JP2021131330A - モデル生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルとして環境温度に応じたモデルを生成することができるモデル生成方法を提供する。【解決手段】各環境温度条件毎に粘弾性体における静的マトリクスモデルを生成する。静的マトリクスモデルの行列を用いて各環境温度条件毎に一般化マクスウェルモデルを生成する。材料試験片の測定結果に基づき、温度−時間換算則を用いて、当該材料試験片のバネ係数およびダンパー粘性係数を歪み速度ノルムの関数として同定する。部品の平均歪み速度を変位速度ベクトルの関数として同定する。部品の動バネ係数およびダンパー粘性係数を変位速度ベクトルの成分の関数として同定する。一般化マクスウェルモデルに、変位速度ベクトルの成分の関数として同定された動バネ係数およびダンパー粘性係数を適用して解析用一般化マクスウェルモデルを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルを生成するモデル生成方法に関する。
従来、車両のサスペンションやエンジンと、車体との結合部には、振動の伝達を抑制すること等を目的としてサスペンションブッシュやエンジンマウントが使用されている。車両の乗り心地性能の把握には、これら部品の動的応答を正確に把握しておくことが重要である。このため、従来より、これら部品の動的応答を再現するためのモデルの生成が行われている。
特許文献1には、車両のサスペンションに取り付けられるブッシュ(サスペンションブッシュ)のモデル化手法(ブッシュマトリクスモデルを得る手法)が開示されている。このブッシュは、例えば略同軸の円筒形状の内筒と外筒との間に、荷重に応じて歪む粘弾性体(例えばゴム)を設けることによって構成された部品であり、内筒および外筒にそれぞれ接続する各部品間での衝撃緩和等を図ることができる。ブッシュマトリクスモデルにおいては、ブッシュの内筒と外筒との間の相対的な変位(X、Y、Z軸の各方向の成分および各軸周りの回転方向の成分)、あるいは、これに加えて変位の時間変化率である速度、加速度や2次以上のべき乗等を成分とする運動状態ベクトルdと、ブッシュに付加される荷重(X、Y、Z軸の各方向の成分および各軸周りのモーメントの6成分)を成分とするベクトル(荷重ベクトル)Fとを、係数行列(以下、単に行列という場合もある)Hを用いて以下の式(1)のように関連付けることでモデル化を行う。
Figure 2021131330
また、特許文献2には、前記特許文献1の技術をベースとして、一般化マクスウェルモデルに組み合わせることにより、粘弾性体の変形履歴依存性をモデル化し、動的応答の再現性を実現するモデル生成方法が開示されている。
特許第5365356号公報 特許第6551320号公報
ところで、粘弾性体から成る部材に荷重が入力した際における当該部材の特性(動的応答)は環境温度によって変化する場合がある。
しかしながら、前述した各特許文献に開示されているモデル生成方法は、部材の特性が温度環境によって変化することを考慮していないため、温度環境に対する依存性を考慮したモデルが生成できていない。
本発明の発明者は、部材に荷重が入力した際における当該部材の特性が環境温度によって変化することに着目し、この特性の変化を反映したモデル生成方法について考察した。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルとして環境温度に応じたモデルを生成することができるモデル生成方法を提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルである動的モデルを生成するモデル生成方法を前提とする。そして、このモデル生成方法は、各環境温度条件毎に前記粘弾性体における静的モデルを生成するステップと、前記静的モデルを用いて各環境温度条件毎に一般化マクスウェルモデルを生成するステップと、材料試験片の測定結果に基づき、温度−時間換算則を用いて、前記粘弾性体ののバネ係数およびダンパー粘性係数を歪み速度ノルムの関数としてそれぞれ同定するステップと、前記部品の平均歪み速度を変位速度ベクトルの関数として同定するステップと、前記部品の動バネ係数およびダンパー粘性係数を前記変位速度ベクトルの成分の関数としてそれぞれ同定するステップと、前記一般化マクスウェルモデルに、前記変位速度ベクトルの成分の関数として同定された前記動バネ係数および前記ダンパー粘性係数を適用して解析用一般化マクスウェルモデルを生成するステップと、を含むことを特徴とする。
この特定事項により、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルとして環境温度に応じたモデル(解析用一般化マクスウェルモデル)を生成することができる。その結果、温度環境に応じて変化する特性を反映した精度の高い動的応答の解析を行うことが可能になる。
