JP2015032295A - 減衰振動解析方法 - Google Patents

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【課題】精度の高い複合材料構造体の減衰振動解析方法を提供する。【解決手段】複合材料構造体に使用される材料の等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、複合材料構造体の周期的なミクロ構造モデルをモデリングする工程と、等方性緩和弾性係数マトリックスを用いてミクロ構造モデルの応力緩和解析を行うことにより、ミクロ構造モデルの直交異方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、複合材料構造体の有限要素モデルをモデリングする工程と、直交異方性緩和弾性係数マトリックスを用いて有限要素モデルの減衰振動解析を行う工程とを備え、等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程が、複合材料構造体に使用される材料の実測試験により得られた試験データから周波数に対応する等方性複素弾性率を算出する工程と、一般化マクスウェルモデルを用いて等方性複素弾性率から等方性緩和弾性係数マトリックスに変換する工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、減衰振動解析方法に関する。
複数の材料で形成した複合材料構造体を設計する際、音響効果等を確認するためにその減衰振動をシミュレーションしたい場合がある。
例えば、特開2012−234229号公報には、材料の振動特性を一般化マクスウェルモデルによって表わし、モード法により減衰振動をシミュレーションすること、及び減衰振動の解析に有限要素法を用いることが記載されている。一般化マクスウェルモデルでは、構造体の振動に係る構成を、ばねとダッシュポッドとを直列に接続したものを複数組並列に接続したものとして表わす。また、モード法では、構造体のモード減衰比(各次の固有振動モードにおける振動の減衰率)を算出して各モードにおける振動の重ね合わせとして減衰振動をシミュレーションする。
さらに、特開2012−234229号公報には、既知の材料の減衰比を用いて一般化マクスウェルモデルの係数を推定し、複合材料構造体のモード減衰比を予測することが記載されている。しかしながら、そのような推測では、複合材料構造体の大まかな周波数特性を予想することはできても、精度の高い解析はできない。
特開2012−234229号公報
本発明は、前述のような事情に鑑みてなされたものであり、精度の高い複合材料構造体の減衰振動解析方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた発明は、複合材料構造体の減衰振動解析方法であって、前記複合材料構造体に使用される材料の等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、前記複合材料構造体の周期的なミクロ構造モデルをモデリングする工程と、前記等方性緩和弾性係数マトリックスを用いて前記ミクロ構造モデルの応力緩和解析を行うことにより、前記ミクロ構造モデルの直交異方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、前記複合材料構造体の有限要素モデルをモデリングする工程と、前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスを用いて前記有限要素モデルの減衰振動解析を行う工程とを備え、前記等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程が、前記複合材料構造体に使用される材料の実測試験により得られた試験データから周波数に対応する等方性複素弾性率を算出する工程と、一般化マクスウェルモデルを用いて前記等方性複素弾性率から等方性緩和弾性係数マトリックスに変換する工程とを含むことを特徴とする。
当該減衰振動解析方法は、周期的に繰り返されるミクロ構造(ユニットセル)が集まって複雑なマクロ構造が形成されていると考えるマルチスケーリング法によって、複合材料構造体の構造を有限要素モデルとしてモデリングする。このため、この複合材料構造体の減衰振動特性を段階的に導出することができ、演算負荷が小さい。また、当該減衰振動解析方法において、ミクロ構造の直交異方性緩和弾性係数マトリックスは、使用する材料のサンプルの実測試験により得られたデータを基にして導出するので、マクロ構造の有限要素モデルの物性データが正確であり、減衰振動解析の精度が高い。
当該減衰振動解析方法において、前記試験データが動的粘弾性測定により測定した温度分散データであり、前記周波数に対応する等方性複素弾性率が前記温度分散データの時間−温度換算則に基づく時間スケール変換により算出され、等方性緩和弾性係数マトリックスがProny級数近似法によって導出されるとよい。一般的な動的粘弾性測定による温度分散データを使用すれば専用の測定装置が不要であるため、過剰なコストが生じない。また、Prony級数近似法を使用して等方性緩和弾性係数マトリックスを導出すれば、計算が容易である。このため、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等の安価な設備で高精度の減衰振動解析を実現できる。
