JP2021134303A - ハードコート樹脂及びハードコートフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスプレイの保護フィルムとして用いてもぎらつきが少なく視認性が良好で、高硬度でありながらカールが非常に小さい、光硬化性のHC樹脂及びそれを用いたHCフィルムを提供する。【解決手段】エチレングリコール骨格多官能(メタ)アクリレートと、表面被覆されたナノシリカと、光重合開始剤と、を含み、前記ナノシリカの表面被覆がアクリロイル基被覆およびアルコキシ基被覆の2種類を含むことを特徴とするハードコート樹脂組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性のハードコート樹脂組成物、及びそれを用いたハードコートフィルムに関する。
近年、表示装置と入力手段を兼ね備えたタッチパネルは幅広い分野で使用されているが、その代表例であるカーナビやスマートフォンなどは、画像の視認性を向上させるため、表面に微細な凹凸が形成された防眩性フィルムを用い、蛍光灯や太陽光などの反射光を散乱させることで映り込みを目立たなくしている。
出願人はこうした用途に用いることが可能な防眩フィルムとして、過去に多官能(メタ)アクリレートと特定構造のフッ素変性樹脂と透光性微粒子と2種類以上のレベリング剤を含む樹脂組成物を硬化させた防眩性フィルムを発明している(特許文献1)。この発明は、指紋がつきにくく外光の光が乱反射しにくいため、視認性が非常に良好な優れたものであった。しかしながら、従来のディスプレイと比較し、ピクセル数が大幅に増加した高精細なディスプレイの場合は、従来の防眩フィルムを用いると、映像光の乱反射に起因するちらつき(シンチレーション現象)が顕著になり、画像の視認性を著しく損なうという課題が明らかになってきた。
またこうした視認性の向上対応に加え、ハードコート(以下HC)表面の硬度をより高くするという要求もあり、バインダーモノマーを多官能化し架橋密度を上げたり、HC層を厚膜化する手法が取られる場合があった。しかしながら、HCフィルムの基材厚みが薄くなるにつれて、HC層の硬化収縮の影響が顕著となり、カールが発生し加工工程で不具合が発生しやすくなるという課題があり、視認性の向上と低カールを両立させるには改善の余地があった。
特許第5602999号公報
本発明の課題は、高精細なディスプレイの保護フィルムとして用いた場合でも、ちらつきが少なく視認性が非常に良好で、高硬度でありながらカールが非常に小さい、光硬化性のHC樹脂及びそれを用いたHCフィルムを提供することにある。
上記課題を解決するため本出願に係る請求項1の発明は、エチレングリコール骨格多官能(メタ)アクリレート(A)と、表面被覆されたナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)と、を含み、前記(B)の表面被覆がアクリロイル基被覆(b−1)およびアルコキシ基被覆(b−2)の2種類を含むことを特徴とするハードコート樹脂組成物を提供する。
また請求項2の発明は、更に平均粒径が0.5〜5μmの疎水性シリカ(D)を含むことを特徴とする請求項1記載のハードコート樹脂組成物を提供する。
また請求項3の発明は、請求項1または2いずれか記載のハードコート樹脂組成物の硬化層を有することを特徴とするハードコートフィルムを提供する。
また請求項4の発明は、ハードコート層上に更に反射防止層を有することを特徴とする請求項3記載のハードコートフィルムを提供する。
本発明の樹脂組成物は、画像のちらつき感を抑制でき視認性が良好である同時に、鉛筆硬度が高く、またフィルム基材厚が薄くなってもカールが非常に小さいため、高精細なディスプレイ用のHCフィルムに用いるHC樹脂として有用である。
本発明について詳細に説明する。
本発明のHC樹脂組成物は、エチレングリコール骨格多官能(メタ)アクリレート(A)と、表面被覆されたナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)を含む。なお、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートとの双方を包含する。
本発明で使用するエチレングリコール骨格多官能(メタ)アクリレート(A)は、ハードコート皮膜を構成する主成分の一つであると共に、組成物の粘度を下げ、ナノシリカ(B)を分散させるバインダ−としての役割を担う。また(A)はエーテル結合点が多く可撓性があるため、硬化物のカールを抑制することができる。エチレングリコールの結合数としては2〜20が好ましく、4〜14が更に好ましい。この範囲とすることで、十分な硬度と低カール性を確保することができる。
前記(A)の全固形分における配合比率は5〜25重量%が好ましく、8〜20重量%が更に好ましい。5重量%以上とすることで硬化皮膜の低カール化が可能となり、25重量%以下とすることで十分な凝集力を確保することができる。
前記(A)に加え、バインダー樹脂として複数の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物を含むことが好ましい。例えばオリゴマーとしてはウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート(メタ)アクリレート、アクリル系(メタ)アクリレート、ジエン系(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、耐摩耗性や速硬化性などの点でウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。官能基数としては、硬化反応性と硬化収縮の点でバランスが取れた3〜10官能が好ましく、4〜8官能以上が更に好ましい。
