JP2021129624A - 遊技機 - Google Patents

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卓人 市原
Takuto Ichihara
卓人 市原
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Abstract

【課題】遊技者の音量調節によって複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力する。【解決手段】遊技者による所定の入力を検知すると、その入力に基づいて、複数段階の音量レベルの中から何れかを設定する。また、複数の出力条件の何れかが成立すると、その出力条件に対応して出力する効果音を選択すると共に、設定の音量レベルに従って、効果音を出力する音量を調節する。そして、効果音の音量が消音に調節される音量レベルを、出力条件に応じて異ならせる。こうすれば、遊技者が自らの入力で音量レベルを適切に選択することにより、複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力することが可能となる。【選択図】図11

Description

本発明は、遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う遊技機(パチンコ機)に関する。
遊技盤に形成された遊技領域に向けて遊技球を発射することで遊技を行う遊技機では、スピーカーなどの音出力手段を搭載しているのが一般的であり、遊技興趣を高めるために効果音を出力することが可能となっている。こうした遊技機では、予め複数の効果音の音源データが記憶されており、遊技の進行に伴って複数の出力条件の何れかが成立すると、その出力条件に対応する効果音を出力する。
また、スピーカーから出力する効果音の音量を遊技者が調節可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1)。最小音量(消音)から最大音量までの複数段階の音量レベルが設けられており、遊技者が所定の入力を行うことで、何れかの音量レベルを選択できるため、遊技者の好みに合わせて効果音の音量を調節することが可能である。
特開2016−63902号公報
しかし、上述のように効果音の音量を遊技者が調節することを可能とした従来の遊技機では、複数の出力条件のうちの何れかに対応する効果音を消音するように音量調節を行う(音量レベルを選択する)と、他の出力条件に対応する効果音も消音されてしまうという問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、遊技者の音量調節によって複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力することが可能な遊技機の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
音出力手段を搭載し、複数の効果音を出力可能な遊技機において、
遊技者による入力を検知する入力検知手段と、
前記入力検知手段で検知された前記入力に基づいて、最小から最大までの複数段階の音量レベルの中から何れかを設定する音量レベル設定手段と、
予め定められた複数の出力条件の何れかが成立すると、該出力条件に対応して出力する前記効果音を選択する効果音選択手段と、
前記音量レベル設定手段で設定された前記音量レベルに従って、前記効果音選択手段で選択された前記効果音を出力する音量を調節する音量調節手段と
を備え、
前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルは、前記出力条件に応じて異なっている
ことを特徴とする。
上述した本発明の遊技機では、
前記複数の出力条件は、成立頻度が異なっており、
成立頻度が高い前記出力条件であるほど、対応する前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
こととしてもよい。
また、上述した本発明の遊技機では、
遊技盤に形成された遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1通過部と、
前記第1通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第2通過部と、
前記第2通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第3通過部と
を備え、
前記遊技球が前記第1通過部を通過することで成立する第1出力条件に対応する第1効果音は、前記遊技球が前記第2通過部を通過することで成立する第2出力条件に対応する第2効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっており、
前記第2効果音は、前記遊技球が前記第3通過部を通過することで成立する第3出力条件に対応する第3効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
こととしてもよい。
本発明によれば、遊技者の音量調節(音量レベルの選択)によって複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力することが可能となる。
本実施例のパチンコ機1の正面図である。 本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の上大入賞口ユニット60の構成を示す説明図である。 本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示すブロック図である。 セグメント表示部50を拡大して示した説明図である。 演出表示装置41における表示の一態様を例示した説明図である。 主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフロ―チャートである。 サブ制御基板220のCPU221が実行する音量レベル選択処理を示したフローチャートである。 本実施例の演出表示装置41に表示される音量レベルの選択画面を例示した説明図である。 サブ制御基板220のCPU221が実行する上大入賞口効果音処理を示したフローチャートである。 上大入賞口ユニット60への遊技球の入球に伴って出力される各効果音の出力音量を設定の音量レベルに従って調節する例を示した説明図である。 演出表示装置41での図柄変動演出の実行に伴って出力される各効果音の出力音量を設定の音量レベルに従って調節する例を示した説明図である。
上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「1種2種混合機」と呼ばれるタイプのパチンコ機(遊技機)に適用した実施例について説明する。尚、実施例において、「前」および「表」は「遊技機を基準とする前方」、つまり「遊技者に近接する方向(遊技者から見て手前側)」を示し、「後」および「裏」は「遊技機を基準とする後方」、つまり「遊技者から離間する方向(遊技者から見て奥側)」を示す。また、「上」とは遊技者から見て「上」であることを示し、「下」とは遊技者から見て「下」であることを示し、「左」とは遊技者から見て「左」であることを示し、「右」とは遊技者から見て「右」であることを示す。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部には、前面枠4が設けられている。前面枠4は、一端(図1における左側)が中枠3に対して回動可能に軸支されている。中枠3の前面側には遊技盤20(図2参照)が着脱可能に取り付けられており、前面枠4が中枠3に対してパチンコ機1の前方側に回動(開放)されると、遊技盤20が露出した状態となる。中枠3は、一端(図1における左側)が本体枠2に対して回動可能に軸支されている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。
