JP2021132608A - 獣類用檻の連結構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】害獣の捕獲用檻と移送用檻との連通連結作業が簡単で、害獣の捕獲用檻から移送用檻への移動及び運搬作業が簡単、円滑、確実にできる安全な獣類用檻の連結構造を提供する。【解決手段】前面に侵入口を有し、侵入口に昇降自在の捕獲用扉を設けた捕獲用檻と、前面に害獣移送口を有し、当該害獣移送口に昇降自在の閉塞用扉を設けた移送用檻との侵入口と害獣移送口とを対向させ、各檻の捕獲用扉と閉塞用扉との間の中央に通過口を有した中間フレームを介して連通し、中間フレームの左右端部と捕獲用檻の左右端部とを、スペーサ部材を介在して連結し、スペーサ部材、捕獲用檻前面及び中間フレーム背面とにより形成される空間を、扉開閉時の取っ手の非干渉スペースとすると共に、スペーサ部材の外側面に配設した規制板を捕獲用檻の両側面に当接させてスペーサ部材の横ずれを規制し、両檻の側面、中間フレーム及び規制板の各側端部を緊締ワイヤで緊締連結した。【選択図】図1

Description

本発明は、イノシシ等の害獣の捕獲用檻と移送用檻との獣類用檻の連結構造に関する。
従来、イノシシ等の害獣の駆除については、猟銃による方法や捕獲檻による方法が用いられてきたが、猟銃による方法は銃規制の強化や猟師の高齢化等により免許所持者も減少してきているため、近年では捕獲檻を用いた方法が主流となっている。
人畜に対し有害な、例えば、イノシシなどの害獣を捕獲するために使用される道具としては箱状の網箱にトラップを仕掛けて網箱内で害獣を捕獲する箱罠や、害獣の足が地上面に仕掛けた踏板を踏むことによりループ状のワイヤが緊縮して当該足を捕縛するくくり罠の各罠構造が使用されている。
しかし、一旦捕獲用箱罠で捕獲した害獣は動物処分場所まで生きたまま搬送しなければならない法規制がされるようになってきた。そのために、別途用意した搬送用の小型の檻に移し替える作業が必要となる。
そこで、従来の捕獲害獣の小型の檻への移し替えは、捕獲用の箱罠の扉部分と搬送用の檻の扉部分とを対向させて接続し、互いの扉を開放して箱罠中で害獣を追い立てることにより歩行させて害獣自らが搬送用の檻に移動させる方法を取っていた。
しかし、このような方法では各檻の扉部分が害獣の移動中に離隔したり害獣が移動中に暴れて檻の金具等にぶつかって傷つくことにより捕獲害獣肉の商品価値を下げるばかりか、例えば、イノシシの突進力は極めて強烈なため、扉部分の離隔空間を突き破って外部に逃走し、また、作業者に不測の事故を生じる虞があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、害獣の捕獲用檻と移送用檻との連通連結作業が簡単で、害獣の捕獲用檻から移送用檻への移動が容易にでき、移送用檻に移した害獣の移送作業が容易であり、全体を通して作業が簡単、円滑、確実にできる安全な獣類用檻の連結構造である。
例えば、特許文献1では、殺処分用罠装置および捕獲動物の殺処分方法に関する技術が開示されている。
更に詳しくは、箱罠などで捕獲した害獣を、狭い空間に追い込み、暴れないように動きを制限して、手早く確実に殺処分することができる殺処分用罠装置および捕獲動物の殺処分方法に関するものである。
特許文献1に記載の殺処分用罠装置は、内部の捕獲空間に通じる落とし扉で開閉可能な入口を有する箱罠と、当該箱罠の前記入口の全体を封鎖するように前記入口より大きく形成されて、箱罠の落とし扉との間に落とし扉が昇降できる隙間を設けて着脱可能で、前記箱罠の前記入口に通じると共に、前記入口より小さい連通口を有する封鎖部材と、当該封鎖部材の前記連通口に着脱可能で、前記箱罠の捕獲空間より小さく、動物が暴れることができないように動きを制限する収容空間と、当該収容空間と前記入口を連通させる昇降する扉で開閉可能な通り口を有する誘導箱と、を備える殺処分用罠装置である。
当該特許文献1の記載によれば、殺処分用罠装置においては、誘導箱を封鎖部材に取り付ける際、各連結具を各受板に当接させ、固定用ロッドで固定されることにより、当封鎖部材と誘導箱の間に、誘導箱の通り口側格子扉が昇降できるようにする隙間(符号省略)が形成される。
前記封鎖部材は、箱罠の入口より縦横共にやや大きく形成されており、封鎖部材を箱罠の正面側(入口側)に取り付けることにより、連通口部分が開いてはいるが、格子部によって入口を実質的に封鎖することができる。
前記箱罠に対する封鎖部材の取り付けは、複数の緊締バンドによって行われる。緊締バンドは、バンドの両端にフックを有し、巻取機構を有する締付具によりバンドの長さを調節できる構造である。
特許文献2では、捕獲檻に関する技術が開示されている。
詳しくは、イノシシやシカなどの害獣を捕獲する捕獲檻であり、捕獲した害獣が捕獲檻内で暴れ回ることを防止し、捕獲率を高めることができるものである。
特許文献2に記載の捕獲檻は、第1の捕獲檻と第2の捕獲檻が連結部により連結されたものである。当該特許文献2の記載によれば、
第1の捕獲檻には、当該捕獲檻内に害獣を導入するための第1の前面開口部が形成され、この第1の前面開口部を開閉させる第1の扉部が設けられている。
第2の捕獲檻内には、当該捕獲檻を第1の空間部と第2の空間部に仕切るための仕切板部が回動自在に軸支されている。
仕切板部は第2のストッパー部により第2の天井面部に当接する位置で保持され、害獣が捕獲檻内のエサ取付部に接触したことを契機として、ストッパー解除部から第2のストッパー部が解除され、害獣を第1の空間部の狭い空間内に閉じ込めることができるものである。
特許第5893200号公報 特開2018−191573号公報
しかし、捕獲現場に設置して使用されている捕獲用檻は、害獣の侵入口の扉の寸法や取っ手の位置や高さ等がそれぞれ異なっており、また、捕獲用檻の種類によっては、害獣の侵入口の扉に脱出防止装置などが付いているものがある。
このため、特許文献1に記載されている殺処分用罠装置は、封鎖部材が前記取っ手や脱出防止装置などに当たって取り付ける際に邪魔になり、封鎖部材をうまく取り付けることができないという問題がある。また、封鎖部材をきちんと取付できないために、当該封鎖部材が捕獲用檻の扉や移送用檻の扉に干渉して前記扉をうまく開閉することができないという問題がある。
また、特許文献2に記載されている捕獲罠は、第1の背面開口部と、第2の前面開口部が対向した状態で、第1の捕獲檻と第2の捕獲檻を連結する連結部を有することにより、分割状態の第1の捕獲檻と第2の捕獲檻を強固に連結することができる。したがって、捕獲檻の運搬に際しては、第1の捕獲檻と第2の捕獲檻を別々に運搬し、設置場所において、簡単な組立作業により、第1の捕獲檻と第2の捕獲檻を連結して捕獲檻を設置することができるものである。
すなわち、当該捕獲罠は、捕獲檻と運搬用の檻を兼用するものである。
しかし、このような捕獲檻では、害獣を捕獲すると第1の捕獲檻若しくは第2の捕獲檻又はその両方の檻を運搬に使用することになる。そうすると、その間は捕獲しようとする捕獲現場に捕獲檻が無いことになるため、この間は害獣の捕獲をすることができず機会損失が発生するという問題がある。
しかも、害獣の動物処分場所への運搬が終わると、今度は当該空の捕獲檻を当該捕獲現場へ運搬し、設置し直さなければならないという問題がある。設置する捕獲現場が人里に近い場合はそれほど支障がないかもしれないが、害獣の出没する捕獲現場が人里よりも離れたところでは、当該空の捕獲檻を、山を分け入って担いで運ぶことになり、作業者に余分の作業負担をかけることになる。
