JP2021134306A - 繊維強化基材の製造方法およびシャッター羽根の製造方法 - Google Patents

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圭一郎 篠木
Keiichiro Shinoki
圭一郎 篠木
隆雄 小川
Takao Ogawa
隆雄 小川
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Abstract

【課題】反りが発生し難い繊維強化基材、および、精度の高いシャッター羽根を提供する。【解決手段】本発明の繊維強化基材の製造方法は、一方向に配向した強化繊維が熱可塑性樹脂に埋め込まれた第1のシート材1と、熱可塑性樹脂を含有する第2のシート材2とを準備する第1の工程と、強化繊維の配向方向を揃えた2つの第1のシート材1同士の間に、第2のシート材2を介在させた状態で、下側プレス型100に配置する第2の工程と、下側プレス型100に対して上側プレス型200を対向させ、下側プレス型100と上側プレス型200とを加熱しつつ互いに接近させることにより、第1のシート材1の熱可塑性樹脂および第2のシート材2の熱可塑性樹脂を溶融させて、2つの第1のシート材1および第2のシート材2を一体化して繊維強化基材3を得る第3の工程とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化基材の製造方法およびシャッター羽根の製造方法に関する。
従来の繊維強化基材は、一方向に配向した炭素繊維が、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂に埋め込まれたプリプレグを使用して製造されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−95202号公報
熱硬化性樹脂を使用する繊維強化基材の製造方法を図8に示す。繊維強化基材90は、プリプレグ91を複数積層し、熱プレスにより、熱硬化性樹脂を硬化させることにより製造される。
エポキシ樹脂を含むプリプレグ91は、タック性を有するため、台紙92に貼着され、さらに保護フィルム93で保護された状態の帯状の積層物99として流通している(図8(a)参照)。
まず、帯状の積層物99から3つの矩形状の積層物99を切り出す(図8(b)参照)。
次に、2つの積層物99からそれぞれ保護フィルム93を剥離し、プリプレグ91同士を貼り合わせる(図8(c)参照)。その後、一方の台紙92を剥離してプリプレグ91を露出させ、残りの積層物99から保護フィルム93が剥離されたプリプレグ91に貼り合わせる(図8(d)参照)。
次に、台紙92を除去して、3つのプリプレグ91が積層された積層体910を得、その両面側に、それぞれ離型フィルム94およびプレス板95をこの順に配置して、被プレス物96を得る(図8(e)参照)。
この被プレス物96を複数(例えば、20個)重ね合わせ、一括して、熱プレス機97で加熱および加圧する(図8(f)参照)。これにより、熱硬化性樹脂を硬化させる。
その後、離型フィルム94およびプレス板95を除去する(図8(g)参照)。これにより、繊維強化基材90を得る(図8(h)参照)。
かかる方法では、図8(b)〜(e)に示す工程を人手で行っており、生産性を高めるのに限界がある。また、3つのプリプレグ91を積層する際の位置精度が低い。
図8(f)に示す工程において、積層方向における位置の違いによって、プリプレグ91同士の間での熱履歴が大きく異なり、得られる繊維強化基材90に反りが発生し易い。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、反りが発生し難い繊維強化基材を効率よく製造可能な繊維強化基材の製造方法、および、特性に優れるシャッター羽根を製造可能なシャッター羽根の製造方法を提供することにある。
