JP2021135392A - 異方性色素膜及び光学素子 - Google Patents

異方性色素膜及び光学素子 Download PDF

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淳一 大泉
Junichi Oizumi
淳一 大泉
靖 志賀
Yasushi Shiga
靖 志賀
由紀 田中
Yuki Tanaka
由紀 田中
雅美 門脇
Masami Kadowaki
雅美 門脇
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Abstract

【課題】本発明は、色素を含有する高分子膜からなる異方性色素膜で、該色素が特定の構造を有することにより、前記課題を解決できることを見出し、優れた光学性能、特に十分な二色比を有し、耐熱性、耐光性に優れた異方性色素膜を提供することを目的とする。【解決手段】色素を含有する高分子膜からなり、該色素が遊離酸の形で下記式(1)にて表されるものである、異方性色素膜。(式(1)中、A1、A2及びA3は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す。A4は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。X1及びX2は、それぞれ独立に、イオン性基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、高分子膜からなる異方性色素膜、特に、調光素子、液晶素子(LCD)、及
び有機エレクトロルミネッセンス素子(OLED)の表示素子に具備される偏光膜等に有
用な、高い二色性を示し、耐熱性、耐光性に優れる異方性色素膜及び光学素子に関する。
LCDでは、表示における旋光性や複屈折性を制御するために、直線偏光膜及び円偏光
膜が用いられている。OLEDにおいても、明所での外光の反射防止のために円偏光膜が
用いられている。
従来、このような偏光膜として、たとえば、ポリビニルアルコール(以下、PVAと表
すことがある。)等の樹脂をヨウ素で染色し、分子を配列するために延伸した偏光膜が知
られている(特許文献1)。また、上記ヨウ素の代わりに色素で染色した偏光膜も知られ
ている(特許文献2)。
特開平1−105204号公報 特開平1−252904号公報
しかしながら、上記のヨウ素を用いた偏光膜は、使用環境によっては、ヨウ素が昇華し
たり、変質したりして、色目が変わってしまうといった問題や、PVAの延伸が緩和され
ることによる反りが発生するといった問題がある。
一方、上記の色素を用いた偏光板においては、偏光性能が得られ難く、さらなる性能の
向上が求められている。
上記の課題を鑑み、本発明は、優れた光学性能、特に十分な二色比を有し、耐熱性、耐
光性に優れる異方性色素膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、色素を含有する高分子膜からなる異方性色素膜で、該色素が特定の構造
を有することにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、以下を要旨とする。
[1]色素を含有する高分子膜からなり、
該色素が遊離酸の形で下記式(1)にて表されるものである、異方性色素膜。
Figure 2021135392
(式(1)中、
、A及びAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す

は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
及びXは、それぞれ独立に、イオン性基を表す。)
[2] 上記Aが、置換基を有していてもよいトリアジニル基である、[1]に記載の異方
性色素膜。
[3] 上記高分子膜が、ポリビニルアルコールを含むものである、[1]又は[2]に記載の
異方性色素膜。
[4] [1]〜[3]のいずれか1に記載の異方性色素膜を含む、光学素子。
本発明の異方性色素膜は、優れた光学性能、特に十分な二色比を実現でき、耐熱性、耐
光性に優れるものである。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定
されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。
本発明で言う異方性色素膜とは、異方性色素膜の厚み方向及び任意の直交する面内2方
向の立体座標系における合計3方向から選ばれる、任意の2方向における電磁気的性質に
異方性を有する色素膜である。電磁気学的性質としては、たとえば、吸収、屈折等の光学
的性質、抵抗、容量等の電気的性質が挙げられる。
吸収、屈折等の光学的異方性を有する膜としては、たとえば、直線偏光膜、円偏光膜等
の偏光膜、位相差膜、導電異方性色素膜が挙げられる。本発明の異方性色素膜は、偏光膜
、又は導電異方性色素膜として用いられることが好ましく、偏光膜に用いられることがよ
り好ましい。
[異方性色素膜]
本発明の異方性色素膜は、色素を含有する高分子膜からなり、該色素が遊離酸の形で式