そこで空の捕獲檻の行き来の運搬をやめるために、予備の捕獲檻を所持してローテーションすることも考えられるが、事業者には費用面でそのような余裕はない。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、害獣の捕獲用檻は現場に既設されている物を使用し、当該既設の害獣の捕獲用檻と移送用檻との連通連結作業が簡単で、害獣の捕獲用檻から移送用檻への害獣の移動が容易にでき、移送用檻に移した害獣の移送作業は当該移送用檻の運搬のみでよいため、移送作業が容易であり、全体を通して作業が簡単、円滑、確実にできる安全な獣類用檻の連結構造を提供する。
本発明に係る獣類用檻の連結構造は、
前面に侵入口を有し、侵入口に昇降自在の捕獲用扉を設けた捕獲用檻と、
前面に害獣移送口を有し、当該害獣移送口に昇降自在の閉塞用扉を設けた移送用檻とを侵入口と害獣移送口とに連通させて連結し、
各檻の捕獲用扉と閉塞用扉との間の中央に通過口を有した中間フレームを介在し、
中間フレームの左右端部と捕獲用檻の左右端部とを、その間にスペーサ部材を介在して連結し、スペーサ部材により形成される捕獲用檻前面と中間フレーム背面とにより形成される空間を捕獲用扉に突設した取っ手の扉開閉時の非干渉スペースとすると共に、スペーサ部材の外側面の檻長手方向に沿って設けた規制板を捕獲用檻の両側面に当接し、スペーサ部材の横ずれを規制すべく構成し、
捕獲用檻の側面と移送用檻の側面とを中間フレーム及び規制板の各側端部を迂回した緊締ワイヤで緊締連結するよう構成したものである。
また、前記規制板及びスペーサ部材は、略長方形状の第一の板と、前記第一の板よりも幅が狭く、かつ、それよりも長く形成された略長方形状の第二の板と、から構成され、第二の板の上に第一の板を重ね、両者の長手方向の一端の端面を揃えてネジ止めにより一体化し、他端の中央部に切欠き又は逃げ孔を設けたものである。
また、前記中間フレームは、捕獲用檻の侵入口の外形よりも大きな略四辺形に形成し、その中央に前記移送用檻の害獣移送口の大きさに略等しい害獣移送口に連通する前記通過口を設け、その両端に前記右端部及び左端部を、鉄筋を用いて前記緊締ワイヤが通過可能な格子状に形成し、前記緊締ワイヤを通過させる格子の部分にマーカを付するよう構成したものである。
請求項1に記載の発明によれば、
前面に侵入口を有し、侵入口に昇降自在の捕獲用扉を設けた捕獲用檻と、
前面に害獣移送口を有し、当該害獣移送口に昇降自在の閉塞用扉を設けた移送用檻とを侵入口と害獣移送口とに連通させて連結し、各檻の捕獲用扉と閉塞用扉との間の中央に通過口を有した中間フレームを介在したことにより、連結部分での獣類の通過を円滑に行うことができ、特に捕獲用檻の侵入口と移送用檻の獣類移送口との連通幅や高さが一致しない不都合を中間フレームが修正する機能を果たし、侵入口と害獣移送口の間の害獣の通過動作を円滑に行い移送用檻による動物処分場所への獣類の移送を確実に行える効果を有する。
更には、捕獲用扉や閉塞用扉に取っ手が突設されている場合や脱出防止装置などの突起物が配設されている場合、捕獲用扉と中間フレームとの間にスペーサ部材を介在して捕獲用檻と移送用檻の両檻を連結し、その空間を捕獲用扉に突設した取っ手の扉昇降時などの非干渉スペースとしているために、獣類を移送用の檻に移し替える際に捕獲用扉を容易に、かつ安全に開閉することができる効果があり、しかも規制板を設けることによりスペーサ部材が横ずれして外れること防止することができる効果がある。
更には、両檻の連結に緊締ワイヤを使用し、特に中間フレーム及び規制板の各側端部を迂回して両檻の側面部分を連結するように構成しているために両檻と共に、その間に介在し、両檻同士の連通連結を行う付帯部材も含めて簡単な構造で確実に一体連結作業を行うことができ害獣類の移送作業を円滑、確実に行える効果がある。
しかも、大きさの異なる既設の捕獲用檻に対しても対応が可能であり、汎用性に優れている。
請求項2に記載の発明によれば、
規制板及びスペーサ部材の中央部に所定の切欠き又は逃げ孔を設けているために、捕獲用檻や移送用檻に脱出防止装置が取り付けられている場合には、前記脱出防止装置と干渉することなく、確実に捕獲用檻と移送用檻を連通連結することができる。
請求項3に記載の発明によれば、中間フレームは、捕獲用檻の侵入口の外形よりも大きな略四辺形に形成し、その中央に前記移送用檻の害獣移送口の大きさに略等しい害獣移送口に連通する前記通過口を設けているために、侵入口と害獣移送口の間の害獣の通過動作を円滑に行うことができる。
更には、緊締ワイヤの緊締力を高めると、移送檻本体21が捕獲檻本体11に引き寄せられて中間フレーム3が撓むため、これに対して中間フレーム3には反発力が発生する。この反発力を利用することにより移送檻本体21と捕獲檻本体11をより強固に固定することができる。
更には、中間フレームの左右両端に設けた前記右端部及び左端部は、鉄筋を用いて前記緊締ワイヤが通過可能な格子状に形成し、前記緊締ワイヤを通過させる格子の部分にマーカを付しているために、前記緊締ワイヤによる緊締連結を確実に行うことができる。
この結果、害獣が暴れて中間フレーム等にぶつかっても移送用檻が大きく横方向にずれることが生じることはなく、イノシシなどの害獣が逃走するという事故を生じることもない。
本発明に係る獣類用檻の連結構造の斜視図である。 本発明に係る獣類用檻の連結構造の平面図である。 従来の捕獲用檻の捕獲用扉の主な形状を示す模式的平面図である。 ストッパによる捕獲用檻の捕獲用扉の固定方法の説明図である。 他のストッパによる捕獲用檻の捕獲用扉の固定方法の説明図である。 従来の捕獲用檻に設けられている脱出防止装置の一例の外観斜視図である。 図6の脱出防止装置のA方向矢視による動作説明図である。 本発明に使用する規制板及びスペーサ部材の一実施例の斜視図である。 本発明に使用するスペーサ部材の説明用模式的平面図である。 本発明に使用する規制板及びスペーサ部材の働きを示す説明用模式的平面図である。 緊締ワイヤの働きを示す説明用模式的平面図である。 本発明に使用する緊締ワイヤの第1の説明用模式的側面図である。 本発明に使用する緊締ワイヤの第2の説明用模式的側面図である。 本発明に使用する緊締ワイヤの第3の説明用模式的側面図である。 本発明に使用する中間フレーム3を移送用檻側から見た図である。 捕獲用檻によりイノシシを捕獲する説明図である。
本発明の要旨は、捕獲した害獣を捕獲用檻から移送用檻に移し替える場合において、害獣捕獲用の捕獲用檻の前面に設けた害獣の侵入口と、前記移送用檻の害獣移送口とを対向して配置し、前記侵入口の左右の側面にスペーサ部材と規制板を配設し、各檻の捕獲用扉と閉塞用扉との間の中央に通過口を有する中間フレームを介して連通連結することにより、非干渉スペースを確保して両扉の開閉を可能とし、しかも、前記左右に配設したスペーサ部材と規制板により前記捕獲用檻と移送用檻との横ずれを防止し、捕獲用檻の側面と移送用檻の側面とを中間フレーム及び規制板の各側端部を迂回した緊締ワイヤで緊締連結するよう構成した獣類用檻の連結構造である。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づき説明する。
捕獲用檻1を用いた害獣の捕獲方法は次のとおりである。例えば、図16(a)に示すように、イノシシ5が、エサ9を食べるために侵入口15aまたは移送口15bから捕獲用檻1の中に入り、捕獲用檻1の中でエサ9を食べたり、捕獲用檻1の中を移動する際に仕掛けの蹴り糸4に触れ、そのはずみで蹴り糸4を引っ張ると、これによりトリガ8が作動し、トリガ8に係止されていたワイヤロープ7の係止状態が解除される。
