JP2021138082A - 3次元プリンタ及びこれを用いた造形方法 - Google Patents

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【課題】耐久性に優れた3次元プリンタ及びこれを用いた立体造形物の造形方法の提供。【解決手段】絶縁基板151及び絶縁基板151上に形成された発熱抵抗体層152を有する加熱板15により造形材料を加熱し融解して吐出するホットエンドと、前記加熱板15を発熱するために電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた3次元プリンタであって、電圧印加手段は、発熱抵抗体層152に極性交番電圧を印加することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、熱溶解積層方式を用いた3次元プリンタ及び造形方法に関し、特に400℃以上の作業温度での立体造形でも好適な3次元プリンタ及び造形方法に関する。
近年、コンピュータを利用して3次元プリンタにより立体造形物を製造することが盛んに行われている。このような3次元プリンタによる主要な造形方式として、熱溶解積層方式(FDM)がよく知られている。この種の3次元プリンタに用いられるホットエンド(吐出ヘッド)として、本出願人は、先に造形材料を融解するための加熱手段に、絶縁基板上に発熱抵抗体(層)を形成した加熱板を用いたものを提案している(特許文献1)。
このホットエンドは、従来のヒートブロックを加熱手段に用いたホットエンドを格段に小型化かつ省エネルギー化でき、しかもオンデマンド造形をも可能とするものである。
特開2018−66056号公報
しかしながら、3次元プリンタ用のホットエンドを加熱板を用いて加熱する場合、発熱抵抗体に一般に適用される直流電圧(DC)を印加するのだが、加熱板を400℃以上の高温で加熱を続けると、発熱抵抗体の抵抗値が大きく変化してしまうという現象が生じることがある。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的は、造形材料の加熱手段として加熱板を用いたホットエンドを搭載した3次元プリンタにおいて、PEEK等の高温で融解(溶解)する造形材料を用いたときであっても、つまりは加熱板を高温に加熱して使用したとしても、耐久性に優れた3次元プリンタ及びこれを用いた立体造形物の造形方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記の発熱抵抗体の抵抗値の変化は、高温では絶縁抵抗体は導電体に近くなり、DC印加すると絶縁抵抗体へのリーク電流が増え荷電体の移動が多くなり一方方向に偏って集中する結果、発熱抵抗体が電蝕変質して抵抗値が大きく変化してしまうことに原因があると考え、高温時において絶縁抵抗体の荷電体が一方方向に移動して集中しないように、発熱抵抗体に交流電圧を印加すれば発熱抵抗体の抵抗値の変化を抑制し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、絶縁基板及び該絶縁基板上に形成された発熱抵抗体層を有する加熱板により造形材料を加熱し融解して吐出するホットエンドと、前記加熱板を発熱するために電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた3次元プリンタであって、前記電圧印加手段は、前記発熱抵抗体層に極性交番電圧を印加することを特徴とする3次元プリンタに係るものである。