前面枠4の略中央部には窓部4aが形成されており、この窓部4aにはガラス板等の透明板4bが嵌め込まれている。遊技者は、窓部4a(透明板4b)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述する遊技領域を視認可能である。また、前面枠4における窓部4aの右下方には、小窓部4cが形成されており、この小窓部4cには合成樹脂板等の透明板4dが嵌め込まれている。遊技者は、小窓部4c(透明板4d)を通して奥側に配置された遊技盤20の後述するセグメント表示部を視認可能である。
前面枠4における窓部4aの上方には上部ランプ5aが設けられ、窓部4aの右側の周縁部には右サイドランプ5bが設けられ、窓部4aの左側の周縁部には左サイドランプ5cが設けられている。また、窓部4aの上方の左右には一対の上部スピーカー6aが設けられており、本体枠2の下部の前面側には下部スピーカー6bが設けられている。これらの上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c、上部スピーカー6a、および下部スピーカー6bは、遊技上の演出効果を高めるために駆動される。尚、本実施例の上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6bは、本発明の「音出力手段」に相当している。
前面枠4における窓部4aの下方には、上皿部7が設けられている。上皿部7には、カードユニット242(図4参照)を介して貸し出される遊技球や、パチンコ機1から払い出される遊技球が貯留される。また、上皿部7の下方には下皿部8が設けられており、上皿部7の容量を超えて貸し出された遊技球や、上皿部7の容量を超えて払い出された遊技球が貯留される。
前面枠4における下皿部8の右方には、遊技者による回転操作が可能な発射ハンドル9が設けられている。発射ハンドル9の回転軸は、発射ハンドル9の奥側に搭載された発射装置ユニット261(図4参照)に接続されている。この発射装置ユニット261には、上皿部7に貯留された遊技球が供給される。遊技者が発射ハンドル9を回転させると、その回転が発射装置ユニット261に伝達され、発射装置ユニット261に内蔵された発射モーターが作動して、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。
また、上皿部7の手前側の縁部には、遊技者による押下操作が可能な演出ボタン10aが設けられており、下皿部8の左方には、遊技者による押込操作や回転操作が可能なジョグシャトル10bが設けられている。さらに、演出ボタン10aの左方には、遊技者による押圧操作が可能な方向ボタン10cが設けられており、方向ボタン10cは上下左右の4方向にそれぞれ対応する4つのボタン(上ボタン、下ボタン、左ボタン、右ボタン)を備えている。これらの演出ボタン10a、ジョグシャトル10b、および方向ボタン10cは、何れも遊技者によって操作される演出操作部であり、所定の条件成立時に操作されると、所定の遊技演出が行われる。尚、本実施例の方向ボタン10cは、本発明の「入力検知手段」に相当している。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、本実施例の遊技盤20の盤面構成を示す説明図である。前述したように遊技盤20は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤20の中央には略円形状の遊技領域21が形成されている。発射装置ユニット261(図4参照)から発射された遊技球は、外レール22と内レール23との間を通って遊技領域21に放出され、遊技領域21の上方から下方に向かって流下する。遊技領域21は、前面枠4の窓部4a(透明板4b)を通して遊技者に視認されるので、当然ながら、遊技領域21を流下する遊技球の様子も窓部4aを通して遊技者が視認可能である。
遊技領域21の略中央には中央装置40が設けられており、中央装置40は、演出表示装置41を備えている。演出表示装置41は、液晶表示器によって構成されており、その表示画面上には、演出用の種々の画像を表示することが可能である。尚、演出表示装置41の表示内容については別図を用いて後述する。
また、本実施例の中央装置40には、上大入賞口61を備えた上大入賞口ユニット60が演出表示装置41の左方に設置されている。上大入賞口ユニット60の詳細な構成については別図を用いて後述するが、本実施例の上大入賞口ユニット60は、上大入賞口61に遊技球が入球不能な閉鎖状態と、遊技球が入球可能な開放状態とに切り換えることが可能であり、上部の上大入賞口61に入球した遊技球が流下していく様子を遊技者が視認可能となっている。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の左方には、普通図柄作動ゲート27が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過すると、内蔵のゲートセンサー27s(図4参照)によって検知されて、下方へと流下していく。
遊技領域21における中央装置40(演出表示装置41)の下方には、第1始動口24が設けられている。第1始動口24は、上方に向けて開口しており、遊技球の入球可能性が不変(一定)であって、遊技球が常時入球可能になっている。第1始動口24に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第1始動口センサー24s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における第1始動口24の下方には、遊技球の入球可能性が変化可能な第2始動口25が設けられている。本実施例の第2始動口25は、いわゆるチューリップ式であり、左右一対の翼片26を開閉可能に備え、一対の翼片26が略直立して遊技球が入球不能(または入球困難)な閉鎖状態と、一対の翼片26が外側に回動して遊技球が入球可能(または入球容易)な開放状態とに変化可能である。図2では、第2始動口25が閉鎖状態となっている様子が示されている。第2始動口25に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、第2始動口センサー25s(図4参照)によって検知される。
遊技領域21における第2始動口25の下方には、前方に向けて略長方形状に大きく開口した下大入賞口28が設けられている。下大入賞口28は、下端側を軸に上端側を前方に傾けて回動可能な開閉扉29を備えており、開閉扉29が略直立して遊技球が入球不能な閉鎖状態と、開閉扉29が前方に回動して遊技球が入球可能な開放状態とに変化可能である。図2では、下大入賞口28が開放状態となっている様子が示されている。下大入賞口28に入球した遊技球は、通路を通って遊技盤20の裏面側に導かれて、下大入賞口センサー28s(図4参照)によって検知される。
また、上述した各遊技装置の周辺には、遊技球が流下する経路に影響を与える風車型ホイール31や、多数の遊技釘(図2では図示省略)が設けられている。さらに、遊技領域21の最下部には、アウト口33が設けられており、上述した第1始動口24、第2始動口25、下大入賞口28、上大入賞口61の何れにも入球しなかった遊技球は、アウト口33から遊技盤20の裏側に排出される。尚、本実施例のパチンコ機1では、第1始動口24に遊技球が入球した場合は、賞球として5個の遊技球が払い出され、第2始動口25に遊技球が入球した場合は、1個の遊技球が払い出され、下大入賞口28に遊技球が入球した場合は、10個の遊技球が払い出され、上大入賞口61に遊技球が入球した場合は、3個の遊技球が払い出される。
さらに、遊技盤20における遊技領域21の右下方には、複数のLEDの組み合わせによって遊技に係る情報を表示するセグメント表示部50が設けられている。セグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。尚、セグメント表示部50の表示内容については別図を用いて後述する。
