JP2021137092A5 - - Google Patents

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本発明は、口紅などの棒状化粧料を着脱できるカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の改良に関するものである。
従来、口紅などの棒状化粧料繰り出し容器には、棒状化粧料を使い切ってしまった時や、棒状化粧料の色を替えたい時など、棒状化粧料を収納したカートリッジを簡単に交換できるカートリッジ機構を付加したカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器が知られている。このカートリッジ機構は、カートリッジとホルダーを着脱可能に連結する連結機能と、ホルダー若しくはカートリッジの回動を他方に伝達する伝達機能とより成っている。
このうち、特許文献1及び特許文献2に於いて、カートリッジとホルダーの連結機能を磁石の吸着力で行うカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器が提案されている。この連結機能はカートリッジ及びホルダーの一方に磁石、他方に磁石若しくは磁性体をそれぞれ設置するだけで簡単に構成できた。
この構成の場合、外部からの衝撃など、何らかの理由で磁石の吸着が外れてしまったとしても、磁石の磁界の範囲内であれば、自身の吸着力により再度吸着して、カートリッジとホルダーの連結が復元する利点があった。とはいっても、使用中などに不用意にカートリッジが脱落してしまわないよう、ある程度の吸着力が必要であった。
実開昭56-108808号公報 特開2013-172888号公報
しかし、カートリッジが不用意に脱落しないよう吸着力を強くすると、カートリッジの抜き取りに力が必要となり、しかも、カートリッジをある程度の距離を引き抜かなければ磁石の磁界の影響下から抜け出ることができない。したがって、中途半端な抜き方では、カートリッジが再吸着してしまい、カートリッジの抜き損じが発生しやすくなってしまった。
回転筒とスリーブの相対回転により棒状化粧料を保持した紅皿を繰り上げ下げする回転繰り出し機構61~65を内装したカートリッジを、ホルダーに、着脱可能に装着するカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器に於いて、前記カートリッジの回転筒の後部に、磁性体若しくは磁石から成る吸着部材を止着し、前記ホルダーの底部に、前記カートリッジの吸着部材に吸着してカートリッジを着脱可能に保持する磁石12を設置し、凸斜面441を有した凹凸状の当接カム44、及びこの当接カム44に噛み合う押上げカム821の、どちらか一方を前記カートリッジの回転筒後端に、他方を前記ホルダーの底部にそれぞれ設けて、ホルダーの回転をカートリッジの回転筒に伝達し、前記回転繰り出し機構61~65の上昇限若しくは下降限以上に回転操作することにより、前記カートリッジとホルダー間が空転し、前記押上げカム821が、当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押上げ、カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12間を離間させる。
この当接カム44は、全周に複数個設け、押上げカム821は、当接カム44の凸斜面441間の凹部443の形状に倣った形状で少なくとも1個設ける。
また、前記当接カム44の凸斜面441を一面にのみ設けた略直角三角形状とし、前記回転繰り出し機構61~65の上昇限若しくは下降限のどちらか一方でカートリッジを押上げ可能としても良い。
また、前記当接カム44の凸斜面441を頂点の両側に設けた略二等辺三角形状とし、前記回転繰り出し機構61~65の上昇限及び下降限でカートリッジを押上げ可能としても良い。
また、前記当接カム44の凸斜面441に連続して押上げカム821が当接する水平部442を設け、前記カートリッジとホルダーの最大離間状態をある程度の空転角度の範囲で維持させても良い。
また、前記カートリッジの吸着部材の下方に連結穴45を設け、ホルダーに、この連結穴45に侵入、嵌合する侵入部81を突設し、この侵入部81の先端に磁石29を設置し、前記押上げカム821が、当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押上げ、前記吸着部材と磁石12間を離間させた時も、嵌合状態を維持させても良い。
本発明は以上のように、カートリッジとホルダーの連結機能を、吸着部材と磁石12の吸着力により行い、ホルダーのカートリッジの回転筒へのトルク伝達(伝達機能)はカートリッジの当接カム44とホルダーの押上げカム821の噛み合いにより行っている。したがって、カートリッジ式棒状化粧料繰出し容器のカートリッジ機構を極めて単純な構成で実現できる。