当該減衰振動解析方法の前記有限要素モデルの減衰振動解析において、ひずみエネルギー法によりモード減衰比を算出するとよい。モード減衰比をモード振動における1周期中の消費エネルギーと最大ひずみエネルギーとの比として算出するひずみエネルギー法を用いれば、固有値解析により導出できる最大ひずみエネルギーとひずみベクトルとからモード減衰比を算出できる。これもまた、安価な設備で高精度の減衰振動解析を実現可能とする。
当該減衰振動解析方法において、導出した前記等方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶する工程をさらに備え、前記ミクロ構造モデルの応力緩和解析において、前記データベースに記憶した前記等方性緩和弾性係数マトリックスを参照するとよい。等方性緩和弾性係数マトリックスをこのようにデータベース化することにより、同じ材料の実測試験を繰り返す必要がない。また、使用され得る材料の実測試験を予め行って等方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶しておくことで、設計とシミュレーションのサイクルを短縮できる。
当該減衰振動解析方法において、導出した前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶する工程をさらに備え、前記有限要素モデルの減衰振動解析において、前記データベースに記憶した前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスを参照するとよい。複合材料のミクロ構造(ユニットセル)の物性をデータベースに記憶しておけば、ミクロ構造のモデリングの手間を省くことができる。これによっても、設計とシミュレーションのサイクルを短縮できる。
本発明の減衰振動解析方法は、実測試験により得られたデータを利用するので、精度の高い減衰振動解析が可能である。
本発明の一実施形態の減衰振動解析方法の手順を示す流れ図である。 複合材料構造体の例を示す図である。 ミクロ構造モデルの例を示す図である。 動的粘弾性測定による温度分散データの例を示す図である。 周波数に対応する等方性複素弾性率の例を示す図である。 ミクロ構造モデルの応力緩和解析の例を示す図である。 構造体のインパルス応答の解析結果及び実測結果の例を示す図であり、(A)は単一樹脂からなる板の解析結果及び実測結果を示す図であり、(B)はCFRPからなる板の解析結果及び実測結果を示す図である。 図7のモデルにおける周波数特性を示す図である。 ギターの減衰振動解析結果を示す図である。 異なる材質からなるギター用表板の周波数応答解析結果を比較して示す図である。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。図1のフローチャートは、本発明の一つの実施形態に係る減衰振動解析方法の手順を示す。
当該減衰振動解析方法では、先ずステップS01において、減衰振動を解析する複合材料構造体の構造を決定する。当該減衰振動解析方法では、コンピュータ上の直交座標系モデル空間内に、マルチスケール法により複合材料構造体の有限要素モデルをモデリングする。
マルチスケール法では、構造体の少なくとも一部分を、一定の構成を有する均質な構造繰り返しを含むものとして表現する。繰り返し構造を含む上位の大きな構造はマクロ構造と呼ばれ、繰り返される下位の小さな構造はミクロ構造(ユニットセル)と呼ばれる。このようなマルチスケール法では、ミクロ構造の一単位(ユニットセル)を同期境界条件のもとで分析をすることで、平均的なマクロ物性を計算することができる。このため、マクロ構造は一定の物性を有する均質なものと考えることができるので、精度を下げずに演算負荷を低減できる。
図2に、当該減衰振動解析方法により減衰振動を解析する複合材料構造体の例である板材1を示す。この板材1は、平織りされたカーボン繊維2で補強されたエポキシ樹脂3からなる。つまり、板材1は、エポキシ樹脂3の中に4束のカーボン繊維2が配置された織布単位構造C1が平面視で縦横に繰り返し配置されたマクロ構造を有する。織布単位構造C1は、互いに平行な2束のカーボン繊維2が他の2束のカーボン繊維2と直交している。さらに、織布単位構造C1において、各束のカーボン繊維2は、それぞれ一本ずつエポキシ樹脂3に覆われている。よって、織布単位構造C1のカーボン繊維2の束は、立方体状のエポキシ樹脂3を1本のカーボン繊維2が貫通する単繊維包含構造C2がカーボン繊維2の長さ方向に沿って多数連続して配置されたものを多数含んでいると考えられる。つまり、織布単位構造C1は、板材1を構成するミクロ構造であると共に、単繊維包含構造C2を構成要素とするマクロ構造でもある。