また、前記静的モデルを生成するステップでは、前記粘弾性体から成る前記材料試験片を使用し、環境温度条件を変更しながら、当該材料試験片に荷重を入力することにより、各温度条件毎の応力と歪みとの関係を求め、各温度条件毎の応力と歪みとの関係のデータを用いて静的モデルを生成する。
これによれば、実際の粘弾性体を使用した試験のデータに基づいて静的モデルを生成することができるため、解析用一般化マクスウェルモデルとして、各環境温度に応じた精度の高い動的応答の解析を行うことができる。
また、各環境温度条件毎に生成される前記粘弾性体における静的モデルは、静的マトリクスモデルであり、前記一般化マクスウェルモデルを生成するステップでは、前記静的マトリクスモデルの行列を用いて各環境温度条件毎に前記一般化マクスウェルモデルを生成する。
これによれば、温度依存性だけでなく、方向連成についても精度良く再現可能な解析用一般化マクスウェルモデルを生成することができる。
本発明では、各環境温度条件毎に生成された粘弾性体における静的モデルを用いて一般化マクスウェルモデルを生成し、この一般化マクスウェルモデルに、変位速度ベクトルの成分の関数として同定された動バネ係数およびダンパー粘性係数を適用して解析用一般化マクスウェルモデルを生成するようにしている。このため、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルとして環境温度に応じた解析用一般化マクスウェルモデルを生成することができ、温度環境に応じて変化する特性を反映した精度の高い動的応答の解析を行うことが可能になる。
一般化マクスウェルモデルの一例を示す図である。 実施形態に係るモデル生成方法の処理手順を示すフローチャート図である。 材料試験片を示す図である。 材料試験の結果である環境温度毎の応力−歪み線図を示す図である。 静的ブッシュマトリクスモデルの生成処理手順を示すフローチャート図である。 実施形態における一般化マクスウェルモデルを示す図である。 ブッシュの一例を示す図である。 ブッシュ部材の近似形状の一例を示す図である。 ブッシュ部材の近似形状に基づく変位速度に対する歪み速度の求め方の一例を示す図である。 一般化マクスウェルモデルの一例を示す図である。 ブッシュの一例を示す図である。 ブッシュ部材の変位および荷重の関係を示す図である。 図13(a)はブッシュ部材の一部分における変位および荷重の関係を示す図であり、図13(b)はブッシュ部材の他の部分における変位および荷重の関係を示す図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の各実施形態では、車両のサスペンションに取り付けられるブッシュ(サスペンションブッシュ)のモデル化手法に本発明のモデル生成方法を適用した場合について説明する。
以下の実施形態におけるモデル生成方法の概略としては、前記特許文献2に開示されているモデル生成方法に対し、粘弾性体の温度環境に対する依存性を考慮し、この温度環境の変化に対応可能なシミュレーションモデルを生成するものである。具体的には、各種の温度条件毎に静的ブッシュマトリクスモデル(本発明でいう静的モデル)を生成しておき、この静的ブッシュマトリクスモデルの行列を用いて一般化マクスウェルモデルを生成するステップを含むものとなっている。
各実施形態について説明する前に、粘弾性材料構成則として一般化マクスウェルモデル、および、ブッシュマトリクスモデルの基本について説明する。
(一般化マクスウェルモデル)
図1は、一般化マクスウェルモデルの一例を示す図である。この図1に示すように、一般化マクスウェルモデルは、バネ定数Kの静バネ1と、バネ定数γiK(γiは動バネ係数)のバネ2−iおよびダンパー粘性係数Ciのダンパー3−iを直列に接続した動バネ4−i(i=1、…、N)とを含んで構成されるモデルである。本モデルにおいては、弾性体をモデル化した静バネ1に、動バネ4−1、…、4−Nを並列に接続することによって、粘弾性体がモデル化される。動バネの個数Nは、対象となる粘弾性体の特性、モデルの要求精度等に応じて適宜設定される。
(ブッシュマトリクスモデルの基本)
静的なモデルであるブッシュマトリクスモデルの基本について説明する。ここでは、モデル化対象のブッシュの内筒の外筒に対する相対的な変位を表す変位ベクトルuを運動状態ベクトルとする。そして、ブッシュに付加される荷重ベクトルFと変位ベクトルuとを、以下の式(2)に示すように関係づける係数行列Hの各成分値を算出することによって、静的なモデルであるブッシュマトリクスモデルが生成されることになる。例えば、変位ベクトルuとしては、以下の式(3)に示すようにX、Y、Z軸の各方向成分ux、uy、uz、および各軸周りの回転成分urx、ury、urzを成分とする。また、荷重ベクトルFとしては、以下の式(4)に示すように、X、Y、Z軸の各方向成分Fx、Fy、Fzおよび各軸周りのモーメントMx、My、Mzを成分とする。各軸の原点は一例としてブッシュの重心である。係数行列Hは6行6列の行列となるが、その成分値の計算は、例えば従来から公知の方法で行うことができる。
