JP2021139473A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油に混入した異物が保持器と軌道輪との隙間から転動体側に流れ込むことを抑制することが可能な転がり軸受を提供する。【解決手段】円錐ころ軸受1は、内輪4及び外輪5と、内輪4に形成された内輪軌道面4a及び外輪5に形成された外輪軌道面5aを転動する複数の転動体2と、複数の転動体2を保持する保持器3とを備える。外輪5に磁性体6を取り付け、この磁性体6の磁力によって潤滑油に混入した異物Fを吸着する。【選択図】図2

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
従来、油潤滑環境下で使用され、保持器に保持された複数の転動体が一対の軌道輪の間で転動する転がり軸受は、転動体に供給される油量が少なすぎると転動体の接触部の潤滑を十分に確保できず、焼き付きなどのトラブルが発生するおそれがある一方、転動体に供給される油量が必要以上に多いと、潤滑油を撹拌することによる撹拌抵抗によって回転抵抗が増大してしまう。このため、本出願人は、特許文献1,2のものを提案している。
特許文献1に記載の転がり軸受(玉軸受)は、一対の軌道輪としての外輪及び内輪と、外輪と内輪の間に配置された複数の転動体(玉)と、複数の転動体を保持する環状の保持器とを備えている。保持器は、潤滑油が流入する側に設けられた円環部と、円環部から複数の転動体側へ延びる柱部とを有しており、円環部における軸方向外側の端面と外周面とが交差する角部が、外輪の側面の軸方向位置とほぼ等しい位置に形成されている。これにより、円環部の軸方向端面に沿って流れた潤滑油が遠心力によって角部から径方向外側に飛ばされた際、この潤滑油が外輪と保持器との隙間から複数の転動体側に流入することが抑制されている。
特許文献2に記載の転がり軸受(円錐ころ軸受)は、保持器の軸方向端面を遠心力によって外方に流動する潤滑油が保持器と外輪との隙間から複数の転動体側に流れ込む割合を低減するため、保持器の軸方向一端部における半径方向内寄りの領域に内周端部から半径方向外側に向かって軸方向内側に傾斜する内側傾斜面を形成し、半径方向外寄りの領域には、半径方向外側に向かって軸方向外側に傾斜する外側傾斜面を形成している。
特開2015−194244号公報 特開2019−44975号公報
特許文献1,2に記載のものでは、保持器と軌道輪との隙間から転動体側に流れ込む潤滑油が抑えられ、回転抵抗の増大を防ぎながらも焼き付き等のトラブルの発生を防ぐために必要な量の潤滑油を転動体に供給することが可能となるが、転がり軸受によって支持されるシャフトの回転が高速になると、例えば潤滑油を貯留するオイルパンの底部に沈んでいた金属粉等の異物が掻き上げられて潤滑油中に混入し、この異物が保持器と軌道輪との間から転動体側に侵入しやすくなるおそれがある。
そこで、本発明は、潤滑油に混入した異物が保持器と軌道輪との隙間から転動体側に流れ込むことを抑制することが可能な転がり軸受を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、一対の軌道輪と、前記一対の軌道輪にそれぞれ形成された軌道面を転動する複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、前記一対の軌道輪のうち少なくとも一方の軌道輪に磁性体が取り付けられている、転がり軸受を提供する。
本発明に係る転がり軸受によれば、潤滑油に混入した異物が保持器と軌道輪との隙間から転動体側に流れ込むことを抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る転がり軸受としての円錐ころ軸受が用いられた駆動力配分装置を示す断面図である。 (a)は、図1における円錐ころ軸受の周辺部を拡大して示す拡大図であり、(b)は、(a)の一部をさらに拡大して示す拡大図である。 第1の変形例に係る円錐ころ軸受を示す部分断面図である。 第2の変形例に係る円錐ころ軸受を示す部分断面図である。 第3の変形例に係る円錐ころ軸受を示す部分断面図である。 第4の変形例に係る円錐ころ軸受を示す部分断面図である。 第5の変形例に係る円錐ころ軸受を示す部分断面図である。 (a)は、第6の変形例に係る円錐ころ軸受を示す断面図であり、(b)は、(a)の一部を拡大して示す拡大図である。
