JP7439681B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
まずは、室外機2について説明する。室外機2は、圧縮機20と、四方弁21と、室外熱交換器22と、過冷却熱交換器23と、室外膨張弁24と、液管8の一端が接続された閉鎖弁25と、ガス管9の一端が接続された閉鎖弁26と、アキュムレータ27と、室外ファン28と、インジェクション膨張弁29と、レシーバ30を備えている。そして、室外ファン28を除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室外機冷媒回路20を形成している。
なお、室外膨張弁24やインジェクション膨張弁29の開度調整については、後に詳細に説明する。
次に、3台の室内機5a~5cについて説明する。3台の室内機5a~5cは、室内熱交換器51a~51cと、室内膨張弁52a~52cと、分岐した液管8の他端が接続された液管接続部53a~53cと、分岐したガス管9の他端が接続されたガス管接続部54a~54cと、室内ファン55a~55cを備えている。そして、室内ファン55a~55cを除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路100の一部をなす室内機冷媒回路50a~50cを形成している。
次に、本実施形態における空気調和装置1の空調運転時の冷媒回路100における冷媒の流れや各部の動作について、図1(A)を用いて説明する。なお、以下の説明では、室内機5a~5cが暖房運転を行う場合について説明し、冷房運転を行う場合については詳細な説明を省略する。なお、以下の説明では、圧縮機20に冷媒をインジェクションしない非INJ時と、圧縮機20に冷媒をインジェクションするINJ時とに分けて説明する。図1(A)において、実線矢印は非INJ時およびINJ時におけるインジェクション管47以外の冷媒回路100における冷媒の流れを示しており、破線矢印はINJ時におけるインジェクション管47での冷媒の流れを示している。
まず、図1(A)を用いて、暖房運転における非INJ時の冷媒回路100の動作を説明する。空気調和装置1が暖房運転を行っているときに後述するインジェクション開始条件が成立していない場合は、インジェクション膨張弁29が閉じられてインジェクション管47に冷媒が流れないようにする。また、四方弁21が実線で示す状態、すなわち、四方弁21のポートaとポートdが連通するように、また、ポートbとポートcが連通するように切り換えられる。これにより、冷媒回路100は、室外熱交換器22が蒸発器として機能するとともに室内熱交換器51a~51cのそれぞれが凝縮器として機能する暖房サイクルとなる。
室内膨張弁52a~52cを通過した冷媒は、室内機液管71a~71cを流れて液管接続部53a~53cを介して室内機5a~5cから液管8へと流出する。
次に、図1(A)を用いて、暖房運転でINJ時の冷媒回路100の動作を説明する。なお、非INJ時とINJ時とで異なるのは、インジェクション膨張弁29が開かれてインジェクション管47に冷媒が分流しインジェクションポート20aを介して圧縮機20に冷媒がインジェクションされること、および、室外膨張弁24の開度制御の方法のみであり、これら以外の冷媒回路100の動作は前述した非INJ時と同じであるため、詳細な説明を省略する。
インジェクション開始条件:以下1)~3)をすべて満たせば成立
1)圧縮機20の回転数が50rps以上
2)外気温度が2℃以下
3)圧縮機20から吐出される冷媒の過熱度である吐出冷媒過熱度※が30deg以上
※吐出冷媒過熱度=吐出温度-高圧飽和温度
吐出温度:吐出温度センサ33で検出
高圧飽和温度:吐出圧力センサ31で検出した吐出圧力から換算
前述したように、暖房運転時は、各室内機5a~5cの室内膨張弁52a~52cの各開度が、各室内熱交換器51a~51cの冷媒出口側における各冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度となるように調整される。このとき、各室内機5a~5cにおいて冷媒過冷却度が目標冷媒過冷却度よりも小さい値であれば、各室内膨張弁52a~52cの開度が現在の開度より小さくされる。各室内膨張弁52a~52cの開度が現在の開度より小さくされると、各室内熱交換器51a~51cにおける冷媒流量が減少して冷媒過冷却度を大きくなって目標冷媒過冷却度に到達する。