更に、回転繰り出し機構61~65の上昇限若しくは下降限以上にホルダーを回転操作することにより、前記ホルダーの押上げカム821が、カートリッジの当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押上げ、カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12の間を離間させる。つまり、この状態でカートリッジを抜脱すれば、磁石12の吸着力が弱まった状態でカートリッジの抜脱が行え、抜き損じなく安心してカートリッジを抜き取れる。
また、前記当接カム44の形状を、凸斜面441が一面にのみ設けた略直角三角形状にすれば、凸斜面441の向きにより、回転繰り出し機構61~65の上昇限若しくは下降限のどちらか一方の回転方向で、カートリッジの押上げ操作が行える。更に、当接カム44の凸斜面441を頂点の両側に設けた、略二等辺三角形状にすれば、回転繰り出し機構61~65の上昇限及び下降限の両方で、カートリッジを押上げる事ができる。従って、カートリッジの取り外し回転方向の設定を自由にできる。
また、前記当接カム44の凸斜面441に連続して押上げカム821が当接する水平部442を設ければ、前記カートリッジとホルダーの最大離間状態をある程度の空転角度の範囲で維持できる。
また、カートリッジの吸着部材の下方に連結穴45を設け、ホルダーに、連結穴45に侵入、嵌合する侵入部81を突設し、侵入部81の先端に磁石12を設置し、前記当接カム44と押上げカム821の乗り越え時、カートリッジの取り外し操作時も連結穴45と侵入部81の嵌合状態が維持され、取り外し操作中もカートリッジとホルダーの安定した連結が継続できる。
本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器において、カートリッジをホルダーに装着した状態の正面断面図である。 本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器において、押上げカムを操作してカートリッジを押上げた状態の正面図である。 本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の、カートリッジ単体の正面断面図である。 本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の、カートリッジ単体の斜視図である。 本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の、ホルダー単体の部分断面斜視図である。 本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器において、カートリッジをホルダーに装着した状態の正面断面図である。 本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器において、押上げカムを操作してカートリッジを押上げた状態の正面図である。 本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の、カートリッジ単体の正面断面図である。 本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器の、ホルダー単体の正面断面図である。 本発明その他の実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器のカートリッジ装着時の正面断面図である。 本発明その他の実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器のカートリッジ装着時の正面断面図である。 本発明その他の実施例3のカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器のカートリッジ装着時の正面断面図である。 本発明の当接カム及び押上げカム形状のその他の実施例の斜視図である。
本発明実施例1を図によって説明する。本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器は、棒状化粧料を収納したカートリッジと、このカートリッジを着脱可能に装着するホルダーより成っている。図1及び図2はカートリッジとホルダーの装着時、図3及び図4はカートリッジ単体時、図5はホルダー単体時をそれぞれ示す。
まず、カートリッジの構造について図3により説明する。このカートリッジ内には、紅皿、中間ネジ筒、回転筒、及びスリーブより成る回転繰り出し機構61を内蔵している。棒状化粧料の下端を収嵌保持する紅皿は、外側壁に回動防止片21を突設し、スリーブ内に摺動可能に内装されている。この紅皿の下端よりは、ネジ棒22が垂下している。このネジ棒22の外周には、棒雄ネジ221を螺設している。この棒雄ネジ221は下端が閉じている。このネジ棒22は、中間ネジ筒に挿入されている。
