JP2021139542A - 空気調和装置 - Google Patents

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JP2021139542A JP2020037153A JP2020037153A JP2021139542A JP 2021139542 A JP2021139542 A JP 2021139542A JP 2020037153 A JP2020037153 A JP 2020037153A JP 2020037153 A JP2020037153 A JP 2020037153A JP 2021139542 A JP2021139542 A JP 2021139542A
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宏明 ▲高▼橋
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薫 穀田
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伸幸 土畠
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一樹 兼井
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純平 桶田
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Abstract

【課題】暖房運転に圧縮機に冷媒を抽入する場合に、適切に室外膨張弁の開度を調整できる空気調和装置を提供する。【解決手段】空気調和装置1が暖房運転を行い、かつ、圧縮機20に冷媒をインジェクションしているとき、冷媒吸入過熱度SHsが閾冷媒吸入過熱度SHsaより小さい値であれば、CPU210は、室外膨張弁24の開度制御を吸入冷媒過熱度保護制御とする。そして、吸入冷媒過熱度保護制御を実行しているときに室外膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plimより小さい開度となれば、CPU210は、吸入冷媒過熱度保護制御を止めて通常の制御に戻す。【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機の圧縮室に冷媒をインジェクションできる空気調和装置に関する。
従来、低外気温度下で暖房能力を向上させるために、圧縮機の圧縮室に凝縮器として機能する熱交換器から流出した冷媒の一部を抽入できる、所謂インジェクションが行える空気調和装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の空気調和装置は、室外機に、圧縮室に冷媒を抽入可能なインジェクションポートを有する圧縮機と、室外熱交換器と、室外膨張弁と、過冷却熱交換器と、インジェクション膨張弁を備え一端が圧縮機のインジェクションポートに接続され他端が暖房運転時の過冷却熱交換器の冷媒入り口側に接続されるインジェクション管とを有する。
上述した空気調和装置で、低外気温度(例えば、2℃)下で暖房運転を行うときは、インジェクション膨張弁を開いて室内機から室外機に流入した冷媒の一部をインジェクション管に分流させる。インジェクション管に分流した冷媒は、過冷却熱交換器において室外膨張弁を通過して室外熱交換器へと流れる冷媒と熱交換を行って加熱されて、インジェクションポートを介して圧縮機の圧縮室に抽入される。
ところで、暖房運転時の室外膨張弁の開度制御は、インジェクションを行わない場合(以降、非INJ時と記載する場合がある)とインジェクションを行う場合(以降、INJ時と記載する場合がある)とでその制御態様が異なる。
まず、非INJ時では、圧縮機に吸入される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度が0deg以上の所定の値(例えば、2deg)以上となるような吐出温度を、凝縮圧力と蒸発圧力とを用いて算出してこれを目標吐出温度とし、定期的(例えば、2分毎)に検出した吐出温度が目標吐出温度となるように、吐出温度を検出する度に室外膨張弁の開度が調整される。具体的には、検出した吐出温度が目標吐出温度より大きな値である場合は室外膨張弁の開度を現在の開度より大きくし、検出した吐出温度が目標吐出温度より小さな値である場合は室外膨張弁の開度を現在の開度より小さくする。このとき、検出した吐出温度と目標吐出温度との差分が大きいほど、室外膨張弁の開度を大きく変化させる。
一方、INJ時では、圧縮機の圧縮室に冷媒が抽入されることで冷凍サイクルにおける圧縮行程で冷媒の状態が変化し、かつ、冷媒の状態の変化度合いは圧縮機に抽入される冷媒の量や、抽入される冷媒におけるガス冷媒と液冷媒との比率によって異なるため、上述した非INJ時のように吸入冷媒過熱度が所定の値以上となるような目標吐出温度を算出できない。そこで、INJ時では、蒸発温度と吸入温度とを定期的(例えば、2分毎)に検出しこれらを用いて吸入冷媒過熱度を算出し、算出した吸入冷媒過熱度が予め定められた目標吸入冷媒過熱度(例えば、4deg)となるように室外膨張弁の開度が調整される。具体的には、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度より大きな値である場合は室外膨張弁の開度を現在の開度より大きくし、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度より小さな値である場合は室外膨張弁の開度を現在の開度より小さくする。そして、算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分が大きいほど、室外膨張弁の開度の変化量を大きくする。
ところで、上述したINJ時の室外膨張弁の開度制御において、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるように室外膨張弁の開度を調整していても、吸入冷媒過熱度が急激に低下する場合がある。例えば、圧縮機の回転数が急激に上昇した場合や低外気温度下で暖房運転を開始した場合が相当する。このような場合は、アキュムレータに多量に溜まった液冷媒がアキュムレータから流出して圧縮機に向かって流れるため、吸入冷媒過熱度が急激に低下する。
上記のように吸入冷媒過熱度が急激に低下して0degとなる、つまり、圧縮機に吸入される冷媒が液冷媒となれば、圧縮機で液圧縮を起こして圧縮機が故障する恐れがある。そこで、INJ時の室外膨張弁の開度制御において、算出した吸入冷媒過熱度が例えば2deg以下となれば、算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分で決定した室外膨張弁の開度の変化量をより大きくして圧縮機に吸入される冷媒量を減少させる。例えば、差分に応じて決定した室外膨張弁の開度である場合の圧縮機に吸入される冷媒量より少ない冷媒量となるように、室外膨張弁の開度を差分に応じて決定した室外膨張弁の開度より小さくすることで、実際の吸入冷媒過熱度が0degとならないようにする(以降、吸入冷媒過熱度保護制御と記載する場合がある)ことが考えられる。
特開2007−263440号公報