まず、冷媒量不足状態の判定方法について、主に図2を用いて説明する。図2に示すのは、冷媒量不足状態の判定方法を示す不足判定方法テーブル300である。不足判定方法テーブル300は、予め室外機制御手段200の記憶部220に記憶されているものであり、例えば、空気調和装置1の設置時に図示しない室外機2の表示部にこの不足判定方法テーブル300が表示され、空気調和装置1の使用者によって、以下に説明する4つの判定方向が奏する効果が考慮されていずれかが選択される。このとき、選択された判定方法は、室外機制御手段200の記憶部220に記憶され、空気調和装置1が空調運転を行っているときに、記憶部220に記憶された判定方法で、暖房運転時に冷媒量不足状態であるか否かが判定される。
以下、4種類の判定方法について順に詳細に説明する。
判定方法「蒸発器膨張弁開度」は、暖房運転時の室外膨張弁24の開度を用いて冷媒量不足状態を判定するものである。具体的には、室外膨張弁24の開度調整が前述したように定期的に行われる中で複数回連続、例えば2回連続で開度が大きくされた場合(本発明における「蒸発器膨張弁の開度の制御態様」に相当)に、室外熱交換器22でより多くの量の冷媒が必要とされている、つまり、室外熱交換器22で冷媒量が不足していると判定する。なお、前述したように、暖房運転時の室外膨張弁24の開度は、非INJ時は吐出温度センサ33で検出した吐出温度が目標吐出温度となるように調整され、INJ時は吸入温度センサ34で検出される吸入温度と室外中間熱交温度センサ36で検出される室外中間熱交温度を用いて算出された吸入冷媒過熱度が目標吸入冷媒過熱度となるように調整される。そして、上記吐出温度、吸入温度、および、室外中間熱交温度はそれぞれ定期的に検出され、その度に吐出温度や吸入冷媒過熱度を用いて室外膨張弁24の開度が調整される。
判定方法「インジェクション膨張弁開度」は、暖房運転におけるINJ時のインジェクション膨張弁29の開度を用いて冷媒量不足状態を判定するものである。具体的には、インジェクション膨張弁29の開度調整が前述したように定期的に行われる中で複数回連続、例えば2回連続で開度が大きくされた場合(本発明における「インジェクション膨張弁の開度の制御態様」に相当)に、圧縮機20でより多くの冷媒の抽入が必要とされている、つまり、圧縮機20に抽入する冷媒量が不足していると判定する。なお、前述したように、暖房運転におけるINJ時のインジェクション膨張弁29の開度は、インジェクション膨張弁29の開度は、吐出温度センサ33で検出される吐出温度および吐出圧力センサ31で検出される吐出圧力を用いて算出した吐出冷媒過熱度が目標吐出冷媒過熱度となるように調整される。そして、上記吐出温度、および、吐出圧力はそれぞれ定期的に検出され、その度に吐出冷媒過熱度を用いてインジェクション膨張弁29の開度が調整される。
判定方法「蒸発器膨張弁開度、または、インジェクション膨張弁開度」は、上述した判定方法「蒸発器膨張弁開度」または判定方法「インジェクション膨張弁開度」のうちのいずれかの判定方法で冷媒量不足状態を判定するものである。この判定方法「蒸発器膨張弁開度、または、インジェクション膨張弁開度」は、インジェクション膨張弁29の開度を用いるため、インジェクション膨張弁29が動作しているINJ時のみ実行することができるものであり、INJ時に室外膨張弁24およびインジェクション膨張弁29の各開度の変化を見て、室外膨張弁24、あるいは、インジェクション膨張弁29のいずれか一方の膨張弁の直近2回の開度を連続して大きくする制御であれば、冷媒不足状態と判定する。また、不足判定方法テーブル300の「効果」の項目に掲載しているように、空気調和装置1の使用者が、判定方法「蒸発器膨張弁開度」で得られる効果である「暖房運転継続時間を長くしたい」、あるいは、判定方法「インジェクション膨張弁開度」で得られる効果である「暖房運転時に高い暖房能力を発揮させたい」のいずれかの効果を得ることを目的とした判定方法である。
判定方法「蒸発器膨張弁開度、かつ、インジェクション膨張弁開度」は、上述した判定方法「蒸発器膨張弁開度」および判定方法「インジェクション膨張弁開度」の両方の判定結果を持って冷媒量不足状態を判定するものである。この判定方法「蒸発器膨張弁開度、かつ、インジェクション膨張弁開度」は、インジェクション膨張弁29の開度を用いるため、インジェクション膨張弁29が動作しているINJ時のみ実行することができるものであり、INJ時に室外膨張弁24およびインジェクション膨張弁29の各開度の変化を見て、室外膨張弁24の直近2回の開度、および、インジェクション膨張弁29の直近2回の開度いずれもが連続して開度を大きくする制御であれば、冷媒不足状態と判定する。また、不足判定方法テーブル300の「効果」の項目に掲載しているように、暖房運転時に凝縮器として機能する室内熱交換器51a~51cの冷媒出口側における冷媒過冷却度を小さくしないという効果を得ることを目的とした判定方法である。
