JP2021130088A - 濁水処理用凝集剤及び土木工事排出濁水の処理方法 - Google Patents

濁水処理用凝集剤及び土木工事排出濁水の処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粗大粒子を大きくしても、凝集力を維持し得る濁水処理用凝集剤を提供すること。【解決手段】成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩と、成分(B):二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、及び酸化カリウムを少なくとも含む無機成分と、を含有し、無機成分中、二酸化ケイ素の含有率が10.0〜70.0重量%であり、酸化ナトリウムの含有率が4.0〜16.5重量%であり、且つ酸化カリウムの含有率が0.4〜5.7重量%である、濁水処理用凝集剤。【選択図】なし

Description

本発明は、濁水処理用凝集剤及び土木工事排出濁水の処理方法に関する。
トンネル掘削工事等の土木工事現場では、濁水が多量に生じることが多々ある。濁水をそのまま排出することは環境保全の観点から好ましくない。そこで、濁水の濁りの原因となる懸濁物質を、凝集剤を用いて凝集させて粗大粒子とし、濁水から除去する処理が行われている。
特許文献1には、粘土、ポリ塩化アルミニウム等の無機凝集剤、及び有機高分子凝集剤を含んでなる凝集剤が記載されている。この凝集剤は、セメント工事の現場で発生する汚水の処理に適することが記載されている。
特許文献2には、所定の無機凝集剤、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、及びモルデナイト系天然ゼオライトを含有する排水処理用凝集剤が記載されている。この排水処理用凝集剤は、トンネル工事等における排水の処理に用い得ることが記載されている。
特許文献3には、リグニンスルホン酸又はその塩、並びに所定の無機成分を含有する土木工事排水濁水処理用凝集剤が記載されている。この土木工事排水濁水処理用凝集剤は、各種土木における排出される濁水の処理に用い得ることが記載されている。
特開2007−61718号公報 特許第5501544号公報 特開2017−170279号公報
粗大粒子が大きいほど、濁水からの除去が容易になる。しかしながら、上記特許文献に記載された凝集剤を用いると、衝撃により凝集した粗大粒子が崩壊して微細化物に戻る場合がある。そして、粗大粒子は大きいほど、崩壊しやすくなる。
従って、粗大粒子を大きくしても、粗大粒子の崩壊が起きにくい、凝集力を維持し得る濁水処理用凝集剤が望まれている。
本発明の課題は、粗大粒子を大きくしても、凝集力を維持し得る濁水処理用凝集剤を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、リグニンスルホン酸と、所定の構成成分を含む無機成分と、を含有させることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕〜〔4〕を提供する。
〔1〕成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩(以下、「成分(A)」ともいう)と、成分(B):二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、及び酸化カリウムを少なくとも含む無機成分(以下、「成分(B)」ともいう)と、を含有し、前記無機成分中、前記二酸化ケイ素の含有率が10.0〜70.0重量%であり、前記酸化ナトリウムの含有率が4.0〜16.5重量%であり、且つ前記酸化カリウムの含有率が0.4〜5.7重量%である、濁水処理用凝集剤。
〔2〕前記成分(B)に対する前記成分(A)の重量比率(成分(A)/成分(B))が、1/99〜30/70である、上記〔1〕に記載の濁水処理用凝集剤。
〔3〕前記成分(A)が、リグニンスルホン酸のナトリウム塩を含む、上記〔1〕又は〔2〕に記載の濁水処理用凝集剤。
〔4〕濁水に、上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の濁水処理用凝集剤を添加することを含む、土木工事排出濁水の処理方法。
本発明によれば、粗大粒子を大きくしても、凝集力を維持し得る濁水処理用凝集剤を提供することができる。