本願の例示的な発明は、一方向に配向した強化繊維が熱可塑性樹脂に埋め込まれた第1のシート材と、熱可塑性樹脂を含有する第2のシート材とを準備する第1の工程と、前記強化繊維の配向方向を揃えた2つの前記第1のシート材同士の間に、前記第2のシート材を介在させた状態で、一方のプレス型に配置する第2の工程と、前記一方のプレス型に対して他方のプレス型を対向させ、前記一方のプレス型と前記他方のプレス型とを加熱しつつ互いに接近させることにより、前記第1のシート材の前記熱可塑性樹脂および前記第2のシート材の前記熱可塑性樹脂を溶融させて、2つの前記第1のシート材および前記第2のシート材を一体化して繊維強化基材を得る第3の工程とを有することを特徴とする繊維強化基材の製造方法である。
本願の他の例示的な発明は、シャッター羽根を製造する方法であって、本発明の繊維強化基材の製造方法により得られた繊維強化基材の表面に、遮光膜を形成する工程と、前記遮光膜が形成された前記繊維強化基材を、前記シャッター羽根の形状に加工して、前記シャッター羽根を得る工程とを有することを特徴とするシャッター羽根の製造方法である。
本願の例示的な発明によれば、反りが発生し難い繊維強化基材を提供することができる。また、本願の他の例示的な発明によれば、精度の高いシャッター羽根を提供することができる。
図1は、本発明の繊維強化基材の製造方法の第1実施形態を示す工程図である。 図2は、第1実施形態で使用可能な下側プレス型の他の構成例を示す平面図である。 図3は、本発明の繊維強化基材の製造方法の第2実施形態を示す工程図である。 図4は、第2実施形態で使用可能な下側プレス型の他の構成例を示す図((a)斜視図、(b)側面図、(c)平面図)である。 図5は、シャッター羽根の一例を示す斜視図である。 図6は、図5に示すシャッター羽根を用いて組み立てられたシャッターを示す模式的な平面図である。 図7は、図5に示すシャッター羽根の取付構造を示す斜視図である。 図8は、従来の繊維強化基材の製造方法を示す工程図である。
以下、本発明に係る実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の繊維強化基材の製造方法の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の繊維強化基材の製造方法の第1実施形態を示す工程図である。以下、図1中の上側を「上」または「上方」と言い、下側を「下」または「下方」と言う。
第1実施形態の繊維強化基材の製造方法は、図1に示すような、下側プレス型(一方のプレス型)100と、上側プレス型(他方のプレス型)200とを用いて実施される。
下側プレス型100は、プレス板101と、プレス板101の四隅に直立して設けられた4つのピン102と、ピン102同士の間にそれぞれ設けられた4つのスペーサ103とを備えている。なお、各ピン102の高さは、各スペーサ103の高さより大きい。
一方、上側プレス型200は、プレス板201と、プレス板201の四隅に設けられ、対応するピン102が挿入される4つの貫通孔202とを備えている。
下側プレス型100のピン102およびスペーサ103の内側に、複数の矩形状のシート材を配置すると、4つのピン102によりセンタリングされて、位置決めすることができる。すなわち、4つのピン102は、複数のシート材を位置決めする位置決め部として機能する。これにより、複数のシート材同士の位置ずれを防止して、より寸法精度の高い繊維強化基材3を得ることができる。なお、かかる操作は、本発明で使用するシート材がタック性を示さないため実施できる操作である。
複数のシート材を下側プレス型100に配置した状態で、下側プレス型100に対して上側プレス型200を対向させ、貫通孔202にピン102を挿入することにより、下側プレス型100と上側プレス型200とを組み立てて、組立体300とする。
この組立体300は、後述するように、この状態で熱プレスされる。このとき、下側プレス型100と上側プレス型200とが互いに接近するが、上側プレス型200(プレス板201)がスペーサ103に接触すると、それ以上の接近(移動)が制限される。すなわち、スペーサ103は、下側プレス型100と上側プレス型200との間の最小離間距離を規定する規定部として機能する。これにより、目的とする厚さの繊維強化基材3をより確実に製造することができる。
第1実施形態(後述する第2実施形態でも同様)において、第1のシート材1および第2のシート材2は、同様の構成を有している。したがって、第1のシート材1と第2のシート材2とを特に区別しない場合、本明細書中では、これらを総称して「シート材」と記載する。
