JP2021131045A - 吸気構造 - Google Patents

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千明 橋岡
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千明 橋岡
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Abstract

【課題】吸気温度の上昇を効果的に抑制する。【解決手段】エンジンの上部にキャブが配置されたキャブオーバ型車両において、エンジンの吸気通路へ吸気を導入する吸気構造10であって、キャブの背面に設けられ、吸気通路に接続される吸気ダクト20と、吸気ダクト20の少なくとも車体後方側に開口し、外気を取り入れる開口部22と、吸気通路を流れる吸気の温度に基づいて、開口部22の開口面積を調整可能な調整機構27と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、吸気構造に関し、特に、エンジンの上部にキャブが配置されたキャブオーバ型車両において、エンジンの吸気通路へ吸気を導入する吸気構造に関する。
一般的に、トラック等のキャブオーバ型車両においては、キャブ背面に垂直方向に延設されたバーチカルダクトを設け、該バーチカルダクトを介してキャブ下方に配置されたエンジンに吸気を導入している。
この種のバーチカルダクトは、上端部に車体後方側及び車体幅方向外側に開口する吸入口を有しており、該吸入口から吸気を取り入れるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−104599号公報
ところで、キャブと、キャブの後方に設けられる荷台との間のスペースが狭いと、当該スペースにエンジン等の熱がこもりやすくなってしまう。当該スペースに熱がこもると、該スペースに開口するバーチカルダクトの吸入口から高温の空気が吸気通路に吸い込まれてしまう場合がある。吸気通路に吸い込まれた吸気は、ターボチャージャのコンプレッサで圧縮されることによりさらに温度が上昇する。このため、吸気温度がコンプレッサ出口の上限温度を超えると、コンプレッサが損傷する可能性がある。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、吸気温度の上昇を効果的に抑制することを目的とする。
本開示の技術は、エンジンの上部にキャブが配置されたキャブオーバ型車両において、前記エンジンの吸気通路へ吸気を導入する吸気構造であって、前記キャブの背面に設けられ、前記吸気通路に接続される吸気ダクトと、前記吸気ダクトの少なくとも車体後方側に開口し、外気を取り入れる開口部と、前記吸気通路を流れる吸気の温度に基づいて、前記開口部の開口面積を調整可能な調整機構と、を備えることを特徴とする。
また、前記調整機構は、前記吸気温度が高くなるほど、前記開口面積を減少させることが好ましい。
また、前記エンジンは、過給機を備えており、前記調整機構は、前記過給機のコンプレッサの出口温度が高くなるほど前記開口面積を減少させることが好ましい。
また、前記開口部は、前記吸気ダクトの車体後方側に開口する後方側開口部と、前記吸気ダクトの車体幅方向外側に開口する外側開口部とを備えており、前記調整機構は、前記外側開口部を除く、前記後方側開口部の開口面積を前記吸気温度に基づいて調整することが好ましい。
また、前記吸気ダクトは、前記キャブの背面に垂直方向に延設されたバーチカルダクトであることが好ましい。
本開示の技術によれば、吸気温度の上昇を効果的に抑制することができる。
本実施形態に係る車両を示す模式的な全体構成図である。 (A)は、本実施形態に係るキャブの着座状態を示す模式的な側面図であり、(B)は、本実施形態に係るキャブのチルト状態を示す模式的な側面図である。 (A)は、本実施形態に係る吸気構造の開状態を示す模式的な断面図であり、(B)は、本実施形態に係る吸気構造の閉状態を示す模式的な断面図である。 本実施形態に係る調整機構の一例を示す模式的な側面図である。
以下、添付図面に基づいて、本実施形態に係る吸気構造を説明する。同一の部品には同一の符号を付してあり、それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[全体構成]
図1は、本実施形態に係る車両1を上方から視た模式的な全体構成図である。
車両1は、例えば、エンジンEの上方にキャブ2を有するチルト式のキャブオーバ型車両である。キャブ2の後方には、例えば、ウイングボディ等の箱型の荷台3が設けられている。
エンジンEのシリンダヘッドCHには、シリンダC内に吸気を導入する吸気マニホールド30が設けられている。また、シリンダヘッドCHには、シリンダC内から排気を導出する排気マニホールド35が設けられている。なお、エンジンEは、図示例の直列多気筒エンジンに限定されず、V型エンジン或は水平対向型エンジン等であってもよい。また、エンジンEは、多気筒エンジンに限定されず、単気筒エンジンであってもよい。
吸気マニホールド30には、吸気通路31が接続されている。吸気通路31には、吸気上流側から順に、吸気ダクト(例えば、バーチカルダクト)20、エアクリーナ32、過給機50のコンプレッサ52、インタークーラ33等が設けられている。インタークーラ33は、水冷式又は空冷式の何れであってもよい。
