JP2021130154A - 移動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドテーブルの大型化を抑制しつつ、リニアモータの吸引力に起因するスライドテーブルの変形を抑制可能な移動装置を提供する。【解決手段】固定子74sが移動方向に沿って上面に配列される基台71と、案内面72h、72vを有する一対のガイド72と、テーブル状の本体部73aとスライド面73h、73vを有する一対の脚部73bとを備えるスライドテーブル73と、スライド面73h、73vに複数の静圧ポケット73hp、73vpを配置し、各静圧ポケット73hp、73vpへ流体を供給してスライドテーブル73をスライド可能に支持する静圧支持構造78と、一対の脚部73bから移動方向との直交方向に延び、固定子74sに対向して可動子74mが取り付けられる取付用構造部73cとを備える。【選択図】図2
Description
本発明は、移動装置に関する。
従来、工作機械において、基台と、移動対象を載置するスライドテーブルを基台上で静圧支持し、スライドテーブルを移動方向へ駆動するリニアモータとを備えた移動装置が提案されている(例えば、特許文献1等参照。)。スライドテーブルは、テーブル状の本体部と、本体部の幅方向両端から下方へ延びる脚部とを有している。基台には、幅方向両側の脚部の外側面に対向する案内面を有する案内部材が設けられる。また、本体部の下面にはリニアモータの可動子が設けられ、基台の幅方向中央の上面には移動方向に沿って固定子が配置されている。
しかしながら、上述した従来の移動装置では、スライドテーブル側に設けられたリニアモータの可動子が、固定子や基台などの金属との相互間に磁力による強力な吸引力が発生し、これによりスライドテーブルの本体部が歪む等の変形が生じる恐れがある。このため、従来の移動装置では、スライドテーブルの変形を抑制するために高剛性とする必要があり、スライドテーブルを大型化する等の対策が施されているが、これに起因して装置全体の重量が増大するという問題が生じている。
本発明は、スライドテーブルの大型化を抑制しつつ、リニアモータの吸引力に起因するスライドテーブルの変形を抑制可能な移動装置を提供することを目的とする。
本発明に係る移動装置は、リニアモータを構成する固定子が移動方向に沿って上面に配列される基台と、前記基台に前記移動方向との直交方向に間隔を隔てて設けられて前記移動方向に延びる案内面を有する一対のガイドと、移動対象が載置されるテーブル状の本体部と、前記本体部の前記移動方向との直交方向両側から下方へ延びて前記一対のガイドの前記案内面に対向するスライド面を有する一対の脚部とを備えるスライドテーブルと、前記案内面と前記スライド面との間に流体を供給する流体供給部と、前記案内面及び前記スライド面の少なくとも一方に複数の静圧ポケットを配置し、前記流体供給部から前記各静圧ポケットへ前記流体を供給して前記スライドテーブルをスライド可能に支持する静圧支持構造と、前記一対の脚部から前記移動方向との直交方向に延び、前記固定子に対向して前記リニアモータを構成する可動子が取り付けられる取付用構造部とを備える。
この発明によれば、リニアモータを構成する可動子が、一対の脚部から移動方向との直交方向に延びる取付用構造部に取り付けられているので、基台上面に設けられる固定子との間に作用するリニアモータの吸引力が取付用構造部によって吸収される。よって、工具やワーク等の移動対象が搭載されるスライドテーブルの本体部は、リニアモータの吸引力に起因する変形が確実に抑制され、吸引力の移動対象への影響を低減することができるという効果を奏する。
以下、本発明の移動装置を適用した工作機械の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1.工作機械1の全体構成)
本発明の実施形態に係る工作機械1は、図1に示すように、円筒状の工作物Wを回転させながら研削加工を行うテーブルトラバース型の研削装置である。工作機械1は、ベッド2と、工作物支持装置10と、テーブル20と、テーブル案内装置30と、テーブル駆動モータ40と、砥石車50と、砥石台60と、本発明の移動装置としての砥石台送り装置70と、制御装置100とを主に備える。
(1.工作機械1の全体構成)