上述したように、INJ時に吸入冷媒過熱度保護制御を行うと、吸入冷媒過熱度保護制御を行わない場合と比べて室外膨張弁の開度の変化量が大きくされる。また、吸入冷媒過熱度は定期的に算出され、この吸入冷媒過熱度を算出する度に目標吸入冷媒過熱度との差分に応じて室外膨張弁の開度が調整される。しかし、室外膨張弁の開度が調整された効果が実際の吸入冷媒過熱度の値に反映されるのに時間がかかり、吸入冷媒過熱度保護制御で室外膨張弁の開度が大きく変化されたときに吸入冷媒過熱度の変化が遅れて目標吸入冷媒過熱度を大きく上回るあるいは大きく下回る値となることがある。そして、吸入過熱度を目標吸入冷媒過熱度にするために室外膨張弁の開度が調整された結果、行き過ぎてしまった吸入冷媒過熱度を目標吸入冷媒過熱度とするために再び室外膨張弁の開度が大きく変化されて目標吸入冷媒過熱度を大きく上回るあるいは大きく下回って室外膨張弁の開度が大きく変化される、といったことが繰り返される室外膨張弁の開度制御のハンチングが発生する恐れがあった。
また、室外膨張弁の開度が調整された効果が実際の吸入冷媒過熱度の値に反映されるのに時間がかかることに起因して、吸入冷媒過熱度保護制御を開始した後、実際の吸入冷媒過熱度が上昇に転じるまでの間に室外膨張弁の開度が絞られすぎてしまい、圧縮機の吸入圧力が圧縮機の使用範囲を下回って圧縮機が保護停止する恐れがあった。
本発明は以上述べた問題点を解決するものであって、暖房運転におけるINJ時に適切に室外膨張弁の開度を調整できる空気調和装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気調和装置は、圧縮室に冷媒を導くインジェクションポートを有する圧縮機と熱源側熱交換器と第1膨張弁と利用側熱交換器とが順次冷媒配管で接続されて形成される冷媒回路と、一端がインジェクションポートに接続され他端が第1膨張弁と利用側熱交換器の間に接続されるインジェクション管とこのインジェクション管に設けられる第2膨張弁とで形成されるインジェクション回路と、圧縮機に吸入される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度を検出する吸入冷媒過熱度検出手段と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、第1膨張弁および第2膨張弁を制御する制御手段とを有する。制御手段は、暖房運転時にインジェクション回路から圧縮機へ冷媒の抽入を行う場合は、吸入冷媒過熱度検出手段で検出した吸入冷媒過熱度と所定の目標吸入冷媒過熱度との差分である吸入冷媒過熱度差に基づいて第1膨張弁の開度を調整する第1開度制御を実行する。そして、制御手段は、第1開度制御を実行しているとき、吸入冷媒過熱度検出手段で検出した吸入冷媒過熱度が所定の閾吸入冷媒過熱度より小さい値となれば、吸入冷媒過熱度差に基づく第1膨張弁の開度の変化量を補正し、補正後の変化量で第1膨張弁の開度を調整する第2開度制御を実行し、第2開度制御を実行しているとき、第1膨張弁の開度が下限膨張弁開度より小さくなれば、第2開度制御を止めて第1開度制御を実行する。
上記のように構成した本発明の空気調和装置によれば、暖房運転におけるINJ時に適切に室外膨張弁の開度を調整できる。
本発明の実施形態における、空気調和装置の説明図であり、(A)は冷媒回路図、(B)は室外機制御手段のブロック図である。 本発明の実施形態における、室外膨張弁の開度の時間変化を示す図面である。 本発明の実施形態における、下限冷媒流量と下限膨張弁開度の関係を示す図面である。 本発明の実施形態における、室外機制御手段が実行する室外膨張弁の開度調整に関わる処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機に3台の室内機が並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、1台の室外機2と、室外機2に液管8およびガス管9で並列に接続された3台の室内機5a〜5cを備えている。詳細には、液管8は、一端が室外機2の閉鎖弁25に、他端が分岐して室内機5a〜5cの各液管接続部53a〜53cに、それぞれ接続されている。また、ガス管9は、一端が室外機2の閉鎖弁26に、他端が分岐して室内機5a〜5cの各ガス管接続部54a〜54cに、それぞれ接続されている。以上により、空気調和装置1の冷媒回路100が形成されている。
<室外機の構成>
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機20と、四方弁21と、室外熱交換器22と、過冷却熱交換器23と、室外膨張弁24と、液管8の一端が接続された閉鎖弁25と、ガス管9の一端が接続された閉鎖弁26と、アキュムレータ27と、室外ファン28と、インジェクション膨張弁29と、レシーバ30を備えている。そして、室外ファン28を除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室外機冷媒回路20を形成している。
圧縮機20は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで、運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機20の冷媒吐出側は、後述する四方弁21のポートaと吐出管41で接続されており、また、圧縮機20の冷媒吸入側は、アキュムレータ27の冷媒流出側と吸入管42で接続されている。圧縮機20には、後述するインジェクション管47から圧縮機20の内部の図示しない圧縮室に冷媒を抽入するためのインジェクションポート20aが設けられている。
四方弁21は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。ポートaは、上述したように圧縮機20の冷媒吐出側と吐出管41で接続されている。ポートbは、室外熱交換器22の一方の冷媒出入口と冷媒配管43で接続されている。ポートcは、アキュムレータ27の冷媒流入側と冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdは、閉鎖弁26と室外機ガス管45で接続されている。
室外熱交換器22は、例えばフィンアンドチューブ式の熱交換器であり、冷媒と、後述する室外ファン28の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気を熱交換させるものである。室外熱交換器22の一方の冷媒出入口は、上述したように四方弁21のポートbと冷媒配管43で接続され、他方の冷媒出入口は後述するレシーバ30と第1室外機液管44aで接続されている。なお、室外熱交換器22が、本発明の熱源側熱交換器に相当する。
室外膨張弁24は、第1室外機液管44aに設けられている。室外膨張弁24は電子膨張弁であり、冷房運転時は、後述する過冷却熱交換器23の冷媒出口側における冷媒の過冷却度が所定の目標値となるようにその開度が調整される。また、暖房運転時は後述するように、圧縮機20にインジェクションを行わない場合は、圧縮機20から吐出される冷媒の温度である吐出温度が所定の目標吐出温度となるようにその開度が調整され、圧縮機20にインジェクションを行う場合は、圧縮機20に吐出される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度が所定の目標吸入冷媒過熱度となるようにその開度が調整される。なお、この室外膨張弁24が本発明の第1膨張弁に相当する。
過冷却熱交換器23は、室外膨張弁24と閉鎖弁25の間に配置される。過冷却熱交換器23は例えば二重管熱交換器であり、二重管熱交換器の図示しない内管が後述するインジェクション管47の一部となるように配置され、図示しない外管が第1室外機液管44aの一部となるように配置される。過冷却熱交換器23では、後述するインジェクション膨張弁29で減圧されて内管を流れる冷媒と、第1室外機液管44aから外管へと流れる冷媒が熱交換を行う。
レシーバ30は、過冷却熱交換器23と閉鎖弁25の間に配置され、前述したように第1室外機液管44aで室外熱交換器22と接続されるとともに、第2室外機液管44bで閉鎖弁25と接続される。レシーバ30は、室外熱交換器22の内部における冷媒量を調整するバッファとしての役割を果たす。また、レシーバ30は、流入した冷媒の気液分離を行う。
