JP2021139390A - 水素充填装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】水素ステーション内の配管に残留した水素ガスを安全に大気中に放散することが出来る水素充填装置の提供。【解決手段】本発明の水素充填装置(100)は、充填機構を備えた本体ユニット(20)と、前記充填機構に接続されている配管(1)より充填ホース(31)を介して先端に充填ノズルを備えたホースユニット(30)とを備えた本体ハウジング(40)と、脱圧弁(6)を介して前記配管(1)内のガスを開放する放散管(50)とにより構成された水素充填装置(100)において、当該水素充填装置(100)が配置された水素ステーション(200)内で水素ガスの漏出が検知された場合(水素充填装置100の内外で水素の漏出が検出された場合を包含する)に前記配管(1)を前記放散管(50)に連通させるバイパス機構(60)を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば燃料電池自動車の水素タンク等に水素を充填するための充填装置に関する。
近年の環境問題に対する車両として、水素ガスを燃料とする燃料電池自動車(FCV)の開発が活発に行われている。ここで、水素ガスを燃料として走行する車両の普及を促進するためには車両に搭載される車載タンク(水素タンク)に対して安定して水素ガスを充填する水素充填装置が必要であるが、出願人はその様な水素充填装置を既に提案している(例えば特許文献1)。
その様な水素充填装置を設置した現在の水素ステーションでは、ガス検知器が水素ガスを検出した場合、水素充填作業を停止する機能を有している。
しかし、水素ステーション内の配管には水素ガスが残留しており、水素充填作業を停止しても当該残留した水素ガスが漏出する事態が継続してしまう。そして最悪の場合には、漏出した水素ガスが水素ステーション内に拡散されてしまい、火災、爆発等の災害が発生して、近隣を巻き込む大惨事に発展してしまうという問題が有る。
特開2016−169869号公報
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、水素ステーション内の配管に残留した水素ガスを安全に大気中に放散することが出来る水素充填装置の提供を目的としている。
本発明の水素充填装置(100)は、充填機構を備えた本体ユニット(20)と、前記充填機構に接続されている配管(1)より充填ホース(31)を介して先端に充填ノズル(32)を備えたホースユニット(30)とを備えた本体ハウジング(40)と、脱圧弁(6)を介して前記配管(1)内のガスを開放する放散管(50)とにより構成された水素充填装置(100)において、当該水素充填装置(100)が配置された水素ステーション(200)内で水素ガスの漏出が検知された場合(水素充填装置100の内外で水素の漏出が検出された場合を包含する)に前記配管(1)を前記放散管(50)に連通させるバイパス機構(60)を有することを特徴としている。
本発明において前記バイパス機構(60)は、前記配管(1)から分岐して放散管(50)に接続する放出用配管(61)と、放出用配管(61)に介装された緊急弁(62)により構成されているのが好ましい。
ここで、前記放出用配管(61)及び緊急弁(62)は水素充填装置(100)の内側に配置されていても良いし、水素充填装置(100)の外側に配置されていても良い。
また本発明において、前記緊急弁(62)はガス検知器(7:水素ガスの漏洩を検知するガス検知器)からの出力により作動するのが好ましい。
或いは、本発明の水素充填装置(100)に水素ガスを供給する圧縮機(70)近傍にガス検知器(7)が設けられており、前記圧縮機(70)はガス検知器(7)からの出力により停止するのが好ましい。
さらに本発明において、前記緊急弁(62)は水素充填装置(100)の内部或いは外部に設けられているのが好ましい。
さらに本発明において、ガス検知器(7)が水素充填装置(100)の外部に設けられており、前記バイパス機構(60)は、水素ガスの漏洩が検知された直後に閉鎖された流量調整弁(3)及び遮断弁(5)を開放する機能を有する制御装置(10)を含むのが好ましい。