シート材は、一方向に配向した強化繊維が、熱可塑性樹脂に埋め込まれて構成されている。
強化繊維としては、例えば、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミックス繊維、金属繊維、セルロース繊維等が挙げられる。中でも、軽量で強度が高いことから、PAN系炭素繊維またはピッチ系炭素繊維が好ましい。
強化繊維の平均繊維径は、1〜20μm程度であることが好ましく、5〜10μm程度であることがより好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアリレート、アイオノマー、液晶ポリマー、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。中でも、強化繊維に十分に浸透させ得るとともに、耐衝撃性に優れた薄いシート材が得られることから、ポリカーボネートが好ましい。
強化繊維に熱可塑性樹脂を浸透させる方法は、これに限られず、例えば、熱可塑性樹脂を溶融させ、溶融状態の熱可塑性樹脂を強化繊維に浸透させてもよい。具体的には、熱可塑性樹脂のフィルムと強化繊維とを積層して、加熱加圧することにより熱可塑性樹脂を強化繊維に含侵させる方法(film stacking法)、熱可塑性樹脂の粉末を強化繊維に付着させた後、熱可塑性樹脂を溶融させて強化繊維に含侵する方法(powder法)、熱可塑性樹脂の繊維と強化繊維とを混合した後、熱可塑性樹脂を溶融させて強化繊維に含侵させる方法(commingled yarn法)、組紐技術により強化繊維を熱可塑性樹脂の繊維で覆った後、熱可塑性樹脂を溶融させて強化繊維に含侵させる方法(micro-braiding法)等が挙げられる。
また、熱可塑性樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、8000〜26000程度であることが好ましく、10000〜20000程度であることがより好ましい。かかる重量平均分子量の熱可塑性樹脂は、強化繊維により確実に浸透させることができる。
シート材の平均厚さは、50μm以下であるのが好ましく、20〜40μm程度であることがより好ましい。かかる厚さのシート材を用いることにより、十分に薄い繊維強化基材を得ることができる。
かかるシート材は、熱硬化性樹脂ではなく、熱可塑性樹脂を含むため、タック性を有しない。したがって、シート材に対して、台紙、保護フィルム等を貼着する必要がない。
また、シート材は、通常、ロール状で保管され、繊維強化基材3の製造に先立って、図1(a)に示すように、所定の長さに切断される。これにより、第1のシート材1および第2のシート材2が得られる(第1の工程)。
次に、図1(b)に示すように、強化繊維の配向方向を0°方向に揃えた2つの第1のシート材1同士の間に、強化繊維の配向方向を90°方向とした第2のシート材2を介在させた状態で、下側プレス型100のピン102およびスペーサ103の内側に配置する(第2の工程)。
なお、「0°方向」とは、得られる繊維強化基材3から作製されたシャッター羽根10の長手方向に対応する。
このとき、第1のシート材1および第2のシート材2は、4つのピン102によりセンタリングされて、位置決めされる。
次に、図1(c)に示すように、下側プレス型100に対して上側プレス型200を対向させ、貫通孔202にピン102を挿入する。これにより、下側プレス型100と上側プレス型200とを組み立てて、組立体300とする。
次に、この組立体300を熱ブレス機400にセットし、組立体300を加熱および加圧する(第3の工程)。これにより、下側プレス型100と上側プレス型200とが加熱されつつ互いに接近して、第1のシート材1および第2のシート材2が加熱されるとともに加圧される。そして、第1のシート材1の熱可塑性樹脂および第2のシート材2の熱可塑性樹脂を溶融させた後、冷却して、2つの第1のシート材1および第2のシート材2を一体化させる。これにより、繊維強化基材3が得られる。かかる構成は、繊維強化基材3の製造工程の自動化に寄与する。
