JP2021130575A - 酸化亜鉛膜の製造方法及びトランジスタの製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛膜の製造方法及びトランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 移動度がより向上したZnO被膜を効率的に製造することができる酸化亜鉛膜の製造方法及びトランジスタの製造方法を提供する。【解決手段】 酸化亜鉛膜を形成する工程と、アルカリ金属アミドを下記式(1)で表わされる環状アルキレン尿素に溶解させた処理液を、前記酸化亜鉛膜の表面に接触させた状態で、不活性ガス雰囲気下で加熱する処理工程とを具備する。【化1】(式中、R1、R2は、独立して炭素数1−3のアルキル基、R3は炭素数1−4のアルキレン基を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、酸化亜鉛膜の製造方法及びトランジスタの製造方法に関する。
金属酸化物半導体は、トランジスタや透明導電体の薄膜として広く使用されている。その中でも、ZnOは移動度が高く、バンドギャップが3.2eVと広く透明であり、資源が豊富に存在するため、重要な半導体として知られている。そして、ZnO系のトランジスタ技術は、薄膜トランジスタ(TFT)として優れた特性を示すので、強く要望されている大面積で低コストの電子機器の解決方法として大きな注目を集めている。
しかしながら、液相法で作製された膜の移動度は、気相法で作製された膜の移動度よりもほとんどが低くなる。また、液相法により得られるZnO膜の電子特性は、粒界によって支配され、粒界が電子の移動度を支配する。
このような中、優れた特性を示すTFTデバイスを製造するために、ZnO膜の液相合成法として、ゾル・ゲル合成法、スプレー合成法、ナノ粒子を含む分散液を用いた合成法などについて誠意検討されている。例えば、ZnO膜のキャリア移動度の向上を図る技術として、Znアンモニウム溶液を180℃以下で焼成してZnO膜を得る方法が提案されている(非特許文献1参照)。従来、液相合成法により得られたZnO膜は、400−500℃で加熱されて成膜され、これを用いたTFTデバイスの電界効果移動度は5.25cm/Vsであった。しかし、非特許文献1では、Znアンモニウム溶液を使用し、窒素雰囲気中180℃で加熱することによって作製されたZnO膜は、11cm/Vsの電界効果移動度が達成された。
また、成膜後のZnO膜の溶液処理方法の一つとして、粒子表面を改質する技術が提案されている(非特許文献2参照)。この文献には、Zn、Al前駆体溶液を焼成し、Al−ZnO膜を作製し、得られた膜を温水処理して色素吸着させる技術が開示され、例えば、太陽電池に用いられることが開示されている。
なお、InおよびGaはZnよりもはるかに高価であるが、Zn−In−OやIn−Zn−Ga−Oなどの複合酸化物膜をディップコーティングおよびスピンコーティングなどの液相合成法により形成し、その後の加熱処理などでより高い電界効果移動度を示すことも研究されている。
また、金属酸化物とアルカリ金属アミドと水素化物とを用い、前記アルカリ金属アミドの融点以上の温度で反応させることにより、金属酸窒化物を製造する方法が提案されている(特許文献1など参照)。
特開2013−256434公報
Yen-Hung Lin,Hendrik Faber,Kui Zhao,Qingxiao Wang,Aram AmassianJansen, Martyn McLachalan, and Thamas D. Anthopoulos. High-performance Zno Transistors Processed Via an Aqueous Carbon-Free Metal Oxide Precursor Route at Temperatures Between 80-180℃, ADVANCES MATERIALS, 25, 4340-4346 (2013). Kiyoharu Tadanaga, Jun-ichiro Oi, Mikio Higuchi Preparation of Zn-Al layered double hydroxide thin films intercalated eith Eosin Y by hot water treatment of sol-gel derived precursor filim, J Sol-Gel Sci Technol, 79:303-307(2016)