[実施の形態]
本発明の実施の形態について、図1及び図2を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。また、本実施の形態では、転がり軸受が自動車の駆動力を伝達するシャフトを支持する場合について説明するが、本発明に係る転がり軸受の適用対象はこれに限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係る転がり軸受としての円錐ころ軸受1が用いられた駆動力配分装置100を示す断面図である。駆動力配分装置100は、一対の円錐ころ軸受1,11と、一対の円錐ころ軸受1,11によって支持される支持対象軸としてのピニオンギヤシャフト12と、一対の円錐ころ軸受1,11との間に配置された間座13と、ピニオンギヤシャフト12の端部に相対回転不能に連結された連結部材としてのコンパニオンフランジ14と、コンパニオンフランジ14をピニオンギヤシャフト12に固定するボルト15と、ピニオンギヤシャフト12に噛み合わされたリングギヤ16と、リングギヤ16によって駆動力が入力されるディファレンシャル装置17と、シール181及びダストカバー182と、これらを収容するディファレンシャルキャリア19とを備えている。
ピニオンギヤシャフト12は、一対の円錐ころ軸受1,11の中心軸線Cを中心として回転し、図略のエンジンの駆動力が伝達される駆動軸及びこの駆動軸に連結されたコンパニオンフランジ14から入力される駆動力をリングギヤ16に伝達する。以下、中心軸線Cに平行な方向を軸方向という。一対の円錐ころ軸受1,11には、ボルト15の締め付けによって軸方向の予圧が付与されている。
ディファレンシャルキャリア19は、自動車の左右輪の間に配置され、ディファレンシャル装置17は、リングギヤ16に伝達された駆動力を左右の車輪に差動を許容して配分する。図1では、図面左右方向が車両前後方向にあたり、図面下側が鉛直方向の下方にあたる。また、図1では、右車輪に駆動力を伝達するドライブシャフト171の断面を図示している。ディファレンシャルキャリア19は、本体部191と、本体部191の下部を覆うカバー部192とを有しており、カバー部192内に潤滑油Lが貯留されるオイルパン193が形成されている。
オイルパン193の底部には、微細な異物Fが沈殿している。異物Fは、例えばピニオンギヤシャフト12とリングギヤ16との噛み合い部や、ディファレンシャル装置17内のピニオンギヤ及びサイドギヤの噛み合い部で発生した鉄粉である。
ピニオンギヤシャフト12は、一対の円錐ころ軸受1,11によって支持される円柱状の軸部121と、軸部121の一端部に連続して設けられ、リングギヤ16に噛み合うギヤ部122とを一体に有している。ギヤ部122は、軸部121よりも大径であり、円錐ころ軸受1は、軸部121とギヤ部122との角部に配置されている。ピニオンギヤシャフト12のギヤ部122及びリングギヤ16は、ハイポイドギヤからなる。なお、図1では、ギヤ部122及びリングギヤ16の歯形の図示を省略している。
ディファレンシャルキャリア19の本体部191には、ピニオンギヤシャフト12のギヤ部122及びリングギヤ16を収容する第1収容部191aと、ピニオンギヤシャフト12の軸部121を収容する第2収容部191bと、リングギヤ16の回転によって掻き上げられた潤滑油Lを第1収容部191aから第2収容部191bに導く給油路191cとが設けられている。
給油路191cに導かれた潤滑油Lは、一対の円錐ころ軸受1,11の間から第2収容部191bに供給される。図1では、車両前進時におけるリングギヤ16の回転方向を矢印Aで示し、リングギヤ16の回転によって掻き上げられた潤滑油Lの移動方向を矢印Aで示している。コンパニオンフランジ14とディファレンシャルキャリア19の本体部191との間には、第2収容部191bからの潤滑油Lの漏出を防ぐためのシール181が配置されている。