熱可塑性樹脂の融点をX[℃]としたとき、加熱の温度は、特に限定されないが、X+5〜X+20℃程度であることが好ましく、X+10〜X+15℃程度であることがより好ましい。かかる温度で加熱を行えば、第1のシート材1および第2のシート材2の劣化を防止しつつ、これらの一体化を促進することができる。
なお、溶融した熱可塑性樹脂の冷却は、自然冷却によって行ってもよく、強制冷却によって行ってもよい。
冷却を強制冷却により行う場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg[℃]としたとき、冷却温度は、Tg−5〜Tg−20℃程度であることが好ましく、Tg−10〜Tg−15℃程度であることがより好ましい。かかる温度で冷却を行えば、熱可塑性樹脂の結晶化を促進して、繊維強化基材3の機械的強度をより向上させることができる。
また、このとき、上側プレス型200(プレス板201)がスペーサ103に接触すると、それ以上の接近が制限される。これにより、繊維強化基材3の厚さを調整することができる。
繊維強化基材3の平均厚さは、50〜150μm程度であることが好ましく、70〜120μm程度であることがより好ましい。したがって、スペーサ103の高さは同程度に設定される。
次に、組立体300を熱ブレス機400から取り出した後、下側プレス型100と上側プレス型200とを分離する(図1(e)参照)。これにより、繊維強化基材3を回収する(図1(f)参照)。
以上のような製造方法によれば、シート材に熱可塑性樹脂を使用するため、複数のシート材を一括して一体化することができる。したがって、得られる繊維強化基材3の厚さ方向において熱履歴のムラが生じるのを防止することができる。その結果、繊維強化基材3の反りの発生を低減または防止することができる。また、表面平滑性の高い繊維強化基材3を得ることもできる。
また、熱硬化性樹脂を使用する従来のシート材に比べて、シート材自体がタック性を有しないため、人手で行っていた工程を自動化することができ、繊維強化基材の製造の効率を飛躍的に高めることができる。
なお、図1に示す構成においては、下側プレス型100がピン(位置決め部)を備えていたが、上側プレス型200がピン(位置決め部)を備えていてもよく、下側プレス型100および上側プレス型200の双方がピン(位置決め部)を備えていてもよい。
また、図1に示す構成においては、下側プレス型100がスペーサ(規定部)を備えていたが、上側プレス型200がスペーサ(規定部)を備えていてもよく、下側プレス型100および上側プレス型200の双方がスペーサ(規定部)を備えていてもよい。
また、ピン102の数は、4本に限らず、5本以上であってもよい。例えば、図2に示すように、ピン102の数を8本とすることができる。図2は、第1実施形態で使用可能な下側プレス型100の他の構成例を示す平面図である。図2の構成では、プレス板101の四隅のそれぞれに、一組のピン102の間に第1のシート材1および第2のシート材2の角部が位置するように、8本のピン102が配置されている。
<第2実施形態>
次に、本発明の繊維強化基材の製造方法の第2実施形態について説明する。
図3は、本発明の繊維強化基材の製造方法の第2実施形態を示す工程図である。以下、図3中の上側を「上」または「上方」と言い、下側を「下」または「下方」と言う。
以下、第2実施形態の繊維強化基材の製造方法について説明するが、上記第1実施形態の繊維強化基材の製造方法との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の繊維強化基材の製造方法では、プレス型の構成および組立体300の加熱および加圧の方法が異なる以外は、上記第1実施形態の繊維強化基材の製造方法と同様である。
第2実施形態の繊維強化基材の製造方法は、図3に示すような、下側プレス型(一方のプレス型)100と、上側プレス型(他方のプレス型)200とを用いて実施される。
下側プレス型100は、プレス板101と、プレス板101の2つの辺に沿って配置され、対向する4組(合計で8つ)のピン102とを備えている。
一方、上側プレス型200は、対向配置された2つのピン102同士の離間距離より若干狭い幅を有するプレス板201で構成されている。
