JP2021139514A - 排熱回収ボイラ、連結具、排熱回収ボイラの施工方法 - Google Patents

排熱回収ボイラ、連結具、排熱回収ボイラの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数列の伝熱管パネルをパネルブロックに一体化する作業性を向上させることができる排熱回収ボイラを提供する。【解決手段】ガスタービンからの排ガス2が導かれるダクト3の内部に伝熱管パネル11が吊り下げられ、排ガス2の流れ方向に沿って複数列配置された伝熱管パネル11が連結具17を用いてパネルブロック12に一体化される排熱回収ボイラにおいて、連結具17が、両端側に丸孔18aと長孔18bを有する第1連結部材18と、両端側に丸孔19aと長孔19bを有する第2連結部材19とからなり、上流端側の伝熱管パネル11に突設された第1連結ピン14に連結部材18,19の丸孔18aと長孔19bを挿入すると共に、下流端側の伝熱管パネル11に突設された第2連結ピン15に連結部材18,19の長孔18bと丸孔19aを挿入した後、両連結部材18,19を溶接固定するようにした。【選択図】図6

Description

本発明は、ガスタービンからの排ガスをダクトの内部に複数列配置された伝熱管パネルに導くようにした排熱回収ボイラと、そのような排熱回収ボイラに適用される連結具、および、そのような排熱回収ボイラの施工方法に関する。
高効率発電の一環として注目されている複合発電プラントは、まず、ガスタービンによる発電を行うと共に、ガスタービンから排出される排ガス中の熱を排熱回収ボイラ(HRSG)において回収し、この排熱回収ボイラで発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動させて発電するものである。この複合発電プラントは、ガスタービンによる発電と蒸気タービンによる発電を同時に行うことができるため、発電効率が高い上にガスタービンは負荷応答性に優れており、急激な電力需要の上昇にも十分対応し得るという利点もある。
この種の複合発電プラントにおいて、一般的に、排熱回収ボイラのダクト内には、ガスタービンの排ガスの熱を回収する過熱器、蒸発器、節炭器などの熱交換器が配置されている。熱交換器は上下方向に整列した多数の伝熱管によって構成されており、複数の伝熱管をハニカムサポートで束ねることで1つの伝熱管パネルとなし、このような伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、排ガスの流れ方向に沿って複数列配置された伝熱管パネルを1つのパネルブロックに一体化する場合、排ガスの流れ方向の上流端と下流端側に位置する2つの伝熱管パネルにそれぞれ側方へ突出する連結ピンを設け、これら連結ピンに連結板の両端部に形成された丸孔を挿入することにより、排ガスの流れ方向に沿って配置された3列以上の伝熱管パネルを連結板によって締結・固定するようにしている。
特開2000−291901号公報
連結板は複数列の伝熱管パネルを1つのパネルブロックに固定するための部材であるため、伝熱管パネル側の2つの連結ピンと連結板に形成された2つの丸孔の位置はほぼ一致している必要がある。しかしながら、連結板によって締結される前の伝熱管パネルはダクトの天井から吊り下げられている構造であり、複数列配置された伝熱管パネルの各々が可動状態となっているため、パネルブロックあたりの伝熱管パネルの枚数が多くなると、伝熱管パネル側の連結ピンと連結板に形成された丸孔との公差が大きくなり、連結板を連結ピンに挿入することが困難になってしまう。
本発明は、このような従来技術の実情からなされたもので、第1の目的は、複数列の伝熱管パネルをパネルブロックに一体化する作業性を向上させることができる排熱回収ボイラを提供することにあり、第2の目的は、そのような排熱回収ボイラに適用される連結具を提供することにあり、第3の目的は、そのような排熱回収ボイラの施工方法を提供することにある。