図1は、実施例1で調製した濁水処理用凝集剤1の崩壊試験の写真である。 図2は、実施例2で調製した濁水処理用凝集剤2の崩壊試験の写真である。 図3は、比較例1で調製した濁水処理用凝集剤3の崩壊試験の写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「AA〜BB」との表記は、AA以上BB以下を意味する。
[1.濁水処理用凝集剤]
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(A)と、成分(B)と、を含有する。
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(A)を含有するので、懸濁物質の凝集物の大きさを粗大化し得る。そのため、濁水からの分離が容易になる。
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(B)を含有するので、懸濁物質を凝集させるとともに、凝集力を維持し得る。
[1−1.成分(A)]
成分(A)は、リグニンスルホン酸又はその塩である。リグニンスルホン酸は、リグニン側鎖のα位に存在するヒドロキシ基が、スルホ基に変換されて生じるリグニンの誘導体である。リグニンスルホン酸又はその塩の製造原料及び製造方法には限定がなく、本発明の濁水処理用凝集剤は、任意の製造原料及び任意の製造方法で製造されたリグニンスルホン酸又はその塩を含んでよい。
成分(A)の製造原料としては、例えば、リグニンを含有するパルプ原料(例、木材、非木材)が挙げられる。リグニンスルホン酸又はその塩の製造原料である木材としては、例えば、針葉樹木材(例、エゾマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ)及び広葉樹木材(例、シラカバ、ブナ)が挙げられる。非木材としては、例えば、竹、ケナフ、葦、及び稲が挙げられる。成分(A)の製造原料として、これら原料を1種のみ用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(A)の製造方法としては、例えば、リグニンを含有するパルプ原料を、亜硫酸法により蒸解して得る方法が挙げられる。
リグニンスルホン酸の塩としては、特に限定されないが、例えば、リグニンスルホン酸の金属塩が挙げられる。リグニンスルホン酸の金属塩としては、例えば、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩(例、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)、及びリグニンスルホン酸のアルカリ土類金属塩(例、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩)が挙げられる。
本発明の濁水処理用凝集剤は、リグニンスルホン酸の塩を含むことが好ましく、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩又はリグニンスルホン酸のアルカリ土類金属塩を含むことがより好ましく、リグニンスルホン酸のアルカリ金属塩を含むことがさらに好ましく、リグニンスルホン酸のナトリウム塩を含むことがさらにより好ましい。
なお、本明細書において、アルカリ土類金属には、マグネシウム及びベリリウムも含まれる。
成分(A)は、任意の形態で本発明の濁水処理用凝集剤に含まれていてよい。成分(A)の形態としては、例えば、固体状(例、粉末状、粒状、ペレット状)、液状(例、溶液、分散液、懸濁液)が挙げられる。
成分(A)として、市販品を使用することもできる。
成分(A)の市販品として、例えば、バニレックスN(登録商標)(日本製紙社製)、バニレックスHW(登録商標)(日本製紙社製)、パールレックスNP(登録商標)(日本製紙社製)、リグニンスルホン酸ナトリウム(東京化成社製)、サンエキスP252(登録商標)(日本製紙社製)、サンエキスP321(登録商標)(日本製紙社製)、リグニンスルホン酸ナトリウム(東京化成社製)が挙げられる。
[1−2.成分(B)]
成分(B)は、無機成分である。成分(B)は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、及び酸化第二鉄を少なくとも含む。
成分(B)は、それぞれの成分又は成分(B)自体の凝集作用の有無は問わない。また成分(B)は、上記成分以外の成分を含んでいてもよい。
上記以外の成分としては、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、及び三酸化硫黄が挙げられる。