(1)にて表されるものである。
本発明の異方性色素膜が、上述した効果を奏する理由は定かではないが、以下が考えら
れる。
異方性色素膜が高い二色比を有するための要因として、異方性色素膜の色素分子自体の
二色性が高いこと、マトリックスとなる高分子との相溶性がよいこと、高分子の分子配向
に応じて色素分子も配向すること等が挙げられる。式(1)で表される色素は、直線性の
高い異方的な分子構造であり、その構造に応じた高い電磁気学的異方性も有するために分
子自体の二色性が高くなる。また、芳香族複素環基、水酸基及びアミン結合を式(1)の
各位置に有することで高分子との間で分子間相互作用が働きやすくなる。加えて、イオン
性基も有することで色素分子に水溶性が適切に付与される効果も生じる。したがって、高
分子膜を構成する高分子との相溶性が良好になっている。
さらに、式(1)で表される色素は分子の長短軸比(長軸方向の長さと短軸方向の長さ
の比)が大きいため、高分子の配向に応じて色素分子も並びやすく、高い分子配向を取る
ことができる。
一方、耐光性、耐熱性に関しては、式(1)で表される色素は昇華や変質・分解が発生
しにくい傾向があり、ヨウ素を用いた偏光板に比べて、十分に良好な耐熱性、耐光性を示
すと考えられる。
本発明の異方性色素膜を液晶ディスプレイ用や、OLED用反射防止膜の偏光素子とし
て使う場合は、異方性色素膜の配向特性は二色比を用いて表すことができる。二色比は3
0以上が好ましい。また、二色比は高いほど好ましい。二色比が前記下限値以上であるこ
とで、後述する光学素子、特に偏光素子として有用である。
本発明で言う二色比(D)は、色素が一様に配向している場合、以下の式で表される。
D=Az/Ay
ここで、Azは異方性色素膜に入射した光の偏光方向が異方性色素の配向方向に平行な
場合に観測される吸光度であり、Ayは異方性色素膜に入射した光の偏光方向が垂直な場
合に観測される吸光度である。
それぞれの吸光度は同じ波長のものを用いれば特に制限はなく、目的によっていずれの
波長を選択してもよいが、異方性色素膜の配向の度合を表す場合は、異方性色素膜の38
0nm〜780nmの特定波長域に視感度で補正した値や、可視域の極大吸収波長におけ
る値を用いることが好ましい。
本発明の異方性色素膜の可視光波長域における透過率は、好ましくは25%以上であり
、35%以上がさらに好ましく、40%以上が特に好ましい。また、透過率は用途に応じ
た上限であればよい。たとえば、偏光度を高くする場合には、透過率は50%以下である
ことが好ましい。透過率が上記範囲であることで、後述する光学素子として有用であり、
特にカラー表示に用いる液晶ディスプレイ用や、異方性色素膜と位相差膜とを組み合わせ
た反射防止膜用の光学素子として有用である。
異方性色素膜の膜厚は、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、
さらに好ましくは1μm以上である。一方、好ましくは50μm以下、より好ましくは4
0μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。異方性色素膜の膜厚が上記範囲にあ
ることで、膜内で色素の均一な配向及び均一な膜厚を得られる傾向にある。
<高分子膜>
本発明の異方性色素膜を構成する高分子膜は、色素を含有すれば特に限定はされない。
高分子膜を構成する高分子としては、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹
脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられ
、これらの中でもポリビニルアルコール(PVA)が色素との親和性が高い材料として好ま
しい。
高分子膜は式(1)で表される色素及び高分子以外にも他の成分を含んでいてもよく、
例えばその他の色素、ヨウ素、添加剤等が挙げられる。
上記添加剤としては、染色助剤(具体的には、浅原照三編「新染料加工講座 第7巻
染色II」共立出版株式会社、1972年6月15日発行、233頁から251頁や山下雄
也、根本嘉郎共著「高分子活性剤と染色助剤の界面化学」株式会社誠文堂新光社、196
3年9月5日発行、94頁から173頁などに記載)、界面活性剤(アニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系のいずれも)、アルコール類、グリコール類、尿素、塩化ナトリウム、
ボウ硝等の無機塩等が挙げられる。上記添加剤の添加濃度は通常0.01重量%以上、1
0重量%以下が好ましい。
PVAは通常、ポリ酢酸ビニルをケン化したものであるが、例えば不飽和カルボン酸、
不飽和スルホン酸、オレフィン類、ビニルエーテル類のように酢酸ビニルと共重合可能な
成分を含有しても構わない。また、アセトアセチル基、スルホン酸基、カルボキシル基、
オキシアルキレン基等を含有する変性PVAも用いることができる。
PVAのケン化度は特に限定されないが、溶解性、偏光性、耐熱、耐湿性等の観点から
80〜100mol%が好ましく、90〜100mol%が特に好ましい。
また、PVAの重合度は特に限定されないが、フィルム強度や耐熱、耐湿性、延伸性な
