JP2021138347A - 荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法。 - Google Patents

荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法。 Download PDF

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貴 亀島
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Abstract

【課題】耐久性を向上し得る荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法を提供する。【解決手段】荷重検知センサユニットは、一対の端子56c,57cと、少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極56e,57eを含む感圧スイッチSWと、感圧スイッチSWに接続される限流素子としての抵抗56rと、端子56c,57c間に所定の電圧を印加する電源回路を備え、電極56e,57eが互いに接触して感圧スイッチSWがオンしてから感圧スイッチSWのオン状態が維持される時間をtとし、時間tにおいて感圧スイッチSWを流れる電流をI(t)とする場合に、特定の式で示されるJIが15000((mA)2・(ms))以下であり、抵抗56rが接続されない場合におけるJIが15000((mA)2・(ms))を超える。【選択図】図7

Description

本発明は、荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法に関する。
車両における安全システムの一つとして、乗車時にシートベルトが非着用であることを警告するアラームシステムが実用化されている。このアラームシステムでは、人の着座が感知されている状態でシートベルトの着用が非感知となる場合に、警告が発せられる。この人の着座を感知する装置として、着座による荷重を検知する荷重検知センサユニットが用いられる場合がある。
人の着座に起因する荷重を検知する荷重検知センサユニットとして、例えば下記特許文献1が開示されている。下記特許文献1の荷重検知センサユニットは、互いに離間して対向する一対の電極で構成される感圧スイッチを備える。この荷重検知センサユニットでは、感圧スイッチを構成する一対の電極が接触して感圧スイッチがオンとなることで一対の電極に電流が流れる。この荷重検知センサユニットによれば、このような感圧スイッチの通電によって荷重を検知する。
特開2011−105278号公報
上記のような荷重検知センサユニットでは、荷重を検知する度、つまり感圧スイッチがオンする度に一対の電極は接触する。この際、一対の電極における概ね同じ部位が繰り返し接触する傾向にある。また、感圧スイッチがオンする際、一対の電極には、オンしてから所定の時間が経過した定常状態で流れる電流よりも高い電流値の突入電流が流れる場合がある。このため、上記のような荷重検知センサユニットでは、感圧スイッチがオンされる度に、感圧スイッチにおける一対の電極が互いに接触する部位及びその周辺部に突入電流が流れ、この部位が他の部位よりも発熱する傾向にある。ところで、感圧スイッチを構成する一対の電極は、導電体と樹脂とを含む導電性材料から形成される場合があり、このような導電性材料の耐熱性は、一般的に、金属材料よりも低い傾向にある。このため、一対の電極が上記のような導電性材料から形成される場合、一対の電極が金属材料から形成される場合と比べて、感圧スイッチのオンとオフの繰り返しによって一対の電極に溶融等が生じ易くなる。また、自動車などでは高電圧化が進んでおり、荷重検知センサユニットがこのような装置に用いられる場合、当該荷重検知センサユニットに加わる電圧が高くなって突入電流が大きくなり、その結果、一対の電極に溶融等がより生じ易くなる傾向にある。一対の電極に溶融等が生じると、一対の電極間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じて荷重を適切に検出し難くなる虞がある。このため、感圧スイッチを構成する一対の電極を導電体と樹脂とを含む導電性材料から形成する場合、感圧スイッチのオンとオフの繰り返しに対する耐久性、つまり荷重検知センサの荷重検知の繰り返しに対する耐久性が低下する場合がある。
そこで、本発明は、耐久性を向上し得る荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の荷重検知センサユニットは、一対の端子と、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、前記一対の端子間において前記感圧スイッチに電気的に接続される限流素子と、前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、を備え、前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下であり、前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続されずに前記感圧スイッチが前記一対の端子間に接続され当該一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態における前記JIが15000((mA)・(ms))を超えることを特徴とする。
Figure 2021138347
この荷重検知センサユニットでは、感圧スイッチを構成する一対の電極が接触して感圧スイッチがオンとなることで一対の端子間が通電する。このため、この荷重検知センサユニットによれば、このような一対の端子間の通電によって荷重を検知できる。また、発明者の鋭意検討の結果、感圧スイッチを構成する一対の電極の少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていても、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となることによって、このJIが15000((mA)・(ms))を越える場合と比べて、繰り返し一対の電極が互いに接触することによる一対の電極の溶融等が生じ難くなることが見出された。このため、限流素子が一対の端子間に電気的に接続されずに感圧スイッチが一対の端子間に接続され当該一対の端子間に所定の電圧が印加される状態におけるJIが15000((mA)2・(ms))を超える場合に、限流素子により、JIが15000((mA)2・(ms))以下とすることにより、一対の電極の溶融等に起因して一対の電極間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じることを抑制できる。従って、この荷重検知センサユニットによれば、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る。
前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続され前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記感圧スイッチがオンした際に前記一対の端子間を流れる電流の最大値は、400mAを越えないこととしてもよい。
発明者の鋭意検討の結果、このように構成されることで、繰り返し一対の電極が互いに接触することによる一対の電極の溶融等が生じ難くなることが見出された。この理由は、感圧スイッチがオンする際に当該感圧スイッチを流れる突入電流の最大値が制限されることによって、一対の電極に生じる熱の最大値が制限されるためではないかと考えられる。このようにして、一対の電極の溶融等に起因して一対の電極間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じることを抑制でき、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る。
前記限流素子は、前記感圧スイッチに電気的に直列に接続される抵抗とされることとしてもよい。
このように構成されることで、感圧スイッチに所定以上の突入電流が流れることを確実に防止できる。
限流素子が抵抗とされる場合、前記抵抗の抵抗値は、前記感圧スイッチがオンした際における前記一対の端子間の抵抗値に関連する所定の値が、前記所定の値に基づいて前記感圧スイッチがオンしているか否かを判定する制御部が当該判定をするための閾値となる前記一対の端子間の抵抗値の半値以下であることとしてもよい。
一対の端子間の抵抗値に関連する所定の値として、例えば、一対の端子間を流れる電流や一対の端子間に印加される電圧が挙げられる。制御部は、例えば、一対の端子間を流れる電流が閾値を越える場合には感圧スイッチがオンであり、一対の端子間を流れる電流が閾値以下である場合には感圧スイッチがオフであると判定することができ、このような判定に基づいて荷重検知ができる。このため、一対の電極が互いに接触している場合の一対の端子間を流れる電流が閾値に近い値になるにつれて、制御部の荷重検知の確度が低下する傾向にある。ここで、荷重検知センサユニットが限流素子としての抵抗を有する場合、この抵抗を有さない場合と比べて、一対の電極が互いに接触している場合の一対の端子間の抵抗値は高くなる。このため、一対の電極が互いに接触している場合に一対の端子間を流れる電流は低くなって閾値に近くなる。しかし、荷重検知センサユニットが上記のように構成されることで、荷重検知センサユニットが限流素子としての抵抗を有していたとしても、制御部の荷重検知センサによる荷重の検知確度が低下することを抑制できる。
上記荷重検知センサユニットは、受圧面と、前記一対の電極が対向する方向において前記一対の電極のそれぞれの外縁よりも内側に位置し、前記受圧面に作用する押圧力によって前記感圧スイッチを押圧する押圧部と、を有する押圧部材を更に備えることとしてもよい。
このように構成されることで、押圧部材の受圧面に作用する押圧力を一対の電極のいずれかに集中させることができ、押圧部材の受圧面に作用する押圧力によって適切に一対の電極を接触させることができる。従って、この荷重検知センサユニットによれば、荷重の誤検知を抑制することができる。なお、このような荷重検知センサユニットでは、押圧部材を備えない場合と比べて、一対の電極が互いに接触する部位の面積が小さくなり、感圧スイッチが通電する際に一対の電極に生じる熱が集中して一対の電極に溶融等が生じ易くなる傾向にある。しかし、上記のように、この荷重検知センサユニットによれば、一対の電極に溶融等が生じ難くすることができる。このため、荷重検知センサユニットが上記のような押圧部材を備える場合に特に有用である。
また、本発明の荷重検知センサユニットの製造方法は、一対の端子と、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、前記一対の端子間において前記感圧スイッチに電気的に接続される限流素子と、前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、を備える荷重検知センサユニットの製造方法であって、前記荷重検知センサユニットでは、前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続されずに前記感圧スイッチが前記一対の端子間に接続される場合、前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))を超え、前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態における前記JIが15000((mA)・(ms))以下となるように前記限流素子を決定する決定工程と、前記決定工程において決定された前記限流素子を前記感圧スイッチに電気的に接続する接続工程と、を備えることを特徴とする。
Figure 2021138347