また、ディファレンシャルキャリア19の本体部191には、過剰な潤滑油Lを第2収容部191bからオイルパン193に排出する第1排出孔191d及び第2の排出孔191eが形成されている。第1排出孔191dは、一対の円錐ころ軸受1,11の間に開口し、第2排出孔191eは、一対の円錐ころ軸受1,11のうちコンパニオンフランジ14側の一方の円錐ころ軸受11とシール181との間に開口している。この円錐ころ軸受11は、内輪111及び外輪112と、複数の円錐ころ113と、複数の円錐ころ113を保持する保持器114とを有している。
ピニオンギヤシャフト12のギヤ部122側に配置された円錐ころ軸受1は、複数の転動体2と、複数の転動体2を保持する環状の保持器3と、保持器3の内周側に配置された内輪4と、保持器3の外周側に配置された外輪5と、外輪5に取り付けられた磁性体6とを備えている。内輪4及び外輪5は、本発明に係る一対の軌道輪の一態様である。円錐ころ軸受1は、内輪4及び外輪5と保持器3との間から複数の転動体2側に潤滑油が供給される。内輪4は、ピニオンギヤシャフト12の軸部121に外嵌され、ピニオンギヤシャフト12のギヤ部122と間座13との間に配置されている。次に、この円錐ころ軸受1の構成について詳細に説明する。
(円錐ころ軸受1の構成)
図2(a)は、図1における円錐ころ軸受1の周辺部を拡大して示す拡大図である。図2(b)は、図2(a)の一部をさらに拡大して示す拡大図である。以下、円錐ころ軸受1の軸方向における間座13側(図面右側)を軸方向一方側といい、ピニオンギヤシャフト12のギヤ部122側(図面左側)を軸方向他方側という。
内輪4には、軸方向一方側の端部に小つば41が設けられ、軸方向他方側の端部に大つば42が設けられている。小つば41と大つば42との間の外周面には、テーパ状の内輪軌道面4aが形成されている。外輪5の内周面には、内輪軌道面4aと向かい合うテーパ状の外輪軌道面5aが形成されている。内輪4がピニオンギヤシャフト12と共に回転すると、複数の転動体2が内輪軌道面4a及び外輪軌道面5aを転動する。また、この複数の転動体2の転動に伴い、保持器3が内輪4よりも低い速度で内輪4と同方向に回転する。
転動体2、内輪4、及び外輪5は、例えば軸受鋼からなる。保持器3は、例えば46ナイロンやポリフェニレンサルファイドあるいはポリアミド等の合成樹脂からなり、射出成型によって形成されている。また、保持器3は、第1及び第2の環状体31,32と複数の柱33とを一体に有している。複数の柱33は、軸方向一方側の第1の環状体31と軸方向他方側の第2の環状体32とを連結し、複数の転動体2をそれぞれ収容する複数のポケット30を形成している。図2(a)では、複数の柱33のうち一つの柱33を破線で示している。第1の環状体31の外径は、第2の環状体32の外径よりも小さく、第1の環状体31の内径は、第2の環状体32の内径よりも小さく形成されている。
第1の環状体31は、複数のポケット30の軸方向一方側に配置され、第2の環状体32は、複数のポケット30の軸方向他方側に配置されている。給油路191cから供給された潤滑油は、内輪4と外輪5との間に第1の環状体31側から流入し、第2の環状体32側から流出する。磁性体6は、外輪5と第1の環状体31との間から流入する潤滑油に混入した異物Fを磁力によって吸着し、異物Fが複数の転動体2側に侵入することを抑制している。
本実施の形態では、磁性体6が着磁された環状のゴム磁石からなる。ゴム磁石は、磁性粉末がゴム等のバインダー材に混ぜ合わされて成形されたものであり、伸縮可能な弾性を有している。磁性粉末の材料としては、例えばフェライト系、ネオジウム系、あるいはサマリウム系のものを用いることができる。バインダー材としては、例えばニトリルゴム系、フッ素ゴム系、あるいはシリコンゴム系のものを用いることができる。また、本実施の形態では、磁性体6が断面円形状であるが、これに限らず、周方向に対して垂直な断面の形状が矩形状あるいはX字状であってもよい。