上記オリゴマー以外のバインダー樹脂としては、多官能(メタ)アクリレートモノマーを用いても良い。例えば2官能では1.4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、4,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートが、3官能ではトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが、4官能でジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスルトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレートが、5官能ではジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが、6官能ではジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、単独あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、硬化物の分子量や硬化反応性の点でジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下DPHA)が好ましい。
前期(A)のその他バインダーを含めた全樹脂成分における配合比率は20〜70重量%が好ましく、25〜60重量%が更に好ましく、28〜55重量%が特に好ましい。20重量%以上とすることで十分なカールの低減効果を確保することができ、70重量%以下とすることで十分な硬化皮膜の硬度を確保できる。
本発明で使用する表面被覆されたナノシリカ(B)は、表面被覆がアクリロイル基被覆(b−1)およびアルコキシ基被覆(b−2)された2種類の疎水性ナノシリカを含む。これらの代わりに、表面被覆をしていないナノシリカを使用した場合は、フィルムに塗工したときに二次凝集によりブツが多発し、外観が悪化するため不可である。(B)の全固形分における配合量は45〜85重量%が好ましく、50〜80重量%が更に好ましい。
本発明で使用するアクリロイル基被覆されたナノシリカ(b−1)は硬化皮膜の鉛筆硬度アップを目的に配合する。表面のアクリロイル基がバインダーのアクリロイル基と強固に結合するため、塗膜表面からの脱落が抑制されることで表面硬度を向上させる。粒子径は1〜200nmが好ましく、5〜100nmが更に好ましく、10〜80nmが特に好ましい。1nm以上とすることで十分な鉛筆硬度を確保でき、200nm以下とすることで十分な全光線透過率を確保できる。なお平均粒子径は、JISZ8825−1に準拠したレーザー回折・散乱法により測定したメジアン径(d=50)とする。
前記(b−1)の(B)における配合比率は25〜85重量%が好ましく、30〜80重量%が更に好ましい。25重量%以上とすることで十分な鉛筆硬度を確保でき、85重量%以下とすることで画像のちらつきを抑えることが可能となる。市販の(b−1)としてはPGM−AC−2140Y(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径20nm)及びPGM−AC−4130Y(商品名:同社製、平均粒子径60nm)などがある。
本発明で使用するアルコキシ基被覆されたナノシリカ(b−2)は画像のちらつきを低減する目的で配合する。重量が低いため塗工時に沈みにくく表層近くに位置するが、粒子系が小さいため凹凸形状は微細となり、透過画像に対しちらつき感を生じさせない。表面のアルコキシ基はメトキシ基が好ましい。粒子径は1〜200nmが好ましく、5〜100nmが更に好ましく、10〜80nmが特に好ましい。1nm以上とすることで高精細な画像に対し十分なちらつき低減効果があり、200nm以下とすることで十分な全光線透過率を確保できる。
前記(B−2)の(B)における配合比率は15〜75重量%が好ましく、20〜70重量%が更に好ましい。15重量%以上とすることで十分なちらつき低減効果を確保でき、75重量%以下とすることで十分な鉛筆硬度を確保することが可能となる。市販の(b−2)としてはMEK-ST(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径20nm)、MEK-ST-L(商品名:同社製、平均粒子径60nm)などがある。
本発明で使用される光重合開始剤(C)は、紫外線や電子線などの照射でラジカルを生じ、そのラジカルが重合反応のきっかけとなるもので、ベンジルケタール系、アセトフェノン系、フォスフィンオキサイド系等汎用の光重合開始剤が使用できる。重合開始剤の光吸収波長を任意に選択することによって、紫外線領域から可視光領域にいたる広い波長範囲にわたって硬化性を付与することができる。具体的にはベンジルケタール系として2.2-ジメトキシ-1.2-ジフェニルエタン-1-オンが、α−ヒドロキシアセトフェノン系として1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オンが、α-アミノアセトフェノン系として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンが、アシルフォスフィンオキサイド系として2.4.6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド及びビス(2.4.6‐トリメチルベンゾイル)‐フェニルフォスフィンオキサイド等があり、単独または2種以上を組み合わせて使用できる。これらの中では、黄変しにくいα−ヒドロキシアセトフェノン系を含むことが好ましく、市販品としてはOmnirad184及び同2959(商品名:iGM社製、α−ヒドロキシアセトフェノン系)などがある。
