JP2021131911A - 防災システム - Google Patents

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Abstract

【課題】P型直送方式の防災システムに於いて、信号回線に接続された複数の端末機器の内から作動した端末機器を、信号回線の電流値に基づき識別可能とする防災システムを提供する。【解決手段】防災受信盤からの信号回線12−21に接続された消火栓装置18−1〜18−4に設けられた検知スイッチを備えた所定の防災端末機器である手動通報装置16−1〜16−4は、相互に抵抗値の異なる抵抗RA〜RDと直列に接続されることで、検知スイッチのオンにより相互に電流値の異なる回線電流を流す。防災受信盤の監視制御部は、信号回線から信号を受信した場合に、信号を受信した信号回線に流れる回線電流の電流値に基づき信号を出力した手動通報装置が設けられた消火栓装置を識別する。【選択図】図6

Description

本発明は、防災監視エリアに設置した通報装置や検知器等の防災端末機器を防災受信盤に接続して防災監視エリアの異常を監視する防災システムに関する。
従来、防災監視エリアとして、例えば自動車専用道路等のトンネルには、トンネル内で発生する火災事故から人身及び車両を守るため、非常用施設が設置されている。
このような非常用施設としては、火災の監視と通報のため火災検知器、手動通報装置、非常電話が設けられ、また火災の消火や延焼防止のために消火栓装置が設けられ、更にトンネル躯体やダクト内を火災から防護するために水噴霧ヘッドから消火用水を散水させる水噴霧などが設置され、これらの非常用施設の端末機器を監視制御する防災受信盤を設けることで、トンネル防災システムを構築している。
防災受信盤と端末機器で構成するトンネル防災システムは、R型伝送方式とP型直送方式に大別される。R型伝送方式は、伝送回線にアドレスを設定した火災検知器等の端末機器を接続し、伝送制御により端末機器単位に検知と制御を行う個別管理を可能とする。P型直送方式は、端末機器の種別に応じて所定の区画単位に分け、区画単位に引き出した信号回線に同一区画に属する複数の端末機器を接続し、信号回線単位に検知と制御を行う。
ところで、P型直送方式のトンネル防災システムにあっては、手動通報装置、消火栓起動装置、ダクト温度検知器等の端末機器は、操作又は検知による信号出力部を無電圧a接点スイッチとして構成し、防災受信盤から引き出された信号回線に無電圧a接点スイッチ接続している。無電圧a接点スイッチは通常監視状態でオフしており、操作や検知動作によりオンして無電圧接点信号を出力する。
具体的には、防災受信盤に設けられた回線受信部で信号回線の一方にプルアップ抵抗を介して電源電圧を印加しており、無電圧a接点スイッチがオフした定常監視状態では、信号回線に消費電流は殆ど流れず、防災受信盤から見た信号回線間の電源電圧は略電源電圧に保たれている。無電圧a接点スイッチがオンすると信号回線に電流が流れ、防災受信盤から見た信号回線間の電圧は略零ボルトに低下し、防災受信盤の回線受信部は信号回線の消費電流の増加又は信号回線間の電圧低下を検出して端末機器の操作又は検知を示す受信信号を制御部に出力する。
例えば手動通報装置からの火災信号であれば、防災受信盤は、火災表示、端末側の応答ランプの点灯制御、手動通報区画表示といった制御動作を行うと共に、遠方監視制御設備、テレビ監視設備、可変式道路情報板設備、トンネル換気設備、照明設備等の外部設備に火災通報信号を送信して所定の対処制御を行わせるようにしている。
また、消火栓装置に設けられた消火栓弁開閉検出スイッチ等の消火栓起動装置からの消火栓起動信号であれば、防災受信盤は、消火ポンプ設備にポンプ起動信号を送信して遠隔的に消火ポンプ設備を起動運転させるようにしている。
特開2002−246962号公報 特開平11−128381号公報
このような従来のP型直送方式のトンネル防災システムにあっては、端末機器を接続している信号回線(外線ケーブル)の経年劣化等により絶縁低下が進み、端末機器を接続している信号回線に通常監視状態で想定される以上の電流が流れ、防災受信盤は端末機器の操作又は検知動作による信号受信と判断して警報動作を行うと共に、遠方監視制御設備、テレビ監視設備、可変式道路情報板設備、トンネル換気設備、照明設備等の他設備を連動し、トンネルを通行止めにすることが度々生じている。
この問題を解決するため、防災受信盤とは別の筐体に電流監視装置を設け、無電圧a接点スイッチを設けた端末機器を接続した信号回線に流れる電流を、例えば1日1回というように定周期で測定して記録し、更に、測定した電流が所定の閾値範囲を外れた場合に信号回線の電流値異常を判定して警報するようにしている。
ところで、従来の防災受信盤にあっては、盤前面にトンネル系統図を描いたグラフィックパネルを配置している。グラフィックパネルのトンネル系統図には、例えばトンネル長手方向に設置された消火栓装置を矩形シンボルの配列で表示すると共に、トンネル長手方向に分割した区画に対応して複数の区画表示灯が手動通報装置と消火栓起動装置に分けて配列されている。
防災受信盤は、例えば消火栓装置に設けた手動通報装置から火災信号を受信して火災警報を出力すると、火災信号を受信した信号回線に対応した区画シンボルの区画表示灯を点灯し、手動通報が行われた区画が識別できるようにしている。
しかしながら、従来のP型直送方式のトンネル防災システムにあっては、端末機器の種別に応じて所定の区画単位に分け、区画単位に引き出した信号回線に同一区画に属する複数の端末機器を接続し、信号回線単位に検知と制御を行うため、手動通報が行われた区画が区画表示灯の点灯でわかっても、手動通報が行われた消火栓装置は不明であり、現場に出向いて確認しないと分からない問題がある。
この問題を解決するためにはP型直送方式とせず、端末機器のアドレスが分かるR型伝送方式とすればよいが、それでは車両の通行量やトンネル長さを考慮したP型直送方式のメリットを生かすことができず、P型直送方式において区画表示に加え、区画内の作動した端末機器を識別表示できることが望まれる。