インジェクション管47は、一端が第1室外機液管44aにおける過冷却熱交換器23とレシーバ30の間に接続され、他端が圧縮機20のインジェクションポート20aに接続されている。上述したように、過冷却熱交換器23の図示しない内管はインジェクション管47の一部とされており、インジェクション管47の第1室外機液管44aにおける接続点と過冷却熱交換器23の内管の間にインジェクション膨張弁29が設けられている。インジェクション膨張弁29は電子膨張弁であり、その開度が調整されることで第1室外機液管44aから分流した冷媒の一部を減圧し過冷却熱交換器23を介して圧縮機20にインジェクションポート20aを介して抽入される冷媒量を調整する。なお、インジェクション膨張弁29が本発明の第2膨張弁に相当する。また、インジェクション管47とインジェクション膨張弁29とで本発明のインジェクション回路が形成される。
アキュムレータ27は、前述したように、冷媒流入側が四方弁21のポートcと冷媒配管46で接続されるとともに、冷媒流出側が圧縮機20の冷媒吸入側と吸入管42で接続されている。アキュムレータ27は、冷媒配管46からアキュムレータ27の内部に流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離してガス冷媒のみを圧縮機20に吸入させる。
室外ファン28は樹脂材で形成されており、室外熱交換器22の近傍に配置されている。室外ファン28は、図示しないファンモータによって回転することで図示しない吸込口から室外機2の内部へ外気を取り込み、室外熱交換器22において冷媒と熱交換した外気を図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機20から吐出される冷媒の圧力である吐出圧力を検出する吐出圧力センサ31と、圧縮機20から吐出される冷媒の温度である吐出温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ27の冷媒流入口の近傍には、圧縮機20に吸入される冷媒の圧力である吸入圧力を検出する吸入圧力センサ32と、圧縮機20に吸入される冷媒の温度である吸入温度を検出する吸入温度センサ34が設けられている。なお、吐出温度センサ33が本発明の吐出温度検出手段に相当する。また、吐出圧力センサ31と吐出温度センサ33と後述する室外機制御手段200とで本発明の吐出冷媒過熱度検出手段が構成される。
第1室外機液管44aにおける室外熱交換器22と室外膨張弁24の間には、第1室外機液管44aを流れる冷媒の温度を検出するための液温度センサ35が設けられている。室外熱交換器22の図示しない熱交パスの中間部には、室外熱交換器22の温度を検出する室外熱交中間温度センサ36が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度センサ37が備えられている。なお、室外熱交中間温度センサ36と吸入温度センサ34と後述する室外機制御手段200とで本発明の吸入冷媒過熱度検出手段が形成される。また、外気温度センサ37が本発明の外気温度検出手段に相当する。
また、室外機2には、室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納されている制御基板に搭載されている。図1(B)に示すように、室外機制御手段200は、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240を備えている。
記憶部220は、例えばフラッシュメモリで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機20や室外ファン28の制御状態などを記憶している。通信部230は、室内機5a〜5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。
CPU210は、前述した室外機2の各センサでの検出結果を、センサ入力部240を介して取り込む。また、CPU210は、室内機5a〜5cから送信される制御信号を、通信部230を介して取り込む。CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、圧縮機20や室外ファン28の駆動制御を行う。また、CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、四方弁21の切り換え制御を行う。さらには、CPU210は、取り込んだ検出結果や制御信号に基づいて、室外膨張弁24やインジェクション膨張弁29の開度調整を行う。
なお、室外膨張弁24やインジェクション膨張弁29の開度調整については、後に詳細に説明する。
<室内機の構成>
次に、3台の室内機5a〜5cについて説明する。3台の室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、室内膨張弁52a〜52cと、分岐した液管8の他端が接続された液管接続部53a〜53cと、分岐したガス管9の他端が接続されたガス管接続部54a〜54cと、室内ファン55a〜55cを備えている。そして、室内ファン55a〜55cを除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを形成している。
尚、室内機5a〜5cの構成は全て同じであるため、以下の説明では、室内機5aの構成についてのみ説明を行い、その他の室内機5b、5cについては説明を省略する。また、図1では、室内機5a中の各構成に付与した番号の末尾をaからbまたはcにそれぞれ変更したものが、室内機5a中の各構成と対応する室内機5b、5cの各構成となる。
室内熱交換器51aは、冷媒と後述する室内ファン55aの回転により図示しない吸込口から室内機5aの内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものであり、一方の冷媒出入口が液管接続部53aと室内機液管71aで接続され、他方の冷媒出入口がガス管接続部54aと室内機ガス管72aで接続されている。室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。尚、液管接続部53aには液管8が溶接やフレアナット等により接続され、また、ガス管接続部54aにはガス管9が溶接やフレアナット等により接続されている。また、室内熱交換器51aが、本発明の利用側熱交換器に相当する。
室内膨張弁52aは、室内機液管71aに設けられている。室内膨張弁52aは電子膨張弁であり、室内熱交換器51aが蒸発器として機能する場合すなわち室内機5aが冷房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51aの冷媒出口(ガス管接続部54a側)での冷媒過熱度が目標冷媒過熱度となるように調整される。また、室内膨張弁52aは、室内熱交換器51aが凝縮器として機能する場合すなわち室内機5aが暖房運転を行う場合は、その開度は、室内熱交換器51aの冷媒出口(液管接続部53a側)での冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度となるように調整される。ここで、目標冷媒過熱度や目標冷媒過冷却度は、室内機5aで十分な暖房能力あるいは冷房能力が発揮されるための値である。
室内ファン55aは樹脂材で形成されており、室内熱交換器51aの近傍に配置されている。室内ファン55aは、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5aの内に室内空気を取り込み、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気を図示しない吹出口から室内へ供給する。