この場合、前記緊急弁(62)は水素ガスの供給源である蓄圧器(80)に設けられているのが好ましい。或いは、前記緊急弁(62)を省略することが出来る。
上述の構成を具備する本発明の水素充填装置(100)によれば、当該水素充填装置(100)が配置された水素ステーション(200)内で水素ガスの漏出が検知された場合(水素充填装置100の内外で水素の漏出が検出された場合を包含する)に前記配管(1)を前記放散管(50)に連通させるバイパス機構(60)が設けられているので、当該バイパス機構(60)により前記配管(1)内に残留した水素ガスが放散管(50)を介して大気に放出することが出来る。
そのため、水素ガスの漏出が検知されて水素充填作業が停止しても、前記配管(1)内に残留した水素ガスは放散管(50)を介して大気に放出されるので、前記配管(1)内に残留した水素ガスが水素ステーション(200)内に拡散してしまうことが防止される。その結果、前記配管(1)内に残留した水素ガスが火災、爆発等の災害の要因となることが防止され、近隣を巻き込む大惨事に発展してしまうことがない。
本発明において、前記バイパス機構(60)が前記配管(1)から分岐して放散管(50)に接続する放出用配管(61)と、放出用配管(61)に介装された緊急弁(62)により構成されていれば、水素充填中は緊急弁(62)を閉鎖することにより水素ガスが燃料電池車両の車載タンクに充填され、水素ガス漏洩が検知された際に緊急弁(62)を開放すれば、前記配管(1)内に残留した水素ガスは放出用配管(61)と緊急弁(62)を流過して放散管(50)から安全に排出される。
また本発明において、前記バイパス機構(60)が水素ガスの漏洩が検知された直後に閉鎖された流量調整弁(3)及び遮断弁(5)を開放する機能を有する制御装置(10)により構成されていれば、水素ガス漏洩が検知された際に、閉鎖された流量調整弁(3)及び遮断弁(5)が制御装置(10)により開放することにより、前記配管(1)内に残留した水素ガスは流量計(2)、流量調整弁(3)、ガス管路冷却部(4)、遮断弁(5)、脱圧弁(6)を経由して放散管(50)に流れ、安全に排出される。
本発明において、前記緊急弁(62)がガス検知器(7)からの出力により作動する様に構成されていれば、水素ガス漏出時に緊急弁(62)が開放されて、漏出した水素ガスが放散管(50)を介して大気に放出されるので、安全性が向上する。
また本発明において、圧縮機(70)近傍にガス検知器(7)を設け、前記圧縮機(70)がガス検知器(7)からの出力により停止する様に構成されていれば、水素ガス漏出時に圧縮機(70)が停止して水素ガスの供給が停止されるので、水素ガスが水素ステーション(200)に拡散されることが確実に防止され、火災、爆発等を生じることが無い。
本発明の第1実施形態を示す説明図である。 第1実施形態において、水素充填装置の外部に設けたガス検知器の態様を示すブロック図である。 第1実施形態における制御を示すフローチャートである。 第1実施形態において、図3で示す制御とは別途実行される制御を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態を示す説明図である。 本発明の第3実施形態を示す説明図である。 第3実施形態における制御を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。最初に図1〜図3を参照して、本発明の第1実施形態を説明する。
図1において、全体を符号100で表す水素充填装置は本体ハウジング40、放散管50、バイパス機構60を有している。
ここで本体ハウジング40は、充填機構を備えた本体ユニット20とホースユニット30から構成されている。
放散管50は、脱圧弁6を介して充填機構の水素供給配管1内のガスを開放するために設けられている。そしてバイパス機構60は、水素充填装置100が配置された水素ステーション200内で水素ガスの漏出が検知された場合(水素充填装置100の内外で水素の漏出が検出された場合を含む)に、水素供給配管1を放散管50に連通させるために設けられている。
充填機構を備えた本体ユニット20は、水素供給配管1、流量計2、流量調整弁3、ガス管路冷却部4、遮断弁5、脱圧弁6、水素充填装置100の本体内のガス検知器7A(本体内ガス検知器)、制御装置10を有している。