また、従来は防災受信盤に対し電流監視装置を別の筐体に設けているため、防災受信盤から火災情報や障害情報等を電流測定装置に送って測定履歴と共に記憶させる伝送機能と処理機能が必要となり、設備構成と処理が複雑になる問題もある。
本発明は、信号回線に接続された複数の端末機器の内から作動した端末機器を、信号回線の電流値に基づき識別可能とするP型直送方式の防災システムを提供することを目的とする。
(防災システム)
本発明は、
防災監視エリアに対応して配置され、信号回線に複数接続され、信号回線に回線電流を流すことで防災受信盤へ信号を出力する所定の防災端末機器と、
防災端末機器からの信号を受信して、受信した信号に応じた所定の制御処理を行う監視制御部と、
を備えた防災システムであって、
複数の防災端末機器の各々は、相互に電流値の異なる回線電流を信号として信号回線に流し、
監視制御部は、信号回線から信号を受信した場合に、信号を受信した信号回線に流れる回線電流の電流値に基づき信号を出力した防災端末機器を識別することを特徴とする。
(防災端末機器)
複数の防災端末機器の各々は、検知スイッチと抵抗との直列回路により信号回線に接続され、検知スイッチがオンされることで信号回線に信号として回線電流を流し、相互に抵抗値の異なる抵抗を備えることにより、相互に電流値の異なる回線電流を信号として信号回線に流す。
(手動通報装置の識別)
防災端末機器は、火災通報操作により検知スイッチをオンして火災信号を出力する消火栓装置に設けられた手動通報装置であり、
監視制御部は、信号回線から火災信号を受信した場合に、火災警報を出力させると共に、火災信号を受信した信号回線に流れる電流値に基づき火災信号が出力された消火栓装置を識別する。
(消火栓起動装置の識別)
防災端末機器は、消火栓弁開閉レバーの開操作又はポンプ起動スイッチの起動操作により検知スイッチをオンして消火栓起動信号を出力する消火栓装置に設けられた消火栓起動装置であり、
監視制御部は、信号回線から消火栓起動信号を受信した場合に、消火ポンプ設備にポンプ起動信号を送信して運転を開始させると共に、消火栓起動信号を受信した信号回線に流れる電流値に基づき消火栓起動信号が出力された消火栓装置を識別する。
(表示部による消火栓装置の識別表示)
防災受信盤は、防災監視エリアの消火栓装置の配置を示すエリア系統図を表示する表示部を備え、
監視制御部は、火災信号を出力した手動通報装置又は消火栓起動信号を出力した消火栓起動装置が設けられた消火栓装置と識別された消火栓装置を識別可能に表示部のエリア系統図に表示させる。
(表示部による区画表示)
防災監視エリアは、所定の区画に分割され、
防災端末機器は、区画に対応して設けられ、区画に対応して敷設された信号回線に複数接続され、
監視制御部は、消火栓装置を表示部のエリア系統図に識別可能に表示させると共に、当該消火栓装置が設けられた区画を識別可能に表示させる。
(第2の表示部)
防災受信盤は、防災端末機器を識別する場合の信号回線に流れる電流値の履歴を表示させる第2の表示部を備える。
(監視制御部)
監視制御部は、防災受信盤に設けられる。
(基本的な効果)
本発明は、防災監視エリアに対応して配置され、信号回線に複数接続され、信号回線に回線電流を流すことで防災受信盤へ信号を出力する所定の防災端末機器と、防災端末機器からの信号を受信して、受信した信号に応じた所定の制御処理を行う監視制御部と、を備えた防災システムであって、複数の防災端末機器の各々は、相互に電流値の異なる回線電流を信号として信号回線に流し、監視制御部は、信号回線から信号を受信した場合に、信号を受信した信号回線に流れる回線電流の電流値に基づき信号を出力した防災端末機器を識別するようにしたため、信号回線に接続された複数の防災端末機器の何れかが他の防災端末機器とは異なる電流値の回線電流を流すことで信号が出力され、監視制御部が信号を受信した信号回線に流れる電流値からどの防災端末機器が信号を出力したかを識別するこができ、P型直送方式であっても、信号を出力した端末機器を簡単に識別することができる。
(手動通報装置の識別による効果)
また、防災端末機器は、火災通報操作により検知スイッチをオンして火災信号を出力する消火栓装置に設けられた手動通報装置であり、監視制御部は、信号回線から火災信号を受信した場合に、火災警報を出力させると共に、火災信号を受信した信号回線に流れる電流値に基づき火災信号が出力された消火栓装置を識別するようにしたため、同じ信号回線に接続されている複数の消火栓装置に設けられた手動通報装置の何れかが操作されて火災信号が出力された場合、火災信号が受信された信号回線の電流値から火災信号を出力した手動通報装置を設けている消火栓装置を簡単に識別することができ、現場に出向くことなく、火災通報が行われた防災監視エリアの位置を特定して適切な対応を可能とする。
(消火栓起動装置の識別による効果)
また、防災端末機器は、消火栓弁開閉レバーの開操作又はポンプ起動スイッチの起動操作により検知スイッチをオンして消火栓起動信号を出力する消火栓装置に設けられた消火栓起動装置であり、監視制御部は、信号回線から消火栓起動信号を受信した場合に、消火ポンプ設備にポンプ起動信号を送信して運転を開始させると共に、消火栓起動信号を受信した信号回線に流れる電流値に基づき消火栓起動信号が出力された消火栓装置を識別するようにしたため、同じ信号回線に接続されている複数の消火栓装置の何れかで消火栓開閉レバーの開操作が行われて消火栓起動信号が出力された場合、消火栓起動信号が受信された信号回線の電流値から消火栓開閉レバーの開操作が行われた消火栓装置を簡単に識別することができ、現場に出向くことなく、消火活動に使用されている消火栓装置を知ることができ、防災監視エリアにおける火災現場の状況を適切に把握することを可能とする。
(表示部による消火栓装置の識別表示の効果)