以上説明した構成の他に、室内機5aには各種のセンサが設けられている。室内機液管71aにおける室内熱交換器51aと室内膨張弁52aの間には、室内熱交換器51aに流入あるいは室内熱交換器51aから流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61aが設けられている。室内機ガス管72aには、室内熱交換器51aから流出あるいは室内熱交換器51aに流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62aが設けられている。室内機5aの図示しない吸込口付近には、室内機5aの内部に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室内温度センサ63aが備えられている。
また、図示と詳細な説明は省略するが、室内機5aには、室内機制御手段が備えられている。室内機制御手段は、室外機制御手段200と同様に、CPUと、記憶部と、室外機2と通信を行う通信部と、上述した各温度センサの検出値を取り込むセンサ入力部を備えている。
<空気調和装置の動作>
次に、本実施形態における空気調和装置1の空調運転時の冷媒回路100における冷媒の流れや各部の動作について、図1(A)を用いて説明する。尚、以下の説明では、室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合について説明し、冷房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。なお、以下の説明では、圧縮機20に冷媒をインジェクションしない非INJ時と、圧縮機20に冷媒をインジェクションするINJ時とに分けて説明する。図1(A)において、実線矢印は非INJ時およびINJ時におけるインジェクション管47以外の冷媒回路100における冷媒の流れを示しており、破線矢印はINJ時におけるインジェクション管47での冷媒の流れを示している。
<非INJ時の動作>
まず、図1(A)を用いて、暖房運転における非INJ時の冷媒回路100の動作を説明する。空気調和装置1が暖房運転を行っているときに後述するインジェクション開始条件が成立していない場合は、インジェクション膨張弁29が閉じられてインジェクション管47に冷媒が流れないようにする。また、四方弁21が実線で示す状態、すなわち、四方弁21のポートaとポートdが連通するように、また、ポートbとポートcが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路100は、室外熱交換器22が蒸発器として機能するとともに室内熱交換器51a〜51cのそれぞれが凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
冷媒回路100が上記の状態となって圧縮機20が駆動すると、圧縮機20から吐出された冷媒は、吐出管41を流れて四方弁21に流入し、四方弁21から室外機ガス管45を流れ閉鎖弁26を介してガス管9に流出する。ガス管9に流出した冷媒は分流しガス管接続部54a〜54cを介して室内機5a〜5cに流入する。
室内機5a〜5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72a〜72cを流れて室内熱交換器51a〜51cに流入し、室内ファン55a〜55cの回転により室内機5a〜5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。このように、室内熱交換器51a〜51cが凝縮器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行って加熱された室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された室内の暖房が行われる。
室内熱交換器51a〜51cから室内機液管71a〜71cへと流出した冷媒は、室内膨張弁52a〜52cを通過する際に減圧される。室内膨張弁52a〜52cを通過した冷媒は、室内機液管71a〜71cを流れて液管接続部53a〜53cを介して室内機5a〜5cから液管8へと流出する。
室内機5a〜5cから液管8へと流出した冷媒は液管8で合流し、閉鎖弁25を介して室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、第2室外機液管44bを流れてレシーバ30に流入する。レシーバ30から第1室外機液管44aに流出した冷媒は過冷却熱交換器23を経て室外膨張弁24へと流れ、室外膨張弁24を通過する際に減圧される。
このとき、室外膨張弁24の開度は、吐出温度センサ33で検出した吐出温度が、凝縮圧力と蒸発圧力とを用いて算出した目標吐出温度となるように調整される。室外機制御手段200の記憶部220には、目標吐出温度を求めるための凝縮圧力と蒸発圧力を含む演算式が予め記憶されており、この関数に、吐出圧力センサ31で検出する凝縮圧力相当の圧力である吐出圧力と、吸入圧力センサ32で検出する蒸発圧力相当の圧力である吸入圧力とが代入されることで、目標吐出温度が求められる。なお、この関数を用いて求められる目標吐出温度は、実際の吐出温度が目標吐出温度となれば、圧縮機20に吸入される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度が0deg以上の所定の値(例えば、2deg)以上となる吐出温度であることが予め確認できているものである。
吐出温度センサ33で検出した吐出温度は定期的(例えば、2分毎)に取り込まれ、吐出温度が取り込まれる度に目標吐出温度との差分を求めこの差分に応じて室外膨張弁24の開度が調整される。具体的には、吐出温度センサ33で検出した吐出温度が目標吐出温度より大きな値である場合は、室外膨張弁24の開度は現在の開度より大きくされ、吐出温度センサ33で検出した吐出温度が目標吐出温度より小さな値である場合は、室外膨張弁24の開度は現在の開度より小さくされる。このとき、吐出温度センサ33で検出した吐出温度と目標吐出温度との差分が大きいほど、室外膨張弁24の開度の変化量は大きくなる。
なお、上述した吐出温度を用いた室外膨張弁24の開度制御が、本発明の第3開度制御である。
室外膨張弁24で減圧された冷媒は室外熱交換器22に流入し、室外ファン28の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器22から冷媒配管43に流出した冷媒は、四方弁21、冷媒配管46、アキュムレータ27、吸入管42の順に流れ、圧縮機20に吸入されて再び圧縮される。
<INJ時の動作>
次に、図1(A)を用いて、暖房運転でINJ時の冷媒回路100の動作を説明する。なお、非INJ時とINJ時とで異なるのは、インジェクション膨張弁29が開かれてインジェクション管47に冷媒が分流しインジェクションポート20aを介して圧縮機20に冷媒がインジェクションされること、および、室外膨張弁24の開度制御の方法のみであり、これら以外の冷媒回路100の動作は前述した非INJ時と同じであるため、詳細な説明を省略する。
空気調和装置1が暖房運転を行っているときにインジェクション開始条件が成立している場合は、インジェクション膨張弁29が開かれて、図1(A)に破線矢印で示すように、第1室外機液管44aを流れる冷媒の一部がインジェクション管47に分流し、過冷却熱交換器23において第1液分管44aを流れる冷媒と熱交換を行って加熱される。そして、過冷却熱交換器23で加熱された冷媒は、インジェクションポート20aを介して圧縮機20に抽入される。
