JP2021138983A - 焼結可能なセラミックス粉末及び金属粉末の成形体用組成物とその脱脂体並びに焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内部に気泡・膨れ・クラックが無い健全な脱脂体を得ることができる焼結可能なセラミックス若しくは金属粉末射出成形用組成物と脱脂方法の提供。【解決手段】焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末と、水蒸気に溶解できる水溶性化合物と熱可塑性樹脂並びに融点120℃以下の有機化合物からなる有機バインダを30〜65体積%含むとともに、有機バインダの添加量を化合物が20〜80体積%、熱可塑性樹脂20〜70体積%、融点120℃以下の有機化合物1〜30体積%を焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末に添加し、120〜190℃の加熱混練温度で混練を行う。得られた成形用組成物を射出成形し成形体を得る。得られた成形体を水中もしくは水溶性溶媒であるアルコールもしくはアセトンを用いて、水溶性化合物を全有機バインダ中の30体積%以上抽出し、過熱蒸気をフローして短時間で欠陥の無い脱脂体を得る、焼結品の製造方法。【選択図】図2
Description
本発明は、射出成形により焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末の成形体を製造し、この成形体から焼結体製品を製造する方法に用いるための射出成形用組成物並びに脱脂方法に関する。
セラミックス、金属の粉末射出成形の際には所望する形状に加工するために有機バインダを添加する必要がある。有機バインダは成形時に形状を付与するために必要なものであり、加熱により添加した有機バインダを除去する必要がある。従来からある粉末射出成形の成形工程を図1に示す。
有機バインダによっては不活性ガス中でバインダを除去しないと残留炭素分が残る場合がある。また、粉末の粒子径がサブミクロンになると脱脂時間が24時間を超え、肉厚が10mmを超えるような成形体の場合には加熱脱脂中にクラック、膨れが発生することが多い。
上記を解決するために溶媒脱脂、触媒脱脂による脱脂方法が知られており、特許文献1には有機溶剤を用いた脱脂方法が開示されている。また特許文献2には強酸を用いた脱脂方法が開示されている。しかしながら、これらの脱脂方法では危険性の高い炭化水素系溶剤、塩素系溶剤並びに硝酸等の強酸が用いられており、脱脂工程においては危険性が伴う事とこれら廃溶剤の処理、強酸を用いた際の脱脂における窒素酸化物の処理が大きな問題となる。また、これらの溶媒脱脂、触媒脱脂では添加した有機バインダが完全に除去することはできず、別途加熱による脱脂炉が必要である。また、金属粉末を用いた射出成形体では残留したバインダが含まれる抽出脱脂後の成形体をそまま焼結炉に入れて焼結する方法もあるが、焼結炉内に残留バインダが分解することで、炉内に残留カーボン、残留バインダの分解物が炉壁、配管に残留し、焼結体の炭素量が増加したり、焼結体が溶融する等の問題が発生する場合が多い。
また、脱脂時間を短縮化させる方法としては別途、過熱蒸気を用いる方法が知られており、特許文献3には、過熱蒸気を熱媒とする加熱装置が開示されている。また、特許文献4及び5には、過熱蒸気を用いた、成形物用の焼成炉及びセラミックス製品の製造方法が、それぞれ、開示されている。しかしながら、今までの過熱蒸気を用いた脱脂方法では酸化物セラミックスに対応したものであり、非酸化物セラミックスである炭化物セラミックス、窒化物セラミックス及びステンレス、鉄系材料等の金属材料には対応していない。また、粉末射出成形のようにバインダ添加量が40体積%以上になる場合には、150℃を超える過熱蒸気を成形体に直接接触させることで、有機バインダが体積膨張を伴い溶融し、気化するために、成形体に膨れ、割れが発生する。
有機バインダによっては不活性ガス中でバインダを除去しないと残留炭素分が残る場合がある。また、粉末の粒子径がサブミクロンになると脱脂時間が24時間を超え、肉厚が10mmを超えるような成形体の場合には加熱脱脂中にクラック、膨れが発生することが多い。
上記を解決するために溶媒脱脂、触媒脱脂による脱脂方法が知られており、特許文献1には有機溶剤を用いた脱脂方法が開示されている。また特許文献2には強酸を用いた脱脂方法が開示されている。しかしながら、これらの脱脂方法では危険性の高い炭化水素系溶剤、塩素系溶剤並びに硝酸等の強酸が用いられており、脱脂工程においては危険性が伴う事とこれら廃溶剤の処理、強酸を用いた際の脱脂における窒素酸化物の処理が大きな問題となる。また、これらの溶媒脱脂、触媒脱脂では添加した有機バインダが完全に除去することはできず、別途加熱による脱脂炉が必要である。また、金属粉末を用いた射出成形体では残留したバインダが含まれる抽出脱脂後の成形体をそまま焼結炉に入れて焼結する方法もあるが、焼結炉内に残留バインダが分解することで、炉内に残留カーボン、残留バインダの分解物が炉壁、配管に残留し、焼結体の炭素量が増加したり、焼結体が溶融する等の問題が発生する場合が多い。