当該係止状態が解除されると、図16(b)に示すように、侵入口扉13a及び移送口扉13bを引き上げていたワイヤロープ7が跳ね上がり、侵入口扉13a及び移送口扉13bを釈放し、瞬時に侵入口扉13a及び移送口扉13bが落下して侵入口15a及び移送口15bが閉まることで、イノシシ5を捕獲するものである。
このほかに、イノシシ5が、捕獲用檻1の中の地面に設置した図示しない踏み板を踏むと、トリガ8に係止されていたワイヤロープ7の係止状態が解除され、これにより侵入口扉13a及び移送口扉13bを釈放し、瞬時に両方の扉13a、13bが落下して閉まるものや、捕獲用檻1の中に棒をやや傾斜させて立てておいて、イノシシ5が当該棒に触れると棒が倒れてトリガ8に係止されていたワイヤロープ7の係止状態が解除され、これにより侵入口扉13a及び移送口扉13bを釈放し、瞬時に両方の扉13a、13bが落下して閉まるもの、等がある。
また、最近では捕獲用檻1の天面に獣感センサを設置し、イノシシ5が捕獲用檻1内に侵入したことを検知してコントローラからの信号によりワイヤロープ7の係止状態が解除され、これにより瞬時に両方の扉13a、13bが落下して閉まるものや、モニタカメラを設置してイノシシ5が捕獲用檻1内に侵入するとコントローラからの信号によりワイヤロープ7の係止状態が解除され、これにより瞬時に両方の扉13a、13bが落下して閉まるもの等も提案されている。
また、捕獲用檻1には、大別すると、先述のように侵入口扉13a及び移送口扉13bの2つの扉を設けたものと、侵入口扉13a及び移送口扉13bを兼用した1つの扉を設けたものとがある。前者は、進入口15aと移送口15bの両方が開いており、イノシシ5からすると見透しがきくため、捕獲用檻1に入っていくうえでの警戒心が薄められるという説がある。もっとも、このような捕獲用檻1は必然的に外形が大きくなり。大きなものは質量が100kgを超えるため、運搬が大変である。それに対して、後者の扉が一つの捕獲用檻1は、重量やコストの面で有利である。
なお、本発明に係る獣類用檻の連結構造100の対象となる捕獲用檻1としては、本実施の形態で説明する捕獲用檻1の他、板材や竹材で捕獲空間を囲った構造の箱罠、或いは格子状の柵で捕獲空間を囲った囲い罠などがあげられる。要は、動物を空間で捕獲でき、所定の侵入口15aや移送口15bに相当する開口部があるものであればよく、特に限定されるものではない。
また、すでに捕獲現場に設置されて使用されている捕獲用檻1も本発明の対象であり、今後新設される捕獲用檻1のみを対象とするものではない。
また、前記のとおり、侵入口扉13a及び移送口扉13bを釈放し、瞬時に両方の扉13a、13bを閉めるためのトリガ8や釈放装置の種類は何でもよく、これらの種類に限定されるものではない。
図1、図2は、本発明に係る獣類用檻の連結構造100の斜視図及び平面図である。ここでは、捕獲用扉12を害獣の侵入用と移送用に兼用して使用する一の扉を有する捕獲用檻1を例に説明する。
まず、一般的に使用されている捕獲用檻1の寸法について説明する。捕獲檻本体11の進入口14の横幅及び奥行は、例えば、横幅800mm×奥行1500mm、横幅900mm×奥行1800mm、横幅1000mm×奥行2000mm、横幅1200mm×奥行2500mm等各種ある。しかし、高さはほぼ800mm〜1200mmである。
そこで、後述する中間フレーム3は、その横幅を1300mm、高さを捕獲用檻1の侵入口14の最大の高さにしておけば、ほとんどの捕獲用檻1に対応することができる。
捕獲用檻1の捕獲檻本体11は、図1に示すように、鉄筋を格子状に組み合わせて各部を溶接し、略方形状の箱体に形成されている。なお使用する鉄筋の径は、荷重のかかる個所に応じて、例えば、骨組みは5分(15mm)を、中間の補強部分は4分(12mm)を、そして格子部分は3分(9mm)の鉄筋を使用するなど、部分ごとに使い分けてもよい。また、枠体を構成する骨格となる部分は等辺山形鋼(アングル)を使用するのが望ましい。
図1、図2に示すように、進入口14の両側面には、溝形鋼またはCチャンネル材を用いた側面枠体17、17を固設している。側面枠体17、17の対向する内面には、当該溝形鋼またはCチャンネル材自体に形成されている溝を、捕獲用扉12の摺動用溝17a、17aとして利用する。
前記対向する摺動用溝17a、17aには、鉄筋を格子状に組み合わせて溶接して形成された略平板状の前記捕獲用扉12を上下方向に摺動可能に挿通して、前記侵入口14を開閉可能に構成している。
捕獲用扉12は、図3(a)〜(c)の模式的平面図に示すように、大別して図3(a)の取っ手が出ているタイプ、図3(b)のほぼフラットなタイプ及び図3(c)の扉自体が前方に出ているタイプがある。図2では、前記図3(a)の取っ手が出ているタイプについて説明する。
通常時、捕獲用扉12は、自重により閉まった状態にある。これを開けるには、捕獲用扉12の外面に設けられた取っ手16を手で握って持ち上げる。誤って手を放すと捕獲用扉12が自然落下して閉まってしまうため、イノシシ5が侵入したときに捕獲用扉12を釈放して閉扉するためのトリガ8などの仕掛け作業中は、当該捕獲用扉12が落下しないよう、ストッパ39を使用する。
ストッパ39は、捕獲用扉12が落下しないように固定する用具であり、捕獲用扉12は、後述する移動用檻2の高さに合わせて開け、ストッパ39で固定する。
ストッパ39は、図4に示すように、鉄筋を所定の寸法に切断して先端を引っ掛け可能に折り曲げて形成されたものである場合には、捕獲檻本体11の縦格子11bに引っ掛けて前枠体18に載せ、前枠体18と捕獲用扉12の横格子12bに挟んで使用する。
また、図5に示すように、鉄筋を所定の寸法に切断して両端を折り曲げて略コの字状又はU字状に形成されたものである場合には、捕獲檻本体11の横格子11c、前枠体18及び捕獲用扉12の横格子12bを挟んで使用する。又は簡易的には、所定の長さと太さの角材を使用して挟み込んでもよいし、あるいは、針金などで縛り付けてもよい。
要は、ストッパ39は、特段、図4及び図5に示すような構成に限定されるものではなく、捕獲用扉12が落下しないように作用するものであれば何でもよい。
また、誤って手を放して捕獲用扉12が落下しても足が挟まれないように、足挟み込み防止装置が付いた捕獲用檻1も販売されている。
イノシシ5を捕獲するための捕獲用檻1の設置場所は、イノシシ5の出没状況を見極めて選定する。このために、イノシシ5の足跡、糞、泥こすりの跡、食べ痕、被害・目撃情報などを収集する。そして、これらの情報をもとに、イノシシ5が頻繁に出没している平らな場所に捕獲用檻1を設置する。
設置の際は、捕獲檻本体11の地面に接する金属部分が地面からできるだけ露出しないように、当該金属部分は土で覆うのが望ましい。
捕獲用檻1の設置が終わると、エサ9を撒く。エサ9は、米ぬかを主体に、米、小麦、おから、さつまいも、りんごなどを使用する。最初はイノシシ5の警戒を解くために捕獲用檻1の外側にもエサ9を撒き、数日間餌付けを行う。餌付け時は、捕獲用扉12が落ちないようにしておく。
そして、エサ9の減り方を見ながら、徐々に捕獲用檻1の中にエサ9を撒きイノシシ5を捕獲用檻1へ誘導する。捕獲用檻1の中のエサ9を食べるようになったら、撒き餌は中止して、捕獲用檻1の奥だけにエサ9を撒く。
このようにして餌付けを行わないと、成獣が捕獲用檻1に入るには時間がかかり、十分に餌付く前に捕獲用扉12を落として成獣を取り逃がした場合は、捕獲用檻1に対する警戒心がより高まることで,捕獲しにくい成獣が増える可能性があるからである。