ここで、インジェクション開始条件は、予め試験などを行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものである。インジェクション開始条件が成立しているときは、使用者が要求する暖房能力を発揮できない場合があるが、このときに圧縮機20にインジェクションを行えば暖房能力が大きくなって使用者が要求する暖房能力を発揮できるようになる。本実施形態では、インジェクション開始条件は次の通りである。
インジェクション開始条件:以下1)〜3)をすべて満たせば成立
1)圧縮機20の回転数が50rps以上
2)外気温度が2℃以下
3)圧縮機20から吐出される冷媒の過熱度である吐出冷媒過熱度が30deg以上
※吐出冷媒過熱度=吐出温度−高圧飽和温度
吐出温度:吐出温度センサ33で検出
高圧飽和温度:吐出圧力センサ31で検出した吐出圧力から換算
また、室外膨張弁24の開度は、圧縮機20に吸入される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるように調整される。ここで、吸入冷媒過熱度は、吸入温度センサ34で検出される吸入温度から室外中間熱交温度センサ36で検出される室外中間熱交温度を減じて求めることができる。また、目標吸入冷媒過熱度は、予め試験などを行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている値であり、圧縮機20に吸入される冷媒を確実にガス冷媒とできる値である。本実施形態では、目標吸入冷媒過熱度は4degである。
吸入温度センサ34で検出される吸入温度および室外中間熱交温度センサ36で検出される室外中間熱交温度は、それぞれ定期的(例えば、2分毎)に取り込まれ、これら各温度が取り込まれる度に吸入冷媒過熱度が算出される。そして、吸入冷媒過熱度が算出される度に目標吸入冷媒過熱度との差分を求めこの差分に応じて室外膨張弁24の開度が調整される。具体的には、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度より大きな値である場合は、室外膨張弁24の開度は現在の開度より大きくされ、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度より小さな値である場合は、室外膨張弁24の開度は現在の開度より小さくされる。このとき、算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分が大きいほど、室外膨張弁24の開度の変化量は大きくなる。
なお、上述した吸入冷媒過熱度を用いた室外膨張弁24の開度制御が、本発明の第1開度制御である。
なお、INJ時に、前述したインジェクション開始条件の1)あるいは2)のいずれかが成立しなくなった場合、あるいは、吐出冷媒過熱度が10deg以下となった場合は、インジェクション膨張弁29を閉じて圧縮機20への冷媒のインジェクションを停止する、すなわち、非INJ時の暖房運転制御とする。ここで、吐出冷媒過熱度のみ開始条件と異なる値としているのは、非INJ時とINJ時の切り替わりが頻繁に発生する所謂ハンチングを防ぐためであり、本実施形態では10degとしているが、開始条件3)の30degより小さな値、例えば、15degや20degであってもよい。また、以上に説明したインジェクションを停止する条件を、以降の説明でインジェクション終了条件と記載する場合がある。
また、インジェクション膨張弁29の開度は、前述した方法で算出した吐出冷媒過熱度が目標吐出冷媒過熱度となるように調整される。ここで、目標吐出冷媒過熱度は、予め試験などを行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている値であり、圧縮機20に冷媒をインジェクションしている場合に吐出冷媒過熱度を目標吐出冷媒過熱度とすれば、室内機5a〜5cのそれぞれで要求される暖房能力を発揮できることが判明している値である。本実施形態では、目標吐出冷媒過熱度は30degである。
吐出温度センサ33で検出される吐出温度および吐出圧力センサ31で検出される吐出圧力は、それぞれ定期的(例えば、2分毎)に取り込まれ、吐出温度および吐出圧力が取り込まれる度に吐出冷媒過熱度が算出される。そして、吐出冷媒過熱度が算出される度に目標吐出冷媒過熱度との差分を求めこの差分に応じて室外膨張弁24の開度が調整される。具体的には、算出した吐出冷媒過熱度が目標吐出冷媒過熱度より大きな値である場合は、インジェクション膨張弁29の開度は現在の開度より大きくされ、算出した吐出冷媒過熱度が目標吐出冷媒過熱度より小さな値である場合は、インジェクション膨張弁29の開度は現在の開度より小さくされる。このとき、算出した吐出冷媒過熱度と目標吐出冷媒過熱度との差分が大きいほど、インジェクション膨張弁29の開度の変化量は大きくなる。
インジェクション膨張弁29が開かれると、室内機5a〜5cから室外機2に流入し、閉鎖弁25、第2室外機液管44b、および、レシーバ30を介して第1室外機液管44aに流入した冷媒の一部がインジェクション管47に分流する。一方で、第1室外機液管44aを流れる冷媒は、過冷却熱交換器23および室外膨張弁24を介して室外熱交換器22に流入する。
過冷却熱交換器23において、第1室外機液管44aから図示しない外管に流入した冷媒と、インジェクション膨張弁29で減圧されてインジェクション管47から図示しない内管に流入した冷媒が熱交換する。過冷却熱交換器23からインジェクション管47に流出した冷媒は、インジェクションポート20aを介して圧縮機20の図示しない圧縮室に抽入される。過冷却熱交換器23から第1室外機液管44aに流出した冷媒は、前述したように過冷却熱交換器23および室外膨張弁24を介して室外熱交換器22に流入して蒸発する。
<INJ時の室外膨張弁の開度制御のハンチング防止について>
前述したように、暖房運転のINJ時は、室外膨張弁24は算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるように開度が調整される。このように、INJ時に室外膨張弁24の開度制御を行っているときに、吸入冷媒過熱度が急激に低下する場合がある。例えば、圧縮機20の回転数が急激に上昇した場合や低外気温度下で暖房運転を開始した場合が相当し、このような場合はアキュムレータ27に多量に溜まった液冷媒がアキュムレータ27から流出して圧縮機20に向かって流れるため、吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度より小さいことに起因して室外膨張弁24の開度を小さくしていても実際の吸入冷媒過熱度が急激に低下する。
上記のように実際の吸入冷媒過熱度が急激に低下して0degとなる、つまり、圧縮機20に吸入される冷媒が液冷媒となれば、圧縮機20で液圧縮を起こして圧縮機20が故障する恐れがある。そこで、INJ時の室外膨張弁24の開度制御において、算出した吸入冷媒過熱度が所定の閾吸入冷媒過熱度(例えば、2deg)以下となれば、算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分で決定した室外膨張弁24の開度の変化量がより大きくなるように補正する、例えば、差分に応じて決定した変化量に所定の補正数(本実施形態では、1.1)を乗じ、室外膨張弁24の開度を算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分で決定した開度より小さくして圧縮機20に吸入される冷媒量を減少させることで、吸入冷媒過熱度が0degとならないようにする吸入冷媒過熱度保護制御を行う。なお、ここで、閾吸入冷媒過熱度は、予め試験などを行って求められた値であり、吸入冷媒過熱度がこの閾吸入冷媒過熱度を下回れば、圧縮機20に液バックが発生する可能性が高いことが確認できている値である。