本発明において極性交番電圧とは、正負の極性が周期的もしくは非周期的に変化する電圧のことを意味する。極性交番電圧は正弦波に限らず、パルス波、矩形波、三角波、鋸歯状波などを含み得る。このような極性交番電圧は、例えば、直流電圧をDC/ACインバータで交流化することで印加することができる。交流化された電圧はPFM(パルス周波数変調)又はPWM(パルス幅変調)などによって変調され、発熱抵抗体層に供給される電力が調整され得る。上記本発明の3次元プリンタによれば、発熱抵抗体層に交流電圧を印加するようにしているので、たとえ400℃以上への発熱を繰り返したとしても、発熱抵抗体層の抵抗値が大きく変化することを軽減でき、ホットエンドの耐久性を格段に向上することができる。これは、電圧印加時の発熱抵抗体層中の不純物、荷電体(イオン、電子)の移動をバランスよく行うことができ、直流電圧を印加して加熱する時に生じると考えられる可動電荷による不純物の移動集中による電解腐食の発生を防止できるためと考えられる。
また、本発明は、前記加熱板は、前記発熱抵抗体層を覆う絶縁保護板を有することを特徴とする上記3次元プリンタに係るものである。
本発明において上記絶縁保護板としては、上記絶縁基板と同等の厚みのものを用いるのが好ましく、また、上記絶縁基板と同等の熱膨張率を有するものとするのが好ましい。絶縁保護板を用いることで発熱抵抗体層の一層の安定化を図ることができ、ホットエンドの耐久性をより一層向上することができる。
また、本発明は、上記3次元プリンタにおいて、前記電圧印加手段は、前記極性交番電圧を印加することで前記加熱板を400℃以上に発熱できることを特徴とする3次元プリンタに係るものである。
この本発明の3次元プリンタによれば、加熱板を400℃以上といった高温での造形作業を行うことができるので、例えば、PEEK、フィラー含有PEEK等の高融点の熱可塑性樹脂、Pb、Al、Sn、Ag、Cu、In、アルミニウム合金、亜鉛合金等の金属類、低融点ガラスなどを造形材料に用いることができる。また、例えば、高低温材料の同時使用が可能となるといったように、融解温度が異なる複数種類の造形材料を用いた立体造形を行うことができる。
さらに、本発明は、上記本発明の3次元プリンタを用い、前記造形材料として400℃以上に加熱融解される材料を用いて立体造形物を造形することを特徴とする造形方法に係るものである。
本発明の造形方法によれば、高温材料を用いた立体造形を有利に行うことができる。
本発明によれば、ホットエンドの耐久性を向上ででき、高温での造形作業を繰り返し行うことができる3次元プリンタ及び造形方法を提供することができる。
本発明の一実施形態の3次元プリンタにおけるホットエンドの(A)正面図及び(B)側面図である。 本発明の一実施形態の3次元プリンタにおけるホットエンドの、ヘッド本体の(A)正面図及び(B)底面図である。 本発明の一実施形態の3次元プリンタにおけるホットエンドの、加熱手段である加熱板を説明する(A)一部正面図、及び、(A)のB−B線に沿った(B)断面図である。 電圧印加手段による電圧印加の制御を説明する回路ブロック図である。 図4の回路ブロック図における調整部に含まれる変換装置の具体的構成を示す図である。
以下に、図面を参照しながら本発明の一実施形態の3次元造形装置(3次元プリンタ)用のホットエンドを説明する。図1(A)には本発明の3次元プリンタに用いられるホットエンドの一例であるホットエンド10の正面図が、図1(B)にはホットエンド10の側面図が示され、図2(A)にはヘッド本体1の正面図が、図2(B)にはヘッド本体1の底面図が示されている。ホットエンド10は、フィラメント状の造形材料の供給口111を有する供給部11、供給されたフィラメント状の造形材料を融解する融解部13、融解された造形材料を吐出する吐出口141を有する吐出部14、供給部11と融解部13との間であって融解部13の熱が供給部11へ伝導するのを抑制する断熱部12、及び供給口111と吐出口141とを連通する通路2を有するヘッド本体1に、融解部13を加熱する加熱手段である加熱板15と、融解部13と断熱部12との間の境界部又は境界部近傍に温度調整部16が設けられている。図示される例では、一対の加熱板15がヘッド本体1の融解部13の対向する両面に接してヘッド本体1を挟むように設けられているが、加熱板15はいずれか一方にのみに設けられてもよい。なお、図1(A)及び(B)においては、加熱板15はその構成要素である、発熱抵抗体152、電極153、中間端子153c、シール材154、絶縁保護板155(図3参照)は省略され、図1(B)においてはリード150(図1(A)参照)は省略されて描かれている。
