JP2021131522A - 光学部材、表示装置、頭部装着型表示装置 - Google Patents

光学部材、表示装置、頭部装着型表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学部材において画像の一部が欠けて観察されることを抑制する。【解決手段】光学部材10は、基材11と、第1部分30と、第2部分40と、を備える。第1部分30は、基材11に隣接して配置され、第1光学素子31を含む。第2部分40は、第1部分30からずれた位置において基材11に隣接して配置され、第2光学素子41を含む。第1光学素子31は、当該光学部材10に入射した光の少なくとも一部を基材11の内部に導光させる。第2光学素子41は、基材11の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材10から出射させる。基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上である。【選択図】図2

Description

本発明は、光学部材、光学部材を有する表示装置及び表示装置を有する頭部装着型表示装置に関する。
光学部材によって表示部からの画像光を観察者の眼前に表示する表示装置を有する装置として、頭部に装着して用いられる頭部装着型表示装置(ヘッドマウントディスプレイ)が知られている。このような表示装置において、例えば特許文献1及び特許文献2に示すように、光学部材は、基材と、基材の内部に画像光を導光させるため及び基材の内部を導光している画像光を適切に出射させるための、画像光の入射部及び出射部に設けられた光学素子と、を有している。
光学部材の入射部に入射した画像光は、入射部に設けられた光学素子でその進行方向を変化される。入射部に設けられた光学素子で進行方向を変更された画像光は、基材内を導光されて、出射部に入射する。出射部に入射した画像光は、出射部に設けられた別の光学素子で、出射部の全体に拡張されながら進行方向を変更される。出射部に設けられた光学素子で進行方向を変更された画像光は、光学部材の出射部から出射する。このようにして、画像光が光学部材から出射されて、観察者の眼前に画像を表示することができる。
特表2009−186794号公報 特開2015−102613号公報
このような光学部材において、基材にヒビ等の傷が生じた部分や光学部材の表面に異物が付着した部分があると、当該部分において画像光が妨げられて基材内を導光しなくなることがある。表示部から出射した画像光の一部が光学部材で導光しなくなると、観察者の眼前に表示される画像は、当該部分に対応した画像の一部が欠けてしまう。すなわち、画像が劣化して観察されてしまう。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、光学部材において画像の一部が欠けて観察されることを抑制することを目的とする。
本発明の第1の光学部材は、
基材と、
前記基材に隣接して配置され、第1光学素子を含む第1部分と、
前記第1部分からずれた位置において前記基材に隣接して配置され、第2光学素子を含む第2部分と、を備える光学部材であって、
前記第1光学素子は、当該光学部材に入射した光の少なくとも一部を前記基材の内部に導光させ、
前記第2光学素子は、前記基材の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材から出射させ、
前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上である。
本発明の第1の光学部材において、前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であってもよい。
本発明の第2の光学部材は、
基材と、
前記基材に隣接して配置され、第1光学素子を含む第1部分と、
前記第1部分からずれた位置において前記基材に隣接して配置され、第2光学素子を含む第2部分と、を備える光学部材であって、
前記第1光学素子は、当該光学部材に入射した光の少なくとも一部を前記基材の内部に導光させ、
前記第2光学素子は、前記基材の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材から出射させ、
前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。
本発明の第1または第2の光学部材において、前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくてもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、
前記基材の少なくとも一方の面の80%以上は、波長分散層によって覆われており、
前記波長分散層の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における屈折率の変化率の平均の正負と同一であってもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、前記波長分散層は、前記第1部分及び前記第2部分を含んでもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、回折光学素子であってもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、表面レリーフ型のホログラムであってもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、
前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、体積ホログラムであり、
前記第1光学素子の厚さ及び前記第2光学素子の厚さは、20μm以下であってもよい。
本発明の第1または第2の光学部材において、前記基材の厚さは、0.2mm以上であってもよい。
本発明の表示装置は、
上述したいずれかの光学部材と、
前記光学部材の前記第1部分に対面して配置され、画像光を出射する表示部と、を備える。
本発明の表示装置において、
前記表示部は、少なくとも1つの色の光を出射可能であり、
前記表示部が出射する色の光の波長は、10nm以上の半値全幅を有してもよい。
本発明の頭部装着型表示装置は、上述したいずれかの表示装置を備える。
本発明によれば、光学部材において画像の一部が欠けて観察されることを抑制することができる。
図1は、頭部装着型表示装置の一部であって、頭部に装着されることで眼前に配置された表示装置を示す斜視図である。 図2は、図1の表示装置が有する光学部材の正面図である。 図3は、図2の光学部材のIII−III線に沿った断面図である。 図4は、図2の光学部材のIV−IV線に沿った断面図である。 図5は、図3に示した光学部材の断面図において、光学部材の作用を説明するための図である。 図6は、図5に示した光学部材の一部の拡大断面図であって、光学部材の作用を説明するための図である。 図7は、光学部材における光学素子への光の入射を説明するための図である。 図8は、光学素子への入射回数と回折効率との関係における導光される光の割合を示す表である。 図9は、光学部材の一変形例を説明するための光学部材の断面図である。 図10は、光学部材の他の変形例を説明するための光学部材の正面図である。 図11は、光学部材の他の変形例を説明するための図であって、図10のXI−XI線に沿った断面図である。 図12は、従来の光学部材の作用を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、「シート面」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
図1には、本実施の形態の一例として、頭部装着型表示装置1(ヘッドマウントディスプレイ)が示されている。頭部装着型表示装置1は、人の頭部に装着されて用いられ、眼前に画像を表示する。頭部装着型表示装置1は、頭部に装着された状態で眼前に画像を表示する表示装置3を有している。表示装置3は、画像光を出射する表示部5と、表示部5から出射された画像光を屈折させるレンズ7と、表示部5からの画像光が入射してその内部で導光させた後に観察者の眼前から出射する光学部材10と、を有している。
表示部5は、画像光を出射する装置である。表示部5は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、LCOS、DLP等の任意の表示部を用いることができる。表示部5は、光学部材10の後述する第1部分30に対面する位置に配置され、第1部分30に向けて画像光を出射する。
表示部5は、少なくとも1つの色の光を含む画像光を出射可能である。表示部5が出射する光の色は、例えば赤色、緑色、青色である。好ましくは、表示部5は、赤色、緑色、青色のそれぞれの色の光を組み合わせたフルカラーの画像光を出射可能である。また、表示部5が出射する各色の光の波長は、単一の波長でなく、ある程度の幅を有していることが好ましい。具体的には、表示部5が出射する各色の光の波長は、10nm以上の半値全幅を有していることが好ましく、15nm以上の半値全幅を有していることがより好ましく、20nm以上の半値全幅を有していることがさらに好ましく、25nm以上の半値全幅を有していることがさらにより好ましく、30nm以上の半値全幅を有していることが最も好ましい。
レンズ7は、表示部5の各位置から出射された画像光を出射位置ごとに屈折させて略平行な方向に進む光にして、光学部材10の第1部分30に入射させる。レンズ7は、表示部5と光学部材10との間であって、表示部5の画像光を出射する面に対面する位置に配置される。レンズ7は、例えば凸レンズであり、その焦点距離の位置に表示部5が配置されている。
