以下、本開示の実施形態と変形例を図に基づいて説明する。これら実施形態と変形例それぞれには共通要素が含まれている。この共通要素をある実施形態で説明した場合、その共通要素の説明を他の実施形態と変形例では省略する。この共通要素には複数の実施形態と変形例それぞれで同一の符号を付与する。
また、各図面においては、表記が煩雑となることを避けるために、各図面に示す構成要素の全てではなく、主として、その図面に基づいて説明する構成要素とそれにかかわる構成要素とに符号を付与している。
(第1実施形態)
図1〜図12に基づいて本実施形態に係る電池パックを説明する。本実施形態の電池パックは二輪自動車に適用される。
以下においては互いに直交の関係にある3方向を、x方向、y方向、および、z方向と示す。x方向は二輪自動車に搭乗するドライバーにとっての左右方向に相当する。y方向は二輪自動車の走行方向に相当する。z方向は二輪自動車が水平面を直線走行している際に鉛直方向に沿っている。z方向は配列方向に相当する。y方向は横方向に相当する。
図1に電池パック100を示す。電池パック100は二輪自動車の筐体に収納される。この筐体の外壁には二輪自動車の走行風が当たる。この走行風により、電池パック100の過度な温度変化が抑制されている。
なお、電池パック100は二輪自動車ではなく電気自動車やプラグインハイブリッド自動車などの電動車両に適用されてもよい。電池パック100は車両に搭載されたファンから供給される風や車両内を循環する冷却水で温度調整されてもよい。係る変形例の場合、電池パック100は例えば車両の前部座席下の空間、後部座席下の空間、および、後部座席とトランクルームとの間の空間などに設けられる。
図2に示すように電池パック100は、電池モジュール200、バスバモジュール300、および、カバー400を有する。電池モジュール200は複数の電池セル210と電池ケース220を有する。バスバモジュール300は、バスバケース310、バスバ330、センサ350、配線ケース370、および、監視基板390を有する。
複数の電池セル210は電池ケース220に収納される。複数の電池セル210の電池ケース220の開口側がバスバモジュール300によって覆われる。このバスバモジュール300がカバー400によって覆われる。
<電池セル>
複数の電池セル210それぞれは二次電池である。電池セル210に採用することのできる二次電池としては、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池、有機ラジカル電池などがある。これら二次電池は化学反応によって起電圧を生成する。
電池セル210は、発電要素と、この発電要素を収納する金属ケースと、を有する。金属ケースはz方向の厚さの薄い平板形状を成している。金属ケースはz方向に並ぶ第1主面210aと第2主面210b、x方向に並ぶ第1端面210cと第2端面210d、および、y方向に並ぶ第1側面210eと第2側面210fを有する。これら金属ケースの備える6面のうち、第1主面210aと第2主面210bは他の4面と比べて面積が広くなっている。
金属ケースの第1端面210cに負極端子211と正極端子212が形成されている。これら負極端子211と正極端子212はy方向で離間して並んでいる。負極端子211は第1側面210e側に位置している。正極端子212は第2側面210f側に位置している。
<電池ケース>
図3に示すように電池ケース220は底壁221と側壁222を有する。底壁221と側壁222は一体的に連結されている。底壁221と側壁222それぞれは絶縁性の樹脂材料によって製造されている。電池ケース220が絶縁ケースに相当する。
底壁221はx方向の厚さの薄い扁平形状を成している。底壁221はx方向に離間して並ぶ内底面221aとその裏側の外底面とを有する。
側壁222は内底面221aからx方向に起立している。側壁222は内底面221aの縁に沿って延び、x方向まわりの周方向で環状を成している。
細分化して説明すると、側壁222はz方向で離間して並ぶ上側壁223と下側壁224、および、y方向で離間して並ぶ前側壁225と後側壁226を有する。x方向まわりの周方向で上側壁223、後側壁226、下側壁224、前側壁225が順に連結されている。これにより側壁222はx方向まわりの周方向で環状を成している。上側壁223が第1端壁に相当する。下側壁224が第2端壁に相当する。前側壁225と後側壁226が連結壁に相当する。
本実施形態の電池ケース220は、電池ケース220の収納空間をy方向で分割する分割壁227を有する。分割壁227は上側壁223から下側壁224へと向かって延びている。これにより電池ケース220の収納空間は前側壁225側の第1収納空間と後側壁226側の第2収納空間とに分けられている。
第1収納空間は、上側壁223における前側壁225側、分割壁227、下側壁224における前側壁225側、および、前側壁225によって構成されている。第2収納空間は、上側壁223における後側壁226側、後側壁226、下側壁224における後側壁226側、および、分割壁227によって構成されている。
以下においては表記を簡便とするために、電池ケース220における第1収納空間を構成する複数の壁を一括して第1区画壁と示す。第2収納空間を構成する複数の壁を一括して第2区画壁と示す。これら区画壁には表記が乱雑となることを避けるために、符号の付与を省略する。
<隔壁>
電池ケース220は第1収納空間と第2収納空間それぞれを複数の個別収納空間に分けるための隔壁228を複数有する。第1収納空間と第2収納空間それぞれで複数の隔壁228がz方向に離間して並んでいる。これにより第1収納空間と第2収納空間それぞれがz方向に並ぶ複数の個別収納空間に分けられている。
個別収納空間を構成する電池ケース220の各壁には、その個別収納空間の中央側へと突起する複数の微小な突起部が形成されている。この突起部を弾性変形させる態様で、複数の個別収納空間それぞれに電池セル210の第2端面210d側が圧入される。これにより、複数の電池セル210それぞれの第2端面210d側が電池ケース220に固定される。上側壁223と下側壁224との間に複数の電池セル210が設けられる。なお、隣接して並ぶ2つの個別収納空間を連通するためのスリットが隔壁228に形成されてもよい。
図4に示すように、第1収納空間と第2収納空間それぞれで複数の電池セル210がz方向に並んでいる。そして、第1収納空間に収納された複数の電池セル210と、第2収納空間に収納された複数の電池セル210の一部とがy方向で並んでいる。
以下においては表記を簡便とするために、第1収納空間に収納された複数の電池セル210をまとめて第1電池スタック213と示す。第2収納空間に収納された複数の電池セル210をまとめて第2電池スタック214と示す。
z方向で隣接して並ぶ任意の2つの電池セル210は、互いに第1主面210a同士、若しくは、第2主面210b同士で対向配置される。この対向配置により、z方向で隣接して並ぶ2つの電池セル210のうちの一方の負極端子211と他方の正極端子212とがz方向で並んでいる。第1電池スタック213と第2電池スタック214それぞれで負極端子211と正極端子212とがz方向で交互に並んでいる。
また、y方向で隣接して並ぶ任意の2つの電池セル210のうちの一方の第1側面210eと、他方の第2側面210fとが対向している。これにより、y方向で隣接して並ぶ2つの電池セル210のうちの一方の負極端子211と他方の正極端子212とがy方向で並んでいる。
<下側壁>
ところで、図3に示すように上側壁223はz方向の厚さの薄い平板形状を成している。そのために上側壁223はx方向に面する平面の形状が直線形状を成している。これに対して下側壁224は一部がz方向に屈曲した形状を成している。そのために下側壁224はx方向に面する平面の形状がクランク形状を成している。
細分化して説明すると下側壁224は、前側壁225側の第1凹壁224a、後側壁226側の第1離間壁224b、および、第1凹壁224aと第1離間壁224bとの間に位置する第1連結壁224cを有する。
第1凹壁224aは前側壁225から分割壁227側に向かってy方向に延びている。第1離間壁224bは後側壁226から分割壁227側に向かってy方向に延びている。これら第1離間壁224bと第1凹壁224aはz方向で離間している。第1連結壁224cは分割壁227と連なる態様でz方向に延びている。第1連結壁224cは第1凹壁224aと第1離間壁224bとを連結している。
第1凹壁224aは下側壁224における前側壁225側に相当する。第1凹壁224aは上記の第1区画壁に含まれている。第1離間壁224bは下側壁224における後側壁226側に相当する。第1離間壁224bと第1連結壁224cは上記の第2区画壁に含まれている。