ホットエンド10は、3次元プリンタ又は3次元プリンタ用モジュール装置に、アダプター(図示せず)を介して取付けられ得る。例えば、アダプターに設けられた開口に、ホットエンド10の供給部11が挿入され、押しネジなどによって固定することができる。アダプターには供給口111に連通する通路が設けられ、フィラメント状の造形材料がこの通路を通じ、ホットエンド10の流路(通路)2に挿通される。供給部11の外周にネジ溝を切って螺合によってアダプターに取付けることもできる。
続いて、ヘッド本体1について詳しく説明する。図2(A)にはヘッド本体1の正面図、図2(B)にはヘッド本体1の底面図が示されている。ヘッド本体1は、供給部11、断熱部12、融解部13及び吐出部14が、金属やセラミックス等の耐熱材料から一体的に形成されているものであってもよいし、一部又は全部が独立可能に形成されていてもよいし、各部の間のいずれか或いはすべてに他の部材を介在させるなど非連続的なものであってもよい。図示される例では、ヘッド本体1は、全長が例えば32mmで、直径が例えば4mmφの、例えば64チタン(チタンにアルミニウム6質量%、バナジウム4質量%を混ぜた合金)からなる円柱状の金属棒を、例えば切削加工してなるものである。
ヘッド本体1には、一端側のフィラメントの供給口111から他端側の融解された造形材料を吐出する吐出口141へ一直線に延びる、直径が例えば2mmφの通路(貫通孔)2が形成されている。なお、ヘッド本体1及び通路2のサイズは、フィラメントのサイズに応じて適宜変更され得る。
ヘッド本体1の供給部11は、例えば長さ5mm、直径4mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。供給部11は、先端に供給口111が形成され、例えば2mmφの通路2が供給口111近傍において供給口111側に向けて、例えば3mmφまで拡がるようにテーパ状に形成されている。供給部11は、3次元プリンタに取付けるためのアダプター(図示せず)への取付部としての役割も兼ねている。
断熱部12は、融解部13よりも熱抵抗が大きくなるように形成されており、図示される例では、断熱部12は、供給部11と融解部13との間に位置し、例えば長さ11mm、直径3mmφの円柱形状(円筒形状)とされている。断熱部12は、上述のように直径3mmφとされ、その中心部を貫通する直径2mmφの通路2が形成されることから、外壁の肉厚が0.5mmの肉薄部とされている。また、断熱部12の中央部には、断熱部12の断面積を小さくしてその熱抵抗を高くし得る、例えば長さ8mm、幅1.8mmの開口部121が、通路2に対向して一対で形成され得る。開口部121は、ヘッド本体1の長さ方向及び/又は幅方向に1つ又は複数設けてもよく、サイズも適宜決定すればよい。熱抵抗との関係で断面積を、強度が保証される範囲内で適宜決定することができる。
融解部13は、例えば長さ13mm、直径4mmφとされている。融解部13には、平面側(図2(A)における紙面の表面側)と背面側(図2(A)における紙面の裏面側)が切削されて2つの平面部が、例えば3mm隔てて対向するように形成されている。平面部の中央部には、例えば長さ8mm、幅1mmの開口部131が、通路2を露出するように形成されている。開口部131は、長さ方向に複数並設するようにしてもよい。なお、加えて、平面部の表面を粗面化してもよいし、開口部131を形成せずに粗面化のみしてもよい。また、融解部13の吐出部14近傍において、通路2は吐出部14に向かってテーパ状に狭くされ、吐出部14内で例えば直径0.6mmφ程度とされる。
吐出部14は、例えば長さ3mmとされ、正面側と背面側から切削されて、例えば幅3mmとされ、吐出部14の長さ方向の途中まで、吐出口141に向かってテーパ状に細められ、吐出口141が形成された先端部は、例えば直径1.5mmφとされ、吐出口141は、例えば直径0.6mmφとされる。