本発明の実施形態に係る工作機械1は、図1に示すように、円筒状の工作物Wを回転させながら研削加工を行うテーブルトラバース型の研削装置である。工作機械1は、ベッド2と、工作物支持装置10と、テーブル20と、テーブル案内装置30と、テーブル駆動モータ40と、砥石車50と、砥石台60と、本発明の移動装置としての砥石台送り装置70と、制御装置100とを主に備える。
ベッド2は、工作機械1の基台となる部位である。ベッド2には、研削条件等に関する各種パラメータが入力される操作盤3が設けられ、操作盤3は、作業者により操作される。工作物支持装置10は、円筒状に形成された長尺の工作物Wの軸線方向(図1左右方向)両端を支持する。工作物支持装置10は、主軸台11と、心押台12とを備える。主軸台11は、工作物Wの一端(図1左端)を支持する。主軸台11は、Z軸方向に平行な軸線周りに回転する主軸13と、主軸13を軸線周りに駆動する主軸モータ14とを備える。心押台12は、Z軸方向において主軸台11と対向する位置に設けられ、工作物Wの他端(図1右端)を支持する。工作物支持装置10は、主軸台11及び心押台12によって工作物Wの軸方向両端を支持した状態で主軸モータ14を駆動させることにより、工作物W を軸線回りに回転させる。
テーブル20は、工作物支持装置10を支持する。テーブル案内装置30は、ベッド2に対し、テーブル20をZ軸方向へ案内する静圧油圧案内装置である。静圧油圧案内装置は、テーブル20をZ軸方向へ移動させる際に発生する摩擦抵抗を抑制できる。テーブル駆動モータ40は、テーブル20をZ軸方向(テーブル案内装置30による案内方向)へ駆動するシャフトモータである。
砥石車50は、工作物支持装置10に支持された工作物Wを研削する。砥石台60は、砥石軸受61を備え、砥石車50が取付けられる砥石軸52を、Z軸に平行な軸線周りに回転可能に支持する。砥石台60には、砥石車モータ51が固定され、砥石車50は、砥石車モータ51の駆動によって軸線回りに回転する。砥石台送り装置70は、ベッド2に対し、砥石台60をX軸方向へ案内する静圧油圧案内装置であり、工作物支持装置10に支持された工作物Wに対して砥石車50を相対的に接近又は離間させる方向(X軸方向)へ案内する。砥石台送り装置70は、リニアモータ74を備え、砥石台60をX軸方向(砥石台送り装置70による案内方向)へ駆動する。制御装置100は、主として、工作機械1に設けられた各種モータの駆動制御等を行う。
(2.砥石台送り装置70の構成)
砥石台送り装置70は、図2に示すように、基台71と、一対のガイド72と、スライドテーブル73と、リニアモータ74と、静圧支持構造78と、油圧ポンプ79とを備えて構成される。
砥石台送り装置70は、図2に示すように、基台71と、一対のガイド72と、スライドテーブル73と、リニアモータ74と、静圧支持構造78と、油圧ポンプ79とを備えて構成される。
基台71は、平坦な上面の幅方向(すなわちZ軸方向)両側に、一対のガイド72,72が一体的に立設されている。基台71は、例えば、鋳物によって構成される。一対のガイド72,72は、スライドテーブル73をX軸方向に案内するブロック状部材であって、X軸方向に沿って平行に距離を隔てて延在している。尚、本明細書において、「幅方向」は、基台71上面と平行且つスライドテーブル73の移動方向(案内方向、すなわちX軸方向)との直交方向(すなわちZ軸方向)を意味するものとする。
一対のガイド72,72は、互いに対向する幅方向内側の側面に、それぞれ縦案内面72v,72vを有している。つまり、縦案内面72v,72vは、Z軸を法線方向としている。さらに、一対のガイド72,72は、水平な上面に、それぞれ水平案内面72h,72hを有している。つまり、水平案内面72h,72hは、Y軸方向を法線方向とし、Z軸を法線方向とする縦案内面72v,72vに対して直交している。本実施形態においては、一対の水平案内面72h,72hは、同一高さで形成される。また、一対の水平案内面72h,72hは、一対の縦案内面72v,72vに対してそれぞれ外側に位置している。
また、基台71の上面には、一対のガイド72,72間の幅方向中央に、リニアモータ74を構成する固定子74sが、送り方向であるX軸方向に沿って配置されている。固定子74sは、プレート状の磁石を有している。