第1凹壁224aはz方向において第1離間壁224bよりも上側壁223側に位置している。そのために第1凹壁224aと上側壁223との間の離間距離は、第1離間壁224bと上側壁223との間の離間距離よりも短くなっている。第1収納空間は第2収納空間よりもz方向の長さが短くなっている。
係る構成のため、第1収納空間に収納される電池セル210の数が第2収納空間に収納される電池セル210の数よりも少なくなっている。第1電池スタック213に含まれる電池セル210の数が第2電池スタック214に含まれる電池セル210の数よりも少なくなっている。本実施形態では、第1電池スタック213に計10個の電池セル210が含まれている。第2電池スタック214に計12個の電池セル210が含まれている。
これら第1電池スタック213と第2電池スタック214それぞれの備える電池セル210を個別収納空間に収納するため、図3に示すように、第1収納空間に計9個の隔壁228が設けられ、第2収納空間に計11個の隔壁228が設けられている。これにより第1収納空間は計10個の個別収納空間に区画され、第2収納空間は計12個の個別収納空間に区画されている。
<凹空間>
図4に示すように、第1電池スタック213の備える計10個の電池セル210それぞれは、第2電池スタック214の備える計12個の電池セル210のうちの10個それぞれと、分割壁227を介してy方向に並んでいる。しかしながら、第2電池スタック214の備える計12個の電池セル210のうちの最も下側壁224側に位置する2個の電池セル210は、y方向で第1電池スタック213の備える電池セル210と並んでいない。
これら2個の電池セル210はy方向で第1連結壁224cと対向している。これら2個の電池セル210は第1連結壁224cのy方向への投影領域と第1凹壁224aのz方向への投影領域との重なる凹空間229とy方向で並んでいる。図3〜図5および図8〜図10ではこの凹空間229を破線で囲って示している。
凹空間229は下側壁224の備える第1凹壁224aと第1連結壁224cとによって疑似的に区画されている。凹空間229のy方向の長さは第1凹壁224aのy方向の長さと等しくなっている。凹空間229のz方向の長さは第1連結壁224cのz方向の長さと等しくなっている。
<第1フランジ部>
図1〜図4に示すように側壁222の外壁面には、電池ケース220の収納空間から離間する態様でz方向若しくはy方向に延びた第1フランジ部230が形成されている。第1フランジ部230はx方向の厚さの薄い扁平形状をなしている。本実施形態において第1フランジ部230は上側壁223に1つ、第1離間壁224bに2つ、前側壁225に3つ、後側壁226に1つ形成されている。
第1フランジ部230には金属製のカラー230aがインサート成形されている。カラー230aはx方向に開口する環状を成している。カラー230aの中空が第1フランジ部230から露出されている。この中空にボルトの軸部が通される。そしてこのボルトの軸部が二輪自動車の車体に締結される。
<小フランジ部>
側壁222の外側面には、電池ケース220の収納空間から離間する態様でz方向若しくはy方向に延びた小フランジ部231が複数形成されている。小フランジ部231はx方向の厚さの薄い扁平形状をなしている。小フランジ部231は第1フランジ部230よりも体格が小さくなっている。小フランジ部231の先端は第1フランジ部230の先端よりも電池ケース220の開口側に位置している。
図3に示すように、小フランジ部231と分割壁227それぞれに第1ボルト孔231aが形成されている。第1ボルト孔231aは小フランジ部231の上面と分割壁227の先端面に開口している。第1ボルト孔231aを区画する壁面にねじ溝が形成されている。後述するように、第1ボルト孔231aにねじが締結されることで、電池ケース220にバスバモジュール300がボルト止めされる。
<出力端子>
下側壁224に負極出力端子232と正極出力端子233が一体的に連結されている。負極出力端子232と正極出力端子233それぞれは、電池ケース220の収納空間から離間する態様で下側壁224から延びた端子台234と、この端子台234に固定された外部接続端子235と、を有する。負極出力端子232と正極出力端子233が第1外部接続端子と第2外部接続端子に相当する。
端子台234は側壁222と同一の絶縁材料から成る。端子台234はz方向の厚さの薄い扁平形状をなしている。例えば図1に示すように端子台234は、x方向において第1フランジ部230と小フランジ部231との間に位置している。
外部接続端子235は金属などの導電材料から成るボルトである。外部接続端子235の頭部が端子台234に埋め込まれている。外部接続端子235の軸部が端子台234の上面から露出している。この軸部は底壁221から離間する態様でx方向に延びている。
負極出力端子232の端子台234は下側壁224の第1凹壁224aからz方向に延びている。そのために負極出力端子232は凹空間229に位置している。
正極出力端子233の端子台234は下側壁224の第1離間壁224bからz方向に延びている。そのために負極出力端子232と正極出力端子233との間に絶縁性の第1離間壁224bと第1連結壁224cとが位置している。第1離間壁224bと第1連結壁224cのために負極出力端子232と正極出力端子233とは両者を結ぶ方向で一部が非対向になっている。
図2に示すように、電池ケース220にはバスバモジュール300とカバー400が設けられる。そのため、負極出力端子232と正極出力端子233との間には、電池ケース220の一部だけではなく、絶縁性のバスバケース310とカバー400の一部も位置する。
これら介在物のため、負極出力端子232のx方向に直交する方向への投影の影に正極出力端子233のすべてが位置している。逆に言えば、正極出力端子233のx方向に直交する方向への投影の影に負極出力端子232のすべてが位置している。負極出力端子232と正極出力端子233とはx方向に直交する方向においてまったくの非対向になっている。なお、例えば、負極出力端子232の備える外部接続端子235と正極出力端子233の備える外部接続端子235それぞれの先端側がx方向に直交する方向で対向する態様を採用することもできる。
<バスバケース>
図2および図5に示すようにバスバケース310は第1バスバケース311と第2バスバケース312とを有する。これら第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれは絶縁性の樹脂材料によって製造されている。
第1バスバケース311は第1収納空間を構成する第1区画壁の先端面に設けられる。第2バスバケース312は第2収納空間を構成する第2区画壁の先端面に設けられる。
上記したように第1収納空間は第2収納空間よりもz方向の長さが短くなっている。そのために第1バスバケース311は第2バスバケース312よりもz方向の長さが短くなっている。
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれは枠部313と内板314を有する。枠部313はx方向まわりの周方向で環状を成している。枠部313の環状の内側面によって枠部313の中空が区画されている。
細分化して説明すると、枠部313は、z方向で離間して並ぶ上板315と下板316、および、y方向で離間して並ぶ前板317と後板318を有する。上板315と下板316はそれぞれz方向の厚さの薄い平板形状を成してy方向に延びている。前板317と後板318はそれぞれy方向の厚さの薄い平板形状を成してz方向に延びている。x方向まわりの周方向で上板315、後板318、下板316、前板317が順に連結されている。これにより枠部313はx方向まわりの周方向で環状を成している。
内板314はx方向の厚さの薄い扁平形状を成している。内板314は枠部313の内側面に連結されている。内板314によって枠部313の中空の一部が占有されている。
より詳しく説明すると、内板314は枠部313の備える4つの板それぞれのx方向の中央側に連結されている。内板314によって、枠部313の中空はx方向で上面側と下面側の2つに大別されている。枠部313の下面側の中空に電池セル210における電池ケース220からの露出部位が収納される。
第1バスバケース311は、内板314の下面が第1電池スタック213の備える複数の電池セル210それぞれの第1端面210cとx方向で対向する態様で電池ケース220に設けられる。これによって枠部313の下面が第1収納空間を構成する第1区画壁の先端面とx方向で対向配置される。上板315と下板316との間で複数の電池セル210それぞれの第1収納空間からの露出部位がz方向に並ぶ。このように第1バスバケース311と第1区画壁とは第1電池スタック213の備える複数の電池セル210を収納する機能を果たしている。