Figure 2021131330
Figure 2021131330
Figure 2021131330
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るモデル生成方法の処理手順を示すフローチャートである。以下、温度環境の変化に対応可能なシミュレーションモデルとしての一般化マクスウェルモデルを生成する処理手順について説明する。この処理手順は、以下のステップST1〜ステップST7で成る。
−ステップST1−
ステップST1では、ブッシュマトリクスモデル(静的ブッシュマトリクスモデル)が各温度条件(環境温度条件)毎に生成される。
図3は、各温度条件毎の静的ブッシュマトリクスモデルを生成するに当たっての材料試験に使用される材料試験片(ダンベル試験片)10である。この材料試験片10は、実際のブッシュに使用される粘弾性体(ゴム部材;以下、単に部材と呼ぶ場合もある)と同じ材質から成るが、部材とは異なるサイズ、形状を有している。図3に示すように、材料試験片10は全長100mm程度で、両端が一定の径を有する一方、中間部が細長い形状をしており、両端を保持して、引っ張り、加振等の測定試験がしやすい所定のサイズ、形状に設計されている。
材料試験では、環境温度条件を変更しながら、この材料試験片10に荷重を入力することにより、各温度条件毎の応力と歪みとの関係を求める。図4は、環境温度を、−30℃、−5℃、25℃、85℃とした場合の材料試験それぞれの結果である応力−歪み線図を示している。図中の実線は環境温度条件を−30℃とした場合、図中の破線は環境温度条件を−5℃とした場合、図中の一点鎖線は環境温度条件を25℃とした場合、図中の二点鎖線は環境温度条件を85℃とした場合のそれぞれの応力−歪み線図を示している。尚、ここでは4種類の温度条件に対して応力と歪みとの関係を求めているが、より多くの温度条件に対して応力と歪みとの関係を求めるようにしておくことが望ましい。
この図4からも解るように、環境温度条件に応じて、応力と歪みとの関係は大きく異なっている。例えば、応力の増加量に対する歪みの変化割合は、環境温度が高いほど大きくなる。また、荷重を増加していく場合(負荷側)と、荷重を減少させていく場合(除荷側)とで、応力と歪みとの関係はヒステリシスを有している。このヒステリシスとしては、環境温度が低いほど大きくなる。このように粘弾性体で成る部材に荷重を入力した際における当該部材の特性は環境温度に大きく依存している。
ステップST1では、このように各温度条件毎の応力と歪みとの関係のデータを、本発明に係るモデル生成方法を実施する図示しないコンピュータのデータベースに格納していく。
そして、全ての環境温度条件における材料試験が終了した後、データベースから各データを読み出し、各温度毎に以下の式(5)のYeohモデルの式を利用して材料パラメータCi0,Diを算出する(i=1、2、3)。このYeohモデルの式は、粘弾性体の解析において一般的に用いられるひずみエネルギ密度関数であり、広範囲な歪み領域で精度良く近似できるものとして知られている。
Figure 2021131330
そして、この式(5)から算出された材料パラメータCi0,Diを用いて、FEM(Finite Element Method;有限要素法)モデルを構築し、以下に述べる手順によって静的ブッシュマトリクスモデルを各温度条件毎に生成する。
この静的ブッシュマトリクスモデルの生成に当たっては、図5に示す手順によって行われる。以下、この手順(静的ブッシュマトリクスモデルの生成手法)について簡単に説明する。
先ず、FEMモデルに対してランダム加振を行ったと想定する(ランダム加振相当、ステップST11)。このランダム加振は、ブッシュの主軸(X軸、Y軸、Z軸)の方向および主軸の回転方向で構成される6軸以外の方向の加振に相当するものである。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの軸方向の荷重をFx、Fy、Fzとする。
次に、FEMモデルに対して非ランダム加振を行ったと想定する(非ランダム加振相当、ステップST12)。この非ランダム加振の場合は、X軸、Y軸、Z軸の各軸についての軸方向に移動するようにブッシュを加振し、また、各軸で回転するようにブッシュを加振したことに相当するものである。