また、防災受信盤は、防災監視エリアの消火栓装置の配置を示すエリア系統図を表示する表示部を備え、監視制御部は、火災信号を出力した手動通報装置又は消火栓起動信号を出力した消火栓起動装置が設けられた消火栓装置と識別された消火栓装置を識別可能に表示部のエリア系統図に表示させるようにしたため、表示部のエリア系統図に、例えば識別された消火栓装置を点灯又は点滅表示することで、手動通報装置が操作された消火栓装置や消火栓起動装置が操作された消火栓装置を簡単且つ容易に識別できる。
(表示部による区画表示の効果)
また、防災監視エリアは、所定の区画に分割され、防災端末機器は、区画に対応して設けられ、区画に対応して敷設された信号回線に複数接続され、監視制御部は、消火栓装置を表示部のエリア系統図に識別可能に表示させると共に、当該消火栓装置が設けられた区画を識別可能に表示させるようにしたため、どの区画のどの消火栓装置が操作されたが簡単且つ容易に把握できる。
(第2の表示部による効果)
また、防災受信盤は、防災端末機器を識別する場合の信号回線に流れる電流値の履歴を表示させる第2の表示部を備えるようにしたため、火災信号や消火栓起動信号を受信した信号回線についての電流値の履歴を火災信号や消火栓起動信号の履歴に併せて見ることを可能とする。
(監視制御部による効果)
また、監視制御部は、防災受信盤に設けられるため、電流値に基づき信号を出力した防災端末機器を識別する機能を防災受信盤が備えることになり、別筐体として設けていた電流監視装置の一部の機能を防災受信盤が取り込むことになるため、設備構成及び処理が簡単となり、設置スペースも低減できる。
トンネル防災システムの概要を示した説明図 防災受信盤の外観を示した説明図 防災受信盤のパネル扉を開いてモニタ装置が見える状態を示した説明図 図2のグラフィックパネルを取り出して示した説明図 トンネル防災システムの機能構成の概略を示したブロック図 信号回線に接続された手動通報装置の回路構成を示した回路ブロック図 図6の手動通報装置のスイッチオンにより流れる信号回線の電流を識別する閾値の設定を示した説明図 消火栓番号、区画、及び区画内の消火栓装置識別符号の関係を示した説明図 定周期測定による測定履歴を表示したモニタ装置の測定記録画面を示した説明図 絞込み条件の設定により抽出された測定履歴が表示されるモニタ装置の測定記録絞込み画面を示した説明図 防災受信盤による防災監視制御を示したフローチャート 防災受信盤の他の実施形態を示した説明図
[トンネル防災システムの概要]
図1はトンネル防災システムの概要を示した説明図である。図1に示すように、自動車専用道路のトンネルとして、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bが構築され、上り線トンネル1aと下り線トンネル1bは避難連絡坑2でつながっている。
上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内部には、トンネル長手方向の監視員通路の壁面に沿って例えば50メートル間隔で消火栓装置18が設置されている。
消火栓装置18は消火栓扉内にノズル付きホースを収納しており、火災時には消火栓扉を開いてノズル付きホースを引き出し、消火栓弁開閉レバーを開操作すると消火用水が放水され、また、消火栓弁開閉検出スイッチ14がオンし、消火栓起動信号を防災受信盤10に出力して消火ポンプを起動させる。
また、消火栓装置18には通報装置扉が設けられており、通報装置扉には手動通報装置(発信機)16が設けられている。このように消火栓装置18には、消火栓弁開閉検出スイッチ14、及び手動通報装置16が端末機器として設けられており、それぞれ接点手段として機能する無電圧a接点スイッチのオンにより、消火栓起動信号及び火災通報信号(火災信号)が出力される。
なお、消火栓装置18には消防隊が使用するポンプ起動スイッチが設けられているが、消火栓弁開閉検出スイッチ14と同じ消火栓起動信号を出力するシステム的には同一のスイッチであることから、以下、消火栓弁開閉検出スイッチ(ポンプ起動スイッチを含む)14として説明する。また、手動通報装置16は、消火栓装置18以外に、非常電話ボックス内にも設置しているが、以下の説明では、消火栓装置18に設けた手動通報装置を代表として説明する。
トンネル非常設備として、消火栓装置18以外に、火災検知器、自動弁装置、ダクト内温度検知器等が設けられているが、図示を省略している。
火災検知器はトンネル長手方向の壁面に沿って例えば25メートル又は50メートル間隔で設置され、左右25メートル又は50メートルとなる両側に監視エリアを設定し、火災による炎を検出して火災発報する。
自動弁装置は水噴霧設備を構成しており、作動用電動弁の遠隔開制御により主弁を開駆動し、トンネル壁面の上部の長手方向に設置した複数の水噴霧ヘッドから消火用水を放水してトンネル躯体を火災から防護する。
ダクト内温度検知器は、トンネル長手方向の監視員通路の内部の配管やケーブルを敷設したダクトに配置されており、ケーブル火災等によるダクト内の温度上昇を検出し、接点手段として機能する無電圧a接点スイッチのオンにより温度検知信号を出力する。
上り線トンネル1a及び下り線トンネル1bの監視センター等には防災受信盤10が設置されている。防災受信盤10には、上り線トンネル1a及び下り線トンネル1bの防災監視機能に加え、端末機器を接続したP型の信号回線の電流を監視する電流監視機能が設けられている。
防災受信盤10からは上り線トンネル1aと下り線トンネル1bの内に、トンネル長手方向に分割した所定の区画毎に、例えば6区画に分けてP型の信号回線12−11〜12−16、12−21〜12−26が引き出され、本実施形態にあっては、4台の消火栓装置18で1区画を形成しており、区画単位に設けられた複数の消火栓弁開閉検出スイッチ14及び手動通報装置16が同じ信号回線に接続されている。