第2バスバケース312は、内板314の下面が第2電池スタック214の備える複数の電池セル210それぞれの第1端面210cとx方向で対向する態様で電池ケース220に設けられる。これによって枠部313の下面が第2収納空間を構成する第2区画壁の先端面とx方向で対向配置される。上板315と下板316との間で複数の電池セル210それぞれの第2収納空間からの露出部位がz方向に並ぶ。このように第2バスバケース312と第2区画壁とは第2電池スタック214の備える複数の電池セル210を収納する機能を果たしている。
<第2フランジ部>
図2および図5に示すように第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの前板317と後板318の外側面には、枠部313の中空から離間する態様でy方向に延びた第2フランジ部319が形成されている。この第2フランジ部319は、本実施形態では第1バスバケース311の上板315と下板316にも形成されている。第2フランジ部319にはx方向に貫通する第2ボルト孔319aが形成されている。
第2ボルト孔319aは、バスバケース310が電池ケース220に設けられた状態で、電池ケース220の第1ボルト孔231aとx方向で連通する。これら第2ボルト孔319aと第1ボルト孔231aにボルトの軸部が通される。そしてボルトの軸部の先端側が第1ボルト孔231aのねじ溝に締結される。これによりバスバケース310が電池ケース220にボルト止めされる。
<配線台座>
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの上板315の外側面には、枠部313の中空からz方向に離間しつつ、y方向に延びる配線台座320が一体的に連結されている。第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれが電池ケース220に設けられた状態で、配線台座320は電池ケース220の収納空間のx方向への投影領域外に位置している。この配線台座320に配線ケース370の一部が設けられる。すなわち、第1バスバケース311の配線台座320に後述の第1上部376が設けられる。第2バスバケース312の配線台座320に後述の第2上部380が設けられる。電池ケース220の収納空間が第1端壁と第2端壁との間の領域に相当する。
<連結部>
第1バスバケース311の後板318の外側面に第1連結部321が形成されている。第2バスバケース312の前板317の外側面に第2連結部322が形成されている。第1連結部321は後板318から第2バスバケース312に向かって延びている。第2連結部322は前板317から第1バスバケース311に向かって延びている。
第1連結部321と第2連結部322とはx方向で対向配置されている。そしてこれら2つの連結部は嵌合によって連結される。若しくは、これら2つの連結部はボルトによって連結される。この連結によって第1バスバケース311と第2バスバケース312とが機械的に連結されている。
<第1雄部>
第1バスバケース311の前板317と第2バスバケース312の後板318それぞれの外側面には、枠部313の中空からy方向に離間する態様で突起した第1雄部323が形成されている。第1雄部323はバスバケース310に配線ケース370を組み付ける役割を果たす。
本実施形態では、第1バスバケース311の前板317に第1雄部323が3つ形成されている。第2バスバケース312の後板318に第1雄部323が3つ形成されている。
<第2雄部>
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの上板315と下板316の外側面には、枠部313の中空からz方向に離間する態様で突起した第2雄部324が形成されている。第2雄部324はバスバケース310にカバー400を組み付ける役割を果たす。
本実施形態では、第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの上板315に第2雄部324が2つ形成されている。第1バスバケース311の下板316に第2雄部324が1つ形成されている。第2バスバケース312の下板316に第2雄部324が2つ形成されている。
<開口窓>
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの内板314には、各電池セル210の負極端子211と正極端子212それぞれの先端側を突出させるための開口窓325が複数形成されている。開口窓325は内板314の電池ケース220側の下面とその裏側の上面とに開口する貫通孔である。複数の開口窓325はz方向とy方向に離間して並んでいる。
<配置孔>
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの内板314には、配置孔326と固定腕部327が形成されている。配置孔326は内板314の下面と上面とに開口する貫通孔である。配置孔326はy方向で開口窓325から離間している。
固定腕部327は内板314の上面から離間する態様でx方向に延びた後、y方向に延びている。この固定腕部327のy方向に延びる部位はx方向で配置孔326と離間しつつ対向している。
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれが電池ケース220に設けられた状態で、複数の電池セル210のうちの一部の第1端面210cと固定腕部327のy方向に延びる部位とが配置孔326の中空を介して対向配置される。この電池セル210と固定腕部327との間に後述の温度センサ351が設けられる。
なお、第1バスバケース311の内板314には、監視基板390を固定するための第3ボルト孔314aが形成されている。第3ボルト孔314aは内板314の上面に開口している。第3ボルト孔314aを区画する壁面にねじ溝が形成されている。このねじ溝にボルトの軸部が締結されることで、第1バスバケース311に監視基板390がボルト止めされる。
<バスバ>
図6および図8に示すようにバスバ330は直列バスバ331、連結バスバ332、負極バスバ333、および、正極バスバ334を有する。これら4種類のバスバそれぞれは導電性を備える銅やアルミニウムなどによって製造されている。
<直列バスバと連結バスバ>
直列バスバ331と連結バスバ332それぞれは、2つの端子導電部335と、1つの連結導電部336と、を有する。直列バスバ331と連結バスバ332は同等の構成要素を備えている。
しかしながら、直列バスバ331と連結バスバ332とは果たす機能が異なっている。直列バスバ331は電池スタックに含まれる複数の電池セル210を電気的に接続する機能を果たす。連結バスバ332は各電池スタックを電気的に接続する機能を果たす。
係る機能の相違のため、連結バスバ332と直列バスバ331の電池セル210に対する配置が異なっている。電池セル210に配置された状態で、直列バスバ331の備える2つの端子導電部335はz方向で離間して並んでいる。連結バスバ332の備える2つの端子導電部335はy方向で離間して並んでいる。なお、連結バスバ332は直列バスバ331よりも体格が大きくなっている。
端子導電部335はx方向の厚さの薄い平板形状を成している。端子導電部335の厚さは、端子導電部335と電池セル210の電極端子とのレーザ溶接時に、レーザによって電池セル210の性能が変化するほどに昇温することが避けられるように決定されている。
連結導電部336は2つの端子導電部335を一体的に連結している。連結導電部336は2つの端子導電部335のうちの一方からx方向に離間する態様で延びた後、折り返して、2つの端子導電部335のうちの他方に向かってx方向に延びている。係る構成のため、連結導電部336は2つの端子導電部335の並ぶ方向に変形しやすい性質を有している。
これは、電池セル210の膨張に応じて連結導電部336を変形させるためである。また、以下に説明するように、接続対象となる負極端子211と正極端子212の相対位置に応じて、2つの端子導電部335の位置を変更させやすくするためである。
上記したように電池ケース220の備える複数の個別収納空間それぞれに複数の電池セル210が個別に圧入される。この圧入によって上記の微小な突起部が弾性変形する。この突起部の復元力によって複数の電池セル210が電池ケース220に固定される。
これら複数の微小な突起部の形状には製造誤差によるばらつきがある。そのために複数の電池セル210それぞれの電池ケース220に対する固定位置にばらつきが生じる虞がある。各電池スタックに含まれる複数の電池セル210それぞれの電極端子のz方向の位置にばらつきが生じる虞がある。第1電池スタック213に含まれる電池セル210の電極端子と第2電池スタック214に含まれる電池セル210の電極端子のy方向の位置にばらつきが生じる虞がある。