このように、金属酸化膜の熱処理、溶液処理の技術は従来より種々提案されているが、InやGaより安価なZnOについて、より効果的に移動度を向上させる技術が求められている。
よって、本発明は、移動度がより向上したZnO被膜を効率的に製造することができる酸化亜鉛膜の製造方法及びトランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために種々研究を重ねた結果、成膜した酸化亜鉛膜を特定の処理液及び雰囲気下で処理することにより、移動度が著しく向上した酸化亜鉛膜が得られることを見い出し、本発明を完成させた。
かかる本発明の第1の態様は、酸化亜鉛膜を形成する工程と、アルカリ金属アミドを下記式(1)で表わされる環状アルキレン尿素に溶解させた処理液を、前記酸化亜鉛膜の表面に接触させた状態で、不活性ガス雰囲気下で加熱する処理工程とを具備することを特徴とする酸化亜鉛膜の製造方法にある。
Figure 2021130575
(式中、R、Rは、独立して炭素数1−3のアルキル基、Rは炭素数1−4のアルキレン基を表す。)
本発明の第2の態様は、前記環状アルキレン尿素が、ジメチルプロピレン尿素又はジメチルエチレン尿素であることを特徴とする第1の態様の酸化亜鉛膜の製造方法にある。
本発明の第3の態様は、前記アルカリ金属アミドが、リチウムアミド、ナトリウムアミド、及びカリウムアミドからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする第1又は第2の態様の酸化亜鉛膜の製造方法にある。
本発明の第4の態様は、前記処理液中におけるアルカリ金属アミド濃度が10mM〜100mMであることを特徴とする第1から3の何れかの態様の酸化亜鉛膜の製造方法にある。
本発明の第5の態様は、前記酸化亜鉛膜が、基板上に形成された酸化亜鉛膜であることを特徴とする第1から4の何れかの態様の酸化亜鉛膜の製造方法にある。
本発明の第6の態様は、前記処理工程の加熱温度が、200℃から350℃である第1から5の何れかの態様の酸化亜鉛膜の製造方法にある。
本発明の第7の態様は、亜鉛酸化膜を用いたトランジスタの製造方法であって、前記亜鉛酸化膜を、第1から6の何れかの態様の酸化亜鉛膜の製造方法により製造することを特徴とするトランジスタの製造方法にある。
かかる本発明は、アルカリ金属アミドを所定の環状アルキレン尿素に溶解させた処理液を酸化亜鉛膜に接触させた状態で不活性雰囲気下で加熱処理することにより、キャリア移動度が著しく向上した酸化亜鉛膜が得られるという効果を奏する。
実施例31のZnO膜のSEM像を示す図。 比較例4のZnO膜のSEM像を示す図。 比較例5のZnO膜のSEM像を示す図。 実施例31、比較例4及び比較例5のZnO膜の粒度分布を示す図。 実施例41、比較例6及び比較例7のZnO膜のACインピーダンススペクトルを示す図。 実施例51、比較例8及び比較例9のZnO膜のXRDパターンを示す図。
次に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の酸化亜鉛膜の製造方法は、酸化亜鉛膜に、アルカリ金属アミドを下記式(1)で表わされる環状アルキレン尿素に溶解させた処理液を、前記酸化亜鉛膜の表面に接触させた状態で、不活性ガス雰囲気下で加熱する処理工程とを具備する。
Figure 2021130575
(式中、R、Rは、独立して炭素数1−3のアルキル基、Rは炭素数1−4のアルキレン基を表す。)
本発明で用いる処理液は、空気中での取り扱いが困難なアルカリ金属アミドを、環状アルキレン尿素を溶媒として処理液としたものであるので、取り扱いが容易になり、酸化亜鉛膜の処理を比較的容易に行うことができるという利点がある。すなわち、本発明で用いる処理液は、アルカリアミドを環状アルキレン尿素に溶解した溶液となっているので、空気中で発火せず、また、アルカリに弱い金属酸化物の窒化処理にも使用できるものである。