光学部材10は、一方の側から入射した画像光をその内部で導光させ、観察者の眼前に出射させる。光学部材10に入射する画像光が略平行な方向に進む光であると、光学部材10から出射する画像光を、略平行な方向に進む光とすることができる。図1において、光学部材10に入射する光及び光学部材10から出射する光が実線矢印で示されており、光学部材10の内部を導光する光が点線矢印で示されている。図1に示されているように、光学部材10の表示部5に対面する位置に入射した光が、光学部材10の画像を表示する位置まで進行方向を変更されながら導光され、観察者の眼前の画像を表示する位置から出射される。
光学部材10は、基材11と、波長分散層20と、を有している。波長分散層20は、基材11に隣接して配置されており、より詳しくは基材11に積層されている。以下、図2乃至図4を参照しながら、光学部材10の各構成要素について説明する。図2は、光学部材10の正面図である。図3は、図2におけるIII−III線に沿った光学部材10の断面図であり、図4は、図2におけるIV−IV線に沿った光学部材10の断面図である。
基材11は、光学部材10において、内部で光を導光させる導光体として機能する。可視光を導光させるために、基材11は透明になっている。また、基材11は、一対の主面を有する板状の部材である。光は、板状の基材11の一対の主面や基材11上に設けられた波長分散層20において反射、とりわけ全反射されることで、基材11の内部を導光される。基材11の主面において全反射しやすいよう、基材11の屈折率は、光学部材10の外部の空気等の屈折率より十分に大きくなっていることが好ましい。具体的には、基材11の屈折率は、1.50以上であることが好ましく、1.55以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらにより好ましく、1.7以上であることがさらにより好ましく、1.8以上であることが最も好ましい。
なお、本明細書において、特に断りが無い限り、屈折率とは、波長が587.6nmの光に対する屈折率のことを意味する。また、屈折率の値は、例えば多波長アッベ屈折率計(例えば株式会社アタゴ社製のDR−M4)で測定することができる。
また、透明とは、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm〜780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される可視光透過率が、60%以上であることを意味する。
基材11は、その内部において光を導光させるための形状を維持するために、変形しにくい材料、すなわち剛性の高い材料からなる。また、基材11は、基材11上に積層された波長分散層20を適切に支持している。基材11としては、可視光透過性、剛性、波長分散層20の支持性等を考慮すると、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、アクリル等の樹脂材料や、ガラスであることが好ましい。特に、樹脂材料は、重量や脆性の観点から好適である。また、基材11の剛性や、波長分散層20の支持性、基材11の主面において光が反射する位置の間隔を広げること等を考慮すると、基材11の厚さは厚いことが好ましい。具体的には、基材11の厚さは、0.2mm以上であることが好ましく、0.3mm以上であることがより好ましく、0.5mm以上であることがさらに好ましく、0.7mm以上であることがさらにより好ましい。一方、基材11の可視光透過性や重量等を考慮すると、基材11の厚さは、2.0mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.7mm以下であることがさらに好ましい。さらに、基材11の主面において光を全反射によって導光させるために、基材11の主面は平坦性が高いことが好ましい。具体的には、基材11のうち平面視における任意の1mm角の領域において、最も厚い部分の厚さと最も薄い部分の厚さの差が5μm以下であることが好ましく、2μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることがさらに好ましく、0.5μm以下であることがさらにより好ましい。
また、基材11は、入射した光を波長ごとに異なる方向に屈折させて分散させる波長分散性を有している。すなわち、基材11では波長ごとに屈折率が異なっている。とりわけ、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさ(絶対値)は、大きくなっている。具体的には、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上であり、好ましくは6.5×10−5〔/nm〕以上であり、より好ましくは8.8×10−5〔/nm〕以上であり、さらに好ましくは1.2×10−4〔/nm〕以上であり、さらにより好ましくは2.0×10−4〔/nm〕以上である。ここで、可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均とは、可視光領域の複数の波長間においてそれぞれ算出された屈折率の変化の大きさの平均のことを意味する。本実施の形態では、可視光領域の代表として、波長480nmの光に対する屈折率と波長546.1nmの光に対する屈折率との間における変化の大きさと、波長546.1nmの光に対する屈折率と波長643.8nmの光に対する屈折率との間における変化の大きさと、を算出し、その平均を可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均としている。また、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさは、例えば基材11がガラスの場合、材料にTiO、Nb、Ta、WO等を添加することで、適宜に調節することができる。
波長分散層20は、入射した可視光領域の光を波長ごとに異なる方向に屈折させて分散させる波長分散性を有している。波長分散層20は、基材11と同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、例えば基材11の屈折率が波長の長い光より波長の短い光で大きい場合(より大きく当該光の進行方向を曲げる場合)、波長分散層20の屈折率も波長の長い光より波長の短い光で大きくなっている(より大きく当該光の進行方向を曲げる場合)。あるいは、基材11の屈折率が波長の短い光より波長の長い光で大きい場合、波長分散層20の屈折率も波長の短い光より波長の長い光で大きくなっている。言い換えると、波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。なお、波長の変化に対する屈折率の変化率の平均は、波長の短い光で屈折率が大きくなる場合、負であり、波長の長い光で屈折率が大きくなる場合、正である。
また、波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくなっている。具体的には、波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上であり、好ましくは7.0×10−5〔/nm〕以上であり、より好ましくは1.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらに好ましくは2.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらにより好ましくは5.0×10−4〔/nm〕以上である。波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさは、例えば波長分散層20を形成する樹脂材料に含ませる硫黄、リン、ハロゲン、芳香環等の量により、調節することができる。硫黄を含む官能基としては、チオエーテル、スルホン、チオフェン、チアジアゾール、チアントレンを例示することができる。リンを含む官能基としては、ホスホネートやホスファゼンを例示することができる。あるいは、波長分散層20が含むジルコニア、酸化チタン、アルミナ等の高屈折粒子の量を調節ことで、波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさを調節することができる。
波長分散層20は、その表面において可視光を全反射させることで、基材11とともに可視光を導光させる。可視光を導光させるために、波長分散層20は透明になっている。また、波長分散層20の表面において可視光を全反射させるために、波長分散層20の屈折率は、光学部材10の外部の空気等の屈折率より十分に大きくなっていることが好ましい。具体的には、波長分散層20の屈折率は、1.50以上であることが好ましく、1.55以上であることがより好ましく、1.6以上であることがさらにより好ましく、1.7以上であることがさらにより好ましく、1.8以上であることが最も好ましい。
基材11の内部を導光する光を波長分散層20によって波長ごとに分散させやすくするため、基材11の少なくとも一方の表面の80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは基材11の少なくとも一方の表面の全体は、波長分散層20によって覆われている。図2乃至図4に示された例では、基材11の一方の表面の全体が、波長分散層20によって覆われている。しかしながら、図示された例に限らず、基材11の他方の表面にも波長分散層20が設けられていてもよい。