なお、ダクト内に設置されたダクト内温度検出器に対しても、同様にP型の信号回線が区画単位に引き出され、区画単位に設けられた複数のダクト内温度検知器が接続されているが、図示を省略している。また、信号回線12−11〜12−26は、区別する必要がない場合は、信号回線12という場合がある。
P型の信号回線12は信号線とコモン線で構成され、消火栓装置18の消火栓弁開閉検出スイッチ14、手動通報装置16及びダクト内温度検知器の各々に設けた無電圧a接点スイッチを接続した場合は、それぞれの操作又は検知動作により無電圧a接点スイッチをオンして回線電流を流すことで、消火栓起動信号、火災通報信号(火災信号)、温度検知信号を防災受信盤10に送るようにしている。
またトンネルの非常用施設としては、消火栓装置18、火災検知器及び自動弁装置以外に、消火ポンプ設備20、ダクト用の冷却ポンプ設備22、IG子局設備24、換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34及び照明設備36等が設けられており、IG子局設備24をデータ伝送回線で接続する点を除き、それ以外の設備はP型信号回線により防災受信盤10に個別に接続されている。ここで、IG子局設備24は、防災受信盤10と外部に設けた上位設備である遠方監視制御設備26とをネットワーク25を経由して結ぶ通信設備である。
換気設備28は、トンネル内の天井側に設置しているジェットファンの運転による高い吹き出し風速によってトンネル内の空気にエネルギーを与えて、トンネル長手方向に空気の流れを起こす設備である。
また、警報表示板設備30は、トンネル内の利用者に対して、トンネル内の異常を、電光表示板に表示して知らせる設備である。ラジオ再放送設備32は、トンネル内で運転者等が道路管理者からの情報を受信できるようにするための設備である。テレビ監視設備34は、火災の規模や位置を確認したり、水噴霧設備の作動、避難誘導を行う場合のトンネル内の状況を把握するための設備である。照明設備36はトンネル内の照明機器を駆動して管理する設備である。
[防災受信盤]
図2は防災受信盤の外観を示した説明図であり、図2(A)に正面を示し、図2(B)に側面を示す。図3は防災受信盤のパネル扉を開いてモニタ装置を見る状態を示した説明図である。
(前面パネルと筐体内のモニタ装置)
図2に示すように、防災受信盤10は、前後に開放された箱形の筐体62の前面に、ハンドル操作により開閉自在なパネル扉64が設けられ、また、筐体62の裏面にも、バンドル操作により開閉自在な裏扉66が設けられている。
パネル扉64の表側には、トンネル系統図に区画表示灯及び消火栓表示灯が配列されたグラフィックパネル44、複数の代表灯が配列された表示パネル55、及び各種の操作スイッチと電話機が配置された操作パネル52が設けられる。
筐体62の内部には、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いたモニタ装置46が配置されている。図3に示すように、防災受信盤10のパネル扉64を開くと、筐体62内に支持枠68に配置されているモニタ装置46が現れ、モニタ装置46の画面に信号回線の電流値測定結果や判定結果を含む電流値の測定履歴を表示させることができる。
(グラフィックパネル)
図4は図2のグラフィックパネルを取り出して示した説明図である。図4に示すように、グラフィックパネル44の中央上部には火災代表灯100が設けられ、その下のトンネル名に続いて、トンネル系統図として、上り線トンネル系統図102aと下り線トンネル系統図102bが描かれている。
上り線トンネル系統図102aは、消火栓配置部104、手動通報装置配置部106及び消火栓起動装置配置部108の3段に分けられている。消火栓配置部104には、トンネル長手方向に50メートル間隔で配置された例えば22台の消火栓装置を示す矩形の消火栓シンボルとして消火栓表示灯110が配列されている。
手動通報装置配置部106は、P型の信号回線に対応して6区画の区画シンボルに分けられており、各区画シンボルには「1〜6」の区画番号(回線番号に対応)が表記され、また、各区画シンボルの中に区画表示灯112が設けられている。なお、回線表示灯112が配置された区画シンボルは、4つの消火栓表示灯110に対応して配列されているが、最後の区画シンボルは消火栓番号か21番と22番の2台の消火栓表示灯110に対応して配列されている。
消火起動装置配置部108も同様に、P型の信号回線に対応して6つの区画シンボルに分けられており、各区画シンボルには「1〜6」の区画番号が表記され、また、各区画シンボルに回線表示灯114が設けられている。なお、消火栓配置部104、手動通報装置配置部106及び消火栓起動装置配置部108は下り線トンネル系統図102bについても同様になる。
グラフィックパネル44に設けられた消火栓表示灯110及び回線表示灯112,114は、対応する信号回線からの信号受信による火災又は消火栓起動が判定された場合に点灯される。
[防災受信盤の構成]
(防災受信盤の概要)
図5はトンネル防災システムの機能構成の概略を示したブロック図である。図5に示すように、防災受信盤10は制御部40を備え、制御部40は例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、AD変換ポートを含む各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
制御部40に対しては、トンネル内に設置した各種の端末機器をP型の信号回線12により接続したP型伝送部42が設けられ、また、制御部40に対しグラフィックパネル44、モニタ装置46、スピーカ、ブザー、警報表示灯等を備えた警報部48、各種表示灯を備えた表示パネル50、各種スイッチを備えた操作パネル52を設け、更に、IG子局設備24、換気設備28、警報表示板設備30、ラジオ再放送設備32、テレビ監視設備34、照明設備36、消火ポンプ設備20及び冷却ポンプ設備22をP型の信号回線により個別に接続したP型伝送部54が設けられている。