磁性体6は、外輪5の周方向に延びる溝50に保持されて、外輪5に取り付けられている。溝50は、外輪軌道面5aの軸方向一方側にあたる外輪5の内周面における第1の環状体31との対向面5bに、例えば旋削によって環状に形成されている。溝50は、軸方向に向かい合う一対の側壁面50a,50bと溝底面50cとによって、対向面5bから径方向外方に窪むように形成されている。
本実施の形態では、一対の側壁面50a,50bのうち外輪軌道面5aから遠い側(軸方向一方側)の一方の側壁面50aは、溝50の開口側(内径側)のテーパ面50aと、テーパ面50aよりも溝底面50c側の円環状の平坦面50aとからなる。テーパ面50aは、他方の側壁面50bから軸方向に離間するほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜している。平坦面50aは、軸方向に対して垂直な平面である。磁性体6は、他方の側壁面50bと平坦面50aとの間に挟持されており、その全体が溝50内に収容されている。溝50における磁性体6よりも径方向内側(開口側)の空間は、磁性体6に吸着された異物Fが蓄積されるスペースとなっている。
外輪5と第1の環状体31との間に軸方向一方側から流入した潤滑油は、テーパ面50aによって磁性体6側に導かれる。これにより、潤滑油に混入した異物Fが保持器3の回転による遠心力によって磁性体6に効率よく吸着される。なお、一方の側壁面50aの全体が、他方の側壁面50bから軸方向に離間するほど内径が小さくなるように軸方向に対して傾斜していてもよい。すなわち、一方の側壁面50aは、その内径側の端部を含む少なくとも一部が軸方向一方側ほど内径が小さくなるテーパ面であれば、潤滑油を遠心力によって効率よく磁性体6側に導く効果が得られる。ただし、一方の側壁面50aの全体が軸方向に対して垂直な平面であっても、潤滑油に混入した異物Fを磁力によって磁性体6に吸着することは可能である。
(実施の形態の効果)
以上説明した本実施の形態によれば、給油路191cから供給される潤滑油に異物Fが混入していても、異物Fが磁性体6に吸着され、内輪4及び外輪5と保持器3との間から複数の転動体2側に侵入することを抑制することができる。
なお、本実施の形態では、外輪5に磁性体6を取り付けた場合について説明したが、内輪4に磁性体を取り付けてもよい。また、外輪5に磁性体6を取り付けると共に、内輪4にも磁性体を取り付けてもよい。内輪4に磁性体を取り付ける場合には、第1の環状体31に対向する外周面に周方向に延びる溝を形成し、この溝に例えばゴム磁石からなる環状の磁性体を取り付けることができる。
[変形例]
次に、本発明の変形例について、図3乃至図8を参照して説明する。なお、図3乃至図8に示す円錐ころ軸受1A〜1Fでは、各構成部材について、図1及び図2に付した符号を援用することで重複した説明を省略する。
図3は、第1の変形例に係る円錐ころ軸受1Aを示す部分断面図である。この第1の変形例では、保持器3の第1の環状体31の外径面31aに、外輪5と第1の環状体31との間から流入する潤滑油を溝50側に導く突起311が形成されている。突起311は、軸方向一方側ほど外径が小さくなるように傾斜したテーパ面311aを有しており、テーパ面311aの一部が溝50のテーパ面50aと径方向に並び、他の一部が溝50に保持された磁性体6と径方向に並んでいる。この第1の変形例に係る円錐ころ軸受1Aによれば、保持器3の回転によって潤滑油に作用する遠心力により、潤滑油に混入した異物Fがさらに効率よく磁性体6に吸着される。
図4は、第2の変形例に係る円錐ころ軸受1Bを示す部分断面図である。上記の実施の形態では、磁性体6の全体が溝50内に収容された場合について説明したが、この第2の変形例では、磁性体6の一部が溝50から第1の環状体31側に突出している。なお、第1の環状体31の外径面31aは、軸方向に平行な円筒面である。この第2の変形例に係る円錐ころ軸受1Bによれば、磁性体6が溝50から突出した部分に外輪5と第1の環状体31との間隔が狭い狭路部61が形成されるので、潤滑油がこの狭路部61を通過する際に潤滑油に混入した異物Fが磁性体6に吸着されやすくなる。換言すれば、狭路部61の全体に磁性体6の磁力が作用しやすくなる。