この中間ネジ筒の上部内壁には、前記ネジ棒22の棒雄ネジ221が螺合する突起状の中間雌ネジ31を設けている。このネジ棒22と中間ネジ筒は、中間雌ネジ31が棒雄ネジ221の終端に当接して脱落しないようになっている。中間ネジ筒の外壁には、中間雄ネジ32を螺設している。この中間雄ネジ32も棒雄ネジ221と同様に、下端が閉じている。この中間ネジ筒は、回転筒に挿入されている。
この回転筒は上下端に開口したパイプ状をしており、上部内壁には、前記中間ネジ筒の中間雄ネジ32が螺合する突起状の回転雌ネジ41を設けている。この中間ネジ筒と回転筒は、回転雌ネジ41が中間雄ネジ32の終端に当接して脱落しないようになっている。この回転筒の外周壁には連結溝42を刻設し、この連結溝42下方外周壁には鍔部43が設けられている。この回転筒の下端面には、図4に示す当接カム44を刻設している。この当接カム44は、凸斜面441と水平部442と凹部443を繰り返す凹凸状になっている。この水平部442は、凸斜面441の頂点部分より連続して設けている。この凸斜面441と水平部442よりなる形状は、下方を向いた頂点部分が平らになった略直角三角形状をしている。
更に、回転筒には、回転筒の下端開口部を塞ぐように吸着部材が挿入止着され、吸着部材下方に連結穴45を構成している。この吸着部材は、鉄などの強磁性体より成っている。この回転筒は、スリーブ下端より回転自在に挿入され、スリーブ下端が鍔部43に当接している。
このスリーブの内壁には、前記紅皿の回動防止片21が係合して回動不能に摺動自在に案内する案内溝51を軸線方向に刻設している。また、スリーブ下端内周壁には、前記回転筒の連結溝42に係合してスリーブと回転筒を回動自在に脱落不能に連結する連結凸部52を突設している。
本発明実施例1のカートリッジは以上構成であり、外部に露出しているのは図4に示したように、スリーブ及び回転筒の一部の鍔部43より下方のみであるため、カートリッジ内に回転繰り出し機構61を内蔵しているにもかかわらずカートリッジ単体での繰り出し操作が難しく、使用しにくい形態となっている。
次に、このカートリッジを着脱可能に装着するホルダーについて、図1、図2及び図5により説明する。ホルダーは、外筒10、嵌合筒、連結部材及びキャップ11とより成り、外筒10、嵌合筒、連結部材が脱落不能に組付けられている。外筒10は、有底筒状であり、底部に連結部材を止着している。嵌合筒は両端が開口したパイプ状をしており、外筒10内に圧入止着されている。この嵌合筒の下端は、連結部材に当接しており、連結部材を押さえている。この嵌合筒の先端部分は、外筒10より上方に突出してキャップ11が抜脱可能に嵌合する嵌合部91になっている。
連結部材は、中央部分に侵入部81が突出し、侵入部81の周囲に当接部82を構成している。この侵入部81及び当接部82は、図1に示すように、ホルダーにカートリッジを装着した際、侵入部81がカートリッジの連結穴45に侵入、嵌合し、当接部82がカートリッジの当接カム44に当接するようになっている。
この侵入部81の先端面には、前記カートリッジの吸着部材と吸着する磁石12を上面が露出して埋設している。また、当接部82には、前記当接カム44の凸斜面441に当接する押上げカム821を突設している。この押上げカム821は、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12が当接した時、当接カム44の凹部443に収まり、前記カートリッジの回転筒とホルダーの連結部材を相対回転させると、図2に示すように、押上げカム821が当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押し上げ、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12の間を離間するようになっている。
本発明実施例1のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器は以上構成であり、カートリッジをホルダーに装着すると、図1に示すように、カートリッジの吸着部材にホルダーの侵入部81の磁石12が吸着し、カートリッジの当接カム44の凹部443にホルダー当接部82の押上げカム821が収まって(噛み合って)、ホルダーの回動を回転筒に伝達できるようになる。その結果、カートリッジのスリーブとホルダーの外筒10を相対回転すると、ホルダーに連動するカートリッジの回転筒が外筒10と同期回転し、スリーブと同期回転する紅皿のネジ棒22に設けられた棒雄ネジ221螺合する中間雌ネジ31を有した中間ネジ筒3の中間雄ネジ32が回転筒4内壁に設けられた回転雌ネジ41に螺合しているため、螺合作用により紅皿2及び中間ネジ筒3が上下摺動するようになっている。