ホットエンド10における融解部13を加熱する加熱手段としては、例えば絶縁基板上に厚膜抵抗体層を形成した加熱板(加熱ヘッド)、ヒートブロック等公知のものを広く使用することができるが、応答性やサイズの点において加熱板を用いるのが好ましい。本実施形態のホットエンド10に用いられる加熱板15の構造の一例を図3に示す。ヘッド本体1の融解部13に取付けられる加熱板15は、図3(A)の平面図に示されるように、例えば厚さ0.3mm、長さ12mm、幅5mmの矩形板状のアルミナ、ジルコニア、又はそれらの複合材料などのセラミック基板(絶縁基板151)と、絶縁基板151の表面に形成された帯状の、例えば厚さ20μm発熱抵抗体(層)152と、絶縁基板151の表面において発熱抵抗体152の両端部のそれぞれに接続するように形成された電極153を有する。発熱抵抗体152における2つの電極153の中間部には、中間端子153cが設けられ得る。この中間端子153cは発熱抵抗体152における部分的な電圧印加を可能にするために設けられ、これにより加熱板15の部位によって温度を異ならせる(温度勾配形成する)ことが可能となる。例えば、加熱板15の吐出部14に近い側の温度が、断熱部12に近い側の温度よりも高い状態にする温度制御が可能となる。
図3(A)の平面図では省略されているが、図3(B)の断面図には示されているように、発熱抵抗体152の上には、発熱抵抗体152を覆うように、ガラス状シール材154を介して、例えば厚さ0.3mmの矩形板状のアルミナなどのセラミック基板(絶縁保護板155)が貼着されている。なお、シール材(保護層)154及び絶縁保護板155に代えて、発熱抵抗体152の表面を、例えばフィラーを含むガラス等の保護層(誘電体層)でコートしてもよい。
本実施形態において、絶縁基板151として市販のニッコー株式会社製のアルミナジルコニア基板であるアルザ(登録商標)を、上部に貼り合わせる絶縁保護板155として市販のニッコー株式会社製のアルミナ基板である96%アルミナ基板を用いているが、これらの厚みはほぼ同程度とするのが好ましい。アルミナジルコニア基板の機械的強度は96%アルミナ基板よりも2倍程度強い。これら基板の体積抵抗率は、いずれも常温で1014Ω・cm程度であり、500℃で1010Ω・cm程度である。ガラス状シール材154は、市販の石英ガラス系のものとされ、その体積抵抗率は300℃で109Ω・cm程度である。さらに、アルミナジルコニア基板の熱膨張係数は、25〜400℃で7.0×10-6/℃程度で、25〜800℃で8.1×10-6/℃程度である。96%アルミナ基板の熱膨張係数は、25〜400℃で6.8×10-6/℃程度で、25〜800℃で7.8×10-6/℃程度であり、アルミナジルコニア基板とほぼ同等とされている。
加熱板15は、絶縁基板151に、例えばAg、Pd、Pt等の合金粉末や酸化ルテニウムを含む厚膜用ペースト等を所定のパターンに印刷、乾燥後、所定温度で焼成することで発熱抵抗体152、電極153を形成することができる。シール材154は、ガラスとセラミックの中間でペースト状とされ、発熱抵抗体152上に塗布され、絶縁保護板155で覆ったのちに加熱処理されることで一体化される。
また、絶縁基板151の電極153の形成部には、電極153とリード150(図1(A)参照)との接続強度を向上させるために切欠部が形成されてもよい。切欠部に代えて貫通孔(スルーホール)を1つ若しくは複数設けてもよいし、切欠部と貫通孔とを組み合わせて用いるようにしてもよい。つまり、切欠部や貫通孔を設けるのは、電極153とリード150との接続強度を向上させるために、接続面積を増やしたり、アンカー効果等機械的係合が得られる対策をとることで、高温に加熱したり、ホットエンド10を2次元的又は3次元的に移動操作させた場合であっても接続不良が生じ難いようにし得る。