下側プレス型100のピン102の内側に、複数の矩形状のシート材を配置すると、8つのピン102によりセンタリングされて、位置決めすることができる。すなわち、8つのピン102は、複数のシート材を位置決めする位置決め部として機能する。これにより、複数のシート材同士の位置ずれを防止して、より寸法精度の高い繊維強化基材3を得ることができる。なお、かかる操作は、本発明で使用するシート材がタック性を有しないため実施できる操作である。
複数のシート材を下側プレス型100に配置した状態で、下側プレス型100に対して上側プレス型200を対向させ、ピン102同士の間に配置することにより、下側プレス型100と上側プレス型200とを組み立てて、組立体300とすることができる。
第2実施形態では、下側プレス型100と上側プレス型200との加熱および接近は、それらを一対の加熱ローラ500同士の間を通過させることにより行われる。これにより、下側プレス型100と上側プレス型200とが加熱されつつ互いに接近して、第1のシート材1および第2のシート材2が加熱されるとともに加圧される。そして、第1のシート材1の熱可塑性樹脂および第2のシート材2の熱可塑性樹脂を溶融させた後、冷却して、2つの第1のシート材1および第2のシート材2を一体化させる。これにより、繊維強化基材3が得られる。かかる構成は、繊維強化基材3の製造工程の自動化に寄与する。
熱可塑性樹脂の融点をX[℃]としたとき、加熱の温度(加熱ローラ500の表面温度)は、特に限定されないが、X+5〜X+20℃程度であることが好ましく、X+10〜X+15℃程度であることがより好ましい。かかる温度で加熱を行えば、第1のシート材1および第2のシート材2の劣化を防止しつつ、これらの一体化を促進することができる。
また、本実施形態では、一対の加熱ローラ500同士の間の距離を調整することにより、得られる繊維強化基材3の厚さを制御するように構成されている。これにより、プレス型を加工することなく、簡単な構成で、繊維強化基材3の厚さの正確な制御が可能となる。
なお、溶融した熱可塑性樹脂の冷却は、自然冷却によって行ってもよいが、本実施形態では、一対の加熱ローラ500の下流に設けられた一対の冷却ローラ600により行われる。
この場合、熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTg[℃]としたとき、冷却温度(冷却ローラ600の表面温度)は、Tg−5〜Tg−20℃程度であることが好ましく、Tg−10〜Tg−15℃程度であることがより好ましい。かかる温度で冷却を行えば、熱可塑性樹脂の結晶化を促進して、繊維強化基材3の機械的強度をより向上させることができる。
また、一対の冷却ローラ600同士の間の距離は、好ましくは一対の加熱ローラ500同士の間の距離とほぼ等しく設定される。
なお、熱可塑性樹脂の溶融(加熱)には、複数対の加熱ローラ500を用いてもよく、冷却には、複数対の冷却ローラ600を用いてもよい。
また、図3に示す構成では、加熱ローラ500および冷却ローラ600の軸方向の長さは、対向配置された2つのピン102同士の離間距離(上側プレス型200の搬送方向と直交する方向の長さ)より大きいが、ほぼ等しく設定してもよい。
次に、この構成例について説明する。図4は、第2実施形態で使用可能な下側プレス型の他の構成例を示す図((a)斜視図、(b)側面図、(c)平面図)である。以下、図4(a)および(b)中の上側を「上」または「上方」と言い、下側を「下」または「下方」と言う。
図4に示す下側プレス型100は、プレス板101と、プレス板101の搬送方向の前方の辺および後方の辺のそれぞれに沿って2つずつ(合計で4つ)のピン102aと、プレス板101の搬送方向と平行な辺のそれぞれに沿って2つずつ(合計で4つ)のピン102bとを備えている。
下側プレス型100のピン102a、102bの内側に、複数の矩形状のシート材を配置すると、8つのピン102a、102bによりセンタリングされて、位置決めすることができる。
ピン102aの高さは、2つの第1のシート材1と第2のシート材2とを積層した合計の厚さより大きく、かつ、上側プレス型100を含めた全体の厚さより小さく設定される。