この荷重検知センサユニットの製造方法では、決定工程において上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるような限流素子が決定され、当該限流素子が感圧スイッチに電気的に接続される。このため、この荷重検知センサユニットの製造方法によれば、一対の電極の溶融等に起因して一対の電極間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じることを抑制でき、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る荷重検知センサユニットを製造できる。また、この製造方法で製造される荷重検知センサユニットでは、上記のように、限流素子が一対の端子間に電気的に接続されずに感圧スイッチが一対の端子間に接続されて一対の端子間に所定の電圧が印加される状態におけるJIが15000((mA)・(ms))を超える。このため、例えば、限流素子を有さずにJIが15000((mA)・(ms))を超える荷重検知センサユニットに限流素子を追加することで製造し得る。このため、例えば、JIが15000((mA)・(ms))を超える荷重検知センサユニットを製造するレイアウトを大きく変化しなくても荷重検知センサユニット製造し得る。
また、本発明の荷重検知センサユニットの耐久性評価方法は、一対の端子と、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、を備える荷重検知センサユニットの耐久性評価方法であって、前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIを測定する測定工程を備えることを特徴とする。
Figure 2021138347
この荷重検知センサユニットの耐久性評価方法では、測定工程によって測定されるJIに基づいて、感圧スイッチのオンとオフの繰り返しに対する耐久性を評価できる。したがって、この荷重検知センサユニットの耐久性評価方法によれば、感圧スイッチのオンとオフを複数回繰り返すことによって耐久性を評価する場合と比べて、短時間で耐久性を評価し得る。
以上のように本発明によれば、耐久性を向上し得る荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法が提供される。
本発明の実施形態に係る荷重検知センサユニットのブロック図である。 図1に示す荷重検知センサの構成を示す分解図である。 図2に示す荷重検知センサがSばねに取り付けられた様子を示す断面図である。 上部ケースを図2とは異なる視点で示す図である。 センサ部の分解図である。 センサ部の一部の断面を概略的に示す図である。 センサ部の等価回路を示す図である。 センサ部における感圧スイッチのオン状態を示す図である。 本発明の実施形態に係る荷重検知センサユニットの製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態における検査装置の構成を模式的に示す図である。 実施例におけるJIの測定結果を示す図である。 抵抗値が1Ωの場合の時間tと電流I(t)との関係を示す図である。 抵抗値が20Ωの場合の時間tと電流I(t)との関係を示す図である。 抵抗値が43Ωの場合の時間tと電流I(t)との関係を示す図である。 耐久試験後の各サンプルのオン荷重の変化率を示す図である。 耐久試験後の各サンプルの絶縁抵抗値を示す図である。
以下、本発明に係る荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、理解の容易のため、それぞれの図のスケールと、以下の説明に記載のスケールとが異なる場合がある。
図1は本発明の実施形態に係る荷重検知センサユニットのブロック図である。図1に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uは、荷重検知センサ1と、判定装置80と、を主な構成として備える。
まず、荷重検知センサ1について説明する。
図2は図1に示す荷重検知センサの構成を示す分解図であり、図3は図2に示す荷重検知センサが座席装置のSばねに取り付けられた様子を示す断面図である。なお、図3では、理解を容易にするため、センサ部5の断面における詳細な構成は省略されている。図2、図3に示すように、本実施形態の荷重検知センサ1は、サポートプレート2、上部ケース4、及びセンサ部5を主な構成として備え、座席装置のシートクッションSCの下方に配置される。
サポートプレート2は、センサ部5が載置される載置部21と、当該載置部21に連結される一対のフック部22とを有している。本実施形態では、一対のフック部22は載置部21に連結し、載置部21及び一対のフック部22は金属板を曲げ加工することで一体に成型されている。なお、サポートプレート2の板厚は例えば0.8mmとされる。
載置部21のシートクッションSCに対向される側の面は載置面21Sである。詳細については後述するが、センサ部5はメインブロック50mとテールブロック50tとを有する。載置部21の載置面21Sには、このようなセンサ部5のメインブロック50mが配置される。また、載置部21には、図2に示すようにサポートプレート2を貫通する複数の円形の貫通孔20Hが形成され、さらに、概ね矩形の複数のケース止用開口24が形成されている。
一対のフック部22は、載置部21を挟んで互いに対向するように載置部21の外縁にそれぞれ接続されている。この一対のフック部22は、図3に示すように、車両の座席装置におけるフレームの開口に並べて張り渡される複数のSばねBNのうち隣接する一対のSばねBNにそれぞれ嵌め込まれる。従って、それぞれのフック部22は、サポートプレート2をSばねBNに係止する係止部である。なお、SばねBNは、S字状に蛇行するように延在するばねである。
上部ケース4は、載置部21に載置されるセンサ部5のメインブロック50mを覆ってメインブロック50mの感圧スイッチSW等を保護する部材である。また、上部ケース4は、図3に示すように、シートクッションSCに押圧されることでセンサ部5の感圧スイッチSWを押圧する押圧部材でもある。
この上部ケース4は、頂壁45及び枠壁48を有する。本実施形態では頂壁45は概ね矩形とされる板状の部材である。また、上部ケース4の枠壁48は複数に分割されて、頂壁45の外周に沿って頂壁45に接続されている。複数に分割されている枠壁48の各間において、フック片47が頂壁45に接続されている。それぞれのフック片47は、サポートプレート2の載置部21におけるケース止用開口24に嵌め込まれる構成とされる。それぞれのフック片47がケース止用開口24に嵌め込まれることで、サポートプレート2と上部ケース4との載置部21の載置面21S方向における相対的な移動が規制される。
図4は、上部ケースを図2とは異なる視点で示す図であり、上部ケース4をシートクッションSC側と反対側から見る斜視図である。上部ケース4の頂壁45には、サポートプレート2の載置部21に対向される側の底面から突出する押圧部46が設けられている。この押圧部46の先端は平面形状とされる。なお、押圧部46の先端は凸状の曲面形状とされても良い。本実施形態の場合、載置部21に載置されるセンサ部5を上部ケース4が覆い各ケース止用開口24に対応するフック片47が嵌め込まれた状態では、押圧部46の先端はセンサ部5と接触している。しかし、この状態において、押圧部46の先端はセンサ部5と接触していなくてもよい。
上部ケース4の頂壁45における上面45Sは、図3に示すように、一対のSばねBNに荷重検知センサ1が取り付けられた状態では、シートクッションSCの下面と離間している。しかし、この状態において、上面45SはシートクッションSCの下面と接触していてもよい。この上面45Sは平面形状とされる。上面45SはシートクッションSCからの押圧を受ける受圧面であり、当該上面45Sの面積は押圧部46におけるセンサ部5と接触する部分の面積よりも大きくされている。
なお、上部ケース4は、シートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。従って、上部ケース4の一部である押圧部46もシートクッションSCよりも硬質な材料から形成されている。一般的にシートクッションSCは発泡されたウレタン樹脂からなるため、このような上部ケース4の材料として、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂が挙げられる。
本実施形態のセンサ部5は、概ね矩形のメインブロック50mと、メインブロック50mに接続されメインブロック50mよりも幅の狭いテールブロック50tとを有する。メインブロック50mには感圧スイッチSWが設けられている。また、メインブロック50mの各頂点付近には、貫通孔50Hが形成されている。これら貫通孔50Hは、センサ部5がサポートプレート2の載置部21に載置される際に、載置部21の貫通孔20Hと重なる位置に形成される。テールブロック50tは、メインブロック50mに連結され、メインブロック50mから離れるように延在する。
図5はセンサ部の分解図である。図5に示すように、本実施形態におけるセンサ部5は、第1電極シート56と第2電極シート57とスペーサ58と金属板60と金属用接着層70とを主な構成要素として備える。
第1電極シート56は、第1絶縁シート56sと、第1電極56eと、第1端子56cと、限流素子としての抵抗56rと、配線56w1,56w2とを主な構成として備える。
第1絶縁シート56sは、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。この第1絶縁シート56sは、概ね矩形のメインブロック56mと、メインブロック56mに接続されるテールブロック56tとから成る。テールブロック56tの形状は、メインブロック56mと反対側の先端部位がテールブロック56tの他の部位よりも狭い幅となっている。また、メインブロック56mの各頂点付近には貫通孔56Hが形成されている。このような第1絶縁シート56sの材料として、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)又はポリエチレンナフタレート(PEN)等の樹脂が挙げられる。
第1電極56eは、第1絶縁シート56sのメインブロック56mの概ね中央における一方の面上に設けられている。本実施形態の第1電極56eは、導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る導体の層とされ、平面視において概ね円形状に形成されている。また、本実施形態の第1電極56eは、導電体としての銀粉とこの銀粉をバインドする樹脂とを含む第1導電体層と、導電体としてのカーボン粉とこのカーボン粉をバインドする樹脂とを含む第2導電体層とから成る2層構造とされる。このような2層構造の第1電極56eは、第1導電体層が第1絶縁シート56sと接着し第1導電体層に第2導電体層が積層されるように印刷等によって第1絶縁シート56sに設けられる。
なお、第1電極56eが導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る場合、第1電極56eは1層構造とされてもよく、3層以上の構成とされてもよく、平面視における形状も特に限定されるものではない。また、導電体は、銀粉やカーボン粉に限定されるものではなく、金粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉等を用いることができ、これら導電体の形状は球状であってもよく、フレーク状であってもよい。また、これら導電体をバインドする樹脂として、例えば、エポキシ、ウレタン、アクリル、ポリイミド等の樹脂が挙げられる。
第1端子56cは、テールブロック56tの上記先端部位における第1電極56eが設けられている側の面上に設けられている。第1端子56cは、導体から成り、例えば平面視において概ね矩形の金属層とされる。