直列バスバ331の備える2つの端子導電部335はこれらz方向の位置の異なる負極端子211と正極端子212とにレーザ溶接される。連結バスバ332の備える2つの端子導電部335はこれらy方向の位置の異なる負極端子211と正極端子212とにレーザ溶接される。
このレーザ溶接の前に、直列バスバ331の連結導電部336をz方向に変形させる。連結バスバ332の連結導電部336をy方向に変形させる。こうすることで、2つの端子導電部335の位置を、接続対象となる負極端子211と正極端子212の位置に合わせる。2つの端子導電部335のうちの一方と正極端子212とを接触させるとともに、2つの端子導電部335のうちの他方と負極端子211とを接触させる。この接触状態で端子導電部335と電極端子とにレーザを照射して両者を溶接する。
直列バスバ331と電池セル210の電極端子とのレーザ溶接によって、各電池スタックに含まれる複数の電池セル210が電気的に直列接続される。各電池スタックの備える複数の電池セル210が電位順にz方向に並ぶ。z方向に並ぶ複数の電池セル210のうちの両端の一方側に最低電位の電池セル210が位置し、他方側に最高電位の電池セル210が位置する。
第1電池スタック213では最低電位の電池セル210が下側壁224の第1凹壁224a側に位置し、最高電位の電池セル210が上側壁223側に位置している。第2電池スタック214では最低電位の電池セル210が上側壁223側に位置し、最高電位の電池セル210が第1離間壁224b側に位置している。
第1電池スタック213の備える最高電位の電池セル210と第2電池スタック214の備える最低電位の電池セル210とが上側壁223側においてy方向で並んでいる。連結バスバ332はこの最高電位の電池セル210の正極端子212と最低電位の電池セル210の負極端子211とに連結される。これにより第1電池スタック213と第2電池スタック214とが電気的に直列接続されている。
以上に示した電気的な直列接続により、2つの電池スタックの備える複数の電池セル210のうちの最低電位の電池セル210が第1凹壁224a側に位置する。最高電位の電池セル210が第1離間壁224b側に位置する。最低電位の電池セル210の負極端子211に負極バスバ333が接続される。最高電位の電池セル210の正極端子212に正極バスバ334が接続される。
<負極バスバと正極バスバ>
図6および図8に示すように負極バスバ333と正極バスバ334それぞれは1つの端子導電部335と出力導電部337を有する。正極バスバ334はさらに中継導電部338を有する。
負極バスバ333では端子導電部335と出力導電部337とが一体的に連結されている。この端子導電部335が最低電位の電池セル210の負極端子211にレーザ溶接される。
負極バスバ333の出力導電部337は端子導電部335から離間する態様でx方向に延びた後、折り返してx方向に延び、端子導電部335から離間する態様でz方向に延びている。出力導電部337はz方向で第1バスバケース311の下板316および電池ケース220の第1凹壁224aと対向配置される。それとともに、出力導電部337はx方向で負極出力端子232の端子台234と対向配置される。
正極バスバ334では端子導電部335と出力導電部337とが中継導電部338を介して一体的に連結されている。この端子導電部335に最高電位の電池セル210の正極端子212がレーザ溶接される。
正極バスバ334の中継導電部338は端子導電部335から離間する態様でy方向に延びている。正極バスバ334の出力導電部337は中継導電部338から離間する態様でx方向に延びた後、折り返してx方向に延び、端子導電部335と中継導電部338それぞれから離間する態様でz方向に延びている。出力導電部337はz方向で第2バスバケース312の下板316および電池ケース220の第1離間壁224bと対向配置されるとともに、x方向で正極出力端子233の端子台234と対向配置される。
負極バスバ333と正極バスバ334それぞれの出力導電部337のz方向に延びる部位には、x方向に貫通する出力孔337aが形成されている。この出力孔337aに外部接続端子235の軸部が通される。
さらに、この外部接続端子235の軸部にワイヤハーネスの端子が通される。そして外部接続端子235の軸部にナットが締結される。これにより出力導電部337とワイヤハーネスの端子とが端子台234とナットとの間で挟持される。出力導電部337とワイヤハーネスの端子が接触し、両者が電気的に接続される。
<電力変換装置>
出力導電部337と電気的に接続されるワイヤハーネスは、二輪自動車の動力源としてのモータの駆動を制御する電力変換装置と電気的に接続されている。電池パック100の直流電力がこの電力変換装置に供給される。電力変換装置が外部機器に相当する。
電力変換装置は供給された直流電力を交流電力に変換する。この交流電力が上記のモータに供給される。これによってモータが力行する。逆に、モータでの発電によって生成された交流電力は電力変換装置で直流電力に変換される。この直流電力が電池パック100に供給される。これにより電池パック100が充電される。
<導電延長部>
これまでに説明した直列バスバ331の備える2つの端子導電部335それぞれから導電延長部339が延びている。連結バスバ332の備える2つの端子導電部335のうちの第2電池スタック214の電池セル210の負極端子211に接続される端子導電部335から導電延長部339が延びている。導電延長部339は、2つの端子導電部335の一方の負極端子211との連結部位と他方の正極端子212との連結部位との間の電流経路から離間する態様で、端子導電部335から延びている。
負極バスバ333の備える1つの端子導電部335から導電延長部339が延びている。導電延長部339は、端子導電部335の負極端子211との連結部位と出力導電部337の負極出力端子232との連結部位との間の電流経路から離間する態様で、端子導電部335から延びている。
正極バスバ334の備える1つの中継導電部338から導電延長部339が延びている。導電延長部339は、端子導電部335の正極端子212との連結部位と出力導電部337の正極出力端子233との連結部位との間の電流経路から離間する態様で、中継導電部338から延びている。
以上に示したように、導電延長部339は各種バスバの電流経路から離間する態様で延びている。そのために導電延長部339に電流が流動しがたくなっている。
この導電延長部339に、x方向に貫通する電圧検出孔339aが形成されている。この電圧検出孔339aに後述の電圧センサ352の電圧検出端子355が検出ねじ357によって電気的に接続される。なお、直列バスバ331においては、2つの端子導電部335それぞれから延びた導電延長部339のうちの一方のみに電圧検出孔339aが形成されている。
<センサ>
センサ350は電池セル210の物理量を検出する。図7および図8に示すようにセンサ350は温度センサ351と電圧センサ352を備えている。温度センサ351は複数の電池セル210のうちの検出対象とする代表の電池セル210の温度を検出する。電圧センサ352は直列接続された複数の電池セル210それぞれの出力電圧を検出する。
<温度センサ>
温度センサ351はサーミスタ353と、サーミスタ353と監視基板390とを電気的に接続する温度検出配線354と、を有する。また温度センサ351はサーミスタ353を保護する樹脂体と、この樹脂体に固定されたバネ体と、を有する。サーミスタ353は物理量検出部に含まれる。
温度センサ351はバスバケース310の配置孔326を介して検出対象の電池セル210の第1端面210cに配置される。サーミスタ353がこの第1端面210cに接触される。それとともにバネ体が固定腕部327に接触される。
この配置状態でバネ体がx方向に縮む。これによりバネ体からx方向に沿って離間する向きの復元力が発生する。この復元力によってサーミスタ353が第1端面210cに押し付けられている。
図8に示すように、本実施形態では第1電池スタック213に1つの温度センサ351が設けられる。第2電池スタック214に3つの温度センサ351が設けられる。これら計4つの温度センサ351それぞれのサーミスタ353から後述の配線コネクタ373に向かって温度検出配線354が延びている。温度検出配線354は導線が絶縁被膜によって覆われた絶縁電線である。
なお、図7〜図10においては、表記が煩雑となることを避けるために、温度検出配線354と後述の電圧検出配線356それぞれの一端側のみを示している。図12において、温度検出配線354と電圧検出配線356それぞれを実線で示している。なお、図12においては、図11に示すように、これら検出配線の接続対象と検出配線の延びる方向とを明示するために、バスバケース310と配線ケース370の図示を省略している。
