JP2021131141A - 荷役車両の湿式ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタの外周部とハウジングの内周部との摺動抵抗を低減可能とする荷役車両の湿式ブレーキ装置の提供にある。【解決手段】ハウジング12と、ハウジング12に結合されたステータ20と、ハウジング12の内部に収容された回転軸13の外周面に結合されると共に、回転軸13の軸方向に沿ってステータ20と交互に配置されたブレーキディスク19と、ハウジング12の内部に収容され、パーキングレバーによりステータ20およびブレーキディスク19の側に押圧されるピストン28と、ピストン28とステータ20と間に配置され、ステータ20と接触する円筒状のコネクタ21と、とを備えた荷役車両の湿式ブレーキ装置10において、ハウジング12とコネクタ21との間に介在され、コネクタ21の変位時における摩擦抵抗を軽減する筒状部材50を備えた。【選択図】 図1

Description

この発明は、荷役車両の湿式ブレーキ装置に関する。
荷役車両の湿式ブレーキ装置の従来技術としては、例えば、特許文献1に開示された湿式ブレーキが知られている。特許文献1に開示された湿式ブレーキは、固定用ブレーキディスクと、回転用ブレーキディスクと、ピストンと、プレートと、筒状のコネクタと、を備えている。固定用ブレーキディスクはハウジングに結合されている。回転用ブレーキディスクはアクスルシャフトの外周面に結合されている。ピストンは、ハウジングの内部に収容され、パーキングレバーにより固定用ブレーキディスクおよび回転用ブレーキディスクの側に押圧される。プレートは、ハウジングの内部に収容され、固定用ブレーキディスクまたは回転用ブレーキディスクと接触する。コネクタは、ピストンとプレートとの間に配置されている。
特許文献1に開示された湿式ブレーキによれば、パーキングレバーによりピストンが押圧されると、コネクタおよびプレートを介して固定用ブレーキディスク及び回転用ブレーキディスクピストンが押圧されることで、回転軸に制動力が発生する。
特開2018−179116号公報
特許文献1に開示された湿式ブレーキは、コネクタの外周部がハウジングの内周部に対して摺動するため、摺動抵抗が発生する。コネクタの外周部とハウジングの内周部との摺動抵抗が大きいと、コネクタの摺動のために必要な力を大きくする必要が生じるという問題がある。コネクタの外周部をハウジングの内周部に摺動させないような構成も考えられるが、コネクタが摺動方向に対して傾斜するおそれがあり好ましくない。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、コネクタの外周部とハウジングの内周部との摺動抵抗を低減可能とする荷役車両の湿式ブレーキ装置の提供にある。
上記の課題を解決するために、本発明は、ハウジングと、前記ハウジングに結合されたステータと、前記ハウジングの内部に収容された回転軸の外周面に結合されると共に、前記回転軸の軸方向に沿って前記ステータと交互に配置されたブレーキディスクと、前記ハウジングの内部に収容され、パーキングレバーにより前記ステータおよび前記ブレーキディスクの側に押圧されるピストンと、前記ピストンと前記ステータとの間に配置され、前記ステータまたは前記ブレーキディスクと接触する円筒状のコネクタと、を備えた荷役車両の湿式ブレーキ装置において、前記ハウジングと前記コネクタとの間に介在され、前記コネクタの変位時における摩擦抵抗を軽減する摩擦抵抗軽減体を備えることを特徴とする。
本発明では、ハウジングとコネクタとの間に介在された摩擦抵抗軽減体がコネクタの変位時に発生する摩擦抵抗を軽減する。コネクタの変位時に発生する摩擦抵抗が軽減されることにより、コネクタの摺動のために必要な力を低減することができる。その結果、装置の小型化や軽量化が期待できるほか、オペレータの操作に対する負荷を軽減することができる。
上記の荷役車両の湿式ブレーキ装置において、前記摩擦抵抗軽減体は、前記コネクタが挿通される筒状部材である構成としてもよい。
この場合、コネクタは筒状部材である摩擦抵抗軽減体を介してハウジングに支持される。したがって、コネクタの変位時には、コネクタはハウジングに支持されて回転軸の軸方向に対して傾斜することはない。
上記の荷役車両の湿式ブレーキ装置において、前記コネクタは、外周部において周方向に形成される環状溝を有し、前記摩擦抵抗軽減体は、前記環状溝に装着され、前記ハウジングの内周部と摺接するDリングである構成としてもよい。