上記第1の目的を達成するために、代表的な本発明は、ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化された排熱回収ボイラにおいて、前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向の上流端側に位置する前記伝熱管パネルに第1連結ピンが突設されていると共に、前記排ガスの流れ方向の下流端側に位置する前記伝熱管パネルに第2連結ピンが突設されており、前記連結具は、前記第1連結ピンと前記第2連結ピン間の長さよりも長尺な2つの連結部材からなり、一方の前記連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、他方の前記連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、前記2つの連結部材は、前記第1係合部と前記第2逃げ部を重ね合わせて前記第1連結ピンに挿入されると共に、前記第1逃げ部と前記第2係合部を重ね合わせて前記第2連結ピンに挿入された状態で、互いに溶接固定されていることを特徴としている。
また、上記第2の目的を達成するために、代表的な本発明は、ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化される排熱回収ボイラに適用され、前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向両端側に位置する一対の前記伝熱管パネルにそれぞれ連結ピンが突設されており、前記一対の連結ピンに係合することで前記複数列の伝熱管パネルを1つのパネルブロックに一体化する連結具であって、前記一対の連結ピン間の長さよりも長尺な第1連結部材と第2連結部材とを備え、前記第1連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、前記第2連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、前記第1連結部材と前記第2連結部材は、前記第1係合部と前記第2逃げ部を重ね合わせて一方の前記連結ピンに挿入すると共に、前記第1逃げ部と前記第2係合部を重ね合わせて他方の前記連結ピンに挿入した状態で、互いに溶接固定されるように構成されていることを特徴としている。
また、上記第3の目的を達成するために、代表的な本発明は、ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化されるようになっており、前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向両端側に位置する一対の前記伝熱管パネルにそれぞれ連結ピンが突設され、前記一対の連結ピンに前記連結具を係合させて前記複数列の伝熱管パネルを1つのパネルブロックに一体化する排熱回収ボイラの施工方法であって、前記連結具として前記一対の連結ピン間の長さよりも長尺な第1連結部材と第2連結部材とを準備し、前記第1連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、前記第2連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、前記第1連結部材の前記第1係合部と前記第1逃げ部を前記一対の連結ピンにそれぞれ挿入した後、前記第2連結部材の前記第2逃げ部を前記第1係合部に重ね合わせると共に前記第2係合部を前記第1係合部に重ね合わせた状態で前記一対の連結ピンにそれぞれ挿入し、しかる後、前記第1連結部材と前記第2連結部材を溶接固定することを特徴としている。
本発明の排熱回収ボイラ、連結具、排熱回収ボイラの施工方法によれば、複数列の伝熱管パネルをパネルブロックに一体化する作業性を向上させることができる。なお、上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
排熱回収ボイラの外観斜視図である。 排熱回収ボイラの内部構造を示す側面図である。 排熱回収ボイラのダクト内に配置された熱交換器の配列状態を示す平面図である。 パネルブロックの要部を示す平面図である。 パネルブロックの要部を示す側面図である。 パネルブロックの要部を示す斜視図である。 パネルブロックの要部を示す分解斜視図である。 パネルブロックに用いられる第1連結部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は断面図である。 パネルブロックに用いられる第2連結部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は断面図である。 図4のA部を拡大して示す断面図である。 連結具の変形例を示す側面図である。 連結具の他の変形例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図1〜図12を参照しつつ説明する。