図2乃至図4に示された例において、波長分散層20は、第1部分30と、第2部分40と、第3部分50と、第4部分60と、を含んでいる。ただし、波長分散層20は、第1〜第4部分以外の部分を含んでいてもよい。第1部分30、第2部分40、第3部分50及び第4部分60は、基材11のそれぞれ別の位置に隣接して配置されている。より詳しくは、第1部分30は、基材11のある位置において基材11に積層されている。第2部分40は、第1部分30から第1方向d1及び第2方向d2にずれた位置において、基材11に積層されている。第3部分50は、第1部分30から第1方向d1にずれた位置において基材11に積層されている。第4部分60は、第1部分30から第2方向d2にずれた位置において基材11に積層されている。第2方向d2は、第1方向d1とは非平行な方向である。
第1部分30は、光学部材10に入射した光の進行方向を変更させる。より詳しくは、第1部分30は、光を回折することで進行方向を変更させる。第1部分30は、表示部5からの画像光を入射させる光学部材10の入射部に設けられている。第1部分30は、表示部5と対面している。図3及び図4によく示されているように、第1部分30は、第1光学素子31及び第5光学素子32を含んでいる。
第1光学素子31は、光学部材10の入射部に入射する光のうち第1波長域の光を回折することで進行方向を変更する。言い換えると、第1光学素子31は、基材11のシート面の法線方向から入射した第1波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第1光学素子31は、第1波長域の光を回折させる第1回折格子を含んでいる。第1光学素子31は、第1回折格子によって、第1部分30に入射した第1波長域の光を第1方向d1に向かうように回折させる。第1方向d1に向かう第1波長域の光は、基材11内を導光される。なお、基材11内で導光される方向は、光学部材10の平面視において、基材11内における光の進行方向のことを意味している。したがって、基材11内における厚み方向への移動を無視している。
なお、ある波長域の光を回折させるように設けられているとは、当該波長域に含まれる任意の波長の光に対する回折効率が、10%以上であることを意味している。回折効率は、例えば分光光度計((株)島津製作所製「UV−2450」)を用いて、透過率の差分から測定することができる。
第5光学素子32は、光学部材10の入射部に入射する光のうち第2波長域の光を回折することで進行方向を変更する。言い換えると、第5光学素子32は、基材11のシート面の法線方向から入射した第2波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第5光学素子32は、第2波長域の光を回折させる第5回折格子を含んでいる。第5光学素子32は、第5回折格子によって、第1部分30に入射した第2波長域の光を第2方向d2に向かうように回折させる。第2方向d2に向かう第2波長域の光は、基材11内を導光される。
また、第1光学素子31及び第5光学素子32の回折効率は、適切な範囲にあることが好ましい。具体的には、第1光学素子31及び第5光学素子32の回折効率は、50%以下であることが好ましく、10%以上40%以下であることがより好ましく、10%以上30%以下であることがさらに好ましく、15%以上25%以下であることが最も好ましい。第1光学素子31の回折効率及び第5光学素子32の回折効率を適切に設定することで、より多くの光を第1部分30から導光させることができる。
ここで、第1波長域は、赤色、緑色、青色の光のうち、2つの色の光の波長域を含んでいる。例えば、第1波長域は、600nm以上700nm以下及び400nm以上490nm以下である。すなわち、第1波長域は、赤色の光の波長域と青色の光の波長域とを含んでいる。この場合、第2波長域は、500nm以上580nm以下である。すなわち、第2波長域は、緑色の光の波長域を含んでいる。あるいは、他の例として、第1波長域は、400nm以上550nm以下である。すなわち、第1波長域は、緑色の光の波長域と青色の光の波長域とを含んでいる。この場合、第2波長域は、550nm以上700nm以下である。すなわち、第2波長域は、赤色の光の波長域を含んでいる。
第1部分30における第1波長域の光の導光方向である第1方向d1と第2波長域の光の導光方向である第2方向d2とがなす角度は、直角に近いことが好ましい。具体的には、第1方向d1と第2方向d2とがなす角度は、70°以上110°以下であることが好ましく、80°以上100°以下であることがより好ましく、85°以上95°以下であることがさらに好ましく、89°以上91°以下であることがさらにより好ましく、90°であることが最も好ましい。
第1光学素子31は、第2波長域の光を透過させることができる。具体的には、第1光学素子31における第2波長域の光の透過率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。同様に、第5光学素子32は、第1波長域の光を透過させることができる。具体的には、第5光学素子32における第1波長域の光の透過率は、30%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることがさらにより好ましい。
第3部分50は、第1部分30で回折された光のうち、第1光学素子31で回折された第1波長域の光を回折させる。第3部分50は、画像光を第1方向d1に拡張する光学部材10の拡張部として設けられている。第3部分50は第1方向d1に長手方向を有している。第3部分50は、第3光学素子51を含んでいる。
第3光学素子51は、第1光学素子31で回折された第1波長域の光を回折する。言い換えると、第3光学素子51は、基材11内を第1方向d1に進む第1波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第3光学素子51は、第1波長域の光を回折させる第3回折格子を含んでいる。第3光学素子51は、第3回折格子によって、第3部分50に第1方向d1から入射した第1波長域の光を第2方向d2に向かうように回折させる。第2方向d2に向かう第1波長域の光は、基材11内を導光される。
第3光学素子51の回折効率は、第1光学素子31の回折効率よりも低くなっている。例えば第3光学素子51の厚さが第1光学素子31の厚さより薄くなっていることで、第3光学素子51の回折効率を第1光学素子31の回折効率よりも低くすることができる。したがって、例えば第3光学素子51のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、基材11内を第2方向d2に導光されるようになる。ただし、第3部分50は第1方向d1に長手方向を有している。このため、第3光学素子51のある位置で回折されなかった第1波長域の光は、その後、第3部分50及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第3光学素子51の別の位置に入射する。
第3光学素子51の回折効率は、第3部分50が設けられた位置を第1方向d1に進む第1波長域の光が通過する前に、第3光学素子51で回折されるよう設定されている。また、第3光学素子51の回折効率は、好ましくは、第1方向d1に沿った各位置において第3光学素子51で回折される光の強度が均一となるように調節されている。第3回折格子で回折された第1波長域の光は、その後、後述する第2部分40の第2光学素子41でさらに回折されることで、画像光として光学部材10から出射する。第3光学素子51での回折により、基材11内を第2方向d2に進む光の強度分布を均一化しておくことで、第2部分40における第1波長域の画像光の第2方向d2に沿った強度分布を均一化することができる。
第3光学素子51の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第3部分50の第1方向d1に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第3光学素子51での回折光の第1方向d1に沿った強度分布を均一化する観点から、第3光学素子51の回折効率は、第1部分30に近接する側で低く、入射光の強度が低下する第1部分30から離間する側で高くなっていることが好ましい。すなわち、第3光学素子51の回折効率は、第1方向d1に沿って第1部分30から離間するにつれて高くなっていることが好ましい。
第4部分60は、第1部分30で回折された光のうち、第5光学素子32で回折された第2波長域の光を回折させる。第4部分60は、第3部分50とは別の拡張部であって画像光を第2方向d2に拡張する光学部材10の拡張部として設けられている。第4部分60は、第2方向d2に長手方向を有している。第4部分60は、第4光学素子61を含んでいる。
第4光学素子61は、第5光学素子32で回折された第2波長域の光を回折する。言い換えると、第4光学素子61は、基材11内を第2方向d2に進む第2波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第4光学素子61は、第2波長域の光を回折させる第4回折格子を含んでいる。第4光学素子61は、第4回折格子によって、第4部分60に第2方向d2から入射した第2波長域の光を第1方向d1に向かうように回折させる。第1方向d1に向かう第2波長域の光は、基材11内を導光される。
第4光学素子61の回折効率は、第5光学素子32の回折効率よりも低くなっている。例えば第4光学素子61の厚さが第5光学素子32の厚さより薄くなっていることで、第4光学素子61の回折効率を第5光学素子32の回折効率よりも低くすることができる。したがって、例えば第4光学素子61のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、基材11内を第1方向d1に導光されるようになる。ただし、第4部分60は第1方向d1に長手方向を有している。このため、第4光学素子61のある位置で回折されなかった第2波長域の光は、その後、第4部分60及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第4光学素子61の別の位置に入射する。