そして、このようにランダム加振および非ランダム加振それぞれを行ったと想定したときのブッシュの荷重データおよび変位のデータを記憶する(ステップST13)。
次に、記憶されている荷重データおよび変位データを処理し、これら荷重データと変位データとの関係式を同定し、ブッシュのシミュレーションモデル(行列演算式)を生成して記憶する(ステップST14,ST15)。具体的には、非ランダム加振を想定してブッシュに加えた荷重と運動状態との関係を以下の式(6)のように定義し、式(6)の「関係マトリクス1」を、例えば最小二乗法やニューラルネットワーク等を用いて同定する。
Figure 2021131330
ここで、式(6)の左辺における「荷重」は、前記式(4)で示した6行1列の行列であり、ブッシュのX軸、Y軸、Z軸方向のそれぞれの荷重Fx、Fy、Fzおよび各軸のモーメントMx、My、Mzで構成される。
また、式(6)の右辺における「関係マトリクス1」は、図示しないが例えば6行18列の係数行列であり、108個の係数で構成される。
また、式(6)の右辺における「運動状態1」は、図示しないが例えば18行1列の行列であり、変位に関するパラメータで構成される(これら行列については特許文献1を参照)。
そして、ブッシュを非ランダム加振したと想定した荷重データおよび変位データを取得したら、最小二乗法やニューラルネットワーク等を用いて式(6)の「関係マトリクス1」を同定する。
次に、ブッシュをランダム加振したと想定したときの荷重データを補正する。すなわち、ブッシュをランダム加振したと想定したときの荷重データおよび変位データを以下の式(7)に入力することにより、補正した荷重データを得る。
Figure 2021131330
ここで、式(7)の右辺における「関係マトリクス2」は図示しないが例えば6行18列の係数行列である。
また、式(7)の右辺における「ランダム加振で測定された運動状態」は図示しないが例えば72行1列の行列であり、変位に関するパラメータで構成される(これら行列についても特許文献1を参照)。
次に、ランダム加振を想定した際の荷重と運動状態との関係を同定する。すなわち、既述した式(6)と同様、ランダム加振を想定した際のブッシュの荷重と運動状態との関係を以下の式(8)のように定義し「関係マトリクス2」を同定する。そして、式(7)により得た補正後の荷重データと、記憶されているランダム加振を想定した際の変位データを式(8)に入力し、「関係マトリクス2」を、例えば最小二乗法やニューラルネットワーク等を用いて同定する。
Figure 2021131330
これら一連の処理によって「関係マトリクス1」および「関係マトリクス2」を同定したら、ブッシュのシミュレーションモデルを以下の式(9)のように定義する。すなわち、「関係マトリクス1」によって定義される非ランダム加振を想定した際の関係式と、「関係マトリクス2」によって定義されるランダム加振を想定した際の関係式とを足し合わせることで、式(9)に示されるようなブッシュのシミュレーションモデルを導出する。式(9)は、右辺の第1項がブッシュの主軸特性と形状連成分を表し、第2項が複合変位による連成特性を表す。ここで、形状連成分とは、変位する方向と異なる方向に生じる力のことである。また、複合変位による連成分とは、軸が捻られながら変位するような複合変位により、荷重−変位特性が変わることをいう。
Figure 2021131330
−ステップST2−
ステップST2では、ステップST1で生成したブッシュマトリクスモデルにおける行列Hをバネ係数行列とした、一般化マクスウェルモデルを生成する。このモデルのバネやダンパーの要素構成は図6に示すように、図1で示した一般化マクスウェルモデルにおいて、バネ係数をスカラーKから行列Hに置換し、変数を変位(スカラー)から変位ベクトルuに置換したものと捉えることができ、バネ定数(行列)Hの静バネ1と、バネ定数γiH(γiは動バネ係数)のバネ2−iおよびダンパー粘性係数Ciのダンパー3−iを直列に接続した動バネ4−i(i=1、…、N)とを含んで構成されるモデルである。本モデルにおいては、弾性体をモデル化した静バネ1に、動バネ4−1、…、4−Nを並列に接続することによって、粘弾性体のモデル化(一般化マクスウェルモデルが生成)される。動バネの個数Nは、対象となる粘弾性体の特性、モデルの要求精度等に応じて適宜設定すればよい。また、動バネ係数γiおよびダンパー粘性係数Ci(i=1、…、N)は、以降のステップで同定される。
−ステップST3−
ステップST3では、材料試験片(本実施形態にあっては、この材料試験片は、前述したダンベル試験片とは異なるものとなっている)に対する材料試験(動的特性測定試験)の測定結果に基づき、そのバネ係数およびダンパー粘性係数を歪み速度ノルムの関数として同定する。その際、温度−時間換算則を用いて、温度依存性も考慮したものとして同定される。