図1は排熱回収ボイラの外観斜視図、図2は排熱回収ボイラの内部構造を示す側面図であり、図1は内部構造が見えるようにダクトの一部を破断して示してある。
図1と図2に示すように、排熱回収ボイラ1は、ガスタービン(図示せず)からの排ガス2が導かれるダクト3を備えており、ダクト3は複数の架構4を介して地面に支持されている。ダクト3の内部には過熱器、蒸発器、節炭器等の熱交換器5と、脱硝装置6等が配置されており、ガスタービンから排出された排ガス2は、ダクト3の入口から内部に導入され、複数の熱交換器5および脱硝装置6を順次通過した後、煙突7からダクト3の外部に排出される。これら熱交換器5は、排ガス2の流れ方向と交差するように鉛直方向に延設された複数の伝熱管8を有しており、ダクト3の外部には、複数の伝熱管8に対してヘッダ9を介して接続されたドラム10が設置されている。
図3はダクト3の内部に配置された熱交換器5の配列状態を示す平面図であり、図3に示すように、複数の伝熱管8はハニカムサポート(後述する)によって束ねられて1枚の伝熱管パネル11を構成している。各熱交換器5は、複数列の伝熱管パネル11を1つのパネルブロック12にユニット化した状態でダクト3内に配置されており、例えば、ダクト3の入口に最も近い熱交換器5では、排ガス2の流れ方向に沿って配置された3列(3枚)の伝熱管パネル11がパネルブロック12にユニット化され、ダクト3の入口から数えて4番目の熱交換器5では、排ガス2の流れ方向に沿って配置された8列(8枚)の伝熱管パネル11がパネルブロック12にユニット化されている。
パネルブロック12の両側部にはバッフル板13が設けられており、これらバッフル板13によって、伝熱管パネル11が配置された領域とダクト3の内壁側の領域とが仕切られている。バッフル板13は鋼板等の高温排ガス中でも剛性を有する材料で形成されており、バッフル板13の外側に後述する連結具を設置することにより、複数列の伝熱管パネル11を一体化してパネルブロック12が組み立てられる。以下、図4〜図10に基づいて、パネルブロック12の構成と組立手順を説明する。
図4はパネルブロック12の要部を示す平面図、図5はパネルブロック12の要部を示す側面図、図6はパネルブロック12の要部を示す斜視図、図7はパネルブロック12の要部を示す分解斜視図、図8はパネルブロック12に用いられる第1連結部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は断面図、図9はパネルブロック12に用いられる第2連結部材を示し、同図(a)は側面図、同図(b)は断面図、図10は図4のA部を拡大して示す断面図である。
図4〜図7に示すように、排ガス2の流れ方向に沿って複数列(例えば8列)配置された伝熱管パネル11のうち、排ガス2の流れ方向の上流端側と下流端側に位置する2つの伝熱管パネル11にそれぞれ連結ピン14,15が突設されている。便宜上、上流端側の伝熱管パネル11に突設された連結ピン14を第1連結ピンと呼称し、下流端側の伝熱管パネル11に突設された連結ピン15を第2連結ピンと呼称すると、これら第1連結ピン14と第2連結ピン15は、複数の伝熱管8を伝熱管パネル11に束ねているハニカムサポート16に溶接固定されており、それぞれバッフル板13を挿通して外側に突出している。そして、バッフル板13の外側から連結具17を第1連結ピン14と第2連結ピン15に挿入することにより、排ガス2の流れ方向の上下両端側を含む複数列の伝熱管パネル11がパネルブロック12として一体化される。
前記連結具17は、長尺状の第1連結部材18と第2連結部材19によって構成されており、これら第1連結部材18と第2連結部材19は、SS(圧延鋼材)やSUS(ステンレス鋼)等の金属板を用いて形成されている。
図8に示すように、第1連結部材18は長方形状の外形を有する板材であり、その長手方向一端側には丸孔18aが形成されると共に、長手方向他端側には長孔18bが形成されている。丸孔18aは第1連結ピン14に挿入される位置決め基準用の第1係合部であり、丸孔18aの大きさは第1連結ピン14の直径よりも若干大きめに設定されている。一方、長孔18bは第2連結ピン15に挿入される第1逃げ部であり、丸孔18aの中心から長孔18bの中心までの長さP1は、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pとほぼ同じに設定されている。これにより、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pにばらつきが発生した場合でも、第1連結部材18の丸孔18aと長孔18bを対応する第1連結ピン14と第2連結ピン15に挿入できるようになっている。また、丸孔18aの外周縁には面取り部18a−1が形成されており、長孔18bの外周縁にも面取り部18b−1が形成されている。