次に、以上に説明した各不足判定方法のいずれかで冷媒量不足状態と判定した際の、室内膨張弁52a~52cの各開度の補正方法について説明する。本実施期待における開度の補正方法は、1)室外膨張弁24および/またはインジェクション膨張弁29の開度増大率(現在の開度と大きくした開度との比率)の合計値を用いる方法、2)室外膨張弁24および/またはインジェクション膨張弁29の開度増大率の平均値を用いる方法、3)室外膨張弁24および/またはインジェクション膨張弁29の開度増大率の直近の値を用いる方法、の3種類である。これら1)~3)の各補正方法は、空気調和装置の設計時に行われる試験などによって、当該空気調和装置に最適な補正方法が選択されて、室外機制御手段200の記憶部220に記憶されている。
以下、上記各1)~3)の室内膨張弁52a~52cの各開度の補正方法について、順に詳細に説明する。
1)の方法では、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度が増大したとき、あるいは、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度がともに増大したときに、例えば直近の2回の開度増大率の合計値を用いて、室内膨張弁52a~52cの各開度を補正する。ここで、開度増大率は、現在の室外膨張弁24の開度で一つ前の室外膨張弁24の開度を除して求めることができる。例えば、判定方法として「蒸発器膨張弁開度」を採用した場合に、室外膨張弁24の直近の2回の開度増大率がともに10%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を10%×2=20%増しとする。また、例えば、判定方法として「蒸発器膨張弁開度、または、インジェクション膨張弁開度」を採用した場合に、室外膨張弁24の直近の2回の開度増大率がともに10%、インジェクション膨張弁29の直近の2回の開度増大率がともに10%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を10%×4=40%増しとする。
2)の方法では、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度が増大したとき、あるいは、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度がともに増大したときに、例えば直近の2回の開度増大率の平均値を用いて、室内膨張弁52a~52cの各開度を補正する。例えば、判定方法として「蒸発器膨張弁開度」を採用した場合に、室外膨張弁24の直近の2回の開度増大率が10%と20%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を(10%+20%)÷2=15%増しとする。また、例えば、判定方法として「蒸発器膨張弁開度、もしくは、インジェクション膨張弁開度」を採用した場合に、室外膨張弁24の直近の2回の開度増大率が40%と20%、インジェクション膨張弁29の直近の2回の開度増大率がともに20%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を(20%×3+40%)÷4=25%増しとする。
3)の方法では、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度が増大したとき、あるいは、複数回連続で室外膨張弁24またはインジェクション膨張弁29の開度がともに増大したときに、直近の開度増大率を用いて、室内膨張弁52a~52cの各開度を補正する。例えば、判定方法として「蒸発器膨張弁開度」を採用した場合に、室外膨張弁24の直近の開度増大率が10%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を10%増しとする。また、例えば、判定方法として「インジェクション膨張弁開度」を採用した場合に、インジェクション膨張弁29の直近の開度増大率が20%であれば、冷媒過冷却度に基づいて決定された室内膨張弁52a~52cの各開度を20%増しとする。
次に、暖房運転時に冷媒量不足状態の判定および凝縮器膨張弁の開度の補正を行う際に、室外機制御手段200のCPU210が実行する制御に関わる処理について図3を用いて説明し、室内機制御手段500a~500cのCPU510a~510cが実行する制御に関わる処理について図4を用いて説明する。図3および図4において、STは処理のステップを示しこれに続く番号はステップの番号を示している。