<電圧センサ>
電圧センサ352は電圧検出端子355、電圧検出配線356、および、検出ねじ357を有する。電圧検出端子355にはx方向に貫通する貫通孔が形成されている。この貫通孔と導電延長部339の電圧検出孔339aとがx方向で連通する態様で、電圧検出端子355が導電延長部339に対向配置される。この貫通孔と電圧検出孔339aとに検出ねじ357の軸部が通されるとともに、この軸部にナットが締結される。電圧検出端子355は物理量検出部に含まれる。
検出ねじ357の頭部の軸部側が電圧検出端子355の上面と接触し、ナットが導電延長部339の下面と接触する。電圧検出端子355と導電延長部339とが検出ねじ357の頭部とナットとの間で挟持され、両者が接触する。
これにより、複数の電圧検出端子355それぞれと複数の導電延長部339それぞれとが個別に電気的に接続されている。複数の電圧検出端子355のうちの1つが直列バスバ331、連結バスバ332、負極バスバ333、および、正極バスバ334のいずれかと電気的に接続されている。複数の電圧検出端子355それぞれが複数の電池セル210と電気的に接続されている。
複数の電圧検出配線356それぞれは複数の電圧検出端子355それぞれから配線コネクタ373に向かって延びている。電圧検出配線356は導線が絶縁被膜によって覆われた絶縁電線である。図7〜図10においては、表記が煩雑となることを避けるために、電圧検出配線356の一端側のみを示している。
<検出ねじの並び>
図8に示すように、これまでに説明した直列バスバ331、連結バスバ332、負極バスバ333、および、正極バスバ334がz方向に並んでいる。それとともに、これら4種類のバスバの導電延長部339に接続された複数の検出ねじ357がz方向に並んでいる。
第1バスバケース311の前板317側で5個の直列バスバ331がz方向に並んでいる。第1バスバケース311の後板318側で負極バスバ333、4個の直列バスバ331、および、連結バスバ332がz方向に並んでいる。検出ねじ357の頭部は前板317側でz方向に5つ並び、後板318側でz方向に5つ並んでいる。
第2バスバケース312の前板317側で正極バスバ334、5個の直列バスバ331、および、連結バスバ332がz方向に並んでいる。第2バスバケース312の後板318側で6の直列バスバ331がz方向に並んでいる。検出ねじ357の頭部は前板317側でz方向に7つ並び、後板318側でz方向に6つ並んでいる。
z方向で隣り合って並ぶ2つの検出ねじ357は、電気的に接続される電池セル210が異なっている。そのためにこれら2つの検出ねじ357は電位が異なっている。これら電位の異なる2つの検出ねじ357の間に配線ケース370の一部が設けられる。これによって2つの検出ねじ357の電気的な接続が抑制されている。
<配線ケース>
図2および図9に示すように配線ケース370は第1配線ケース371、第2配線ケース372、および、配線コネクタ373を有する。これら第1配線ケース371、第2配線ケース372、および、配線コネクタ373それぞれは絶縁性の樹脂材料によって製造されている。
第1配線ケース371と第2配線ケース372それぞれはx方向まわりの周方向で環状を成す配線枠部374を有する。第1配線ケース371はさらに中継配線部375を有する。
第1配線ケース371の配線枠部374は、z方向で離間して並ぶ第1上部376と第1下部377、および、y方向で離間して並ぶ第1外部378と第1内部379を有する。第1上部376、第1内部379、第1下部377、および、第1外部378がx方向まわりの周方向で順に連結されている。これら第1配線ケース371の配線枠部374の備える4つの構成要素の内側面によって配線枠部374の中空が区画されている。
第2配線ケース372の配線枠部374は、z方向で離間して並ぶ第2上部380と第2下部381、および、y方向で離間して並ぶ第2内部382と第2外部383を有する。第2上部380、第2外部383、第2下部381、および、第2内部382がx方向まわりの周方向で順に連結されている。これら第2配線ケース372の配線枠部374の備える4つの構成要素の内側面によって配線枠部374の中空が区画されている。
第1配線ケース371の第1上部376はy方向を軸方向とする筒形状を成している。第1上部376の備える2つの端部のうちの第1外部378側が閉塞され、第1内部379側が開口されている。第2配線ケース372の第2上部380はy方向を軸方向とする筒形状を成している。第2上部380の備える2つの端部のうちの第2内部382側が閉塞され、第2外部383側が開口されている。
第1配線ケース371と第2配線ケース372とは、第1内部379と第2内部382とが対向する態様でy方向に並んでいる。これにより、第1上部376の開口と第2上部380の開口とがy方向で対向している。
第1上部376と第2上部380それぞれの備える2つの端部の内側面側に、z方向に開口する連通孔が形成されている。第1上部376の連通孔の形成部位に第1外部378と第1内部379が連結されている。第2上部380の連通孔の形成部位に第2内部382と第2外部383が連結されている。
<第1通路部>
第1外部378と第2外部383それぞれはz方向に延びるとともに、x方向に開口する箱形状の第1通路部384を有する。第1外部378の第1通路部384の備える2つの端部のうちの第1上部376側に連通孔が形成されている。第2外部383の第1通路部384の備える2つの端部のうちの第2上部380側に連通孔が形成されている。
第1外部378の備える第1通路部384の連通孔と第1上部376の連通孔とが互いに連通する態様で、第1外部378と第1上部376とが連結されている。第2外部383の備える第1通路部384の連通孔と第2上部380の連通孔とが互いに連通する態様で、第2外部383と第2上部380とが連結されている。
<第2通路部と介在配線部>
第1内部379と第2内部382それぞれは、第2通路部385と複数の介在配線部386を有する。第2通路部385はz方向に延びる中空を有する。複数の介在配線部386はz方向に延びるとともに、x方向に開口する箱形状を成している。
第2通路部385の備える2つの端部のうちの一方が開口し、他方が閉塞している。第1内部379の備える第2通路部385の開口と第1上部376の連通孔とが連通する態様で、第1内部379と第1上部376とが連結されている。第2内部382の備える第2通路部385の開口と第2上部380の連通孔とが連通する態様で、第2内部382と第2上部380とが連結されている。
第1内部379の第2通路部385の内側面に複数の連通孔が形成されている。第2内部382の第2通路部385の外側面に複数の連通孔が形成されている。複数の介在配線部386の側面それぞれにも連通孔が形成されている。第2通路部385の連通孔と介在配線部386の連通孔とが連通する態様で、第2通路部385に複数の介在配線部386が連結されている。
第1下部377と第2下部381とはそれぞれy方向に延びた板形状を成している。
第1配線ケース371では、第1下部377に第1外部378の第1通路部384が連結されている。第1下部377に第1内部379の備える複数の介在配線部386のうちの最も第1下部377側に位置する介在配線部386が連結されている。
第2配線ケース372では、第2下部381に第2内部382の備える複数の介在配線部386のうちの最も第2下部381側に位置する介在配線部386が連結されている。第2下部381に第2外部383の第1通路部384が連結されている。
後述するように第1配線ケース371の配線枠部374の中空に監視基板390が設けられる。これに対して、第2配線ケース372の配線枠部374の中空に監視基板390は設けられない。
係る配置構成のため、第1配線ケース371の配線枠部374は、第2配線ケース372の配線枠部374よりもy方向の長さが長くなっている。第1上部376と第1下部377それぞれは、第2上部380と第2下部381それぞれよりもy方向の長さが長くなっている。
<第1雌部>
第1外部378と第2外部383それぞれの外側面には、x方向に沿って配線枠部374から離間する態様で延びた第1雌部387が形成されている。本実施形態では、第1外部378に第1雌部387が3つ形成されている。第2外部383に第1雌部387が3つ形成されている。
第1雌部387はy方向に開口する孔を有している。第1配線ケース371の第1雌部387の中空に第1バスバケース311の第1雄部323が挿入される。第2配線ケース372の第1雌部387の中空に第2バスバケース312の第1雄部323が挿入される。これによって、配線ケース370がバスバケース310に組付け固定される。
<検出ねじと電圧検出配線の収納>