図9に示すように、第2連結部材19は第1連結部材18よりも若干長さ寸法の小さい略長方形状の板材であり、その長手方向一端側には丸孔19aが形成されると共に、長手方向他端側には長孔19bが形成されている。丸孔19aは第2連結ピン15に挿入される位置決め基準用の第2係合部であり、丸孔19aの大きさは第2連結ピン15の直径よりも若干大きめに設定されている。一方、長孔19bは第1連結ピン14に挿入される第2逃げ部であり、丸孔19aの中心から長孔19bの中心までの長さP2は、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pとほぼ同じに設定されている。これにより、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pにばらつきが発生した場合でも、第2連結部材19の丸孔19aと長孔19bを対応する第2連結ピン15と第1連結ピン14に挿入できるようになっている。また、第2連結部材19の四隅には切欠き部19cが形成されており、詳細については後述するが、これら切欠き部19cにより第1連結部材18と第2連結部材19を溶接固定する際の溶接代が確保されるようになっている。
次に、連結具17(第1連結部材18と第2連結部材19)を用いて複数列の伝熱管パネル11をパネルブロック12に一体化する組立手順について説明する。
まず、パネルブロック12あたりの伝熱管パネル11の枚数に対応する第1連結部材18と第2連結部材19を準備(連結具の準備工程)したなら、バッフル板13の一端部側から突出する第1連結ピン14に第1連結部材18の丸孔18aを挿入すると共に、バッフル板13の他端部側から突出する第2連結ピン15に第1連結部材18の長孔18bを挿入する(第1連結部材の挿入工程)。この時、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pにばらつきがあったとしても、該ばらつきは長孔18bと第2連結ピン15の相対位置が変動することによって吸収されるため、第1連結部材18の丸孔18aと長孔18bを伝熱管パネル11側の第1連結部材18と第2連結部材19に対して容易に挿入することができる。
次に、第1連結部材18の長孔18bから突出する第2連結ピン15に第2連結部材19の丸孔19aを挿入すると共に、第1連結部材18の丸孔18aから突出する第1連結ピン14に第2連結部材19の長孔19bを挿入する(第2連結部材の挿入工程)。この時も、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pのばらつきは、長孔19bと第1連結ピン14の相対位置が変動することによって吸収されるため、第2連結部材19の丸孔19aと長孔19bを伝熱管パネル11側の第2連結ピン15と第1連結ピン14に対して容易に挿入することができる。
このように、第1連結部材18上に第2連結部材19を重ね合わせた後、第1連結部材18と第2連結部材19を溶接固定する(連結具の溶接工程)。その際、第2連結部材19が第1連結部材18よりも長さ寸法の小さい外形形状となっており、しかも、第2連結部材19の四隅に切欠き部19cが形成されているため、切欠き部19cを含めた第2連結部材19の両端部に平面視コの字状の溶接代が確保され、このような溶接代を利用して第1連結部材18と第2連結部材19を簡単かつ強固に溶接することができる。
最後に、第1連結ピン14と第2連結ピン15にそれぞれワッシャ20を挿入し、これらワッシャ20を対応する第1連結ピン14と第2連結ピン15にスポット溶接等で固定することにより、連結具17(第1連結部材18および第2連結部材19)の第1連結ピン14および第2連結ピン15からの脱落を防止する。図10は第1連結ピン14に対する連結具17の挿入状態を示す断面図である。図10に示すように、第1連結ピン14の基端側にはハニカムサポート16との溶接部である溶接ビードYが存在するが、第1連結ピン14に挿入される丸孔18aの外周縁に面取り部18a−1が形成されているため、この面取り部18a−1によって溶接ビードYとの干渉を避ける空間が確保されている。同様に、第2連結ピン15の基端側にもハニカムサポート16との溶接部である溶接ビードが存在するが、第2連結ピン15に挿入され長孔18bの外周縁にも面取り部18b−1が形成されているため、この面取り部18a−1によって溶接ビードとの干渉を避ける空間が確保されている。