なお、以上に説明した吸入冷媒過熱度保護制御が、本発明の第2開度制御に相当する。
以上に説明したように、INJ時に吸入冷媒過熱度保護制御を行うと、吸入冷媒過熱度保護制御を行わない場合と比べて室外膨張弁24の開度の変化量が大きくされる。また、吸入冷媒過熱度は定期的(例えば、2分毎)に算出され、吸入冷媒過熱度を算出する度に目標吸入冷媒過熱度との差分に応じて室外膨張弁24の開度が調整される。しかし、室外膨張弁24の開度が調整された効果が実際の吸入冷媒過熱度の値に反映されるのに時間がかかり、吸入冷媒過熱度保護制御で室外膨張弁24の開度が大きく変化されたときに実際の吸入冷媒過熱度の変化が遅れて目標吸入冷媒過熱度を大きく上回るあるいは大きく下回る値となることがある。そして、吸入過熱度を目標吸入冷媒過熱度にするために室外膨張弁の開度が調整された結果、行き過ぎてしまった実際の吸入冷媒過熱度を目標吸入冷媒過熱度とするために再び室外膨張弁24の開度が大きく変化されて目標吸入冷媒過熱度を大きく上回るあるいは大きく下回って室外膨張弁24の開度が大きく変化される、といったことが繰り返される室外膨張弁24の開度制御のハンチングが発生する恐れがある。
図2は、上述した室外膨張弁24の開度制御を行っているときに発生する室外膨張弁24の開度のハンチングを説明する図面であり、縦軸が室外膨張弁24の開度(以降、室外膨張弁開度Pと記載する)、横軸が時間(以降、時間tと記載する)である。また、図2において一点鎖線で示す曲線が、時刻0で吸入冷媒過熱度保護制御を開始した後の室外膨張弁24の開度の変化を示している。また、図2において実線で示す曲線は、本発明により室外膨張弁24の開度制御に関わるハンチングが発生しないときの室外膨張弁24の開度の変化を示しているが、これについては後に詳細に説明する。なお、室外膨張弁開度Pの単位を(pls、パルス)としているのは、室外膨張弁24の図示しないステッピングモータに加えるパルス数で開度を表しているためであり、ステッピングモータに加えるパルス数が大きいほど開度が大きい。
時刻0で吸入冷媒過熱度保護制御を開始したときは実際の吸入冷媒過熱度が閾吸入冷媒過熱度より小さい値となっており、実際の吸入冷媒過熱度が閾吸入冷媒過熱度より大きい値となるように室外膨張弁24の開度を小さくする。このとき、前述したように室外膨張弁24の開度に対して実際の吸入冷媒過熱度の変化が遅れることに起因して、室外膨張弁24の開度が複数回にわたって小さくされた後の時刻t1で、実際の吸入冷媒過熱度が閾吸入冷媒過熱度より大きい値となる。
この時刻t1では、室外膨張弁24の開度が必要以上に小さくされていることによって、圧縮機20に吸入される冷媒量が少なくなって吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回り、その結果、圧縮機20が保護停止する恐れがある。また、時刻t1では、圧縮機20に吸入される冷媒量が少なくなることによって、実際の吸入冷媒過熱度が急激に大きな値となって目標吸入冷媒過熱度よりも大きな値となっている恐れがある。
上記のように時刻t1で実際の吸入冷媒過熱度が急激に大きな値となって目標吸入冷媒過熱度を超えてしまうと、目標吸入冷媒過熱度より大きな値となった吸入冷媒過熱度を小さくするために室外膨張弁24の開度が大きくされるが、この際も室外膨張弁24の開度の変化に対して実際の吸入冷媒過熱度の変化が遅れるため、室外膨張弁24の開度が複数回にわたって大きくされた後の時刻t2で、実際の吸入冷媒過熱度が急激に小さな値となって閾吸入冷媒過熱度より小さい値となる恐れがある。
以降、上述したような動作を時刻t3、t4、と時間が経過するにつれて繰り返すことで、図2に一点鎖線で示すように、室外膨張弁24の開度制御による室外膨張弁24の開度のハンチングが起こる。そして、このハンチングは収まるまで、つまり、算出した吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるまでに長い時間を要する。
そこで、本実施形態の空気調和装置1では、吸入冷媒過熱度保護制御の実行時の室外膨張弁24の開度が、冷媒回路100における冷媒循環量と外気温度とに基づいて決定される下限膨張弁開度まで小さくなれば、吸入冷媒過熱度保護制御を止めて通常の制御、すなわち、実際の吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分に基づいて決定された変化量のみ、室外膨張弁24の開度を調整する(本発明の第1開度制御)。
<下限膨張弁開度の決定方法>
次に、図3を用いて、上述した室外膨張弁開度Pの下限膨張弁開度の決定方法について説明する。図3において、下限膨張弁開度をPlim(単位:pls)、室外膨張弁24の最小開度をPmin(単位:pls)、室外膨張弁24の最大開度をPmax(単位:pls)、下限冷媒流量をFl(単位:L/min)とする。そして、図3では縦軸が下限冷媒流量Fl、横軸が下限膨張弁開度Plimである。
ここで、下限冷媒流量Flとは、圧縮機20に吸入される冷媒量がこの下限冷媒流量Flより少なくなれば、圧縮域20の吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回る恐れがある冷媒流量を示しており、冷媒回路100における冷媒流量の基準流量(以降、基準流量Fs(単位:l/min)と記載する)と、外気温度による冷媒流量の補正値(以降、外気温度補正値CToと記載する)と、圧縮機20の回転数に応じた冷媒流量の補正値(以降、循環量補正値CGと記載する)とを積算して求めることができる。
以下、基準流量Fs、外気温度補正値CTo、および、循環量補正値CGの各々について、具体的に説明する。まず、基準流量Fsは、空気調和装置1が暖房運転を行える外気温度の範囲のうち下限温度(本実施形態では−25℃)であり、かつ、圧縮機20の回転数が最高回転数(本実施形態では120rps)であるときの冷媒回路100で必要とされる冷媒流量である。暖房運転を行っているときの外気温度が下限温度であるときは、蒸発器として機能する室外熱交換器22における蒸発温度を当該下限温度より低くするために、圧縮機20の回転数が最高回転数とされる。圧縮機20の回転数が最高回転数とされると圧縮機20の吸入圧力が最も低くなるが、このときに冷媒回路100における冷媒流量が少ないと、圧縮機20の吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回る場合がある。そこで、暖房運転時に外気温度が下限温度となっているときに、圧縮機20の吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回らないようにするために必要な冷媒回路100での冷媒流量を基準流量Fとしている。なお、この基準流量Fsは、予め試験などを行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものである。
次に、外気温度補正値CToは、基準流量Fsを決定したときの外気温度=下限温度より外気温度が高い場合に、室外熱交換器22における冷媒流量を増加させるために基準流量Fsを補正するものである。室外熱交換器22における蒸発能力は、蒸発温度と外気温度との温度差で決まり、圧縮機20の回転数を変化させない場合は蒸発温度が固定される(変化しない)ため、外気温度が下限温度より高くなるほど蒸発能力が大きくなる。このため、蒸発温度の増大に応じて室外熱交換器22に流す冷媒量を基準流量Fsより増加させる必要があり、外気温度補正値CToを用いて外気温度に応じて基準流量Fsを補正する。
具体的には、外気温度補正値CToは、INJ時の外気温度使用範囲(本実施形態では、−25℃〜2℃)における冷媒流量を求める特性式(以降、特性式1と記載する)を求め、この特性式1で求めた冷媒流量を基準流量Fsで除して求める。
