JP2021133769A - シートスライド装置及び車両用シート - Google Patents
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Abstract
Description
1) 第1の方向に延在し、前記第1の方向に延びるスリットを有するレールと、
前記スリットを通して外部に突出する突出部を有すると共に前記第1の方向に往復移動可能なように前記レールに係合したスライダと、
前記レールにおいて、前記スリットを塞ぐ伏臥姿勢と、移動する前記突出部の通過を許容する起立姿勢との間で回動可能に支持され、前記第1の方向に並べて配置された複数のフラップと、
前記レールにおいて、前記複数のフラップそれぞれに対応して設けられ、各前記フラップを前記伏臥姿勢に向け回動付勢する複数の付勢部材と、
を備え、
前記フラップは、移動する前記突出部に当接して前記伏臥姿勢から前記起立姿勢に向け回動し、前記突出部が通過し当接が解除して前記起立姿勢から前記伏臥姿勢に復帰することを特徴とするシートスライド装置である。
2) 前記レールは、前記フラップの前記起立姿勢からの前記伏臥姿勢を越える回動を規制するフラップ支持部を有することを特徴とする1)に記載のシートスライド装置である。
3) 前記複数のフラップは、前記スリットに対する一方側と他方側とに交互に備えられていることを特徴とする1)又は2)に記載のシートスライド装置である。
4) 前記突出部と前記フラップとにおける互いに当接する部位の少なくとも一方は、前記第1の方向に対し傾斜していることを特徴とする1)〜3)のいずれか一つに記載のシートスライド装置である。
5) 1)〜4)のいずれか一つに記載のシートスライド装置と、
前記シートスライド装置の前記突出部に連結されたシートクッションと、
を備えた車両用シートである。
6) 前記シートクッションは、下部に、前記起立姿勢の前記フラップを前記伏臥姿勢の前記フラップよりも外部から見えにくくするよう囲うカバーを備えていることを特徴とする5)に記載の車両用シートである。
シートスライド装置91は、レール1,スライダ2,及び複数のフラップ3を有する。図1には、レール1の端部に強嵌合で取り付けられた前後一対のエンドキャップ4も記載されている。
レール1は、前後方向(第1の方向)に延在し、スライダ2を前後方向に往復移動可能に収容するレール基部12と、レール基部12の下縁部から左方及び右方にそれぞれ張り出した板状のフランジ部11L,11Rを有する。
例えば、シートスライド装置91が車両に搭載された場合、スライダ2は、上部に、車両用シートとしてのシートクッション92(図8参照)が連結されてシートクッション92と共に前後動する。
レール1において、フラップ3Lの群とフラップ3Rの群とは、山形形状の頂部が互いに対向する向きで前後方向に半ピッチずれて設置されている。各フラップ3は、自然状態での伏臥姿勢から起立方向に弾性回動可能に設置されている。
フラップ3Lの群とフラップ3Rの群とは、前後方向に半ピッチずれていることにより、伏臥姿勢の状態で、一方の外形の山−谷と他方の外形の谷−山とが組み合わされ、隙間がほとんど生じないようになっている。
エンドキャップ4は樹脂で形成され、レール1の端部に強嵌合ではめ込まれている。
まず、レール1について、図2及び図3を参照して詳述する。図2は、レール1の部分斜視図であり、図3は図2におけるS3−S3位置での断面図である。
図3に示されるように、レール1は、横断面形状として概ね矩形枠状に形成されたレール基部12と、レール基部12の下端から左方へ板状に張り出したフランジ部11Lと右方へ板状に張り出したフランジ部11Rとを有する。
フランジ部11L,11Rには、複数の貫通孔11aがそれぞれ形成されている。
また、レール基部12は、左側壁12bの上下方向の中央やや上方から中心線CL1に向かって右上方に延びるフラップ支持部13と、右側壁12cの上下方向の中央やや上方から中心線CL1に向かって左上方に延びるフラップ支持部14とを有する。
また、レール基部12は、左側壁12b及び右側壁12cの上端部からそれぞれ左方及び右方に張り出した左サイドガード12f及び右サイドガード12gを有する。
右側壁12cの上部とフラップ支持部14との間には、上方から下方に抉られた溝部12iが形成されている。
フラップ支持部13の先端とフラップ支持部14先端とは離隔して隙間15をもったスリット16とされている。
右側壁12cとフラップ支持部14との接続部分には、右上方に向け抉れた逃げ部12c3と、左右方向に平坦な面を有する上規制部12c2とが形成されている。
すなわち、レール1は、前後方向の長さL13のフラップ支持部13と、前後方向の長さL13cの切り欠き部13cが、ピッチPaで交互に形成されている。
ピッチPaは、長さL13と長さL13cとの和である。