第4光学素子61の回折効率は、第4部分60が設けられた位置を第2方向d2に進む第2波長域の光が通過する前に、第4光学素子61で回折されるよう設定されている。また、第4光学素子61の回折効率は、好ましくは、第2方向d2に沿った各位置において第4光学素子61で回折される光の強度が均一となるように調節されている。第4回折格子で回折された第2波長域の光は、その後、後述する第2部分40の第6光学素子42でさらに回折されることで、画像光として光学部材10から出射する。第4光学素子61での回折により、基材11内を第1方向d1に進む光の強度分布を均一化しておくことで、第2部分40における第2波長域の画像光の第1方向d1に沿った強度分布を均一化することができる。
第4光学素子61の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第4部分60の第2方向d2に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第4光学素子61での回折光の第2方向d2に沿った強度分布を均一化する観点から、第4光学素子61の回折効率は、第1部分30に近接する側で低く、入射光の強度が低下する第1部分30から離間する側で高くなっていることが好ましい。すなわち、第3光学素子51の回折効率は、第2方向d2に沿って第1部分30から離間するにつれて高くなっていることが好ましい。
第2部分40は、第3部分50で回折された第1波長域の光及び第4部分60で回折された第2波長域の光を回折して、光学部材10から出射させる。第2部分40は、画像光を出射させる光学部材10の出射部に設けられている。第2部分40は、光学部材10の観察者の眼前に位置する。第2部分40は、第1方向d1及び第2方向d2に延びている。図3及び図4によく示されているように、第2部分40は、第2光学素子41及び第6光学素子42を含んでいる。
第2光学素子41は、第3光学素子51で回折された第1波長域の光を回折する。言い換えると、第2光学素子41は、基材11内を第2方向d2に進む第1波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第2光学素子41は、第1波長域の光を回折させる第2回折格子を含んでいる。第2光学素子41は、第2回折格子によって、第2部分40に第2方向d2から入射した第1波長域の光を光学部材10から出射するように回折させる。
第2光学素子41の回折効率は、第1光学素子31の回折効率よりも低くなっている。例えば第2光学素子41の厚さが第1光学素子31の厚さより薄くなっていることで、第2光学素子41の回折効率を第1光学素子31の回折効率よりも低くすることができる。したがって、例えば第2光学素子41のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射されるようになる。ただし、第2部分40は第2方向d2に延びている。このため、第2光学素子41のある位置で回折されなかった第1波長域の光は、その後、第2部分40及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第2光学素子41の別の位置に入射する。
第2光学素子41の回折効率は、第2部分40が設けられた位置を第2方向d2に進む第1波長域の光が通過する前に、第2光学素子41で回折されるよう設定されている。また、第2光学素子41の回折効率は、好ましくは、第2方向d2に沿った各位置において第2光学素子41で回折される光の強度が均一となるように調節されている。第2回折格子で回折された第1波長域の光は、画像光として光学部材10から出射する。第2光学素子41での回折により、基材11内を第2方向d2に進む光の強度分布を均一化しておくことで、第2部分40における第1波長域の画像光の第2方向d2に沿った強度分布を均一化することができる。
第2光学素子41の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第2部分40の第2方向d2に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第2光学素子41での回折光の第2方向d2に沿った強度分布を均一化する観点から、第2光学素子41の回折効率は、第3部分50に近接する側で低く、入射光の強度が低下する第3部分50から離間する側で高くなっていることが好ましい。すなわち、第2光学素子41の回折効率は、第2方向d2に沿って第3部分50から離間するにつれて高くなっていることが好ましい。
第6光学素子42は、第4光学素子61で回折された第2波長域の光を回折する。言い換えると、第6光学素子42は、基材11内を第1方向d1に進む第2波長域の光を回折する回折特性を有する回折光学素子である。第6光学素子42は、第2波長域の光を回折させる第6回折格子を含んでいる。第6光学素子42は、第6回折格子によって、第2部分40に第1方向d1から入射した第2波長域の光を光学部材10から出射するように回折する。
第6光学素子42の回折効率は、第5光学素子32の回折効率よりも低くなっている。例えば第6光学素子42の厚さが第5光学素子32の厚さより薄くなっていることで、第6光学素子42の回折効率を第5光学素子32の回折効率よりも低くすることができる。したがって、例えば第6光学素子42のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射されるようになる。ただし、第2部分40は第1方向d1に延びている。このため、第6光学素子42のある位置で回折されなかった第2波長域の光は、その後、第2部分40及び基材11の表面で反射(好ましくは全反射)し、再び第6光学素子42の別の位置に入射する。
第6光学素子42の回折効率は、第2部分40が設けられた位置を第1方向d1に進む第2波長域の光が通過する前に、第6光学素子42で回折されるよう設定されている。また、第6光学素子42の回折効率は、好ましくは、第1方向d1に沿った各位置において第6光学素子42で回折される光の強度が均一となるように調節されている。第6回折格子で回折された第2波長域の光は、画像光として光学部材10から出射する。第6光学素子42での回折により、基材11内を第1方向d1に進む光の強度分布を均一化しておくことで、第2部分40における第2波長域の画像光の第1方向d1に沿った強度分布を均一化することができる。
第6光学素子42の回折効率は、具体的には、基材11の厚みや、第2部分40の第1方向d1に沿った長さ等を考慮して決定される。また、第6光学素子42での回折光の第1方向d1に沿った強度分布を均一化する観点から、第6光学素子42の回折効率は、第4部分60に近接する側で低く、入射光の強度が低下する第4部分60から離間する側で高くなっていることが好ましい。すなわち、第6光学素子42の回折効率は、第1方向d1に沿って第4部分60から離間するにつれて高くなっていることが好ましい。
第1光学素子31、第2光学素子41、第3光学素子51、第4光学素子61、第5光学素子32及び第6光学素子42は、典型的には、ホログラムとすることができる。第1〜第6光学素子は、位相型のホログラムであってもよいし、振幅型のホログラムであってもよい。また、第1〜第6光学素子は、反射型のホログラムであってもよいし、透過型のホログラムであってもよい。とりわけ、第1〜第6光学素子は、表面レリーフ型のホログラムであることが好ましい。第1〜第6光学素子が表面レリーフ型のホログラムである場合、各光学素子の回折格子で回折可能な波長域を広げることができる。あるいは、第1〜第6光学素子は、体積ホログラムであってもよい。第1〜第6光学素子が体積ホログラムである場合、第1〜第6光学素子の厚さは、薄くなっていることが好ましい。具体的には、体積ホログラムである第1〜第6光学素子の厚さは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、7μm以下であることがさらに好ましく、5μm以下であることがさらにより好ましく、3μm以下であることが最も好ましい。体積ホログラムである第1〜第6光学素子の厚さが十分に薄くなっていることで、各光学素子の回折格子で回折可能な波長域を広げることができる。
なお、図示された例では、第1光学素子31及び第5光学素子32は積層された別個の層として示されているが、これに限らず、第1光学素子31及び第5光学素子32は、同一の層に形成されていてもよい。同様に、第2光学素子41及び第6光学素子42も、同一の層に形成されていてもよい。とりわけ、第1〜第6光学素子が体積ホログラムである場合、各光学素子は、波長の異なる複数のレーザーで同時に露光することや、各波長のレーザーで逐次露光することにより、同一の層に複数の干渉縞として形成することができる。
図3及び図4に示された例では、第1部分30、第2部分40、第3部分50及び第4部分60は、基材11の同じ側に設けられている。しかしながら、これらは基材11の一方の側と他方の側の任意の側にそれぞれ設けられていてもよい。あるいは、例えば第1部分30が、基材11の一方の側と他方の側の両方に設けられていてもよい。画像光が入射する側である基材11の一方の側に設けられる光学素子は、反射型のホログラムとなり、基材11の他方の側に設けられる光学素子は、透過型のホログラムとなる。