どから800〜10000が好ましく、1000〜5000が特に好ましい。
PVAのシンジオタクチシチーについては特に限定されず、目的に応じ任意の値をとる
ことができる。延伸前のフィルムの厚みは特に限定されないが、フィルム保持の安定性、
延伸の均質性の観点から、1μm〜1mmが好ましく、20〜200μmが特に好ましい
高分子と色素の相互作用を制御する具体的手法としては、高分子と色素の各々にプロト
ン供与性の−OH,−NH,−NHR,−NHCO−,−NHCONH−などに対し、
プロトン受容性の−N=N−,−OH,−NH,−NRR′,−OR,−CN,−C≡
C−及びフェニル基やナフチル基などの芳香環を官能基として組み合わせることにより、
有効なものにすることができる(R及びR′は任意の置換基である)。さらに官能基の密
度を調整することで、二色性や染着性の向上に効果が得られる。
<色素>
本発明の異方性色素膜が含有する色素は、遊離酸の形で下記式(1)にて表される。
Figure 2021135392
(式(1)中、
、A及びAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す

は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
及びXは、それぞれ独立に、イオン性基を表す。)
(A、A及びA
、A及びAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基を表
す。特に限定されないが、分子直線性を高めるかつ分子長短軸比を大きくする観点から、
それぞれ1,4−フェニレン基であることが好ましく、A、A及びAすべてが1,
4−フェニレン基であることが好ましい。
、A及びAは、それぞれ独立に置換基を有していてもよい。特に限定されない
が、例えば水酸基、カルボキシ基、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置
換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基等が挙げられ
る。上記置換基の中でも高分子との相溶性の観点から、水酸基、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基が好ましく、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基がより好ましく、なかでもメ
チル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、置換基の位置は特に限定されないが、1置換基の場合は3位、5位又は6位、2置
換基の場合は3位と6位にあることが高分子との相溶性の観点から好ましい。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基が有していてもよい置換基も特に限定
されない。アルキル基、アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば水酸基
、カルホキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。アミノ基が有
していてもよい置換基としては、例えば水酸基、カルホキシ基、置換基を有していてもよ
いフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコ
キシ基などが挙げられる。
(A
は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。芳香族複素環基は特に限定さ
れず、単環もしくは縮合した芳香族複素環基である。置換基を除いた芳香族複素環基の炭
素数は2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がさらに好ましい。また、20
以下が好ましく、13以下がより好ましく、9以下がさらに好ましい。これらの範囲であ
ることで高分子との相溶性が良好となる傾向にある。縮合環の場合の環の数も特に限定さ
れないが、2以上が好ましく、5以下が分子長短軸比を大きくする観点で好ましい。
芳香族複素環基としては、フラニル基、ベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニ
ル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサジアゾリル基、インドリル基
、カルバゾリル基、ピロロイミダゾリル基、ピロロピラゾリル基、ピロロピロリル基、チ
エノピロリル基、チエノチエニル基、フロピロリル基、フロフラニル基、チエノフラニル
基、チエノチアゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、ベンゾ
イミダゾリル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリ
アジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シノリニル基、キノキサリニル基、フェナン