図3は、本実施例の上大入賞口ユニット60の構成を示す説明図である。図示されるように上大入賞口ユニット60の上部には、上大入賞口61が上方に向けて開口していると共に、開閉部材62が設置されている。開閉部材62は、左端側を軸に回動可能になっており、図中に破線で示されるように開閉部材62が右側に傾斜して上大入賞口61の上方を覆うことで遊技球の入球を不能とする閉鎖状態と、図中に実線で示されるように開閉部材62が略直立して上大入賞口61への遊技球の入球を可能とする開放状態とに変化可能である。
上大入賞口61に入球した遊技球は、入球通路63に設けられた上大入賞口センサー61sによって検知された後、入球通路63を通って下方のクルーン空間65へと導かれる。クルーン空間65には、3つの円い皿状のクルーン66,67,68が上下方向に並べて設置されている。入球通路63を通ってクルーン空間65に放出された遊技球は、まず1段目の上段クルーン66上を転動する。尚、本実施例の上大入賞口61は、本発明の第1通過部」に相当している。
上段クルーン66には、1つの上段通過口66aと、2つの上段非通過口66bとが設けられている。上段クルーン66上を転動する遊技球が上段非通過口66bに入球すると、遊技盤20の裏面側へと導かれて、上段非通過センサー66t(図4参照)によって検知される。一方、遊技球が上段通過口66aに入球すると、上段通過センサー66s(図4参照)によって検知され、上段クルーン66を通過して2段目の中段クルーン67に向けて放出される。尚、本実施例の上段通過口66aは、本発明の「第2通過部」に相当している。
中段クルーン67には、1つの中段通過口67aと、2つの中段非通過口67bとが設けられている。中段クルーン67上を転動する遊技球が中段非通過口67bに入球すると、遊技盤20の裏面側へと導かれて、中段非通過センサー67t(図4参照)によって検知される。一方、遊技球が中段通過口67aに入球すると、中段通過センサー67s(図4参照)によって検知され、中段クルーン67を通過して3段目の下段クルーン68に向けて放出される。尚、本実施例の中段通過口67aは、本発明の「第3通過部」に相当している。
下段クルーン68には、1つの下段通過口68aと、2つの下段非通過口68bとが設けられている。下段クルーン68上を転動する遊技球が下段非通過口68bに入球すると、遊技盤20の裏面側へと導かれて、下段非通過センサー68t(図4参照)によって検知される。一方、遊技球が下段通過口68aに入球すると、下段通過センサー68s(図4参照)によって検知され、下段クルーン68を通過して遊技盤20の裏面側へと導かれる。尚、後述するように本実施例の下段通過口68aは、特定口(いわゆる「V」)に設定されている。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図4は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されている。機能に着目して大別すると、遊技の基本的な進行に係る制御を司る主制御基板200と、遊技の演出に係る制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御下で画像の表示や音声の出力に係る制御を司る画像音声制御基板230と、サブ制御基板220の制御下でランプの発光に係る制御を司るランプ制御基板226と、遊技球の貸し出しや払い出しに係る制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に係る制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPU(図4におけるCPU201、221、231等)や、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM(図4におけるROM202、222、232等)、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM(図4におけるRAM203、223、233等)、入出力用回路など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
主制御基板200には、第1始動口24へ入球した遊技球を検知する第1始動口センサー24sや、第2始動口25へ入球した遊技球を検知する第2始動口センサー25s、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球を検知するゲートセンサー27s、下大入賞口28へ入球した遊技球を検知する下大入賞口センサー28s、上大入賞口61へ入球した遊技球を検知する上大入賞口センサー61s、クルーン66,67,68の各通過口66a,67a,68aに入球した遊技球を検知する通過センサー66s,67s,68s、各非通過口66b,67b,68bに入球した遊技球を検知する非通過センサー66t,67t,68tなどが接続されている。主制御基板200のCPU201は、第1始動口センサー24sや、第2始動口センサー25s、ゲートセンサー27s、下大入賞口センサー28s、上大入賞口センサー61s、通過センサー66s,67s,68s、非通過センサー66t,67t,68tなどから遊技球の検知信号の入力があると、その検知信号の入力のあったセンサーに対応したコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240などに向けて送信する。
また、主制御基板200には、第2始動口25の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な一対の翼片26を駆動する始動口ソレノイド26mや、下大入賞口28の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉扉29を駆動する下大入賞口ソレノイド29m、上大入賞口61の開放状態と閉鎖状態とを切り換え可能な開閉部材62を駆動する上大入賞口ソレノイド62m、セグメント表示部50などが接続されている。主制御基板200のCPU201は、始動口ソレノイド26m、下大入賞口ソレノイド29m、上大入賞口ソレノイド62m、セグメント表示部50に駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御を行う。
サブ制御基板220には、画像音声制御基板230や、ランプ制御基板226、演出操作基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その内容に応じた遊技演出を行う。すなわち、画像音声制御基板230に対して、表示画像や出力音声を指定するコマンドを送信したり、ランプ制御基板226に対して、上部ランプ5a、右サイドランプ5b、左サイドランプ5c(以下「各種ランプ5a〜5c」ともいう)の発光パターンを指定するコマンドを送信したりすることによって、遊技演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出操作基板228を介して、演出ボタン10aや、ジョグシャトル10b、方向ボタン10c(以下「演出操作部10a,10b,10c」ともいう)に対する遊技者の操作を検知すると、その操作に対応する遊技演出を行う。
画像音声制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、VDP234、画像ROM235、音声ROM236を備えている。画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した画像の表示をVDP234に指示する。VDP234は、指示された画像の表示に利用する画像データ(例えば、スプライトデータや動画データなど)を画像ROM235から読み出して画像を生成し、演出表示装置41の表示画面に出力する。