P型伝送部42には、上り線トンネル1aに引き出された信号回線12−11〜12−16,12−21〜12−26に対応して回線受信部60が設けられ、回線受信部60には信号回線に流れる電流を検出する電流検出部61が設けられている。
また、P型伝送部42には、下り線トンネル1bに引き出された信号回線12−11〜12−16,12−21〜12−26に対応して、同様に、回線受信部60が設けられ、回線受信部60には信号回線に流れる電流を検出する電流検出部61が設けられている。
(手動通報装置の構成)
図6は信号回線に接続された手動通報装置の回路構成を示した回路ブロック図である。
図6に示すように、防災受信盤10の回線受信部60から引き出された例えば信号回線12−21には消火栓装置18−1〜18−4に設けられた手動通報装置16−1〜16−4のスイッチが接続されており、手動通報装置16−1〜16−4のスイッチには異なる抵抗値をもつ抵抗RA,RB,RC,RDが直列に接続されている。
本実施形態ではRA,RB,RC,RDの間に
RA>RB>RC>RD
の関係が設定されており、手動通報装置16−1〜16−4のスイッチオンにより信号回線12−21に流れる電流をIA,IB,IC,IDとすると、
IA<IB<IC<ID
の関係が得られている。
また、信号回線12−21の終端には終端抵抗R0が接続されて断線監視電流I0を流しており、抵抗値は
R0>RA>RB>RC>RD
の関係にあることから、電流値は
I0<IA<IB<IC<ID
の関係が得られている。
図7は図6の手動通報装置のスイッチオンにより流れる信号回線の電流を識別する閾値の設定を示した説明図である。
図7に示すように、信号回線12−21に流れる手動通報装置16−1〜16−4のスイッチオンにより流れる電流をIA,IB,IC,ID及び断線監視電流IOに対し、電流閾値Ith1,Ith2,Ith3,Ith4,Ith5を図示のように設定して、手動通報装置16−1〜16−4の識別符号をA,B,C,Dとすると、信号回線12−21に流れる電流値を測定することで、断線、監視、識別符号Aの手動通報装置16−1のスイッチオン、識別符号Bの手動通報装置16−12のスイッチオン、識別符号Cの手動通報装置16−3のスイッチオン、及び識別符号Dの手動通報装置16−4のスイッチオンを判別することができる。
図8は消火栓番号、区画、及び区画内の消火栓装置識別符号の関係を示した説明図である。例えば図6の信号回線12−21に接続した手動通報装置16−1からの火災通報信号の受信により第1区画に対応した区画番号1が識別され、また、図7に示した信号回線12−21に流れる電流値IAの測定により識別符号Aが識別され、このような(区画番号1、識別符号A)の組み合わせにより、図8に示す関係からトンネル内に配置している22台の消火栓装置18の中から消火栓番号1の消火栓装置で火災通報操作が行われたことを識別することができる。
この点は信号回線12−12〜12−26に接続している他の自動通報装置16、及び、信号回線12−11〜12−16に接続された消火栓弁開閉検出スイッチ14についても同様となる。
具体的には、防災受信盤10の制御部40に設けられたメモリに、図8の関係に基づき、区画番号と識別符号の組を索引として消火栓番号を記憶したテーブル情報を記憶するようにしている。
制御部40にはプログラムの実行により実現される機能として、監視制御部56及び電流監視部58の機能が設けられている。
(監視制御部)
監視制御部56はトンネル内に設置した消火栓装置18に設けられた消火栓弁開閉検出スイッチ14、手動通報装置16、火災検知器、ダクト内温度検知器、及び自動弁装置等の端末機器からの検知信号や操作信号に基づき、所定の監視制御を行う。
また、監視制御部56は、例えば消火栓装置18に設けた手動通報装置16の操作による火災通報信号(火災信号)を、回線受信部60を介して受信した場合、警報部48により主音響鳴動を行うと共に図4に示したグラフィックパネル44の火災代表灯100を点灯又は点滅して火災代表表示を行い、また、火災通報信号を受信した信号回線に対応した手動通報装置配置部106の回線表示灯112を点灯して手動通報区画表示を行い、また消火栓装置18に応答信号を送信して応答ランプを点灯させる。
また、監視制御部56は、火災通報信号の受信に続いて、消火栓装置に設けられた消火栓弁開閉レバーの操作に伴う消火栓弁開閉検出スイッチ14のオンによる消火栓起動信号を回線受信部60を介して受信した場合、図4に示したグラフィックパネル44の消火栓起動信号を受信した信号回線に対応した消火栓起動装置配置部108の回線表示灯114を点灯して消火栓起動地区表示を行い、更に、ポンプ起動信号を消火ポンプ設備20に送信して消火ポンプを起動させる。
更に、監視制御部56は、火災通報信号の受信に基づく他設備に対する制御として、IG子局設備24を介して遠方監視制御設備26に火災通報信号を送信して警報させる制御、テレビ監視設備34により手動通報区画を表示する制御、警報表示板設備30により手動通報区画の火災通報を表示する制御、換気設備28により手動通報区画を換気する制御、照明設備36により手動通報区画を照明する制御等を行う。
また、監視制御部56は、ダクト内温度が上昇してダクト内温度検知器から温度検知信号を受信した場合、冷却ポンプ設備22にポンプ起動信号を出力し、ダクト内に設置したヘッドから散水してダクト内を冷却する制御を行う。
また、監視制御部56は、信号回線12の断線障害を監視しており、手動通報装置16に対する信号回線の断線障害を検出すると、警報部48により障害音響鳴動を行うと共に図2に示した表示パネル50の手動通報回線断線灯を例えば黄色点灯し、また、消火栓弁開閉検出スイッチ14に対する信号回線12の断線障害を検出すると、警報部48により障害音響鳴動を行うと共に図5に示した表示パネル50の消火栓回線断線灯を例えば黄色点灯する制御を行う。
(電流監視部)