第1配線ケース371は第1バスバケース311に設けられたバスバ330とx方向で一部が重なる態様で電池ケース220に設けられる。図11と図12に第1通路部384を備える第1外部378を破線で簡略的に示す。この第1外部378の第1通路部384の中空に前板317側でz方向に並ぶ5つの検出ねじ357が設けられる。それとともに、この第1通路部384に5つの電圧検出配線356の一端側が収納される。これら5つの電圧検出配線356は第1通路部384において第1上部376の中空側へと向かって延びている。
第1配線ケース371の備える複数の介在配線部386は、第1バスバケース311の後板318側でz方向に並ぶ5つ検出ねじ357それぞれの間に設けられる。図11と図12に介在配線部386と第2通路部385を備える第1内部379を一点鎖線で簡略的に示す。この第1内部379の備える複数の介在配線部386の中空に5つの電圧検出配線356の一端側が収納される。そしてこれら5つの電圧検出配線356は第2通路部385において第1上部376の中空側へと向かって延びている。
第2配線ケース372は第2バスバケース312に設けられたバスバ330とx方向で一部が重なる態様で電池ケース220に設けられる。図11と図12に第1通路部384を備える第2外部383を破線で簡略的に示す。この第2外部383の第1通路部384の中空に後板318側でz方向に並ぶ6つの検出ねじ357が設けられる。それとともに、この第1通路部384に6つの電圧検出配線356の一端側が収納される。これら6つの電圧検出配線356は第1通路部384において第2上部380の中空側へと向かって延びている。そしてこれら6つの電圧検出配線356は第2上部380の開口を飛び出して、第1上部376の中空へと延びている。
第2配線ケース372の備える複数の介在配線部386は、第2バスバケース312の前板317側でz方向に並ぶ7つ検出ねじ357のうちの下板316側の6つの検出ねじ357それぞれの間に設けられる。図11と図12に介在配線部386と第2通路部385を備える第2内部382を一点鎖線で簡略的に示す。この第2内部382の備える複数の介在配線部386の中空に7つの検出ねじ357のうちの中央側に位置する5つの検出ねじ357と電気的に接続された5つの電圧検出配線356の一端側が収納される。これら5つの電圧検出配線356は第2通路部385において第2上部380の中空側へと延びている。そしてこれら5つの電圧検出配線356は第2上部380の中空からその開口を飛び出して、第1上部376の中空へと延びている。
また、最も上板315側に位置する1つの検出ねじ357と電気的に接続された電圧検出配線356の一端側は第2上部380の中空に収納されている。最も下板316側に位置する1つの検出ねじ357と電気的に接続された電圧検出配線356の一端側は第2通路部385に収納されている。この電圧検出配線356も第2通路部385において第2上部380の中空側へと向かって延びている。この1つの電圧検出配線356も第2上部380の開口を飛び出して、第1上部376の中空へと延びている。
上記したように、z方向で隣り合って並ぶ2つの検出ねじ357の電位が異なっている。第1通路部384と介在配線部386それぞれは、これら2つの検出ねじ357の間に設けられる絶縁壁を備えている。なお、第2バスバケース312において、前板317側で最も上板315側に位置する2つの検出ねじ357の間に、第2配線ケース372から突起した板部が設けられている。
<温度検出配線の収納>
上記したように第1配線ケース371は中継配線部375を有する。図9に示すように中継配線部375は第1配線ケース371の配線枠部374の中空に位置している。中継配線部375は第1外部378の第1下部377側と第1内部379の第1上部376側とを架橋する態様でz方向に延びている。この中継配線部375の中空に、第1電池スタック213に設けられた温度センサ351の温度検出配線354が収納されている。温度検出配線354は第1下部377側から第1上部376側へと向かって延びている。
第2配線ケース372の第2内部382の第2通路部385の内側面に開口が形成されている。この開口に、第2電池スタック214に設けられた複数の温度センサ351の温度検出配線354が挿入されている。図12で第2内部382を一点鎖線で示すように、複数の温度検出配線354はこの第2内部382の備える第2通路部385において第2上部380の中空側へと向かって延びている。これら複数の温度検出配線354は第2上部380の開口を飛び出して、第1上部376の中空へと延びている。
<検出配線の束ね>
第1配線ケース371の第1上部376の中央側の内側面には、z方向において第1配線ケース371の配線枠部374の中空側に開口する配線孔376aが形成されている。第1上部376の中空へと延びた複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれの他端側は、この第1配線ケース371の第1上部376の配線孔376aへと向かって延びている。複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれの他端側が、配線孔376aから束となって第1上部376の中空の外に飛び出している。
配線コネクタ373は配線孔376aとz方向において対向配置する態様で第1配線ケース371に連結されている。配線孔376aから飛び出した複数の検出配線の他端側の束は、図12に示すように配線コネクタ373の第1上部376(上側壁223)側からその中へと挿入される。複数の検出配線の他端側が、配線コネクタ373に設けられた複数の接続ピンの第1上部376側と電気的に接続されている。これによって複数の検出配線が配線コネクタ373に束ねられている。複数の接続ピンの第1下部377側が監視基板390に電気的に接続される。配線コネクタ373が束ね部に相当する。
<監視基板>
監視基板390は、回路基板391、第1コネクタ392、および、第2コネクタ393を有する。回路基板391はx方向の厚さの薄い平板形状を成している。回路基板391はz方向に延びている。回路基板391の備える2つの端部のうちの一方に第1コネクタ392が搭載され、他方に第2コネクタ393が搭載されている。
図10に示すように、監視基板390が第1バスバケース311の内板314にボルト止めされた状態で、第1コネクタ392に配線コネクタ373が対向配置される。そしてこれら第1コネクタ392と配線コネクタ373とが連結されている。
第2コネクタ393はz方向において電池ケース220の第1凹壁224a側に位置している。第2コネクタ393の一部は第1バスバケース311の下板316および第1凹壁224aとx方向で並んでいる。この第2コネクタ393にワイヤハーネスを介して電池ECUが電気的に接続される。このワイヤハーネスにおける第2コネクタ393との接続部位は、上記の凹空間229のx方向への投影領域に設けられる。
図示しないが、回路基板391には第1コネクタ392と第2コネクタ393それぞれと電気的に接続された回路部が形成されている。回路部は高電圧系回路部、低電圧系回路部、および、絶縁回路部を有する。回路基板391が監視部に相当する。
高電圧系回路部は第1コネクタ392と電気的に接続されている。低電圧系回路部は第2コネクタ393と電気的に接続されている。絶縁回路部は高電圧系回路部と低電圧系回路部とを電気的に絶縁しつつ両者の信号を送受信する機能を果たしている。
高電圧系回路部は監視ICチップを有する。監視ICチップはセンサ350から入力された検出結果としてのアナログ信号をデジタル信号に変換する。絶縁回路部は高電圧系回路部から入力されたデジタル信号を低電圧系回路部に出力する。低電圧系回路部は通信用のマイコンを有する。マイコンは電池ECUとの通信によって、絶縁回路部から入力された検出結果としてのデジタル信号を電池ECUに出力する。
電池ECUは入力された電圧や温度の検出結果に基づいて複数の電池セル210それぞれのSOCの均等化を判断する。そして電池ECUはその判断に基づく均等化処理の指示を監視基板390に出力する。この指示信号が低電圧系回路部と絶縁回路部を介して高電圧系回路部の監視ICチップに入力される。
監視ICチップには、複数の電池セル210それぞれを個別に充放電するためのスイッチが内包されている。監視ICチップは、電池ECUから入力された指示にしたがってスイッチを開閉制御する。これによって複数の電池セル210が個別に充放電される。この結果、複数の電池セル210のSOCが均等化される。SOCはstate of chargeの略である。
<カバー>
図1および図2に示すように、カバー400は天板410と縁壁420を有する。天板410と縁壁420は一体的に連結されている。天板410と縁壁420それぞれは絶縁性の樹脂材料によって製造されている。