この場合、コネクタはDリングを介してハウジングに支持され、コネクタの変位時には弾性変形するDリングがハウジングの内周部と摺動することでコネクタの変位時に発生する摩擦抵抗をより軽減することができる。
上記の荷役車両の湿式ブレーキ装置において、前記ハウジングの外周部には、荷役車両が備える荷役装置を支持する荷役装置支持部が設けられ、前記摩擦抵抗軽減体と前記荷役装置支持部とは、前記回転軸の軸方向において径方向に重畳しない位置に配置されている構成としてもよい。
この場合、摩擦抵抗軽減体と荷役装置支持部とは、回転軸の軸方向において径方向に重畳しない位置に配置されているので、ハウジングに設けられる荷役装置支持部の厚肉化を図ることができる。コネクタの変位時に発生する摩擦抵抗を軽減するとともに荷役装置が支持される荷役装置支持部の強度を向上させることができる。
本発明によれば、コネクタの外周部とハウジングの内周部との摺動抵抗を低減可能とする荷役車両の湿式ブレーキ装置を提供できる。
第1の実施形態に係るフォークリフトの湿式ブレーキ装置の概要を示す縦断面図である。 第1の実施形態に係るフォークリフトの湿式ブレーキ装置の要部を拡大して示す縦断面図である。 フォークリフトの湿式ブレーキ装置が備える筒状体の斜視図である。 第2の実施形態に係るフォークリフトの湿式ブレーキ装置の要部を拡大して示す縦断面図である。 第1の実施形態の筒状体の別例1、2を示す斜視図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係る荷役車両の湿式ブレーキ装置について図面を参照して説明する。本実施形態は荷役車両としてのフォークリフトを例示し、フォークリフトの湿式ブレーキ装置を説明する。なお、方向を特定する「前後」、「左右」および「上下」については、フォークリフトのオペレータが運転席の運転シートに着座して、フォークリフトの前進側を向いた状態を基準として示す。
図1に示すように、フォークリフトの湿式ブレーキ装置(以下、単に「湿式ブレーキ装置」と表記する)10は、フロントアクスル11のハウジング12内に備えられている。ハウジング12内には、回転軸13が収容されている。ハウジング12内にて挿通される回転軸13の軸心Pは車両の幅方向と一致する。回転軸13は、差動機構(図示せず)を介して駆動源(図示せず)からの回転力を駆動輪(図示せず)に伝達するインプットシャフトである。なお、図1はフロントアクスル11を後方から見て、フロントアクスル11の中央付近に位置する作動機構と左の駆動輪との間の部位を縦断面として示している。
図1に示すように、回転軸13の一方の端部は減速機構(図示せず)と連結されている。減速機構の出力軸(図示せず)には車輪が固定されるハブ(図示せず)が連結されている。回転軸13の他方の端部は、差動機構(図示せず)と連結されている。
ハウジング12は、差動機構側の第1ハウジング部14と、第1ハウジング部14に接合される駆動輪側の第2ハウジング部15を有する。第1ハウジング部14の駆動輪側には、開口部16が形成されており、第1ハウジング部14の駆動輪側の端面には、第2ハウジング部15が接合されている。第1ハウジング部14および第2ハウジング部15は、例えば、鋳鉄といった鉄系材料により形成されている。
ハウジング12を備えたフロントアクスル11の内部には潤滑油が充填されている。第2ハウジング部15には、荷役装置18を支持する荷役装置支持部17が形成されている。荷役装置支持部17は荷役装置18を回動可能に支持する部位である。荷役装置18は、図示されないが、マスト、リフトブラケット、チェーン、フォーク、リフトシリンダ、ティルトシリンダを備える。荷役装置18が荷役装置支持部17により回動可能に支持されることにより、荷役装置18は回転軸13の軸心Pを回動中心として前後に傾動可能である。
ハウジング12内における回転軸13の外周面には、有孔円盤状の多数のブレーキディスク19がスプライン嵌合により配設されている。これらのブレーキディスク19は、回転軸13の軸方向と直角な摩擦面を有する。ブレーキディスク19は、スプライン嵌合されているので、回転軸13の軸方向へ移動可能であって、回転軸13に対する相対回転が規制されるように回転軸13に係止されている。したがって、ブレーキディスク19は、回転軸13が回転すると回転軸13と一体となって回転する。