過給機50は、排気により駆動するタービン51と、タービン51にターボ軸で一体回転可能に連結されたコンプレッサ52とを備えている。なお、過給機50は、図示例のコンベンショナルタイプに限定されず、可変翼を備える可変容量型タイプであってもよい。
排気マニホールド35には、排気通路36が接続されている。排気通路36には、排気上流側から順に、過給機50のタービン51、前段後処理装置37、後段後処理装置41、消音器43やテールパイプ44等が設けられている。
前段後処理装置37は、筒状のケーシング内に、排気上流側から順に、酸化触媒38及び、パティキュレイト・フィルタ(以下、フィルタ)39を備えている。
酸化触媒38は、例えば、コーディエライトハニカム構造体等のセラミック製担体表面に触媒成分等を担持して形成されている。酸化触媒38は、エンジンEのポスト噴射や図示しない排気管インジェクタの排気管噴射によって未燃燃料(HC)が供給されると、これを酸化して排気温度を上昇させる。
フィルタ39は、例えば、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを排気ガスの流れ方向に沿って配置し、これらセルの上流側と下流側とを交互に目封止して形成されている。フィルタ39は、排気ガス中の粒子状物質(Particulate Matter:以下、PM)を隔壁の細孔や表面に捕集すると共に、PM堆積量が所定量に達すると、これを燃焼除去するフィルタ再生が実施される。フィルタ再生は、エンジンEのポスト噴射や図示しない排気管インジェクタの排気管噴射によって未燃燃料を酸化触媒38に供給し、排気ガス温度をPM燃焼温度まで上昇させることにより実行される。
前段後処理装置37の下流側開口部と後段後処理装置41の上流側開口部とを接続する接続配管40には、不図示の尿素水インジェクタが設けられている。後段後処理装置41は、筒状のケーシング内に選択型還元触媒42を備えている。尿素水インジェクタから接続配管40内に噴射された尿素水は、排気熱や排気中の水蒸気により加水分解されてアンモニア(NH3)に生成され、下流側の選択型還元触媒42に還元剤として供給される。
選択型還元触媒42は、例えば多孔質セラミック担体にゼオライト等を担持して形成されている。選択型還元触媒42は、尿素水インジェクタから還元剤として供給されるアンモニアを吸着すると共に、吸着したアンモニアで通過する排気ガス中からNOxを選択的に還元浄化する。
吸気通路31には、各種センサ類90〜92が設けられている。吸入空気流量センサ(Mass flow sensor:以下、MAFセンサ)は、吸気通路31のエアクリーナ32とコンプレッサ52との間(例えば、エアクリーナ32の直下流)に設けられており、吸入空気流量qを取得する。吸気温度センサ91は、吸気通路31のエアクリーナ32とコンプレッサ52との間(例えば、エアクリーナ32の直下流)に設けられており、吸気温度Tを取得する。ブースト圧センサ92は、コンプレッサ52により圧送される吸気の圧力(ブースト圧PB)を取得する。各センサ90〜92のセンサ値は、電気的に接続された制御装置100に送信される。
図2は、本実施形態に係る車両1のキャブ2周辺を示す模式的な側面図である。
吸気ダクト20は、キャブ2の背面に垂直方向に延設されたバーチカルダクトであって、キャブ2の背面に固定された縦長筒状のキャブ側ダクト21と、その上端部をキャブ側ダクト21の下端部に固定された蛇腹状の接続ダクト23と、エアクリーナ32に一体形成されて上方に向かって延びる筒状のシャシ側ダクト24とを備えている。
キャブ側ダクト21の上端側には、外気を取り込む外気取入口22(本開示の開口部の一例)が設けられている。外気取入口22は、車体後方側に開口する後方側開口部25と、車体幅方向外側に開口する外側開口部26とを一体に備えている(図3参照)。なお、これら後方側開口部25及び外側開口部26は、一体である必要はなく、これら各開口部25,26の間に柱や壁等が設けられてもよい。
接続ダクト23の内径は、シャシ側ダクト24の上端部外径よりも大きく形成されており、図2(A)に示すキャブ2がチルトしていない着座状態では、接続ダクト23の下端部内にシャシ側ダクト24の上端部が嵌入されるようになっている。すなわち、外気取入口22からキャブ側ダクト21に取り込まれた外気が、接続ダクト23からシャシ側ダクト24を経由してエアクリーナ32に送り込まれるように構成されている。なお、接続ダクト23は、キャブ2がチルトした図2(B)に示す状態では、その下端部がシャシ側ダクト24の上端部から離脱するようになっている。キャブ側ダクト21の上端側には、本開示の吸気構造10の要部が設けられている。
[吸気構造]
図3は、本実施形態に係る吸気構造10の要部を示す模式的な断面図である。
吸気構造10は、キャブ側ダクト21と、外気取入口22と、調整機構27とを備えている。
調整機構27は、例えば、開閉板28と、制御装置100からの指令に基づいて開閉板28を移動させるアクチュエータ29とを備えている。