捕獲されたイノシシ5は、捕獲檻本体11の中で暴れて、捕獲檻本体11を壊して逃走しようとするが、当該捕獲檻本体11は十分な強度を有しているため壊れることはない。そこで、イノシシ5は、捕獲用扉12を開けることを試みる。具体的には、イノシシ5は、捕獲用扉12の格子の間に鼻を突っ込んで上に持ち上げようとする。イノシシ5は、鼻先で70kgの質量の物を持ち上げる力があるため、簡単な捕獲用扉12では容易に開けられてしまう。
そこで、脱出防止装置19が付いた捕獲用檻1がある。例えば、図1に示すように、侵入口14の左側の前記側面枠体17の前面に脱出防止装置19が設けられているものがある。
この場合における当該脱出防止装置19は、図6の拡大図に示すように、左側の側面枠体17の前面に横方向に固着された半円柱状の固定具19aと、固定具19aの軸方向に穿設された貫通孔19dの両側に回動可能に嵌挿された略D字状の可動部19bと、可動部19bに直交して、固定具19aに近接した位置に捕獲檻本体11の内部方向に溶接により突設された棒状の係止部19cと、から構成されている。そして、当該係止部19cは、自然状態においては、捕獲用扉12の横格子12a間に当接しない状態で、水平に突設している。
ここで、イノシシ5が捕獲用扉12の格子に鼻先を突っ込んで上方へ持ち上げると、図7(a)の図6におけるA方向矢視による動作説明図に示すように、捕獲用扉12は矢印方向に持ち上がり上昇する。前記捕獲用扉12が上昇すると、それに連動して捕獲用扉12の横格子12aも上昇する。そして、横格子12aは係止部19cに当接し、係止部19cを押し上げようとする。
しかし、当該係止部19cは、図7(b)に示すように、可動部19bに一端が固設されているために、当該可動部19bが嵌挿された固定具19aの貫通孔19dを支点にして反時計回りの方向に回転しようとする。しかし、可動部19bが側面枠体17の前面に当接するため、それ以上回転することができない。したがって、捕獲用扉12をそれ以上持ち上げることができないため、捕獲用扉12を開くことはできない。
一方、捕獲用扉12が開扉された状態から降りてくるときは、当該捕獲用扉12の下端が、係止部19cに上方から下方に向かって当接する。しかし、この場合には、可動部19bは、固定具19aの貫通孔19dを支点にして時計回りの矢印方向に回転する。したがって、可動部19bは、図7(c)に示すように、側面枠体17の前面に当接しないため、係止部19cも時計回りの方向に回転する。よって、係止部19cは、捕獲用扉12の下降の障害にならず、捕獲用扉12はそのまま下に降りて、閉扉することができる。
また、捕獲用扉12が下まで降り切ったときは、図7(c)に示すように、係止部19cは、横格子12aに当接しないように構成されているため、本図の矢印方向に自由に回動することができ、自然状態においては、図7(a)に示すようになる。したがって、この状態において、捕獲用扉12を開扉させようと持ち上げると、横格子12aが係止部19cに当接して開扉を阻止することができる。
また、係止部19cを図7(c)の時計回り方向に回すと横格子12aに当接しないようにできるため、その状態で捕獲用扉12を持ち上げると、横格子12aに当接することなく開扉または閉扉することができる。すなわち、捕獲用扉12を開閉する際は、係止部19cを、図7(c)に示すように、矢印の時計回り方向に回して横格子12aに当接しない状態にしてから捕獲用扉12を上昇または下降させるとよい。
脱出防止装置19は以上のように構成されているために、イノシシ5が捕獲用扉12の格子に鼻先を突っ込んで上方へ持ち上げようとしても、捕獲用扉12を持ち上げることはできない。
したがって、脱出防止装置19により、捕獲用檻1に捕獲されたイノシシ5が、捕獲用扉12を持ち上げて開扉し逃走することを防止することができる。
次に、移送用檻2について説明する。移送用檻2は、捕獲用檻1で捕獲したイノシシ5などの害獣を動物処分場所へ移送するための檻である。移送檻本体21も捕獲檻本体11と同様に、図1に示すように、等辺山形鋼(アングル)及び前記の径の鉄筋を格子状に組み合わせて各部を溶接し、略方形状の箱体に形成されている。
移送用檻2の前面には、イノシシ5等の害獣が移動して入れるよう害獣移送口24が開口している。そして、害獣移送口24の両側面には、上下方向に溝形鋼またはCチャンネル材と呼ばれる鋼材を固設して側面枠体27、27を形成している。そして、両者の対向する面には当該鋼材自体に形成されている溝を閉塞用扉22の摺動用溝27a、27aとして利用する。
前記対向する摺動用溝27a、27aには、鉄筋を格子状に組み合わせて溶接して形成された略平板状の前記閉塞用扉22を上下方向に摺動可能に挿通して、前記害獣移送口24を開閉可能に構成している。
閉塞用扉22は、自重により通常時は閉まった状態にある。これを開けるには、閉塞用扉22の外周枠等を握って持ち上げて開扉する。閉塞用扉22に取っ手を設けてある場合には、当該取っ手を握り、持ち上げて閉塞用扉22を開扉する。
閉塞用扉22は、開扉状態で誤って手を放すと落下するため、閉塞用扉22が落下しないよう、前記ストッパ39を使用する。ストッパ39は、先述のように、捕獲用扉12や閉塞用扉22が落下しないように固定する用具であり、図4のかっこ内の符号に示すように、移送檻本体21の縦格子21bに引っ掛けて前枠体28に載せ、前枠体28と閉塞用扉22の横格子22bとの間に挟むことで、閉塞用扉22が自重で落下して閉扉しないようにする。
また、図5に示すように、前記略コの字状又はU字状に形成されたストッパ39の場合には、移送檻本体21の横格子11c、前枠体18及び捕獲用扉12の横格子12bを挟んで、閉塞用扉22が自重で落下して閉扉しないようにする。又は簡易的には所定の長さと太さの角材を使用して挟み込んでもよいし、あるいは、針金などで縛り付けてもよい。
また、誤って手を放して閉塞用扉22が落下しても足が挟まれないように、足挟み込み防止装置付とすることもできる。
移送用檻2の外形寸法は、移送を容易にするために、イノシシ5等が移送中に暴れることができないよう前記捕獲用檻1よりも小型で、かつ、軽量であることが望ましい。
このために、移送用檻2の外形寸法及び重量は、捕獲するイノシシ5を収容可能な最小限の大きさになるよう小型軽量化を図っている。
したがって、移送用檻2に移動させられたイノシシ5は、移送用檻2の中で暴れて、移送檻本体21を壊して逃走しようとするが、移送用檻2は小型化されて内部空間が狭いため、イノシシ5は自由に動くことができない。また、当該移送檻本体21は十分な強度を有しているため壊れることはない。そこで、イノシシ5は、閉塞用扉22を開けることを試みる。具体的には、イノシシ5は、閉塞用扉22の格子の間に足や尻を突っ込んで上に持ち上げようと試みる。
そこで、捕獲檻本体11に取付けた脱出防止装置19を移送檻本体21にも取付けておけば、イノシシ5がどのような暴れ方をしようと、前記のように脱出防止装置19が作動するために、閉塞用扉22が開いて逃走することはできない。
次に、捕獲用檻1にイノシシ5などの害獣を捕獲した場合に、イノシシ5を捕獲用檻1から移送用檻2に移動させるために、捕獲用檻1と移送用檻2を、中間フレーム3を使用して連結する構造について、図1及び図2に基づき説明する。
捕獲用檻1に捕獲したイノシシ5を移送用檻2に移動させるためには、まず最初に、捕獲用檻1の侵入口14と、移送用檻2の害獣移送口24の中心同士が一直線上になるように捕獲用檻1と移送用檻2を対向させて、所定の間隔をあけて配置する。
次に、侵入口14の左右の側面枠体27、27のそれぞれの側面の外側に、略長方形状の板で形成され一体化された規制板35とスペーサ部材36を対向して当接する。
