JP2021138325A - 二輪台車 - Google Patents

Abstract

【課題】コンパクトで取り回しが良く、停車時に積み上げたケースが倒れにくい二輪台車を提供する。【解決手段】本発明は、運搬物を収容したケースＡを運搬するための二輪台車１００である。二輪台車１００は、ケースＡを載置する荷台１と、荷台１前方に設けられる前輪２と、荷台１の後方へ延出する後輪３と荷台１の後部に立設される方向軸３１と、方向軸３１から枝状に後方へ延出して前記方向軸まわりに回動するとともに前記後輪を軸支するフォークとを備える。【選択図】図１

Description

この発明は、蜜柑畑や林檎畑等で果樹を搬送するための台車に関し、特に、荷台の前後に直列に一対の車輪を配した二輪台車に関する。

従来、蜜柑畑や林檎畑等では、果樹を収容したケースの運搬に、主に一輪台車や二輪台車が用いられている。ところが、モノレールで上り下りするような山腹の果樹畑では、従来の台車はサイズが大きすぎて、畑までの搬送に負担がかかるという問題がある。

そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、台車を前後に直列に２つの車輪を設けた二輪台車とするとともに、ハンドルをなくして、台車に載置した果実の収容ケースをハンドル代わりに操作するよう構成することで、台車を軽量化することに想到する。

かかる無ハンドルの二輪台車として、例えば、特許文献１では、額等のパネルを運搬するための、伴走式二輪台車が提案されている。特許文献２の伴走式二輪台車は、長方形の台の前後に直列に一対の車輪を有するとともに該台上の幅方向の一端にパネルを支持する支持枠件把手が設けられ、この支持枠件把手に額縁を固定して、パネルを運搬するよう構成されている。

また、特許文献２には、パンクした自転車を運搬する二輪車用台車が提案されている。特許文献２の二輪車用台車は、矩形の板からなる台の下面に前後一対に車輪を有し、台の上面に立設された左右一対のタイヤ固定枠でパンクしたタイヤを挟むようにして載置し、パンクしていないタイヤと、この二輪車用台車でパンクした自転車を運搬するものである。特許文献２の二輪車用台車は、走行方向に合わせて、前輪が左右に回動するよう構成されている。

ところが、特許文献２の二輪台車では、自転車から手を離すと、倒れてしまうという問題がある。
これに対し、特許文献３では、低くて幅広の荷台を備えることで、荷台が傾いた際にも倒れない直列二輪ベース台車が提案されている。特許文献３の直列二輪ベース台車では、車軸を荷台より高い位置に設けることで、荷台を低くしている。

実開平６−４５８８６号公開公報 特開２００９−１２７３８号公開公報 特開２０１６−１２４４４６号公開公報

しかし、特許文献３の直列二輪ベース台車では、荷台を低くするために車輪が固定されていて、方向変換がしにくいという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、荷台の低さを十分に確保しながら、車輪の方向を転換できる二輪台車の提供を目的とする。

上記課題を解決するためになされた発明は 運搬物を収容したケースを運搬するための二輪台車であって、前記ケースを載置する荷台と、前記荷台の前方に設けられる前輪と、 前記荷台の後方へ延出する後輪と、前記荷台の後部に立設される方向軸と、前記方向軸から枝状に後方へ延出して前記方向軸まわりに回動するとともに前記後輪を軸支するフォークとを備えることを特徴とする。

本発明の二輪台車は、このように、後輪を方向軸周りに回動可能に軸支するフォークが方向軸から枝状に後方へ延出するよう設けたので、荷台を低くすることができる。

前記フォークは、前記荷台の上側において前記方向軸から延出していることが好ましい。こうすることで、さらに、荷台を低くすることができる。

本発明の二輪台車は、前記方向軸が、後方へ傾倒していることが好ましい。こうすることで、走行時に車輪を後方へ延出させた際には、荷台を高くして、地面の凹凸に荷台が衝突することを抑制し、停止時に車輪を側方へ回動させた際には、荷台を低くして、荷台の幅方向の端部を地面に当接させるまで傾けても、ケースが倒れないようにできる。

以上説明したように、本発明の二輪台車は、傾けて停止させた際に、積み上げたケースが倒れることを抑制できる。

本発明の一の実施形態に係る二輪台車の使用状態を示す斜視図である。 図１に示した二輪台車の斜視図である。 図１に示した二輪台車の側面図である。 図１に示した二輪台車の平面図である。

次に、適宜図面を用いながら本発明の実施形態について詳述する。図１は、本発明の一の実施の形態に係る二輪台車１００を示している。二輪台車１００は、山の斜面に設けられた蜜柑畑や林檎畑等の果実畑において、収穫した果実（運搬物）を収納した樹脂製の直方体のケースＡを一、又複数段に載置して運搬するために用いられる。二輪台車１００は、ケースＡを載置する荷台１と、荷台１の前方（図１左側）に設けられる前輪２と、ケースの後方（図１右側）へ延出する後輪３とを主に備えている。
尚、本発明は、以下の実施形態に限られるものではない。