そして、図1の当該減衰振動解析方法では、ステップS02において、ステップS01で決定した構造における最下位のミクロ構造が予め構築したデータベースに記憶されているかどうかを確認する。図2の板材1の場合、単繊維包含構造C2がデータベースに記憶されているか否かを確認する。
ステップS02において、最下位のミクロ構造のデータがデータベースに記憶されていれば、ステップS03に進んでデータベースから最下位のミクロ構造の直交異方性緩和弾性係数マトリックス、密度等のデータを読み出す。
ステップS02において、最下位のミクロ構造のデータがデータベースに記憶されていなければ、ステップS04に進んでコンピュータ上に最下位のミクロ構造(単繊維包含構造C2)のモデリングを行う。ミクロ構造モデルは、有限要素モデルとしてモデリングされる。
図3に、当該減衰振動解析方法においてモデリングされるミクロ構造モデル及び実際の構造の顕微鏡写真を例示する。図3において、(A)は1本のカーボン繊維を包含する樹脂(CFRP)、(B)は1つの球状シリカ(SiO)粒子を包含する樹脂、(C)は1つの気泡を有する発泡樹脂である。
このようなミクロ構造モデルをモデリングした後、ステップS05においてミクロ構造モデルを構成する材料(図2の例ではカーボン繊維及びエポキシ樹脂)のデータがデータベースに記憶されているか否かを確認する。ステップS05において材料のデータがデータベースに記憶されていれば、ステップS06に進んでデータベースから材料の等方性緩和弾性係数マトリックス、密度等のデータを読み出す。ステップS05において材料のデータがデータベースに記憶されていなければ、ステップS07に進んでその材料の母材サンプルを用意し、動的粘弾性測定(実測試験)を行う。
動的粘弾性測定では、温度を一定の速度で上昇させながらサンプルを加振し、サンプルのひずみを測定することにより、複素弾性率の温度分散データを測定する。複素弾性率は、実数部である貯蔵弾性率及び虚数部である損失弾性率からなる。また、方向性を有しない均質な材料の複素弾性率は、向きによらず一定であるため、特に等方性複素弾性率と呼ぶ。この測定を複数の周波数について行うことで、図4に示すような周波数毎の温度分散データ(貯蔵弾性率のみ図示)が得られる。
続いて、ステップS08において、ステップS07の動的粘弾性測定で得られた温度分散データを時間−温度換算則に基づく時間スケール変換により、周波数に対応する等方性複素弾性率の各温度における値を示すデータ(マスターカーブ)に変換する(図5に例示)。
続くステップS09では、こうして得られた等方性複素弾性率のマスターカーブを一般化マクスウェルモデルのProny級数で近似することにより、緩和弾性率の各周波数成分を行列として記載した等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する(図5参照)。なお、一般化マクスウェルモデルのProny級数は、等方性複素弾性率E(t)を次の式(1)のように近似する。なお、式(1)において、tは時間、Eは長期弾性率、Eは第i項の弾性率、τは第i項の緩和時間をそれぞれ示す。
ステップS10では、このようにして導出した等方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶する。また、材料の密度等のデータも調査又は測定し、データベースに記憶する。こうして記憶された等方性緩和弾性係数マトリックス等のデータは、以後、ステップS06において参照されるため、同じ材料について再度実測試験を行う必要がない。
そして、ステップS11において、ステップS06でデータベースから読み出した等方性緩和弾性係数マトリックス、又はステップS07からステップS09で実測試験により導出した等方性緩和弾性係数マトリックスを、ステップS04でモデリングしたミクロ構造の有限要素モデルの各節点のデータとして入力し、応力緩和解析を行ってミクロ構造の直交異方性緩和弾性係数マトリックスを導出する。応力緩和マルチスケール解析は、市販されているCAEソフトウェアを用いて行うことができる。
ステップS11における応力緩和解析の例として、図6に、図3(A)のCFRPのミクロ構造モデルの応力緩和解析結果をコンピュータグラフィックス化したものを示す。なお、図6において、(A)はモデル空間におけるX方向の引っ張りによる変形、(B)はモデル空間におけるZX方向のせん断による変形を示す。
ステップS11で導出された直交異方性緩和弾性係数マトリックス等のデータは、ステップS12においてデータベースに記憶される。こうして記憶された直交異方性緩和弾性係数マトリックス等のデータは、以後、ステップS03において参照されるため、同じミクロ構造モデルについて応力緩和解析を行う必要がない。
その後、ステップS13において、ステップS03でデータベースから読み出した直交異方性緩和弾性係数マトリックス、又はステップS11で実測試験の試験データを用いた応力緩和解析により導出した直交異方性緩和弾性係数マトリックスを有するミクロ構造を各節点とするマクロ構造としての複合材料構造体(図2の例では板材1全体)の有限要素モデルをモデリングする。
