JP4360511B2 - 往復動用手押し四輪台車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は農作物栽培温室内等の農作物栽培区間の狭い通路を容易かつ効率的に往復動できる農作物収穫用を目的とした手押し四輪台車に関する。
【0002】
温室内の農作物栽培区間を走行して農作物の収穫、集荷を行う手押し台車は、農作物栽培区間の通路が狭く、台車集荷物の大きな荷重のために通路往復時に台車の方向転換は実質的に不可能であり、復路には作業者が長い通路を後ずさりしながら、手押し台車を引きずって後退せざるを得ず、作業上極めて不便であり、又作業管理面でも問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの課題を解決し、上記の比較的長くしかも狭く台車の方向転換が困難ないしは不可能な通路においても往路、復路共に同様の作業性をもって農業集荷物その他の搭載物を運搬できしかも長い通路の場合に必要な走行軌道を修正できる機能を備えた手押し四輪台車を提供したものである。
【0004】
すなわち本発明は搭載物載架用の長方形台車枠の長手方向前方下部に固定した車輪軸に安定走行を与える比較的広巾の左右のタイヤ車輪を回転自在に取付けると共に同台車枠の長手方向後方下部に走行軌道修正用の自在車輪を左右に対設して同台車枠の長手方向が作業用細巾通路を走行軌道を修正しながら往復的に走行しうる台車に構成し、かつ該台車枠の前後左右の四隅部に手押し用ハンドルの左右脚部を押通するための押通孔を有するハンドル受けを夫々立設すると共に該ハンドル受けの外側にはその押通孔に押通された上記の手押し用ハンドルの脚部を任意の高さにしかも着脱自在に固定しうるねじ止めその他の係止機構を付設し、更に上記の手押し用ハンドルの左右脚部は前方または後方の左右のハンドル受けの押通孔に夫々同時に押通しうる間隔を有して1個の手押しハンドルを上記台車枠の長手方向前方または後方に切換え自在に取付けうるようにしたことを特徴とする軌道修正機能を備えた往復動用手押し四輪台車を提供する。
【0005】
また本発明は上記の軌道修正機能を備えた往復動用手押し四輪台車において、台車枠はその周枠をL形部材で形成して搭載物の下面を受けるための水平周枠部分の外側に該搭載物のずれ落ち防止用壁部分を立設したことを特徴とする台車を提供するものである。
【0006】
更に本発明は上記の台車において、ねじ止め機構は、ハンドル受けの外側からその押通孔に貫通されたねじ孔とこのねじ孔に外側より押通孔に向って着脱自在にねじ込まれる止めねじとからなっていることを特徴とする軌道修正機能を備えた往復動用手押し四輪台車を提供する。
【0007】
更にまた本発明はこれらの台車において台車枠に対し着脱自在に組合される手押し用ハンドルがパイプ材よりなりその左右脚部間の握り杆の表面にその母線方向の平行細條溝を多数設けたことを特徴とする台車を提供する。
【0008】
また本発明は上記のこれら台車において台車枠および手押し用ハンドルを夫々アルミニウム合金製として軽量化したことを特徴とする台車を提供する。
【0009】
【実施例】
以下に本発明を図面を用いた実施例によって説明するが、本発明はこれのみに限定されるものではない。
【0010】
(実施例1)
図1に示すように搭載物載架用の長方形台車枠(1)はアルミニウム合金製L型部材を辺々相溶接して内側に搭載物下面を受けるための水平周枠部分(2)を形成すると共にその外側に該搭載物が外側へずれ落ちるのを阻止するための防止壁部分(3)が立設される。
また台車枠(1)の長手方向中間には同じくアルミニウム合金製L型部材よりなる中間補強材(4)(4’)が台車枠(1)の側枠下面に溶接によって橋架されている。
【0011】
台車枠(1)の前枠と中間補強材(4)(4’)の間にはアルミニウム合金製のU形に屈曲したパイプ材よりなる左右1対の車軸取付用アーム(5)(5’)が上記の前枠および補強材の下面に溶接することによってU形に架設されている。
このアーム(5)(5’)間にアルミニウム合金製パイプよりなる車軸(6)がアーム下面への溶接によって架設されている。
車軸取付用アーム(5)(5’)はその表面にパイプ線方向に多段の平行細條溝が形成されている。また車軸(6)はその上面を平面とした断面半円形としてアーム(5)(5’)への溶接を強固にしている。この車軸(6)の両端に広巾のタイヤ車輪(10)(10’)が回転自在に取付けられており、車輪(10)(10’)の取付位置はアーム(5)(5’)の外側で台車枠(1)の側枠より内側寄りとし、車軸およびその取付部が台車枠(1)の側枠外面に出ないようにしている。
【0012】
台車枠(1)の側枠後端付近には同じくアルミニウム合金製の自在車輪取付用の角筒状の支持台(7)(7’)が側枠下面への溶接によって下向きに立設されこれら支持台(7)(7’)の下端に自在車輪の車輪(8)(8’)の車輪支持枠(9)(9’)が回動自在に吊持されている。尚支持枠(9)(9’)の下端部で車輪(8)(8’)を支持しているその回転軸はその支持台(7)(7’)への支持枠(9)(9’)の取付位置に対し平面的に偏位し自在車輪の機能を果するようになっている。
【0013】