ここで、環状アルキレン尿素としては、好ましくはN,N−ジメチルプロピレンアミド又はN,N−ジメチルエチレンアミドを挙げることができる。
また、アルカリ金属アミドとしては、リチウムアミド、ナトリウムアミド、カリウムアミド又はこれらの混合物を挙げることができる。
濃度は、アルカリ金属アミドが環状アルキレン尿素に溶解する濃度であれば、特に限定されないが、10mM〜100mM、好ましくは10〜80mM、更に好ましくは10〜50mM程度とするのが好ましい。
本発明での処理は、上述した処理液を酸化亜鉛膜の表面に接触させ、不活性ガス雰囲気下で加熱処理することにある。これにより、酸化亜鉛膜のキャリア移動度が、例えば、一桁以上向上する。
ここで、本発明で用いる酸化亜鉛膜は、ZnOの他、異種元素がドーピングされたものを含むものである。異種元素として、亜鉛、カドミウムなどの第12族元素、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどの第13族元素、ゲルマニウム、スズ、鉛などの第14族元素などが挙げられる。
また、酸化亜鉛膜の成膜方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されないが、例えば、基板上に液相法又は気相法などにより成膜したものを用いることができる。
液相法としては、具体的には、酸化亜鉛源を含む溶液を基板上に塗布させる方法が挙げられる。酸化亜鉛源としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛などの水溶性亜鉛塩や、亜鉛の金属アルコキシド化合物を用いることができる。塗布方法としては、スピンコート、ディップコート、バーコーターやアプリケーターを用いる方法が挙げられる。なお、基板としては、シリコン基板、ガラス基板などが挙げられる。
また、気相法としては、蒸着法、スッパッタリング法などを挙げることができる。
酸化亜鉛膜の膜厚も特に限定されず、後の用途に応じて設定されればよい。例えば、薄膜トランジスタとして用いる場合には、例えば、50nm〜100nmである。
本発明は、特に、金属酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタに用いられる金属酸化膜の窒化処理に適用するのが好ましい。ここで、金属酸化物薄膜の膜厚は、50nm〜100nmである。
酸化亜鉛膜の表面に処理液を接触させるとは、酸化亜鉛膜の表面に処理液を付着させることであり、具体的には、処理液中に酸化亜鉛膜を浸漬した状態とする方法、浸漬した後に取り出す方法、又は、酸化亜鉛膜の表面に処理液を噴霧、塗布する方法により、酸化亜鉛膜の表面に処理液を接触させればよい。
処理液を酸化亜鉛膜の表面に接触させた状態で加熱する処理工程は、200〜350℃、好ましくは200〜300℃、更に好ましくは250〜300℃で行えばよい。加熱処理時間も特に限定されないが、例えば、1〜50時間、好ましくは5〜30時間程度、更に好ましくは10〜20時間程度とすればよい。
また、加熱処理による処理工程は、常圧でも加圧下で行ってもよい。具体的には、圧力条件、0.1〜20MPa、さらに好ましくは0.1〜5MPa、より好ましくは0.1〜2MPaである。なお、圧力条件が20MPa以上であれば、取り扱いが危険であり、製造設備が高価になる。
処理工程において不活性ガス雰囲気を形成する不活性ガスとしては窒素又は希ガスが用いられるが、窒素又はアルゴンが好ましい。
本発明の酸化亜鉛膜の製造方法によると、キャリア移動度が向上した酸化亜鉛膜を得ることができる。さらに、酸化亜鉛膜のキャリア密度、比抵抗なども向上させることができる。
本発明の処理工程の後、性能安定化や性能のさらなる向上のために、処理工程後の酸化亜鉛膜を脱酸素雰囲気下でアニールするアニール工程を実施することもできる。アニール工程は酸素が存在しない真空状態、又は不活性ガス雰囲気などの脱酸素雰囲気下にて、加熱温度100℃〜500℃にて行うことができる。