また、脱脂時間を短縮化させる方法としては別途、過熱蒸気を用いる方法が知られており、特許文献3には、過熱蒸気を熱媒とする加熱装置が開示されている。また、特許文献4及び5には、過熱蒸気を用いた、成形物用の焼成炉及びセラミックス製品の製造方法が、それぞれ、開示されている。しかしながら、今までの過熱蒸気を用いた脱脂方法では酸化物セラミックスに対応したものであり、非酸化物セラミックスである炭化物セラミックス、窒化物セラミックス及びステンレス、鉄系材料等の金属材料には対応していない。また、粉末射出成形のようにバインダ添加量が40体積%以上になる場合には、150℃を超える過熱蒸気を成形体に直接接触させることで、有機バインダが体積膨張を伴い溶融し、気化するために、成形体に膨れ、割れが発生する。
したがって、本発明はセラミックス粉末若しくは金属粉末の射出成形法において、成形体の脱脂を短時間で行い、脱脂、焼結時において焼結体の膨れ、気泡の発生を防ぎ、欠陥のない焼結体を得るために、成形体を溶媒脱脂後に過熱蒸気を用いる事により、速やかに脱脂を行うことができる有機バインダ組成と過熱蒸気による脱脂方法を提供することを課題とする。
本発明者らは図2に示す成形方法を用い、セラミックス粉末若しくは金属粉末と有機バインダを混合したものを原料(射出成形用組成物)として射出成形し、この射出形成体を脱脂・焼結して目的製品を得る方法において、セラミックス粉末若しくは金属粉末と、水溶性化合物を含む有機バインダとからなる射出成形用組成物を用いることで、従来と比較して脱脂時間を短縮し割れ・膨れの無い健全な脱脂体を得ることができた。
すなわち、本発明にかかる射出成形用組成物は、焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末と、水蒸気に溶解できる水溶性化合物(A)と熱可塑性樹脂(B)並びに融点120℃以下の有機化合物(C)からなる。
特に、前記(A)、(B)、(C)からなる有機バインダを30〜65体積%含むとともに、有機バインダの添加量を化合物(A)が20〜80体積%、(B)の熱可塑性樹脂20〜70体積%、(C)として融点120℃以下の有機化合物(C)1〜30体積%を焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末に添加し、120〜190℃の加熱混練温度で混練を行う。得られた成形用組成物を射出成形し成形体を得る。得られた成形体を水中もしくは水溶性溶媒であるアルコールもしくはアセトンを用いて、水溶性化合物(A)を全有機バインダ中の30体積%以上抽出し、過熱蒸気をフローして短時間で欠陥の無い脱脂体を得ることができる。また、得られた脱脂体を用いて欠陥の無い焼結体を得ることができた。
本発明にかかる成形用組成物並びに脱脂方法を用いることにより、安全性の高い水若しくは水溶性の溶媒を用いて、抽出脱脂工程と加熱脱脂工程を短時間に行うことができ、得られた脱脂体も膨れ・クラック等の欠陥の無い脱脂体であり、結果として、残留バインダを焼結炉に持ち込むことなく、健全な焼結体を短時間で得ることができる。
本発明にかかる水溶性化合物(A)にはポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)から選ばれた一種もしくは複数種類を用いる。水溶性化合物(A)の添加量は20〜80体積%であり、望ましくは30〜70体積%であり、さらに望ましくは40〜65体積%である。水溶性化合物(A)の添加量が20体積%未満の場合には脱脂時に成形体に膨れ・クラックが発生する。また、添加量が80体積%よりも多い場合には成形体の強度が低くなり、成形時に割れを生じる。
本発明にかかる熱可塑性樹脂(B)にはポリアセタール(POM)樹脂、ポリエチレン(PE) 、ポリプロピレン(PP)、及びエチレン酢酸ビニル共有重合体(EVA)、エチレン・アクリル共重合体(EEA)、ポリエステル系ポリウレタン、エチレングリシジルメタクリレート(EGMA)及び脂肪族ポリカーボネート(APC)から選ばれた一種もしくは複数種類を用いる。熱可塑性樹脂(B)の添加量は20〜70体積%であり、望ましくは30〜60体積%であり、さらに望ましくは35〜55体積%である。成分(B)の添加量が20体積%未満の場合に成形時にクラックが発生する。また、添加量が70体積%よりも多い場合には脱脂時において分解ガスが急激に発生し、クラックが生じる。
本発明の融点が120℃以下の有機化合物(C)としてはアモルファスポリオレフィン、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、フタル酸エステル、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、モンタン系ワックス、ウレタン化ワックス、蜜蝋、ライスワックス、無水マレイン酸変性ワックス、及びポリグリコール系化合物から選ばれる1種以上を用いることができる。
有機化合物(C)の添加量が1体積%未満の場合には、成形時の流動性が悪くなり、成形体に割れ及びクラックが生じやすくなる。また、添加量が30体積%よりも多くなると、成形時において成形体にバリが発生しやすくなり、成形体の強度が低下する恐れがある。有機化合物(C)の添加量は1〜30体積%であるが、望ましい添加量は3〜25体積%であり、より望ましい添加量は5〜20体積%である。
更に成形材料の熱劣化に対する安定性を保持するために酸化防止剤、金属不活性剤を添加しても良い。
有機化合物(C)の添加量が1体積%未満の場合には、成形時の流動性が悪くなり、成形体に割れ及びクラックが生じやすくなる。また、添加量が30体積%よりも多くなると、成形時において成形体にバリが発生しやすくなり、成形体の強度が低下する恐れがある。有機化合物(C)の添加量は1〜30体積%であるが、望ましい添加量は3〜25体積%であり、より望ましい添加量は5〜20体積%である。