測定によって求める動的特性パラメータは、材料試験片をモデル化した一般化マクスウェルモデルにおける、動バネ係数γi´およびダンパー粘性係数Ci´(i=1、…、N)である。このモデルは、バネやダンパーの要素構成が、図6に示す一般化マクスウェルモデルと同様である。材料試験片の動バネ係数γi´およびダンパー粘性係数Ci´は、一般的には、以下の式(10)、式(11)に示すように、素材の歪み速度ベクトルvεのノルム(歪み速度ノルム)の関数として表現される。
Figure 2021131330
Figure 2021131330
また、このステップST3における温度−時間換算則としては、以下の式(12)のWLF式および以下の式(13)の緩和時間が利用される。式(12)は、温度−時間換算子αTを算出する式である。式(13)で算出される緩和時間は粘弾性体の減衰特性を表すものである。これにより、環境温度が変化した際の粘弾性体の特性(応力−歪み特性)の予測精度を高めることができる。これら式を利用した温度−時間換算則は公知であり、例えば、特開2019−159897号公報に開示されている手法が適用可能である。
Figure 2021131330
Figure 2021131330
この緩和時間τの式(13)では、歪み速度のべき乗関数とすることで、周波数依存性と振幅依存性を同時に再現することを可能にしている。
−ステップST4−
ステップST4では、部品形状ブッシュの平均歪み速度を変位速度ベクトルの関数として同定する。具体的には、部材における変位速度ベクトルv(変位ベクトルuの時間変化)と、その変位速度における歪み速度ベクトルvεとの関係を求める。そのため、以下のように物理的に適切とみなせる2つの仮定を行う。すなわち、部材での素材の歪みは、厳密には一様ではないが、歪みが特に集中する局部を除いて、おおむね一様であり、歪み速度ベクトルvεも、そのノルムが位置によらず一様な値(平均歪み速度)で分布すると仮定する(仮定1)。また、部材において、ノルムが一様に分布すると仮定された歪み速度ベクトル(平均歪み速度ベクトル)の成分は、変位速度ベクトルvの線形結合で近似できると仮定する(仮定2)。この仮定のもとでは、以下のように、平均歪み速度ベクトルを、線形結合の係数を成分とする行列Aと変位速度ベクトルvとを用いて以下の式(14)に示すように表現できる。更に本ステップでは、後述するような方法により、行列Aの各成分に相当する値を取得し、平均歪み速度を、変位速度ベクトルvの成分の関数として同定する。
Figure 2021131330
−ステップST5−
ステップST5では、ステップST3で取得した、歪み速度ベクトルvεのノルムの関数として表現した材料試験片の動バネ係数γi´およびダンパー粘性係数Ci´を、部材における変位速度ベクトルvの成分の関数に変更する。これは、式(10)、式(11)の歪み速度ベクトルのノルムとして、ステップST4で求めた式(14)の平均歪み速度を代入することによって得ることができる。材料試験片および部材において、同じノルムの歪み速度が生じている状態においては、それぞれの動バネ係数およびダンパー粘性係数は、等しいと考えると、変位速度ベクトルvの成分の関数として表現された、材料試験片の動バネ係数γi´およびダンパー粘性係数Ci´を、部材の動バネ係数γiおよびダンパー粘性係数Ciとして用いることができる。これをまとめると、以下の式(15)、式(16)のように表すことができる。このように、ステップST3〜ST5に示した方法により、材料試験片に対する試験結果に基づいて、部材の動的特性パラメータを求めることができる。
Figure 2021131330
Figure 2021131330
−ステップST6−
ステップST6では、ステップST2で生成した一般化マクスウェルモデルに、ステップST5で求めた動バネ係数γiおよびダンパー粘性係数Ciを適用して一般化マクスウェルモデル(本発明でいう解析用一般化マクスウェルモデル)を完成する。
前述したように、ステップST2で生成された一般化マクスウェルモデルは、ステップST1において、各温度条件(環境温度条件)毎に生成された静的ブッシュマトリクスモデルをベースに生成されたものであるため、このステップST6において完成した一般化マクスウェルモデルは、温度環境の変化に対応可能なシミュレーションモデルとして生成されたものとなっている。更に、この一般化マクスウェルモデルは、周波数依存性、振幅依存性、方向連成についても精度良く再現できるものになっている。
−ステップST7−