また、画像音声制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、そのコマンドに対応した音声データを音声ROM236から読み出して、その音声データの信号をアンプ基板224に送信することにより、上部スピーカー6aおよび下部スピーカー6b(以下「各種スピーカー6a,6b」ともいう)から音声を出力する。後述するように本実施例のパチンコ機1では、前述した上大入賞口ユニット60の上大入賞口61に遊技球が入球した際や、3つのクルーン66,67,68の各通過口66a,67a,68aに遊技球が入球した際に、対応する効果音を各種スピーカー6a,6bから出力して遊技興趣を高めるようになっている。さらに、こうした効果音の出力音量を遊技者が好みに合わせて調節可能となっている。
払出制御基板240には、上皿部7に設けられた球貸ボタン241(図1では図示省略)や、パチンコ機1に並設されたカードユニット242、払出モーター243などが接続されている。球貸ボタン241が操作されると、その検知信号は、払出制御基板240を介してカードユニット242に伝達される。カードユニット242は、払出制御基板240とデータを通信しながら、払出モーター243を駆動して遊技球の貸し出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200から遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを受信すると、払出モーター243を駆動して遊技球の払い出しを行う。
また、払出制御基板240には発射制御基板260が接続されており、発射制御基板260には発射装置ユニット261が接続されている。発射装置ユニット261は、遊技球を発射するための発射モーター262や、遊技者が発射ハンドル9に触れていることを検知するタッチスイッチ263などを有している。遊技者が発射ハンドル9に触れていることをタッチスイッチ263で検知すると、発射モーター262の作動が可能となり、発射ハンドル9の回転角度に応じた強さで遊技球を発射する。
B.遊技の概要 :
本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が進行する。上皿部7に遊技球が貯留された状態で遊技者が発射ハンドル9を回転させると、上皿部7に貯留された遊技球が1球ずつ発射装置ユニット261に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域21に向けて発射される。遊技球を打ち出す強さは発射ハンドル9の回転角度に対応するので、遊技者は発射ハンドル9の回転角度を変化させることによって、所望の領域に遊技球を流下させることができる。
遊技領域21を流下する遊技球が第1始動口24に入球して、第1始動口センサー24sによって検知されると、所定の判定乱数(特図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて「大当り」、「小当り」、「外れ」の何れであるかを判定する特図当り判定を行った後、セグメント表示部50にて第1の特別図柄(以下「第1特図」ともいう)の変動表示を行う。また、遊技領域21を流下する遊技球が第2始動口25に入球して、第2始動口センサー25sによって検知されると、判定乱数を取得して特図当り判定を行った後、セグメント表示部50にて第2の特別図柄(以下「第2特図」ともいう)の変動表示を行う。尚、以下では、第1特図と第2特図とを特に区別する必要がない場合には、単に「特別図柄」と称することがある。
図5は、セグメント表示部50を拡大して示した説明図である。前述したようにセグメント表示部50は、前面枠4に設けられた小窓部4c(図1参照)を通して遊技者が視認可能である。図示されるようにセグメント表示部50には、第1特図を表示する第1特図表示部51と、第2特図を表示する第2特図表示部52とが設けられており、それぞれ9個のLEDで構成されている。第1特図および第2特図は、対応する表示部51,52で9個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、所定の組み合わせのLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、特図当り判定の結果が「大当り」であれば、大当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、「小当り」であれば、小当り図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させ、「外れ」であれば、外れ図柄に対応する組み合わせのLEDを点灯させる。
また、第1始動口24または第2始動口25に遊技球が入球しても、第1特図や第2特図の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、第1始動口24への入球で取得した判定乱数の値を第1特図保留として記憶し、第2始動口25への入球で取得した判定乱数の値を第2特図保留として記憶する。その後、特別図柄(第1特図または第2特図)の新たな変動表示の開始条件が満たされると、第1特図保留または第2特図保留に基づいて特図当り判定を行い、対応する特別図柄の変動表示を行う。本実施例のパチンコ機1では、このような第1特図保留および第2特図保留を、それぞれ最大4つまで記憶可能である。
図5に示されるようにセグメント表示部50には、第1特図保留の記憶数(第1特図保留数)を表示する第1特図保留表示部53と、第2特図保留の記憶数(第2特図保留数)を表示する第2特図保留表示部54とが設けられており、それぞれ2個のLEDで構成されている。これらの保留表示部53,54では、保留数が0個であればLEDが2個とも消灯し、保留数が1個であれば1個のLEDが点灯し、保留数が2個であれば2個のLEDが点灯し、保留数が3個であれば1個のLEDが点滅し、保留数が4個であれば、2個のLEDが点滅する。
第1特図または第2特図が大当り図柄で停止表示されると、下大入賞口28が開放状態となる大当り遊技を実行する。また、第1特図または第2特図が小当り図柄で停止表示されると、上大入賞口61が開放状態となる小当り遊技を実行する。そして、小当り遊技中に上大入賞口61に入球した遊技球が、前述した下段クルーン68の下段通過口68aを通過した場合にも、大当り遊技を実行する。すなわち、本実施例の下段通過口68aは、特定口(いわゆる「V」)に設定されている。このように本実施例のパチンコ機1では、大当り遊技を実行する契機が2種類あり、以下では、大当り図柄の停止表示を契機とする大当り遊技を「1種大当り遊技」と呼び、小当り遊技を経て遊技球が特定口(下段通過口68a)を通過したことを契機とする大当り遊技を「2種大当り遊技」と呼ぶ。
1種大当り遊技および2種大当り遊技の何れにおいても、開放した下大入賞口28を、規定個数(例えば9個)の遊技球が入球するか、あるいは所定の開放時間(例えば30秒)が経過したら閉鎖するラウンド遊技が複数回繰り返される。本実施例のパチンコ機1では、複数の大当り図柄と複数の小当り図柄とが設けられており、停止表示された大当り図柄や小当り図柄の種類によって、大当り遊技で行われるラウンド遊技の回数が異なる(例えば、4回、8回、10回)。前述したように下大入賞口28に遊技球が入球すると、賞球として10個の遊技球が払い出されることから、ラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が多い大当り遊技であるほど、遊技者は多量の賞球を獲得することが可能である。
また、前述したように、中央装置40の左方には、普通図柄作動ゲート27が設けられており、遊技領域21を流下する遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過可能である。普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球がゲートセンサー27sによって検知されると、所定の判定乱数(普図当り判定乱数など)を取得し、その判定乱数の値に基づいて普図当りか外れかを判定する普図当り判定を行った後、セグメント表示部50にて普通図柄の変動表示を行う。