本発明の酸化亜鉛膜の製造方法で得られる酸化亜鉛膜は、好ましくは、トランジスタ、特に電界効果トランジスタの中での薄膜トランジスタに用いることができる。ここで薄膜とは、膜厚50〜100nm程度のものをいう。
すなわち、本発明の製造方法で得られた酸化亜鉛膜をトランジスタに用いる場合、常法に従ってトランジスタを製造するに際し、酸化亜鉛膜を成膜した後、本発明の処理工程を実施することで本発明による酸化亜鉛膜を用いたトランジスタを製造することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。
[測定手順]
(ZnO膜付きガラス基板の作製の手順)
酢酸亜鉛二水和物(2.28g)と2−アミノエタノール(0.635g)をイソプロピルアルコール(25g)に加え室温で2時間撹拌し前駆体溶液を調製した。次に、76×26×1.0(mm)の大きさのガラス基板をこの前駆体溶液に浸漬した後、垂直に引き上げる事でガラス基板に前駆体溶液を薄く均一に被覆した(引き上げ速度:2.5mm/s)。次に、このガラス基板を400℃で30分間加熱した。浸漬被覆及び熱処理の工程を5回繰り返した。得られたZnO膜の膜厚は160nmであった。本発明の実施例におけるZnO膜付きガラス基板はすべて本手順により作製した。
(ZnO膜付き低抵抗シリコン基板の作製の手順)
酢酸亜鉛二水和物(2.28g)と2−アミノエタノール(0.635g)をイソプロピルアルコール(25g)に加え室温で2時間撹拌し前駆体溶液を調製した。次に、25×25×0.6(mm)の熱酸化膜付きの低抵抗シリコン基板上に、この前駆体溶液をスピンコート(1500rpm、20秒)することで、前駆体溶液を薄く均一に被覆した。この低抵抗シリコン基板を100℃で5分間、270℃で50分間の二段階で熱処理した。スピンコート及び熱処理の工程を2回繰り返した。得られたZnOの膜厚は67nmであった。ここでの膜厚は(株)小坂研究所製、サーフコーダET−4000を用いて測定した。
(膜厚測定の手順)
ZnO膜の膜厚の測定には、日本電子(株)製走査電子顕微鏡JEOL JSM−6500Fを用いた。研磨した膜の破断面から、膜厚を決定した。
(キャリアタイプ、比抵抗、キャリア濃度、移動度の測定の手順)
ZnO膜のキャリアタイプ、比抵抗、キャリア濃度、移動度の測定は、(株)東陽テクニカ製の比抵抗/ホール係数測定システムResiTest 8300を用いた。
(ZnO膜のSEM観察)
ZnO膜のSEM観察には、日本電子(株)製の電界放出形走査電子顕微鏡(JSM−7400F)を用いた。ZnO膜付きガラス基板を観察片とし、スパッタ法によりZnO膜面に白金を数nm積層させ、エミッション電流10μA、加速電圧15kV、観察倍率5万倍にてSEM観察を行い、SEM像を撮影した。
(粒度分布測定)
ZnO膜の粒度分布の測定は、(株)ニレコ製画像処理解析システムルーゼックスAPを用いた。SEM写真を用いて粒子を300個程度手動抽出し粒子径を計測した。
(ACインピーダンススペクトル測定)
ZnO膜のACインピーダンススペクトル測定はソーラトロン社製周波数応答アナライザ−/インピーダンスアナライザー1260Aを用いた。
(XRD測定)
ZnO膜の結晶性の評価には、リガク社製粉末X線回折装置MINIFLEX600を用いた。
(薄膜トランジスタの移動度測定)
薄膜トランジスタの伝達特性からZnO膜の移動度を計算した。伝達特性の測定は、ソースメーターB1500A(キーサイトテクノロジー社製)を用いた。薄膜トランジスタはノイズの影響を軽減するためシールドケース内に設置した。シールドケース内は、遮光、大気圧、25±2℃に保った。
伝達特性は、ゲート電圧Vを−30Vから+30Vまで0.5Vステップで掃引(Sweep)し、ドレイン電圧Vを+20Vとしたときの、ソース電極及びドレイン電極の間に流れる電流(ドレイン電流)Iから測定した。
飽和状態におけるドレイン電流Iは下記式で表すことができる。ZnO膜の移動度μは、ドレイン電流Iの絶対値の平方根を縦軸に、ゲート電圧Vを横軸にプロットしたときのグラフの傾きから求めることができる。本発明では、下記式を用いて移動度を算出した。