スライドテーブル73は、砥石台60が載置されるテーブル状の本体部73aと、本体部の幅方向(すなわちZ軸方向)両端から下方へ延びる一対の脚部73b,73bとを有している。スライドテーブル73は、例えば、鋳鉄によって構成される。また、一対の脚部73b,73b間には、ブリッジ状の取付用構造部73cが掛け渡されている。取付用構造部73cは、スライドテーブル73の本体部73a及び脚部73bと共に鋳造によって一体形成してもよいし、スライドテーブル73の本体部73a及び脚部73bとは別体で製造後に、一対の脚部73b,73b間に取付け固定してもよい。取付用構造部73cの下面には、リニアモータ74の可動子74mが取付けられている。可動子74mは、鉄心と、鉄心に巻回されたコイルとを備えている。
一対の脚部73b,73bは、幅方向外側の下半分を直方体状に切り欠いた形状に形成され、当該切り欠き部分の外側の側面にそれぞれ縦スライド面73v,73vを有すると共に、下面にそれぞれ水平スライド面73h,73hを有している。つまり、縦スライド面73v,73vは、Z軸を法線方向としている。また、水平スライド面73h,73hは、Y軸方向を法線方向とし、Z軸を法線方向とする縦スライド面73v,73vに対して直交している。
そして、スライドテーブル73が基台71上に載置されたとき、一対の縦スライド面73v,73vは、基台71が備える一対のガイド72,72の一対の縦案内面72v,72vとそれぞれ対向し、一対の水平スライド面73h,73hは、一対のガイド72,72の一対の水平案内面72h,72hとそれぞれ対向する。また、取付用構造部73cの下面に取付けられた可動子74mは、基台71の幅方向中央上面に配列された固定子74sと対向してリニアモータ74を構成する。
一対の縦スライド面73v,73vには、それぞれ凹状に形成された各静圧ポケット73vp,73vpが設けられる。同様に、一対の水平スライド面73h,73hには、それぞれ凹状に形成された各静圧ポケット73hp,73hpが設けられる。
各静圧ポケット73vp,73vp,73hp,73hpは、それぞれ可変絞り(図略)を介して油圧ポンプ79と接続されており、圧油が供給されている。このため、スライドテーブル73は、基台71に対して静圧支持される。本実施形態では、静圧ポケット73vp,73vp,73hp,73hpを介して供給される流体によってスライドテーブルを摺動支持する構造を静圧支持構造78と称する。
尚、各静圧ポケット73vp,73vp,73hp,73hpは、案内面72h,72h、72v,72v側に設ける構成としてもよい。すなわち、静圧支持構造78は、案内面72h,72h、72v,72v及びスライド面73h,73h、73v,73vの少なくとも一方に複数の静圧ポケット73vp,73vp,73hp,73hpを配置し、流体供給部としての油圧ポンプ79から各静圧ポケット73vp,73vp,73hp,73hpへ流体を供給してスライドテーブルを摺動支持する構造である。
(3.砥石台送り装置70における各部の作用)
次に、砥石台送り装置70における各部の作用について、比較例と対比しつつ説明する。図3は、比較例の砥石台送り装置70Xにおいて、各部に発生する力を模式的に示す説明図である。図4は、本実施形態の砥石台送り装置70において、各部に発生する力を模式的に示す説明図である。
次に、砥石台送り装置70における各部の作用について、比較例と対比しつつ説明する。図3は、比較例の砥石台送り装置70Xにおいて、各部に発生する力を模式的に示す説明図である。図4は、本実施形態の砥石台送り装置70において、各部に発生する力を模式的に示す説明図である。
比較例の砥石台送り装置70Xは、図3に示すように、本実施形態の取付用構造部73cに対応する構成がスライドテーブル73に設けられておらず、本体部73aの下面にリニアモータ74の可動子74mが直接取付けられている。比較例の砥石台送り装置70Xにおいて、固定子74sを構成する磁石の吸引力により可動子74mの鉄心及び鋳鉄製のスライドテーブル73の本体部73aが吸引されるため、スライドテーブル73の本体部73aには下向きの吸引力FLが作用する。本体部73aは、この下向きの吸引力FLによって、下面が凸状に且つ上面が凹状に変形する。本体部73aが変形すると、上面に載置される砥石台60に傾きが生じて、砥石車50による工作物Wの研削加工精度に影響を及ぼす恐れがある。尚、吸引力FLは、リニアモータ74の稼働時に発生する推力とは異なるものであり、リニアモータ74の停止時を含んで常時発生する固定子74sの磁石による吸引力を指している。