ヘッド本体1に加熱板15が取付けられた状態では、加熱板15は、その裏面(絶縁基板151の発熱抵抗体152が形成されていない面)側をヘッド本体1の融解部13の平面部に、開口部131を覆うように、例えば銀系の厚膜ペースト(Agに例えばガラス、Cuが含有されたもの)を接合材料として塗布、焼成して、接合されている。このとき、接合材料が開口部131に入り込み、アンカー効果が得られることで、加熱板15をヘッド本体1の融解部13に強固に接合して取付けることができる。また、開口部131を設けておくことで、加熱板15の裏面(絶縁基板151)でフィラメント(造形材料)により直接的に熱を伝導することができる。なお、本発明において、開口部131を設けなくてもよい。ここでは、融解部13の外壁面に対向するように研削して設けられた平面部に、一対の加熱板15を対向配置するようにしているが、加熱板15は、1つであってもよいし3つ以上であってもよい。例えば、融解部13の外周に研削平面を4面設け、3つ乃至4つの加熱板15を設けてもよく、さらに、加熱板15のサイズや設置位置を一部乃至全部の面を変えたり、ヘッド本体1の長さ方向にも複数の加熱板を並設したり、長さ方向の設置位置を変えたりして、融解部13の平面部により適切な温度勾配を形成するようにしてもよい。
本実施の形態では、加熱板の幅(5mm)を、ヘッド本体1の融解部13の平面部の幅(4mm)よりも僅かに広くし、加熱板15とリード150との接続部をヘッド本体1の融解部13の平面部の一方側の側縁から外方へ飛び出させて、ヘッド本体1に加熱板15を接合させるようにしている。
図4は、ホットエンド10において、測定された加熱板15の温度に応じて、電圧印加手段から発熱抵抗体152に供給される電力を制御することによって加熱を調整し、温度制御をする場合の駆動回路の一例を示すブロック図である。すなわち、この駆動回路は、電圧印加手段である電源21及び調整部から供給される電力で加熱板15を駆動する例で、電源21としては、例えば、60Hz又は50Hzの商用の交流電圧、又は、商用の交流電圧をトランスで変圧した交流電圧が用いられ、この場合、電源21から入力された交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ、変換された直流電圧を平滑化する平滑コンデンサ、及び、平滑化された直流電圧をパルス化して変調(例えば、周波数変調、又は、パルス幅変調)し交流化するDC/ACインバータを含む変換装置Cを備える調整部により、印加電圧や印加時間が調整された電力(交番電圧)が、発熱抵抗体152に供給される。また、電源21を直流電圧としてもよく、この場合、直流電圧をパルス化して変調し得るDC/ACインバータである変換装置Cを備える調整部で交流(交番)電圧化した電力(交番電圧)が発熱抵抗体152に供給される。
図5に、電源21が交流電圧である場合の、変換装置Cの具体的な構成を示す。AC/DCコンバータC1は入力された交流電圧VINを全波整流し極性を一方向にして平滑コンデンサC2に提供する。平滑コンデンサC2は整流された入力電圧を平滑化し直流電圧をDC/ACインバータに供給する。DC/ACインバータC3は直流電圧をパルス化すると共にパルス幅、又は、パルス周波数の変調を行い、変調された交番電圧VOUTを出力する。すなわち、調整部はPFM(パルス周波数変調)又はPWM(パルス幅変調)などによって、発熱抵抗体152に供給される実効印加電力を制御し得る。
駆動回路における制御手段は、測定された加熱板15の温度(融解部13の温度)に応じて、加熱板15(融解部13)が所望の温度となるように、調整部に対して、発熱抵抗体152への実行印加電力を制御するように制御信号を出力する。加熱板15の温度は、例えば、加熱板15に取り付けられるサーミスタや熱電対によって測定され得る。発熱抵抗体152の駆動回路中の電流値を検出し、その電流値と発熱抵抗体152に印加される電圧値から算出される発熱抵抗体152の抵抗値によって温度を測定してもよい。図4では、発熱抵抗体152の調整部と反対側にシャント抵抗22が設けられ、周期的に調整部から入力される温度測定用のパルス電圧値に対する、シャント抵抗22を流れる電流値を検出して制御手段へ入力する例が示されている。