すなわち、レール1は、前後方向の長さL14の複数のフラップ支持部14と、前後方向の長さL14cの複数の切り欠き部14cが、ピッチPaで交互に形成されている。
ピッチPaは、長さL14と長さL14cとの和でもある。
複数のフラップ支持部13及び複数のフラップ支持部14は、それぞれ同心かつ同内径の貫通孔13a及び貫通孔14aを有している。
図4に示されるように、フラップアッセンブリ3Aは、フラップ3,2本のシャフト31,及びねじりコイルばね32を有して構成されている。
山形基部3aは、延出部3b1,3b2側から先端に向かうに従って互いに接近する前縁3af及び後縁3arを有する。前縁3afと後縁3arは、前後に延びる後述の軸線CL3に平行な軸線CL3aに対し角度θ3aで傾斜して山形形状を形成している。角度θ3aは、例えば45°である。
下面3dには、前後方向に離隔して紙面手前側に突出する軸支持部3c1,3c2が形成されている。
軸支持部3c1,3c2には、それぞれ前後に延びる軸線CL3を共通の軸線とする貫通孔3c1a,3c2aが、同じ内径で形成されている。
基部31aは、貫通孔3c1a,3c2aの内径よりわずかに小さい外径の円柱状に形成されている。フランジ31bは、基部31aの一端部に形成され貫通孔3c1aの内径及びねじりコイルばねの外径のいずれの径よりも大きな外径を有する。ばね係合軸部31cは、外径がねじりコイルばね32の内径よりも小さい円柱状を呈し、ねじりコイルばね32の本体32c内に挿入可能である。
ねじりコイルばね32は、自然長がフラップ3の軸支持部3c1と軸支持部3c2との間の内法よりもわずかに小さく形成されている。
まず、二つのシャフト31のばね係合軸部31cを、それぞれねじりコイルばね32の本体32cに挿入して内嵌させる。
次いで、シャフト31を互いに近づくように軸方向に押してねじりコイルばね32を圧縮し、その圧縮状態のまま、シャフト31の基部31aを、フラップ3の軸支持部3c1,3c2の貫通孔3c1a,3c2aに内側から挿通する(矢印DRb参照)。
このようにして、シャフト31の基部31aがフラップ支持部13,14の貫通孔13a,14aに係合し、複数のフラップアッセンブリ3Aは、それぞれレール1に取り付けられる。
シートスライド装置91は、フランジ部11L,11Rの貫通孔11aにボルトBt1を通して床部材93にねじ締結される。
本体部21は、上方に突出する左右一対の上部ローラ21cを有する。上部ローラ21cは、スライダ2と一体化されたシートクッション92が何らかの理由で上方に持ち上げられた際に、レール基部12の上規制部12b2,12c2に当接すると共に転動して、スライダ2の上方の移動を規制すると共に滑らかな前後移動を支援する。
これにより、スライダ2が、レール基部12の内部で左右方向及び斜め上方向などに過剰に移動しようとしたときに、張り出し部21dが逃げ部12c3の内面に当接してその過剰な移動を規制する。
各図に示されるように突出部22は、前縁及び後縁が、上方に向かうに従って互いに接近するよう傾斜した傾斜縁部22bとなっている。
傾斜縁部22bの、水平面Hに対する傾斜角度である角度θcは、例えば45°である。この角度θcは45°に限定されない。
突出部22は、前カバー23f及び後カバー23rを有する。すなわち、突出部22の前傾斜縁部22bf及び後傾斜縁部22brには、摺動性に優れた樹脂(POMなど)で形成された前カバー23f及び後カバー23rが、それぞれ前傾斜縁部22bf及び後傾斜縁部22brの傾斜に沿い同じ角度θcをもって取り付けられている。
既述のように、フラップ3は、ねじりコイルばね32のねじり反発力によって起立姿勢から伏臥姿勢となる方向に回動付勢されている。すなわち、ねじりコイルばね32は、フラップ3を回動付勢する付勢部材である。
また、ねじりコイルばね32がフラップ3を付勢する回動トルクよりも、通常のシートスライド動作で移動する突出部22がフラップ3に付与する起立姿勢方向への回動トルクの方が十分大きくなるように設定されている。
また、突出部22によって持ち上げられていたフラップ3は、突出部22が通過した後、ねじりコイルばね32の付勢力によって元の伏臥姿勢に復帰する(図6:矢印DRd参照)。
フラップ3L,3Rの、伏臥姿勢でのそれぞれの左端部,右端部は、起立姿勢への回動時にそれぞれ溝部12h,12iに進入してその回動が許容される。
これにより、当接する2つの部材(フラップ3及びカバー23)の両方の当接角度が、相対移動方向である前後方向に対して直交した90°ではなく傾斜した角度となっている。そのため、フラップ3の起立姿勢方向への回動がより少ない押し上げ力で可能となり、作業者は、シートクッションのスライド操作を、より少ない力で行うことができる。従って、シートスライド装置91は、使い勝手がより良好となる。
詳しくは、スライダ2の移動に伴って、その突出部22との当接によって行われるフラップ3の回動による姿勢転換は、起立姿勢に向けた回動開始から伏臥姿勢への復帰完了までのすべての動作が、レッグカバー921の内側で行われるようになっている。