また、比較例の砥石台送り装置70Xは、一対の脚部73b,73bの各縦スライド面73v,73vには、静圧ポケット73vpから供給される圧油を介して縦案内面72v,72vからの押圧力FSが作用する。スライドテーブル73の脚部73b,73bは、この内向きの押圧力FSによって幅方向内側へ変形する。スライドテーブル73の一対の脚部73b,73bが変形すると、砥石台60の案内精度が低下して、砥石車50による工作物Wの研削加工精度に影響を及ぼす恐れがある。
一方、本実施形態の砥石台送り装置70は、図4に示すように、一対の脚部73b,73b間に掛け渡されたブリッジ状の取付用構造部73cの下面にリニアモータ74の可動子74mが取付けられているので、磁石を有する固定子74sとの間に作用する吸引力FLは取付用構造部73cで吸収されて、本体部73aには作用しない。このため、リニアモータ74の吸引力FLによって、スライドテーブル73の本体部73aに変形が生じることはなく、本体部73a上の砥石台60の姿勢が水平に維持されるので、砥石車50による工作物Wの研削加工精度を確保することができる。
また、本実施形態の砥石台送り装置70は、比較例の砥石台送り装置70Xと同様に、一対の脚部73b,73bの各縦スライド面73v,73vには、静圧ポケット73vpから供給される圧油を介して、縦案内面72v,72vからの押圧力FSが幅方向内向きに発生する。一方、取付用構造部73cに作用する下向きの吸引力FLは、取付用構造部73cの幅方向両端から一対の脚部73b,73bに伝達され、一対の脚部73b,73bには、押圧力FSとは反対向きである幅方向外向きの力FBが作用する。
この力FBは、FB=FL/tanαと表される。押圧力FSと力FBとは互いに反対向きであるので、角度αを適切な値に設定することでFS=FB=FL/tanαが成立し、押圧力FSがFBによって完全に相殺される。つまり、スライドテーブル73の一対の脚部73b,73bに押圧力FSが作用することによる変形が抑制されるので、砥石台60の案内精度が確保されて、砥石車50による研削加工の精度を確保することが可能となる。
(4.まとめ)
上述した実施形態によれば、リニアモータ74を構成する可動子74mが、一対の脚部73b,73bから移動方向との直交方向(すなわち幅方向)に延びる取付用構造部73cに取り付けられているので、基台71側に設けられる固定子74sとの間に作用するリニアモータ74の吸引力FLが取付用構造部73cによって吸収される。よって、移動対象としての砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減し、砥石車50の研削加工精度を確保することができるという効果を奏する。
上述した実施形態によれば、リニアモータ74を構成する可動子74mが、一対の脚部73b,73bから移動方向との直交方向(すなわち幅方向)に延びる取付用構造部73cに取り付けられているので、基台71側に設けられる固定子74sとの間に作用するリニアモータ74の吸引力FLが取付用構造部73cによって吸収される。よって、移動対象としての砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減し、砥石車50の研削加工精度を確保することができるという効果を奏する。
また、一対のガイド72,72は、案内面として、幅方向の側面にそれぞれ縦案内面72v,72vが設けられ、一対の脚部73b,73bは、スライド面として幅方向の側面にそれぞれ縦案内面72v,72vに対向する縦スライド面73v,73vが設けられる。そして、取付用構造部73cは、縦案内面72v,72vから静圧支持構造78を介して縦スライド面73v,73vに対して作用する押圧力FSを相殺する作用を有する。よって、一対の脚部73b,73bの押圧力FSによる変形が抑制されるので、スライドテーブル73の移動精度が確保される。
より具体的には、一対のガイド72,72は、それぞれ幅方向内側の側面に縦案内面72v,72vが設けられ、一対の脚部73b,73bは、それぞれ幅方向外側の側面に縦案内面72v,72vに対向する縦スライド面73v,73vが設けられている。取付用構造部73cは、一対の脚部73b,73b間に架け渡されると共に、幅方向両端部73d,73dが下向きに傾斜して各脚部73bの幅方向内側の側面に接続される。