ハウジング12の内壁面には、有孔円盤状の多数のステータ20が配設されている。これらのステータ20は、ハウジング12において回転軸13の軸方向に連設されており、回転軸13の軸方向と直角な摩擦面を有する。ステータ20の外周縁には係止爪(図示せず)が形成されている。係止爪は、ステータ20のハウジング12に対する回転軸13の回転方向への回転を規制する。ハウジング12の内壁には、ステータ20の係止爪に対応する係止用溝(図示せず)が回転軸13の軸方向に沿って形成されている。したがって、ステータ20は回転軸13の軸方向へ移動可能である。
ブレーキディスク19とステータ20は、回転軸13の軸方向において交互に配置されている。したがって、ブレーキディスク19はステータ20の間に介在されている。ブレーキディスク19の摩擦面はステータ20の摩擦面と対向する。差動機構に最も近いステータ20は、第2ハウジング部15内に備えられたコネクタ21と対向する。
コネクタ21は、円筒状のコネクタ本体部22と、コネクタ本体部22の端部に形成されたフランジ部23とを有する。フランジ部23はステータ20側の端部に形成されておりフランジ部23の端面には軸方向へ窪むとともに通孔25を有する複数の凹部24が形成されている。凹部24には、ボルト26が挿通され、ボルト26は第2ハウジング部15に固定されている。ボルト26の軸線は回転軸13の軸心Pと平行である。ボルト26の頭部と凹部24の底部との間にはコイルスプリング27が設けられている。コイルスプリング27は、コネクタ21を第1ハウジング部14へ向けて付勢する付勢力をコネクタ21に付与する。コネクタ21は、次に説明するピストン28の押圧によりブレーキディスク19に向けて回転軸13の軸方向に移動可能である。
ピストン28は第1ハウジング部14内に備えられており、第1ハウジング部14に対して回転軸13の軸方向に移動可能である。ピストン28は、ピストン本体部29と、ピストン本体部29に形成され、回転軸13が挿通される通孔30と、差動機構へ向けて突出する上下一対の突出部31を有している。押圧機構32の押圧を受ける部位であるピストン28は、第1ハウジング部14に対する回転軸13の回転方向への回転を規制する規制手段(図示せず)を備えている。ピストン28の上下一対の突出部31の先端は押圧機構32により押圧される部位である。
押圧機構32は、パーキングレバー(図示せず)の操作によりピストン28を押圧し、ピストン28の押圧により、コネクタ21を介してブレーキディスク19とステータ20とを当接させて回転軸13に対する制動力を得るための機構である。押圧機構32は、第1ハウジング部14に回動可能に支持されるパーキングロッド33を備えている。パーキングロッド33は、ロッド本体部34と、ロッド本体部34の上部に備えられる上軸部35と、ロッド本体部34の下部に備えられる下軸部36とを備えている。本実施形態のパーキングロッド33は鍛造によって製作されている。
ロッド本体部34は、鉛直方向の長手方向および水平方向の短手方向を有する形状を呈している。ロッド本体部34の形状は、制動時および非制動時に回転軸13に干渉しない形状である。ロッド本体部34の中心には、回転軸13が挿通可能な挿通孔37が備えられている。ロッド本体部34におけるピストン28と対向する対向面には、押圧部38が挿通孔37を挟むように上下一対設けられている。押圧部38は制動力を得るときに突出部31の先端を押圧する部位である。したがって、上下の押圧部38は、上下の突出部31の先端とそれぞれ当接可能な位置に形成されている。なお、図示はされないが、本実施形態の押圧部38は、第1の実施形態と同様に回転軸13の軸心Pに対して所定の距離だけオフセットしている。
ロッド本体部34の上部に備えられる上軸部35と、ロッド本体部34の下部に備えられ下軸部36とは同軸である。第1ハウジング部14の上部には、上軸部35が挿入可能な上部軸孔39が形成されている。上部軸孔39は第1ハウジング部14の外側と内側を連通する貫通孔である。上軸部35は、メタルブシュ40を介して第1ハウジング部14に回動可能に挿入されている。上部軸孔39を第1ハウジング部14の外側から塞ぐプラグ41が装着されている。
第1ハウジング部14の下部には上部軸孔39と同軸となるように下部軸孔42が形成されている。下部軸孔42は第1ハウジング部14の外側と内側を連通する貫通孔である。下軸部36は、スプライン歯43が形成されている。下部軸孔42に挿入される連結軸44が備えられており、連結軸44は下部軸孔42に挿入された後、下軸部36とスプライン嵌合される。したがって、下部軸孔42は、連結軸44の外径に対応する直径に設定されている。下部軸孔42にはメタルブシュ45およびシール部材46が備えられている。連結軸44はメタルブシュ45を介して第1ハウジング部14に回動可能に挿入されている。シール部材46は潤滑油の漏洩および異物の混入を防止する。パーキングロッド33は、上軸部35および下軸部36の軸心Qを中心に第1ハウジング部14に対して回動可能である。つまり、軸心Qは、パーキングロッド33の回動軸心に相当する。