更に成形材料の熱劣化に対する安定性を保持するために酸化防止剤、金属不活性剤を添加しても良い。
本発明の有機バインダ(A+B+C)の合計が、成形用組成物(金属粉末+有機バインダ)全量中で30体積%未満の場合には、成形体が脆くなりやすい。また、有機バインダ成分(A+B+C)の合計が、成形用組成物全量中で65体積%よりも多くなると、脱脂工程において変形・膨れ・クラックが生じやすくなる。
本発明の成形用組成物として、焼結可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末とともに、水溶性化合物(A)、熱可塑性樹脂(B)に融点120℃以下の有機化合物(C)をバッチタイプもしくは連続タイプの混練機を用いて160℃〜180℃の温度で1〜3時間程度混練し、これを数ミリの大きさに粉砕し、成形原料を得る。得られた成形材料について粉末射出成形については得られた射出成形機を用いて成形温度140℃〜200℃で成形を行い、成形体を得る。
得られた成形体を図1に示す抽出脱脂装置に過熱蒸気を具備する脱脂炉を用いて、水溶性化合物(A)を溶解することができる水若しくは水に溶解できるアルコール、炭化水素系溶剤を用いて20℃〜80℃の温度で1〜12時間抽出脱脂を行う。水に対して反応する粉末である窒化アルミ、鉄系、銅系、チタン系金属粉末を用いる場合には水に溶解できる炭化水素系溶剤であるアルコール、アセトンを用いて抽出脱脂を行う。抽出脱脂工程においては図3に示すように成形体を抽出溶媒に浸漬させて、水溶性化合物(A)を抽出する。全有機バインダ中の30体積%以上を抽出脱脂工程において除去することにより、過熱蒸気による脱脂工程において100℃/hrの昇温速度においても欠陥の無い脱脂体を得ることができる。
抽出脱脂工程完了後、過熱蒸気雰囲気にて最高温度500℃〜800℃で昇温時間1〜10時間、最高温度で0.5〜2時間保持し脱脂を行う。昇温時間が1時間未満の場合には成形体に割れ・膨れが生じやすい。得られた脱脂体を900℃〜1500℃の温度で、用いるセラミックス粉末若しくは金属粉末に適する雰囲気を用いて焼結を行う。
本発明に用いられるセラミックス粉末はアルミナ、ジルコニア、マグネシア、チタニア
等の酸化物セラミックス、窒化アルミ、窒化珪素等の窒化物セラミックス、炭化ケイ素等の炭化物セラミックスが挙げられる。本発明に用いられるセラミックス粉末の平均粒径は0.01μm以上5μm以下が望ましい。粒径が0.01μm未満の場合には成形に必要なバインダ量が多くなるために脱脂時に脱脂時に変形及び割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。また、金属粉末にはステンレス、鉄系材料、チタン、銅、ニッケル等の粉末が挙げられる。本発明に用いられる金属粉末の平均粒径は1〜30μmが好ましい。粉末の粒径が1μm未満になると、成形に必要なバインダ量が多くなるために脱脂時に変形及び割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。また、粉末平均粒径が30μmを超えると、成形時に粉末とバインダが分離しやすく、また、焼結後の密度が低くなり、得られた焼結体の強度も低下する。ここで、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法を使用した粒度分布測定装置を用いて、測定した重量累積50%の平均径を意味する。粒度分布測定装置としては、島津製作所製 SALD−2000型を用いることができる。
等の酸化物セラミックス、窒化アルミ、窒化珪素等の窒化物セラミックス、炭化ケイ素等の炭化物セラミックスが挙げられる。本発明に用いられるセラミックス粉末の平均粒径は0.01μm以上5μm以下が望ましい。粒径が0.01μm未満の場合には成形に必要なバインダ量が多くなるために脱脂時に脱脂時に変形及び割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。また、金属粉末にはステンレス、鉄系材料、チタン、銅、ニッケル等の粉末が挙げられる。本発明に用いられる金属粉末の平均粒径は1〜30μmが好ましい。粉末の粒径が1μm未満になると、成形に必要なバインダ量が多くなるために脱脂時に変形及び割れ、膨れ等の欠陥が生じやすい。また、粉末平均粒径が30μmを超えると、成形時に粉末とバインダが分離しやすく、また、焼結後の密度が低くなり、得られた焼結体の強度も低下する。ここで、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法を使用した粒度分布測定装置を用いて、測定した重量累積50%の平均径を意味する。粒度分布測定装置としては、島津製作所製 SALD−2000型を用いることができる。
本発明の上記組成物を射出成形もしくはFDM型3Dプリンタにて成形し、得られた成形体を抽出脱脂装置に過熱蒸気を具備する脱脂炉を用いて短時間でクラック、膨れ等の欠陥の無い脱脂体が得られ、焼結後においても変形・膨れ及び割れ等の欠陥がない焼結体を得ることができた。
以下、実施例及び比較例により発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
(A)ポリエチレンオキサイド(PEO) 10.0体積%
(B)ポリエチレングリコール(PEG) 45.0体積%
(C)ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
(A)ポリプロピレン(PP) 30.0体積%