そして、可動子74mが取り付けられる取付用構造部73cに下向きの吸引力FLが作用することにより一対の脚部73b,73bに幅方向外向きの力FBが発生し、縦案内面72v,72vから静圧支持構造78を介して縦スライド面73v,73vに対して作用する幅方向内向きの押圧力FSを相殺する。よって、静圧支持構造78を介した縦案内面72v,72vからの押圧力FSによる一対の脚部73b,73bの幅方向内内側への変形が抑制される。
特に、取付用構造部73cは、幅方向両端部73d,73dの水平方向に対する傾斜角をα、押圧力をFS、リニアモータ74の吸引力をFLとしたとき、FS=FL/tanαの関係が成立するように設定されることによって、押圧力FSが完全に相殺される。
さらに、取付用構造部73cは、縦スライド面73v,73vにおける静圧ポケット73vp,73vpの上下方向範囲内に接続される。よって、幅方向内向きの押圧力FSが作用する範囲内に取付用構造部73cが接続されて幅方向外向きの力FBが作用することで、幅方向内向きの押圧力FSを確実に相殺することができる。特に、取付用構造部73cは、縦スライド面73v,73vにおける静圧ポケット73vp,73vpの上下方向中央に接続した場合は、幅方向内向きの押圧力FSをより確実に相殺することができる。
また、取付用構造部73cは、一対の脚部73b,73b間に架け渡されて脚部73b同士を連結するので、スライドテーブル73の重量の増大を抑えつつ強度を確保することができる。
(5.第1変形例)
上記実施形態では、スライドテーブル73の幅方向側面を外側から内側に向かって静圧支持する構成に本発明を適用した形態を示した。本変形例は、図5に示すように、スライドテーブル73の幅方向側面を内側から外側に向かって静圧支持する構成に本発明を適用した形態を示すものである。尚、上記実施形態と同一部材には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
上記実施形態では、スライドテーブル73の幅方向側面を外側から内側に向かって静圧支持する構成に本発明を適用した形態を示した。本変形例は、図5に示すように、スライドテーブル73の幅方向側面を内側から外側に向かって静圧支持する構成に本発明を適用した形態を示すものである。尚、上記実施形態と同一部材には同一の符号を付し、それらについての詳細な説明を省略する。
本変形例の砥石台送り装置170において、基台71は、平坦な上面の幅方向(すなわちZ軸方向)両側に、一対のガイド72,72が一体的に立設されている。一対のガイド72,72は、幅方向外側の側面に、それぞれ縦案内面72v,72vを有している。つまり、縦案内面72v,72vは、Z軸を法線方向としている。さらに、一対のガイド72,72は、水平な上面に、それぞれ水平案内面72h,72hを有している。つまり、水平案内面72h,72hは、Y軸方向を法線方向とし、Z軸を法線方向とする縦案内面72v,72vに対して直交している。本実施形態においては、一対の水平案内面72h,72hは、同一高さで形成される。また、一対の水平案内面72h,72hは、一対の縦案内面72v,72vに対してそれぞれ内側に位置している。
スライドテーブル73において、一対の脚部73b,73b間には、取付用構造部73cがブリッジ状に掛け渡されている。取付用構造部73cは、幅方向中央部分が水平に延び、脚部73b,73bに接続される幅方向両端から所定長さ分が外側に向かって斜め上向きに傾斜している。取付用構造部73cの幅方向中央部分の下面には、リニアモータ74の可動子74mが取付けられている。
一対の脚部73b,73bは、幅方向内側の下半分を直方体状に切り欠いた形状に形成され、当該切り欠き部分の内側の側面にそれぞれ縦スライド面73v,73vを有すると共に、下面にそれぞれ水平スライド面73h,73hを有している。つまり、一対の縦スライド面73v,73vは、Z軸を法線方向としている。また、一対の水平スライド面73h,73hは、Y軸方向を法線方向とし、Z軸を法線方向とする縦スライド面73v,73vに対して直交している。また、一対の水平スライド面73h,73hは、一対の縦スライド面73v,73vに対してそれぞれ内側に位置している。
次に、本変形例の砥石台送り装置170の各部の作用について説明する。砥石台送り装置170は、上記実施形態と同様に、一対の脚部73b,73b間に掛け渡されたブリッジ状の取付用構造部73cの下面にリニアモータ74の可動子74mが取付けられているので、磁石を有する固定子74sとの間に作用する吸引力FLは本体部73aには作用しない。このため、リニアモータ74の吸引力FLによって、スライドテーブル73の本体部73aに変形が生じることはなく、吸引力FLの砥石台60への影響を低減し、砥石車50による工作物Wの研削加工精度を確保することができる。