特性式1および外気温度補正値CToの算出式は、それぞれ以下の通りである。

特性式1=A×To+B×To+C ・・・ 数式1
CTo(外気温度補正値)=特性式1/Fs ・・・ 数式2
To:外気温度
A〜C:定数(試験などを行って求めたもの)

なお、上記数式1および数式2は、それぞれ予め求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
そして、循環量補正値CGは、圧縮機20の回転数が基準流量Fsを決定したときの最高回転数より低い場合に、当該回転数に応じて基準流量Fsを補正するものである。冷媒回路100における冷媒循環量は圧縮機20の回転数に応じて変化し、圧縮機20が最高回転数で駆動しているときの冷媒循環量が最も多く、圧縮機20の回転数が最高回転数より低い回転数となるほど冷媒循環量が少なくなる。そして、冷媒回路100における冷媒循環量が少なくなれば、室外熱交換器22における冷媒流量も少なくなる。そこで、本実施形態の空気調和装置1では、暖房運転時の外気温度が下限温度より高い場合に室外熱交換器22における冷媒流量を増加させるために、循環量補正値CGを用いて圧縮機20の回転数による基準流量Fsを補正する。
具体的には、循環量補正値CGは、INJ時の圧縮機20の回転数範囲(本実施形態では、50rps〜120rps)における冷媒流量を求める特性式(以降、特性式2と記載する)を求め、この特性式2で求めた冷媒流量を基準流量Fsで除して求める。
特性式2および循環量補正値CGの算出式は、それぞれ以下の通りである。

特性式2=D×G+E×G+F ・・・ 数式3
CG(循環量補正値)=特性式2/Fs ・・・ 数式4
G:冷媒循環量
D〜F:定数(試験などを行って求めたもの)

なお、上記数式3および数式4は、それぞれ予め求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
以上説明した基準流量Fsと外気温度補正値CToと循環量補正値CGとを以下に記載する数式5に代入して、下限冷媒流量Flを算出する。

Fl(下限冷媒流量)=Fs×CTo×CG ・・・ 数式5

なお、上記数式5は、予め求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
そして、数式5を用いて下限冷媒流量Flを算出した後、図3を用いて下限膨張弁開度Plimを決定する。図3は、下限冷媒流量Flと下限膨張弁開度Plimとの関係を示すテーブル(以降、下限膨張弁開度テーブルと記載する)であり、縦軸が下限冷媒流量Fl(単位:l/min)、横軸が下限膨張弁開度Plim(単位:pls)となっている。なお、この下限膨張弁開度テーブルは、予め試験などを行って求められて室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
下限膨張弁開度テーブルでは、下限膨張弁開度Plimが室外膨張弁24の最小開度(図3ではPmin、例えば55pls)と最大開度(図3ではPmax、例えば480pls)の間で、下限冷媒流量Flが増加するのにしたがってこの下限冷媒流量Flを室外熱交換器22に流すのに必要となる室外膨張弁24の開度である下限膨張弁開度Plimが大きな開度とされている。
この下限膨張弁開度テーブルを用いて、現在の下限冷媒流量Flに応じた下限膨張弁開度Plim
を決定し、INJ時に室外膨張弁24の開度を吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるように制御しているときに吸入冷媒過熱度保護制御により室外膨張弁24の開度が下限膨張弁開度Plimより小さい開度となれば、吸入冷媒過熱度保護制御を止めて通常の制御、すなわち、吸入冷媒過熱度を算出する度にこの算出した吸入冷媒過熱度と目標吸入冷媒過熱度との差分に基づいて決定された変化量のみ、室外膨張弁24の開度を調整する。
以上説明したように、吸入冷媒過熱度保護制御を行っているときに室外膨張弁24の開度が下限膨張弁開度Plimより小さい開度となって吸入冷媒過熱度保護制御を止めた場合、室外膨張弁24の開度の変化は、図2に実線で示すようになる。具体的には、吸入冷媒過熱度保護制御を実行して室外機膨張弁開度Pを小さくし始めてから時刻t1となる前の時点、例えば、図2に示す点Xの時点で室外機膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plimとなれば、吸入冷媒過熱度保護制御を止めて通常の制御とする。
点Xの時点で室外膨張弁24の開度を通常の制御とすることにより、これ以降の室外膨張弁24の開度の変化が、吸入冷媒過熱度保護制御を実行する場合と比べて緩やかになり、室外膨張弁24の開度の変化に実際の吸入冷媒過熱度の変化が追随するようになる。このため、図2に示すように、時刻t1、t2、・・・と時間が経過しても一点鎖線で示す吸入冷媒過熱度保護制御を行い続けた場合のように室外膨張弁24の開度制御がハンチングすることを抑制できる。また、室外膨張弁24の開度制御のハンチングに伴って、圧縮機20に吸入される冷媒量が少なくなって吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回り、その結果圧縮機20が保護停止するという事態を防ぐことができる。
<室外膨張弁の開度制御に関わる処理の流れ>
次に、図4を用いて暖房運転時に室外機制御手段200のCPU210が実行する、室外膨張弁24の開度制御に関わる処理について説明する。図4において、STは処理のステップを示しこれに続く番号はステップの番号を示している。
なお、図4では、先に説明した室外膨張弁開度Pと下限膨張弁開度Plimと外気温度Toに加えて、圧縮機20の回転数である圧縮機回転数をCr、吐出圧力センサ31で検出する吐出圧力をPd、吐出温度センサ33で検出する吐出温度をTd、目標吐出温度をTdt、目標吐出温度Tdtから吐出温度Tdを減じた吐出温度差をΔTd、室外熱交中間温度センサ36で検出する室外熱交中間温度をTe、吸入温度センサ34で検出する吸入温度をTs、吐出冷媒過熱度をSHd、吸入冷媒過熱度をSHs、閾吸入冷媒過熱度をSHsa、目標吸入冷媒過熱度をSHst、閾吸入冷媒過熱度SHsaから吸入冷媒過熱度SHsを減じた吸入冷媒過熱度差をΔSHs、補正数をZとする。
空気調和装置1が暖房運転を行っているとき、室外機制御手段200のCPU210は、圧縮機回転数Crと、外気温度Toと、吐出圧力Pdと、吐出温度Tdをそれぞれ取り込む。具体的には、CPU210は、外気温度センサ37で検出した外気温度To、吐出圧力センサ31で検出した吐出圧力Pd、および、吐出温度センサ33で検出した吐出温度Tdをそれぞれセンサ入力部240を介して定期的(例えば、2分毎)に取り込む。また、圧縮機回転数Crは、室内機5a〜5cの各々で要求される暖房能力に基づいて決定されて記憶部220に記憶されており、CPU210は記憶部220から最新の圧縮機回転数Crを読み出す。
次に、CPU210は、ST1で取り込んだ吐出圧力Pdと吐出温度Tdを用いて吐出冷媒過熱度SHdを算出する(ST2)。具体的には、CPU210は、取り込んだ吐出温度Tdから、同じく取り込んだ吐出圧力Pdに相当する高圧飽和温度を減じて吐出冷媒過熱度SHdを算出する。
次に、CPU210は、インジェクション開始条件が成立しているか否かを判断する(ST3)。具体的には、CPU210は、ST1で取り込んだ圧縮機回転数Crと外気温度To、および、ST2で算出した吐出冷媒過熱度SHdを用いて、前述したインジェクション開始条件1)〜3)を全て満たしていればインジェクション開始条件が成立していると判断し、インジェクション開始条件1)〜3)のうちのいずれかが成立していなければインジェクション開始条件が成立していないと判断する。