(B)エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
カルナバワックス 1.0体積%
ステアリン酸 4. 0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し8時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にてアルゴンガス中で1350℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も97%であった。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
(A)ポリエチレンオキサイド(PEO) 10.0体積%
(B)ポリエチレングリコール(PEG) 45.0体積%
(C)ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
(A)ポリプロピレン(PP) 30.0体積%
(B)エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
カルナバワックス 1.0体積%
ステアリン酸 4. 0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し8時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にてアルゴンガス中で1350℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も97%であった。
[実施例2]
水溶性化合物(A)として、ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−2)、ポリエチレングリコール(PEG,平均分子量4000)並びにポリビニルアルコール(PVA、日本酢ビ・ポバールJMR-10L)を用いた。熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレングリシジルメタクリレート樹脂(EGMA、住友化学 ボンドファースト BF-7B)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
(A)ポリエチレンオキサイド(PEO) 10.0体積%
(B)ポリエチレングリコール(PEG) 45.0体積%
(C)ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
(A)ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
(B)エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
(C)脂肪族ポリカーボネート(APC) 10.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
カルナバワックス 2.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中でエタノールの温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にてアルゴンガス中で1350℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も97%であった。
水溶性化合物(A)として、ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−2)、ポリエチレングリコール(PEG,平均分子量4000)並びにポリビニルアルコール(PVA、日本酢ビ・ポバールJMR-10L)を用いた。熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレングリシジルメタクリレート樹脂(EGMA、住友化学 ボンドファースト BF-7B)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
(A)ポリエチレンオキサイド(PEO) 10.0体積%
(B)ポリエチレングリコール(PEG) 45.0体積%
(C)ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
(A)ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
(B)エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
(C)脂肪族ポリカーボネート(APC) 10.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
カルナバワックス 2.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中でエタノールの温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にてアルゴンガス中で1350℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も97%であった。
[実施例3]