水素供給配管1の上流側(水素供給側)は蓄圧器80に接続され、蓄圧器80の上流側は圧縮機70(図2参照:図1では図示せず)に接続されている。
水素供給配管1の下流側(充填ノズル32側)は、ホースユニット30を介して図示しない燃料電池自動車の水素タンクに接続されており、ホースユニット30は充填ホース31、充填ノズル32を有している。充填ノズル32の作動信号は図示しないノズルスイッチから発信され、入力信号ラインSi6を介して制御装置10に送信される。
流量計2、流量調整弁3、ガス管路冷却部4、遮断弁5、脱圧弁6は、水素供給配管1に介装されている。
蓄圧器80を介して供給される水素ガスは水素供給配管1、充填ホース31を流過して、充填ノズル32を介して図示しない燃料電池自動車のタンク内に供給される。
図1において、制御装置10は、流量計2の計測結果を入力信号ラインSi1を介して取得し、制御信号ラインSo1を介して流量調整弁3に制御信号を送信する。ガス管路冷却部4は、燃料電池自動車の水素タンクに充填される水素ガスの温度を低下させる機能を有している。
制御装置10は、充填を終了(或いは中止)する際に、流量調整弁3、遮断弁5、脱圧弁6に対して、それぞれ制御信号ラインSo1、So2、So3を介して制御信号を送信し、流量調整弁3、遮断弁5を閉鎖し、脱圧弁6を開放(或いは閉鎖)する。脱圧弁6は、放散管50に接続されている。
制御装置10は、双方向信号ラインSio1を介して制御盤8と接続されている。
本体ユニット20において複数個所にガス検知器7A(本体内ガス検知器)が配置されており、水素ガスの漏洩を検知している。本体内ガス検知器7Aによる水素ガス漏出の検知結果は、入力信号ラインSi7を介して制御盤8に送信される。
図1において、水素供給配管1には、入口側圧力計11(入口側圧力センサ)、出口側圧力計12(出口側圧力センサ)が介装され、それぞれ水素供給配管1内の圧力を計測している。入口側圧力計11及び出口側圧力計12の計測結果は、それぞれ入力信号ラインSi2、Si3を介して制御装置10に送信される。また、水素供給配管1には温度計13(温度センサ)が介装され、水素供給配管1内の温度を計測し、入力信号ラインSi4を介して計測結果を制御装置10に送信している。
本体ユニット20にはスイッチ部14が設けられており、水素充填の開始時に作動させる充填開始スイッチ14A、水素充填が終了し充填を停止させる時に作動させる充填停止スイッチ14B、緊急停止時に作動させる緊急停止スイッチ14Cを備えており、スイッチ14A〜14Cの各々は入力信号ラインSi5を介して制御装置10に信号を送信している。
本体ユニット20には報知器15が設けられており、報知器15は、制御信号ラインSo5を介して制御装置10から送信させる制御信号により作動し、警報により異常報知を行う。異常報知の例としては、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7B(図2参照)、圧縮機側ガス検知器7C(図2参照)により検知されるガス漏洩等がある。
本体ユニット20には表示装置16が設けられており、制御装置10から制御信号ラインSo4を介して送信させる制御信号により、各種情報(例えば、車両に充填された水素質量、その他)を表示する機能を有している。
本体ユニット20において、バイパス機構60により水素供給配管1は放散管50(の脱圧弁6の下流位置)に連通している。バイパス機構60は、水素供給配管1から分岐して放散管50に接続する放出用配管61と、放出用配管61に介装された緊急弁62により構成されている。
バイパス機構60は、本体ユニット20内に配置された本体内ガス検知器7A、図2で後述する蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかにおいて水素ガスの漏出が検出された場合に、放出用配管61の緊急弁62を開放し、水素供給配管1と放散管50を連通させる様に構成されている。
そのため、水素ガスの漏出が検知されて水素充填作業が停止し、流量調整弁3、遮断弁5が閉鎖されても、水素供給配管1内に残留した水素ガス(水素供給配管1における蓄圧器80から流量計2、流量調整弁3までの領域に残留した水素ガス)は、放出用配管61、放散管50を介して放散管50から大気に放出させることが出来る。その際、遮断弁5よりも下流側に残留した水素ガスは、脱圧弁6、放散管50を介して放散管50から大気に放出される。