図5に示されるようにセグメント表示部50には、普通図柄を表示する普図表示部56が設けられており、左右2個のLEDで構成されている。普通図柄は、普図表示部56で2個のLEDを点滅させる(点灯させるLEDを切り換える)ことによって変動表示され、一方のLEDを点灯させた状態で停止表示される。このとき、普図当り判定の結果が普図当りであれば、普図当り図柄に対応する左側のLEDを点灯させ、外れであれば、外れ図柄に対応する右側のLEDを点灯させる。そして、普通図柄が普図当り図柄で停止表示された場合は、第2始動口25が所定時間だけ開放状態となった後に閉鎖状態に戻る普図当り遊技が行われるので、第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
また、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過しても、普通図柄の変動表示中などで新たな変動表示の開始条件が満たされていない場合には、取得した判定乱数の値を普図保留として最大4つまで記憶することが可能である。その後、普通図柄の新たな変動表示の開始条件が満たされると、普図保留に基づいて普図当り判定や、普通図柄の変動表示を行う。図5に示されるようにセグメント表示部50には、2個のLEDで構成された普図保留表示部57が設けられており、普図保留の記憶数(普図保留数)は普図保留表示部57に表示される。
普図当り遊技における第2始動口25の開放時間は、「電サポ状態」であるか「非電サポ状態」であるかで異なる。電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口25の開放時間が長く設定される。また、電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り判定の結果が普図当りとなる確率(普図当り確率)が高く、且つ、普通図柄の変動時間が短く設定される。従って、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて第2始動口25に遊技球が入球する可能性(すなわち、第2特図の変動表示が行われる可能性)が高まる。
本実施例のパチンコ機1では、1種大当り遊技および2種大当り遊技の何れであっても、大当り遊技の終了後に電サポ状態が設定される。そして、電サポ状態で行われた特別図柄の変動回数が所定回数(例えば50回)に達すると非電サポ状態に設定される。図5に示されるようにセグメント表示部50には、3個のLEDで構成された電サポ表示部58が設けられており、電サポ表示部58で3個のLEDを点灯することで電サポ状態中であることを表す。
また、前述した特別図柄(第1特図および第2特図)の変動表示と連動して、演出表示装置41では、演出用の種々の画像が表示される。図6は、演出表示装置41における表示の一態様を例示した説明図である。演出表示装置41の表示画面上には、演出用の図柄として3つの装飾図柄41a,41b,41cや、その背景となる背景画像41dなどを表示可能である。セグメント表示部50の第1特図表示部51あるいは第2特図表示部52で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置41においても、装飾図柄41a,41b,41cが複数の数字(例えば「1」〜「9」の9つの数字)を次々と切り換えて変動表示する演出(以下「図柄変動演出」ともいう)が行われる。尚、装飾図柄は、数字以外にも、文字、図形、記号等を意匠化した図柄であってもよく、遊技者が種類を識別できる形態であればよい。
図6(a)には、3つの装飾図柄41a,41b,41cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左装飾図柄41aが「1」〜「9」の何れかで停止表示され、次に右装飾図柄41cが停止表示され、最後に中装飾図柄41bが停止表示される。そして、3つの装飾図柄41a,41b,41cは、特別図柄(第1特図または第2特図)が外れ図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃わない組み合わせ(バラケ目)で停止表示され、特別図柄が小当り図柄で停止表示される場合は、特殊な組み合わせ(特殊目、例えば「2−4−6」)で停止表示され、特別図柄が大当り図柄で停止表示される場合は、同じ数字で揃った組み合わせ(ゾロ目)で停止表示される。
こうして演出表示装置41における装飾図柄41a,41b,41cの表示内容を、特別図柄の表示内容と対応させることにより、図6(b)に示されるように3つの装飾図柄のうち2つが停止表示されたときに同じ数字であると、最後に停止表示される装飾図柄も同じ数字で揃うのではないかと、遊技者は装飾図柄の変動表示(図柄変動演出)を注視することになる。このように2つの装飾図柄が同じ図柄で停止表示された状態で最後の装飾図柄を変動表示させながら行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、リーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能である。また、こうしたリーチ演出には、通常のリーチ演出(ノーマルリーチ演出)と、ノーマルリーチ演出よりも長期間に亘るリーチ演出(スーパーリーチ演出)とが設けられており、スーパーリーチ演出に発展することによって、装飾図柄41a,41b,41cがゾロ目で停止表示される可能性(大当り信頼度)が高いことを示唆する。
C.本実施例のパチンコ機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図7は、主制御基板200のCPU201が、遊技の進行に係る制御として行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフロ―チャートである。主制御基板200のCPU201は、所定周期で(例えば、4msec毎に)発生するタイマ割り込みに基づいて図7の遊技制御処理を実行する。尚、以下の説明では、CPU201の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、まず、出力処理(S10)を行う。本実施例の主制御基板200では、後述する各処理においてサブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて送信する各種コマンドを、RAM203に確保された出力バッファに一旦記憶するようになっており、出力処理(S10)では、出力バッファに記憶されている各種コマンドを各種制御基板に向けて送信する。こうすることにより、例えば、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われ、払出制御基板240では、遊技球の払い出しが行われることになる。
主制御基板200のCPU201は、出力処理(S10)に続いて、入力処理(S20)を行う。前述したように、第1始動口24、第2始動口25、下大入賞口28、上大入賞口61の何れかに遊技球が入球すると、賞球として遊技球を払い出すようになっている。そこで、入力処理(S20)では、賞球に関わる入球を検知する各種センサー(第1始動口センサー24s、第2始動口センサー25s、下大入賞口センサー28s、上大入賞口センサー61sなど)について、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、遊技球を検知した場合は、遊技球の払い出しを指示する払出コマンドを、上述した出力バッファに記憶する。こうして出力バッファに記憶された払出コマンドは、次回の出力処理(S10)で払出制御基板240に向けて送信される。