=WCμ(V−Vth)/2L
(式中、Wはトランジスタのチャネル幅、Lはトランジスタのチャネル長、Cはゲート絶縁層の静電容量、Vthはトランジスタの閾値電圧、μは移動度を示す。)
なお、閾値電圧Vthは、上記グラフの直線部分を外挿しドレイン電流0Aのときのゲート電圧を閾値電圧Vthと定義した。
(処理液)
(実施例1:処理液A)
Ar雰囲気中において、N,N’−ジメチルプロピレン尿素7ml中にナトリウムアミドを0.01g加え、150℃で3時間撹拌することで処理液Aを調製した。ナトリウムアミドの濃度は、約36mMであった。
(実施例11:処理方法A)
Ar雰囲気中において、加圧分解容器((株)ヤナコ機器開発研究所製、容量70ml)に膜厚160nmのZnO膜付きガラス基板と処理液A7.0gを入れオートクレーブを密封した。このオートクレーブを260℃に加熱し18時間保持することで、ZnO膜付きガラス基板を処理した。次に、窒化処理基板をオートクレーブから取り出し、蒸留水を用いて洗浄した。
(比較例1:)
Ar雰囲気中において、加圧分解容器((株)ヤナコ機器開発研究所製、容量70ml)に膜厚160nmのZnO膜付きガラス基板とN,N’−ジメチルプロピレン尿素を入れオートクレーブを密封した。このオートクレーブを260℃に加熱し18時間保持することで、ZnO膜付きガラス基板を処理した。次に、処理基板をオートクレーブから取り出し、蒸留水を用いて洗浄した。
(酸化亜鉛膜の電気物性)
(実施例21:)
実施例11の条件で作成したZnO膜のキャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度を前記の方法で測定した。キャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度はそれぞれ、キャリアタイプN、3Ωcm、8×1016cm−3、30cm/Vsであった。
(比較例2:DMPUのみ)
比較例1の条件で作成したZnO膜のキャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度を前記の方法で測定した。キャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度はそれぞれ、キャリアタイプN、5×10Ωcm、1×1016cm−3、1cm/Vsであった。
(比較例3:未処理)
ZnO膜付きガラス基板を処理せずにキャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度を前記の方法で測定した。キャリアタイプ、比抵抗、キャリア密度、移動度はそれぞれ、キャリアタイプN、6×10Ωcm、9×1014cm−3、1cm/Vsであった。
(酸化亜鉛膜の粒子径)
(実施例31:)
実施例11の条件で作成したZnO膜のSEM像を図1に、粒度分布を図4に示す。平均粒子径は19.6nm。均一な粒子径を持つ膜であった。
(比較例4:DMPUのみ)
比較例1の条件で作成したZnO膜のSEM像を図2に、粒度分布を図4に示す。平均粒子径は19.0nm。不均一な粒子径を持つ膜であった。
(比較例5:未処理)
ZnO膜付きガラス基板のZnO膜のSEM像を図3に、粒度分布を図4に示す。平均粒子径は18.6nm。不均一な粒子径を持つ膜であった。
(ACインピーダンススペクトル)
(実施例41:)
実施例11の条件で作成したZnO膜のACインピーダンススペクトルを図5に示す。ZnO膜は一つの半円を示し、電気抵抗率は粒界によって支配されている事を示す。実施例11の条件で作成したZnO膜は他の条件よりも半円が小さく、粒界抵抗が最も小さい事を示している。
(比較例6:DMPUのみ)
比較例1の条件で作成したZnO膜のACインピーダンススペクトルを図5に示す。
(比較例7:未処理)
ZnO膜付きガラス基板のACインピーダンススペクトルを図5に示す。
(酸化亜鉛膜の結晶性)
(実施例51:)
実施例11の条件で作成したZnO膜の結晶性をXRDにより測定した。XRDパターンを図6に示す。
(比較例8:DMPUのみ)