通常の充填時には緊急弁62は閉鎖されており、水素供給配管1と放散管50とは連通しない。
図1に示す本体内ガス検知器7Aによる水素ガス漏出の検知結果は、入力信号ラインSi7を介して制御盤8に送信される。そして、図2に示す蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cによる水素ガス漏出の検知結果は、それぞれ入力信号ラインSi8、Si9を介して制御盤8に送信される。そして、制御盤8から双方向信号ラインSio1を介して制御装置10に送信される。
図1において、制御装置10は、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかからの水素ガス漏出の検知結果を受信した場合、制御信号ラインSo6を介して緊急弁62に開弁を指令する制御信号を送信する。当該制御信号を受信して緊急弁62が開放されると、水素供給配管1と放散管50は連通する。
図示の実施形態では、バイパス機構60が水素供給配管1から分岐しているのは、入口側圧力計11の上流側(蓄圧器80側)の領域である。しかし、放出用配管61を、入口側圧力計11の下流側の領域で分岐させても良い。
水素供給配管1の上流側には水素ガスの供給源である蓄圧器80が配置され、蓄圧器80の下流側には、蓄圧器80に隣接して仕切弁81が設けられている。
仕切弁81は、ガス検知器により水素ガス漏出を検知した場合等の非常時において、制御盤8或いは制御装置10から制御信号ラインSo7を介して送信される指令により閉弁し、以て、非常時における水素ガスの供給を停止せしめている。
図1では示されていないが、蓄圧器80には、水素ガス漏出等の非常時に水素ガスを大気中に放出(開放)する回路が設けられている。
上述したように、水素充填装置100の内部に設けられた本体内ガス検知器7Aのみならず、水素充填装置100の外部に蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cを設けることが出来る。
図2では、水素ステーション200内であって、水素充填装置100の外部にガス検知器を設けた場合における態様を示し、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cを設けた態様を示している。
図2において、圧縮機70は、蓄圧器80に比較して水素充填装置100から離れた領域に配置されている。蓄圧器80近傍には蓄圧器側ガス検知器7Bが2箇所に配置されており、蓄圧器80の近傍の領域或いは蓄圧器80と水素充填装置100の間の領域における水素ガス漏出を検知している。
一方、圧縮機70近傍の領域には圧縮機側ガス検知器7Cが配置され、圧縮機70近傍の領域における水素ガス漏出を検知している。
蓄圧器側ガス検知器7Bによる水素ガス漏出の検知結果は、入力信号ラインSi8を介して制御盤8(制御装置10)に送信され、圧縮機側ガス検知器7Cによる水素ガス漏出の検知結果は、Si9を介して制御盤8(制御装置10)に送信される。
図示はされていないが、圧縮機70は、圧縮機側ガス検知器7Cからの出力(水素ガス漏出の検知結果)に基づき停止する様に構成されている(図4参照)。そのため、圧縮機70近傍における水素ガス漏出時には、圧縮機70が停止して水素ガスの供給が停止されるので、水素ガスが大量に拡散されることが確実に防止される。
なお、圧縮機側ガス検知器7Cが水素ガス漏出を検知した場合のみならず、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7Bが水素ガス漏出を検知した場合にも圧縮機70を停止する様に構成することが可能である。
次に、図3を参照して、第1実施形態の制御について説明する。
図3において、ステップS1では、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかの検知器が作動したか否か(何れかの検知器が水素ガス漏出を検知したか否か)を判断する。
ステップS1の判断の結果、水素ガス漏出が検知された場合(ステップS1が「Yes」)はステップS2に進み、水素ガス漏出が検知されない場合はステップS1に戻る(ステップS1が「No」のループ)。