前記(C)の光硬化樹脂成分100重量部に対する比率は、5〜20重量部が好ましく、8〜18重量部が更に好ましい。5重量部以上とすることで充分な硬化性が発現し、20重量部以下とすることで過剰添加とならず塗膜の黄変や保存性低下を防ぐことができる。
本発明の組成物には更に疎水性シリカ(D)を含むことが好ましい。(B)と比較し重いため塗工時に沈みやすく、塗膜内部で樹脂との屈折率差により透過光を乱反射させ、内部ヘイズの調整が可能となる。粒子径は0.5〜5μmが好ましく、1.0〜3.0μmが更に好ましい。この範囲とすることでチラツキを抑制しつつヘイズの調整が可能となり、高精細なディスプレイにも対応可能な防眩フィルムの作成が可能となる。
(D)の配合量は、要求されるヘイズ値により随時設定可能であるが、(B)との相乗効果により全固形分に対し2重量%程度の添加によりヘイズ値を15%程度まで調整可能である。また(B)100重量部に対する(D)の配合量は5重量部以下が好ましく、4重量部以下が更に好ましい。
また、本発明のハードコート樹脂には必要に応じて撥水化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、防曇剤、スリップ剤、抗菌剤等を添加してもよい。
本発明のHC樹脂組成物は、有機プラスチックフィルムへの塗工性を向上させるため、溶剤にて固形分が10〜70%に希釈される。溶剤としては、例えばエタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン(以下MEK)、メチルイソブチルケトン(以下MIBK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下PGM),ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ等のエーテル系溶媒等があげられ、単独あるいは2種類以上を組み合わせて使用できる。
本発明のHC樹脂が塗布される有機プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、アクリルフィルム、シクロオレフィン(コ)ポリマーフィルム等を例示することができる。
なかでも価格、加工性、寸法安定性などの点から二軸延伸処理されたポリエステルフィルムや、耐候性の点からアクリルフィルム、ポリカーボネートフィルムが好ましく用いられる。フィルムの厚みは概ね23μm〜250μmであればよい。
本発明のHC樹脂組成物を塗布する方法は、特に制限はなく、公知のスプレーコート、ロールコート、ダイコート、エアナイフコート、ブレードコート、スピンコート、リバースコート、グラビアコート、ワイヤーバーなどの塗工法またはグラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷などを利用できる。また乾燥膜厚は、0.5μm〜10μmが好ましい。
本発明のHC樹脂組成物を塗布した後は60〜120℃で乾燥し、紫外線照射機を用いて硬化させる。紫外線を照射する場合の光源としては例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、無電極紫外線ランプなどがあげられ、硬化条件としては500mW/cm〜3000mW/cmの照射強度で、積算光量として50〜2,000mJ/cmが例示される。また照射する雰囲気は空気中でもよいし、窒素、アルゴンなどの不活性ガス中でもよい。
本発明のHC樹脂層の上に低屈折率層を形成することで、反射防止機能を有する反射防止フィルムとすることができる。反射率を低くするためには、HC樹脂層と低屈折率層との屈折率差を大きくすれば良く、屈折率は1.45以下が好ましく、1.40以下が更に好ましい。低屈折率層を形成するための市販のコーティング剤としてはP−5062(商品名:日揮触媒化成社製、屈折率1.38)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例、比較例に基づき詳細に説明するが、具体例を示すものであって特にこれらに限定するものではない。また表記が無い場合は、室温は25℃、相対湿度65%の条件下で測定を行った。なお配合量は重量部を示す。
実施例1
(A)として9EG−A(商品名:共栄社化学社製、PEG400#ジアクリレート、N=4)を、(b−1)としてPGM−AC−2140Y(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径20nm、SiO量42%、PGM分散)を、(b−2)としてMEK-ST(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径20nm、SiO量30%、MEK分散)を、(C)としてOmnirad2959(商品名:iGM社製)を、(D)としてSS−50F(商品名:東ソー社製、疎水性シリカ、平均粒子径2.5μm)を、バインダーとしてウレタンアクリレート(6官能)を用い、固形分が30%となるよう希釈溶剤としてMIBKを配合し、表1記載の配合で均一に溶解分散するまで撹拌してHC樹脂組成物である実施例1を調整した。
