することができ、これにより故障有無の判断の精度向上を図ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
上述した実施の形態では、直前差圧を検知して、第1の絶対値及び第2の絶対値を算出していたが、本発明においては、図5に示すように、直前差圧を検知せずに、第1の差圧と第2の差圧とを検知して第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値が設定値以上であるか否かを判定するようにしてもよい。
図5は、図4に示した差圧判定処理の変形例の処理内容を示すフローチャートである。尚、故障診断運転における差圧判定処理以外の処理(ステップS101〜ステップS103、ステップS105〜ステップS108)については、上述した実施の形態と同じであるので、ここでは差圧判定処理についてだけ説明する。
この差圧判定処理の故障診断運転制御処理部52は、ファン駆動処理部522を通じて給気ファン44に運転許容範囲の最大周波数(例えば60Hz程度)での駆動指令を送出して、該給気ファン44を最大周波数で駆動させ(ステップS104B)、該ステップS104Bの処理を開始してから予め設定された設定時間(例えば10分間〜15分間程度)が経過するまでに、入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号の入力待ち、すなわち差圧検知センサ32による差圧(第1の差圧)の検知待ちとなる(ステップS104C,ステップS104D)。
第1の差圧が検知され、かつ設定時間が経過した場合(ステップS104C:Yes,ステップS104D:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、ファン駆動処理部522を通じて給気ファン44に運転許容範囲の最小周波数(例えば15Hz程度)での駆動指令を送出して、該給気ファン44を最小周波数で駆動させ(ステップS104E)、該ステップS104Eの処理を開始してから予め設定された設定時間(例えば10分間〜15分間程度)が経過するまでに、入力処理部521を通じて差圧検知センサ32からの差圧信号の入力待ち、すなわち差圧検知センサ32による差圧(第2の差圧)の検知待ちとなる(ステップS104F,ステップS104G)。
第2の差圧が検知され、かつ設定時間が経過した場合(ステップS104F:Yes,ステップS104G:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値を算出する(ステップS104h)。
そのように絶対値を算出した故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて記憶部55より設定値情報を読み出し、絶対値と設定値(例えば1Pa)とを比較する(ステップS104I)。
上記ステップS104Iの結果、絶対値が設定値以上である場合(ステップS104j:Yes)、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、「OK」と判定して記憶部55に記憶させ(ステップS104K)、その後に手順をリターンさせて今回の差圧判定処理を終了する。
一方、上記ステップS104Iの結果、絶対値が設定値以上でない場合(ステップS104j:No)、故障診断運転制御処理部52は、第1判定処理部523を通じて、「NG」と判定して記憶部55に記憶させ(ステップS104L)、その後に手順をリターンさせて今回の差圧判定処理を終了する。
そのような差圧判定処理を含む故障診断運転を行うことにより、圧力差を強制的に作り出したときの差圧の差の絶対値を利用することができ、店舗1の内外の差圧を検知する差圧検知装置30の故障の有無を良好に診断することができる。
上述した実施の形態や図5に示した例では、給気ファン44を最大周波数で駆動させた後に最小周波数で駆動させていたが、本発明においては、給気ファンを最小周波数で駆動させた後に最大周波数で駆動させるようにしてもよい。
1…店舗(対象室)、10…空調装置、20a,20b…排気装置、30…差圧検知装置、31…差圧検知用ダクト、32…差圧検知センサ、40…給気装置、41…給気流路、42…外気導入口、43a,43b…給気口、44…給気ファン、44a…給気ファン検知センサ、50…制御部、51…通常運転制御処理部、52…故障診断運転制御処理部、521…入力処理部、522…ファン駆動処理部、523…第1判定処理部、524…第2判定処理部、525…出力処理部、55…記憶部、60…報知部。

Claims (3)

  1. 対象室の内部と外部との差圧を検知する差圧検知センサにより検知された差圧に基づいて、前記対象室の内部に外部空気を供給する給気ファンを駆動させる通常運転を行う制御部を備えた給気システムであって、
    前記制御部は、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、前記給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ第1の差圧と第2の差圧との差の絶対値が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、
    前記制御部は、前記故障診断運転において、前記絶対値が前記設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせることを特徴とする給気システム。
  2. 対象室の内部と外部との差圧を検知する差圧検知センサにより検知された差圧に基づいて、前記対象室の内部に外部空気を供給する給気ファンを駆動させる通常運転を行う制御部を備えた給気システムであって、
    前記制御部は、故障診断運転の開始条件を満足する場合に、前記給気ファンを運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第1の差圧を検知した後に、前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の他方で所定時間駆動させつつ前記差圧検知センサにより第2の差圧を検知し、かつ前記給気ファンを前記運転許容範囲の最大周波数及び最小周波数の一方で所定時間駆動させる直前に前記差圧検知センサにより検知された直前差圧と前記第1の差圧との差の第1の絶対値と、前記第1の差圧と前記第2の差圧との差の第2の絶対値との少なくとも一方が予め設定された設定値以上であるか否かを判定する故障診断運転を行うものであり、
    前記制御部は、前記故障診断運転において、前記第1の絶対値と前記第2の絶対値とが前記設定値未満であると連続して判定した回数が、予め決められた基準回数以上となる場合、報知部に報知動作をさせることを特徴とする給気システム。
  3. 前記制御部は、前記故障診断運転の開始条件を満足する時点で前記給気ファンが駆動停止している場合、該給気ファンを予め決められた周波数で所定時間駆動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の給気システム。
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