ここで、連結具によって締結される前の伝熱管パネル11はダクト3の天井から吊り下げられている構造であり、複数列配置された伝熱管パネル11の各々が可動状態となっているため、パネルブロック12あたりの伝熱管パネル11の枚数が多くなると、排ガス2の流れ方向の上流端側と下流端側の伝熱管パネル11に突設された2本の連結ピン14,15間ピッチの公差が大きくなる。そのため、据付現地における作業者は、伝熱管パネル11を可能な限りパネルブロック12の内側に寄せて連結具の挿入孔に合わせる調整作業を行っていたが、伝熱管パネル11は1枚あたりの重量が非常に重く撓みもある部材であるため、かかる調整作業は非常に作業性の悪いものであった。
本実施形態に係る排熱回収ボイラ1では、排ガス2の流れ方向に沿って複数列配置された伝熱管パネル11を1つのパネルブロック12に一体化する連結具17として、長手方向の両端側に丸孔18aと長孔18bを有する第1連結部材18と、長手方向の両端側に丸孔19aと長孔19bを有する第2連結部材19とを用い、上流端側の伝熱管パネル11に突設された第1連結ピン14に2つの連結部材18,19の丸孔18aと長孔19bを挿入すると共に、下流端側の伝熱管パネル11に突設された第2連結ピン15に2つの連結部材18,19の長孔18bと丸孔19aを挿入した状態で、これら第1連結部材18と第2連結部材19を溶接固定するようにしたので、伝熱管パネル11側の連結ピン14,15と連結具17に形成された挿入孔との公差が大きくなった場合でも、連結具17(第1連結部材18と第2連結部材19)を対応する連結ピン14,15に容易に挿入することができる。また、数多くの伝熱管パネル11が一体化された大型のパネルブロック12を実現できるため、細分割したパネルブロック間に必要とされる作業スペースが不要となり、その分だけ排熱回収ボイラ1のガス流れ方向における長さを短縮することができる。
また、本実施形態に係る排熱回収ボイラ1では、パネルブロック12に対して内側に設置される第1連結部材18が長方形状の板材からなると共に、外側に設置される第2連結部材19が第1連結部材18よりも外形寸法の小さい板材からなるため、第1連結部材18上に第2連結部材19を重ね合わせた時に、第2連結部材19の外縁部から第1連結部材18の一部が露出し、この露出部分を溶接代として第1連結部材18と第2連結部材19を溶接固定することができる。しかも、第2連結部材19の四隅に形成した切欠き部19cによって広い面積の溶接代が確保されるため、第1連結部材18と第2連結部材19を簡単かつ強固に溶接することができる。
なお、上記の実施形態では、第1連結部材18の丸孔18aと第2連結部材19の長孔19bを上流側の第1連結ピン14に挿入すると共に、第1連結部材18の長孔18bと第2連結部材19の丸孔19aを下流端側の第2連結ピン15に挿入するようにしたが、これとは逆に、第1連結部材18の丸孔18aと第2連結部材19の長孔19bを下流端側の第2連結ピン15に挿入すると共に、第1連結部材18の長孔18bと第2連結部材19の丸孔19aを上流側の第1連結ピン14に挿入するようにしても良い。
また、上記の実施形態では、排ガス2の流れ方向に沿って8列に配置された伝熱管パネル11群を1つのパネルブロック12にユニット化する場合について説明したが、ユニット化される伝熱管パネル11は8列に限らず、8列以上でも8列以下であっても良い。
図11は連結具の変形例を側面図であり、この変形例に係る連結具は、長方形状の第1連結部材21と第2連結部材22によって構成されている。これら第1連結部材21と第2連結部材22が上記実施形態に係る第1連結部材18および第2連結部材19と相違する点は、第1係合部および第2係合部が開口部を有する溝形状に形成されていると共に、第1逃げ部および第2逃げ部が開口部を有する溝形状に形成されていることにある。