ステップST7では、完成した一般化マクスウェルモデルを用いて各種シミュレーションを行いブッシュの動的な応答性の解析を行う。このような解析は、例えば、汎用の有限要素解析プログラムのユーザ定義要素として完成した一般化マクスウェルモデルを設定することで実行できる。
<ステップST4の処理の具体例>
以下、平均歪み速度と、ブッシュの変位速度ベクトルとの関係を求める方法についての具体例を説明する。上述の行列Aの算出のためには、ブッシュへの相対変位入力時の挙動を有限要素法等を用いて厳密に算出してもよいが、以下の各例に述べるような物理的考察によって簡易な手法で近似的に算出しても、十分な精度が得られる。
例1:本例では、部材の形状に基づいた歪みの計算を行う。図7に本例の対象となるブッシュ20の軸方向(Z軸方向)に垂直な面(XY平面)に沿った断面形状の例を示す。図7に示すようにブッシュ20は、同一の中心軸の内筒21と外筒22と、これらの間に部分的に設けられたゴム部材23とを有する。ゴム部材23は、X軸に関して対称に配置された2つの部分を有する。各部分は、それぞれY軸に関して対称な扇形の断面形状を、Z軸に関して一様に有する。ゴム部材23の内筒21側および外筒22側の端面間の距離を20mmとし、ゴム部材23の高さ(Z軸方向の長さ)を30mmとする。
図8に示すように、ゴム部材23の各部分を、20mm×30mmの面を有する直方体に近似する。内筒21がX軸、Y軸、Z軸の各方向に外筒22に対して1mm変位した場合に生じるゴム部材23の歪みを、図9の(a)、(b)、(c)にそれぞれ示すように、近似した直方体において求めると、それぞれ、せん断歪みτxy=0.025、垂直歪みεy=−0.05、せん断歪みτyz=0.0166となる。これを、ゴム部材23に生じた各軸方向の変位速度成分の、歪み速度成分への寄与度(係数)とみなす。また、各軸周りの回転速度が、高い歪み速度を生じることはまれであると考え、係数を0とする。これらにより行列Aを近似的に求め、歪み速度ベクトルvεの各成分を変位速度ベクトルvの各成分の線形結合で表現すると以下の式(17)となる。式(17)に基づいて、歪み速度ベクトルvεのノルムを具体的に計算することにより、平均歪み速度を、以下の式(18)のように変位速度ベクトルの成分の関数で表現することができる。尚、式(18)の導出に際して、歪み速度ベクトルのノルムとは、そのベクトルの大きさではなく、その成分を歪み速度テンソルの成分とした際の行列ノルムである。
Figure 2021131330
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例2:本例では、例1と異なり、実際のブッシュの挙動を測定した結果に基づいた計算を行う。本例では、各軸周りの回転速度による、歪み速度成分への寄与度を、例1と同様に0と近似する。各軸方向への変位速度成分の歪み速度成分への寄与については、例1と同様の考え方を適用するものの、具体値の代わりに、a、b、cを変数として以下の式(19)のように一般化する。式(19)に基づいて、ノルムを計算することにより、平均歪み速度を、以下の式(20)のように変位速度ベクトルの成分の関数で表現することができる。a、b、cの値は、実際のブッシュを用いて簡単な測定を行い、測定結果に適合するように同定することができる。
以上の2例の方法において、図7に示すブッシュは一例であって、他の形状のブッシュの場合にも同様の方法が適用できる。また、部材の材質はゴム以外の粘弾性体でもよい。また、平均歪み速度と、ブッシュの変位速度ベクトルとの関係は、これ以外の方法で求めてもよい。例えば、所定の条件下では、ステップST1で求めた静的ブッシュマトリクスモデルの行列Hの成分に基づいて求めることも可能である。
Figure 2021131330
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以上の処理の実施態様は限定されないが、一例として、プロセッサを備えるコンピュータが、材料試験片に対する測定結果等のデータを取得して実行することが挙げられる。
(効果)
以上のように本実施形態においては、ゴムのような粘弾性体の部材が用いられたブッシュの動的特性が、温度環境によって変化することを考慮し、温度環境に対する依存性を考慮したモデルを生成している。このため、粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルとして環境温度に応じたモデルを生成することができる。これにより、温度環境に応じて変化する特性を反映した精度の高い動的応答の解析を行うことができる。また、本実施形態では、部品(車両のサスペンションブッシュやエンジンマウント)の静動的特性(周波数依存性、振幅依存性、予歪み依存性、方向連成)と温度依存性を含めた、精度が高く、且つ計算速度が速いシミュレーションモデルを構築することができる。