電流監視部58は、消火栓弁開閉検出スイッチ14及び手動通報装置16を含む無電圧a接点スイッチを備えた端末機器を接続した信号回線12の電流値を測定し、測定した電流値が所定の上限値と下限値で決まる閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果を測定履歴として着脱自在なメモリカードを用いたメモリに記憶する制御を行う。
電流監視部58による信号回線12の電流値の測定は、例えば、図5の電流検出部61に設けられた信号回線12に挿入した電流検出抵抗の検出電圧をAD変換して読み込み、ノイズの影響を除去するため、所定時間測定した電流値の平均値を求める。
ここで、電流監視部58による電流値測定には、定周期測定、自動測定、手動測定がある。電流監視部58の定周期測定は、所定周期毎、例えば1日1回の周期で全ての信号回線12の電流値を順次測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果及び判定結果を測定履歴としてメモリに記憶させる制御を行う。
電流監視部58による電流値の自動測定は、モニタ装置46による自動測定操作を検出した場合に、全ての信号回線12に流れる電流値を順次測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果をモニタ装置46に画面表示させる制御を行う。
電流監視部58による電流値の手動測定は、モニタ装置46による信号回線の選択を含む手動測定操作を検出した場合に、選択された信号回線に流れる電流値を測定し、測定した電流値が所定の閾値範囲を外れた場合に電流値異常を判定し、測定結果をモニタ装置46に画面表示させる制御を行う。
また、電流監視部58は、モニタ装置46による測定履歴表示操作を検出した場合、メモリに記憶されている電流値の測定履歴をモニタ装置46に画面表示させる制御を行う。
電流監視部58は、定周期測定、自動測定又は手動測定の測定中は、図5に示した表示パネル50の中の電流監視装置測定中灯を緑色点灯し、また、定周期測定、自動測定又は手動測定により電流値異常が判定された場合、図5に示した表示パネル50の中の手動通報電流値異常灯又は消火栓電流値異常灯を黄色点灯させて代表表示させる制御を行う。
また、電流監視部58は、モニタ装置46による異常履歴表示操作を検出した場合、メモリに記憶されている電流値の測定履歴から電流値異常が判定されている測定履歴を抽出してモニタ装置46に時系列的に画面表示させる制御を行う。
[信号回線の電流値測定に基づく作動した端末の識別表示]
(手動通報装置の識別表示)
図5の防災受信盤10の制御部40に設けられた監視制御部56は、例えば図6に示した信号回線12−21に接続された4台の消火栓装置18−1〜18−4の何れかに設けられている手動通報装置16−1〜16−4の火災通報操作によるスイッチオンで出力された火災通報信号を受信した場合に、電流監視部58に指示して火災通報信号が受信された信号回線12−21に流れる電流値を測定させ、測定された電流値が例えば図7に示す電流閾値Ith2〜Ith3の範囲内にあることを判別した場合、識別符号Aに対応した図6に示した手動通報装置16−1のスイッチオンによる火災通報信号であることを判別し、図4のグラフィックパネル44の上り線トンネル系統図102aの消火栓配置部104における消火栓番号が1番の消火栓表示灯110を点灯又は点滅し、消火栓装置18−1で火災通報操作が行われたことを識別表示させる制御を行う。
このように防災受信盤10は、火災通報信号を受信した場合、火災通報信号が受信された信号回線12の電流値を測定することで、火災通報信号を出力した手動通報装置16を設けている消火栓装置18を簡単に識別して表示することができ、現場に出向くことなく、火災通報が行われたトンネル内の位置を特定して適切な対応を可能とする。
(消火栓起動装置の識別表示による効果)
図5の防災受信盤10の制御部40に設けられた監視制御部56は、例えば信号回線12−11に接続された4台の消火栓装置18の何れかに設けられている消火栓弁開閉レバーの開操作により消火栓弁開閉検出スイッチ14がオンして出力された消火栓起動信号を受信した場合に、電流監視部58に指示して消火栓起動信号が受信された信号回線12−11に流れる電流値を測定させ、測定された電流値が例えば図7に示す電流閾値Ith2〜Ith3の範囲内にあることを判別した場合、識別符号Aに対応した消火栓弁開閉検出スイッチ14のオンによる消火栓起動信号であることを判別し、図4のグラフィックパネル44の上り線トンネル系統図102aの中の消火栓配置部104における消火栓番号が1番の消火栓表示灯110を点灯又は点滅し、消火栓装置18−1で消火栓起動操作が行われたことを識別表示させる制御を行う。
このため防災受信盤10は、消火栓起動信号を受信した場合、消火栓起動信号が受信された信号回線12の電流値を測定することで、消火栓起動信号を出力した消火栓弁開閉検出スイッチ14を設けている消火栓装置18を簡単に識別して表示することができ、現場に出向くことなく、消火活動に使用されている消火栓装置18を知ることができ、トンネル内における火災現場の状況を適切に把握することを可能とする。
(モニタ装置による測定記録画面の表示)
図9は定周期測定による測定履歴を表示したモニタ装置の測定記録画面を示した説明図である。
図9に示すように、モニタ画面70の下側には、自動測定選択ボタン73、手動測定選択ボタン74、測定記録選択ボタン75、異常履歴選択ボタン76及び回線選択ボタン77が配置され、ハッチングで示すように、測定記録選択ボタン75を操作すると、図示の測定記録画面72が表示される。
測定記録画面72の右側には、ページ表示78、ページ切替ボタン79,80、ファイル保存ボタン81及びメモリ取出ボタン82が配置される。
ページ切替ボタン79,80を操作することで測定履歴詳細情報83のページ切替えを可能としている。ファイル保存ボタン81は測定結果のメモリ格納を指示する。メモリ取出ボタン82は防災受信盤10から電流値測定情報を記憶したメモリを取り出す場合に操作する。