規制板35は、図8(a)に示すように、略長方形状の板である。また、スペーサ部材36は、規制板35の片側に配設される規制板35よりも幅が狭く、かつ、規制板35よりも高さ方向に長い略長方形状の板である。そして、スペーサ部材36の幅をL2とすると、規制板35は、スペーサ部材36と移送用檻2に対向する面の端部を揃えた状態で、捕獲用檻1側にL1だけ幅広に形成されている。
そして、規制板35とスペーサ部材36は、本図の右側面の端面を揃えてネジ止めにより一体化している。
規制板35は、材料に特に限定はないが、木材又は金属板で形成されている。スペーサ部材36の材料も同様に限定はないが、イノシシ5などの害獣を傷付けにくく、かつ、金属製よりも軽量で取り扱いやすく、現場での対応が容易な木材を使用するのが望ましい。
捕獲檻本体11の左側の側面枠体17に脱出防止装置19が設けられている場合には、図8(b)に示すような規制板35及びスペーサ部材36を用いることができる。
すなわち、規制板35及びスペーサ部材36は、前記脱出防止装置19と干渉する部分に切欠き35a、36aを設けて干渉を回避するよう構成すると共に、前記切欠き35a、36aを設けることで強度が低下するために、スペーサ部材36の長手方向内側に垂直に補強板36bを取り付けてスペーサ部材36を補強しているものである。
また、前記切欠き35a、36aの形状は、図8(b)においては略四辺形に記載しているが、特段四辺形に限定されるものではなく、三角形でも半円状であっても支障はない。また、脱出防止装置19などの突起物の形状に切り欠くことも可能である。
また、規制板35の横幅(図8(b)の幅L1+幅L2)のうち幅L1を大きくする場合には、切欠き35aの代わりに、図8(c)に示すように、逃げ孔35cを形成してもよい。このように構成することにより、規制板35には切欠き35aがなくなるため強度が確保でき、スペーサ部材36の切欠き36aを補強する役割りも果たすため、前記補強板36bを取り付けなくてもすむ。
また、捕獲檻本体11の右側の側面枠体17に脱出防止装置19が設けられている場合には、図8(b)に示すような規制板35及びスペーサ部材36の裏表を逆にしたものを用いることができる。裏表を逆にするには、構成品35、36、36bを固定しているネジを外し、裏表を逆にして再びネジ止めすることで対応することが可能である。
さらに、規制板35及びスペーサ部材36に木材を使用している場合には、現場で鋸などを使って干渉する部分を切除するなど、捕獲現場の実情に応じて臨機応変に必要な処置をとることができる。
なお、前記脱出防止装置19が、移送用檻2に設けられている場合も同様である。
前記配設された規制板35、35の移送用檻2に対向する端面に、図1に示すように、中間フレーム3を当接する。この場合において、中間フレーム3の中央部に開口された通過口34の中心が、前記侵入口14と前記害獣移送口24の中心線上にくるように配置する。
ちなみに、中間フレーム3は、捕獲用檻1の侵入口14の開口部の大きさと、移送用檻2の害獣移送口24の開口部の大きさが異なるため、捕獲用檻1と移送用檻2とを対向配置したときに、両者の開口部の大きさの違いにより生じる隙間を塞ぐための両者のインタフェースの役割を果たすものである。
したがって、先述のとおり中間フレーム3の外形は、捕獲用檻1の侵入口14の外形よりも大きく、中間フレーム3の通過口34の開口部の大きさは、ほぼ移送用檻2の害獣移送口24の開口部の大きさに等しい。
中間フレーム3は、捕獲檻本体11、移送檻本体21と同様に、鉄筋を格子状に組み立てて溶接して形成されている。中間フレーム3の格子間隔の寸法は、緊締ワイヤ37の両端に設けたフック37aを通すことができる幅とし、しかも、当該フック37aを通す格子の高さ位置が、移送檻本体21の高さの中央位置となるように構成する。また、鉄筋の径は荷重のかかる個所に応じて、例えば、骨組みは5分(15mm)を、中間の補強部分は4分(12mm)を、そして格子部分は3分(9mm)の鉄筋を使用するなど、部分ごとに使い分けてもよい。
中間フレーム3の通過口34の開口部以外の部分は、前記鉄筋により格子状に組まれており、向かって右側を右端部31、左側を左端部32とする。いずれもこの部分を鉄筋で格子状に組んで、そこをイノシシ5が突き破って逃走されないように構成している。
次に、捕獲用檻1の左右両側面に規制板35、35及びスペーサ部材36、36を配設し、中間フレーム3の通過口34の開口部の前面に、移送用檻2を移動させて、移送用檻2の害獣移送口24の開口部を当接する。これにより、捕獲用檻1の侵入口14は、規制板35、35、スペーサ部材36、36及び中間フレーム3の通過口34を介して移送用檻2の害獣移送口24と連通されると共に、捕獲用檻1の進入口14と、移送用檻2の害獣移送口24との間に、非干渉スペース38を形成することができる。
これにより、取っ手16や脱出防止装置19が、移送用檻2と干渉し、捕獲用檻1と移送用檻2との連結をすることができなかったり、連結部分に隙間が生じることを回避できる。また、捕獲用檻1の侵入口14と、移送用檻2の害獣移送口24との間に一定の空間を設けることができるため、捕獲用扉12に突設した取っ手16及び移送用檻2の閉塞用扉22にも取っ手を設けてある場合には、当該取っ手による扉の昇降操作用スペースとすることができる。
そして、図2に示すように、緊締ワイヤ37、37及びその両端に設けたフック37a、37aを中間フレーム3の格子の間を通し、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の格子に、それぞれの緊締ワイヤ37、37の両端に設けたフック37a、37aを引っ掛けて、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面同士を中間フレーム3及び規制板35、35の各側端部を迂回して緊締連結する。当該緊締ワイヤ37、37の長さは調節が可能となっており、この緊締ワイヤ37を2本又は必要がある場合は複数本使用して、捕獲檻本体11と移送檻本体21の左右の側面を緊締連結する。
次に、非干渉スペース38において、閉塞用扉22の外周枠等を握って閉塞用扉22を持ち上げて開扉する。閉塞用扉22に取っ手を設けてある場合には、当該取っ手を握り、当該取っ手を持ち上げて閉塞用扉22を開扉する。そして、図4に示すように、ストッパ39を移送檻本体21の縦格子21bに引っ掛けて前枠体28に載せ、前枠体28と閉塞用扉22の横格子22bとの間に挟むことで、閉塞用扉22が自重で落下して閉扉しないようにする。
同様に、非干渉スペース38に手を入れて捕獲用扉12に突設した取っ手16を握り、当該取っ手16を持ち上げて捕獲用扉12を開扉する。そして、図4に示すように、ストッパ39を捕獲檻本体11の縦格子11bに引っ掛けて前枠体18に載せ、前枠体18と捕獲用扉12の横格子12bに挟むことで捕獲用扉12が自重で落下して閉扉しないようにする。
勿論、閉塞用扉22及び捕獲用扉12が自重で落下して閉扉しないように、図5に示すようなストッパ39を用いてもよい。
捕獲用扉12と閉塞用扉22がともに開扉されることにより、捕獲用檻1の侵入口14は、中間フレーム3の通過口34を介して移送用檻2の害獣移送口24と開状態に連通される。以上で、捕獲用檻1で捕獲したイノシシ5を移送用檻2に移動させる準備が完了する。
次に、捕獲用檻1で捕獲したイノシシ5を追い立てて移送用檻2に移動させる。追い立てる方法はいろいろあるが、ここでは説明を省略する。
イノシシ5が、移送用檻2に移動を完了すると、閉塞用扉22の外周枠等を握って少し持ち上げて閉塞用扉22の横格子22bと移送檻本体21の縦格子21bに引っ掛けて前枠体28と閉塞用扉22の横格子22bに挟んであるストッパ39を取り外し、閉塞用扉22を降して閉扉する。閉塞用扉22に取っ手を設けてある場合には、当該取っ手を握り閉塞用扉22を降して閉扉する。これによりイノシシ5は移送用檻2に閉塞される。