天板410はx方向の厚さの薄い扁平形状を成している。天板410はx方向に離間して並ぶ内天面410aとその裏側の外天面410bとを有する。
縁壁420は内天面410aからx方向に起立している。縁壁420は内天面410aの縁に沿って延び、x方向まわりの周方向で環状を成している。
細分化して説明すると縁壁420は、z方向で離間して並ぶ上縁壁421と下縁壁422、および、y方向で離間して並ぶ前縁壁423と後縁壁424を有する。x方向まわりの周方向で上縁壁421、後縁壁424、下縁壁422、前縁壁423が順に連結されている。
上縁壁421はz方向の厚さの薄い平板形状を成している。そのために上縁壁421はx方向に面する平面の形状が直線形状を成している。これに対して下縁壁422は一部がz方向に屈曲した形状を成している。そのために下縁壁422はx方向に面する平面の形状がクランク形状を成している。
細分化して説明すると、下縁壁422は、前縁壁423側の第2凹壁422a、後縁壁424側の第2離間壁422b、および、第2凹壁422aと第2離間壁422bとの間に位置する第2連結壁422cを有する。
第2凹壁422aは前縁壁423から第2連結壁422cに向かってy方向に延びている。第2離間壁422bは後縁壁424から第2連結壁422cに向かってy方向に延びている。これら第2離間壁422bと第2凹壁422aはz方向で離間している。第2連結壁422cはz方向に延びて第2凹壁422aと第2離間壁422bとを連結している。
第2凹壁422aはz方向において第2離間壁422bよりも上縁壁421側に位置している。そのために第2凹壁422aと上縁壁421との間の離間距離は、第2離間壁422bと上縁壁421との間の離間距離よりも短くなっている。
<第2雌部>
上縁壁421と下縁壁422それぞれの外側面には、x方向に沿って天板410から離間する態様で延びた第2雌部425が形成されている。本実施形態では、上縁壁421に第2雌部425が4つ形成されている。下縁壁422に第2雌部425が3つ形成されている。
より詳しく言えば、上縁壁421の前縁壁423側と後縁壁424側それぞれに第2雌部425が2つずつ形成されている。第2凹壁422aに第2雌部425が1つ形成され、第2離間壁422bに第2雌部425が2つ形成されている。
第2雌部425はz方向に開口する孔を有している。第2雌部425の中空にバスバケース310の第2雄部324が挿入される。これによって、カバー400がバスバケース310に組付け固定される。
この組付け固定状態で、第2凹壁422aに形成された第2雌部425と負極出力端子232とがy方向で離間している。第2離間壁422bに形成された2つの第2雌部425と正極出力端子233とがy方向で離間している。
<連通>
第2雌部425の中空に第2雄部324が挿入された状態で、第2雌部425の中空の一部が第2雄部324によって占有されている。第2雌部425の中空の一部が第2雄部324と枠部313の外側面とによって閉塞されている。
しかしながら第2雌部425の中空の一部は非占有状態となっている。第2雌部425の中空の一部はz方向に連通可能であり、非閉塞となっている。そのために第2雌部425の中空の非閉塞領域を介して、カバー400とバスバケース310との間の上部空間と外部空間とが積極的に連通可能になっている。
上縁壁421に形成された第2雌部425と下縁壁422に形成された第2雌部425とはz方向で離間して並んでいる。前縁壁423側、前縁壁423と後縁壁424との間、および、後縁壁424側それぞれで、上縁壁421に形成された第2雌部425と下縁壁422に形成された第2雌部425とがz方向で離間して並んでいる。このようにz方向で離間して並ぶことで対を成す2つの第2雌部425が3組形成されている。これら対を成す2つの第2雌部425の中空を介して、上部空間が外部空間と連通可能になっている。
上部空間には直列バスバ331、連結バスバ332、負極バスバ333、および、正極バスバ334が設けられている。第1バスバケース311の前板317側で並ぶ5個の直列バスバ331が1組目の対を成す2つの第2雌部425の間に位置している。第2バスバケース312の前板317側で並ぶ正極バスバ334、5個の直列バスバ331、および、連結バスバ332が2組目の対を成す2つの第2雌部425の間に位置している。第2バスバケース312の後板318側で並ぶ6個の直列バスバ331が3組目の対を成す2つの第2雌部425の間に位置している。
なお、対を成す2つの第2雌部425のy方向の位置は厳密には一致していない。対を成す2つの第2雌部425のy方向の位置は、これらの間に位置する複数のバスバのうちの任意の1つのy方向の幅程度離れていてもよい。
上縁壁421は下縁壁422に比べて鉛直方向の上方に設けられる。そのために下縁壁422の第2雌部425の中空から上部空間へと流入した冷たい空気は、複数のバスバと熱交換しながら上部空間を流動する。この熱交換によって昇温した空気は、上縁壁421の第2雌部425の中空を介して、上部空間の外へと排出される。
<切り欠き>
図1および図2に示すように第2凹壁422aには、第2凹壁422aを前縁壁423側と後縁壁424側とに分ける切り欠き422dが形成されている。この切り欠き422dに監視基板390の第2コネクタ393が設けられる。
第2コネクタ393のy方向の位置は、第2凹壁422aに形成された第2雌部425と電池ケース220に形成された負極出力端子232との間に位置している。y方向の位置が、第2コネクタ393、負極出力端子232、正極出力端子233の順になっている。
なお、天板410は電池ケース220よりもy方向の長さが短くなっている。図1に示すように、カバー400がバスバケース310に組付けられた状態で、第1配線ケース371と第2配線ケース372それぞれの第1通路部384がカバー400の外に位置している。カバー400はy方向において、第1配線ケース371の第1通路部384と第2配線ケース372の第1通路部384との間に位置している。
<作用効果>
図12に示すように、配線コネクタ373は負極出力端子232と正極出力端子233の設けられた下側壁224からz方向に離間した上側壁223側に位置している。複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれはこの配線コネクタ373に向かって延びている。
これによれば、複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれの下側壁224側に設けられる部位が少なくなる。そのため、下側壁224に設けられた負極出力端子232と正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれを透過しがたくなる。電力変換装置に接続される負極出力端子232と正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれを透過しがたくなる。この結果、電圧と温度の検出精度の低下が抑制される。
なお、電圧センサ352は各種バスバの電流経路から離間する態様で各種バスバから延びた導電延長部339に電気的に接続される。係る構成のため、電圧センサ352の電圧検出配線356に電流が流動しがたくなっている。したがって、電力変換装置のPWM制御などによって生じる電流ノイズが電圧検出配線356を流れることが抑制されている。電圧検出配線356が電磁ノイズの発生源となることが抑制されている。電圧を検出する構成においては、このように電流の流動を抑える構成が採用される。
複数の電圧検出配線356と温度検出配線354の他端側が配線コネクタ373の第1上部376(上側壁223)側に挿入される。これら複数の電圧検出配線356と温度検出配線354の他端側が配線コネクタ373の複数の接続ピンの第1上部376側に電気的に接続されている。
これによれば、複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれが負極出力端子232と正極出力端子233の設けられた下側壁224から遠ざかりやすくなる。そのために負極出力端子232と正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが複数の電圧検出配線356と温度検出配線354それぞれを透過することが抑制される。
第1バスバケース311と第2バスバケース312それぞれの上板315の外側面に、電池ケース220の収納空間のx方向への投影領域外に位置する配線台座320が連結されている。第1バスバケース311の配線台座320に第1上部376が設けられ、第2バスバケース312の配線台座320に第2上部380が設けられている。そして第1上部376と第2上部380それぞれの中空に電圧検出配線356と温度検出配線354が収納されている。