限流素子としての抵抗56rは、テールブロック56tにおける第1電極56eが設けられている側の面上に設けられ、上記第1端子56cよりもメインブロック56m側に位置している。本実施形態では、抵抗56rは、印刷によって形成される印刷抵抗とされる。このような印刷抵抗の抵抗値は、導電体とこの導電体をバインドする樹脂とを含む導電性材料から構成され、導電性材料が含有する樹脂の量を調節したり、印刷抵抗の幅や長さを調節したり、膜厚を調節したりすることによって抵抗値を調整できる。なお、抵抗56rの構成は、特に限定されるものではなく、抵抗56rはチップ抵抗とされてもよい。また、詳細については後述するが、限流素子としての抵抗56rの抵抗値は、所定の条件を満たす値とされる。
上記のように、第1絶縁シート56sの一方の面上に設けられる第1電極56eと抵抗56rの一方の端は配線56w1を介して互いに電気的に接続され、抵抗56rの他方の端と第1端子56cとは配線56w2を介して電気的に接続されている。
第2電極シート57は、第2絶縁シート57sと、第2電極57eと、第2端子57cと、配線57wとを主な構成として備える。
第2絶縁シート57sは、第1電極シート56よりもシートクッションSC側に配置され、第1絶縁シート56sと同様に可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。本実施形態では、第2絶縁シート57sは、メインブロック57mと、メインブロック57mに接続されるテールブロック57tとから成る。メインブロック57mは、第1絶縁シート56sのメインブロック56mと同一の形状とされ、テールブロック57tは、第1絶縁シート56sのテールブロック56tと先端部位以外の形状が同一の形状とされる。テールブロック57tの先端部位はテールブロック57tの他の部位よりも狭い幅とされており、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねたときに、第1絶縁シート56sのテールブロック56tにおける先端部位と第2絶縁シート57sのテールブロック57tにおける先端部位とが互いに重ならないようにされている。また、メインブロック57mには第1絶縁シート56sの貫通孔56Hに対応する貫通孔57Hが形成されている。これら貫通孔57Hは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ね合わせた際に、第1絶縁シート56sの貫通孔56Hと重なる位置に形成される。このような第2絶縁シート57sを構成する材料として、例えば、第1絶縁シート56sを構成する材料を挙げることができ、第2絶縁シート57sを構成する材料と第1絶縁シート56sを構成する材料とは同じであってもよく、異なっていてもよい。
第2電極57eは、第2絶縁シート57sのメインブロック57mの概ね中央における第1電極シート56側の面上に設けられている。また、第2電極57eが設けられる位置は、第1電極シート56と第2電極シート57とを重ねたときに第1電極56eと重なる位置とされる。
本実施形態の第2電極57eは、第1電極56eと同様に、導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る導体の層とされ、平面視において概ね円形状に形成されている。このため、第1電極56e及び第2電極57eの少なくとも一方は導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていると理解できる。本実施形態の第2電極57eは、第1電極56eと同様に、導電体としての銀粉とこの銀粉をバインドする樹脂とを含む第1導電体層と、導電体としてのカーボン粉とこのカーボン粉をバインドする樹脂とを含む第2導電体層とから成る2層構造とされる。このような2層構造の第2電極57eは、第1導電体層が第2絶縁シート57sと接着し第1導電体層に第2導電体層が積層されるように印刷等によって第2絶縁シート57sに設けられる。
なお、第2電極57eが導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る場合、第2電極57eは1層構造とされてもよく、3層以上の構成とされてもよく、平面視における形状も特に限定されるものではない。導電体や導電体をバインドする樹脂として、例えば、第1電極56eにおいて例示された樹脂が挙げられる。
第2端子57cは、第1端子56cと同様の構成とされ、テールブロック57tの上記先端部位における第2電極57eが設けられている側の面上に設けられている。また、上記のように、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとを重ねるとき、それぞれの絶縁シートの先端部位が互いに重ならないため、第1端子56c及び第2端子57cは、第1絶縁シート56sと第2絶縁シート57sとの間に位置せずに露出する。また、第2電極57eと第2端子57cとは配線57wを介して互いに電気的に接続されている。
スペーサ58は、第1電極シート56及び第2電極シート57の間に配置され、可撓性を有する樹脂製の絶縁シートとされる。このスペーサ58は、メインブロック58mと、メインブロック58mに接続されるテールブロック58tとから成る。メインブロック58mの外形は、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのメインブロック56m,57mの外形と概ね一致している。テールブロック58tは、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sのテールブロック56t,57tにおける幅が狭い先端部位を除く形状とされる。このスペーサ58には、第1絶縁シート56sの貫通孔56Hに対応する貫通孔58Hが形成されている。これら貫通孔58Hは、第1絶縁シート56sとスペーサ58とを重ね合わせた際に、第1絶縁シート56sの貫通孔56Hと重なる位置に形成される。このようなスペーサ58を構成する材料として、例えば、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57sを構成する材料を挙げることができる。なお、スペーサ58を構成する材料は、第1絶縁シート56sを構成する材料や第2絶縁シート57sを構成する材料と同じであってもよく、異なっていてもよい。
スペーサ58のメインブロック58mの概ね中央には、スペーサ58の一方の面側から他方の面側にわたって貫通する開口58cが形成される。スペーサ58が第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせられた場合、この開口58cを介して第1電極56eと第2電極57eとが互いに離間して対向する。開口58cの周縁の形状は例えば概ね円形であり、開口58cはその直径が第1電極56e及び第2電極57eの直径よりも小さくなるように形成される。従って、スペーサ58が第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせられた場合、スペーサ58の開口58cの周縁は第1電極56e及び第2電極57eの内側に位置している。なお、スペーサ58の開口58cの周縁は第1電極56e及び第2電極57eの外側に位置していてもよい。
さらに、スペーサ58には、開口58c内の空間とセンサ部5の外部の空間とを連通するスリット58bが形成されている。このスリット58bは、スペーサ58が第1電極シート56及び第2電極シート57と重ね合わせられた場合、エアベントとなる。エアベントは、開口58c内の空気をセンサ部5の外部に出したり、センサ部5の外部の空気を開口58c内に入れたりするための通路である。
また、スペーサ58の両面には、第1電極シート56及び第2電極シート57と接着されるための図示しない接着剤が塗布されている。
金属板60は、金属用接着層70により第2絶縁シート57sの一方の面に貼り付けられる。本実施形態では、金属板60は、第2絶縁シート57sの一部であるメインブロック57mのシートクッションSC側の面に貼り付けられる。金属板60を平面視した場合、金属板60の外縁よりも内側に第1電極56e及び第2電極57eが位置している。このような金属板60には第2絶縁シート57sの貫通孔57Hに対応する貫通孔60Hが形成されている。これら貫通孔60Hは、金属板60が第2絶縁シート57sの一方の面に貼り付けられた際に、第2絶縁シート57sの貫通孔57Hと重なる位置に形成される。金属板60の材料は特に限定されるものではなく、金属板60の材料として、例えば銅やステンレス等が挙げられる。
金属用接着層70は、第2絶縁シート57sと金属板60とを接着する接着層である。金属用接着層70は、金属板60の第2絶縁シート57s側の面の全体に設けられていてもよく、一部に設けられていてもよい。本実施形態では、金属用接着層70は金属板60の第2絶縁シート57s側の面の全体に設けられ、金属板60の貫通孔60Hに対応する位置に貫通孔70Hが形成されている。このような金属用接着層70の材料として、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂や光硬化樹脂等が挙げられる。また、金属用接着層70は、PETや不織布などの基材の両面に接着層が設けられた両面テープとされてもよい。ここで、金属用接着層70のガラス転移点Tgは、85℃以上であることが好ましい。ガラス転移点Tgが85℃以上であることによって、炎天下の自動車の車内の様に高温になる環境においても金属用接着層70が流動し難くなるため、金属用接着層70の流動による着座の誤検知を抑制することができる。
以上の構成の第1電極シート56及び第2電極シート57がスペーサ58を介して一体化されるとともに、金属用接着層70によって第2電極シート57のスペーサ58側と反対側の面に金属板60が貼り付けられることで、図2のセンサ部5は構成される。このため、図2に示すように、センサ部5は、概ね矩形のメインブロック50mと、メインブロック50mに連結されるとともにメインブロック50mから離れるように延在するテールブロック50tとから成る。また、このセンサ部5では、第1絶縁シート56sの貫通孔56H、第2絶縁シート57sの貫通孔57H、スペーサ58の貫通孔58H、金属板60の貫通孔60H、金属用接着層70の貫通孔70Hが互いに重なり、これら貫通孔によって貫通孔50Hが形成される。
このようなセンサ部5の第1端子56c及び第2端子57cには、判定装置80に接続される信号ケーブル19がそれぞれ接続される。第1端子56c及び第2端子57cとそれぞれの信号ケーブル19とは導電性ペーストやはんだ付け等により接続される。本実施形態では、信号ケーブル19が接続された第1端子56c及び第2端子57cを含むテールブロック50tの端部は、保護樹脂18により被覆される。なお、保護樹脂18は、例えば、ポリアミド系、ポリイミド系、オレフィン系、ウレタン系、アクリル系等の熱可塑性樹脂や光硬化樹脂等の樹脂から成る。
図6はセンサ部の一部の断面を概略的に示す図であり、スペーサ58の開口58cの中心を通る断面を概略的に示す図である。図6に示すように、上記のように構成されるセンサ部5では、第1電極56eと第2電極57eとが開口58cにおいて所定の間隔を空けて互いに対向して感圧スイッチSWとされる。このような感圧スイッチSWは、この一対の電極56e,56eが互いに接触することでオンとなる。
図7は、センサ部5の等価回路を示す図である。なお、図7には、センサ部5の回路に電気的に接続される判定装置80も記載されている。図7に示すように、感圧スイッチSWは、一対の端子56c,57c間に電気的に接続されており、限流素子としての抵抗56rは、一対の端子56c,57c間において感圧スイッチSWに電気的に接続されている。具体的には、抵抗56rは、感圧スイッチSWに電気的に直列に接続されている。感圧スイッチSWがオンして当該感圧スイッチSWが通電することで、一対の端子56c,57c間が通電する。上述したように、本実施形態では、一対の端子56c,57cには、信号ケーブル19を介して判定装置80が接続され、この判定装置80によって一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される。