また、第1部分30、第2部分40、第3部分50及び第4部分60は、入射した可視光領域の光を波長ごとに異なる方向に分散させる波長分散性を有している。第1〜第4部分は、基材11と同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、例えば基材11の屈折率が波長の長い光より波長の短い光で大きい場合(より大きく当該光の進行方向を曲げる場合)、第1〜第4部分の屈折率も波長の長い光より波長の短い光で大きくなっている(より大きく当該光の進行方向を曲げる場合)。あるいは、基材11の屈折率が波長の短い光より波長の長い光で大きい場合、第1〜第4部分の屈折率も波長の短い光より波長の長い光で大きくなっている。言い換えると、第1〜第4部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。
さらに、第1部分30、第2部分40、第3部分50及び第4部分60の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくなっている。具体的には、第1〜第4部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上であり、好ましくは7.0×10−5〔/nm〕以上であり、より好ましくは1.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらに好ましくは2.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらにより好ましくは5.0×10−4〔/nm〕以上である。
次に、頭部装着型表示装置1及び光学部材10の作用について、図5及び図6を参照しながら説明する。図5は、図3に示した光学部材10の断面図において、表示部5から入射した第1波長域の光が観察者の眼前に表示される状態を示している。図6は、図5の一部を拡大した図であり、第1部分30で回折された第1波長域の光を示している。
まず、表示部5が、拡散光となっている画像光を出射する。出射される画像光は、第1波長域の光と第2波長域の光とを含んでいる。典型的には、画像光は、赤色の波長域の光と、緑色の波長域の光と、青色の波長域の光と、を含んでいる。第1波長域は、青色の光の波長域と、赤色の波長域または緑色の波長域を含んでいる。第2波長域は、赤色の波長域または緑色の波長域のうち、第1波長域に含まれない波長域を含んでいる。
表示部5から出射した画像光は、レンズ7に入射する。図5に示すように、レンズ7によって、表示部5の各位置から出射された画像光は、出射位置ごとに拡散光から略平行な方向に進む光となる。略平行となった画像光が、光学部材10の第1部分30に入射する。
第1部分30に入射した画像光のうち、図5に示されたように、第1波長域の光は、第1光学素子31によって回折されて進行方向を変更される。一方、図示されていない第2波長域の光は、第5光学素子32によって回折されて進行方向を変更される。第1光学素子31によって回折された第1波長域の光は、基材11内を第1方向d1に進んで第3部分50に向かう。第5光学素子32で回折された第2波長域の光は、基材11内を第2方向d2に進んで第4部分60に向かう。基材11内を進む光は、基材11の一対の主面や基材11上に設けられた波長分散層20で全反射されることで、基材11内を導光される。
より詳しくは、図6に示すように、第1光学素子31によって回折された第1波長域の光は、第1波長域に含まれる波長ごとに異なる角度で回折する。同様に、第5光学素子32によって回折された第2波長域の光も、第2波長域に含まれる波長ごとに異なる角度で回折する。また、光が第1部分30から基材11に入射すると、第1部分30の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化及び基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化により、第1部分30と基材11との界面において光は波長ごとに異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。とりわけ、第1部分30の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負が基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であるため、第1部分30と基材11とは、同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、第1部分30及び基材11によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。
図5に示すように、第1部分30の第1光学素子31で回折された第1波長域の光は、第3部分50に入射する。第3部分50に入射した第1波長域の光は、第3光学素子51によって回折されて進行方向を変更される。第3光学素子51によって回折された光は、基材11内を第2方向d2に導光されて第2部分40に向かう。第3光学素子51の回折効率は、第1光学素子31の回折効率よりも低くなっているため、第3光学素子51のある位置に入射した第1波長域の光の一部のみが回折されて、第2方向d2に基材11内を導光される。第3光学素子51のある位置で回折されなかった光は、その後、第3部分50及び基材11の表面で反射し、再び第3光学素子51の別の位置に入射する。
図示されていない第1部分30の第5光学素子32で回折された第2波長域の光は、第4部分60に入射する。第4部分60に入射した第2波長域の光は、第4光学素子61によって回折されて進行方向を変更される。第4光学素子61によって回折された光は、基材11内を第1方向d1に導光された第2部分40に向かう。第4光学素子61の回折効率は、第5光学素子32の回折効率よりも低くなっているため、第4光学素子61のある位置に入射した第2波長域の光の一部のみが回折されて、第1方向d1に基材11内を導光される。第4光学素子61のある位置で回折されなかった光は、その後、第4部分60及び基材11の表面で反射し、再び第4光学素子61の別の位置に入射する。
より詳しくは、第3光学素子51によって回折された第1波長域の光は、第1波長域に含まれる波長ごとに異なる角度で回折する。同様に、第4光学素子61によって回折された第2波長域の光も、第2波長域に含まれる波長ごとに異なる角度で回折する。また、光が第3部分50や第4部分60から基材11に入射すると、第3部分50や第4部分60の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化及び基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化により、第3部分50や第4部分60と基材11との界面において光は波長ごとに異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。とりわけ、第3部分50や第4部分60の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負が基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であるため、第3部分50、第4部分60と基材11とは、同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、第3部分50、第4部分60及び基材11によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。
図5に示すように、第2部分40に入射した第1波長域の光は、第2光学素子41によって回折されて進行方向を変更される。第2光学素子41によって回折された光は、光学部材10から出射する。一方、第2部分40に入射した図示されていない第2波長域の光は、第6光学素子42によって回折されて進行方向を変更される。第6光学素子42によって回折された光は、光学部材10から出射する。第2光学素子41の回折効率は、第1光学素子31の回折効率よりも低くなっており、第6光学素子42の回折効率は、第5光学素子32の回折効率よりも低くなっている。このため、第2光学素子41や第6光学素子42のある位置に入射した光の一部のみが回折されて、光学部材10から出射する。第2光学素子41及び第6光学素子42のある位置で回折されなかった光は、その後、第2部分40の表面で反射し、再び第2光学素子41及び第6光学素子42に入射する。
第2部分40の第2光学素子41及び第6光学素子42で回折されなかった光が第2部分40から基材11に再び入射すると、第2部分40の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化及び基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化により、第2部分40と基材11との界面において光は波長ごとに異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。とりわけ、第2部分40の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負が基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であるため、第2部分40と基材11とは、同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、第2部分40及び基材11によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。