移送用檻2の閉塞用扉22が閉扉すると、次は、捕獲用檻1の捕獲用扉12の取っ手16を握って少し持ち上げて、前記前枠体18と捕獲用扉12の横格子12bに挟んであるストッパ39を取り外し、捕獲用扉12の取っ手16を握り捕獲用扉12を降して閉扉する。図5に示すストッパ39を使用している場合も前記と同様にして取り外す。
閉塞用扉22と捕獲用扉12の閉扉が終わると、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面同士を中間フレーム3及び規制板35の各側端部を迂回して緊締連結した複数の緊締ワイヤ37を緩めて、その両端に設けたフック37a、37aを引っ掛けた格子から順番に取り外す。
次に、中間フレーム3を取り外す。そして、捕獲檻本体11の左右両側面に配設した規制板35及びスペーサ部材36を取り外す。
もっとも、引き続き当該捕獲現場に捕獲用檻1を設置してイノシシ5などの捕獲を行う場合には、イノシシ5などの害獣を移送用檻2に移し終わると、捕獲用檻1は、次の獲物を捕獲するための仕掛けをするために、ストッパ39は取り外さないでそのままとし、捕獲用扉12を開けたままにして、緊締ワイヤ37、37、中間フレーム3、規制板35及びスペーサ部材36を前記手順により取り外してもよい。
以上説明したように、捕獲用檻1と移送用檻2との間に非干渉スペース38を設けることにより、イノシシ5などの害獣を移送用檻2に移し替える際に捕獲用扉12や閉塞用扉22を容易に、かつ安全に開閉することができる効果があり、しかも規制板35を設けることによりスペーサ部材36が横ずれして外れること防止することができる。
以上の手順により捕獲用檻1で捕獲したイノシシ5の移送用檻2への移動が完了する。当該イノシシ5を収容した移送用檻2は、作業者等が担いでトラックなどの移動手段を停めている場所まで運搬する。そして、トラックに載せて動物処分場所まで運送する。
移送用檻2の運搬にあたっては、閉塞用扉22は、脱出防止装置19が設けられている場合であっても開かないように錠を掛けたり、針金等で移送檻本体21の側面枠体27に縛り付けるのが望ましい。運搬中にイノシシ5が暴れたり、移送用檻2が何かのはずみで大きく傾いたり、事故などにより横転したときに脱出防止装置19のロックが外れて閉塞用扉22が半開き状態になるなどのおそれが皆無とはいえないからである。
一方、捕獲用檻1を、別の捕獲現場へ移動させる場合は、当該移動先の捕獲現場へ前記捕獲用檻1を、トラック等を用いて運搬し、前記と同様にして捕獲用檻1の設置をした後、蹴り糸4やトリガ8などの所定の仕掛けを行い、所定のエサ9を撒き、次の捕獲に備える。
また、当該捕獲現場に引き続き設置して、イノシシ5などの害獣の捕獲を継続する場合には、蹴り糸4やトリガ8などの所定の仕掛けを行い、所定のエサ9を撒き、次の捕獲に備える。
本発明に係る獣類用檻の連結構造100は以上のように構成されているが、さらに、規制板35、スペーサ部材36及び緊締ワイヤ37について詳しい説明を行う。
スペーサ部材36は、前記のとおり捕獲用扉12と中間フレーム3との間に介在して両檻1、2を連結すると共に、スペーサ部材36、36が介在することにより形成される空間を、捕獲用扉12に突設した取っ手16の扉開閉時などの非干渉スペース38として確保するものである。これにより、イノシシ5等の害獣を移送用檻2に移し替える際に捕獲用扉12を容易に、かつ安全に開閉することができる効果がある。
また、規制板35は、イノシシ5等の害獣が捕獲用檻1内や移送用檻2への移動中に暴れることによりスペーサ部材36が横ずれして外れること防止するためのものである。これにより、獣類を安全に移送用檻2に移し替えることができる効果がある。
規制板35を設けた効果についてさらに詳しく説明する。規制板35を設けない場合の例を図9(a)の模式的平面図に示す。本図に示すように、スペーサ部材36が捕獲用檻1と中間フレーム3との間に介在しているため、前記非干渉スペース38を確保するという点では何ら問題がない。
しかし、イノシシ5などの害獣が捕獲用檻1内や移送用檻2への移動中に暴れて中間フレーム3にぶつかると、中間フレーム3には力fが加えられる。イノシシ5などの害獣は真直ぐ中間フレーム3にぶつかるとは限らず、斜め方向にぶつかると、力fは、移送用檻2の方向の力f1と横方向の力f2の成分に分けられる。
移送用檻2の方向の力f1は、中間フレーム3を力f1の向きに押すため、中間フレーム3には本図の右方向の力f1が作用し、緊締ワイヤ37による捕獲用檻1と中間フレーム3及び移送用檻2との緊締力が相殺される。このために、中間フレーム3がスペーサ部材36を緊締する力は弱められる。
また、中間フレーム3には、横方向の力f2が働くため、スペーサ部材36、36には、それぞれ横方向の力f2による力f21、f22が作用する。
その結果、捕獲用檻1と中間フレーム3との間に介在しているスペーサ部材36、36が横ずれして、中間フレーム3と捕獲用檻1の侵入口14との緊締ワイヤ37、37による緊締連結が緩む。そして、その隙間をイノシシ5などの害獣がさらに押し広げて、そこから逃走するという事故につながることになる。
一方、本発明では、スペーサ部材36に規制板35を重ね合わせて一体化して横方向の力f2が作用しても横ずれしないよう構成しているために、上記のような逃走に至ることにはならない。すなわち、図10(a)の模式的平面図に示すように、イノシシ5などの害獣が捕獲用檻1内や移送用檻2への移動中に暴れて、中間フレーム3に前記と同様の力fが加えられると、移送用檻2の方向の力f1は、中間フレーム3を力f1の向きに押すため、中間フレーム3には本図の右方向の力f1が作用し、緊締ワイヤ37による捕獲用檻1と中間フレーム3及び移送用檻2との緊締力が相殺される。このために、中間フレーム3がスペーサ部材36を緊締する力は弱められる。
また、中間フレーム3には、横方向の力f2が働くため、例えば、本図の下方(移送用檻2側から見て左)のスペーサ部材36には横方向の力f2による力f21が作用し、スペーサ部材36は、横ずれしそうになる。
そして、捕獲用檻1と中間フレーム3との間に介在しているスペーサ部材36が外れそうになるが、規制板35の捕獲用檻1側の端部が緊締ワイヤ37を押すために、緊締ワイヤ37の反作用による力fwにより押し戻される。その結果、スペーサ部材36が外れることなく緊締状態を維持する。このため、イノシシ5などの害獣が逃走するという事故につながることはない。
同様に、図10(b)の模式的平面図に示すような方向に、イノシシ5などの害獣がぶつかると、中間フレーム3には前記と同様に力fが加えられ、力fは、移送用檻2の方向の力f1と横方向の力f2の成分の力に分けられる。
以下同様にして、捕獲用檻1と中間フレーム3との間に介在していたスペーサ部材36が外れそうになるが、規制板35の移送用檻2側の端部が緊締ワイヤ37を押すために、緊締ワイヤ37の反作用よる力fwにより押し戻される。その結果、スペーサ部材36が外れることなく状態を維持する。このため、イノシシ5などの害獣が逃走するという事故につながることはない。
以上説明したように、イノシシ5などの害獣が暴れて中間フレーム3にぶつかっても、図10(c)の模式的平面図に示すように、規制板35の両端部を緊締ワイヤ37による力fw1及び力fw2で押さえつけているために、規制板35及びスペーサ部材36が動こうとしても緊締ワイヤ37が反作用により規制板35の両端部を力fw1、fw1及び力fw2、fw2で押し戻す。このために規制板35及びスペーサ部材36が外れることはない。