まず、図3を用いて、暖房運転時に冷媒量不足状態の判定および凝縮器膨張弁の開度補正を行う際に室外機制御手段200のCPU210が実行する処理について説明する。空気調和装置1が暖房運転を行っているとき、室外機制御手段200のCPU210は、吐出圧力Phを取り込み、取り込んだ吐出圧力Phを用いて高圧飽和温度Thsを算出する(ST1)。CPU210は、吐出圧力センサ31で検出した吐出圧力をセンサ入力部240を介して定期的に取り込み、吐出圧力Phを取り込む度に高圧飽和温度Thsを算出している。
次に、図4を用いて、暖房運転時に冷媒量不足状態の判定および凝縮器膨張弁の開度補正を行う際に各室内機制御手段500a~500cのCPU510a~510cが実行する処理について説明する。空気調和装置1が暖房運転を行っているとき、CPU510a~510cは、液温度Tlを取り込む(ST21)。CPU510a~510cは、液側温度センサ61a~61cで検出した液温度Tlをセンサ入力部540a~540cを介して定期的に取り込む。
2 室外機
5a~5c 室内機
20 圧縮機
20a インジェクションポート
22 室外熱交換器
23 過冷却熱交換器
24 室外膨張弁
29 インジェクション膨張弁
31 吐出圧力センサ
47 インジェクション管
51a~51c 室内熱交換器
52a~52c 室内膨張弁
61a~61c 液側温度センサ
100 冷媒回路
200 室外機制御手段
210 CPU
500a~500c 室内機制御手段
510a~510c CPU
Dc 開度補正値
Di 室内膨張弁開度
Ph 吐出圧力
Ths 高圧飽和温度
Tl 液温度
Claims (5)
- 圧縮機と、凝縮器と、同凝縮器における冷媒流量を調整する凝縮器膨張弁と、蒸発器と、同蒸発器における冷媒流量を調整する蒸発器膨張弁を有し、前記圧縮機、前記凝縮器、前記凝縮器膨張弁、前記蒸発器膨張弁、前記蒸発器の順で冷媒が循環可能な冷媒回路と、
前記凝縮器の冷媒出口側における冷媒過冷却度を検出する過冷却度検出手段と、
前記凝縮器膨張弁および前記蒸発器膨張弁を制御する制御手段と、
を有する空気調和装置であって、
前記制御手段は、
前記凝縮器膨張弁の開度を、前記過冷却度検出手段で検出した冷媒過冷却度と同冷媒過冷却度の制御目標値である目標冷媒過冷却度との差分に基づいた第1開度に調整し、
前記蒸発器膨張弁の開度の制御態様に基づいて、前記冷媒回路における前記凝縮器膨張弁より下流側を流れる冷媒量が不足している冷媒不足状態となっているか否かを判断し、
前記冷媒不足状態と判断した場合に、前記第1開度を、前記冷媒不足状態と判断した際に使用した前記蒸発器膨張弁の制御態様に基づいて補正する、
ことを特徴とする空気調和装置。 - 前記制御手段は、
前記蒸発器膨張弁の開度が所定回数連続して大きくされた場合に、前記冷媒不足状態となっていると判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。 - 前記圧縮機は、圧縮室に冷媒を導くインジェクションポートを有し、
一端が前記インジェクションポートに接続され他端が前記冷媒回路における前記凝縮器膨張弁と前記蒸発器膨張弁の間に接続されるインジェクション管と、同インジェクション管に設けられるインジェクション膨張弁とで形成されるインジェクション回路を有し、
前記制御手段は、
前記蒸発器膨張弁の開度の制御態様、あるいは、前記インジェクション膨張弁の開度の制御態様のうち少なくとも一方に基づいて、前記冷媒不足状態であるか否かを判断し、
前記冷媒不足状態と判断した場合に、前記第1開度を、前記冷媒不足状態と判断した際に使用した前記蒸発器膨張弁の制御態様または前記インジェクション膨張弁の開度の制御態様のうちの少なくとも一方に基づいて補正する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の空気調和装置。 - 前記制御手段は、
前記蒸発器膨張弁の開度が所定回数連続して大きくされた場合、あるいは、前記インジェクション膨張弁の開度が所定回数連続して大きくされた場合、のうち少なくとも一方が生じた場合に、前記冷媒不足状態となっていると判断する、
ことを特徴とする請求項3に記載の空気調和装置。 - 前記制御手段は、
前記蒸発器膨張弁の開度あるいは前記インジェクション膨張弁の開度のうち、いずれか一方のみの膨張弁の開度が所定回数連続して大きくされる場合は、開度が所定回数連続して大きくされた方の膨張弁の制御態様のみに基づいて前記第1開度を補正する、
ことを特徴とする請求項4に記載の空気調和装置。
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