そしてステップS14に進んで、ステップS13でモデリングしたマクロ構造モデルについてモード減衰比の算出を行う。ここでのモード減衰比の算出は、ひずみエネルギー法によりマクロ構造モデルのモード減衰比を算出し、モード法により減衰振動を解析する。ひずみエネルギー法では、n次のモード減衰比ζは、構造体がn次の固有振動数で振動しているときの1サイクル中の消費エネルギーΔWと最大ひずみエネルギーWとの比を用いて次の式(2)のように表わされる。
最後に、ステップ15において、ステップS14で算出したモード減衰比を用いて、モード法による減衰振動解析を行う。ステップS15における減衰振動解析としては、周波数応答解析および時刻歴応答解析を行うことができる。
<利点>
このように、当該減衰振動解析方法では、複合材料構造体の減衰振動を高精度で予測できる。したがって、複合材料構造体の試作回数を減らすことができるので、複合材料構造体の最適設計の時間及びコストを大幅に低減できる。
当該減衰振動解析方法では、動的粘弾性測定により温度分散データ(試験データ)を測定する工程(ステップS07)と、温度分散データの時間スケール変換により周波数に対応する等方性複素弾性率を算出する工程(ステップS08)と、一般化マクスウェルモデルを用いたProny級数近似法によって等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程(ステップS09)とを有する。
当該減衰振動解析方法は、このように動的粘弾性測定による温度分散データを用いて等方性緩和弾性係数マトリックスを導出するので、一般的な動的粘弾性測定装置を使用できる。
また、当該減衰振動解析方法は、Prony級数近似法を使用して等方性緩和弾性係数マトリックスを導出するので、計算が容易であると共に正確な固有値を算出できる。
また、当該減衰振動解析方法は、周期的なミクロ構造モデルをモデリングし(ステップS04)、ミクロ構造モデルの応力緩和解析を行うことで、異方性緩和弾性マトリックスを導出する(ステップS11)。このように段階的に解析を行うことで、演算負荷が小さくなり、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等でのシミュレーションが可能となる。
また、当該減衰振動解析方法は、マクロ構造、最終的には複合材料構造体全体の有限要素モデルをモデリングし(ステップS13)、ひずみエネルギー法を用いてモード減衰比を算出する(ステップS15)。このため、演算を自動化することもでき、減衰比の算出が容易でありながら、高精度の減衰振動解析が可能である。
また、当該減衰振動解析方法は、モード法により減衰振動解析を行うので、演算負荷が小さく、パーソナルコンピュータ、ワークステーション等で減衰振動をシミュレートできる。
さらに、当該減衰振動解析方法は、導出した等方性緩和弾性係数マトリックス及び直交異方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶するので(ステップS10及びステップS12)、同じ材料の実測試験及び同じ構造のミクロ構造の応力緩和解析を繰り返す必要がなく、設計とシミュレーションのサイクルを短縮できる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本考案の範囲は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
図1の実施形態では、最下位のミクロ構造の直交異方性緩和弾性系係数マトリックス及び材料の等方性緩和弾性マトリックスについてデータベースを参照したが、3階層以上の構成を有する複合材料構造体をモデリングする際には、上位の大きなミクロ構造の直交異方性緩和弾性係数マトリックスもデータベースを参照するようにしてもよい。例えば、図2の板材1において、織布単位構造C1のデータがデータベースに記憶されていれば、これを板材1の全体構造の有限要素モデルの質点のデータとして利用することにより、さらに板材1の振動解析に要する演算量及び手間を少なくできる。
また、図1の実施形態では、複合材料構造体を全体構造とミクロ構造との2階層に分けてモデリングしているが、多段のマルチスケーリングにより、振動解析を簡略化してもよい。例えば、図の板材1では、上位の織布単位構造C1の有限要素モデルの節点のデータに下位の単繊維包含構造C2の直交異方性緩和弾性係数マトリックスを入力し、応力緩和解析を行うことによって織布単位構造C1の直交異方性緩和弾性係数マトリックスを導出する。つまり、織布単位構造C1を上位のミクロ構造として取り扱うことにより、板材1全体の有限要素モデルのメッシュサイズの大きいものとし、結果として演算負荷を低減する。
このようにして導出した織布単位構造C1のような上位のミクロ構造(全体構造に対する下位のマクロ構造)の直交異方性緩和弾性係数マトリックス等のデータについても、データベースに記憶することで、次に同じ上位のミクロ構造を有する複合材料構造体についての減衰振動解析が容易になる。