すなわち、第1連結部材21の長手方向一端側にはU字状の係合溝21aが形成され、長手方向他端側には係合溝21aよりも十分に幅広な逃げ溝21bが形成されている。係合溝21aは第1連結ピン14に挿入される位置決め基準用の第1係合部であり、係合溝21aの溝幅は第1連結ピン14の直径よりも若干大きめに設定されている。一方、逃げ溝21bは第2連結ピン15に挿入される第1逃げ部であり、係合溝21aの中心から逃げ溝21bの中心までの長さは、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pとほぼ同じに設定されている。
第2連結部材22の長手方向一端側にはU字状の係合溝22aが形成され、長手方向他端側には係合溝22aよりも十分に幅広な逃げ溝22bが形成されている。係合溝22aは第2連結ピン15に挿入される位置決め基準用の第2係合部であり、係合溝22aの溝幅は第2連結ピン15の直径よりも若干大きめに設定されている。一方、逃げ溝22bは第1連結ピン14に挿入される第2逃げ部であり、係合溝22aの中心から逃げ溝22bの中心までの長さは、第1連結ピン14と第2連結ピン15の離間距離Pとほぼ同じに設定されている。
このように構成された第1連結部材21と第2連結部材22を用いてパネルブロック12に組み立てる場合は、上流側の第1連結ピン14に第1連結部材21の係合溝21aを挿入すると共に、下流側の第2連結ピン15に第1連結部材21の逃げ溝21bを挿入した後、係合溝21aから突出する第1連結ピン14に第2連結部材22の逃げ溝22bを挿入すると共に、逃げ溝21bから突出する第2連結ピン15に第2連結部材22の係合溝22aを挿入し、しかる後、積層状態の第1連結部材21と第2連結部材22を溶接固定すれば良い。
図12は連結具の他の変形例を側面図であり、この変形例に係る連結具は、金属丸棒で形成された第1連結部材23と第2連結部材24によって構成されている。これら第1連結部材23と第2連結部材24が上記実施形態に係る第1連結部材18および第2連結部材19と相違する点は、金属板の代わりに金属丸棒で形成したことにある。
すなわち、第1連結部材23は金属丸棒を用いて製造されており、長手方向一端側には丸孔23aが形成されると共に、長手方向他端側には長孔23bが形成されている。同様に、第2連結部材24も金属丸棒を用いて製造されており、長手方向一端側には丸孔24aが形成されると共に、長手方向他端側には長孔24bが形成されている。
このように構成された第1連結部材23と第2連結部材24を用いてパネルブロック12に組み立てる場合は、上流側の第1連結ピン14に第1連結部材23の丸孔23aを挿入すると共に、下流側の第2連結ピン15に第1連結部材23の長孔23bを挿入した後、丸孔23aから突出する第1連結ピン14に第2連結部材24の長孔24bを挿入すると共に、長孔23bから突出する第2連結ピン15に第2連結部材24の丸孔24aを挿入し、しかる後、積層状態の第1連結部材23と第2連結部材24を溶接固定すれば良い。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1 排熱回収ボイラ
2 排ガス
3 ダクト
5 熱交換器
8 伝熱管
9 ヘッダ
11 伝熱管パネル
12 パネルブロック
13 バッフル板
14 第1連結ピン
15 第2連結ピン
16 ハニカムサポート
17 連結具
18 第1連結部材
18a 丸孔(第1係合部)
18a−1 面取り部
18b 長孔(第1逃げ部)
19 第2連結部材
19a 丸孔(第2係合部)
19b 長孔(第2逃げ部)
19c 切欠き部
20 ワッシャ
21,23 第1連結部材
22,24 第2連結部材

Claims (8)

  1. ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化された排熱回収ボイラにおいて、
    前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向の上流端側に位置する前記伝熱管パネルに第1連結ピンが突設されていると共に、前記排ガスの流れ方向の下流端側に位置する前記伝熱管パネルに第2連結ピンが突設されており、
    前記連結具は、前記第1連結ピンと前記第2連結ピン間の長さよりも長尺な2つの連結部材からなり、
    一方の前記連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、