また、加熱ロール500および冷却ロール600の軸方向の長さは、対向配置された2つのピン102b同士の離間距離とほぼ等しいか、若干小さくなっている。
以上の構成により、ピン102a、102bが加熱ローラ500および冷却ローラ600と接触または干渉するのを防止して、第1のシート材1および第2のシート材2を加熱ローラ500により均一に加熱・加圧するとともに、冷却ローラ600により均一に冷却することができる。
なお、図示の構成では、ピン102bの高さは、2つの第1のシート材1、第2のシート材2および上側プレス型100の全体の厚さより大きくなっているが、ピン102aの高さとほぼ等しくてもよい。
以上のように製造された繊維強化基材3の表面に遮光膜を形成した後、遮光膜が形成された繊維強化基材3を、シャッター羽根の形状に加工することにより、シャッター羽根が得られる。すなわち、本発明のシャッター羽根の製造方法は、本発明の繊維強化基材の製造方法により得られた繊維強化基材3の表面に、遮光膜を形成する工程と、この遮光膜が形成された繊維強化基材3を、シャッター羽根10の形状に加工して、シャッター羽根10を得る工程とを有することを特徴とする。
かかるシャッター羽根10の製造方法によれば、精度の高いシャッター羽根10を得ることができる。
遮光膜は、例えば、カーボンブラック、グラファイト等を含有するコーティング材を用いて形成することができる。
加工の方法としては、例えば、打ち抜き加工、レーザー加工、ウォータージェット加工、カッティングプロッタによる加工等が挙げられる。
図5は、シャッター羽根の一例を示す斜視図である。図6は、図5に示すシャッター羽根を用いて組み立てられたシャッターを示す模式的な平面図である。図7は、図5に示すシャッター羽根の取付構造を示す斜視図である。
図5に示すシャッター羽根10は、細長い板状をなし、その一端部には、固定用の一対の連結孔20が形成されている。
図6に示すシャッターが有するシャッター基板11の中央部には、長方形状のシャッター開口12(一点鎖線で示す)が設けられている。
休止状態において、4枚のシャッター羽根10が互いに部分的に重なり合って配置された先羽根群が、シャッター開口12を遮蔽している。なお、図示しないが先羽根群の下方には後羽根群が重なって配置されている。
各シャッター羽根10の先端部は、羽根押え14によって不要な動きが制限されている。
また、シャッター基板11の左端部には、一組の主アーム15および従アーム16が互いに平行関係を保って回転自在に支持されている。
先羽根群を構成する各シャッター羽根10は、その先端部において一組の主アーム15および従アーム16に接続している。後羽根群を構成する各シャッター羽根10も、同様に図示しない一組のアームに接続している。
主アーム15には、長孔17が設けられており、主アーム15の回転に伴う長孔17の移動軌跡に沿って、長溝18がシャッター基板11に設けられている。なお、図示しないが、長孔17には、長溝18を介してシャッター基板11を貫通する駆動ピンが接続している。
図示しないシャッターレリースボタンを押すと、駆動ピンは、シャッター基板11に設けられた長溝18に沿って与えられた付勢力により上方に移動する。これに伴って長孔17において駆動ピンと接続している主アーム15およびこれと連動する従アーム16は、上方に回転する。この回転により先羽根群を構成する各シャッター羽根10は、上方に縦走り走行しシャッター開口12を開口する。
次いで、図示しない後羽根群を構成する各シャッター羽根10が縦走り走行し、シャッター開口12を遮蔽し露光が終了する。
ここで、各シャッター羽根10の一組の主アーム15および従アーム16への連結は、図7に示すように、主アーム15および従アーム16に形成された貫通孔19を介して、対応する連結孔20に連結ピン13を挿入することにより行われる。
ここで、各シャッター羽根10は、熱可塑性樹脂を含有して構成されているため、連結ピン13のピン部に周方向に沿った溝を形成しておけば、連結孔20付近を溶融変形させることにより、連結ピン13により確実に固定(連結)することができる。
以上、本発明の繊維強化基材の製造方法およびシャッター羽根の製造方法について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、シャッター羽根10の用途によっては、第2のシート材2には、強化繊維が含まれていなくてもよい。すなわち、第2のシート材2は、単なる樹脂シートで構成されていてもよい。