成分(B)中の二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、及び酸化カリウムの含有率は下記の通りである。
二酸化ケイ素の含有率は、10.0〜70.0重量%であり、15.0〜65.0重量%が好ましく、15.0〜50.0重量%がより好ましく、15.0〜30.0重量%がさらに好ましい。
酸化ナトリウムの含有率は、4.0〜16.5重量%であり、5.0〜16.0重量%が好ましく、9.0〜16.0重量%がより好ましく、12.0〜16.0重量%がさらに好ましい。
酸化カリウムの含有率は、0.4〜5.7重量%であり、0.6〜3.5重量%が好ましく、0.6〜2.0重量%がより好ましく、0.6〜1.5重量%がさらに好ましい。
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(B)として二酸化ケイ素の含有率は、10.0〜70.0重量%である。
二酸化ケイ素は、日本の河川に豊富に溶け込んでおり、稲作にとって重要な成分、肥料でもある。また、二酸化ケイ素は、水中の微細珪藻類(植物プランクトン)の増殖に欠かせない成分である。浮遊珪藻類は、水中のプランクトン、エビ、カニ、貝にとって餌になり付着珪藻類は、アユやカワニナ(巻貝、ホタル幼虫の餌)の重要な餌にもなる。すなわち、二酸化ケイ素は、周辺水域環境へ負荷を与えず、むしろ水性成分のエサ生産に寄与する材料となる。そのため、成分(B)として10.0〜70.0重量%の含有率で二酸化ケイ素を含入する本発明の濁水処理用凝集剤は、凝集効果を確保するという効果にとどまらず、周辺水域の環境に寄与し得るという優れたものである。
上記以外の成分の含有率には特に限定はなく、適宜定めることができる。
酸化チタンの含有率は、0〜2.0重量%が好ましい。
酸化アルミニウムの含有率は、10.0〜20.0重量%が好ましく、12.0〜18.0重量%がさらに好ましい。
酸化第二鉄の含有率は、0〜2.0重量%が好ましい。
酸化カルシウムの含有率は、0〜2.0重量%が好ましい。
酸化マグネシウムの含有率は、0〜2.0重量%が好ましい。
三酸化硫黄の含有率は、0〜2.0重量%が好ましい。
成分(B)は、強熱減量が、30.0重量%以下であってよく、2.0〜28.0重量%が好ましく、5.0〜26.0重量%がさらに好ましい。
成分(B)中の各成分の含有率は、従来公知の方法で測定することができる。その例示を以下に記載する。
酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化第二鉄、及び酸化アルミニウムは、原子吸光法により、測定することができる。
酸化チタンは、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)法により、測定することができる。
二酸化ケイ素、及び三酸化硫黄は、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP−OES)法により、測定することができる。
強熱減量は、直接灰化法により測定することができる。直接灰化法において、強熱条件は、通常、600℃±25℃で約2時間である。実施例に記載された成分(B)の各成分の含有率、含水率及び強熱減量は、上記の方法により測定された値である。
成分(B)は、上記各成分の組成物であってもよい。斯かる組成物は従来公知の方法で製造することができ、例えば、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ナトリウム、酸化第二鉄、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、三酸化硫黄、酸化チタンを混合し、水分量を適宜調整することによって製造することができる。
成分(B)が組成物の場合、斯かる組成物の形態は、任意であるが、例えば、粉末状、粒状、ペレット状、スラリー状が挙げられる。
本発明の濁水処理用凝集剤に含まれる成分(B)は、市販品を含んでもよい。本発明の濁水処理用凝集剤に含まれる成分(B)の市販品として、例えば、SNKバイオ(新日本工業社製)、長石等が挙げられる。
本発明の濁水処理用凝集剤における、成分(B)に対する成分(A)の重量比率(成分(A)/成分(B))は、1/99〜30/70が好ましく、1/99〜25/75がより好ましく、2/98〜20/80がさらに好ましく、2/98〜10/90がさらにより好ましい。