トリジニル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル基、キナゾリニル基、キナゾリノニル基
等の基が挙げられる。
これらの中でも、高分子との相溶性の観点から、窒素を含む芳香族複素環基が好ましく
、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基がより好ましく、トリアジニル基がさ
らに好ましい。
が有していてもよい置換基は特に限定されないが、例えば水酸基、カルボキシル基
、スルホ基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキ
シ基、置換基を有していてもよいアミノ基が挙げられる。上記置換基の中でも高分子との
相溶性の観点より、水酸基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していて
もよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基が好ましく、水酸基、置換基を
有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基がさらに好ましい。
また、置換基の位置は特に限定されないが、3位、4位、5位いずれか又は複数であるこ
とが、分子の長短軸比を大きくできる点、さらに高分子との相溶性を良好にする点から好
ましく、3位、5位いずれか又は複数であることがより好ましい。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基が有していてもよい置換基も特に限定
されない。アルキル基、アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、例えば水酸基
、カルホキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。アミノ基が有
していてもよい置換基としては、例えば水酸基、カルホキシ基、置換基を有していてもよ
いフェニル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコ
キシ基などが挙げられる。
(X及びX
及びXは、それぞれ独立に、イオン性基を表す。イオン性基とは酸又は塩基の存
在によりイオン化される基を意味し、塩を形成しているものも含まれる。具体的には、ス
ルホン酸基、スルホンイミド基、カルボン酸基、硫酸基、ホスホン酸基、リン酸基、アン
モニウム基又はそれらの塩である基などが挙げられる。上記の中でも高分子との相溶性が
良好である観点から、スルホン酸基、カルボン酸基又はそれらの塩である基が好ましく、
スルホン酸基又はそれらの塩である基がより好ましい。
塩としては、特に限定はされないが、例えば、ナトリウム塩、リチウム塩、マグネシウ
ム塩、カリウム塩、カルシウム塩、塩酸塩等が挙げられる。上記の中でもナトリウム塩、
リチウム塩が好ましい。
及びXは、同一でも異なっていてもよいが、同一であることが分子内の電離度を
揃えることができる観点から好ましい。
また、異なっている場合は、Xがカルボン酸基又はそれらの塩、Xがスルホン酸基
又はそれらの塩の組み合わせであることが高分子との相溶性が良好である理由で好ましい
(各置換基及びイオン性基の組み合わせ)
、A、A、A、X及びXは、それぞれ独立であり、特に組合せは限定さ
れない。例えば、Aが置換基を有していないフェニレン基、Aが置換基を有するフェ
ニレン基、Aが置換基を有するフェニレン基、Aが置換基を有する芳香族複素環基、
がスルホン酸基又はそれらの塩である基、Xがスルホン酸基又はそれらの塩である
基の組合せが好ましい。さらに、Aが置換基を有していないフェニレン基、Aがメチ
ル基及び/又はメトキシ基を有するフェニレン基、Aがメチル基及び/又はメトキシ基を
有するフェニレン基、Aが置換基を有する芳香族複素環基、Xがスルホン酸基又はそ
れらの塩である基、Xがスルホン酸基又はそれらの塩である基の組合せがより好ましい
。上記組合せであることで、高分子の相溶性が良好であり、且つ分子の長短軸比を大きく
できる傾向がある。
具体的には、式(1)として以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
Figure 2021135392
Figure 2021135392
Figure 2021135392
Figure 2021135392
本発明の式(1)で表される色素の分子量としては、580以上が好ましく、650以
上がより好ましく、750以上がさらに好ましく、1600以下が好ましく、1400以
下がより好ましく、1200以下がさらに好ましい。具体的には、本発明の異方性色素膜
に含有される色素の分子量としては、580〜1600が好ましく、650〜1400が
より好ましく、750〜1200がさらに好ましい。上記範囲であることで高分子との相
溶性が良好になり、分子の長短軸比も大きくなる傾向がある。
異方性色素膜における式(1)で表される色素が占める含有量としては、例えば、0.