ステップS2(水素ガス漏出が検知された場合)では、水素充填装置100が充填中であるか否かを判断する。当該判断は、制御装置10が実行する。
ステップS2の判断の結果、水素充填装置100が充填中である場合(ステップS2が「Yes」)はステップS3に進み、水素充填装置100が充填中でない場合(ステップS2が「No」)はステップS7に進む。
ステップS3(充填中)では遮断弁5及び流量調整弁3を閉鎖し、さらに仕切弁81を閉鎖する。ステップS3により、水素充填装置100による充填は停止され、水素供給配管1内に水素ガスが残留した状態となる。そしてステップS4に進む。
明示されてはいないが、ステップS3において、蓄圧器80から水素供給配管1への水素ガスの供給を停止し、蓄圧器80から水素ガスを放出(開放)する(逃がす)ことが出来る。
ステップS4では脱圧弁6が開放される。ステップS4で脱圧弁6が開放されることにより、脱圧弁6よりも下流側(充填ノズル32側)の領域に残留した水素ガスが脱圧弁6、放散管50を経由して放出される。そしてステップS5に進む。
ステップS5では、充填ノズル32のノズルスイッチがオフであるか否かを判断する。当該判断は、制御装置10が、充填ノズル32のノズルスイッチから送信される作動信号に基づいて実行する。ステップS4で脱圧が実行されたことを受けたステップS5では、脱圧が完了したことをノズルスイッチのオフにより確認している。
ステップS5の判断の結果、充填ノズル32のノズルスイッチがオフの場合(ステップS5が「Yes」)はステップS6に進み、充填ノズル32のノズルスイッチがオフでない場合(ステップS5が「No」)はステップS5に戻る。
ステップS6(ノズルスイッチがオフ)では、脱圧が完了したことにより脱圧弁6を閉鎖する。そしてストップS7に進む。
ステップS7では緊急弁62を開放する。ステップS7で緊急弁62を開放すれば、水素供給配管1と放散管50が放出用配管61を介して連通し、水素供給配管1内に残留した水素ガスが放散管50から大気に放出される。そしてステップS8に進む。
ステップS8では、ステップS7で緊急弁62を開放してから所定時間t1が経過したか否か、或いは、入口側圧力計11で計測された圧力がしきい値以下であるか否かを判断する。
緊急弁62を開放してからの経過時間を計測する場合、前記所定時間t1は、水素充填を停止した際、水素供給配管1内(蓄圧器80から流量調整弁3までの領域)に残留した水素ガスを放出用配管61、放散管50を介して大気に放出させるのに必要な時間に余裕時間を加えた時間であり、予め実験等により設定する。当該判断は、制御装置10の計時機能により実行する。
圧力(入口側圧力計11で計測された圧力)としきい値を比較する場合、前記しきい値は例えば1MPaである。
ステップS8の判断の結果、緊急弁62を開放してから所定時間t1が経過した場合及び/又は、入口側圧力計11の圧力がしきい値以下の場合(ステップS8が「Yes」)はステップS9に進む。緊急弁62を開放してから所定時間t1が経過していない場合及び/又は、入口側圧力計11の圧力がしきい値より高圧である場合は、ステップS8に戻る(ステップS8が「No」のループ)。
ステップS9(緊急弁62を開放してから所定時間t1が経過した場合、及び/又は、入口側圧力計11の圧力がしきい値以下の場合)において、緊急弁62を閉鎖する。
図4には、第1実施形態における圧縮機70を停止させる制御が示されている。
図4において、ステップS11では、圧縮機70の近傍に配置されて、圧縮機70の近傍の領域における水素ガス漏出を検知する圧縮機側ガス検知器7Cが水素ガスの漏出を検知したか否かを判断する。
圧縮機側ガス検知器7Cが水素ガスの漏出を検知した場合(ステップS11が「Yes」)はステップS12に進み、圧縮機側ガス検知器7Cが水素ガスの漏出を検知しない場合はステップS11に戻る(ステップS11が「No」のループ)。
ステップS12(圧縮機側ガス検知器7Cが水素ガスの漏出を検知した場合)では、制御装置10から圧縮機70に制御信号が送信されて圧縮機70の作動を停止する。
図4では、圧縮機側ガス検知器7Cの水素ガス漏出の検知結果に基づき圧縮機70の作動を停止しているが、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7Bの検知結果に基づき圧縮機70の作動を停止する様に制御することも出来る。