ここで、限流素子としての抵抗56rの抵抗値は、一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される状態で一対の電極56e,57eが互いに接触して感圧スイッチSWがオンしてから感圧スイッチSWのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて感圧スイッチSWを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるような値とされる。
Figure 2021138347
また、本実施形態では、一対の端子56c,57c間に印加される電圧は、例えば、18Vを越えない電圧とされる。また、本実施形態のセンサ部5は、センサ部5が限流素子としての抵抗56rを有さない構成とされる場合、つまり、抵抗56rが感圧スイッチSWに電気的に直列に接続されずに第1電極56eと第1端子56cとが配線56w1を介して互いに電気的に接続されて一対の端子56c,57c間に感圧スイッチSWが電気的に接続される場合、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))を越えるような構成とされている。
このような感圧スイッチSWと限流素子としての抵抗56rとを有するセンサ部5は、図3に示すように、サポートプレート2に配置される。具体的には、感圧スイッチSWを有するセンサ部5のメインブロック50mにおける第1電極シート56側がサポートプレート2の載置部21の載置面21Sに当接するように、センサ部5のメインブロック50mがサポートプレート2の載置部21の載置面21S上に配置される。一方、センサ部5のテールブロック50tは、載置部21を平面視する場合において一対のフック部22を結ぶ方向と概ね垂直な方向に、載置部21から突出する。従って、第1端子56c及び第2端子57cは、載置部21を平面視する場合においてサポートプレート2と重ならない領域に位置する。そして、センサ部5の第1端子56c、第2端子57cに接続されるそれぞれの信号ケーブル19はサポートプレート2から離れるように導出される。
また、上記のように、サポートプレート2に載置されるセンサ部5を上部ケース4が覆いそれぞれのケース止用開口24にそれぞれのフック片47が嵌め込まれた状態では、押圧部46の先端が、センサ部5の金属板60に接触する。より具体的には、押圧部46は、金属板60を平面視する場合において、第1電極56e及び第2電極57eの外縁よりも内側かつ、スペーサ58の開口58cの周縁よりも内側の領域に位置しており、押圧部46の先端は金属板60におけるこのような領域と接触する。
また、上記のように、ケース止用開口24にそれぞれのフック片47が嵌め込まれた状態では、各リブ49は、センサ部5の貫通孔50H及びサポートプレート2の貫通孔20Hを挿通する。従って、サポートプレート2と第1絶縁シート56sとが接着されていない状態であっても、センサ部5の感圧スイッチSWと上部ケース4の押圧部46との相対的な移動が規制される。すなわち、リブ49は、サポートプレート2の載置面21S方向おけるセンサ部5とサポートプレート2との相対的な移動を規制する移動規制部材と理解できる。
次に、判定装置80について説明する。図1に示すように、本実施形態の判定装置80は、制御部81と、電源回路82と、電流計83と、を備え、荷重検知センサ1に電気的に接続されている。
制御部81は、例えば、マイクロコントローラ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large-scale Integrated Circuit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの集積回路やNC(Numerical Control)装置を用いることができる。また、制御部81は、NC装置を用いた場合、機械学習器を用いたものであってもよく、機械学習器を用いないものであってもよい。なお、車両が備えるECUがこの制御部81を兼ねていてもよい。この制御部81には、電源回路82と電流計83とが電気的に接続されている。
電源回路82は、荷重検知センサ1の一対の端子56c,57cと制御部81とに電気的に接続されている。電源回路82は、制御部81から入力する信号に基づいて、荷重検知センサ1の一対の端子56c,57c間に所定の電圧を印加する。なお、車両が備える電源回路がこの電源回路82を兼ねていてもよい。
電流計83は、荷重検知センサ1の一対の端子56c,57cと制御部81とに電気的に接続されている。また、電流計83は、一対の端子56c,57c間を流れる電流値に応じた信号を制御部81に出力する。
次に、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uによる荷重の検知について説明する。具体的には、荷重検知センサユニット1Uによる人の着座に起因する荷重の検知に基づく人の着座の検知について説明する。
図8は、センサ部における感圧スイッチのオン状態を示す図である。座席装置に人が着座すると、シートクッションSCの下面が下方に移動し、シートクッションSCの下面は、上部ケース4の上面45Sに接触して、上面45Sを押圧する。そして、さらにシートクッションSCの下面が下方に移動すると、図7に示すように、押圧部46の先端が、センサ部5における金属板60を押圧し、金属板60の撓みにより、第2絶縁シート57sのメインブロック57mがスペーサ58の開口58c内に入り込むように撓む。そして、第2電極57eは第1電極56eに接触して、センサ部5の感圧スイッチSWがオンとなる。上記のように、押圧部46は、金属板60を平面視する場合において、第1電極56e及び第2電極57eの外縁よりも内側かつ、スペーサ58の開口58cの周縁よりも内側の領域に位置している。このため、押圧部46は、一対の電極56e,57eが対向する方向において一対の電極56e,57eのそれぞれの外縁よりも内側に位置し、受圧面としての上部ケース4の上面45Sに作用する押圧力によって感圧スイッチSWを押圧すると理解できる。
ここで、判定装置80の電源回路82は、一対の端子56c,57c間に所定の電圧を印加している。このため、感圧スイッチSWがオンとなることで感圧スイッチSWが通電し、一対の端子56c,57c間に電流が流れる。電流計83は、このように一対の端子56c,57c間を流れる電流値に応じた信号を制御部81に出力する。制御部81は、この信号に基づいて人の着座を検知する。
具体的には、本実施形態では、制御部81は、一対の端子56c,57c間を流れる電流が所定の閾値以下である旨の信号が電流計83から入力される場合、センサ部5の感圧スイッチSWはオフであり、座席装置に人が着座していないものと判定する。一方、制御部81は、電流計83から一対の端子56c,57c間を流れる電流が所定の閾値を越える旨の信号が電流計83から入力される場合、センサ部5の感圧スイッチSWはオンであり、座席装置に人が着座しているものと判断する。このようにして、制御部81は、一対の端子56c,57c間を流れる電流に基づいて感圧スイッチSWがオンしているか否かを判定する。ここで、一対の端子56c,57c間を流れる電流は、一対の端子56c,57c間に印加される電圧及びセンサ部5における一対の端子56c,57c間の抵抗値によって決まる値であり、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値である。このため、制御部81は、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値に基づいて感圧スイッチSWがオンしているか否かを判定すると理解できる。そして、制御部81は、荷重検知センサ1を用いたこのような判定に基づいて着座に起因する荷重を検知し、この荷重の検知に基づいて着座を検知する。
なお、制御部81の荷重検知センサ1による荷重の検知確度が低下することを抑制する観点では、限流素子としての抵抗56rの抵抗値は、感圧スイッチSWがオンしている際に一対の端子56c,57c間を流れる電流が上記の閾値となる抵抗値の半値以下であることが好ましい。制御部81は上記のように一対の端子56c,57c間を流れる電流と所定の閾値とに基づいて感圧スイッチがオンしているか否かを判定する。このため、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合の一対の端子56c,57c間を流れる電流が閾値に近い値になるにつれて、制御部81の荷重検知の確度が低下する傾向にある。ここで、センサ部5が限流素子としての抵抗56rを有する場合、この抵抗56rを有さない場合と比べて、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合の一対の端子56c,57c間の抵抗値は高くなる。このため、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合に一対の端子56c,57c間を流れる電流は低くなって閾値に近くなる。しかし、荷重検知センサ1のセンサ部5が上記のように構成されることで、荷重検知センサ1のセンサ部5が限流素子としての抵抗56rを有していたとしても、制御部81の荷重検知センサ1による荷重の検知確度が低下することを抑制できる。
ここで、上記のように、感圧スイッチSWがオンしている際に一対の端子56c,57c間を流れる電流は、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値である。このため、上記の観点では、抵抗56rの抵抗値は、感圧スイッチSWがオンした際における一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値が、上記の閾値となる一対の端子56c,57c間の抵抗値の半値以下であることが好ましいと理解できる。
また、制御部81は、例えば、判定装置80が電流計83に替わって一対の電極56e,57eが互いに接触することによって一対の端子56c,57c間の電圧が低下する回路と、端子56c,57c間の電圧に応じた信号を制御部81に出力する電圧計とを備え、一対の端子56c,57c間の電圧が所定の閾値を越えない旨の信号が電圧計から入力される場合、センサ部5の感圧スイッチSWはオンであり、座席装置に人が着座しているものと判断してもよい。ここで、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合の一対の端子56c,57c間の電圧は、一対の端子56c,57c間を流れる電流及びセンサ部5における一対の端子56c,57c間の抵抗値によって決まる値であり、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値である。このため、このような制御部81は、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値に基づいて感圧スイッチSWがオンしているか否かを判定すると理解できる。
また、制御部81がこのように一対の端子56c,57c間の電圧と所定の閾値とに基づいて感圧スイッチがオンしているか否かを判定する場合、荷重の検知確度が低下することを抑制する観点では、抵抗56rの抵抗値は、感圧スイッチSWがオンしている際の一対の端子56c,57c間の電圧が上記の閾値となる抵抗値の半値以下であることが好ましい。一対の電極56e,57eが互いに接触している場合の一対の端子56c,57c間の電圧が閾値に近い値になるにつれて、制御部81の荷重検知の確度が低下する傾向にある。上記のように、センサ部5が限流素子としての抵抗56rを有する場合、この抵抗56rを有さない場合と比べて、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合の一対の端子56c,57c間の抵抗値は高くなる。このため、一対の電極56e,57eが互いに接触している場合に一対の端子56c,57c間の電圧は高くなって閾値に近くなる。しかし、センサ部5が上記のように構成されることで、荷重検知センサ1のセンサ部5が限流素子としての抵抗56rを有していたとしても、制御部81の荷重検知センサ1による荷重の検知確度が低下することを抑制できる。なお、感圧スイッチSWがオンしている際に一対の端子56c,57c間の電圧は、一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値である。このため、制御部81が一対の端子56c,57c間を流れる電流に基づいて感圧スイッチがオンしているか否かを判断する場合と同様に、上記の観点では、抵抗56rの抵抗値は、感圧スイッチSWがオンした際における一対の端子56c,57c間の抵抗値に関連する所定の値が、上記の閾値となる一対の端子56c,57c間の抵抗値の半値以下であることが好ましいと理解できる。