光学部材10から出射した光は、観察者によって観察されることができる。すなわち、表示装置3に表示される画像を、観察者は視認することができる。とりわけ、頭部装着型表示装置1において、表示装置3の光学部材10は、観察者の眼前に配置されている。このため、観察者は表示される画像を眼前において視認することができる。
ところで、従来の光学部材において、基材にヒビ等の傷が生じた部分や光学部材の表面に異物が付着した部分があると、当該部分において光が妨げられて基材内を導光しなくなる不具合が生じ得る。図12に示す従来の光学部材110では、一例として、光学部材110の表面に異物Dが付着している。このような場合、異物Dによって光学部材の表面における光の全反射が妨げられてしまい、図12に点線で示すように、基材の内部を導光しなくなる。表示部から出射した画像光の一部が光学部材で導光しなくなると、観察者の眼前に表示される画像は、当該部分に対応した画像の一部が欠けてしまう。すなわち、画像が劣化して観察されてしまう。
一方、本実施の形態の光学部材10では、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均が、5.1×10−5〔/nm〕以上となっている。このため、第1〜第4部分(波長分散層20)から基材11に入射した光は、第1〜第4部分と基材11との界面において、波長ごとに十分に異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。このため、図6に示すように、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
また、本実施の形態の光学部材10では、第1部分30の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。すなわち、第1部分30及び基材11によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。このため、図6に示すように、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
本実施の形態の光学部材10において、第1部分30の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくなっている。このような屈折率の違いにより、基材11内を進む光が、基材11と第1部分30との間の界面で反射することがある。このような光は、基材11と第1部分30との間の界面で反射せずに第1部分30で反射される光とずれた光路をとる。このため、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
さらに、本実施の形態の光学部材10において、基材11の少なくとも一方の面の80%以上は、波長分散層20によって覆われている。基材11の波長分散層20に覆われている部分では、基材11内を導光している光が基材11から波長分散層20に入射し得る。波長分散層20に入射した光は、波長分散層20の表面で全反射した後、波長分散層20から再度基材11に入射する。このとき、基材11と波長分散層20との界面において、光が波長ごとに異なる角度で屈折して、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。基材11の表面のうち波長分散層20によって覆われている部分が大きいほど、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとりやすくなる。近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとることで、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
また、本実施の形態の光学部材10において、第1光学素子31及び第2光学素子41は、回折光学素子である。この場合、第1光学素子及び第2光学素子において、光は波長ごとに異なる角度で回折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。このため、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
とりわけ、本実施の形態の光学部材10において、第1光学素子31及び第2光学素子41は、表面レリーフ型のホログラムである。あるいは、第1光学素子31及び第2光学素子41は、体積ホログラムであり、第1光学素子31の厚さ及び第2光学素子41の厚さは、20μm以下である。このような第1光学素子31及び第2光学素子41は、回折可能な波長域が広くなっている。回折可能な波長域が広いと、各光学素子で回折される当該波長域のうちの長い波長と短い波長との間で角度に差がつきやすくなる。すなわち、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとりやすくなる。このため、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
また、本実施の形態の光学部材10において、基材11の厚さは、0.2mm以上である。基材11が十分な厚さであることで、基材11の主面や基材11の表面に設けられた波長分散層20において光が反射する位置の間隔を広げることができる。本実施の形態のように基材11を導光する光が波長ごとにずれた光路をとっている場合、波長ごとに基材11の主面や基材11の表面に設けられた波長分散層20において光が反射する位置が異なるようになる。このため、例えば光学部材10の表面に異物Dが付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、基材11の主面や基材11の表面に設けられた波長分散層20において光が反射する位置が異なるため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
さらに、本実施の形態の表示装置3において、表示部5が出射する色の光の波長は、10nm以上、より好ましくは15nm以上、さらに好ましくは20nm以上、さらにより好ましくは25nm以上、最も好ましくは30nm以上の半値全幅を有する。すなわち、表示部5は、各色の波長だけでなく各色の波長に近似する波長の光をも多く出射している。このため、上述したそれぞれ微小にずれた光路をとる近似する波長の光が生じやすくなる。
なお、第1光学素子31の回折効率及び第5光学素子32の回折効率は、適切な範囲にあることが好ましい。例えば、図7に示すように、第1光学素子31で回折された光は、基材11の主面で全反射された後、再度第1光学素子31に入射することがある。再度第1光学素子31に入射した光は、再度第1光学素子31で回折され得る。再度回折された光は、基材11内には向かわず、光学部材10から出射してしまう。このため、第1光学素子31の回折効率が高すぎる場合、複数回にわたって回折されると、最終的に第1部分30から第3部分50に導光される光が少なくなってしまう。本件発明者らが確認したところ、表示部5から入射して第1光学素子31において回折された光は、基材11の主面で全反射された後、1〜5回程度、特には4回、再度第1光学素子31に入射することが知見された。
図8は、光学素子の回折効率と一度回折された後に再度光学素子に入射する回数との関係において、最終的に第1部分30から第3部分50に導光される光の割合を示している表である。すなわち、表示部5から入射する光を100%とした場合の、第1部分30から第3部分50に導光される光の割合を示している。図8から理解されるように、一度回折された後に再度光学素子に入射する回数が1回以上の場合、光学素子の回折効率は、50%以下であることが好ましい。また、一度回折された後に再度光学素子に入射する回数が3回以上の場合、光学素子の回折効率は、10%以上40%以下であることが好ましく、10%以上30%以下であることがより好ましい。さらに、一度回折された後に再度光学素子に入射する回数が4回以上の場合、光学素子の回折効率は、15%以上25%以下であることが好ましい。
以上のように、本実施の形態の光学部材10は、基材11と、基材11に隣接して配置され、第1光学素子31を含む第1部分30と、第1部分30からずれた位置において基材11に隣接して配置され、第2光学素子41を含む第2部分40と、を備える光学部材10であって、第1光学素子31は、当該光学部材10に入射した光の少なくとも一部を基材11の内部に導光させ、第2光学素子41は、基材11の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材10から出射させ、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上である。すなわち、この光学部材10において、第1光学素子31は、光学部材10に入射する光の少なくとも一部の進行方向を、当該一部の光が基材11(図示された例では、基材11及び波長分散層20の積層体)の内部を導光するようになる方向へ、変化させる。また、第2光学素子41は、基材11(図示された例では、基材11及び波長分散層20の積層体)の内部を導光している光の少なくとも一部の進行方向を、導光を解除されて光学部材10から出射するようになる方向へ、変化させる。このような光学部材10によれば、基材11内において、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。このため、基材にヒビ等の傷が生じたり光学部材の表面に異物が付着したりしていても、近似する波長の光の一部が妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、光学部材10において画像の一部が欠けて観察されることを抑制することができる。