ST3においてインジェクション開始条件が成立していない場合は(ST3−No)、CPU210は、目標吐出温度TdtからST1で取り込んだ吐出温度Tdを減じて吐出温度差ΔTdを算出し(ST12)、算出した吐出温度差ΔTdに応じて室外膨張弁開度Pを決定して(ST13)、ST11に処理を進める。
なお、ST3において既にインジェクションを行っている場合は、インジェクション開始条件1)あるいは2)のうちのいずれかを満たしていない、あるいは、吐出冷媒過熱度SHdが10deg以下の値であればインジェクションを止める、つまり、インジェウション膨張弁29を閉じてST12に処理を進める。この場合は、ST3におけるCPU210の判断は「No」となる。
一方、ST3においてインジェクション開始条件が成立している場合は(ST3−Yes)、CPU210は、前述したように、ST2で求めた吐出冷媒過熱度SHdに応じてインジェクション膨張弁29の開度を調整してインジェクションを開始する。そして、CPU210は、室外熱交中間温度Teと吸入温度Tsとを取り込む(ST4)。具体的には、CPU210は、室外熱交中間温度センサ36で検出した室外熱交中間温度Te、および、吸入温度センサ34で検出した吸入温度Tsをそれぞれセンサ入力部240を介して定期的(例えば、2分毎)に取り込む。
9に、CPU210は、ST4で取り込んだ室外熱交中間温度Teと吸入温度Tsを用いて吸入冷媒過熱度SHsを算出する(ST5)。具体的には、CPU210は、取り込んだ吸入温度Tsから同じく取り込んだ室外熱交中間温度Teを減じて吸入冷媒過熱度SHsを算出する。
次に、CPU210は、目標吸入冷媒過熱度SHstからST5で算出した吸入冷媒過熱度SHsを減じて吸入冷媒過熱度差ΔSHsを算出し(ST6)、算出した吸入冷媒過熱度差ΔSHsに応じて室外膨張弁開度Pを決定する(ST7)。
次に、CPU210は、ST5で算出した吸入冷媒過熱度SHsが閾吸入冷媒過熱度SHsa以下であるか否かを判断する(ST8)。吸入冷媒過熱度SHsが閾吸入冷媒過熱度SHsa以下でなければ(ST8−No)、CPU210は、ST11に処理を進める。
一方、ST8において、吸入冷媒過熱度SHsが閾吸入冷媒過熱度SHsa以下であれば(ST8−Yes)、CPU210は、ST7で決定した室外膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plim以下であるか否かを判断する(ST9)。室外膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plim以下であれば(ST9−Yes)、CPU210は、ST11に処理を進める。
以上に説明した、ST8の処理で吸入冷媒過熱度SHsが閾吸入冷媒過熱度SHsa以下でない場合(ST8−No)、および、ST9で室外膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plim以下である場合(ST9−Yes)は、CPU210は吸入冷媒過熱度保護制御を実行しない、あるいは、実行していた吸入冷媒過熱度保護制御を止める。
一方、ST9において、室外膨張弁開度Pが下限膨張弁開度Plim以下でなければ(ST8−No)、CPU210は、ST7で決定した室外膨張弁開度Pに補正値Zを乗じて新たな室外膨張弁開度Pを算出し(ST10)、ST11に処理を進める。つまり、ST10では、CPU210は吸入冷媒過熱度保護制御を行う。
ST8〜10のいずれかの処理を終えたCPU210は、決定した室外膨張弁開度Pを室外膨張弁24に与えて(ST11)、ST1に処理を戻す。
以上説明したように、本実施形態の空気調和装置1では、暖房運転におけるINJ時の室外膨張弁24の開度制御において、吸入冷媒過熱度保護制御を実行しているときに室外膨張弁開度が下限膨張弁開度より小さい開度となれば、吸入冷媒過熱度保護制御を止めて通常の制御に戻す。これにより、室外膨張弁24の開度制御のハンチングを防止でき、制御のハンチングに伴う室外膨張弁24の開度の絞られすぎに起因して圧縮機20の吸入圧力が圧縮機20の使用範囲を下回って圧縮機20が保護停止することを防止できる。
1 空気調和装置
2 室外機
5a〜5c 室内機
20 圧縮機
20a インジェクションポート
22 室外熱交換器
23 過冷却熱交換器
24 室外膨張弁
29 インジェクション膨張弁
31 吐出圧力センサ
32 吸入圧力センサ
33 吐出温度センサ
34 吸入温度センサ
36 室外熱交中間温度センサ
37 外気温度センサ
47 インジェクション管
51a〜51c 室内熱交換器
52a〜52c 室内膨張弁
100 冷媒回路
200 室外機制御手段
210 CPU
220 記憶部
Cr 圧縮機回転数
P 室外膨張弁開度
Plim 下限膨張弁開度
Pd 吐出圧力
SHd 吐出冷媒過熱度
SHs 吸入冷媒過熱度
SHsa 閾吸入冷媒過熱度
SHst 目標吸入冷媒過熱度
Td 吐出温度
Tdt 目標吐出温度
Te 室外熱交中間温度
To 外気温度
Ts 吸入温度
Z 補正数

Claims (3)

  1. 圧縮室に冷媒を導くインジェクションポートを有する圧縮機と、熱源側熱交換器と、第1膨張弁と、利用側熱交換器とが順次冷媒配管で接続されて形成される冷媒回路と、
    一端が前記インジェクションポートに接続され他端が前記第1膨張弁と前記利用側熱交換器の間に接続されるインジェクション管と、同インジェクション管に設けられる第2膨張弁とで形成されるインジェクション回路と、
    前記圧縮機に吸入される冷媒の過熱度である吸入冷媒過熱度を検出する吸入冷媒過熱度検出手段と、
    外気温度を検出する外気温度検出手段と、
    前記第1膨張弁および前記第2膨張弁を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、暖房運転時に前記インジェクション回路から前記圧縮機へ冷媒の抽入する場合は、前記吸入冷媒過熱度検出手段で検出した吸入冷媒過熱度と所定の目標吸入冷媒過熱度との差分である吸入冷媒過熱度差に基づいて前記第1膨張弁の開度を調整する第1開度制御を実行する、
    空気調和装置であって、
    前記制御手段は、
    前記第1開度制御を実行しているとき、前記吸入冷媒過熱度検出手段で検出した吸入冷媒過熱度が所定の閾吸入冷媒過熱度より小さい値となれば、前記吸入冷媒過熱度差に基づく前記第1膨張弁の開度の変化量を補正し、同補正した後の変化量で前記第1膨張弁の開度を調整する第2開度制御を実行し、
    前記第2開度制御を実行しているとき、前記第1膨張弁の開度が下限膨張弁開度より小さくなれば、前記第2開度制御を止めて前記第1開度制御を実行する、
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 前記開度の変化量の補正は、前記吸入冷媒過熱度差に基づく前記第1膨張弁の開度の変化量が大きくなるようになされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
  3. 前記圧縮機から吐出される冷媒の温度である吐出温度を検出する吐出温度検出手段を有し、
    前記制御手段は、前記圧縮機への冷媒の抽入が不要と判断した場合は、前記第2膨張弁を閉じるとともに、前記吐出温度検出手段で検出した吐出温度と所定の目標吐出温度との差分である吐出温度差に基づいて前記第1膨張弁の開度を調整する第3開度制御を実行する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の空気調和装置。
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