また、本実施形態では、上記のように、第1絶縁シート56sのメインブロック56mのサポートプレート側の面はサポートプレート2に接着されていない。このため、少なくともセンサ部5における感圧スイッチSWの周辺部は金属板60の撓み方に追随するように変形することができ、感圧スイッチSWがオンし易い。なお、第1絶縁シート56sはサポートプレート2に接着されてもよい。
また、本実施形態では、上記のように、スペーサ58には、スリット58bが形成されている。このため、第2電極シート57が撓むとき、スペーサ58の開口58c内の空気はスリット58bを介して排出される。従って、第1電極シート56及び第2電極シート57の撓みがスペーサ58の開口58c内の空気によって抑制されるといったことが回避され、センサ部5の感圧スイッチSWは適切にオンする。
以上説明したように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uは、一対の端子56c,57cと、感圧スイッチSWと、限流素子としての抵抗56rと、電源回路82とを備える。感圧スイッチSWは、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極56e,57eを含み、一対の端子56c,57c間に電気的に接続される。抵抗56rは、一対の端子56c,57c間において感圧スイッチSWに電気的に接続される。電源回路は、一対の端子56c,57c間に所定の電圧を印加する。一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される状態での上記式(1)で示されるJIは15000((mA)・(ms))以下である。
本実施形態の荷重検知センサユニット1Uでは、感圧スイッチSWを構成する一対の電極56e,57eが接触して感圧スイッチSWがオンとなることで一対の端子56c,57c間が通電する。このため、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uによれば、このような一対の端子56c,57c間の通電によって荷重を検知できる。また、後述するが、感圧スイッチSWを構成する一対の電極56e,57eの少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていても、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となることによって、このJIが15000((mA)・(ms))を越える場合と比べて、繰り返し一対の電極56e,57eが互いに接触することによる一対の電極56e,57eの溶融等が生じ難くなる。このため、抵抗56rが一対の端子56c,57c間に電気的に接続されずに感圧スイッチSWが一対の端子56c,57c間に接続され当該一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される状態におけるJIが15000((mA)・(ms))を越える場合に、抵抗56rにより、JIが15000((mA)・(ms))以下とすることにより、一対の電極56e,57eの溶融等に起因して一対の電極56e,57e間における絶縁性の低下や一対の電極56e,57eの接合等が生じることを抑制できる。従って、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uによれば、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る。また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uでは、限流素子としての抵抗56rが一対の端子56c,57c間に電気的に接続されずに感圧スイッチSWが一対の端子56c,57c間に接続され当該一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される状態におけるJIが15000((mA)・(ms))を超える。このため、例えば、導電性材料から成る電極56e,57eの耐熱性を向上させなくても荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上できる。また、上記の状態におけるJIが15000((mA)・(ms))を超える場合であっても、荷重検知センサユニット1Uを構成する部材の材料の変更や、抵抗56rが一対の端子56c,57c間において感圧スイッチSWに電気的に接続される構造以外の構造の変更をしなくも、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上できる。なお、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上する観点では、限流素子としての抵抗56rの抵抗値は、JIが10000((mA)・(ms))以下となる値であることが好ましい。
なお、感圧スイッチSWがオンした際に一対の端子56c,57c間を流れる電流の最大値は、400mAを越えないことが好ましい。後述するが、このように構成されることで、繰り返し一対の電極56e,57eが互いに接触することによる一対の電極56e,57eの溶融等が生じ難くなる。この理由は、感圧スイッチSWがオンする際に当該感圧スイッチSWを流れる突入電流の最大値が制限されることによって、一対の電極56e,57eに生じる熱の最大値が制限されるためではないかと考えられる。このようにして、一対の電極56e,57eの溶融等に起因して一対の電極56e,57e間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じることを抑制でき、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uでは、限流素子としての抵抗56rが感圧スイッチSWに電気的に直列に接続される。このため、感圧スイッチSWに所定以上の突入電流が流れることを確実に防止できる。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uは、押圧部材としての上部ケース4を更に備える。上部ケース4は、受圧面としての上面45Sと、押圧部46と、を有する。押圧部46は、一対の電極56e,57eが対向する方向において一対の電極56e,57eのそれぞれの外縁よりも内側に位置し、受圧面としての上面45Sに作用する押圧力によって感圧スイッチSWを押圧する。
このように構成されることで、上部ケース4の上面45Sに作用する押圧力を一対の電極56e,57eのいずれかに集中させることができ、受圧面としての上部ケース4における上面45Sに作用する押圧力によって適切に一対の電極56e,57eを接触させることができる。従って、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uによれば、荷重の誤検知を抑制することができる。なお、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uでは、上部ケース4を備えない場合と比べて、一対の電極56e,57eが互いに接触する部位の面積が小さくなり、感圧スイッチSWが通電する際に一対の電極56e,57eに生じる熱が集中して一対の電極56e,57eに溶融等が生じ易くなる傾向にある。しかし、上記のように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uによれば、一対の電極56e,57eに溶融等が生じ難くすることができる。このため、荷重検知センサユニット1Uが上記のような押圧部材としての上部ケース4を備える場合に特に有用である。
次に、本発明の実施形態に係る荷重検知センサユニットの製造方法について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る荷重検知センサユニットの製造方法を示すフローチャートである。図9に示すように、本実施形態の荷重検知センサユニットの製造方法は、決定工程P1と、準備工程P2と、センサ部作製工程P3と、組み立て工程P4とを主な工程として備える。
<決定工程P1>
本工程は、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるように限流素子としての抵抗56rの抵抗値を決定する工程とされる。図10は、本実施形態における検査装置の構成を模式的に示す図である。本実施形態では、検査装置100を用いて抵抗56rの抵抗値を決定する。図10に示すように、本実施形態の検査装置100は、検査用荷重検知センサ1Rと、電源PSと、一対の端子T1,T2と、配線W1,W2,W3と、可変抵抗器ARと、電圧計VMと、演算部OPとを主な構成として備える。
検査用荷重検知センサ1Rは、上記実施形態の荷重検知センサ1と概ね同じ構成とされる。このため、上記実施形態の荷重検知センサ1と同じ構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。図10に示すように、検査用荷重検知センサ1Rは、センサ部5が限流素子としての抵抗56rを有さず、第1電極56eと第1端子56cとが配線56w1を介して互いに電気的に接続されて一対の端子56c,57c間に感圧スイッチSWが電気的に接続される点において、上記実施形態における荷重検知センサ1と異なる。このため、検査用荷重検知センサ1Rは、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))を越えるような構成とされている。
検査用荷重検知センサ1Rのセンサ部5における第1端子56cと電源PSとが配線W1を介して互いに電気的に接続され、第2端子57cと端子T1とが配線W2を介して互いに電気的に接続され、第2端子57cと電源PSとが配線W3を介して互いに電気的に接続される。一対の端子T1,T2間には、抵抗値を任意に変更可能な可変抵抗器ARが電気的に接続される。このため、検査装置100では、感圧スイッチSWと可変抵抗器ARとが電気的に直列に接続されており、検査装置100における検査用荷重検知センサ1R及び可変抵抗器ARから成る部分の電気的な構成は、上記実施形態における荷重検知センサ1の電気的な構成と概ね同じ構成となる。このような、検査装置100では、一対の端子56c,57c間に電圧が印加され、感圧スイッチSWがオンすることで電源PSからの電流が感圧スイッチSW及び可変抵抗器ARを流れる。本実施形態では、電源PSは電源回路を有しリミット電圧を任意の電圧に設定可能で概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源とされる。また、この電源PSにおけるリミット電圧は、製造される荷重検知センサユニット1Uの一対の端子56c,57cに電気的に接続される電源回路82によって当該端子56c,57cに印加される電圧に設定される。なお、電源PSの構成や設定は、製造される荷重検知センサユニット1Uの一対の端子56c,57cに電気的に接続される電源回路82に対応する構成や設定とされる。
検査装置100は、検査用荷重検知センサ1Rの上部ケース4の上面45Sを押圧して感圧スイッチSWをオンさせる図示せぬ押圧装置も備える。本実施形態では、押圧装置における上部ケース4の上面45Sに当接する部材がシリコンゴムから形成され、押圧装置はこの部材を所定の速度で上部ケース4側に移動させるように構成される。本実施形態では、この押圧装置は、上部ケース4の上面45Sに当接する部材の移動速度が1mm/minとなるように設定される。なお、押圧装置の構成や設定は特に限定されるものではなく、製造される荷重検知センサ1が押圧される部材に対応する構成や設定とされることが好ましい。