[1−3.任意成分]
本発明の濁水処理用凝集剤は、本発明の効果を阻害しない限り、上記成分(A)及び成分(B)の他に、任意成分を含有してもよい。
任意成分としては、例えば、成分(A)を製造する際の副生成物、有機凝集剤、無機凝集剤、吸着剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤、界面活性剤が挙げられる。
上記副生成物としては、例えば、還元糖類(例:すべての単糖;マルトース、ラクトース、アラビノース、スクロースの転化糖等の二糖;多糖)、糖が酸化、スルホン化等の化学変性を受けて生成する糖変性物、及び無機塩が挙げられる。
有機凝集剤としては、例えば、有機高分子凝集剤が挙げられ、有機高分子凝集剤としては、例えば、ノニオン性有機高分子凝集剤(例、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキシド、グアーガム、デンプン)、両性有機高分子凝集剤(例、アクリルアミド−アクリル酸−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合物)、アニオン性有機高分子凝集剤(例、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体)、及びカチオン性有機高分子凝集剤(例、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド−アクリルアミド共重合体、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド−スチレン共重合体、2−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアミジン)が挙げられる。
無機凝集剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、塩化第二鉄、及びポリ硫酸鉄が挙げられる。
吸着剤としては、例えば、ゼオライト(例、天然ゼオライト、合成ゼオライト)が挙げられる。
本発明の濁水処理用凝集剤は、溶媒又は分散媒を含有してもよい。
本発明の濁水処理用凝集剤が溶媒又は分散媒を含有する場合、濁水処理用凝集剤に含有され得る溶媒又は分散媒に特に限定はないが、例えば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノール)、エステル類(例、酢酸メチル、酢酸エチル)、エーテル類(例、ジエチルエーテル、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチル−tert−ブチルエーテル、ブチルカルビトール)、ケトン類(例、アセトン、ジエチルケトン)、グリコール類(例、エチレングリコール、プロピレングリコール)、及びこれらの混合媒体が挙げられる。中でも、水及びアルコール類の少なくともいずれかが好ましく、水がより好ましい。
[1−4.形態]
本発明の濁水処理用凝集剤の形態は、特に限定されず、例えば、固体状(粉状、粒状、ペレット状)、液状であってよい。本発明の濁水処理用凝集剤が液状である場合、本発明の濁水処理用凝集剤は、溶液、懸濁液、分散液、又は乳化液であり得る。
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(A)と成分(B)と、を混合した形態で含有してもよいし、成分(A)と成分(B)と、を分離した形態(例、成分(A)と成分(B)とが別々の容器に収納された形態)で含有してもよい。本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(A)と成分(B)とを混合した形態で含有することが好ましい。本発明の濁水処理用凝集剤が、成分(A)と成分(B)と、を分離した形態で含有する場合、成分(A)と成分(B)とを合わせてから、濁水に対して添加することが好ましい。
[1−5.製造方法]
本発明の濁水処理用凝集剤は、成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて任意成分と、を含有すればよい。本発明の濁水処理用凝集剤が、成分(A)と、成分(B)と、を混合した形態で含有する場合、本発明の濁水処理用凝集剤は、例えば、以下のように製造され得る。