更に、図2に示すように、紅皿の下死点(下降限)の時、更に繰り下げ操作を行うと、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの連結部材の磁石12の吸着力が負けて吸着部材と連結部材間で空転を始める。その結果、連結部材の押上げカム821が吸着部材の当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押し上げ、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12の間を離間させることによりカートリッジとホルダーの吸着磁力を弱くしてカートリッジを抜き取り易くする。この時、凸斜面441に連続して水平部442を設けているため、水平部442の範囲でカートリッジとホルダーの最大離間状態をある程度の空転角度の間維持できる。
また、前記カートリッジの連結穴45と、この連結穴45に侵入、嵌合するホルダーの侵入部81は、カートリッジとホルダーの最大離間状態時も嵌合状態が維持される。そのため、カートリッジの抜脱時までカートリッジがホルダーに安定的に保持継続される。逆に、カートリッジをホルダーに挿入していくと、まず、連結穴45と侵入部81が嵌合した後、当接カム44と押上げカム821が噛み合う。そのため、スムーズなカートリッジAの装着が行える。
次に、本発明実施例2を図によって説明する。本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料容器は、棒状化粧料を収納したカートリッジと、このカートリッジを着脱可能に装着するホルダーとより成っている。図6及び図7は、カートリッジとホルダーの装着時、図8はカートリッジ単体時、図9はホルダー単体時をそれぞれ示す。
まず、カートリッジの構成について図8により説明する。このカートリッジ内には、紅皿、回転筒、及び螺旋筒13より成る回転繰り出し機構62を内蔵している。棒状化粧料の下端を収嵌保持する紅皿は、外側壁に螺合凸部23を突設し、回転筒内に摺動可能に内装されている。
この回転筒は、上下に開口したパイプ状をしており、内壁には、前記紅皿の螺合凸部23が貫通し紅皿を上下摺動自在に回動不能に案内する案内溝51を軸線に長く穿設している。この回転筒の外周壁には連結溝42を刻設し、この連結溝42下方外周壁には鍔部43が設けられている。この回転筒の下端面には、当接カム44を刻設している。この当接カム44は、凸斜面441と水平部442と凹部443とを繰り返す凹凸状になっている。水平部442は凸斜面441の頂点部分より連続して設けている。この凸斜面441と水平部442より成る形状は、下方を向いた頂点部分が平らになった略直角三角形状をしている。
更に、回転筒の下端よりは、吸着部材が下端開口部分を塞ぐよう挿入止着され、吸着部材下方に連結穴45を構成している。この吸着部材は、鉄などの強磁性体より成っている。この回転筒は、スリーブ下端より回転自在に挿入され、スリーブ下端が鍔部43に当接している。
このスリーブの内壁には、前記回転筒の案内溝51を貫通した螺合凸部23が螺合する螺旋溝53を内壁に螺設した螺旋筒13を圧入止着している。また、スリーブ下端内周壁には、前記回転筒の連結溝42に係合してスリーブと回転筒を回動自在に脱落不能に連結する連結凸部52を突設している。
本発明実施例2のカートリッジは以上構成であり、外部に露出しているのは図8に示すスリーブ及び回転筒の一部の鍔部43のみであるため、カートリッジ内に回転繰り出し機構62を内蔵しているにもかかわらずカートリッジ単体での繰り出し操作不能で、使用できない形態となっている。
次に、このカートリッジを着脱可能に装着するホルダーについて図6、図7及び図9により説明する。ホルダーは、図9に示したように、外筒10、嵌合筒、連結部材及びキャップ11とより成り、外筒10、嵌合筒、連結部材が脱落不能に組付けられている。外筒10は、有底筒状であり、底部に連結部材を止着している。嵌合筒は両端が開口したパイプ状をしており、外筒10内に圧入止着されている。この嵌合筒の下端は、連結部材に当接しており、連結部材を押さえている。この嵌合筒の先端部分は、外筒10より上方に突出してキャップ11が抜脱可能に嵌合する嵌合部91になっている。
連結部材は、中央部分に侵入部81が突出し、侵入部81の周囲に当接部82を構成している。この侵入部81及び当接部82は、ホルダーにカートリッジを装着した際、侵入部81がカートリッジの連結穴45に侵入し、当接部82がホルダーの当接カム44に当接するようになっている。
この侵入部81の先端面には、前記カートリッジの吸着部材と吸着する磁石12を上面が露出して埋設している。また、当接部82には、前記当接カム44の凸斜面441に当接する押上げカム821を突設している。この押上げカム821は、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12が当接した時、当接カム44の凹部443に収まり、前記カートリッジの回転筒とホルダーの連結部材を相対回転させると、図7に示すように、押上げカム821が当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押し上げ、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12の間を離間するようになっている。