一対の端子T1,T2間には可変抵抗器ARとともに当該端子T1,T2間の電圧を測定する電圧計VMも電気的に接続される。この電圧計VMには演算部OPが電気的に接続されており、電圧計VMからの信号が演算部OPに入力される。この演算部OPは、電圧計VMからの信号に基づいて、上記式(1)で示されるJIを算出する。また、演算部OPは、この算出したJIが15000((mA)・(ms))以下であるか否かを判定する。具体的には、演算部OPは、端子T1,T2間に接続される可変抵抗器ARの抵抗値と電圧計VMからの信号に基づいて端子T1,T2間を流れる電流値を演算する。上記のように、感圧スイッチSWと可変抵抗器ARとが電気的に直列に接続されているため、感圧スイッチSWを流れる電流値と可変抵抗器ARを流れる電流値は概ね同じである。このため、演算部OPによって演算される端子T1,T2間を流れる電流値は、感圧スイッチSWを流れる電流値と概ね同じであり、演算部OPは感圧スイッチSWを流れる電流値を演算していると理解できる。演算部OPは、このように演算した端子T1,T2間を流れる電流値に基づいて上記式(1)で示されるJIを演算し、演算したJIが15000((mA)・(ms))以下であるか否かを判定する。そして、このような演算部OPによる判定を可変抵抗器ARの抵抗値を変化させて繰り返し、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるような抵抗値を決定する。
なお、演算部OPは、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下であるか否かを判定できればよい。例えば、検査装置100が一対の端子T1,T2間を流れる電流を測定する電流計を備える構成とされる場合、演算部OPは、この電流計からの信号に基づいて上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下であるか否かを判定しても良い。このような演算部OPとしては、例えば、前述の制御部81と同様の構成が挙げられる。
また、本実施形態の決定工程P1では、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるように限流素子としての抵抗56rの抵抗値を決定すればよい。例えば、決定工程P1では、上記の検査装置100を用いずに、シミュレーションによって限流素子としての抵抗56rの抵抗値を決定してもよい。
なお、決定工程P1は、製造する1つ1つの荷重検知センサユニット1Uごとに抵抗56rの抵抗値を決定する工程でなく、例えば荷重検知センサユニット1Uが用いられる製品ごとに抵抗値を決定する工程であり、荷重検知センサユニット1Uが自動車に用いられる場合には自動車の車種ごとに抵抗値を決定する工程である。
<準備工程P2>
本工程は、荷重検知センサ1におけるサポートプレート2、上部ケース4、センサ部5における第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57s、スペーサ58、金属板60、金属用接着層70、信号ケーブル19を準備する工程である。本実施形態では、金属板を打ち抜き加工及び曲げ加工することによってサポートプレート2を作製し、樹脂を射出成形することによって上部ケース4を作製する。また、本実施形態では、樹脂製の絶縁シートを打ち抜き加工することによって第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57s、及びスペーサ58を作製し、金属板を打ち抜き加工することによって金属板60を作製し、両面テープを打ち抜き加工することによって金属用接着層70を作製する。また、本実施形態では、信号ケーブル19と同じ構成の信号ケーブルを所定の長さに切断することによって信号ケーブル19を作製する。なお、本工程は、荷重検知センサ1を構成する上記の構成要素を準備できればよく、これら構成要素を準備する方法は特に限定されるものではない。
<センサ部作製工程P3>
本工程は、センサ部5を作製する工程である。本実施形態では、準備工程P2において準備された第1絶縁シート56sの一方の面上に、第1電極56e、第1端子56c、及び抵抗56rを印刷によって設ける。このため、形成される抵抗56rは印刷抵抗である。ここで、抵抗56rは、抵抗値が決定工程P1によって決定された抵抗値となるように設けられる。例えば、印刷抵抗である抵抗56rを構成する導電性材料における樹脂の量を調節したり、抵抗56rの幅や長さを調節したり、膜厚を調節したりすることによって、抵抗56rの抵抗値が決定工程P1によって決定された抵抗値となるようにする。また、第1絶縁シート56sの一方の面上に、配線56w1,56w2を印刷によって設け、抵抗56rの一方の端と第1電極56eとを電気的に接続し、抵抗56rの他方の端と第1端子56cとを電気的に接続する。このようにして、第1電極シート56を作製する。
次に、準備工程P2において準備された第2絶縁シート57sの一方の面上に、第2電極57e、第2端子57cを印刷によって設ける。また、第1絶縁シート56sの一方の面上に、配線57wを印刷によって設け、第2電極57eと第2端子57cとを電気的に接続する。このようにして、第2電極シート57を作製する。
次に、準備工程P2において準備されたスペーサ58の両面に接着剤を塗布し、スペーサ58の一方の面に第1電極シート56を接着し、スペーサ58の他方の面に第2電極シート57を接着する。このようにして第1電極シート56、第2電極シート57、及びスペーサ58が一体化された部材における第2電極シート57に金属用接着層70によって金属板60を貼り付けることによって、センサ部5を作製する。
このようにして作製されたセンサ部5では、第1電極56e及び第2電極57eで構成される感圧スイッチSWと限流素子としての決定工程P1によって決定された抵抗値の抵抗56rとが電気的に接続されている。つまり、このセンサ部作製工程P3は、決定工程P1において決定した抵抗値の抵抗56rを感圧スイッチSWに電気的に接続する接続工程を含んでいると理解できる。
本実施形態では、このようにして作製されたセンサ部5の第1端子56c及び第2端子57cのそれぞれに、信号ケーブル19の一端をはんだ付けによって接続する。また、信号ケーブル19が接続された第1端子56c及び第2端子57cを含むセンサ部5のテールブロック50tの端部に、インサート成形によって保護樹脂18を設け、この端部を保護樹脂18によって被覆する。
<組み立て工程P4>
本工程は、荷重検知センサ1を組み立てる工程である。本工程では、まず、準備工程P2において準備されたサポートプレート2の載置部21の載置面21S上に、センサ部作製工程P3において作製されたセンサ部5のメインブロック50mを載置する。具体的には、センサ部5のメインブロック50mにおける第1電極シート56側がサポートプレート2の載置部21の載置面21Sに当接するとともに、センサ部5のテールブロック50tが載置部21を平面視する場合において一対のフック部22を結ぶ方向と概ね垂直な方向に延在するように、センサ部5のメインブロック50mを載置面21S上に載置する。また、センサ部5の複数の貫通孔50Hのそれぞれが対応するサポートプレート2の貫通孔20Hと重なるように、サポートプレート2に対するセンサ部5の位置を調節する。このようにサポートプレート2に載置されたセンサ部5をサポートプレート2側とは反対側から上部ケース4によって覆い、上部ケース4の各フック片47をサポートプレート2の対応するケース止用開口24に嵌め込む。この際、上部ケース4の各リブ49を対応するセンサ部5の貫通孔50H及びサポートプレート2の貫通孔20Hに挿入する。このようにして、上部ケース4及びセンサ部5をサポートプレート2に係止させることで、荷重検知センサ1が組み立てられ、荷重検知センサ1が製造される。そして、この荷重検知センサ1における信号ケーブル19が判定装置80に接続されることで、荷重検知センサユニット1Uが製造される。なお、荷重検知センサ1の信号ケーブル19は、当該荷重検知センサ1が車両の座席装置のシートクッション下に配置された後に判定装置80に接続されてもよく、当該荷重検知センサ1が車両の座席装置のシートクッション下に配置される前に判定装置80に接続されてもよい。
以上説明したように、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uの製造方法では、決定工程P1、準備工程P2、センサ部作製工程P3、及び組み立て工程P4を経て、荷重検知センサユニット1Uが製造される。決定工程P1では、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるような限流素子としての抵抗56rの抵抗値を決定する。また、センサ部作製工程P3は、決定工程P1において決定された抵抗値の抵抗56rを感圧スイッチSWに電気的に接続する接続工程を含んでいる。
このため、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uの製造方法によれば、後述するように、一対の電極56e,57eの溶融等に起因して一対の電極56e,57e間における絶縁性の低下や一対の電極56e,57eの接合等が生じることを抑制でき、荷重検知の繰り返しに対する耐久性を向上し得る荷重検知センサ1を製造できる。また、この方法で製造される荷重検知センサユニット1Uでは、限流素子としての抵抗56rが一対の端子56c,57c間に電気的に接続されずに感圧スイッチSWが一対の端子56c,57c間に接続される場合、一対の端子56c,57c間に所定の電圧が印加される状態での上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))を超える。このため、例えば、限流素子としての抵抗56rを有さずにJIが15000((mA)・(ms))を超える荷重検知センサユニットに限流素子としての抵抗56rを追加することで製造し得る。このため、例えば、JIが15000((mA)・(ms))を超える荷重検知センサユニットを製造するレイアウトを大きく変化しなくても荷重検知センサユニット製造し得る。
また、本実施形態の荷重検知センサユニット1Uの製造方法における決定工程P1では、上記式(1)で示されるJIを測定している。ここで、JIが15000((mA)・(ms))以下となることで、荷重検知の繰り返しに対する耐久性が向上される。このため、決定工程P1では、JIを測定する測定工程によって測定された結果に基づいて荷重検知センサユニット1Uの耐久性評価を行っていると理解できる。このような荷重検知センサユニットの耐久性評価方法によれば、感圧スイッチSWのオンとオフを複数回繰り返すことによって耐久性を評価する場合と比べて、短時間で耐久性を評価し得る。
以上、本発明の荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法について上記実施形態を例に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、センサ部5は、第1電極シート56と、第2電極シート57、スペーサ58と、金属板60と、金属用接着層70とを備えていた。しかし、センサ部5は、一対の端子56c,57cと、感圧スイッチSWと、限流素子とを有していればよい。例えば、センサ部5は、金属板60と金属用接着層70とを備えない構成とされてもよい。この場合、上部ケース4の押圧部46はセンサ部5の第2電極シート57に当接する。
また、上記実施形態では、限流素子は抵抗56rとされていた。しかし、限流素子は、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるようなものであればよい。例えば、限流素子は、複数の抵抗から構成されてもよく、例えば、上記抵抗56rと、一端が第2電極57eに電気的に接続され他端が第2端子57cに電気的に接続されるように第2電極シート57に設けられる抵抗とから構成されてもよい。また、限流素子は、抵抗とコンデンサとが電気的に並列に接続される構成とされてもよく、このような限流素子は感圧スイッチSWに電気的に直列に接続される。