成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて配合される任意成分と、を公知の粉体混合機(例、円筒型混合機、V型混合機、リボン型混合器、高速流動型混合機、気流撹拌型混合機)に投入して、成分(A)と、成分(B)と、任意成分と、を混合してもよい。混合の前に、各成分を必要に応じて公知の装置(例、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー、カッターミル、ローラーミル、ジェットミル)を用いて粉砕処理してもよい。
また、成分(A)と、成分(B)と、必要に応じて配合される任意成分と、を溶媒又は分散媒に加えて、公知の撹拌装置(例、バッチ式ミキサー、連続式ミキサー)により撹拌して混合してもよい。
混合のための装置へ各成分を投入する順序には特に限定がなく、すべての成分を同時に装置に投入してもよいし、いずれかの成分を先に装置に投入しておいてから順次残りの成分を投入してもよい。混合の際の温度条件には特に限定はなく、加温又は冷却してもよいし、加温又は冷却しなくてもよい。混合の際の回転速度に特に限定はなく、例えば、10〜100rpmとしてよい。混合時間にはとくに限定はなく、例えば1〜10分間としてよい。
[2.土木工事排出濁水の処理方法]
本発明の土木工事排出濁水の処理方法は、濁水に、上記「1.濁水処理用凝集剤」に記載の濁水処理用凝集剤を添加することを含む処理方法である。
濁水処理用凝集剤の詳細は、上述の通りである。
[2−1.濁水]
処理され得る濁水の対象は、各種土木工事(例、トンネル掘削工事、道路工事、河川工事、港湾工事)において排出される濁水である。
処理され得る濁水の、pH、濁度、及び温度には特に限定はない。また、処理され得る濁水は、通常、温度の調整、pHの調整等の前処理の必要はない。但し、温度の調整、pHの調整などの前処理をしてもよい。
[2−2.使用方法]
濁水に対する濁水処理用凝集剤の添加量に特に限定はないが、濁水1Lに対して、100mg以上が好ましく、500mg以上がより好ましく、1,000mg以上がさらに好ましい。上限は、通常、2,000mg以下である。
濁水処理用凝集剤は、濁水に添加量のすべてを一度に添加してもよいし、添加量を分割して、これらを逐次添加してもよい。また、濁水処理用凝集剤を、濁水に連続的に添加してもよい。
濁水処理用凝集剤が、成分(A)と成分(B)と、を分離した形態で含有する場合には、成分(A)と成分(B)と、を予め混合して添加してもよく、成分(A)と成分(B)と、のいずれかを先に濁水に添加し、次いで残りの成分を濁水に添加してもよい。
濁水処理用凝集剤を濁水に添加する際、及び/又は、濁水処理用凝集剤を濁水に添加した後、濁水を撹拌することが好ましい。撹拌は、公知の撹拌装置を用いて行うことができる。撹拌速度に特に限定はないが、例えば、100〜2000rpmで行ってよい。撹拌時間にも特に限定はないが、例えば、1〜10分間であってよい。撹拌速度は一定でもよいし、段階的又は連続的に変化させてもよい。
濁水処理用凝集剤を濁水に添加した後、濁水をろ過してもよい。これにより、生じた粗大粒子(フロック)を分離することができる。
濁水の濁度は、公知の方法で測定することができる。例えば、ISO7027に準拠したネフェロ方式で測定することができる。ネフェロ方式に従った濁度測定機器としては、例えば、ポータブル濁度計TN100IR(ニッコー・ハンセン株式会社製)、TB−31 turbidity meter(東亜DKK社製)が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されない。なお、以下の文中、特に表記がない限り、「部」は、重量部を表す。
(実施例1:濁水処理用凝集剤1の製造)
成分(A)として、リグニンスルホン酸ナトリウム(東京化成より供給)2部、成分(B)として、SNKバイオ88.2部(新日本工業株式会社より供給)及び長石9.8部(釜戸長石、草葉化学社より供給)を混合して得られる下記の含有率を有する無機成分(B1)98部、を混合機としてハイパワーミキサーCB−34(丸東製作所製)を用い、100rpmで、3分間撹拌混合し、濁水処理用凝集剤1を調製した。
無機成分(B1)は、次の組成を有するものである。ここで、「%」は、重量%を意味し、各種含有率は、上段に記載の測定方法で測定した値である。
酸化カリウム 0.74%
酸化カルシウム 0.35%
酸化マグネシウム 0.10%未満
酸化ナトリウム 15.60%
酸化第二鉄 0.11%
二酸化ケイ素 16.01%
酸化アルミニウム 16.02%
三酸化硫黄 0.10%