また、本実施例のパチンコ機1では、前述した上大入賞口ユニット60の上大入賞口61に遊技球が入球した際や、3つのクルーン66,67,68の各通過口66a,67a,68aを遊技球が通過した際に、対応する効果音を各種スピーカー6a,6bから出力するようになっている。そこで、入力処理(S20)では、上大入賞口センサー61s、上段通過センサー66s、中段通過センサー67s、下段通過センサー68sについて、遊技球を検知したか否かを判断する。そして、上大入賞口センサー61sで遊技球を検知した場合は、上大入賞口61への遊技球の入球を示す上大入賞口入球コマンドを出力バッファに記憶し、通過センサー66s,67s,68sの何れかで遊技球を検知した場合は、対応する通過口66a,67a,68aにおける遊技球の通過を示す通過コマンド(上段通過コマンド、中段通過コマンド、下段通過コマンド)を出力バッファに記憶する。これらのコマンドは、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信される。
入力処理(S20)を終了すると、次に、乱数更新処理(S30)を行う。前述したように、普図当り判定や特図当り判定は、所定の判定乱数の値に基づいて行われる。また、これ以外にも、後述する各種の決定が専用の乱数の値に基づいて行われる。乱数更新処理(S30)では、これらの乱数の更新を行う。尚、乱数の更新は、遊技制御処理の中の乱数更新処理(S30)においてだけでなく、遊技制御処理を一旦終了してから次回の遊技制御処理を開始する(タイマ割り込みが発生する)までの間に行うこととしてもよい。また、乱数更新のための専用回路を設けて、この専用回路で乱数を更新してもよい。
乱数更新処理(S30)を終了したら、ゲートセンサー検知処理(S40)を行う。ゲートセンサー検知処理(S40)では、普通図柄作動ゲート27を通過する遊技球をゲートセンサー27sで検知すると、普図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、普図当り判定乱数などを取得し、取得した乱数値を普図保留としてRAM203に記憶する。
ゲートセンサー検知処理(S40)に続いて、始動口センサー検知処理(S50)を行う。始動口センサー検知処理(S50)では、第1始動口24に入球した遊技球を第1始動口センサー24sで検知すると、第1特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第1特図保留としてRAM203に記憶する。また、第2始動口25に入球した遊技球を第2始動口センサー25sで検知すると、第2特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断して、達していなければ、所定の判定乱数を取得し、取得した乱数値を第2特図保留としてRAM203に記憶する。ここで、判定乱数としては、特図当り判定を行うための特図当り判定乱数や、大当りや小当りの場合に特別図柄で停止表示する大当り図柄や小当り図柄の種類を決定するための図柄決定乱数や、特別図柄の変動表示の開始から停止表示までの変動パターンを決定するための変動パターン決定乱数などを取得する。
始動口センサー検知処理(S50)を終了すると、次に、特定口センサー検知処理(S60)を行う。前述したように本実施例の下段クルーン68に設けられた下段通過口68aは、特定口(いわゆる「V」)に設定されており、特定口センサー検知処理(S60)では、下段通過口68aに入球した遊技球を下段通過センサー68sで検知すると、V入賞フラグがONに設定されているか否かを判断して、ONに設定されていなければ、V入賞フラグをONに設定する。V入賞フラグとは、遊技球が特定口(下段通過口68a)を通過したことを示すフラグであり、主制御基板200のRAM203にV入賞フラグの記憶領域が確保されている。前述したように小当り遊技で開放状態の上大入賞口61に入球した遊技球は、3つのクルーン66,67,68が設置されたクルーン空間65に放出されるようになっており、複数の遊技球が下段通過口68aに入球した場合は、最先の遊技球が下段通過センサー68sで検知された時点でV入賞フラグがONに設定される。
特定口センサー検知処理(S60)を終了すると、普通動作処理(S70)を行う。普通動作処理(S70)では、主に次のような処理を行う。まず、普通図柄の変動表示中または普図当り遊技の実行中であるか否かを判断する。普通図柄の変動表示中および普図当り遊技の実行中の何れでもない場合は、普通図柄の停止表示から所定の確定時間が経過していることを確認した後、普図保留数が「0」であるか否かを判断する。普図保留数が「0」でなければ(普図保留が記憶されていれば)、最先に記憶された普図保留を読み出し、その読み出した普図保留(普図当り判定乱数の値)に基づいて普図当り判定を行う。この普図当り判定では、普図保留として読み出した普図当り判定乱数の値が所定の当り値であれば、普図当りと判定し、当り値以外の外れ値であれば、外れと判定する。尚、前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普図当り確率が高く(当り値が多く)設定され、例えば、非電サポ状態では普図当り確率が100分の1に設定されるのに対して、電サポ状態では普図当り確率が100分の99に設定される。
そして、普図当り判定の結果に基づき、普通図柄を普図当り図柄で停止表示するか、外れ図柄で停止表示するかを決定する。さらに普通図柄の変動時間を設定して、普通図柄の変動表示を開始すると共に、普図保留数から「1」を減算する。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも普通図柄の変動時間が短く設定され、例えば、非電サポ状態では変動時間が20秒に設定されるのに対して、電サポ状態では変動時間が1秒に設定される。
普通図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断して、変動時間が経過すると、決定しておいた普図当り図柄または外れ図柄で普通図柄を停止表示する。そして、確定時間の経過を待って、停止表示された普通図柄が外れ図柄である場合は、再び普通図柄の変動表示を開始する処理を行う。一方、停止表示された普通図柄が普図当り図柄である場合は、普図当り遊技を開始する。
普図当り遊技中は、始動口ソレノイド26mを駆動して第2始動口25を開放状態とした後、開放時間が経過したら閉鎖状態に戻す処理を行う。前述したように電サポ状態では、非電サポ状態よりも第2始動口25の開放時間が長く設定され、例えば、非電サポ状態では開放時間が0.3秒(0.1秒×3回開放)に設定されるのに対して、電サポ状態では開放時間が4.5秒(1.5秒×3回開放)に設定される。
普通動作処理(S70)を終了したら、続いて、特別動作処理(S80)を行う。特別動作処理(S80)では、主に次のような処理を行う。まず、特別図柄(第1特図または第2特図)の変動表示中、特別図柄の確定表示中、大当り遊技中、小当り遊技中の何れかであるか否かを判断する。これらの何れでもない場合は、第1特図保留および第2特図保留数が「0」であるか否かを判断し、第1特図保留または第2特図保留数が「0」でなければ、特図保留として記憶されている前述した各種の判定乱数(特図当り判定乱数、図柄決定乱数、変動パターン決定乱数)の値を読み出す。本実施例のパチンコ機1では、まず第2特図保留が記憶されていれば、最先に記憶された第2特図保留を読み出し、第2特図保留が記憶されていなければ、最先に記憶された第1特図保留を読み出す(第2特図保留を優先消化する)ようになっている。
こうして第2特図保留または第1特図保留として読み出した特図当り判定乱数の値に基づいて特図当り判定を行う。特図当り判定では、読み出した特図当り判定乱数の値が「大当り」に対応する値(大当り値)であれば、大当りと判定し、「小当り」に対応する値(小当り値)であれば、小当りと判定し、「外れ」に対応する値(外れ値)であれば、外れと判定する。このような特図当り判定では、例えば、判定結果が大当りとなる確率(大当り確率)が約200分の1に設定され、判定結果が小当りとなる確率(小当り確率)が約10分の1に設定される。