第1ハウジング部14の下部には、支持板47が取り付けられている。支持板47は、第1ハウジング部14から張り出しており、支持板47の板面は水平である。パーキングロッド33に連結されている連結軸44は、下方へ向けて支持板47を貫通しており、連結軸44の下端には、連結軸44の径方向に延在するアーム部材48が固定されている。図示はされないが、アーム部材48の先端部は、クレビス(図示せず)を介してワイヤー(図示せず)の一端と接続されている。ワイヤーの他端は、運転席に設けられるパーキングレバー(又はパーキングペダル)と連結されている。このため、アーム部材48は、パーキングレバーの操作によってパーキングロッド33の上軸部35および下軸部36の軸心Qを中心に回動する。また、支持板47とアーム部材48とを連結する付勢部材としてのコイルスプリング(図示せず)が備えられている。コイルスプリングは、引っ張りばねであり、制動が解除されるときアーム部材48を原位置へ復帰する方向へ付勢する。
ところで、本実施形態の湿式ブレーキ装置10は、図1、図2に示すように、コネクタ21の変位時おける摩擦抵抗を軽減するため、摩擦抵抗軽減体としての筒状部材50を備えている。筒状部材50は鉄よりも摩擦抵抗の小さい金属材料(例えば、銅系合金、ホワイトメタル)により形成されている。筒状部材50は、第2ハウジング部15とコネクタ21との間に介在されている。このため、第2ハウジング部15の内周径とコネクタ21の外周径は、筒状部材50の径方向の厚さに対応するように設定されている。
図3に示すように、筒状部材50は、コネクタ21が挿通される通孔51を備えている。コネクタ21が回転軸13の軸方向に変位するとき、コネクタ21は筒状部材50に対して摺動する。筒状部材50に対してコネクタ21が摺動する場合の摩擦抵抗は、鉄系材料により形成されるコネクタ21が鉄系材料により形成される第2ハウジング部15に対して摺動する場合の摩擦抵抗と比較して小さい。筒状部材50は、第2ハウジング部15の内周面に圧入により固定される。したがって、筒状部材50の外周面は固定面であり、内周面は摺動面である。
第2ハウジング部15において筒状部材50が圧入される部位は、回転軸13の軸方向において筒状部材50が荷役装置支持部17と径方向に重畳しない部位である。具体的には、筒状部材50が圧入される部位は、第2ハウジング部15における荷役装置支持部17よりもピストン28に近い部位である。筒状部材50が荷役装置支持部17と径方向に重畳しないことにより、荷役装置支持部17の厚肉化が筒状部材50によって妨げられることはない。荷役装置支持部17の厚肉化は荷役装置18から荷重を受ける荷役装置支持部17の強度を向上する。
第2ハウジング部15の内周壁には、筒状部材50の第2ハウジング部15に対する軸方向の位置決めのための突条52が形成されている。突条52は第2ハウジング部15の内周壁から軸心P側へ向けて突出している。したがって、筒状部材50は第2ハウジング部15の荷役装置支持部17側から突条52へ向けて圧入され、突条52に突き当たることで位置決めされる。なお、本実施形態の突条52は第2ハウジング部15の内周壁において周方向にわたって環状に形成されているが、完全な環状でなくてもよく、周方向に点在するように複数の突条を形成してもよい。
本実施形態では、フロントアクスル11における左の駆動輪側の湿式ブレーキ装置10について説明したが、図示されない右の駆動輪側にも左の駆動輪側の湿式ブレーキ装置10と同様の湿式ブレーキ装置が備えられている。
次に、本実施形態の湿式ブレーキ装置10の作用について説明する。フォークリフトのオペレータが、湿式ブレーキ装置10を制動状態とするように、パーキングレバー(又はパーキングペダル)を操作すると、アーム部材48が連動してパーキングロッド33の軸心Qを支点として一方向へ向けて回動する。
パーキングロッド33の一方向への回動により、ロッド本体部34の押圧部38はピストン28の突出部31における先端を押圧し、パーキングロッド33がピストン28を回転軸13の軸方向へ押圧する。ピストン28が押圧されると、コネクタ21がピストン28の押圧によって軸方向へ移動(変位)し、ステータ20を駆動輪側へ向けて押圧する。コネクタ21の押圧によりステータ20とブレーキディスク19との間隙が狭くなり、ステータ20とブレーキディスク19は互いに圧接され、湿式ブレーキ装置10は、回転軸13に対する制動力を得る制動状態となる。