05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.5重量%以上がさら
に好ましい。また、15重量%以下が好ましく、10重量%以下がより好ましく、5重量
%以下がさらに好ましい。上記範囲であることで十分な二色比及び吸光度が得られる傾向
にある。
式(1)で表される色素は、目的に応じて、1種で使用してもよく、複数種類併用して
もよい。
<その他>
本発明の異方性色素膜は、上記以外にも式(1)で表される以外の色素、ヨウ素などを
含んでいてもよい。
式(1)で表される以外の色素としては、アゾ系色素、キノン系色素(ナフトキノン系
色素、アントラキノン系色素等を含む。)、スチルベン系色素、シアニン系色素、フタロ
シアニン系色素、インジゴ系色素、縮合多環系色素(ペリレン系色素、オキサジン系色素
、アクリジン系色素等を含む。)等が挙げられる。これらの色素の中でも、分子長短軸比
が大きく、異方性色素膜中で高い分子配列をとり得るため、アゾ系色素が好ましい。
[異方性色素膜の製造方法]
異方性色素膜の作製方法としては、次の(a)〜(c)の方法などが挙げられる。
(a)延伸した高分子膜を、色素を含有する溶液等で染色する方法
(b)高分子膜を、色素を含有する溶液等で染色した後、延伸する方法
(c)高分子と色素を含有する溶液を、フィルム状に成膜した後に延伸する方法
異方性色素膜を形成する場合、例えば前記(a)〜(c)のいずれの方法においても、
色素を適当な溶剤に溶解して溶液として使用する。溶剤としては、水、水混和性のある有
機溶剤、或いはこれらの混合物が適している。有機溶剤の具体例としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のグリコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の
セロソルブ類、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性
溶剤等の単独又は2種以上の混合溶剤が挙げられる。
前記(a)〜(c)の方法における、染色及び成膜並びに延伸は、一般的な下記の方法
で行うことができる。
上記の溶液及び必要に応じて他の色素やヨウ素等の着色剤、塩化ナトリウム、ボウ硝等
の無機塩、界面活性剤等の染色助剤を加えた染浴中に、例えば、35℃以上80℃以下で
、10分以下、高分子膜を浸漬して染色し、次いで必要に応じてホウ酸処理し、乾燥する
。あるいは、高分子を水及び/又はアルコール、グリセリン、ジメチルホルムアミド等の
親水性有機溶媒に溶解し、色素溶液を添加して原液染色を行い、この染色原液を流延法、
溶液塗布法、押出法等により成膜して染色フィルムを作成する。
溶媒に溶解させる高分子の濃度としては、高分子の種類によっても異なるが、通常5重
量%以上、好ましくは10重量%以上程度で、通常30重量%以下、好ましくは20重量
%以下程度である。また、溶媒に溶解する色素の濃度としては、高分子に対して通常0.
1重量%以上、好ましくは0.8重量%以上程度で、通常5重量%以下、好ましくは2.
5重量%以下程度である。
上記の洗浴中での染色は一度又は複数回いずれで実施してもよい。複数回の染色する場
合には、洗浴は同じでもよいし、異なる洗浴を用いてもよい。異なる洗浴として、特に限
定はされないが、例えば、式(1)で表される色素及び必要に応じて他の色素やヨウ素等
の着色剤、塩化ナトリウム、ボウ硝等の無機塩、界面活性剤等の染色助剤を加えた洗浴、
式(1)で表される色素を含有せず、他の色素やヨウ素等の着色剤、塩化ナトリウム、ボ
ウ硝等の無機塩、界面活性剤等の染色助剤を必要に応じて含有する含有する洗浴も挙げら
れる。
上記のようにして染色及び成膜して得られた未延伸フィルムは、適当な方法によって一
軸方向に延伸する。延伸処理することによって色素分子が配向し、二色性が発現する。
一軸に延伸する方法としては、湿式法にて引っ張り延伸を行う方法、乾式法にて引っ張
り延伸を行う方法、乾式法にてロール間圧縮延伸を行う方法等があり、いずれの方法を用
いて行ってもよい。延伸倍率は2倍以上、9倍以下にて行われるが、高分子としてポリビ
ニルアルコール及びその誘導体を用いた場合は3倍以上、6倍以下の範囲が好ましい。
延伸配向処理したあとで、該延伸フィルムの耐久性向上と偏光度向上の目的でホウ酸処
理を実施する。ホウ酸処理により、異方性色素膜の光線透過率と偏光度が向上する。ホウ
酸処理の条件としては、用いる親水性高分子重合体及び色素の種類によって異なるが、一