また、本実施の形態の光学部材10は、基材11と、基材11に隣接して配置され、第1光学素子31を含む第1部分30と、第1部分30からずれた位置において基材11に隣接して配置され、第2光学素子41を含む第2部分40と、を備える光学部材10であって、第1光学素子31は、当該光学部材10に入射した光の少なくとも一部を基材11の内部に導光させ、第2光学素子41は、基材11の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材10から出射させ、第1部分30の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。このような光学部材10によれば、基材11内において、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとりやすくなる。このため、基材にヒビ等の傷が生じたり光学部材の表面に異物が付着したりしていても、近似する波長の光の一部が妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、光学部材10において画像の一部が欠けて観察されることを抑制することができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
上述の実施の形態では、表示装置3は、頭部装着型表示装置1に適用されているが、これに限らず、別の部材に適用されてもよい。
図9に示された例のように、光学部材10は、波長分散層20を基材11とは反対側から覆う保護層17を有していてもよい。このような保護層17は、波長分散層20が有する各部分の光学素子を保護して、光学素子が傷つくことを防止することができる。保護層17は、光学素子を保護する十分な強度を有している。保護層17は、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなり、とりわけ複屈折率の小さな材料であるポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー等からなることが好ましい。また、保護層17が薄すぎると、保護層17の剛性が低くなるため、光学部材10に外部からの力が加わると、保護層17が変形してしまうことがある。一方、保護層17が厚すぎると、光学部材10に熱が加わると、保護層17が大きく反るように変形してしまう。このような保護層17の変形を抑制するため、保護層17の厚さは、適切な範囲にあることが好ましい。具体的には、保護層17の厚さは、例えば0.2mm以上3mm以下であることが好ましく、0.4mm以上1.5mm以下であることがより好ましい。さらに、光学部材10の表面強度を向上させるために、保護層17は、ハードコート処理されていることが好ましい。
このような保護層17が波長分散層20に接していると、基材内を導光している光が波長分散層20から保護層17に入射することがある。保護層17に入射した光を適切に導光させるためには、保護層17を平坦にすることが求められる。しかしながら、十分な平坦性を有する保護層は、製造することが困難であり、また製造するとしてもコストがかかる。平坦性の低い保護層17に基材内を導光している光が入射すると、光は適切に保護層17内を導光されず、表示装置に表示される画像が劣化してしまう。そこで、保護層を波長分散層から離間した位置に設けて、波長分散層と保護層との間に空気層を設けることが考えられた。しかしながら、波長分散層と保護層との間に空気層を設けると、光学部材全体が厚くなってしまう。また、空気層を適切に設けることも困難である。
そこで、図9に示す例では、基材11と保護層17との間に、低屈折率層18が設けられている。すなわち、光学部材10は、保護層17に加え、低屈折率層18をさらに有している。低屈折率層18は、基材11より屈折率が低い材料からなる。低屈折率層18と基材11との屈折率の差は、0.1以上であることが好ましく、0.2以上であることがより好ましく、0.3以上であることがより好ましい。低屈折率層18の屈折率は、例えば1.4以下であり、好ましくは1.3以下であり、より好ましくは1.2以下である。また、低屈折率層18の厚さは、例えば0.01μm以上10μm以下、好ましくは0.1μm以上5μm以下である。このような低屈折率層18は、例えばフッ素樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、中空シリカ、及びこれらの混合物のいずれかを基材11及び光学部材上にコーティングすることで、容易に作製することができる。とりわけ、低屈折率層18の材料としては、特に屈折率の低いフッ素樹脂、中空シリカからなることが好ましい。また、このように低屈折率層18を作製することで、波長分散層20に圧力がかかりにくく、したがって低屈折率層18によって波長分散層20に歪みを生じさせにくくできる。
また、上述した実施の形態では、基材11に積層された波長分散層20が、第1部分30、第2部分40、第3部分50及び第4部分60を含んでいる。そして、波長分散層20の各部分が、回折光学素子である光学素子を含んでいる。しかしながら、図10及び図11に示す変形例では、波長分散層20は、基材11に積層されているが、第1部分30、第2部分40及び第3部分50とは別の部材となっている。ここで、図10は、変形例における光学部材10の正面図であり、図11は、図10のXI−XI線に沿った変形例における光学部材10の断面図である。第1部分30、第2部分40及び第3部分50は、基材11に隣接して配置されている。より詳しくは、第1部分30は、第2方向d2に基材11と隣接して配置されており、第3部分50は、第1部分30から第1方向d1にずれた位置において、第1方向d1に基材11と隣接して配置されており、第2部分40は、第2部分40から第2方向d2にずれた位置において、第2方向d2に基材11と隣接して配置されている。また、第1部分30が含んでいる第1光学素子31は、例えばミラーやプリズムであり、第1部分30に入射した光を第1光学素子31で反射または屈折することで進行方向を変更する。第2部分40が含んでいる第2光学素子41及び第3部分50が含んでいる第3光学素子51は、例えばハーフミラーであり、第2部分40に入射した光の一部を第2光学素子41で反射することで、及び第3部分50に入射した光の一部を第3光学素子51で反射することで、進行方向を変更する。さらに、この変形例では、第1部分30は、第1光学素子31を内部に包含する第1基部35を含んでいる。同様に、第2部分40は、第2光学素子41を内部に包含する第2基部45を含んでおり、第3部分50は、第3光学素子51を内部に包含する第3基部55を含んでいる。第1基部35、第2基部45及び第3基部55は、例えばポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート(PET)等からなり、とりわけ複屈折率の小さな材料であるポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー等からなることが好ましい。第1部分30から基材11へ、基材11から第3部分50へ、第3部分50から基材11へ、及び基材11から第2部分40へ、光を適切に導光させるために、第1基部35、第2基部45及び第3基部55は、基材11と同一の厚さであることが好ましい。
この変形例においても、上述した実施の形態と同様に、基材11は、入射した光を波長ごとに異なる方向に屈折させて分散させる。このため、基材11では波長ごとに屈折率が異なっている。すなわち、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさは、大きくなっている。具体的には、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上であり、好ましくは6.5×10−5〔/nm〕以上であり、より好ましくは8.8×10−5〔/nm〕以上であり、さらに好ましくは1.2×10−4〔/nm〕以上であり、さらにより好ましくは2.0×10−4〔/nm〕以上である。
また、第1部分30(より詳しくは第1基部35)、第2部分40(より詳しくは第2基部45)及び第3部分50(より詳しくは第3基部55)は、入射した可視光領域の光を波長ごとに異なる方向に分散させる。第1部分30、第2部分40及び第3部分50は、基材11と同じ傾向で可視光領域の光を波長ごとに分散させる。すなわち、例えば基材11の屈折率が波長の長い光より波長の短い光で大きい場合、第1部分30(第1基部35)の屈折率、第2部分40(第2基部45)の屈折率及び第3部分50(第3基部55)の屈折率も波長の長い光より波長の短い光で大きくなっている。あるいは、基材11の屈折率が波長の短い光より波長の長い光で大きい場合、第1部分30(第1基部35)の屈折率、第2部分40(第2基部45)の屈折率及び第3部分50(第3基部55)の屈折率も波長の短い光より波長の長い光で大きくなっている。言い換えると、第1部分30、第2部分40及び第3部分50の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である。
さらに、第1部分30(第1基部35)、第2部分40(第2基部45)及び第3部分50(第3基部55)の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくなっている。具体的には、第1部分30、第2部分40及び第3部分50の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上であり、好ましくは7.0×10−5〔/nm〕以上であり、より好ましくは1.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらに好ましくは2.0×10−4〔/nm〕以上であり、さらにより好ましくは5.0×10−4〔/nm〕以上である。