フォークリフトのオペレータが、湿式ブレーキ装置10の制動状態を解除するように、パーキングレバー(又はパーキングペダル)を操作すると、アーム部材48が連動してパーキングロッド33の軸心Qを支点として回動する。このとき、パーキングロッド33は他方向へ向けて回動する。パーキングロッド33はピストン28から離隔し、コネクタ21はコイルスプリング27の付勢力を受けて原位置へ向けて移動(変位)する。このため、ピストン28はコネクタ21とともに原位置に移動する。コネクタ21およびピストン28の原位置への移動により、ステータ20とブレーキディスク19との間隙が広がり、湿式ブレーキ装置10の制動状態が解除される。
ピストン28の押圧およびコイルスプリング27によるコネクタ21の軸方向への移動(変位)のとき、コネクタ21は筒状部材50に対して摺動する。このため、筒状部材50がコネクタ21の変位時に発生する摩擦抵抗を軽減する。コネクタ21の変位時に発生する摩擦抵抗が軽減されることにより、コネクタ21の移動のために必要なパーキングレバー(又はパーキングペダル)の操作力は小さくなる。また、コネクタ21は筒状部材50を介して第2ハウジング部15に支持されているため、コネクタ21の移動のとき、コネクタ21が軸心Pに対して傾くことはない。
本実施形態に係る湿式ブレーキ装置10は以下の作用効果を奏する。
(1)第2ハウジング部15とコネクタ21との間に介在された筒状部材50がコネクタ21の変位時に発生する摩擦抵抗を軽減する。コネクタ21の変位時に発生する摩擦抵抗が軽減されることにより、コネクタ21の摺動のために必要な力を低減することができる。その結果、装置の小型化や軽量化が期待できるほか、オペレータのパーキングレバー(又はパーキングペダル)の操作に対する負荷を軽減することができる。
(2)筒状部材50の通孔51にはコネクタ21が挿通されるため、コネクタ21は筒状部材50を介して第2ハウジング部15に支持される。したがって、コネクタ21の変位時には、コネクタ21は第2ハウジング部15に支持されて回転軸13の軸心Pの方向に対して傾斜することはない。コネクタ21が軸心Pに対して傾斜しないので、摩擦抵抗を最も小さくすることができる状態となり、コネクタ21は円滑に移動できる。また、摺動による摩耗や摩耗による摩耗粉の発生を抑制することができる。
(3)第2ハウジング部15の外周部には、荷役車両が備える荷役装置18を支持する荷役装置支持部17が設けられ、筒状部材50と荷役装置支持部17とは、回転軸13の軸方向において径方向に重畳しない位置に配置されている。このため、第2ハウジング部15に設けられる荷役装置支持部17は筒状部材50によってスペースの制約を受けることがなく、荷役装置支持部17の厚肉化を図ることができる。その結果、コネクタ21の変位時に発生する摩擦抵抗を軽減するとともに荷役装置18が支持される荷役装置支持部17の強度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る湿式ブレーキ装置について説明する。本実施形態では、摩擦抵抗低減体としてDリングを用いる点で、第1の実施形態と相違する。本実施形態では、第1の実施形態と同じ構成については第1の実施形態の説明を援用し、共通の符号を用いる。
図4に示すように、本実施形態の湿式ブレーキ装置60は、摩擦抵抗軽減体としてのDリング61を用いている。コネクタ62の外周径は、第2ハウジング部15の内周径より僅かに小さく設定されている。コネクタ62の外周面には周方向に延在する環状溝63が形成されている。環状溝63は、Dリング61を装着するための溝である。コネクタ62は外周径および環状溝63を除き、第1の実施形態のコネクタ21と同一である。
Dリング61は、断面がD字状の公知のDリングである。Dリング61は硬質ゴムにより形成されている。Dリング61は、第2ハウジング部15との摺接により弾性変形する。コネクタ62が移動(変位)するとき、Dリング61が第2ハウジング部15に対して摺動する。Dリング61が第2ハウジング部15に対して摺動する場合の摩擦抵抗は、鉄系材料により形成されるコネクタ62が鉄系材料により形成される第2ハウジング部15に対して摺動する場合の摩擦抵抗と比較して小さい。
Dリング61と荷役装置支持部17とは、回転軸13の軸方向において径方向に重畳しない位置に配置されている。このため、第2ハウジング部15に設けられる荷役装置支持部17は筒状部材50によってスペースの制約を受けることがなく、荷役装置支持部17の厚肉化を図ることができる。その結果、コネクタ62の変位時に発生する摩擦抵抗を軽減するとともに荷役装置18が支持される荷役装置支持部17の強度を向上させることができる。