そして、特図当り判定の結果が大当りであれば、停止表示する大当り図柄を決定する。前述したように大当り図柄は複数設けられており、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数の値に基づいて何れかの大当り図柄を決定する。一方、特図当り判定の結果が小当りであれば、停止表示する小当り図柄を決定する。前述したように小当り図柄も複数設けられており、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数の値に基づいて何れかの小当り図柄を決定する。また、特図当り判定の結果が外れであれば、停止表示する図柄(停止図柄)として外れ図柄を決定する。
こうして特別図柄の停止図柄を決定したら、特別図柄の変動パターンを決定する。変動パターンとは、特別図柄(第1特図または第2特図)が変動表示を開始してから停止表示するまでの時間(変動時間)を識別するためのものであり、複数設けられた変動パターンは、互いに設定されている変動時間が異なっている。変動パターンの決定は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数の値に基づいて行われ、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて変動時間が短めの変動パターンが決定され易くなっている。
変動パターンを決定すると、特別図柄の変動表示を開始すると共に、第2特図であれば第2特図保留数から「1」を減算し、第1特図であれば第1特図保留数から「1」を減算する。また、特別図柄の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドや、停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドをRAM203の出力バッファに記憶する。これらのコマンドは、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信される。サブ制御基板220のCPU221は、これらのコマンドを受信することで、特別図柄の変動表示に合わせて演出表示装置41で図柄変動演出を実行する。
特別図柄の変動表示中である場合は、変動時間が経過したか否かを判断する。前述したように特別図柄の変動時間は、変動パターンに設定されており、変動時間が経過すると、決定しておいた停止図柄(大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れか)で特別図柄を停止表示する。また、停止表示した特別図柄を確定表示しておく時間(確定時間)を設定する。さらに、特別図柄の停止表示を示す変動停止コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、変動停止コマンドを受信すると、演出表示装置41での図柄変動演出を終了する。
特別図柄の確定表示中は、確定時間が経過したか否かを判断し、確定時間が経過したら、確定表示された特別図柄が大当り図柄、小当り図柄、外れ図柄の何れであるかを判断する。その結果、外れ図柄であった場合は、電サポ状態であるか否かを判断し、電サポ状態であれば、電サポ状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が所定回数(例えば50回)に達すると、電サポ状態を終了して非電サポ状態に設定する。
一方、確定表示された特別図柄が小当り図柄であった場合は、小当り遊技における上大入賞口61の開放パターン(開放回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定する。例えば、上大入賞口61が0.3秒開放し、0.5秒閉鎖する開閉を14回繰り返すように開放パターンを設定する。こうして上大入賞口61の開放パターンを設定したら、小当り遊技を開始する。また、小当り遊技の開始を示す小当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
これに対して、確定表示された特別図柄が大当り図柄であった場合は、1種大当り遊技における下大入賞口28の開放パターン(ラウンド回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定して、1種大当り遊技を開始する。前述したように停止表示(確定表示)された大当り図柄の種類に応じて第1大当り遊技におけるラウンド回数が異なっている。また、1種大当り遊技の開始を示す1種大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
小当り遊技中は、上大入賞口ソレノイド62mを制御して、設定された開放パターンに従って上大入賞口61の開放状態と閉鎖状態とを切り換える。そして、上大入賞口61の開閉動作が全て終了したら、小当り遊技を終了する。また、小当り遊技の終了を示す小当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
さらに、小当り遊技の終了時には、遊技球が特定口(下段通過口68a)を通過したことを示す前述したV入賞フラグがONに設定されているか否かを判断する。そして、V入賞フラグがONに設定されている場合は、2種大当り遊技における下大入賞口28の開放パターン(ラウンド回数、開放時間、閉鎖時間など)を設定して、2種大当り遊技を開始すると、V入賞フラグをOFFに設定する。前述したように停止表示(確定表示)された小当り図柄の種類に応じて第2大当り遊技におけるラウンド回数が異なっている。また、2種大当り遊技の開始を示す2種大当り遊技開始コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。
一方、小当り遊技の終了時にV入賞フラグがOFFに設定されている場合は、2種大当り遊技を開始することなく、電サポ状態であるか否かを判断し、電サポ状態であれば、電サポ状態中の特別図柄の変動回数を計数する。そして、計数した変動回数が所定回数に達すると、非電サポ状態に設定する。
大当り遊技(1種大当り遊技または2種大当り遊技)中は、下大入賞口ソレノイド29mを駆動して下大入賞口28を開放状態とすることでラウンド遊技を開始する。その後、下大入賞口28に規定個数の遊技球が入球するか、あるいは開放時間が経過すると、下大入賞口28を閉鎖状態としてラウンド遊技を終了し、閉鎖時間の経過を待って次のラウンド遊技を開始する。そして、設定されたラウンド回数を全て消化したら、大当り遊技を終了する。また、大当り遊技の終了を示す大当り遊技終了コマンドをRAM203の出力バッファに記憶しておき、次回の出力処理(S10)でサブ制御基板220に向けて送信する。さらに、大当り遊技の終了時には、遊技状態を電サポ状態に設定する。
こうして特別動作処理(S80)を終了したら、図7の遊技制御処理を一旦終了し、4msec毎のタイマ割り込みが発生すると、再び図7の遊技制御処理を実行する。主制御基板200のCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、パチンコ機1での遊技を進行させる。また、主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を実行する中で各種コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する。そして、サブ制御基板220のCPU221は、受信したコマンドに基づいて具体的な演出の内容を決定し、演出表示装置41、各種スピーカー6a,6b、各種ランプ5a〜5c、演出操作部10a,10b,10cを用いた様々な遊技演出を実行している。特に、本実施例のパチンコ機1では、前述した上大入賞口ユニット60への遊技球の入球に伴い、遊技興趣を高めるために各種スピーカー6a,6bから効果音を出力することが可能であると共に、各種スピーカー6a,6bからの出力音量を遊技者が好みに合わせて調節可能となっている。以下では、これらに関連してサブ制御基板220のCPU221が実行する処理について説明する。