また、上記実施形態では、第1電極56e及び第2電極57eが導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていた。しかし、一対の電極56e,57eの少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていればよい。例えば、一対の電極56e,57eの一方が金属から成り、他方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成っていてもよい。
また、上記実施形態では、感圧スイッチSWは、第1電極シート56が有する第1電極56eと第2電極シート57が有する第2電極57eとで構成されていた。しかし、感圧スイッチSWは、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含んでいれば良い。例えば、第2電極57eの代わりに金属等の導電性のシートが用いられ、この導電性のシートが第2電極57eを兼ねる構成とされてもよい。
また、上記実施形態では、荷重検知センサユニット1Uの荷重検知センサ1は、サポートプレート2と上部ケース4とセンサ部5とを備えていた。しかし、荷重検知センサ1は、センサ部5を備えていればよく、サポートプレート2や上部ケース4を備えていなくてもよい。サポートプレート2及び上部ケース4を備えない荷重検知センサ1は、例えば、座席装置のシートクッションSCの上面に配置される。このような荷重検知センサ1であっても、人の着座に起因する荷重によってセンサ部5の感圧スイッチSWが押圧されてこの感圧スイッチSWをオンさせることができる。このため、センサ部5の一対の端子56c,57cに電気的に接続される判定装置80は、このような荷重検知センサ1によって人の着座に起因する荷重を検知し、この荷重の検知に基づいて着座を検知できる。なお、このような荷重検知センサ1では、センサ部5は感圧スイッチSWを複数有していてもよい。この場合、一対の端子56c,57c間において複数の感圧スイッチSWは互いに電気的に直列に接続されてもよく、互いに電気的に並列に接続されてもよく、複数の感圧スイッチSWの一部が互いに電気的に直列に接続され複数の感圧スイッチSWの他の一部が互いに電気的に並列に接続されてもよい。このようにセンサ部5が複数の感圧スイッチSWを有している場合、センサ部5における限流素子としての抵抗56rは、それぞれの感圧スイッチSWにおける上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるような抵抗とされ、抵抗56rは複数の抵抗から構成されてもよい。
また、上記実施形態では、荷重検知センサユニット1Uの荷重検知センサ1は車両の座席装置のシートクッション下に配置され、人の着座を検知した。しかし、荷重検知センサによる検知の対象は、特に限定されるものではない。例えば、荷重検知センサを介護用ベッド等のシートクッション下に配置することによって、人の存在の有無を検知してもよい。
また、上記実施形態では、決定工程P1は、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるように限流素子としての抵抗56rの抵抗値を決定する工程とされた。しかし、決定工程P1では、上記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下となるように限流素子を決定すればよい。例えば、限流素子が抵抗とコンデンサとが電気的に並列に接続される構成とされる場合、決定工程P1は、抵抗の抵抗値とコンデンサの容量とを決定する工程とされる。また、上記実施形態では、センサ部作製工程P3は、決定工程P1において決定した抵抗値の抵抗56rを感圧スイッチSWに電気的に接続する接続工程を含んでいた。しかし、接続工程は、決定工程において決定された限流素子を感圧スイッチSWに電気的に接続する工程であればよい。例えば、上記のように、限流素子が抵抗とコンデンサとが電気的に並列に接続される構成とされる場合、接続工程は、決定工程において決定した抵抗値の抵抗と決定工程において決定した容量のコンデンサとが電気的に並列に接続された構成の限流素子を感圧スイッチSWに電気的に接続する工程とされる。
また、上記実施形態のセンサ部作製工程P3では、第1電極シート56と第2電極シート57とを作製した後、この第1電極シート56及び第2電極シート57とスペーサ58とを一体化していた。しかし、センサ部作製工程P3は、決定工程P1において決定された抵抗値の抵抗を感圧スイッチSWに電気的に接続する接続工程を含み、センサ部5を作製する工程であればよい。例えば、準備工程P2では、第1絶縁シート56s、第2絶縁シート57s、及びスペーサ58に替わって、第1絶縁シート56sと成る樹脂製の絶縁シート、第2絶縁シート57sと成る樹脂製の絶縁シート、及びスペーサ58と成る樹脂製の絶縁シートを準備する。センサ部作製工程P3では、第1絶縁シート56sと成る樹脂製の絶縁シートの一方の面上に、第1電極56e、第1端子56c、抵抗56r、及び配線56w1,56w2から成る複数の導電部材を印刷によって設け、複数の第1絶縁シート56sが一体に形成されている第1シートを作製する。また、第2絶縁シート57sと成る樹脂製の絶縁シートの一方の面上に、第2電極57e、第2端子57c、及び配線57wから成る複数の導電部材を印刷によって設け、複数の第2絶縁シート57sが一体に形成されている第2シートを作製する。また、スペーサ58と成る樹脂製の絶縁シートに開口58cとなる複数の貫通孔を形成して、複数のスペーサ58が一体に形成されている第3シートを作製する。そして、第3シートの一方の面に第1シートを接着し、第3シートの他方の面に第2シートを接着することによって、第1電極シート56、第2電極シート57、及びスペーサ58が一体化された複数の部材が一体に形成されているシート部材を作製する。このシート部材を打ち抜き加工することで第1電極シート56、第2電極シート57、及びスペーサ58が一体化された部材を作製し、この部材に金属用接着層70によって金属板60を貼り付けることによって、センサ部5を作製しても良い。また、一対の端子及び限流素子を有さないセンサ部予備体を購入し、このセンサ部予備体に、一対の端子及び限流素子を接続することで、センサ部を作製してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
図2から図7に示される上記の荷重検知センサを製造した。この荷重検知センサのセンサ部における第1電極及び第2電極のそれぞれは、銀粉とこの銀粉をバインドする樹脂とを含み第1絶縁シートに接着する第1導電体層と、カーボン粉とこのカーボン粉をバインドする樹脂とを含み第1導電体層に積層される第2導電体層とから成る2層構造とされた。この第1電極及び第2電極のそれぞれの外形は、直径が概ね20mmの円形とされ、それぞれの電極における第1導電体層及び第2導電体層のそれぞれの厚さは概ね10μmとされた。また、スペーサの厚さは概ね100μmとされ、スペーサに形成される開口は直径が概ね7.5mmの円形とされ、平面視において、スペーサの開口は、第1電極及び第2電極のそれぞれの外縁よりも内側に位置していた。また、限流素子としての抵抗は、抵抗値が1Ωの印刷抵抗とされた。また、センサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が5Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例2)
限流素子としての抵抗を抵抗値が20Ωの印刷抵抗とした以外は実施例1と同様の荷重検知センサを製造した。この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が5Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例3)
実施例2と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が12Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例4)
実施例2と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が16Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例5)
限流素子としての抵抗を抵抗値が43Ωの印刷抵抗とした以外は実施例1と同様の荷重検知センサを製造した。この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が5Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例6)
実施例5と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が12Vとなるように定電流電源を設定した。
(実施例7)
実施例5と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、リミット電圧が16Vに設定され概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。
(実施例8)
実施例5と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が18Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例1)
実施例1と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が12Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例2)
実施例1と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が16Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例3)
実施例1と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が18Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例4)
実施例1と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が32Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例5)
実施例2と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が18Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例6)
実施例2と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が32Vとなるように定電流電源を設定した。
(比較例7)
実施例5と同様の荷重検知センサを製造し、この荷重検知センサのセンサ部における一対の端子間に、電源回路を有し設定され概ね15mAの直流電流を出力する定電流電源を接続した。リミット電圧が32Vにとなるように定電流電源を設定した。
(JIの測定)
上記の実施例1〜8及び比較例1〜7のそれぞれについて、上記検査装置における押圧装置、電圧計、演算部を用いて、上記式(1)によって示されるJIを測定した。押圧装置は、上部ケースの上面に当接する部材の移動速度が1mm/minとなるように設定された。電圧計は実施例1〜7及び比較例1〜8のそれぞれにおける一対の端子間に電気的に接続された。JIの測定結果を図11に示す。図11に示すように、実施例1〜8のそれぞれのJIは、15000((mA)・(ms))以下であり、比較例1〜7のそれぞれのJIは、15000((mA)・(ms))を越えていた。