本発明実施例2のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器は以上構成であり、カートリッジをホルダーに装着すると、図6に示すように、カートリッジの吸着部材にホルダーの侵入部81の磁石12が吸着し、カートリッジの当接カム44の凹部443にホルダーの当接部82の押上げカム821が収まって(噛み合って)、ホルダーの回動を回転筒に伝達できるようになる。その結果、カートリッジのスリーブとホルダーの外筒10を相対回転すると、ホルダーに連動するカートリッジの回転筒が外筒10と同期回転し、回転筒と同期回転する紅皿の螺合凸部23とスリーブの内壁に設けられた螺旋溝53の螺合作用により紅皿が上下摺動するようになっている。
更に、紅皿の下死点(下降限)の時、更に繰り下げ操作を行うと、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの連結部材の磁石12の吸着力が負けて吸着部材と連結部材間で空転を始める。その結果、連結部材の押上げカム821が吸着部材の当接カム44の凸斜面441に沿ってカートリッジを押し上げ、前記カートリッジの吸着部材とホルダーの磁石12の間を離間させることによりカートリッジとホルダーの吸着磁力を弱くしてカートリッジを抜き取り易くする。この時、凸斜面441に連続して水平部442を設けているため、水平部442の範囲でカートリッジとホルダーの最大離間状態をある程度の空転角度の間維持できる。
また、前記カートリッジの連結穴45と、この連結穴45に侵入、嵌合するホルダーの侵入部81は、カートリッジとホルダーの最大離間状態時も嵌合状態が維持される。そのため、カートリッジの抜脱時までカートリッジがホルダーに安定的に保持継続される。逆に、カートリッジをホルダーに挿入していくと、先ず連結穴45と侵入部81が嵌合した後、当接カム44と押上げカム821が噛み合う。そのため、スムーズなカートリッジ装着が行える。
本発明は、上記実施例1及び実施例2に述べた回転繰り出し機構61、62に限定されるものではない。例えば図10~図12のその他の実施例1~3に示した回転繰り出し機構63~65に於いても実施可能である。以下、簡潔に説明する。各図には、明細書に記載の番号以外の番号も採番されているが、これは、実施例1及び実施例2の図面に記載された番号に準じている。
図10に示したその他の実施例1の回転繰り出し機構63は、図1~図4に示した本発明実施例1の回転繰り出し機構61より、中間ネジ筒を除去し、棒雄ネジ221と回転雌ネジ41を螺合させたものである。結果、棒状化粧料1を繰り出すネジはネジ棒22の棒雄ネジ221のみとなり、紅皿2のネジ棒22及び棒雄ネジ221は、棒状化粧料1のストロークに応じて長くなっている。
図11に示したその他の実施例2の回転繰り出し機構64は、図10に示したその他の実施例1の回転繰り出し機構63の、棒雄ネジ221と回転雌ネジ41の配置を逆にしたものである。回転筒は、外周に棒雄ネジ221を螺設したネジ棒22を立ち上げる。棒状化粧料を保持した紅皿の下端よりは、前記ネジ棒22を挿入する脚筒24を垂下する。この脚筒24の下端内側壁に前記ネジ棒22の棒雄ネジ221が螺合する回転雌ネジ41を螺設し、下端外側壁に回動防止片21を突設する。スリーブの下部内壁には、紅皿の回動防止片21が係合して紅皿をスリーブ内で回動不能に上下摺動自在に案内する案内溝51を穿設する。
図12に示したその他の実施例3の回転繰り出し機構65は、図6~図8に示した本発明実施例2の回転繰り出し機構62の螺旋溝53を、スリーブの内面に螺設し、螺旋筒13を除去したものである。この螺旋溝53は、スリーブの内面全周に浅く無数条ローレット状に設けられている。そして、このローレット状の螺旋溝53に螺合する紅皿の螺合凸部23の先端面は、隣り合った複数条の螺旋溝53に螺合している。
また、磁石12と強磁性体である吸着部材7の配置も、交換されるカートリッジ側の吸着部材に鉄などの安価な強磁性体を用いた構成を説明したが、強磁性体を磁石に置き換えることも可能である。この場合、磁石の異極同士を対向させるのは言うまでもない。
また、本発明実施例に於いては、紅皿の下降限時に更に繰り下げ操作を行う事によりカートリッジを押上げ、取り外し可能とした構成を説明しているが、カートリッジの取り外しのための回転方向、つまり、カートリッジの押上げ操作を行うホルダーの回転方向は、当接カム44の凸斜面441の形状により設定できる。つまり、当接カム44の凸斜面441を頂点の両側に設けた略二等辺三角形状にすれば、ホルダーの回転方向に関係なく回転繰り出し機構61~65の上昇限及び下降限双方で、カートリッジの押上げ操作を行える。