次に、本変形例の砥石台送り装置170の各部の作用について説明する。砥石台送り装置170は、一対の脚部73b,73bの各縦スライド面73v,73vには、静圧ポケット73vpから供給される圧油を介して、縦案内面72v,72vからの押圧力FSが幅方向外向きに発生する。一方、取付用構造部73cに作用する下向きの吸引力FLは、取付用構造部73cの幅方向両端から一対の脚部73b,73bに伝達され、一対の脚部73b,73bには、押圧力FSとは反対向きである幅方向内向きの力FBが作用する。この力FBは、FB=FL/tanαと表される。押圧力FSと力FBとは互いに反対向きであるので、角度αを適切な値に設定することでFS=FBの関係が成立し、押圧力FSがFBによって相殺される。つまり、スライドテーブル73の一対の脚部73b,73bに押圧力FSが作用することによる変形が抑制されるので、砥石台60送り動作時の案内精度が確保されて、砥石車50による研削加工の精度を確保することが可能となる。
すなわち、本変形例では、一対のガイド72,72は、それぞれ幅方向外側の側面に縦案内面72v,72vが設けられ、一対の脚部73b,73bは、それぞれ幅方向内側の側面に縦案内面72v,72vに対向する縦スライド面73v,73vが設けられている。取付用構造部73cは、一対の脚部73b,73b間に架け渡されると共に、幅方向両端部73d,73dが上向きに傾斜して各脚部73b,73bの幅方向内側の側面に接続される。
そして、可動子74mが取り付けられる取付用構造部73cに下向きの吸引力FLが作用することにより一対の脚部73b,73bに幅方向内向きの力FBが発生し、縦案内面72v,72vから静圧支持構造78を介して縦スライド面73v,73vに対して作用する幅方向外向きの押圧力FSを相殺する。よって、静圧支持構造78を介した縦案内面72v,72vからの押圧力FSによる一対の脚部73b,73bの幅方向外側への変形が抑制される。
(6.第2変形例)
上記実施形態では、取付用構造部73cは、中央部分が水平に延びる直線状とし、脚部73b,73bに接続される所定長さの幅方向両端部73d,73dが斜め下向きに傾斜する構造としたが、本変形例の砥石台送り装置270は、図6に示すように、取付用構造部73c全体を上向きに凸となるアーチ状に湾曲させた構造を有するものである。本変形例においても、上記実施形態と同様に、砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減することができるという効果を奏する。
上記実施形態では、取付用構造部73cは、中央部分が水平に延びる直線状とし、脚部73b,73bに接続される所定長さの幅方向両端部73d,73dが斜め下向きに傾斜する構造としたが、本変形例の砥石台送り装置270は、図6に示すように、取付用構造部73c全体を上向きに凸となるアーチ状に湾曲させた構造を有するものである。本変形例においても、上記実施形態と同様に、砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減することができるという効果を奏する。
また、本変形例においても、取付用構造部73cは、上記実施形態と同様に、幅方向両端部73d,73dの水平方向に対する傾斜角をα、押圧力をFS、リニアモータ74の吸引力をFLとしたとき、FS=FL/tanαの関係が成立するように設定されることによって、押圧力FSが完全に相殺される。
(7.第3変形例)
上記実施形態及び第1、第2変形例では、取付用構造部73cの幅方向両端部を斜め下向き又は斜め上向きに傾斜させる構造としたが、本変形例の砥石台送り装置370は、図7に示すように、取付用構造部73cが幅方向全体に亘り水平に真っ直ぐ延びて一対の脚部73b,73bに接続される構造を有している。本変形例においても、砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減することができるという効果を奏する。