測定記録画面72の画面中央に表示された測定履歴詳細情報83は、「No」で示す回線番号、日時、項目、上限値/下限値、測定値及び判定の各項目に分けて、信号回線毎に情報が一覧表示される。ここで、回線番号004にあっては、測定値が1.25mAであり、上限値1.00mAを超えていることから「NG」の表示により電流値異常と判定されている。それ以外の回線番号の測定値は上限値と下限値の範囲に収まっていることから「OK」の表示により正常と判定されている。
電流監視部58は、1日1回の測定周期により測定された電流値の測定履歴を記憶しており、測定記録選択ボタン75の操作で、記憶している履歴情報に基づき測定履歴詳細情報83を画面表示するが、監視制御部56の指示に基づき火災通報信号又は消火栓起動信号を受信した信号回線の電流値を測定して操作された消火栓装置を識別表示させた場合にも、測定された電流値を測定履歴として記憶させている。
このため図9のように測定記録画面72を表示させた場合には、火災通報信号や消火栓起動信号の受信で測定された電流値の測定履歴も見ることができ、火災発生時刻や消火栓起動時刻等を調査することができる。
(測定履歴の絞込み表示)
図9の測定記録画面72の下側に配置された回線選択ボタン77を操作すると、図10に示す測定記録絞込み画面84の表示に切り替えられる。
図10の測定記録絞込み画面84には、系統選択部85、装置選択部86、区画選択部87、確定ボタン88、解除ボタン89、ページ表示90、ページ切替ボタン91,92、及び閉鎖ボタン93が設けられている。
系統選択部85は上り線と下り線から選択する。装置選択部86は、手動通報、消火栓、ダクトから選択する。区画選択部87は区画番号を入力する。
測定記録絞込み画面84において、例えば「上り線の手動通報装置における区画01」の測定記録に絞込みたい場合には、図示のように、系統選択部85に「上り線」、装置選択部86に「手動通報」、区画選択部87に「01」を設定し、確定ボタン88を操作すると、対応する絞込み測定記録94が表示される。
この状態で解除ボタン89を操作すると、絞込み条件及び絞込み測定記録94がクリアされる。また、閉鎖ボタン93を操作すると、図9の測定記録画面72に戻る。
このような測定記録絞込み画面84の機能を利用することで、記憶されている膨大な測定記録の中から、系統、装置、区画の組み合わせた絞込み条件の設定により測定記録を絞り込んで表示させることができ、例えば、火災通報信号又は消火栓起動信号の受信で測定された電流値を画面表示させて、火災発生時刻や消火栓起動時刻等を簡単に調査することを可能とする。
なお、測定記録の絞込み条件としては、系統、装置、区画に加え、期間を選択できるようにしても良い。
[防災監視制御]
図10は防災受信盤による防災監視制御を示したフローチャートであり、図5の防災受信盤に設けられた監視制御部56及び電流監視部58の制御動作となる。
図10に示すように、電流監視部58はステップS1で1日1回の電流値の測定周期に達したことを判別するとステップS2に進み、全ての信号回線の電流値を順次測定して電流値異常の有無を判定し、測定結果及び判定結果を測定履歴としてメモリに記憶させる電流値測定制御を行う。
続いて、監視制御部56はステップS3で火災通報信号の受信の有無を監視しており、火災通報信号の受信を判別するとステップS4に進んで火災警報制御を行い、次にステップS5で火災通報のあった区画番号を火災通報信号を受信した信号回線から識別する。
続いて、監視制御部56はステップS6に進み、電流監視部58に指示して火災通報信号を受信した信号回線の電流値を測定させ、測定された電流値に基づきステップS7で通報元の消火栓番号を識別する。
続いて監視制御部56はステップS8に進み、図4のグラフィックパネル44の中の火災通報のあった区画の回線表示灯112と消火栓表示灯110を点灯させて、火災通報のあった区画と消火栓装置を表示させる。
続いて、監視制御部56はステップS9で消火栓起動信号の受信を監視しており、消火栓起動の受信を判別するとステップS10に進んで消火ポンプ起動制御を行い、次にステップS11で消火栓起動のあった区画番号を消火栓起動信号を受信した信号回線から識別する。
続いて、監視制御部56はステップS12に進み、電流監視部58に指示して消火栓起動信号を受信した信号回線の電流値を測定させ、測定された電流値に基づきステップS13で起動元の消火栓番号を識別する。
続いて監視制御部56はステップS14に進み、図4のグラフィックパネル44の中の消火栓起動のあった区画の回線表示灯114と消火栓表示灯110を点灯させて、消火栓起動が行われた区画と消火栓装置を表示させる。
続いて、監視制御部56はステップS15に進んで火災復旧の有無を判別しており、トンネル内での火災が鎮火して火災復旧が判別されるとステップS16で所定の復旧処理を行った後、ステップS1に戻り通常の防災監視制御を行う。
[メインモニタ装置を備えた防災受信盤]
図12は防災受信盤の他の実施形態を示した説明図であり、図12(A)に正面を示し、図12(B)に側面を示す。
図12に示すように、本実施形態の防災受信盤10は、前後に開放された箱形の筐体62の前面にハンドル操作により開閉自在に設けられたパネル扉64の表側には、図2の実施形態に設けられたグラフィックパネル44に代えて、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いた第2のモニタ装置96が設置され、その下に、操作表示部98が配置されている。
第2のモニタ装置96の画面には、図2の防災受信盤10のグラフィックパネル44に描かれた図4に示すトンネル系統図に相当する画像が画面表示され、更に、トンネル防災監視に関する所定の情報が表示される。
筐体64の内部には、図2の実施形態と同様に、タッチパネル付きの液晶ディスプレイを用いたモニタ装置46が配置され、図9及び図10に示した電流値の測定履歴が読出し表示される。