まず、図7及び図8に示される、フラップ3における一方の縁部(前縁3af)側の先端の位置P1と、他方の縁部(後縁3ar)の中心線CL12との交点の位置P2との間の前後方向距離を距離L3dとする。位置P2は、フラップ3において、後方側から前進するスライダ2の前カバー23fが当接する位置である。
距離L3dと距離L4との関係は、レッグカバー921の後端側についても同様である。
従って、シートスライド装置91は、伏臥姿勢のフラップ3に対し、回動するフラップ3が外部から視認されない、或いは視認されにくい状態になっており、外観品位が向上する。
各フラップ3同士の隙間は、微小の隙間となるように外形寸法及び公差が設定されているので、伏臥姿勢のフラップ3によってレール1のレール基部12におけるスリット16の隙間15は良好に塞がれ、隙間15は外部から実質的に視認できない。
シートスライド装置91は、フラップ3の列としてこの2列を備えるものに限定されず、左側及び右側のいずれか一方のみを有するものでもよい。この場合、フラップ3の形状は、先端細りの山形ではなく正方形又は長方形形状とする。これにより、フラップ3は、伏臥姿勢においてスリット16を良好に塞ぎ、かつスライダ2の傾斜縁部22b、又は、前カバー23f若しくは後カバー23rと当接した際に起立姿勢に回動して突出部22の通過を許容できる。
11L,11R フランジ部
12 レール基部
12a 底部
12b 左側壁
12b1 傾斜支持部
12b2 上規制部
12b3 逃げ部
12c 右側壁
12c1 傾斜支持部
12c2 上規制部
12c3 逃げ部
12f 左サイドガード
12g 右サイドガード
12h,12i 溝部
13,14 フラップ支持部
13a,14a 貫通孔
13c,14c 切り欠き部
15 隙間
16 スリット
2 スライダ
21 本体部
21b 下部ローラ
21c 上部ローラ
21d 張り出し部
22 突出部
22a 貫通孔
22b 傾斜縁部
22bf 前傾斜縁部
22br 後傾斜縁部
23f 前カバー
23r 後カバー
3,3L,3R フラップ
3A フラップアッセンブリ
3a 山形基部
3af 前縁
3ar 後縁
3b1,3b2 延出部
3c1,3c2 軸支持部
3c1a,3c2a 貫通孔
3d 下面
31 シャフト
31a 基部
31b フランジ
31c ばね係合軸部
32 ねじりコイルばね
32a 第1腕部
32b 第2腕部
32c 本体
4 エンドキャップ
91 シートスライド装置
92 シートクッション
921 レッグカバー
93 床部材
Bt1,Bt2 ボルト
CL1 中心線
CL3 軸線
H 水平面
L3d,L4 距離
L13,L13c,L14,L14c 長さ
Pa ピッチ
Pb 距離
P1〜P4 位置
θc,θ3a 角度
Claims (6)
- 第1の方向に延在し、前記第1の方向に延びるスリットを有するレールと、
前記スリットを通して外部に突出する突出部を有すると共に前記第1の方向に往復移動可能なように前記レールに係合したスライダと、
前記レールにおいて、前記スリットを塞ぐ伏臥姿勢と、移動する前記突出部の通過を許容する起立姿勢との間で回動可能に支持され、前記第1の方向に並べて配置された複数のフラップと、
前記レールにおいて、前記複数のフラップそれぞれに対応して設けられ、各前記フラップを前記伏臥姿勢に向け回動付勢する複数の付勢部材と、
を備え、
前記フラップは、移動する前記突出部に当接して前記伏臥姿勢から前記起立姿勢に向け回動し、前記突出部が通過し当接が解除して前記起立姿勢から前記伏臥姿勢に復帰することを特徴とするシートスライド装置。 - 前記レールは、前記フラップの前記起立姿勢からの前記伏臥姿勢を越える回動を規制するフラップ支持部を有することを特徴とする請求項1記載のシートスライド装置。
- 前記複数のフラップは、前記スリットに対する一方側と他方側とに交互に備えられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のシートスライド装置。
- 前記突出部と前記フラップとにおける互いに当接する部位の少なくとも一方は、前記第1の方向に対し傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のシートスライド装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシートスライド装置と、
前記シートスライド装置の前記突出部に連結されたシートクッションと、
を備えた車両用シート。 - 前記シートクッションは、下部に、前記起立姿勢の前記フラップを前記伏臥姿勢の前記フラップよりも外部から見えにくくするよう囲うカバーを備えていることを特徴とする請求項5記載の車両用シート。
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