酸化チタン 0.29%
強熱減量 25.83%
(実施例2:濁水処理用凝集剤2の製造)
成分(A)として、リグニンスルホン酸ナトリウム(東京化成より供給)2部、成分(B)として、SNKバイオ78.4部(新日本工業株式会社より供給)及び長石19.6部(釜戸長石、草葉化学社より供給)を混合し得られる下記の含有率を有する無機成分(B2)98部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして濁水処理用凝集剤2を調製した。
無機成分(B2)は、次の組成を有するものである。ここで、「%」は、重量%を意味し、各種含有率は、上段に記載の測定方法で測定した値である。
酸化カリウム 1.35%
酸化カルシウム 0.40%
酸化マグネシウム 0.10%未満
酸化ナトリウム 14.19%
酸化第二鉄 0.11%
二酸化ケイ素 22.62%
酸化アルミニウム 15.74%
三酸化硫黄 0.11%
酸化チタン 0.26%
強熱減量 22.96%
(比較例1:濁水処理用凝集剤3の製造)
PAC(商品名「水処理用凝集剤 超高塩基度ポリ塩化アルミニウムPAC700A」、多木化学社製)0.2部、高分子(商品名「ポリアクリルアミドアニオン ハイモフロックSS-200H」、ハイモ社製)2.5部、を混合機としてハイパワーミキサーCB−34(丸東製作所製)を用い、100rpmで、3分間撹拌混合して濁水処理用凝集剤3を調製した。
[濁水処理試験]
予め、ジャーテスターに濁水(関東ローム掘削濁水に水を加えて撹拌し、濁度500NTUに調整したもの)1000mLを注入し、30rpmで撹拌しながら、処理前濁度、pH、電気伝導度、及び水温を測定した。
濁水に、濁水処理用凝集剤を添加し、ジャーテスターを用いて100rpmで3分間撹拌した。撹拌開始後3分後、30rpmで2分間さらに撹拌した。その後、撹拌を停止して、3分間静置し、処理後濁度、pH、電気伝導度、及び水温を測定した。ここで、濁水処理用凝集剤1〜2については、200mg添加した。濁水処理用凝集剤3については、PAC2mL及び高分子2.5gを用いた。
なお、濁度の測定は、商品名「TB−31 turbidity meter」(東亜DKK社製)、pHの測定は、商品名「D52 pH meter」(堀場社製)、電気伝導度の測定は、商品名「ES−71 condmeter」(堀場社製)、及び水温の測定は、商品名「SK250WP II−N」(SATO社製)を用いて行った。
測定結果から、以下の式(1)で濁水減水率を算出した。
(1):濁水減水率(%)=(100−(処理後濁度/処理前濁度)×100)
評価結果を下記表1に示す。
Figure 2021130088
[崩壊試験]
上記処理後の濁水について、ジャーテスターを用いて100rpmで撹拌した。1時間及び2時間経過後の写真を図1〜3に示す。
図1〜図2から明らかなように、本発明の濁水処理用凝集剤は粗大粒子であっても凝集力を維持できる。そのため、本発明の濁水処理用凝集剤の方が、濁水処理に適するといえる。
また、図3から明らかなように、従来の濁水処理用凝集剤では、凝集した粗大粒子が撹拌により崩壊して微細化物にもどることがわかる。そのため、凝集力の維持に劣る。

Claims (4)

  1. 成分(A):リグニンスルホン酸又はその塩と、
    成分(B):二酸化ケイ素、酸化ナトリウム、及び酸化カリウムを少なくとも含む無機成分と、を含有し、
    前記無機成分中、前記二酸化ケイ素の含有率が10.0〜70.0重量%であり、前記酸化ナトリウムの含有率が4.0〜16.5重量%であり、且つ前記酸化カリウムの含有率が0.4〜5.7重量%である、濁水処理用凝集剤。
  2. 前記成分(B)に対する前記成分(A)の重量比率(成分(A)/成分(B))が、1/99〜30/70である、請求項1に記載の濁水処理用凝集剤。
  3. 前記成分(A)が、リグニンスルホン酸のナトリウム塩を含む、請求項1又は2に記載の濁水処理用凝集剤。
  4. 濁水に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の濁水処理用凝集剤を添加することを含む、土木工事排出濁水の処理方法。
JP2020026627A 2020-02-19 2020-02-19 濁水処理用凝集剤及び土木工事排出濁水の処理方法 Active JP7514629B2 (ja)

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