なお、その効果を高めるためには、規制板35が捕獲用檻1の側面枠体17と当接する面の部分の幅L1を、スペーサ部材36の幅L2よりも大きくすることが望ましい。
この関係についてさらに詳しく説明する。図10(a)の場合には、前記スペーサ部材36の捕獲用檻1の側面枠体17と当接する端部が支点となり、前記スペーサ部材36の右端には、横方向の力f2に起因する力f21が作用し、力f21と幅L2との力のモーメント(f21×L2)が本図の上方向に生じる。
一方、前記スペーサ部材36の左端には、緊締ワイヤ37で規制板35の捕獲用檻1の端部を押さえつける力fwが作用し、力fwと前記幅L1との力のモーメント(fw×L1)が本図の上方向に生じるため、前記幅L2よりも幅L1を大きくしておけば、緊締ワイヤ37が規制板35を押さえつける力のモーメント(fw×L1)の方が大きくなって、外れにくくなるからである。
同様に、図10(b)の場合には、前記規制板35の左端部が支点となり、前記スペーサ部材36の右端には、横方向の力f2に起因する力f21と幅L1+幅L2との力のモーメント(f21×(L1+L2))が本図の下方向に生じる。
一方、前記スペーサ部材36の右端には、緊締ワイヤ37で規制板35の右端部を押さえつける力fwと幅L1+幅L2との力のモーメント(fw×(L1+L2))が本図の上方向に生じる。そして、幅L1+幅L2が大きいほど緊締ワイヤ37が力f2に抗して規制板35を押さえつけようとする力fwが大きくなるため、幅L1が大きい方が力f21よりも力fwの方が大きくなって、規制板35が外れにくくなるからである。
次に、緊締ワイヤ37の効果について説明する。緊締ワイヤ37は、図2に示すように、それぞれの緊締ワイヤ37、37の両端に設けたフック37a、37aを、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の格子に引っ掛けて、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面同士を中間フレーム3及び規制板35、35の各側端部を迂回して緊締連結する。
すなわち、捕獲檻本体11と移送檻本体21の右側面と左側面をそれぞれ別個の緊締ワイヤ37、37を用いて緊締連結するものである。
図11(a)の模式的平面図は、1本の緊締ワイヤ37のみで捕獲檻本体11と移送檻本体21を規制板35、スペーサ部材36及び中間フレーム3を一括して緊締連結した場合の例を示す模式的平面図である。
本図に示すように、捕獲用檻1と中間フレーム3との間にスペーサ部材36が介在しているため、前記非干渉スペース38を確保する上では何ら問題がない。しかし、イノシシ5などの害獣が捕獲用檻1内や移送用檻2への移動中に暴れて中間フレーム3にぶつかると、中間フレーム3には前記と同様に力fが加えられる。そうすると、本図において、当該緊締ワイヤ37は、捕獲檻本体11と移送檻本体21を、規制板35、スペーサ部材36及び中間フレーム3を介して一括して緊締連結しているに過ぎないため、当該緊締ワイヤ37は、捕獲檻本体11、移送檻本体21、規制板35とスペーサ部材36又は中間フレーム3がどのように動こうと、これらの動きを規制することができない。
このために、図11(b)の模式的平面図に示すように、移送用檻2が大きく横方向にずれることが生じ得る。
その結果、横ずれした側の規制板35及びスペーサ部材36には、緊締ワイヤ37の押え力がなくなり、図11(c)の模式的平面図に示すように、当該規制板35及びスペーサ部材36が外れて、そこからイノシシ5などの害獣が逃走するという事故につながることになる。
そこで、本発明に係る獣類用檻の連結構造では、図11(d)の模式的平面図に示すように、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の格子に、それぞれの緊締ワイヤ37、37の両端に設けたフック37a、37aを引っ掛けて、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面同士を中間フレーム3及び規制板35、35の各側端部を迂回して緊締連結すれば、左右の緊締ワイヤ37、37が捕獲檻本体11、移送檻本体21、中間フレーム3及び規制板35、35とスペーサ部材36、36のそれぞれの動きを規制することができる。
また、緊締ワイヤ37、37の緊締力を高めると、移送檻本体21が捕獲檻本体11に引き寄せられて中間フレーム3が撓むため、これに対して中間フレーム3には反発力が発生する。この反発力を利用することにより移送檻本体21と捕獲檻本体11をより強固に固定することができる。
この結果、移送用檻2が大きく横方向にずれることが生じることはなく、イノシシ5などの害獣が逃走するという事故を生じることもない。
次に、緊締ワイヤ37、37が、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面を規制板35、スペーサ部材36及び中間フレーム3を介して緊締連結するときの高さ位置が問題となる。
例えば、図12(a)の模式的側面図に示すように、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の下方を緊締連結した場合は、上方の緊締連結力が弱くなるため、イノシシ5などの害獣の突進力により図12(b)の模式的側面図に示すように、移送用檻2が外れて、そこからイノシシ5などの害獣が逃走するという事故につながることになる。
また、図13(a)の模式的側面図に示すように、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の上方を緊締連結した場合は、同様に下方の緊締連結力が弱くなるため、イノシシ5などの害獣の突進力により図13(b)の模式的側面図に示すように、移送用檻2が外れて、そこからイノシシ5などの害獣が逃走するという事故につながることになる。
そこで、図14の模式的側面図に示すように、捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の高さ方向の中央部を緊締連結した場合は、全体にバランスよく緊締連結でき、緊締連結力に弱い所がなくなるためイノシシ5などの害獣の突進力により、移送用檻2が外れて、そこからイノシシ5などの害獣が逃走するという事故を生じることはない。
本発明に使用する中間フレーム3は、図15の移送用檻2側から見た図に示すように、鉄筋を格子状に組み立てて溶接して形成されているため、緊締ワイヤ37のフック37aは、前記鉄筋で形成された各格子の間を容易に通すことができるように構成されている。したがって、中間フレーム3の右端部31及び左端部32に、移送檻本体21の高さ方向のほぼ中央部となる個所であることを表示するマーカ31m、32mを付すことにより、緊締ワイヤ37、37で緊締連結する位置を容易に知ることができる。
また、当該中間フレーム3は、鉄筋を用いて格子状に形成されているために、捕獲用檻1の横幅に応じて、緊締ワイヤ37、37を通すのに最適な格子の寸法及び形状とすることができる。
すなわち、このマーカ31m、32mが付された格子に、前記フック37a、37a及び緊締ワイヤ37を通して緊締連結すれば、捕獲用檻1の横幅に応じて、確実に捕獲檻本体11と移送檻本体21の両側面の高さ方向の中央部を緊締連結することができ、イノシシ5などの害獣が逃走するという事故を生じることを防止でき、安全かつ確実に作業を行うことができる。