図1〜図4の第1実施形態の水素充填装置100によれば、水素充填装置100が配置された水素ステーション200内の本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cで水素ガスの漏出が検知された場合、水素供給配管1と放散管50を接続するバイパス機構60の放出用配管61に介装された緊急弁62を開放する。これにより、水素供給配管1内の蓄圧器80から流量調整弁3までの領域に残留した水素ガスは、放出用配管61、放散管50を介して大気に放出させることが出来る。
これにより、水素供給配管1内(蓄圧器80から流量調整弁3までの領域)に残留した水素ガスが水素ステーション200内に拡散してしまうことが防止され、当該残留した水素ガスが火災、爆発等の災害の要因となることが防止される。
また、バイパス機構が水素供給配管1から分岐して放散管50に接続する放出用配管61と、放出用配管61に介装された緊急弁62により構成されているので、水素充填中は緊急弁62を閉鎖することにより水素ガスを燃料電池車両の車載タンクに充填させることが出来、水素ガス漏洩が検知された際に緊急弁62を開放すれば、水素供給配管1内に残留した水素ガスは放出用配管61と緊急弁62を流過して放散管50から安全に排出される。
さらに第1実施形態において、圧縮機70近傍に圧縮機側ガス検知器7Cを設け、圧縮機70が圧縮機側ガス検知器7Cからの出力により停止する様に構成したので、水素ガス漏出時に圧縮機70が停止して水素ガスの供給が停止されて、水素ガスが拡散され続ける事態が確実に防止される。
図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
図1〜図4の第1実施形態では、放出用配管61及び緊急弁62から構成されるバイパス機構60は水素充填装置100の内側に配置されていたが、図5の第2実施形態では、バイパス機構60−1(放出用配管61−1、緊急弁62−1)は水素充填装置100の外側に配置されている。
以下の第2実施形態の説明では、図1と異なる箇所について説明する。なお、第2実施形態における構成部材の符号に関し、バイパス機構60−1(放出用配管61−1、緊急弁62−1)以外の機器については、第1実施形態と同じ符号を使用する。
図5において、バイパス機構60−1は、水素供給配管1から分岐して放散管50に接続する放出用配管61−1と、放出用配管61−1に介装された緊急弁62−1により構成されている。放出用配管61−1は、水素供給配管1の上流側(蓄圧器80側)と、放散管50の脱圧弁6よりも下流側の領域とを連通している。
そのためバイパス機構60−1は、水素充填装置100の外側に配置されている。
水素ガス漏出時のバイパス機構60−1の作用に関しては、第1実施形態のバイパス機構60と同様であり、本体内ガス検知器7A、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかが水素ガス漏出を検知した場合、緊急弁62−1を開放し、水素供給配管1と放散管50を連通する。
図5の第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図4の第1実施形態と同様である。
次に図6、図7を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
図6、図7の第3実施形態では、バイパス機構60−2は、流量調整弁3及び遮断弁5を開放する機能を有する制御装置10により構成されている。
また、第3実施形態では、水素充填装置100内の本体内ガス検知器7A(図1〜図5参照)が設けられておらず、水素充填装置100外に設けられた蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7C(図2参照)のみを設けている。
以下において、図1とは異なる構成について説明する。なお、第3実施形態においても、バイパス機構以外の機器(水素充填装置100、本体ユニット20、水素供給配管1等)の符号は、図1〜図5と同じ符号を使用する。