また、第2のシート材2の強化繊維の配向方向は、90°に限定されず、45〜135°程度としてもよい。すなわち、上記実施形態では、第2の工程において、第2のシート材2の強化繊維の配向方向を、第1のシート材1の強化繊維の配向方向と交差させることが好ましい。
1 第1のシート材
2 第2のシート材
3 繊維強化基材
10 シャッター羽根
11 シャッター基板
12 シャッター開口
13 連結ピン
14 羽根押え
15 主アーム
16 従アーム
17 長孔
18 長溝
19 貫通孔
20 連結孔
100 下側プレス型
101 プレス板
102、102a、102b ピン
103 スペーサ
200 上側プレス型
201 プレス板
202 貫通孔
300 組立体
400 熱プレス機
500 加熱ローラ
600 冷却ローラ
90 繊維強化基材
91 プリプレグ
910 積層体
92 台紙
93 保護フィルム
94 離型フィルム
95 プレス板
96 被プレス物
97 熱プレス機

Claims (8)

  1. 一方向に配向した強化繊維が熱可塑性樹脂に埋め込まれた第1のシート材と、熱可塑性樹脂を含有する第2のシート材とを準備する第1の工程と、
    前記強化繊維の配向方向を揃えた2つの前記第1のシート材同士の間に、前記第2のシート材を介在させた状態で、一方のプレス型に配置する第2の工程と、
    前記一方のプレス型に対して他方のプレス型を対向させ、前記一方のプレス型と前記他方のプレス型とを加熱しつつ互いに接近させることにより、前記第1のシート材の前記熱可塑性樹脂および前記第2のシート材の前記熱可塑性樹脂を溶融させて、2つの前記第1のシート材および前記第2のシート材を一体化して繊維強化基材を得る第3の工程とを有することを特徴とする繊維強化基材の製造方法。
  2. 前記第2のシート材は、さらに、前記熱可塑性樹脂に埋め込まれ、一方向に配向した強化繊維を含有し、
    前記第2の工程において、前記第2のシート材の前記強化繊維の配向方向を、前記第1のシート材の前記強化繊維の配向方向と交差させる請求項1に記載の繊維強化基材の製造方法。
  3. 前記一方のプレス型および前記他方のプレス型の少なくとも一方は、前記第1のシート材と前記第2のシート材とを位置決めする位置決め部を備える請求項1または2に記載の繊維強化基材の製造方法。
  4. 前記一方のプレス型および前記他方のプレス型の少なくとも一方は、それらの最小離間距離を規定する規定部を備える請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化基材の製造方法。
  5. 前記第3の工程において、前記一方のプレス型と前記他方のプレス型との加熱および接近は、それらを熱プレス機により加圧することにより行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化基材の製造方法。
  6. 前記第3の工程において、前記一方のプレス型と前記他方のプレス型との加熱および接近は、それらを少なくとも一対の加熱ローラ同士の間を通過させることにより行われる請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化基材の製造方法。
  7. 前記第3の工程において、前記少なくとも一対の加熱ローラ同士の間の距離を調整することにより、得られる前記繊維強化基材の厚さを制御する請求項6に記載の繊維強化基材の製造方法。
  8. シャッター羽根を製造する方法であって、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化基材の製造方法により得られた繊維強化基材の表面に、遮光膜を形成する工程と、
    前記遮光膜が形成された前記繊維強化基材を、前記シャッター羽根の形状に加工して、前記シャッター羽根を得る工程とを有することを特徴とするシャッター羽根の製造方法。

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