比較例1の条件で作成したZnO膜の結晶性をXRDにより測定した。XRDパターンを図6に示す。
(比較例9:未処理)
ZnO膜付きガラス基板の結晶性をXRDにより測定した。XRDパターンを図6に示す。002ピークはZnO膜の高い配向性を示している。ZnO膜の組成は処理の有無によらず変化しなかった。
(実施例61:)
ZnO膜付き低抵抗シリコン基板を室温から10℃/分で800℃まで昇温し、800℃で60分間保持することで熱処理を行った。
次にAr雰囲気中において、加圧分解容器((株)ヤナコ機器開発研究所製、容量70ml)にZnO膜付き低抵抗シリコン基板と処理液A7.0gを入れオートクレーブを密封した。このオートクレーブを260℃に加熱し18時間保持することで、ZnO膜付き低抵抗シリコン基板を処理した。次に、窒化処理基板をオートクレーブから取り出し、蒸留水を用いて洗浄した。
次いで、スパッタリング法でシャドーマスクを介してZnO上にモリブデン薄膜を堆積した。ここで成膜したモリブデン薄膜は、薄膜トランジスタのソース電極、ドレイン電極となる。薄膜トランジスタのチャネル長は200μm、チャネル幅は1mm、低抵抗シリコン基板上の熱酸化膜、すなわち、ゲート絶縁層の比誘電率は3.9、ゲート絶縁層の膜厚は200nmとした。なお、低抵抗シリコン基板は、ゲート電極としても機能するものである。
このようにして作成した薄膜トランジスタは、移動度は2.72cm/Vs、Vthは−21Vであった。
(比較例10)
ZnO膜付き低抵抗シリコン基板を室温から10℃/分で800℃まで昇温し、800℃で60分間保持することで熱処理を行った。
次いで、スパッタリング法でシャドーマスクを介してZnO上にモリブデン薄膜を堆積した。ここで成膜したモリブデン薄膜は、薄膜トランジスタのソース電極、ドレイン電極となる。薄膜トランジスタのチャネル長は200μm、チャネル幅は1mm、低抵抗シリコン基板上の熱酸化膜、すなわち、ゲート絶縁層の比誘電率は3.9、ゲート絶縁層の膜厚は200nmとした。なお、低抵抗シリコン基板は、ゲート電極としても機能するものである。
このようにして作成した薄膜トランジスタは、移動度は0.99cm/Vs、Vthは−16Vであった。

Claims (7)

  1. 酸化亜鉛膜を形成する工程と、
    アルカリ金属アミドを下記式(1)で表わされる環状アルキレン尿素に溶解させた処理液を、前記酸化亜鉛膜の表面に接触させた状態で、不活性ガス雰囲気下で加熱する処理工程と
    を具備することを特徴とする酸化亜鉛膜の製造方法。
    Figure 2021130575
    (式中、R、Rは、独立して炭素数1−3のアルキル基、Rは炭素数1−4のアルキレン基を表す。)
  2. 前記環状アルキレン尿素が、ジメチルプロピレン尿素又はジメチルエチレン尿素であることを特徴とする請求項1記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  3. 前記アルカリ金属アミドが、リチウムアミド、ナトリウムアミド、及びカリウムアミドからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  4. 前記処理液中におけるアルカリ金属アミド濃度が10mM〜100mMであることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  5. 前記酸化亜鉛膜が、基板上に形成された酸化亜鉛膜であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  6. 前記処理工程の加熱温度が、200℃から350℃である請求項1から5の何れか一項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法。
  7. 亜鉛酸化膜を用いたトランジスタの製造方法であって、前記亜鉛酸化膜を、請求項1から6の何れか一項に記載の酸化亜鉛膜の製造方法により製造することを特徴とするトランジスタの製造方法。
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