また、前記ステップST1では、解析対象物のFEMモデルを特定の軸方向へ振動させた場合とそれ以外の様々な方向へ振動させた場合の両方の場合について得た解析対象物の状態量と荷重との関係から解析対象物のシミュレーションモデルを導出することで、そのFEM計算結果を用いて、自由度が小さく且つ精度の高いシミュレーションモデルを構築することができる。
また、本実施形態によって生成されたシミュレーションモデルは、3Dシミュレーションは無論のこと、1Dシミュレーションにも適用可能であり、自動車のフルビークルシミュレーションや、リアルタイムシミュレーションにも適用が可能であり、SILS、MILS、HILS等のシミュレーションとして精度の高いシミュレーションモデルを提供でき、シミュレーションの高速化、精度向上に寄与することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。上述の第1実施形態では、部材全体を1つの単位として上述の(仮定1)および(仮定2)を規定していた。しかし部材の形状によっては、部材全体でこのような仮定を行うより、2つ以上の部分に分割して考え、各部分を単位として仮定を行う方がモデルの再現性が向上したり、計算が容易になる場合がありうる。第2実施形態として、この方法を説明する。
本実施形態は、第1実施形態に対して以下の2点を変更したものである。1つめは、第1実施形態のステップST2において、一般化マクスウェルモデルによるモデル化に当たり、部材全体をモデル化したN個の動バネを設けるのではなく、図10に示すように、部材を2つ以上に分割した部分毎に、N個ずつ動バネを設ける点である。図10に示す例では、部材を第1部分と第2部分の2つの部分に分割し、図6に示すi番目の動バネ4−iの代わりに、第1部分に対応する動バネ4−i1、第2部分に対応する動バネ4−i2を設ける(i=1、…、N)。動バネ4−i1は、第1部分の動バネ係数γi1、ダンパー粘性係数Ci1に対応するバネ2−i1、ダンパー3−i1を含む。動バネ4−i2は、第2部分の動バネ係数γi2、ダンパー粘性係数Ci2に対応するバネ2−i2、ダンパー3−i2を含む。2つめは、第1実施形態のステップST4において、部材全体の代わりに、部分毎に(仮定1)および(仮定2)を規定し、部分毎に平均歪み速度とブッシュの変位速度との関係を求め、これに基づいて、部分毎の動バネ係数γi1、γi2およびダンパー粘性係数Ci1、Ci2(i=1、…、N)を求める点である。
<ステップST4の処理の具体例>
本実施形態に係るステップST4の処理の具体例を説明する。図11に本例の対象となるブッシュ30の軸方向(Z軸方向)に垂直な面(XY平面)に沿った断面形状の例を示す。図11に示すようにブッシュ30は、同一の中心軸の内筒31と外筒32と、これらの間に設けられたゴム部材33とを有する。ゴム部材33は、Y軸に関して対称に2つのすぐり34(空隙)が設けられている。図12は、横軸にX軸方向の変位、縦軸にX軸方向の荷重Fをとった、ブッシュ30の特性を模式的に示すグラフである。グラフの傾きは、変位x0において一方のすぐり34が潰れて向かい合う内壁が接触した後は、その前と比べて傾きが大きくなる。ここで、ゴム部材33を、中心軸から見てすぐり34が設けられていない範囲の部分である第1の部分33−1とすぐり34が設けられた範囲の部分である第2の部分33−2の2つに分割して考える。図13(a)および(b)は、図12のグラフをそれぞれ第1の部分33−1、第2の部分33−2の寄与分に分割したものである。図13(a)のグラフは、すぐり34の潰れ具合によらず、一定の傾きを有し、図13(b)のグラフは、すぐり34が潰れるまで傾きが0で、潰れた後に傾きが発生する。このように第1の部分33−1と第2の部分33−2とは特性が異なる。そこで本例では、各部分のそれぞれに個別に上述の(仮定1)および(仮定2)を規定し、それぞれの動バネ係数γi1、γi2およびダンパー粘性係数Ci1、Ci2(i=1、…、N)を求める。具体的には、上述の例1、例2等の方法をそれぞれの部分に適用すればよい。動バネ係数γi1、γi2およびダンパー粘性係数Ci1、Ci2は、例えば、以下の式(21)〜式(24)に示すように、材料試験片の動バネ係数γi´およびダンパー粘性係数Ci´を、相異なる行列A1、A2を用いた変位速度ベクトルvの成分の関数でそれぞれ表現することで得られる。このように、特性が異なる部分毎に動的パラメータを計算することにより、計算がしやすくなったり、近似の精度が向上しうる。尚、図12および図13に示すグラフは、部分毎に特性が異なるという説明を分かりやすくする目的に限って、応力緩和等の粘弾性体の振る舞いを捨象したものである。
Figure 2021131330