開閉板28は、外気取入口22と隣接するキャブ側ダクト21の上端部の内側に横方向(図示例では、車体幅方向)に不図示のガイド部材等によって、スライド移動可能に設けられている。具体的には、開閉板28は、外気取入口22の後方側開口部25及び外側開口部26を全開状態とする車体幅方向内側の第1位置(図3(A)参照)と、後方側開口部25を全閉状態としつつ、外側開口部26を開放状態とする車体幅方向外側の第2位置(図3(B)参照)との間を適宜にスライド移動できるように構成されている。すなわち、開閉板28をスライド移動させることにより外気取入口22の開口面積を適宜に調整できるようになっている。
なお、調整機構27の構成は、図3に示す構成に限定されず、図4に示すルーバーを備える構成としてもよい。具体的には、図4に示すように、調整機構27は、キャブ側ダクト21に設けられた回転軸61と、回転軸61を軸心に回動可能に取り付けられており、後方側開口部25を遮閉可能なフラップ62と、制御装置100からの指令に基づいてフラップ62を開閉作動させるアクチュエータ63と、を備えていてもよい。
制御装置100(本開示の制御部の一例)は、例えば、コンピュータ等の演算を行う装置であり、互にバス等で接続されたCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポート、出力ポート等を備え、制御プログラムを実行する。また、制御装置100は、各センサ90〜92から送信されるセンサ値に基づいて、アクチュエータ29の作動を制御することにより、外気取入口22の開口面積を適宜に調整する。
具体的には、制御装置100は、吸気温度センサ91から送信される吸気温度T、MAFセンサ90から送信される吸入空気流量q、ブースト圧センサ92から送信されるブースト圧PB等に基づいて、過給機50のコンプレッサ出口温度を推定演算する。また、制御装置100は、推定されるコンプレッサ出口推定温度が高くなるほど、外気取入口22の面積を減少させるようにアクチュエータ29に閉指示信号を送信する。
すなわち、外気取入口22から吸気通路31に流れ込む吸気の温度の上昇に応じて、外気取入口22の開口面積を適宜に減少するように構成されている。これにより、外気取入口22から吸気通路31への高温吸気の流れ込みが抑止され、結果として、吸気の温度上昇が抑えられるようになり、コンプレッサ52の破損等を効果的に未然に防止することが可能になる。
また、開閉板28によって後方側開口部25を閉塞しても、外側開口部26が開放状態に維持されるようになっており、吸入空気流量の極端な減少に伴う、エンジンEの失火や燃費性能の悪化も効果的に抑止するようになっている。
[その他]
なお、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態においては、調整機構27の開閉板28は、横方向にスライド移動するものとして説明したが、縦方向にスライド移動可能に構成してもよい。また、開閉板28を変形可能な薄板材とし、該薄板材を巻き取り機等によって巻送り及び巻き取ることにより、外気取入口22を開閉するように構成してもよい。
また、上記実施形態において、制御装置100は、各センサ90〜92のセンサ値に基づいてコンプレッサ出口温度を推定するものとして説明したが、吸気温度センサ91により取得する吸気温度Tに基づいて、外気取入口22の開口面積を減少させるように構成してもよい。
1 車両
2 キャブ
3 荷台
10 吸気構造
20 吸気ダクト(バーチカルダクト)
21 キャブ側ダクト
22 外気取入口(開口部)
23 接続ダクト
24 シャシ側ダクト
25 後方側開口部
26 外側開口部
27 調整機構
28 開閉板
29 アクチュエータ
30 吸気マニホールド
31 吸気通路
32 エアクリーナ
35 排気マニホールド
36 排気通路
37 前段後処理装置
41 後段後処理装置
50 過給機
51 タービン
52 コンプレッサ
100 制御装置(制御部)
E エンジン

Claims (5)

  1. エンジンの上部にキャブが配置されたキャブオーバ型車両において、前記エンジンの吸気通路へ吸気を導入する吸気構造であって、
    前記キャブの背面に設けられ、前記吸気通路に接続される吸気ダクトと、
    前記吸気ダクトの少なくとも車体後方側に開口し、外気を取り入れる開口部と、
    前記吸気通路を流れる吸気の温度に基づいて、前記開口部の開口面積を調整可能な調整機構と、を備える
    ことを特徴とする吸気構造。
  2. 前記調整機構は、前記吸気温度が高くなるほど、前記開口面積を減少させる
    請求項1に記載の吸気構造。
  3. 前記エンジンは、過給機を備えており、
    前記調整機構は、前記過給機のコンプレッサの出口温度が高くなるほど前記開口面積を減少させる
    請求項1又は請求項2に記載の吸気構造。
  4. 前記開口部は、前記吸気ダクトの車体後方側に開口する後方側開口部と、前記吸気ダクトの車体幅方向外側に開口する外側開口部とを備えており、
    前記調整機構は、前記外側開口部を除く、前記後方側開口部の開口面積を前記吸気温度に基づいて調整する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の吸気構造。
  5. 前記吸気ダクトは、前記キャブの背面に垂直方向に延設されたバーチカルダクトである
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の吸気構造。
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