また、JIの測定時における時間tと感圧スイッチを流れる電流I(t)との関係を図12、図13、図14に示す。なお、図12は限流素子としての抵抗の抵抗値が1Ωとされたものの関係を示す図であり、図13は限流素子としての抵抗の抵抗値が20Ωとされたものの関係を示す図であり、図14は限流素子としての抵抗の抵抗値が43Ωとされたものの関係を示す図ある。また、これらの時間tと電流I(t)との関係は、検査装置の演算部によって算出された電流値に基づくものである。図12、図13、図14に示すように、実施例1〜8のそれぞれの電流の最大値は、400mA以下であり、比較例1〜7のそれぞれの電流の最大値は、400mAを越えていた。
(耐久試験)
上記の実施例1〜8及び比較例1〜7のそれぞれについて、上記検査装置における押圧装置を用いて、荷重検知の繰り返しに対する耐久試験を行った。具体的には、実施例1〜8及び比較例1〜7のそれぞれの感圧スイッチを所定の時間間隔で繰り返しオンさせた。押圧装置は、上部ケースの上面に当接する部材の移動速度が1mm/minとなるように設定され、感圧スイッチを繰り返しオンする回数は7万回とした。
(評価試験)
上記耐久試験後の実施例4,7,8及び比較例2,4のそれぞれについて、上部カバーに荷重を加えることによって感圧スイッチがオンする、つまり感圧スイッチが通電する際の荷重であるオン荷重を測定した。また、基準として、耐久試験を行っていない状態の実施例1について、同様のオン荷重を測定した。この測定結果を図15に示す。なお、図15は、実施例4,7,8及び比較例2,4のそれぞれに対応するJIの値と、耐久試験を行っていない状態の実施例1のオン荷重を基準とする耐久試験後の実施例4,7,8及び比較例2,4のそれぞれのオン荷重の変化率との関係を示す図である。また、図15における負の変化率は、オン荷重が低くなったことを示し、正の変化率は、オン荷重が高くなったことを示している。また、図15には、JI=15000((mA)・(ms))を示す破線が記載されている。
図15に示すように、実施例4,7,8のそれぞれのオン荷重の変化率は5%以内であり、比較例2,4のそれぞれのオン荷重の変化率は10%以上であった。従って、実施例4,7,8のそれぞれは、比較例2,4よりもオン荷重の変化率を低減できることが確認できた。そして、JIが15000((mA)・(ms))以下であることで、JIが15000((mA)・(ms))を超える場合と比べてオン荷重の変化率を低減できることが確認できた。
また、上記耐久試験後の実施例4,7,8及び比較例2,4のそれぞれについて、上部カバーに荷重が加わっていない状態におけるセンサ部の一対の端子間の絶縁抵抗値を絶縁抵抗計によって測定した。この測定結果を図16に示す。なお、図16は、実施例4,7,8及び比較例2,4のそれぞれに対応するJIの値と、耐久試験後の実施例4,6,7及び比較例2,4のそれぞれの絶縁抵抗値との関係を示す図である。また、図16には、JI=15000((mA)・(ms))を示す破線が記載されている。
感圧スイッチにおいて、一般的に要求される絶縁抵抗値は、1MΩ以上である。図16に示すように、実施例4,6,7のそれぞれの絶縁抵抗値は、1MΩ以上であり、耐久試験後であっても十分な絶縁抵抗値を有していた。一方、比較例2,4の絶縁抵抗値は、1MΩ未満であり、耐久試験後において十分な絶縁抵抗値を有していなかった。そして、JIが15000((mA)・(ms))以下であることで、耐久試験後であっても十分な絶縁抵抗値を有することが確認できた。
また、上記耐久試験後の実施例1〜8及び比較例1〜7のそれぞれについて、第1電極及び第2電極の互いに対向する側の面の状態を目視によって確認した。比較例1〜7のそれぞれでは、第1電極及び第2電極に溶融痕があった。一方、実施例1〜8のそれぞれでは、溶融痕はなかった。なお、実施例1〜8について、第1電極及び第2電極の互いに対向する側の面の状態を顕微鏡によっても確認したところ、実施例1〜3、6〜7については、溶融痕は一切なかった。一方で、実施例4、8については、目視では確認できない微小な溶融痕があった。このため、実施例1〜8のそれぞれでは、比較例1〜7よりも、繰り返し第1電極と第2電極とが互いに接触することによる第1電極と第2電極の溶融等が生じ難くなることが確認できた。従って、JIの値が15000((mA)・(ms))以下とされることによって、繰り返し第1電極と第2電極とが互いに接触することによる第1電極と第2電極の溶融等が生じ難くなり、オン荷重の変化率を低減でき、感圧スイッチのオフ時の絶縁抵抗を十分な抵抗値に維持でき、荷重検知センサの耐久性を向上できることが確認できた。
なお、図示等による説明は省略するが、第1電極及び第2電極のそれぞれが導電体とこの導電体をバインドする樹脂とを含む第1導電体層から成る場合、つまり第1電極及び第2電極が1層構造とされる場合であっても、JIの値が15000((mA)・(ms))以下とされることによって、繰り返し第1電極と第2電極とが互いに接触することによる第1電極と第2電極の溶融等が生じ難くなることが確認できた。また、第1電極及び第2電極の一方が金属から成り、他方が導電体とこの導電体をバインドする樹脂とを含む導電性材料から成る場合であっても、JIの値が15000((mA)・(ms))以下とされることによって、繰り返し第1電極と第2電極とが互いに接触することによる第1電極と第2電極の溶融等が生じ難くなることが確認できた。
また、上記のように、JIの値が15000((mA)・(ms))以下である実施例1〜8のそれぞれの電流の最大値は、400mA以下である。このため、感圧スイッチSWがオンする際にセンサ部の第1端子及び第2端子間を流れる電流の最大値が400mAを越えないことによって、一対の電極の溶融等に起因して一対の電極間における絶縁性の低下や一対の電極の接合等が生じることを抑制できると理解できる。この理由は、上述のように、感圧スイッチがオンする際に当該感圧スイッチを流れる突入電流の最大値が制限されることによって、一対の電極に生じる熱の最大値が制限されるためではないかと考えられる。
以上説明したように、本発明によれば、耐久性を向上し得る荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法が提供され、車両用の座席装置等の分野において利用することができる。
1・・・荷重検知センサ
1U・・・荷重検知センサユニット
2・・・サポートプレート
4・・・上部ケース(押圧部材)
5・・・センサ部
46・・・押圧部
56・・・第1電極シート
56c・・・第1端子
56e・・・第1電極
56r・・・抵抗(限流素子)
56s・・・第1絶縁シート
57・・・第2電極シート
57c・・・第2端子
57e・・・第2電極
57s・・・第2絶縁シート
58・・・スペーサ
80・・・判定装置
81・・・制御部
82・・・電源回路
83・・・電流計
SC・・・シートクッション
SW・・・感圧スイッチ

Claims (7)

  1. 一対の端子と、
    互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、
    前記一対の端子間において前記感圧スイッチに電気的に接続される限流素子と、
    前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、
    を備え、
    前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))以下であり、
    前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続されずに前記感圧スイッチが前記一対の端子間に接続され当該一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態における前記JIが15000((mA)・(ms))を超える
    ことを特徴とする荷重検知センサユニット。
    Figure 2021138347
  2. 前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続され前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記感圧スイッチがオンした際に前記一対の端子間を流れる電流の最大値は、400mAを越えない
    ことを特徴とする請求項1に記載の荷重検知センサユニット。
  3. 前記限流素子は、前記感圧スイッチに電気的に直列に接続される抵抗とされる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷重検知センサユニット。
  4. 前記抵抗の抵抗値は、前記感圧スイッチがオンした際における前記一対の端子間の抵抗値に関連する所定の値が、前記所定の値に基づいて前記感圧スイッチがオンしているか否かを判定する制御部が当該判定をするための閾値となる前記一対の端子間の抵抗値の半値以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載の荷重検知センサユニット。
  5. 受圧面と、前記一対の電極が対向する方向において前記一対の電極のそれぞれの外縁よりも内側に位置し、前記受圧面に作用する押圧力によって前記感圧スイッチを押圧する押圧部と、を有する押圧部材を更に備える
    こと特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の荷重検知センサユニット。
  6. 一対の端子と、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、前記一対の端子間において前記感圧スイッチに電気的に接続される限流素子と、前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、を備える荷重検知センサユニットの製造方法であって、
    前記荷重検知センサユニットでは、前記限流素子が前記一対の端子間に電気的に接続されずに前記感圧スイッチが前記一対の端子間に接続される場合、前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIが15000((mA)・(ms))を超え、
    前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態における前記JIが15000((mA)・(ms))以下となるように前記限流素子を決定する決定工程と、
    前記決定工程において決定された前記限流素子を前記感圧スイッチに電気的に接続する接続工程と、
    を備える
    ことを特徴とする荷重検知センサユニットの製造方法。
    Figure 2021138347
  7. 一対の端子と、互いに離間して対向し少なくとも一方が導電体と樹脂とを含む導電性材料から成る一対の電極を含み、前記一対の端子間に電気的に接続される感圧スイッチと、前記一対の端子間に所定の電圧を印加する電源回路と、を備える荷重検知センサユニットの耐久性評価方法であって、
    前記一対の端子間に前記所定の電圧が印加される状態で前記一対の電極が互いに接触して前記感圧スイッチがオンしてから前記感圧スイッチのオン状態が維持される時間をt(mS)とし、時間tにおいて前記感圧スイッチを流れる電流をI(t)(mA)とする場合に、下記式(1)で示されるJIを測定する測定工程を備える
    ことを特徴とする荷重検知センサユニットの耐久性評価方法。
    Figure 2021138347

JP2020040335A 2020-03-09 2020-03-09 荷重検知センサユニット、荷重検知センサユニットの製造方法、及び荷重検知センサユニットの耐久性評価方法。 Pending JP2021138347A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102539467B1 (ko) * 2022-07-28 2023-06-01 허금자 착석 감지 기능을 구현하는 온열 벤치

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