当該減衰振動解析方法において、マクロ構造が複数種類の異なるミクロ構造を有してもよい。例えば、そのようなマクロ構造として、図2の板材1の単繊維包含構造C2と、図3の(B)又は(C)のような別のミクロ構造との組み合わせによって構成されたマクロ構造が考えられる。或いは、図2の板材1と、板材1とは異なるマクロ構造及びミクロ構造を有する部材とが一体となったさらに上位の構造体(マクロ構造)が減衰振動解析の対象である複合材料構造体とされてもよい。
また、材料の等方性複素弾性率を測定する実測試験として、クリープ試験等の静的粘弾性測定方法を用いてもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図7に、当該減衰振動解析方法における減衰振動のインパルス応答解析結果と、実際に構造体に打撃を与えて振動を測定した結果とを示す。なお、図7において(A)は単一樹脂のソリッドからなる板材の減衰振動であり、(B)は樹脂の中にカーボン繊維を一定方向等間隔に配置した板を4枚積層した板材であって、外側の2枚のカーボン繊維の向きと内側の2枚のカーボン繊維の向きとが直交するように積層された板材の減衰振動である。
さらに、図8は、図7と同じ板材について、アクセレランス(加速度と加振力との比)の周波数応答(周波数に対するアクセレランスの関係)の解析結果と実測データとを示す。これらの結果からは、当該減衰振動解析方法により実際の減衰振動を高い精度で再現できていることが確認できる。
また、図9及び図10に、当該減衰振動解析方法によりギターの減衰振動特性を解析した結果を示す。図9は、ギターの表板(内側の梁状の補強部材を含む)のモデルにおける振動シミュレーションを示す。一方、図10は、ギターの表板の周波数特性である。このような周波数特性から、特にピーク周波数を参考にしてギターの音質を予測することが可能になる。
本発明は、減衰振動特性を問題とする複合材料構造体の設計に広く適用できる。
1 板材(複合材料構造体)
2 カーボン繊維
3 エポキシ樹脂
C1 織布単位構造(上位のミクロ構造)
C2 単繊維包含構造(下位のミクロ構造)

Claims (5)

  1. 複合材料構造体の減衰振動解析方法であって、
    前記複合材料構造体に使用される材料の等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、
    前記複合材料構造体の周期的なミクロ構造モデルをモデリングする工程と、
    前記等方性緩和弾性係数マトリックスを用いて前記ミクロ構造モデルの応力緩和解析を行うことにより、前記ミクロ構造モデルの直交異方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程と、
    前記複合材料構造体の有限要素モデルをモデリングする工程と、
    前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスを用いて前記有限要素モデルの減衰振動解析を行う工程と
    を備え、
    前記等方性緩和弾性係数マトリックスを導出する工程が、
    前記複合材料構造体に使用される材料の実測試験により得られた試験データから周波数に対応する等方性複素弾性率を算出する工程と、
    一般化マクスウェルモデルを用いて前記等方性複素弾性率から等方性緩和弾性係数マトリックスに変換する工程と
    を含むことを特徴とする減衰振動解析方法。
  2. 前記試験データが動的粘弾性測定により測定した温度分散データであり、
    前記周波数に対応する等方性複素弾性率が前記温度分散データの時間−温度換算則に基づく時間スケール変換により算出され、
    等方性緩和弾性係数マトリックスがProny級数近似法によって導出される請求項1に記載の減衰振動解析方法。
  3. 前記有限要素モデルの減衰振動解析において、ひずみエネルギー法によりモード減衰比を算出する請求項1又は請求項2に記載の減衰振動解析方法。
  4. 導出した前記等方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶する工程をさらに備え、
    前記ミクロ構造モデルの応力緩和解析において、前記データベースに記憶した前記等方性緩和弾性係数マトリックスを参照する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の減衰振動解析方法。
  5. 導出した前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスをデータベースに記憶する工程をさらに備え、
    前記有限要素モデルの減衰振動解析において、前記データベースに記憶した前記直交異方性緩和弾性係数マトリックスを参照する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の減衰振動解析方法。
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