荷台１は、図２、図４に示すように、アルミニウムや鉄、ステンレス等の金属により形成され、パイプ材により平面視長方形の枠状に形成された外枠１１と、外枠１１の幅方向の中途位置において、前後方向に延びるよう設けられた左右一対の支持梁１２，１２と、板材からなる支持板３４とを備えている。支持梁１２，１２は、外枠１１の前辺１１ａ、及び後辺１１ｂに下側から溶接されており、支持梁１２，１２の上面は、外枠１１の上面より一段低くなっている。支持板３４は、外枠１１の後辺１１ｂから後方へ延出した支持梁１２，１２の後端部に載置されて溶接固定されている。

ケースＡの下面の４隅には、図１に示すように、外方へ延出して、外枠１１の角部へ乗り上げる乗り上げ片Ａ１，Ａ１，…と、下方へ延出して、外枠１１の角部の内側に係止する係止爪Ａ２，Ａ２，…がそれぞれ設けられている。乗り上げ片Ａ１、及び係止爪Ａ２により、ケースＡ，Ａ，…は、横ずれすることなく、多段に重ねることができる。また、係止爪Ａ２によりケースＡが荷台１に対し横ずれしないので、ケースＡをハンドル代わりに回動させて、二輪台車１００の走行方向を操作することができる。
こうして、二輪台車１００は、ハンドルを省略して、小サイズ化している。
尚、ケースＡは、図示の例に限られず、係止爪Ａ２の代わりに、底面全体を下方へ突出させて、乗り上げ片Ａ１と段差を設けたものでもよい。

前輪２、及び後輪３は、共にエアチューブ入りのゴムタイヤからなる。
前輪２は、図２に示すように荷台１の前辺１１ａから前方へ延出するよう設けられる。支持梁１２，１２の前端部は、外枠１１の前辺１１ａをくぐったのち前方へかつ上方へ延出して前側フォーク１２ａを構成しており、前輪２は、前側フォーク１２ａに設けられた軸受２１,２１に軸支された回転軸２２周りに回動する。

後輪３は、荷台１の後辺１１ｂから後方へ延出するよう設けられる。支持梁１２，１２の後端部分に、載置された支持板３４の上面には、支持板３４に垂直な軸周りに回動する方向軸３１が立設されている。

方向軸３１は、支持板３４の上面に固定されるベアリング３１ａと、ベアリング３１ａに溶接される筒状部３１ｂとからなる。筒状部３１ｂからは、左右一対の短冊状の板材からなる後ろ側フォーク３２、３２が枝状に（方向軸３１と交差する方向に）かつ後方へ延出するよう設けられており、後輪３は、この後側フォーク３２に回転軸３３を介して軸支されている。方向軸３１は、ベアリング３１ａにより左右に回動するよう構成されており、二輪台車１００の走行方向に合わせて、後輪３を回動させる。また、方向軸３１は、荷台１より上側に設けられているので、荷台１の位置を低くできる。

支持板３４は、図３に示すように、後方（図３右方）へ傾いており、これとともに方向軸３１も後方へ傾いている。こうすることで、二輪台車１００の走行時には、後輪３を後方へ延出させて、図３の実線で示したように荷台１の後辺１１ｂを地面Ｇから高くすることができ、地面Ｇの凹凸に荷台１が衝突することを抑制できる。また、二輪台車１００の停止時には、後輪３を側方へ略９０度回動させて、図３の二点鎖線で示したように、荷台１の後辺１１ｂを地面Ｇから低くして、荷台１を少し傾けただけで、地面Ｇに当接できるので、積載したケースＡが倒れることを抑制できる。

以上、本発明の二輪台車は、上述した実施形態に限られるものではなく、ハンドルを有していてもよい。荷台は矩形でなくともよい。前輪は、荷台から前方へ延出していなくともよく、後輪の方向軸は後方へ傾斜していなくともよい。後ろ側フォークは、荷台の上側でなく、荷台と同じ高さや、荷台の下側から延出するようにしてもよい。

本発明の二輪台車は、山肌に設けられた蜜柑畑や林檎畑等に限らず、田んぼのような平らな不整地等、凸凹のある斜面や平地で、物を運ぶときに、好適に用いることができる。

１００ 二輪台車
１ 荷台
２ 前輪
３ 後輪
３１ 方向軸
Ａ ケース

Claims (3)

1. 運搬物を収容したケースを運搬するための二輪台車であって、
   前記ケースを載置する荷台と、
   前記荷台の前方に設けられる前輪と、
   前記荷台の後方へ延出する後輪と、
   前記荷台の後部に立設される方向軸と、
   前記方向軸から枝状に後方へ延出して前記方向軸まわりに回動するとともに前記後輪を軸支する後ろ側フォークとを備えることを特徴とする二輪台車。
2. 前記後ろ側フォークは、前記荷台の上側において前記方向軸から延出している請求項１に記載の二輪台車。
3. 前記方向軸が、後方へ傾倒している請求項１、又は請求項２に記載の二輪台車。

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