このように、これら検出配線における第1上部376と第2上部380に設けられた部位が、上板315(上側壁223)において、電池ケース220の収納空間のx方向への投影領域外に位置している。そのため、これら検出配線に負極出力端子232と正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが透過することが抑制される。
負極出力端子232は第1凹壁224aに設けられている。正極出力端子233は第1離間壁224bに設けられている。そのために負極出力端子232と正極出力端子233との間に絶縁性の第1離間壁224bと第1連結壁224cそれぞれの一部が位置している。また、これら負極出力端子232と正極出力端子233との間に、第1離間壁224bと第1連結壁224cだけではなく、絶縁性のバスバケース310とカバー400の一部も位置している。
これによれば、例えば外力の印加によって負極出力端子232と正極出力端子233のうちの一方が他方に向かって変位したとしても、両者の接触が抑制される。これにより負極出力端子232と正極出力端子233との短絡が抑制される。
特に、負極出力端子232と正極出力端子233とはz方向で離間している。そのため、例えば二輪自動車の走行方向(y方向)に沿う外力の印加によって負極出力端子232と正極出力端子233のうちの一方が他方に向かって変位したとしても、両者の接触が抑制される。
また、上記したように負極出力端子232は下側壁224の第1凹壁224aに設けられている。正極出力端子233は下側壁224の第1離間壁224bに設けられている。そのために負極出力端子232と正極出力端子233とのz方向での離間距離が短くなっている。負極出力端子232と正極出力端子233それぞれをワイヤハーネスと接続することが容易になっている。
y方向において、第2コネクタ393、負極出力端子232、および、正極出力端子233が順に並んでいる。このように第2コネクタ393が正極出力端子233から離れている。そのために正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが第2コネクタ393を透過することが抑制される。
例えば図6および図8に示すように、正極バスバ334の中継導電部338は負極バスバ333から離間する態様でy方向に延びている。この中継導電部338のy方向への延長の分、正極バスバ334の出力導電部337と負極バスバ333の出力導電部337とが離間している。これにより負極出力端子232と正極出力端子233との接触による短絡の発生が抑制される。
第2コネクタ393はz方向において第1凹壁224a側に位置している。そのためにワイヤハーネスにおける第2コネクタ393との接続部位が、凹空間229のx方向への投影領域に設けられる。これによりワイヤハーネスの接続部位に外力の作用することが電池パック100によって抑制される。
下縁壁422よりも上縁壁421は鉛直方向において上方に配置される。下縁壁422に形成された第2雌部425と上縁壁421に形成された第2雌部425とがz方向で離間して並んでいる。これら2つの第2雌部425それぞれの中空を介して、カバー400とバスバケース310との間の上部空間が外部空間と連通している。そしてこれら2つの第2雌部425の間に電池セル210と電気的に接続された複数のバスバが並んでいる。
これによれば、下縁壁422の第2雌部425から上縁壁421の第2雌部425へと向かう空気の流れが上部空間に発生しやすくなる。上部空間を流動する空気が複数のバスバそれぞれと熱交換しやすくなる。これにより複数のバスバそれぞれの昇温が抑制される。これら複数のバスバと連結された複数の電池セル210それぞれの昇温も抑制される。
下縁壁422に形成された第2雌部425は負極出力端子232と正極出力端子233それぞれとy方向で離間している。
これによれば、負極出力端子232と正極出力端子233で生じた熱によって温度上昇した空気が第2雌部425の中空を介して上部空間に流入することが抑制される。そのために上部空間に流入する空気と複数のバスバそれぞれとの温度差が縮まることが抑制される。これにより、複数のバスバそれぞれで生じた熱が上部空間の空気に放熱されがたくなることが抑制される。
これまでに説明したように、上部空間と外部雰囲気とを連通する中空が、カバー400とバスバケース310とを組付け固定するための第2雌部425に形成されている。これによればカバー400とバスバケース310それぞれの形状が簡素化される。
以上、本開示の好ましい実施形態について説明したが、本開示は上記した実施形態になんら制限されることなく、本開示の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
以下、図13〜図15に基づいて変形例を説明する。図13〜図15においては、電圧検出配線356と温度検出配線354のうちの電圧検出配線356のみを示している。温度検出配線354の延長方向は、電圧検出配線356と同等である。
(第1の変形例)
本実施形態ではz方向に延びる回路基板391の備える2つの端部のうちの上側壁223側の端部に第1コネクタ392が搭載される例を示した。しかしながら第1コネクタ392の回路基板391での搭載位置としては上記例に限定されない。
例えば図13と図14に示すように、負極出力端子232と正極出力端子233とが下側壁224に設けられている場合、第1コネクタ392はz方向において上側壁223側に位置していればよい。第1コネクタ392は、図13と図14において一点鎖線で示す第1凹壁224aと上側壁223との間の中心線CLよりもz方向において上側壁223側に位置していればよい。
図13と図14に示す変形例では、第1コネクタ392は回路基板391の備えるy方向の側部のうちの一方に搭載されている。図13に示す変形例では、回路基板391は第1電池スタック213に含まれる複数の電池セル210の第1端面210cの上方に設けられている。図14に示す変形例では、回路基板391は前側壁225の外側面に設けられている。図示しないが、回路基板391は底壁221の外底面に設けられてもよい。回路基板391の配置場所としては特に限定されない。
(第2の変形例)
本実施形態では電池パック100が2つの電池スタックを有する例を示した。しかしながら電池パック100は3つ以上の電池スタックを有してもよい。図15に3つの電池スタックを備える電池パック100を示す。なお図15では、符号の増大を抑えるために、3つの電池スタックそれぞれに同一の符号213を付与している。
図15に示す変形例では、y方向に並ぶ3つの電池スタック213のうちの両端の一方に位置する電池スタック213が負極出力端子232とz方向で並んでいる。他方に位置する電池スタック213が正極出力端子233とz方向で並んでいる。そしてy方向に並ぶ3つの電池スタック213のうちの中央に位置する電池スタック213に回路基板391が設けられている。
係る構成のため、回路基板391に設けられた第1コネクタ392および第1コネクタ392に接続される配線コネクタ373それぞれは、y方向において負極出力端子232および正極出力端子233それぞれと離間している。
このように配線コネクタ373がy方向で負極出力端子232および正極出力端子233と離間した構成を採用することもできる。係る構成においては、電圧検出配線356における配線コネクタ373の連結部位がy方向で負極出力端子232と正極出力端子233から離間する。そのために負極出力端子232と正極出力端子233を流れる電流から発生する電磁ノイズが電圧検出配線356を透過しがたくなる。
(その他の変形例)
なお、本実施形態と上記の変形例においては、電圧検出配線356が上側壁223に向かって延びた後に、上側壁223側でy方向に延びる例を示した。しかしながら、例えば、回路基板391とx方向で対向配置されない電池スタックや、負極出力端子232および正極出力端子233とz方向で並ばない電池スタックの上方で這いまわされる電圧検出配線356は、下側壁224側でy方向に延びてもよい。その後に電圧検出配線356は配線コネクタ373に向かってz方向に延びてもよい。
本実施形態で第1電池スタック213と第2電池スタック214の備える電池セル210の数の相違が2つである例を示した。すなわち、各電池スタックの備える電池セル210の数の相違が偶数である例を示した。しかしながら、各電池スタックの備える電池セル210の数の相違が奇数の構成を採用することもできる。
本実施形態では第1電池スタック213と第2電池スタック214の備える電池セル210の数が異なる例を示した。しかしながらこれら2つの電池スタックの備える電池セル210の数は同数でもよい。
本実施形態では複数の電池スタックが直列接続される例を示した。しかしながらこれら複数の電池スタックが並列接続される構成を採用することもできる。