なお、前記マーカ31m、32mは、当該格子に識別用ラベルを付してもよいし、色彩を付してもよい。また、緊締ワイヤ37及びそのフック37aを通しやすくするために、他の格子と寸法や形状を変えてもよい。要は、作業者に当該格子が緊締ワイヤ37及びそのフック37aを通す格子であると識別できるものであればよい。
本発明に係る獣類用檻の連結構造100は以上のように構成されているために、前面に侵入口14を有し、侵入口14に昇降自在の捕獲用扉12を設けた捕獲用檻1と、前面に害獣移送口24を有し、当該害獣移送口24に昇降自在の閉塞用扉22を設けた移送用檻2とを侵入口14と害獣移送口24とに連通させて連結し、各檻1、2の捕獲用扉12と閉塞用扉22との間の中央に通過口34を有した中間フレーム3を介在したことにより、連結部分での獣類の通過を円滑に行うことができ、特に捕獲用檻1の侵入口14と移送用檻2の害獣移送口24との連通幅や高さが一致しない不都合を中間フレーム3が修正する機能を果たし、侵入口14と害獣移送口24の間の獣類の通過動作を円滑に行い移送用檻2による動物処分場所への獣類の移送を確実に行える効果を有する。
更には、捕獲用扉12や閉塞用檻22に取っ手16が突設されている場合や脱出防止装置19などの突起物が配設されている場合に捕獲用扉12と中間フレーム3との間にスペーサ部材36を介在して両檻1、2を連結し、その空間を捕獲用扉12に突設した取っ手16の扉開閉時などの非干渉スペース38としているために、獣類を移送用檻2に移し替える際に捕獲用扉12を容易に、かつ安全に開閉することができる効果があり、しかも規制板35を設けることによりスペーサ部材36が横ずれして外れること防止することができる効果がある。
更には、両檻1、2の連結に緊締ワイヤ37を使用し、特に中間フレーム3及び規制板35の各側端部を迂回して両檻1、2の側面部分を連結するように構成しているために両檻1、2と共に、その間に介在し、両檻1、2同士の連通連結を行う付帯部材も含めて簡単な構造で確実に一体連結作業を行うことができ害獣類の移送作業を円滑、確実に行える効果がある。
しかも、大きさの異なる既設の捕獲用檻1に対しても対応が可能であり、汎用性に優れている。
また、捕獲檻本体11の側面枠体17や移送檻本体21の側面枠体27に脱出防止装置19が取り付けられている場合には、前記規制板35及びスペーサ部材36に所定の切欠き35a、36a又は前記規制板35に逃げ孔35cを設けているために、前記脱出防止装置19と干渉することなく、確実に捕獲用檻1と移送用檻2を連通連結することができる。
また、捕獲檻本体11の右側の側面枠体17に脱出防止装置19が設けられている場合には、規制板35及びスペーサ部材36の裏表を逆にしたものを用いることができる。裏表を逆にするには、構成品35、36、36bを固定しているネジを外し、裏表を逆にして再びネジ止めすることで対応することが可能である。
さらに、規制板35及びスペーサ部材36に木材を使用している場合には、現場で鋸などを使って干渉する部分を切除するなど、捕獲現場の実情に応じて臨機応変に必要な処置をとることができる。
中間フレーム3は、捕獲用檻1の侵入口14の外形よりも大きな略四辺形に形成し、その中央に移送用檻2の害獣移送口24の大きさに略等しい害獣移送口24に連通する通過口34を設けているために、侵入口14と害獣移送口24の間の害獣の通過動作を円滑に行うことができる。
また、緊締ワイヤ37、37の緊締力を高めると、移送檻本体21が捕獲檻本体11に引き寄せられて中間フレーム3が撓むため、これに対して中間フレーム3には反発力が発生する。この反発力を利用することにより移送檻本体21と捕獲檻本体11をより強固に固定することができる。
更には、中間フレーム3の左右両端に設けた前記右端部31及び左端部32は、鉄筋を用いて前記緊締ワイヤ37が通過可能な格子状に形成し、前記緊締ワイヤ37を通過させる格子の部分にマーカ31m、32mを付しているために、前記緊締ワイヤ37による緊締連結を確実に行うことができる。
この結果、害獣が暴れて中間フレーム3等にぶつかっても移送用檻2が大きく横方向にずれることが生じることはなく、イノシシなどの害獣が逃走するという事故を生じることもない。
以上の実施形態において説明した本発明に係る獣類用檻の連結構造100は、上述した実施形態に限られず、上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更した構成、公知発明及び上述した実施形態の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更した構成等も含まれる。また、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物にまで及ぶものである。
1 捕獲用檻
2 移送用檻
3 中間フレーム
4 蹴り糸
5 イノシシ
7 ワイヤロープ
8 トリガ
9 エサ
11 捕獲檻本体
11b 縦格子
12 捕獲用扉
12a、b 横格子
13a 侵入口扉
13b 移送口扉
14 侵入口
15a 侵入口
15b 移送口
16 取っ手
17 側面枠体
17a 摺動用溝
18 前枠体
19 脱出防止装置
19a 固定具
19b 可動部
19c 係止部
19d 貫通孔
21 移送檻本体
21b 縦格子
22 閉塞用扉
22b 横格子
24 害獣移送口
27 側面枠体
27a 摺動用溝
28 前枠体
31 右端部
31m マーカ
32 左端部
32m マーカ
34 通過口
35 規制板
36 スペーサ部材
35a、36a 切欠き
35c 逃げ孔
36b 補強板
37 緊締ワイヤ
37a フック
38 非干渉スペース
39 ストッパ
100 獣類用檻の連結構造

Claims (3)

  1. 前面に侵入口を有し、侵入口に昇降自在の捕獲用扉を設けた捕獲用檻と、
    前面に害獣移送口を有し、当該害獣移送口に昇降自在の閉塞用扉を設けた移送用檻とを侵入口と害獣移送口とに連通させて連結し、
    各檻の捕獲用扉と閉塞用扉との間の中央に通過口を有した中間フレームを介在し、
    中間フレームの左右端部と捕獲用檻の左右端部とを、その間にスペーサ部材を介在して連結し、スペーサ部材により形成される捕獲用檻前面と中間フレーム背面とにより形成される空間を捕獲用扉に突設した取っ手の扉開閉時の非干渉スペースとすると共に、スペーサ部材の外側面の檻長手方向に沿って設けた規制板を捕獲用檻の両側面に当接し、スペーサ部材の横ずれを規制すべく構成し、
    捕獲用檻の側面と移送用檻の側面とを中間フレーム及び規制板の各側端部を迂回した緊締ワイヤで緊締連結したことを特徴とする獣類用檻の連結構造。
  2. 前記規制板及びスペーサ部材は、略長方形状の第一の板と、前記第一の板よりも幅が狭く、かつ、それよりも長く形成された略長方形状の第二の板と、から構成され、第二の板の上に第一の板を重ね、両者の長手方向の一端の端面を揃えてネジ止めにより一体化し、他端の中央部に切欠き又は逃げ孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載の獣類用檻の連結構造。
  3. 前記中間フレームは、捕獲用檻の侵入口の外形よりも大きな略四辺形に形成し、その中央に前記移送用檻の害獣移送口の大きさに略等しい害獣移送口に連通する前記通過口を設け、その両端に前記右端部及び左端部を、鉄筋を用いて前記緊締ワイヤが通過可能な格子状に形成し、前記緊締ワイヤを通過させる格子の部分にマーカを付するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の獣類用檻の連結構造。

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