本実施形態の湿式ブレーキ装置60によれば、コネクタ62はDリング61を介して第2ハウジング部15に支持され、コネクタ62の変位時には弾性変形するDリング61が第2ハウジング部15の内周部と摺動することでコネクタ62の変位時に発生する摩擦抵抗をより軽減することができる。また、筒状部材50を用いた湿式ブレーキ装置10と比較すると、湿式ブレーキ装置60の製作コストを低減することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。
○ 上記の第1の実施形態では摩擦抵抗低減体としての筒状部材は筒状の一部材であったが、これに限定されない。摩擦抵抗低減体としての筒状部材は、例えば、図5(a)、図5(b)に示す別例のように、分割可能な筒状部材70、80であってもよい。この場合、筒状部材70(80)は複数の分割片71(81)を組み合わせることにより構成される。これらの別例によれば、筒状部材70(80)のハウジング12への取り付けが容易となる。また、図5(c)に示すように、軸方向にスリット91が形成された筒状部材90を採用してもよい。この場合、完全な環状の筒状部材と比べるとハウジング12への取り付けが容易となる。
○ 上記の実施形態では、摩擦抵抗低減体としての筒状部材又はDリングが、荷役装置支持部とは回転軸の軸方向において径方向に重畳しない位置に備えられたが、この限りではない。荷役装置支持部の強度が十分に確保できる場合、摩擦抵抗低減体は回転軸の軸方向において径方向に重畳してもよい。
○ 上記の実施形態では、摩擦抵抗低減体としての筒状部材又はDリングが、回転軸の軸方向において荷役装置支持部よりもピストンに近い位置に備えられたが、これに限定されない。摩擦抵抗低減体は、例えば、回転軸の軸方向において荷役装置支持部よりステータおよびブレーキディスクに近い位置に備えてもよく、あるいは、荷役装置支持部の両側にそれぞれ備えるようにしてもよい。
10、60 湿式ブレーキ装置
12 ハウジング
13 回転軸
17 荷役装置支持部
18 荷役装置
19 ブレーキディスク
20 ステータ
21、62 コネクタ
28 ピストン
50、70、80、90 筒状部材(摩擦抵抗低減体)
61 Dリング(摩擦抵抗低減体)
62 コネクタ
63 環状溝
71 分割片
81 分割片
91 スリット
P、Q 軸心

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに結合されたステータと、
    前記ハウジングの内部に収容された回転軸の外周面に結合されると共に、前記回転軸の軸方向に沿って前記ステータと交互に配置されたブレーキディスクと、
    前記ハウジングの内部に収容され、パーキングレバーにより前記ステータおよび前記ブレーキディスクの側に押圧されるピストンと、
    前記ピストンと前記ステータとの間に配置され、前記ステータまたは前記ブレーキディスクと接触する円筒状のコネクタと、を備えた荷役車両の湿式ブレーキ装置において、
    前記ハウジングと前記コネクタとの間に介在され、前記コネクタの変位時における摩擦抵抗を軽減する摩擦抵抗軽減体を備えることを特徴とする荷役車両の湿式ブレーキ装置。
  2. 前記摩擦抵抗軽減体は、前記コネクタが挿通される筒状部材であることを特徴とする請求項1記載の荷役車両の湿式ブレーキ装置。
  3. 前記コネクタは、外周部において周方向に形成される環状溝を有し、
    前記摩擦抵抗軽減体は、前記環状溝に装着され、前記ハウジングの内周部と摺接するDリングであることを特徴とする請求項1記載の荷役車両の湿式ブレーキ装置。
  4. 前記ハウジングには、荷役車両が備える荷役装置を支持する荷役装置支持部が設けられ、
    前記摩擦抵抗軽減体と前記荷役装置支持部とは、前記軸方向において径方向に重畳しない位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の荷役車両の湿式ブレーキ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018179116A (ja) * 2017-04-11 2018-11-15 株式会社豊田自動織機 湿式ブレーキ

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