水溶性化合物(A)として、ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−1)、ポリエチレングリコール(PEG,平均分子量2000)並びにポリビニルアルコール(PVA、日本酢ビ・ポバールJMR-10L)を用いた。熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、アルミナ粉末(平均粒径:0.5μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
アルミナ粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
ポリエチレンオキサイド(PEO) 5.0体積%
ポリエチレングリコール(PEG) 50.0体積%
ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 5.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 25.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
ステアリン酸 5.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にて空気中で1600℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も99.2%であった。
水溶性化合物(A)として、ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−1)、ポリエチレングリコール(PEG,平均分子量2000)並びにポリビニルアルコール(PVA、日本酢ビ・ポバールJMR-10L)を用いた。熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、アルミナ粉末(平均粒径:0.5μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
アルミナ粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
水溶性化合物(A) 60体積%
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 5体積%
各バインダ組成
水溶性化合物(A):60体積%
ポリエチレンオキサイド(PEO) 5.0体積%
ポリエチレングリコール(PEG) 50.0体積%
ポリビニルアルコール(PVA) 5.0体積%
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 5.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 25.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):5体積%
ステアリン酸 5.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体を焼結炉にて空気中で1600℃2時間保持して、その後炉冷して焼結体を得た。得られた焼結体はクラック・膨れ等の欠陥の無い健全な焼結体を得ることができ、焼結密度も99.2%であった。
[比較例1]
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)を160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 10.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス(融点60℃) 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で溶媒脱脂を行わず、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体にはクラック、膨れが発生し、健全な脱脂体を得ることができなかった。
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)を160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 10.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス(融点60℃) 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で溶媒脱脂を行わず、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体にはクラック、膨れが発生し、健全な脱脂体を得ることができなかった。
[比較例2]
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレングリシジルメタクリレート樹脂(EGMA、住友化学 ボンドファースト BF-7B)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 10.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図3に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図5に示す脱脂炉中で溶媒脱脂を行わず、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体にはクラック、膨れが発生し、健全な脱脂体を得ることができなかった。