図5は、第3の変形例に係る円錐ころ軸受1Cを示す部分断面図である。この第3の変形例では、一対の側壁面50a,50bのうち一方の側壁面50aの溝底面50cからの高さHが他方の側壁面50bの溝底面50cからの高さHよりも低く、溝50よりも外輪軌道面5aから遠い側における外輪5の最小内径Dが、磁性体6の最小内径Dよりも大きく形成されている。この第3の変形例に係る円錐ころ軸受1Cによれば、磁性体6が一対の側壁面50a,50bの間から軸方向一方側に大きく露出し、磁性体6の外周面6aのうち外輪5と第1の環状体31との間を流れる潤滑油に晒される面積が大きくなるので、異物Fを磁性体6に吸着しやすくなる。
図6は、第4の変形例に係る円錐ころ軸受1Dを示す部分断面図である。この第4の変形例では、外輪5における軸方向一方側の軸方向端面5cに周方向に延びる溝51が形成されており、この溝51に磁性体6が保持されている。磁性体6は、溝51から軸方向一方側に露出している。また、溝51の内径面51aには、径方向外方に向かって突出して磁性体6を抜け止めする抜け止め突起511が設けられていてもよい。なお、溝51の外径面51bに、径方向内方に突出する抜け止め突起を設けてもよいし、前述した径方向外方に向かって突出する抜け止め突起511のどちらとも設ける構成となっていてもよい。この第4の変形例に係る円錐ころ軸受1Dによれば、外輪5の軸方向端面5cから流れ込む潤滑油に混入した異物Fを磁性体6に吸着することができる。
図7は、第5の変形例に係る円錐ころ軸受1Eを示す部分断面図である。上記の実施の形態及び第1乃至第4の変形例では、磁性体6が断面円形状である場合について説明したが、第5の変形例では、環状の磁性体6Aの周方向に対して垂直な断面の形状が軸方向に長い長方形状である。また、磁性体6Aを保持する溝50Aは、外輪5における第1の環状体31との対向面5bに開口すると共に、外輪5における軸方向一方側の軸方向端面5cに至る範囲に形成されている。なお、図7の図示例では磁性体6Aの全体が溝50Aに収容されているが、磁性体6Aの一部を外輪5の軸方向端面5cから軸方向に突出させてもよい。この第5の変形例に係る円錐ころ軸受1Eによれば、上記の実施の形態に比較して、軸方向に長い範囲で潤滑油に混入した異物Fを磁性体6に吸着することができる。
図8(a)は、第6の変形例に係る円錐ころ軸受1Fを示す部分断面図である。図8(b)は、図8(a)の部分拡大図である。この第6の変形例では、断面矩形状の磁性体6Aが外輪5に嵌合された金属製の取付部材7に取り付けられており、磁性体6A及び取付部材7が溝50Aに保持されている。取付部材7は、例えばステンレス鋼からなり、円筒状の円筒部71と、円筒部71における軸方向一方側の端部から径方向内方に突出した円環板状の円環部72とを一体に有している。円筒部71は、溝50Aに内嵌され、軸方向一方側の一部が外輪5の軸方向端面5cから軸方向に突出している。円環部72は、磁性体6A及び取付部材7を補強し、取付部材7の溝50Aへの圧入性を向上させることができる。さらに、円環部72は、磁性体6Aを抜け止めしている。磁性体6Aは、その一部が外輪5の軸方向端面5cから軸方向に突出している。この第6の変形例に係る円錐ころ軸受1Fによれば、軸方向に長い範囲で潤滑油に混入した異物Fを磁性体6に吸着することができると共に、図8(a)に示すように、外輪5の軸方向の長さを短くすることができる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、この実施の形態及び変形例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び変形例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態及び変形例では、本発明を円錐ころ軸受に適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば玉軸受やラジアル円筒ころ軸受、あるいはスラスト円筒ころ軸受などに対しても、本発明を適用することが可能である。また、本発明に係る転がり軸受は、車両の駆動力配分装置において駆動力を伝達するシャフトを支持する用途に限らず、例えば車両のトランスミッションやトランスファ、あるいは産業機械等の様々な用途に用いることが可能である。