上記実施形態及び第1、第2変形例では、取付用構造部73cの幅方向両端部を斜め下向き又は斜め上向きに傾斜させる構造としたが、本変形例の砥石台送り装置370は、図7に示すように、取付用構造部73cが幅方向全体に亘り水平に真っ直ぐ延びて一対の脚部73b,73bに接続される構造を有している。本変形例においても、砥石台60が搭載されるスライドテーブル73の本体部73aは、リニアモータ74の吸引力FLに起因する変形が確実に抑制され、吸引力FLの砥石台60への影響を低減することができるという効果を奏する。
(8.第4変形例)
上記実施形態及び第1〜第3変形例では、取付用構造部73cが一対の脚部73b,73b間に架け渡される構造としたが、本変形例の砥石台送り装置470は、図8に示すように、一対の脚部73b,73bの幅方向内側の側面にそれぞれ片持ち状の取付用構造部73cを設ける構造としたものである。
上記実施形態及び第1〜第3変形例では、取付用構造部73cが一対の脚部73b,73b間に架け渡される構造としたが、本変形例の砥石台送り装置470は、図8に示すように、一対の脚部73b,73bの幅方向内側の側面にそれぞれ片持ち状の取付用構造部73cを設ける構造としたものである。
すなわち、本変形例では、一対の取付用構造部73cが、一対の脚部73b,73bの幅方向内側の側面からそれぞれ中央に向かって水平に延びており、各取付用構造部73cの下面に可動子74mがそれぞれ取り付けられている。また、基台71の上面には、固定子74sが各可動子74mの直下となる位置でX軸方向に沿って二列に並んで配列されている。
本変形例によれば、リニアモータ74の吸引力FLが一対の取付用構造部73cで吸収され、リニアモータ74の吸引力FLによる本体部73aの変形が確実に抑制され、上記実施形態と同様に、吸引力FLの砥石台60への影響を低減することができるという効果を奏する。
(9.その他の変形例)
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。例えば、上記実施形態及び各第5変形例では、研削装置における砥石台送り装置に本発明を適用した例を示したが、これには限られない。研削装置において砥石台をトラバースさせる砥石台トラバース装置に本発明を適用してもよいし、ワークをトラバースさせるテーブルトラバース装置に本発明を適用してもよい。その他、工作機械において静圧支持構造を介してスライドテーブルを所定方向に移動させる構成を有する移動装置へ本発明を適用可能である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変更を施すことが可能である。例えば、上記実施形態及び各第5変形例では、研削装置における砥石台送り装置に本発明を適用した例を示したが、これには限られない。研削装置において砥石台をトラバースさせる砥石台トラバース装置に本発明を適用してもよいし、ワークをトラバースさせるテーブルトラバース装置に本発明を適用してもよい。その他、工作機械において静圧支持構造を介してスライドテーブルを所定方向に移動させる構成を有する移動装置へ本発明を適用可能である。
また、上記実施形態及び各第5変形例では、一対の水平案内面及び一対の縦案内面からなる4面支持の静圧支持構造を有する移動装置に本発明を適用した例を示したが、第2の水平面をさらに有する6面支持の静圧支持構造を有する移動装置に本発明を適用することも可能である。さらに、図5に示す第1変形例では、基台71の幅方向両側にガイド72を立設してX軸方向視で凹字状に形成する構成としたが、基台71をX軸方向視で長方形状に形成して幅方向両側部分をガイド72として用いる構成としてもよい。
1…工作機械、60…砥石台(移動対象)、70…砥石台送り装置(移動装置、実施形態)、71…基台、72…ガイド、72h…水平案内面、72v…縦案内面、73…スライドテーブル、73a…本体部、73b…脚部、73c…取付用構造部、73d…幅方向両端部(移動方向との直交方向の両端部)、73h…水平スライド面、73hp…静圧ポケット、73v…縦スライド面、73vp…静圧ポケット、74…リニアモータ、74s…固定子、74m…可動子、78…静圧支持構造、79…油圧ポンプ(流体供給部)、170…砥石台送り装置(移動装置、第1変形例)、270…砥石台送り装置(移動装置、第2変形例)、170…砥石台送り装置(移動装置、第1変形例)、270…砥石台送り装置(移動装置、第2変形例)、370…砥石台送り装置(移動装置、第3変形例)、470…砥石台送り装置(移動装置、第4変形例)。
Claims (9)