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレングリシジルメタクリレート樹脂(EGMA、住友化学 ボンドファースト BF-7B)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、SUS316L粉末(平均粒径:7μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
SUS316L粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 20.0体積%
エチレングリシジルメタクリレート(EGMA) 5.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 10.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度180℃の条件で射出し、図3に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図5に示す脱脂炉中で溶媒脱脂を行わず、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体にはクラック、膨れが発生し、健全な脱脂体を得ることができなかった。
[比較例3]
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、アルミナ粉末(平均粒径:0.5μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
アルミナ粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 5.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 25.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス(融点60℃) 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体はクラック・膨れが発生し健全な脱脂体を得ることができなかった。
熱可塑性樹脂(B)として、ポリプロピレン樹脂(PP、プライムポリマー J-2021GRP)、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA、エバフレックスEV250)、脂肪族ポリカーボネートを160℃で溶融させ、融点120℃以下の有機化合物(C)としてカルナバワックス及びステアリン酸アミドを投入し、均一に溶融させた後、アルミナ粉末(平均粒径:0.5μm)を投入して60分間混練し、取り出した後混練物を粉砕し、成形用組成物を得た。
成形用組成物
アルミナ粉末 58体積%
有機バインダ添加量 42体積%
有機バインダ添加割合
熱可塑性樹脂(B) 35体積%
低融点化合物(C) 65体積%
各バインダ組成
熱可塑性樹脂(B):35体積%
ポリプロピレン(PP) 5.0体積%
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA) 25.0体積%
脂肪族ポリカーボネート(APC) 5.0体積%
低融点化合物(C):65体積%
パラフィンワックス(融点60℃) 55.0体積%
カルナバワックス 7.0体積%
ステアリン酸アミド 3.0体積%
得られた成形材料を用いて成形温度160℃の条件で射出し、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度50℃で浸漬し6時間、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体はクラック・膨れが発生し健全な脱脂体を得ることができなかった。
[実施例4〜11、比較例3〜6]
さらに、有機バインダ成分を種々変更して実験を行った。用いた有機バインダの組成を表1に、射出成形用組成物の組成と結果を表2に示す。なお、混練の条件、脱脂の条件並びに焼結の条件は実施例1〜3に準じて行った。成形体の肉厚については図4に記載の成形体を用いた。
さらに、有機バインダ成分を種々変更して実験を行った。用いた有機バインダの組成を表1に、射出成形用組成物の組成と結果を表2に示す。なお、混練の条件、脱脂の条件並びに焼結の条件は実施例1〜3に準じて行った。成形体の肉厚については図4に記載の成形体を用いた。
表1: 有機バインダ成分表(体積%)
水溶性化合物(A)
ポリエチレングリコール:PEG(平均分子量 2000)
ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−1)
樹脂成分(B)
ポリオキシメチレン:POM(ポリプラスチックス NW02)
エチレングリシジルメタクリレート:EGMA(住友化学 ボンドファースト BF-7B)
ポリプロピレン:PP(プライムポリマー J108M)
ポリエチレン:PE(ハイゼックス 1300J)
低融点化合物(C)
カルナバワックス:CWAX、パラフィンワックス:PWAX、
ステアリン酸アミド:STA
水溶性化合物(A)
ポリエチレングリコール:PEG(平均分子量 2000)
ポリエチレンオキサイド(PEO、住友精化製PEO−1)
樹脂成分(B)
ポリオキシメチレン:POM(ポリプラスチックス NW02)