このように第2のモニタ装置96を設けた防災受信盤10にあっては、図5に示したグラフィックパネル44に代えて第2のモニタ装置96を設けた点が相違し、それ以外の構成及び制御機能は同じになる。
このため第2のモニタ装置96を設けた防災受信盤10は、火災通報信号又は消火栓起動信号を受信した場合に、第2のモニタ装置96に画面表示しているトンネル系統図の中の火災通報操作又は消火栓起動操作が判別された消火栓シンボルの表示色を変化させるかフリッカさせると共に、火災通報信号又は消火栓起動信号が受信された信号回線に対応したトンネル系統図の中の区画シンボルの表示を変化させるかフリッカさせることで、操作された消火栓装置や区画が簡単且つ容易に識別できる。
また、信号回線の絶縁劣化等を監視するために測定された電流値の測定履歴をモニタ装置46の画面により見ることで、信号回線の劣化状態を適切に把握可能となり、また、火災通報信号や消火栓起動信号の受信で測定された電流値の測定履歴も記憶されていることから、火災通報信号や消火栓起動信号の電流値の測定履歴も併せてモニタ装置46で見ることを可能とする。
[本発明の変形例]
本発明は、その目的と利点を損なわない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
1a:上り線トンネル
1b:下り線トンネル
10:防災受信盤
12,12−11〜12−26:信号回線
14:消火栓弁開閉検出スイッチ
16:手動通報装置
18:消火栓装置
20:消火ポンプ設備
22:冷却ポンプ設備
24:IG子局設備
26:遠方監視制御設備
28:換気設備
30:警報表示板設備
32:ラジオ再放送設備
34:テレビ監視設備
36:照明設備
40:制御部
42,54:P型伝送部
44:グラフィックパネル
46:モニタ装置
48:警報部
50:表示パネル
52:操作パネル
56:監視制御部
58:電流監視部
60:回線受信部
61:電流検出部
62:筐体
64:パネル扉
70:モニタ画面
72:測定記録画面
84:測定記録絞込み画面
96:第2のモニタ装置
100:火災代表灯
102a:上り線トンネル系統図
102b:下り線トンネル系統図
104:消火栓配置部
106:手動通報装置配置部
108:消火栓起動装置配置部
110:消火栓表示灯
112,114:回線表示灯

Claims (8)

  1. 防災監視エリアに対応して配置され、信号回線に複数接続され、前記信号回線に回線電流を流すことで防災受信盤へ信号を出力する所定の防災端末機器と、
    前記防災端末機器からの信号を受信して、受信した前記信号に応じた所定の制御処理を行う監視制御部と、
    を備えた防災システムであって、
    前記複数の防災端末機器の各々は、相互に電流値の異なる前記回線電流を前記信号として前記信号回線に流し、
    前記監視制御部は、前記信号回線から前記信号を受信した場合に、前記信号を受信した前記信号回線に流れる前記回線電流の電流値に基づき前記信号を出力した前記防災端末機器を識別することを特徴とする防災システム。
  2. 請求項1記載の防災システムであって、
    前記複数の防災端末機器の各々は、検知スイッチと抵抗との直列回路により前記信号回線に接続され、前記検知スイッチがオンされることで前記信号回線に前記信号として回線電流を流し、相互に抵抗値の異なる抵抗を備えることにより、相互に電流値の異なる前記回線電流を前記信号として前記信号回線に流すことを特徴とする防災システム。
  3. 請求項2記載の防災システムであって、
    前記防災端末機器は、火災通報操作により前記検知スイッチをオンして火災信号を出力する消火栓装置に設けられた手動通報装置であり、
    前記監視制御部は、前記信号回線から前記火災信号を受信した場合に、火災警報を出力させると共に、前記火災信号を受信した前記信号回線に流れる前記回線電流の電流値に基づき前記火災信号が出力された前記消火栓装置を識別することを特徴とする防災システム。
  4. 請求項2記載の防災システムであって、
    前記防災端末機器は、消火栓弁開閉レバーの開操作又はポンプ起動スイッチの起動操作により前記検知スイッチをオンして消火栓起動信号を出力する消火栓装置に設けられた消火栓起動装置であり、
    前記監視制御部は、前記信号回線から前記消火栓起動信号を受信した場合に、消火ポンプ設備にポンプ起動信号を送信して運転を開始させると共に、前記消火栓起動信号を受信した前記信号回線に流れる前記回線電流の電流値に基づき前記消火栓起動信号が出力された前記消火栓装置を識別することを特徴とする防災システム。
  5. 請求項3又は4記載の防災システムであって、
    前記防災受信盤は、前記防災監視エリアの消火栓装置の配置を示すエリア系統図を表示する表示部を備え、
    前記監視制御部は、火災信号を出力した手動通報装置又は消火栓起動信号を出力した消火栓起動装置が設けられた消火栓装置と識別された消火栓装置を識別可能に前記表示部の前記エリア系統図に表示させることを特徴とする防災システム。
  6. 請求項5記載の防災システムであって、
    前記防災監視エリアは、所定の区画に分割され、
    前記防災端末機器は、前記区画に対応して設けられ、区画に対応して敷設された信号回線に複数接続され、
    前記監視制御部は、前記消火栓装置を前記表示部の前記エリア系統図に識別可能に表示させると共に、当該消火栓装置が設けられた区画を識別可能に表示させることを特徴とする防災システム。
  7. 請求項1乃至6何れに記載の防災システムであって、
    前記防災受信盤は、前記防災端末機器を識別する場合の前記信号回線に流れる前記回線電流の電流値の履歴を表示させる第2の表示部を備えたことを特徴とする防災システム。
  8. 請求項1乃至7何れに記載の防災システムであって、
    前記監視制御部は、前記防災受信盤に設けられたことを特徴とする防災システム。
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