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Figure 2021131330
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このようにして求めた動バネ係数γi1、γi2およびダンパー粘性係数Ci1、Ci2によって、図10に示す一般化マクスウェルモデルを完成させる。この一般化マクスウェルモデルにおいては、特性の異なる部分毎に対応する動バネが設けられているため、より高い再現性が得られうる。尚、ここでは部材は2つの部分に分割したが、3つ以上に分割してもよい。
本実施形態によって生成されたモデルにおいても、前述した第1実施形態の場合と同様に、温度環境に応じて変化する特性を反映した精度の高い動的応答の解析を行うことができる。
−他の実施形態−
尚、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲および該範囲と均等の範囲で包含される全ての変形や応用が可能である。
例えば、前記実施形態のステップST1において、Yeohモデルの式で求めていた各温度条件の材料パラメータとしては、当該式を用いることなく、予め材料試験データから求めてデータベースに格納しておくようにしてもよい。また、要求されるモデルとして方向連成を考慮する必要がない場合、ステップST1で求めるモデルはマトリクスモデルでなくてもよい。
また、前記実施形態のステップST2では、一般化マクスウェルモデルの静バネ1をマトリクスモデルに置き換えるようにしていたが、その他の弾性部にもマトリクスモデルを用いるようにすることも可能である。また、静バネ1はマトリクスの形式ではなく、POD(直交分解)やPGD(一般分解)といった他の縮退手法の代理モデルとしてもよい。
また、前記実施形態のステップST3における温度依存性の考慮は、温度−時間換算則を用いていたが、他の法則を適用してもよい。また、材料係数の同定手法としては前述したもの以外に様々な方法が適用可能である。但し、前記一般化マクスウェルモデルの図で示した疑似摩擦を表すγ1,C1において、緩和時間τの式(13)の右辺のべき数mは「1」が望ましい。
また、前記実施形態のステップST3〜ST7以外の手法によって変位速度を歪み速度に変換するようにしてもよい。
本発明は車両のブッシュ等の部品の動的応答のモデル化に有用であり、高品質な部品の設計等に利用できる。
1 静バネ
2 バネ
3−i ダンパー
4−i 動バネ
10 材料試験片
20 ブッシュ(部品)
21 内筒
22 外筒
23 ゴム部材(粘弾性体から成る部材)
30 ブッシュ
31 内筒
32 外筒
33 ゴム部材(粘弾性体から成る部材)
γi,γi´ 動バネ係数
i,Ci´ ダンパー粘性係数
v 変位速度ベクトル
vε 歪み速度ベクトル

Claims (3)

  1. 粘弾性体から成る部材を含む部品の動的応答を再現するモデルである動的モデルを生成するモデル生成方法であって、
    各環境温度条件毎に前記粘弾性体における静的モデルを生成するステップと、
    前記静的モデルを用いて各環境温度条件毎に一般化マクスウェルモデルを生成するステップと、
    材料試験片の測定結果に基づき、温度−時間換算則を用いて、前記粘弾性体のバネ係数およびダンパー粘性係数を歪み速度ノルムの関数としてそれぞれ同定するステップと、
    前記部品の平均歪み速度を変位速度ベクトルの関数として同定するステップと、
    前記部品の動バネ係数およびダンパー粘性係数を前記変位速度ベクトルの成分の関数としてそれぞれ同定するステップと、
    前記一般化マクスウェルモデルに、前記変位速度ベクトルの成分の関数として同定された前記動バネ係数および前記ダンパー粘性係数を適用して解析用一般化マクスウェルモデルを生成するステップと、
    を含むことを特徴とするモデル生成方法。
  2. 請求項1記載のモデル生成方法において、
    前記静的モデルを生成するステップでは、前記粘弾性体から成る前記材料試験片を使用し、環境温度条件を変更しながら、当該材料試験片に荷重を入力することにより、各温度条件毎の応力と歪みとの関係を求め、各温度条件毎の応力と歪みとの関係のデータを用いて静的モデルを生成することを特徴とするモデル生成方法。
  3. 請求項1または2記載のモデル生成方法において、
    各環境温度条件毎に生成される前記粘弾性体における静的モデルは、静的マトリクスモデルであり、
    前記一般化マクスウェルモデルを生成するステップでは、前記静的マトリクスモデルの行列を用いて各環境温度条件毎に前記一般化マクスウェルモデルを生成することを特徴とするモデル生成方法。
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