エチレングリシジルメタクリレート:EGMA(住友化学 ボンドファースト BF-7B)
ポリプロピレン:PP(プライムポリマー J108M)
ポリエチレン:PE(ハイゼックス 1300J)
低融点化合物(C)
カルナバワックス:CWAX、パラフィンワックス:PWAX、
ステアリン酸アミド:STA
実施例4〜10については本特許の範囲内の配合でバインダを配合し、これに金属粉末SUS316L(平均粒径7μm)を58体積%に対して有機バインダを42体積%の割合で配合し、180℃で加熱混練を行い、得られた成形材料を成形温度180℃で射出成形を行い、図4に記載の厚さ6mm、幅10mm、長さ60mmの成形体を得た。得られた成形体を図3に示す脱脂炉中で水の温度を50℃にした容器中で8時間浸漬して溶媒脱脂を行い、過熱蒸気で200℃から500℃までを2時間で昇温し、その後炉冷して脱脂体を得た。得られた脱脂体にはクラック、膨れが発生し、健全な脱脂体を得ることができ、得られた脱脂体を焼結炉でアルゴン雰囲気にて1350℃の焼結温度で焼結を行った。得られた焼結体は割れ・膨れ等の無い焼結密度が97%以上の健全な焼結体を得ることができた。
一方、比較例4〜7に関しては本特許の範囲外の配合で実施例4〜10を同じ条件で成形材料を作成し、成形温度180℃で射出成形を行い、実施例4〜10と同じ条件で溶媒脱脂と過熱蒸気での脱脂を行い、脱脂体を得た。得られた脱脂体は膨れ・割れ・変形を生じ健全な脱脂体を得ることができなかった。
一方、比較例4〜7に関しては本特許の範囲外の配合で実施例4〜10を同じ条件で成形材料を作成し、成形温度180℃で射出成形を行い、実施例4〜10と同じ条件で溶媒脱脂と過熱蒸気での脱脂を行い、脱脂体を得た。得られた脱脂体は膨れ・割れ・変形を生じ健全な脱脂体を得ることができなかった。
また、実施例1〜3の成形体を用いて全有機バインダ中の抽出率が30体積%未満の場合には過熱蒸気での脱脂条件において昇温速度を200℃/hrにした場合にはクラック・膨れを生じた。このことから全有機バインダ中の抽出率は30体積%以上が望ましいことが確認された。
本発明を用いることで、焼結可能なセラミックス若しくは金属粉末を用いて、欠陥の無い健全な複雑形状の脱脂体・焼結体を短時間で得ることがでた。このことから、量産部品が必要となる、複雑形状部品が用いられる医療関連部品、自動車部品、通信機器部品への活用が促進すると思われる。
Claims (6)
- 焼成可能なセラミックス粉末若しくは金属粉末と、水溶性化合物(A)、熱可塑性樹脂(B)、融点120℃以下の有機化合物(C)からなる有機バインダを30〜65体積%含むとともに、有機バインダの添加量を水溶性化合物(A)が20〜80体積%、熱可塑性樹脂(B)20〜70体積%、融点120℃以下の有機化合物(C)1〜30体積%からなる成形用組成物を射出成形し成形体を得る。得られた成形体を水中もしくは水溶性溶媒であるアルコールもしくはアセトンを用いて、全有機バインダ中の30体積%以上抽出し、抽出後の成形体を過熱蒸気を用いて脱脂体を得る成形用組成物ならびにその製造方法。
- 本発明にかかる水溶性化合物(A)にはポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)から選ばれた一種もしくは複数種類からなる請求項1に記載の成形用組成物。
- 本発明にかかる熱可塑性樹脂(B)にはポリアセタール(POM)樹脂、ポリエチレン(PE) 、ポリプロピレン(PP)、及びエチレン酢酸ビニル共有重合体(EVA)、エチレン・アクリル共重合体(EEA)、ポリエステル系ポリウレタン、エチレングリシジルメタクリレート(EGMA)及び脂肪族ポリカーボネート(APC)から選ばれた一種もしくは複数種類からなる請求項1に記載の成形用組成物。
- 本発明にかかる熱可塑性樹脂(B)にはポリアセタール(POM)樹脂、ポリエチレン(PE) 、ポリプロピレン(PP)、及びエチレン酢酸ビニル共有重合体(EVA)、エチレン・アクリル共重合体(EEA)、ポリエステル系ポリウレタン、エチレングリシジルメタクリレート(EGMA)及び脂肪族ポリカーボネート(APC)から選ばれた一種もしくは複数種類からなる請求項1に記載の成形用組成物。
- 抽出脱脂機構を有する過熱蒸気がフローできる脱脂炉を用い、抽出溶剤には水、アルコール、ケトン系化合物から選ばれる一種以上の物質を用いることを特徴とする請求項1に記載の脱脂方法
- 抽出脱脂完了後に過熱蒸気を200℃以上で成形体と接触させる事を特徴とする請求項1に記載の脱脂方法
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---|---|---|---|
JP2020035401A JP2021138983A (ja) | 2020-03-02 | 2020-03-02 | 焼結可能なセラミックス粉末及び金属粉末の成形体用組成物とその脱脂体並びに焼結体の製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7511291B1 (ja) | 2023-11-30 | 2024-07-05 | 合同会社モルージ | セラミックス焼成体の製造方法、成形用組成物 |
-
2020
- 2020-03-02 JP JP2020035401A patent/JP2021138983A/ja active Pending
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