- リニアモータを構成する固定子が移動方向に沿って上面に配列される基台と、
前記基台に前記移動方向との直交方向に間隔を隔てて設けられて前記移動方向に延びる案内面を有する一対のガイドと、
移動対象が載置されるテーブル状の本体部と、前記本体部の前記移動方向との直交方向両側から下方へ延びて前記一対のガイドの前記案内面に対向するスライド面を有する一対の脚部とを備えるスライドテーブルと、
前記案内面と前記スライド面との間に流体を供給する流体供給部と、
前記案内面及び前記スライド面の少なくとも一方に複数の静圧ポケットを配置し、前記流体供給部から前記各静圧ポケットへ前記流体を供給して前記スライドテーブルをスライド可能に支持する静圧支持構造と、
前記一対の脚部から前記移動方向との直交方向に延び、前記固定子に対向して前記リニアモータを構成する可動子が取り付けられる取付用構造部と、
を備える、移動装置。 - 前記一対のガイドは、前記案内面として、前記移動方向との直交方向の側面にそれぞれ縦案内面が設けられ、
前記一対の脚部は、前記スライド面として、前記移動方向との直交方向の側面にそれぞれ前記縦案内面に対向する縦スライド面が設けられ、
前記取付用構造部は、前記縦案内面から前記静圧支持構造を介して前記縦スライド面に対して作用する押圧力を相殺する作用を有する、請求項1に記載の移動装置。 - 前記一対のガイドは、それぞれ前記移動方向との直交方向内側の側面に前記縦案内面が設けられ、
前記一対の脚部は、それぞれ前記移動方向との直交方向外側の側面に前記縦案内面に対向する前記縦スライド面が設けられ、
前記取付用構造部は、前記移動方向との直交方向の両端部が前記一対の脚部間に架け渡されると共に、前記両端部が下向きに傾斜して前記各脚部の前記移動方向との直交方向内側の側面に接続される、請求項2に記載の移動装置。 - 前記一対のガイドは、それぞれ前記移動方向との直交方向外側の側面に前記縦案内面が設けられ、
前記一対の脚部は、それぞれ前記移動方向との直交方向内側の側面に前記縦案内面に対向する前記縦スライド面が設けられ、
前記取付用構造部は、前記移動方向との直交方向の両端部が前記一対の脚部間に架け渡されると共に、前記両端部が上向きに傾斜して前記各脚部の前記移動方向との直交方向内側の側面に接続される、請求項2に記載の移動装置。 - 前記取付用構造部における前記両端部の水平方向に対する傾斜角をα、前記押圧力をFS、前記リニアモータの吸引力をFLとしたとき、FS=FL/tanαの関係が成立する、請求項3又は4に記載の移動装置。
- 前記取付用構造部は、前記縦スライド面における前記静圧ポケットの上下方向範囲内に接続される、請求項2乃至5の何れか一項に記載の移動装置。
- 前記取付用構造部は、前記縦スライド面における前記静圧ポケットの上下方向中央に接続される、請求項6に記載の移動装置。
- 前記取付用構造部は、前記移動方向との直交方向の両端部が前記一対の脚部間に架け渡されて前記脚部同士を連結する、請求項1又は2に記載の移動装置。
- 前記取付用構造部は、前記一対の脚部の各々に片持ち状に支持される一対の取付用構造部からなる、請求項1又は2に記載の移動装置。
Priority Applications (1)
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JP2020026055A JP2021130154A (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 移動装置 |
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JP2020026055A Pending JP2021130154A (ja) | 2020-02-19 | 2020-02-19 | 移動装置 |
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JP (1) | JP2021130154A (ja) |
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2020
- 2020-02-19 JP JP2020026055A patent/JP2021130154A/ja active Pending
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