般的にはホウ酸濃度としては、通常1重量%以上、好ましくは5重量%以上程度で、通常
15重量%以下、好ましくは10重量%以下程度である。また、処理温度としては通常3
0℃以上、好ましくは50℃以上で、通常80℃以下の範囲にあることが望ましい。ホウ
酸濃度が上記濃度以上、処理温度が上記温度以上であることで、処理効果が得られ、且つ
異方性色素膜の強度が維持される傾向にある。
上記の異方性色素膜の製造は、上記工程以外に、その他の工程を含み得る。その他の工
程としては、例えば、不溶化工程、架橋工程、乾燥(水分率の調節)工程等が挙げられる
。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行うことができる。
[光学素子]
本発明の光学素子は、本発明の異方性色素膜を含む。
本発明における光学素子は、光吸収の異方性を利用して、直線偏光、円偏光、楕円偏光
等を得る偏光素子、位相差素子、屈折異方性や伝導異方性等の機能を有する素子を表す。
これらの機能は、異方性色素膜形成プロセスと、基板や有機化合物(色素や透明材料)を
含有する組成物の選択により、適宜調整することができる。
本発明の光学素子は、偏光素子として用いることが最も好ましい。
本発明の光学素子は、基板上に塗布等により異方性色素膜を形成することで偏光素子を
得ることができるという点から、フレキシブルディスプレイ等の用途にも好適に使用する
ことができる。
光学素子は、異方性色素膜の機能を維持、向上させるために、他の層が設けられていて
もよい。たとえば、耐光性、耐熱性、耐水性等の耐久性を向上させるために用いる、特定
の波長を遮断する機能を有する層や特定物質を遮断する機能を有する層(酸素遮断フィル
ム、水蒸気遮断フィルムなどのバリアフィルム等);色域を変更したり、光学特性を向上
させたりするために用いる、波長カットフィルターや特定の波長を吸収する材料を含有す
る層;等が挙げられる。
[偏光素子]
本発明の偏光素子は、本発明の異方性色素膜を有するものであれば他の如何なる膜(層
)を有するものであってもよい。たとえば、基板上に配向膜を設け、配向膜の表面に、本
発明の異方性色素膜を形成することにより製造することができる。
また、偏光素子は異方性色素膜だけに限らず、偏光性能を向上させる、機械的強度を向
上させる等の機能を有するオーバーコート層;粘着層又は反射防止層;配向膜;位相差フ
ィルムとしての機能、輝度向上フィルムとしての機能、反射又は反射防止フィルムとして
の機能、半透過反射フィルムとしての機能、拡散フィルムとしての機能などの光学機能を
有する層;等、と組み合わせて使用してもよい。具体的には、前述の様々な機能を有する
層を塗布や貼合等により積層形成し、積層体として使用してもよい。
これらの層は、製造プロセス、特性及び機能に合わせ適宜設けることができ、その積層
の位置、順番等は特に限定されない。たとえば、各層を形成する位置は、異方性色素膜の
上に形成してもよく、異方性色素膜を設けた基板の反対面に形成してもよい。また、各層
を形成する順番は、異方性色素膜を形成する前でも形成した後でもよい。
これら光学機能を有する層は、以下の様な方法により形成することができる。
位相差フィルムとしての機能を有する層は、位相差フィルムを、偏光素子を構成する他
の層に塗布や貼合等を行うことにより形成することができる。位相差フィルムは、たとえ
ば、日本国特開平2−59703号公報、日本国特開平4−230704号公報等に記載
の延伸処理を施したり、日本国特開平7−230007号公報等に記載された処理を施し
たりすることにより形成することができる。
輝度向上フィルムとしての機能を有する層は、輝度向上フィルムを、偏光素子を構成す
る他の層に塗布や貼合等を行うことにより形成することができる。輝度向上フィルムは、
たとえば、日本国特開2002−169025号公報及び日本国特開2003−2903
0号公報に記載されるような方法で微細孔を形成することにより、又は、選択反射の中心
波長が異なる2層以上のコレステリック液晶層を重畳することにより形成することができ
る。
反射フィルム又は半透過反射フィルムとしての機能を有する層は、たとえば、蒸着やス
パッタリングなどで得られた金属薄膜を、偏光素子を構成する他の層に塗布や貼合等を行
うことにより形成することができる。
拡散フィルムとしての機能を有する層は、たとえば、偏光素子を構成する他の層に微粒
子を含む樹脂溶液をコーティングすることにより形成することができる。