台車枠(1)の前枠および後枠の外面両端には図2に示すようにアルミニウム合金製筒状構造のハンドル受け(11)が夫々溶接によって立設されている。(12)は台車枠(1)とハンドル受け(11)との溶接強度を補強しているアルミニウム合金連結板で両者(1)(11)に溶接されている。ハンドル受け(11)には押通孔(13)が縦に貫接され、またその外側には押通孔(13)に貫通した横のねじ孔が設けられ、これに止めねじ(14)がねじ込み装着される。
【0014】
(15)は手押し用ハンドルでアルミニウム合金製パイプ材をU形に屈曲したものよりなりその表面には母線方向の平行細條溝が多段設けられ左右の脚部(16)(16)間の握り杆(17)にあっては滑り止め機能の後目を果す。脚部(16)および(16’)の上半部は外側に屈曲傾斜されており、その垂直下部は図2のようにハンドル受け(11)の押通孔(13)に出入自在に挿入され、止めねじ(14)によって任意の高さに固定することができる。上記の脚部(16)(16)の間隔は前枠または後枠に取付けた左右のハンドル受け(11)(11)の押通孔(13)間の間隔と合わせてある。
【0015】
図3および図4は台車を往復動させる状態を示したので、図3を往動状態とすると手押し用ハンドル(15)は台車枠(1)の前枠側に取付けられハンドル(15)の脚部(16)(16’)が前枠のハンドル受け(11)(11)に装着される。この場合、前側の比較的広巾タイヤ車輪で安定走行を保証しかつ後側の自在車輪(進行方向前側)で台車の進行方向の軌道を修正しながら円滑かつ安定的に矢印方向に走行させることができる。
また図4の復動時には手押しハンドル(15)を台車枠(1)の後枠側に装着し後側の自在車輪(進行方向後側)で台車の進行方向の軌道を修正しながら反対側の比較的広巾のタイヤ車輪で安定走行を保証して円滑に矢印方向に走行させることができる。
【0016】
このように手押し用ハンドル(15)を台車枠(1)の前枠側と後枠側とに切換えて着脱自在に取付けるだけで台車巾位しかない狭い通路の場合でも無理な方向転換をすることなく、往復動の切換え走行が円滑に実施でき、しかも比較的広巾のタイヤ車輪で安定走行を保証し、自在車輪で軌道修正を可能とする利点を有している。このことは温室内等で農産物(野菜、果実等)を収納した箱体を多段に積層した重量搭載物を方向転換が実質的に不可能な狭くしかも比較的長い通路を往復走行する場合に特に有利ならしめている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明台車の全体を示した外観図
【図2】台車杆とハンドルの取付状態を示す説明図
【図3】台車の往路時の側面的説明図
【図4】台車の復路時の側面的説明図
【符号の説明】
1 :台車
2 :水平周枠部分
3 :防止壁部分
4、4’ :中間補強材
5、5’ :車軸取付用アーム
6 :車軸
7、7 :自在車輪の取付用支持台
8、8 :自在車輪の車輪
9、9 :自在車輪の車輪支持杆
10、10 :タイヤ車輪
11 :ハンドル受け
12 :連結板
13 :押通孔
14 :止めねじ
15 :手押し用ハンドル
16 :ハンドル脚部
17 :ハンドル握り

Claims (3)

  1. 農作物栽培区間の狭くしかも長い通路を往復動する搭載物載架用の長方形台車枠(1)を搭載物下面を受けるための水平周枠部分(2)とその外側に立設した搭載物が外側へずれ落ちるのを阻止するための防止壁部分(3)で形成しその車体枠の長手方向前方下に固定した車軸(6)に狭く長い通路での安定走行を与える広巾の左右のタイヤ車輪(10)を内側寄りで回転自在に取り付けると共に同台車枠の長手方向後方下部に走行軌道修正用の自在車輪(8)(9)を左右に対設して同台車枠の長手方向が作業用細巾通路を走行軌道を修正しながら走行しうる台車に構成した手押し四輪台車であって、該台車枠の前後左右の四隅部に手押し用ハンドル(15)の左右脚部を挿通するための押通孔(13)を有するハンドル受け(11)をそれぞれ立設すると共にその押通孔に押通された上記の手押し用ハンドルの脚部を任意の高さにしかも着脱自在に固定しうる係止機構を付設して、1個の手押しハンドルを上記台車枠の長手方向前方または後方に切換え自在に取付けうるようにし、かつ台車枠(1)の長手方向中間下面にはL型部材よりなる中間補強材(4)を溶接橋架し、台車枠の前枠と中間補強材(4)間にはU形屈曲パイプからなる左右1対の車軸取り付けアーム(5)がU形に架設されこのアーム下面間に前記の車軸(6)が架設され前記の係止機構はハンドル受け(11)の前後方向から押通孔(13)に貫通されたねじ孔とこのねじ孔に着脱自在にねじ込まれる止めねじ(14)とからなっていることを特徴とする手押し四輪台車。
  2. U形に屈曲されたパイプ材の手押し用ハンドル(15)はハンドル受け(11)の押通孔(13)に出入自在に挿入される脚部と脚部間の握り桿(17)からなり脚部の上半部は外側に屈曲傾斜されている請求項1記載の手押し四輪台車。
  3. 握り桿の表面には滑り止め用の母線方向の平行細條溝が設けられている請求項2記載の手押し四輪台車。
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