また、当接カム44の凸斜面441を一面にのみ設けた略直角三角形状にすれば、ホルダーの回転方向を一方向に限定できる。そして、その回転方向は当接カム44の凸斜面441の向きにより設定できる。図13に於いて、紅皿の上昇限時に更に繰り上げ操作を行う事により、カートリッジを押上げ、取り外し可能とした構成を説明する。当接カム44は、凸斜面441を一面にのみ設けた略直角三角形状をしており、この凸斜面441の向きは、前述した本発明実施例1及び実施例2にて説明した当接カム44の凸斜面441の向きとは逆になっている。
また、本発明明細書に於いては、当接カム44をカートリッジに、押上げカム821をホルダーにそれぞれ設けた構成を説明したが、それを逆にすることも可能である。つまり、カートリッジに押上げカム821を、ホルダーに当接カム44を設けても良い。
1 棒状化粧料
4 回転筒
5 スリーブ
7 吸着部材
12 磁石
44 当接カム
45 連結穴
61~ 65 回転繰り出し機構
81 侵入部
441 凸斜面
442 水平部
443 凹部
821 押上げカム
A カートリッジ
B ホルダー

Claims (6)

  1. 回転筒()とスリーブ()の相対回転により棒状化粧料()を保持した紅皿()を繰上げ下げする回転繰り出し機構(61~65)を内装したカートリッジ()を、ホルダー()に、着脱可能に装着するカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器に於いて、
    前記カートリッジ()の回転筒()後部に、磁性体若しくは磁石から成る吸着部材()を止着し、前記ホルダー()の底部に、前記カートリッジ()の吸着部材()に吸着してカートリッジ()を着脱可能に保持する磁石(12)を設置し、
    凸斜面(441)を有した凹凸状の当接カム(44)、及び該当接カム(44)に噛み合う押上げカム(821)の、どちらか一方を前記カートリッジ()の回転筒()後端に、他方を前記ホルダー()の底部にそれぞれ設けて、ホルダー()の回転をカートリッジ()の回転筒()に伝達し、
    前記回転繰り出し機構(61~65)の上昇限若しくは下降限以上に回転操作することにより、前記カートリッジ()とホルダー()間が空転し、前記押上げカム(821)が、当接カム(44)の凸斜面(441)に沿ってカートリッジ()を押上げ、カートリッジ()の吸着部材(7)とホルダー()の磁石(12)間を離間させることを特徴とするカートリッジ式棒状化粧料繰出し容器。
  2. 前記当接カム(44)を複数個全周に設け、該当接カム(44)の凸斜面(441)間の凹部(443)の形状に倣った形状の押上げカム(821)を少なくとも1個設けたことを特徴とする請求項1記載のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器。
  3. 前記当接カム(44)の凸斜面(441)を一面にのみ設けた略直角三角形状とし、前記回転繰り出し機構(61~65)の上昇限若しくは下降限のどちらか一方でカートリッジ()を押上げ可能としたことを特徴とする請求項1、請求項2いずれかの項記載のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器。
  4. 前記当接カム(44)の凸斜面(441)を頂点の両側に設けた略二等辺三角形状とし、前記回転繰り出し機構(61~65)の上昇限及び下降限でカートリッジ()を押上げ可能としたことを特徴とする請求項1、請求項2いずれかの項記載のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器。
  5. 前記当接カム(44)の凸斜面(441)に連続して押上げカム(821)が当接する水平部442)を設け、前記カートリッジ()とホルダー()の最大離間状態をある程度の空転角度の範囲で維持する事を特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかの項記載のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器。
  6. 前記カートリッジ()の吸着部材()の下方に連結穴(45)を設け、ホルダー()に、該連結穴(45)に侵入、嵌合する侵入部(81)を突設し、該侵入部(81)の先端に磁石(12)を止着し、前記押上げカム(821)が、当接カム(44)の凸斜面(441)に沿ってカートリッジ()を押上げ、前記吸着部材()と磁石(12)間を離間させた時も、嵌合状態を維持することを特徴とする請求項1乃至請求項5いずれかの項記載のカートリッジ式棒状化粧料繰り出し容器。
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