位相差フィルムや光学補償フィルムとしての機能を有する層は、ディスコティック液晶
性化合物、ネマティック液晶性化合物、スメクチック液晶性化合物、コレステリック液晶
性化合物等の液晶性化合物を、偏光素子を構成する他の層に塗布して配向させることによ
り形成することができる。その際に、基板上に配向膜を設け、配向膜の表面に、位相差フ
ィルムや光学補償フィルムを形成してもよい。
本発明の異方性色素膜を、LCDやOLED等の各種の表示素子に異方性色素膜等とし
て用いる場合には、これらの表示素子を構成する電極基板等の表面に直接、本発明の異方
性色素膜を形成してもよいし、本発明の異方性色素膜を形成した基板を、これら表示素子
の構成部材として用いてもよい。
実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、
以下の実施例に限定されるものではない。
以下の記載において、「部」は「重量部」を意味する。
本実施例中、二色比は、プリズム偏光子を入射光学系に配した分光光度計で異方性色素
膜の透過率を測定した後、次式により計算した。
二色比(D)=Az/Ay
Az=−log(Tz)
Ay=−log(Ty)
Tz:色素膜の吸収軸方向の偏光に対する透過率
Ty:色素膜の偏光軸方向の偏光に対する透過率
実施例中の式(I−1)、(I−2)、(II−1)、(II−2)で表される色素は、
それ自体周知の方法(例えば、細田豊著「新染料化学」 昭和48年12月21日、技報
堂発行)に従って製造することができる。
(実施例1)
蒸留水100重量部に下記式(I−1)で表される色素のナトリウム塩0.15重量部
を加えて攪拌溶解し、染色液とした。三菱ケミカル株式会社製のポリビニルアルコールフ
ィルム(OPLフィルム)を、40℃のこの染色液に1分間浸漬して染色し、40℃の水浴
で余剰の染料を洗浄した後、40℃の4重量%ホウ酸水溶液中で6倍に延伸した。延伸後
、室温の水浴中で余剰のホウ酸を洗浄し、送風乾燥することで異方性色素膜を得た。
Figure 2021135392
この異方性色素膜の380〜780nmにおける最大吸収波長とその波長での二色比を
表1に記載する。この異方性色素膜の二色比は62と高い値を示すことがわかった。
(実施例2)
上記式(I−1)を下記式(I−2)のアゾ色素のナトリウム塩に変更した以外は実施
例1と同様に異方性色素膜を作成した。
Figure 2021135392
この異方性色素膜の380〜780nmにおける最大吸収波長とその波長での二色比を
表1に記載する。この異方性色素膜の二色比は59と高い値を示すことがわかった。
(比較例1)
上記式(I−1)を下記式(II−1)のアゾ色素のリチウム塩に変更した以外は実施
例1と同様に異方性色素膜を作成した。
Figure 2021135392
この異方性色素膜の380〜780nmにおける最大吸収波長とその波長での二色比を
表1に記載する。この異方性色素膜の二色比は27であった。
(比較例2)
上記式(I−1)を下記の式(II−2)のアゾ色素のナトリウム塩に変更した以外は
実施例1と同様に異方性色素膜を作成した。
Figure 2021135392
この異方性色素膜の380〜780nmにおける最大吸収波長とその波長での二色比を
表1に記載する。この異方性色素膜の二色比は29であった。
Figure 2021135392

Claims (4)

  1. 色素を含有する高分子膜からなり、
    該色素が遊離酸の形で下記式(1)にて表されるものである、異方性色素膜。
    Figure 2021135392
    (式(1)中、
    、A及びAは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニレン基を表す

    は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を表す。
    及びXは、それぞれ独立に、イオン性基を表す。)
  2. 上記Aが、置換基を有していてもよいトリアジニル基である、請求項1に記載の異方
    性色素膜。
  3. 上記高分子膜が、ポリビニルアルコールを含むものである、請求項1又は2に記載の異
    方性色素膜。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の異方性色素膜を含む、光学素子。
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