    他方の前記連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、
    前記2つの連結部材は、前記第1係合部と前記第2逃げ部を重ね合わせて前記第1連結ピンに挿入されると共に、前記第1逃げ部と前記第2係合部を重ね合わせて前記第2連結ピンに挿入された状態で、互いに溶接固定されていることを特徴とする排熱回収ボイラ。
  2. 請求項1に記載の排熱回収ボイラにおいて、
    前記2つの連結部材のうち、前記パネルブロックに対して内側に位置する連結部材の一部が外側に位置する連結部材から露出しており、この露出部分が溶接代となっていることを特徴とする排熱回収ボイラ。
  3. 請求項1または2に記載の排熱回収ボイラにおいて、
    前記第1係合部と前記第2係合部が丸孔であると共に、前記第1逃げ部と前記第2逃げ部が長孔であることを特徴とする排熱回収ボイラ。
  4. ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化される排熱回収ボイラに適用され、前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向両端側に位置する一対の前記伝熱管パネルにそれぞれ連結ピンが突設されており、前記一対の連結ピンに係合することで前記複数列の伝熱管パネルを1つのパネルブロックに一体化する連結具であって、
    前記一対の連結ピン間の長さよりも長尺な第1連結部材と第2連結部材とを備え、
    前記第1連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、
    前記第2連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、
    前記第1連結部材と前記第2連結部材は、前記第1係合部と前記第2逃げ部を重ね合わせて一方の前記連結ピンに挿入すると共に、前記第1逃げ部と前記第2係合部を重ね合わせて他方の前記連結ピンに挿入した状態で、互いに溶接固定されるように構成されていることを特徴とする連結具。
  5. 請求項4に記載の連結具において、
    前記第1係合部と前記第2係合部が丸孔であると共に、前記第1逃げ部と前記第2逃げ部が長孔であることを特徴とする連結具。
  6. 請求項4または5に記載の連結具において、
    前記第1連結部材と前記第2連結部材のうち、前記パネルブロックに対して内側に設置される一方の連結部材が長方形状の板材からなると共に、外側に設置される他方の連結部材が内側に設置される板材よりも外形寸法の小さい板材からなることを特徴とする連結具。
  7. 請求項6に記載の連結具において、
    前記パネルブロックに対して外側に設置される板材の四隅に切欠き部が形成されていることを特徴とする連結具。
  8. ガスタービンからの排ガスが導かれるダクトと、前記ダクトの内部に吊り下げられた複数の伝熱管を束ねて構成される伝熱管パネルとを備え、前記伝熱管パネルが排ガスの流れ方向に沿って複数列配置されると共に、これら各伝熱管パネルが連結具によって1つのパネルブロックに一体化されるようになっており、前記パネルブロックのうち、前記排ガスの流れ方向両端側に位置する一対の前記伝熱管パネルにそれぞれ連結ピンが突設され、前記一対の連結ピンに前記連結具を係合させて前記複数列の伝熱管パネルを1つのパネルブロックに一体化する排熱回収ボイラの施工方法であって、
    前記連結具として前記一対の連結ピン間の長さよりも長尺な第1連結部材と第2連結部材とを準備し、
    前記第1連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第1係合部と該第1係合部よりも長手寸法の長い第1逃げ部が形成されており、
    前記第2連結部材の長手方向両端部には、位置決め基準用の第2係合部と該第2係合部よりも長手寸法の長い第2逃げ部が形成されており、
    前記第1連結部材の前記第1係合部と前記第1逃げ部を前記一対の連結ピンにそれぞれ挿入した後、前記第2連結部材の前記第2逃げ部を前記第1係合部に重ね合わせると共に前記第2係合部を前記第1係合部に重ね合わせた状態で前記一対の連結ピンにそれぞれ挿入し、しかる後、前記第1連結部材と前記第2連結部材を溶接固定することを特徴とする排熱回収ボイラの施工方法。
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