実施例2〜10
実施例1で用いた材料の他、(A)として及び4EG−A(商品名:共栄社化学社製、PEG200#ジアクリレート、N=2)を、(b−1)としてPGM−AC−4130Y(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径60nm、SiO量30%、PGM分散)を、(b−2)として及びMEK-ST-L(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径60nm、SiO量30%、MEK分散)を、バインダーとしてDPHA(商品名:日本化薬社製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとペンタアクリレートの混合物)を用い、固形分が30%となるよう希釈溶剤としてMIBKを配合し、表1記載の配合で均一に溶解分散するまで撹拌してHC樹脂組成物である実施例2〜10を調整した。
比較例1〜5
実施例で用いた材料の他、表面未処理ナノシリカとしてPGM-ST(商品名:日産化学工業社製、平均粒子径20nm、SiO量30%、PGM分散)を用い、固形分が30%となるよう希釈溶剤としてMIBKを配合し、表1記載の配合で均一に溶解分散するまで撹拌してHC樹脂組成物である比較例1〜5を調整した。
HCフィルムの調整
A4サイズのポリエチレンテレフタレートフィルムU403(商品名:東レ社製、100μm、両面易接着層有り)に硬化時の膜厚が3μmとなるよう塗布し、恒温槽で80℃×1分乾燥後、フュージョンUVシステムジャパン製の無電極UV照射装置F300S/LC−6Bを用い、Hバルブで出力1200mW/cm2、積算光量200mJ/cm2で紫外線硬化させた。
反射防止フィルムの調整
上記で得られた実施例1のHCフィルムの上にP−5062(商品名:日揮触媒化成社製、低屈折率アクリル系コーティング剤)を膜厚が100nmとなるように塗布し、恒温槽で80℃×1分乾燥後、同上のUV照射装置を用い、Hバルブで出力1200mW/cm2、積算光量200mJ/cm2で紫外線硬化させた。
表1
Figure 2021134303
評価方法は以下の通りとした。
塗膜外観:上記で調整したHCフィルムの外観を目視で確認し、フラットで綺麗な仕上がりを○、表面ブツ等の異常がある場合を×とした。
ヘイズ(Hz):JIS K7361−1に準拠し、東洋精機製作所社製のHaze−GARD2を用い測定した。
カール:サンプルサイズ100mm×100mmのフィルムを平面板の上に載せ、4つの端の浮きの平均値を測定し、2mm以下を○、2mm超を×とした。
鉛筆硬度:JIS K5600−5−4(1999年版)に準拠し、東洋精機製作所製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(形式P)を用いて750g荷重で測定し、3H以上を○、3H未満を×とした。
高精細性:iPad(登録商標:アップル社製)に表示した緑色画面上にハードコートフィルムを配置し、目視にてチラツキが無い場合を○、ある場合を×とした。
最低反射率:塗工面とは反対面を紙やすりで擦り傷を付け、黒色顔料マーカーで塗りつぶし、更に黒色PETを貼り合せ反対面側の反射率を0%とする。その後HC面側を分光光度計にて380nm〜780nmの範囲で1nm毎に反射率をプロットし、最低の反射率を測定した。
評価結果
Figure 2021134303
実施例は塗膜外観、カール、鉛筆硬度、高精細性すべての面で問題はなく良好であった。またHC層上に低屈折率層を設けることで、最低反射率を低減でき、反射防止層を形成することができた。
一方、(b−2)を抜いた比較例1はちらつき感があると共にカールが大きく、(b−1)及び(b−2)の代わりに未処理ナノシリカを用いた比較例2及び4はブツが発生して塗膜外観が劣り、(b−1)を抜いた比較例3は鉛筆硬度が劣り、(A)を抜いた比較例5はカールが大きく、いずれも本願発明に適さないものであった。
本発明の樹脂組成物は、画像のちらつき感を抑制でき視認性が良好である同時に、鉛筆硬度が高く、またフィルム基材厚が薄くなってもカールが非常に小さいため、高精細なディスプレイ用のHCフィルムに用いるHC樹脂として有用である。


Claims (4)

  1. エチレングリコール骨格多官能(メタ)アクリレート(A)と、表面被覆されたナノシリカ(B)と、光重合開始剤(C)と、を含み、前記(B)の表面被覆がアクリロイル基被覆(b−1)およびアルコキシ基被覆(b−2)の2種類を含むことを特徴とするハードコート樹脂組成物。
  2. 更に平均粒径が0.5〜5μmの疎水性シリカ(D)を含むことを特徴とする請求項1記載のハードコート樹脂組成物。
  3. 請求項1または2いずれか記載のハードコート樹脂組成物の硬化層を有することを特徴とするハードコートフィルム。
  4. ハードコート層上に更に反射防止層を有することを特徴とする請求項3記載のハードコートフィルム。
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WO2023119823A1 (ja) * 2021-12-21 2023-06-29 Dic株式会社 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、積層体及び物品

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