制御手段による加熱板15の温度制御においては、造形材料としてフィラメントを用いる場合、フィラメントが送り込まれると、その時に目標作業温度になるように熱量を加える。送り込みが止まると温度が目標値よりも上昇するので、目標値よりも上がらないように加熱量を減らす。再度フィラメントを送り込んでも目標温度を維持できるように制御する。このように、フィラメントの送り込みのタイミングによる温度変化に応じて加熱量を調整して行うことができる。
温度調整部16はリング状の部材であり、その中空部にヘッド本体1が嵌め込まれ、融解部13と断熱部12との境界部付近の外周部を覆うように設けられる。温度調整部16は、融解部13と断熱部12との境界部付近の熱容量を増大させ温度上昇を抑制する。この境界部付近の温度上昇が抑制されることで、通路2内における造形材料の高い流動性を有する部分(例えば融解状態)と、流動性が低い部分(例えば固体状態)との境界が断熱部12側へ移動することが抑制され、ホットエンド10の通路2内の造形材料の詰まりが抑制され得る。この温度上昇の抑制の程度は温度調整部16のサイズ及び形状によって調整され得る。温度調整部16には融解部13と断熱部12との境界部付近の温度を検出する温度監視手段が取り付けられてよい。上述の駆動回路における調整部から発熱抵抗体152に印加される電力は、制御手段に入力される温度監視手段での検出温度に基づいて、所定の温度を上回らないように制御され得る。
上述した実施形態のホットエンド、3次元プリンタは、400〜500℃、或いはそれ以上の高温に迅速昇温可能で、耐久性に優れていることから、造形材料としてPEEKやカーボンファイバーなどの混合物を含有するPEEKなどの樹脂類の他、低融点金属類や低融点ガラス類にも使用することができる。400℃以上に加熱融解される造形材料を用いる3次元造形に好適に使用され得る。
1 ヘッド本体
2 通路
10 ホットエンド
11 供給部
111 供給口
12 断熱部
121 開口部
13 融解部
131 開口部
14 吐出部
141 吐出口
15 加熱板
150 リード
151 絶縁基板
152 発熱抵抗体(発熱抵抗体層)
153 電極
153c 中間端子
154 シール材(保護層)
155 絶縁保護板
16 温度調整部
21 電源
22 シャント抵抗
C 変換装置
C1 AC/DCコンバータ
C2 平滑コンデンサ
C3 DC/ACインバータ
すなわち、本発明は、矩形状の絶縁基板及び該絶縁基板上に短手方向に複数回折り返されてつづら折り状に形成された発熱抵抗体層を有する加熱板により造形材料を加熱し融解して吐出するホットエンドと、前記加熱板を発熱するために電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた3次元プリンタであって、前記電圧印加手段は、前記発熱抵抗体層に極性交番電圧を印加することを特徴とする3次元プリンタに係るものである。

Claims (4)

  1. 絶縁基板及び該絶縁基板上に形成された発熱抵抗体層を有する加熱板により造形材料を加熱し融解して吐出するホットエンドと、
    前記加熱板を発熱するために電圧を印加する電圧印加手段と、を備えた3次元プリンタであって、
    前記電圧印加手段は、前記発熱抵抗体層に極性交番電圧を印加することを特徴とする3次元プリンタ。
  2. 前記加熱板は、前記発熱抵抗体層を覆う絶縁保護板を有することを特徴とする請求項1に記載の3次元プリンタ。
  3. 前記電圧印加手段は、前記極性交番電圧を印加することで前記加熱板を400℃以上に発熱できることを特徴とする請求項1又は2に記載の3次元プリンタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の3次元プリンタを用い、前記造形材料として400℃以上に加熱融解される材料を用いて立体造形物を造形することを特徴とする造形方法。
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