また、この図10及び図11に示された変形例においても、上述した実施の形態と同様に、波長分散層20の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きくなっている。なお、この変形例では、波長分散層20は省略されていてもよい。
基材11の少なくとも一方の表面の80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは基材11の少なくとも一方の表面の全体は、波長分散層20によって覆われている。図10及び図11に示された例では、基材11の一方の表面の全体が、波長分散層20によって覆われている。しかしながら、基材11の他方の表面にも波長分散層20が設けられていてもよい。
この変形例において表示部5から出射した画像光は、光学部材10の第1部分30に入射する。第1部分30において、画像光は、第1基部35を進みながら、第1光学素子31で反射または屈折して、進行方向を変更される。第1光学素子31で反射または屈折した画像光は、第1部分30から基材11に入射した後、基材11内を進んで第3部分50に入射する。基材11内を進む光は、基材11の一対の主面や基材11上に設けられた波長分散層20で全反射されることで、基材11内を導光される。
第3部分50に入射した画像光は、第3光学素子51によって反射されて、進行方向を変更される。第3光学素子51で反射した光は、第3部分50から基材11に入射した後、基材11内を進んで第2部分40に入射する。第3光学素子51はハーフミラーであるため、第3光学素子51に入射した光の一部のみが反射される。第3光学素子51で反射されなかった光は、その後、第3部分50の表面で反射し、再び別の第3光学素子51に入射する。
第2部分40に入射した画像光は、第2光学素子41によって反射される。第2光学素子41によって反射された光は、光学部材10から出射する。第2光学素子41はハーフミラーであるため、第2光学素子41に入射した光の一部のみが反射されて、光学部材10から出射する。第2光学素子41で反射されなかった光は、その後、第2部分40の表面で反射し、再び別の第2光学素子41に入射する。
ここで、光が第1部分30(第1基部35)や第3部分50(第3基部55)から基材11に入射すると、第1部分30(第1基部35)や第3部分50(第3基部55)の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化及び基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化により、第1部分30と基材11との界面や第3部分50と基材11との界面において光は波長ごとに異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれ微小にずれた光路をとる。とりわけ、第1部分30や第3部分50の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負が基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であるため、第1部分30と基材11との界面及び第3部分50と基材11との界面によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。
また、光が基材11から第2部分40(第2基部45)や第3部分50(第3基部55)に入射すると、第2部分40(第2基部45)や第3部分50(第3基部55)の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化及び基材11の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化により、第2部分40と基材11との界面や第3部分50と基材11との界面において光は波長ごとに異なる角度で屈折する。これにより、近似する波長の光がそれぞれさらに微小にずれた光路をとる。とりわけ、第2部分40や第3部分50の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負が基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一であるため、第2部分40と基材11との界面及び第3部分50と基材11との界面によって、各波長の光は、より大きな角度に広がるように分散して、近似する波長の光がそれぞれよりずれた光路をとる。
この変形例でも、例えば光学部材10の表面に異物が付着していても、近似する波長の光の一部が異物によって妨げられるのみで、近似する波長の他の光は、光路がずれているため、異物によって妨げられることなく、基材11の内部を導光しやすい。したがって、画像の一部が欠けて観察されにくい。
1 頭部装着型表示装置
3 表示装置
5 表示部
7 レンズ
10 光学部材
11 基材
17 保護層
18 低屈折率層
20 波長分散層
30 第1部分
31 第1光学素子
32 第5光学素子
40 第2部分
41 第2光学素子
42 第6光学素子
50 第3部分
51 第3光学素子
60 第4部分
61 第4光学素子

Claims (13)

  1. 基材と、
    前記基材に隣接して配置され、第1光学素子を含む第1部分と、
    前記第1部分からずれた位置において前記基材に隣接して配置され、第2光学素子を含む第2部分と、を備える光学部材であって、
    前記第1光学素子は、当該光学部材に入射した光の少なくとも一部を前記基材の内部に導光させ、
    前記第2光学素子は、前記基材の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材から出射させ、
    前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、5.1×10−5〔/nm〕以上である、光学部材。
  2. 前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である、請求項1に記載の光学部材。
  3. 基材と、
    前記基材に隣接して配置され、第1光学素子を含む第1部分と、
    前記第1部分からずれた位置において前記基材に隣接して配置され、第2光学素子を含む第2部分と、を備える光学部材であって、
    前記第1光学素子は、当該光学部材に入射した光の少なくとも一部を前記基材の内部に導光させ、
    前記第2光学素子は、前記基材の内部を導光する光の少なくとも一部を当該光学部材から出射させ、
    前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負と同一である、光学部材。
  4. 前記第1部分の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均は、前記基材の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化の大きさの平均より大きい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学部材。
  5. 前記基材の少なくとも一方の面の80%以上は、波長分散層によって覆われており、
    前記波長分散層の可視光領域における波長の変化に対する屈折率の変化率の平均の正負は、前記基材の可視光領域における屈折率の変化率の平均の正負と同一である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学部材。
  6. 前記波長分散層は、前記第1部分及び前記第2部分を含む、請求項5に記載の光学部材。
  7. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、回折光学素子である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学部材。
  8. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、表面レリーフ型のホログラムである、請求項7に記載の光学部材。
  9. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子は、体積ホログラムであり、
    前記第1光学素子の厚さ及び前記第2光学素子の厚さは、20μm以下である、請求項7に記載の光学部材。
  10. 前記基材の厚さは、0.2mm以上である、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学部材。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学部材と、
    前記光学部材の前記第1部分に対面して配置され、画像光を出射する表示部と、を備える、表示装置。
  12. 前記表示部は、少なくとも1つの色の光を出射可能であり、
    前記表示部が出射する色の光の波長は、10nm以上の半値全幅を有する、請求項11に記載の表示装置。
  13. 請求項11または12に記載の表示装置を備える、頭部装着型表示装置。
JP2020028278A 2020-02-21 光学部材、表示装置、頭部装着型表示装置 Active JP7494483B2 (ja)

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