図6において、水素ガスの漏出を検知するガス検知器としては、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cが設けられ(図2参照)、水素充填装置100の内部には設けられていない。水素充填装置100内の本体内ガス検知器7A(図1〜図5参照)が水素漏出を検知してしまうと水素充填装置は停電するので、閉鎖してしまった流量調整弁3及び遮断弁5を後述するように再び開放することが困難だからである。
水素供給配管1における蓄圧器80の下流側に緊急弁62−2が介装されている。
図6では明示されていないが、制御装置10は、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかより検知信号を受信しており、制御信号ラインSo6−2を介して緊急弁62−2に制御信号を送信する。水素ガス漏出の信号を受信した緊急弁62−2は閉鎖され、蓄圧器80から水素供給配管1への水素ガスの流出を停止させる。緊急弁62−2は常開であり、水素充填時には開放されており、水素ガス漏出の検知時等の非常時のみ閉鎖される。
制御装置10は、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかからの水素ガス漏出の検知結果を受信した場合、流量調整弁3及び遮断弁5を閉鎖する。しかし、第3実施形態の制御装置10は、流量調整弁3及び遮断弁5が閉鎖されてから所定時間後に、それぞれ制御信号ラインSo1、So2を介して、流量調整弁3及び遮断弁5に対して開放する旨の制御信号を送信して、流量調整弁3及び遮断弁5を開放する機能を有している(図7のステップS25参照)。その際、脱圧弁6も開放される。なお、流量調整弁3及び遮断弁5が開放されれば、流量計2、ガス管路冷却4も開放下地用隊を維持する様に制御される。
そのため、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかで水素ガスの漏洩が検知された際に、流量調整弁3及び遮断弁5がいったん閉鎖された後に開放されるので、水素供給配管1内に残留した水素ガスは流量計2、流量調整弁3、ガス管路冷却部4、遮断弁5、脱圧弁6を経由して放散管50に流れ、大気中に安全に排出される。
ここで、水素充填時には仕切弁81が開放され、水素ガス漏洩等の非常時には仕切弁81が閉鎖するので、緊急弁62−2を省略することが出来る。
或いは、緊急弁62−2と仕切弁81の双方を介装することにより、非常時に仕切弁81と緊急弁62−2の何れかが開放しても、他方が閉鎖しているので、水素供給配管1に水素ガスが供給され続ける事態を確実に防止することが可能である。
第3実施形態の制御について、主として図7のフローチャートを参照して、図3のフローチャートとは異なる点を主として説明する。
図7において、ステップS21では、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかの検知器が作動したか否か(何れかの検知器が水素ガス漏出を検知したか否か)を判断する。蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cは水素充填装置100の外部に設けられているので、水素漏出を検知しても水素充填装置は停電せず、後述の制御が実行可能である。
ガス検知器7B、7Cの何れかで水素ガス漏出が検知された場合(ステップS21が「Yes」)はステップS22に進み、ガス検知器7B、7Cが水素ガス漏出を検知しない場合はステップS21に戻る(ステップS21が「No」のループ)。
ステップS22では、水素充填装置100が充填中であるか否かを判断する。水素充填装置100が充填中である場合(ステップS22が「Yes」)はステップS23に進み、充填中でない場合(ステップS22が「No」)はステップS29に進む。
ステップS23では、遮断弁5及び流量調整弁3を閉鎖し、さらに仕切弁81を閉鎖する。これにより水素充填装置100による充填は停止され、水素供給配管1内に水素ガスが残留した状態となる。
ステップS24では、ステップS23で遮断弁5、流量調整弁3、仕切弁81を閉鎖してから所定時間t2が経過したか否かを判断する。所定時間t2は、遮断弁5、流量調整弁3、仕切弁81の閉鎖に要する時間(タイムラグ)に基づき設定される。