また、上記の実施の形態及び変形例では、磁性体6,6Aがゴム磁石である場合について説明したが、これに限らず、金属系磁石やフェライト磁石等の硬質のものを磁性体として用いてもよい。またさらに、磁性体は環状のものに限らず、様々な形状のものを適宜用いることが可能である。
1,1A〜1F…円錐ころ軸受(転がり軸受) 2…転動体
3…保持器 30…ポケット
31…第1の環状体 32…第2の環状体
33…柱 4…内輪(軌道輪)
4a…内輪軌道面 5…外輪(軌道輪)
50,50A,51…溝 5a…外輪軌道面
6,6A…磁性体 7…取付部材
F…異物 L…潤滑油

Claims (11)

  1. 一対の軌道輪と、前記一対の軌道輪にそれぞれ形成された軌道面を転動する複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器とを備え、
    前記一対の軌道輪のうち少なくとも一方の軌道輪に磁性体が取り付けられている、
    転がり軸受。
  2. 前記磁性体は、前記一方の軌道輪と前記保持器との間に取り付けられている、
    請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記一方の軌道輪における前記保持器との対向面に周方向に延びる溝が形成されており、
    前記溝に前記磁性体が保持されている、
    請求項2に記載の転がり軸受。
  4. 前記磁性体の一部が前記溝から前記保持器側に突出している、
    請求項3に記載の転がり軸受。
  5. 前記一対の軌道輪は、前記保持器の外周側及び内周側にそれぞれ配置された外輪及び内輪からなり、
    前記複数の転動体は、前記外輪の内周面に形成された外輪軌道面、及び前記内輪の外周面に形成された内輪軌道面を転動し、
    前記保持器は、円環状に形成された環状体と、前記環状体から軸方向に延びて前記複数の転動体を保持する複数のポケットを形成する複数の柱とを有し、
    前記溝が、前記外輪軌道面の軸方向一方側における前記環状体との対向面に形成されている、
    請求項3又は4に記載の転がり軸受。
  6. 前記溝は、軸方向に向かい合う一対の側壁面と溝底面とによって形成され、
    前記一対の側壁面のうち前記外輪軌道面から遠い側の一方の側壁面は、その内径側の端部を含む少なくとも一部が、他方の側壁面から軸方向に離間するほど内径が小さくなるテーパ面である、
    請求項5に記載の転がり軸受。
  7. 前記溝は、軸方向に向かい合う一対の側壁面と溝底面とによって形成され、
    前記一対の側壁面のうち前記外輪軌道面から遠い側の一方の側壁面の前記溝底面からの高さが他方の側壁面の前記溝底面からの高さよりも低く、
    前記溝よりも前記外輪軌道面から遠い側における前記外輪の最小内径が、前記磁性体の最小内径よりも大きく形成されている、
    請求項5又は6に記載の転がり軸受。
  8. 前記溝は、前記一方の軌道輪の軸方向端面に至る範囲に形成されており、
    前記磁性体は、その一部が前記軸方向端面から軸方向に突出している、
    請求項3乃至5の何れか1項に記載の転がり軸受。
  9. 前記磁性体が、前記外輪に嵌合された金属製の取付部材に取り付けられている、
    請求項8に記載の転がり軸受。
  10. 前記保持器に、前記一方の軌道輪との間から流入する潤滑油を前記溝側に導く突起が形成されている、
    請求項2乃至9の何れか1項に記載の転がり軸受。
  11. 前記一方の軌道輪における軸方向端面に周方向に延びる溝が形成されており、
    前記溝に前記磁性体が保持されている、
    請求項1に記載の転がり軸受。
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