所定時間t2が経過した場合(ステップS24が「Yes」)はステップS25に進み、所定時間t2が経過していない場合はステップS24に戻る(ステップS24が「No」のループ)。
ステップS25(所定時間t2が経過)では、遮断弁5及び流量調整弁3を開放し、緊急弁62−2を閉鎖する。そしてステップS26に進み、脱圧弁6が開放される。
ステップS26では遮断弁5、流量調整弁3、脱圧弁6が開放されるので、水素供給配管1と放散管50が連通し、水素供給配管1内に残留した水素ガスは流量計2、流量調整弁3、ガス管路冷却部4、遮断弁5、脱圧弁6を経由して放散管50に流れ、大気中に安全に排出される(脱圧される)。そしてステップS27に進む。
ステップS27では、充填ノズル32のノズルスイッチがオフであるか否かを判断する。ノズルスイッチがオフの場合(ステップS27が「Yes」)はステップS28に進み、ノズルスイッチがオフでない場合はステップS27に戻る(ステップS27が「No」のループ)。
ステップS28(ノズルスイッチがオフ)では脱圧が完了と判断して、脱圧弁6を閉鎖する。そしてステップS29に進む。
ステップS29では緊急弁62−2が開放され、充填可能な状態に復帰する。
ここで、緊急弁62−2が省略されている場合には、図7における緊急弁62−2の開閉制御は実行されない。
図6、図7に示す第3実施形態によれば、バイパス機構60−2は制御装置10で構成され、蓄圧器側ガス検知器7B、圧縮機側ガス検知器7Cの何れかが水素ガス漏洩を検知した直後に流量調整弁3及び遮断弁5は閉鎖されるが、閉鎖されてから所定時間後に流量調整弁3及び遮断弁5を開放し、脱圧弁6も開放する。それにより、水素供給配管1内に残留した水素ガスは流量計2、流量調整弁3、ガス管路冷却部4、遮断弁5、脱圧弁6を経由して放散管(50)に流れ、安全に排出される。
その際、制御装置10の制御信号に基づき緊急弁62−2は閉鎖され(及び/又は仕切弁81が閉鎖され)、蓄圧器80から水素供給配管1への水素ガスが供給され続ける事態は防止される。
第3実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図5の実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
1・・・配管(水素供給配管)
2・・・流量計
3・・・流量調整弁
5・・・遮断弁
6・・・脱圧弁
7A・・・本体内ガス検知器
7B・・・蓄圧器側ガス検知器
7C・・・圧縮機側ガス検知器
8・・・制御盤
10・・・制御装置
20・・・本体ユニット
30・・・ホースユニット
31・・・充填ホース
32・・・充填ノズル
40・・・本体ハウジング
50・・・放散管
60、60−1、60−2・・・バイパス機構
61、61−1・・・放出用配管
62、62−1、62−2・・・緊急弁
70・・・圧縮機
80・・・蓄圧器
100・・・水素充填装置
200・・・水素ステーション

Claims (5)

  1. 充填機構を備えた本体ユニットと、前記充填機構に接続されている配管より充填ホースを介して先端に充填ノズルを備えたホースユニットとを備えた本体ハウジングと、脱圧弁を介して前記配管内のガスを開放する放散管とにより構成された水素充填装置において、当該水素充填装置が配置された水素ステーション内で水素ガスの漏出が検知された場合(水素充填装置の内外で水素の漏出が検出された場合を包含する)に前記配管を前記放散管に連通させるバイパス機構を有することを特徴とする水素充填装置。
  2. 前記バイパス機構は、前記配管から分岐して放散管に接続する放出用配管と、放出用配管に介装された緊急弁により構成されている請求項1の水素充填装置。
  3. ガス検知器が水素充填装置の外部に設けられており、前記バイパス機構は、水素ガスの漏洩が検知された直後に閉鎖された流量調整弁及び遮断弁を開放する機能を有する制御装置を含む請求項1の水素充填装置。
  4. 前記緊急弁はガス検知器からの出力により作動する請求項2の水素充填装置。
  5. 圧縮機近傍にガス検知器が設けられており、前記圧縮機はガス検知器からの出力により停止する請求項1〜4の水素充填装置。
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