C−2.音量レベル選択処理 :
図8は、サブ制御基板220のCPU221が実行する音量レベル選択処理を示したフローチャートである。本実施例のパチンコ機1では、演出表示装置41で図柄変動演出が行われないまま所定時間が経過することで、演出表示装置41の表示がデモ画面に切り換わり、そのデモ画面中に遊技者による演出ボタン10aの操作が検知されると、この音量レベル選択処理が実行される。サブ制御基板220のCPU221は、音量レベル選択処理を開始すると、まず、音量レベルの選択画面を演出表示装置41に表示する(S100)。
図9は、本実施例の演出表示装置41に表示される音量レベルの選択画面を例示した説明図である。演出表示装置41の表示が音量レベルの選択画面に切り換わると、遊技者に音量レベルの選択が可能であることを報知する表示(図中の「音量レベルを選択できます」)と共に、最小の音量レベル1から最大の音量レベル6までの6段階の音量レベルが表示される。尚、音量レベルは、6段階に限られず、複数段階であればよい。
図9の例では、縦長の6本のバー表示の長さが音量レベルの大きさに対応しており、音量レベル4が選択されている状態が示されている。また、方向ボタン10cの上ボタンまたは下ボタンの操作によって音量レベルの選択が変更されることや、演出ボタン10aの操作によって音量レベルの選択が決定(確定)されることが合わせて表示される。尚、音量レベルの表示態様はバー表示に限られず、遊技者が音量レベルの違いを識別可能な表示態様であればよい。
図8の音量レベル選択処理では、音量レベルの選択画面を演出表示装置41に表示すると、方向ボタン10cの上ボタンまたは下ボタンの操作を検知したか否かを判断する(S101)。上ボタンまたは下ボタンの操作を検知した場合は(S101:yes)、音量レベルの選択を変更する(S102)。例えば、上ボタンが操作されると、音量レベルを大きくし、下ボタンが操作されると、音量レベルを小さくする。
一方、上ボタンおよび下ボタンの何れの操作も検知していない場合は(S101:no)、S102の処理を省略して、次に、演出ボタン10aの操作を検知したか否かを判断する(S103)。演出ボタン10aの操作を検知した場合は(S103:yes)、選択中の音量レベルを確定(設定)する(S104)。そして、演出表示装置41の表示をデモ画面に戻し(S105)、図8の音量レベル選択処理を終了する。尚、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「音量レベル設定手段」に相当している。
これに対して、演出ボタン10aの操作を検知していない場合は(S103:no)、続いて、所定の選択有効期間(例えば30秒)が経過したか否かを判断する(S106)。未だ選択有効期間が経過していない場合は(S106:no)、S101の処理に戻って、方向ボタン10cの上ボタンまたは下ボタンの操作を検知したか否かを再び判断する。
その後、演出ボタン10aの操作を検知するか(S103:yes)、選択有効期間が経過した場合は(S106:yes)、選択中の音量レベルを確定(設定)して(S104)、演出表示装置41の表示をデモ画面に戻すと(S105)、図8の音量レベル選択処理を終了する。尚、演出表示装置41の表示がデモ画面中であれば、遊技者は演出ボタン10aを操作することによって、音量レベルを選択し直すことが可能である。
C−3.上大入賞口効果音処理 :
図10は、サブ制御基板220のCPU221が実行する上大入賞口効果音処理を示したフローチャートである。この上大入賞口効果音処理は、所定周期で発生するタイマ割り込みに基づいて行われる。尚、以下の説明では、CPU221の初期化処理や、割り込み禁止処理、割り込み許可処理などの周知の処理については説明を省略する。
サブ制御基板220のCPU221は、上大入賞口効果音処理を開始すると、まず、主制御基板200から上大入賞口入球コマンドを受信したか否かを判断する(S120)。前述したように上大入賞口入球コマンドは、上大入賞口61への遊技球の入球を示すコマンドであり、上大入賞口入球コマンドを受信した場合は(S120:yes)、効果音として上大入賞口入球音を選択する(S121)。尚、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「効果音選択手段」に相当している。また、本実施例の上大入賞口入球音は、本発明の「第1効果音」に相当している。
上大入賞口入球コマンドを受信していない場合は(S120:no)、続いて、主制御基板200から上段通過コマンドを受信したか否かを判断する(S122)。上段通過コマンドは、上段クルーン66の上段通過口66aにおける遊技球の通過を示すコマンドであり、上段通過コマンドを受信した場合は(S122:yes)、効果音として上段通過音を選択する(S123)。尚、本実施例の上段通過音は、本発明の「第2効果音」に相当している。
上段通過コマンドを受信していない場合は(S122:no)、次に、主制御基板200から中段通過コマンドを受信したか否かを判断する(S124)。中段通過コマンドは、中段クルーン67の中段通過口67aにおける遊技球の通過を示すコマンドであり、中段通過コマンドを受信した場合は(S124:yes)、効果音として中段通過音を選択する(S125)。尚、本実施例の中段通過音は、本発明の「第3効果音」に相当している。
中段通過コマンドを受信していない場合は(S124:no)、さらに、主制御基板200から下段通過コマンドを受信したか否かを判断する(S126)。下段通過コマンドは、下段クルーン68の下段通過口68aにおける遊技球の通過を示すコマンドであり、本実施例の下段通過口68aは、特定口(いわゆる「V」)に設定されている。そこで、下段通過コマンドを受信した場合は(S126:yes)、効果音としてV通過音を選択する(S127)。
こうして主制御基板200から受信したコマンドに応じて効果音を選択すると、前述した図8の音量レベル選択処理で設定された音量レベルに従って、効果音の出力音量を調節する(S128)。本実施例のパチンコ機1では、同じ音量レベルに設定されていても、全ての効果音の出力音量が均一に調節されるわけではなく、効果音毎に出力音量が調節されるため、消音される効果音と消音されない効果音とが生じる場合がある。尚、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「音量調節手段」に相当している。
図11は、上大入賞口ユニット60への遊技球の入球に伴って出力される各効果音の出力音量を設定の音量レベルに従って調節する例を示した説明図である。前述したように、特別図柄(第1特図または第2特図)が小当り図柄で停止表示された場合に、上大入賞口61が開放状態となる小当り遊技が実行され、その上大入賞口61に遊技球が入球すると、上大入賞口入球音が出力される。特に、電サポ状態では、第2特図の変動表示が頻繁に行われて小当り遊技が発生し易いため、上大入賞口61への遊技球の入球頻度が高まり、上大入賞口入球音の出力頻度も高まる。
そして、上大入賞口61に入球した遊技球は、上段クルーン66に放たれ、上段通過口66aを通過すると、上段通過音が出力される。また、上段通過口66aを通過した遊技球は、中段クルーン67に放たれ、中段通過口67aを通過すると、中段通過音が出力される。さらに、中段通過口67aを通過した遊技球は、下段クルーン68に放たれ、下段通過口68aを通過すると、V通過音が出力される。このように、効果音の出力条件の成立頻度としては、上大入賞口61への遊技球の入球が最も高く、上段通過口66aの通過、中段通過口67aの通過の順に低くなり、下段通過口68aの通過が最も低くなっている。従って、効果音の出力頻度は、上大入賞口入球音が最も高く、上段通過音、中段通過音の順に低くなり、V通過音が最も低くなる。
これらの効果音は、設定の音量レベルに従って、「消音」、「小音量」、「中音量」、「大音量」の何れかに出力音量が調節される。図11の例では、まず、音量レベル6であれば、上大入賞口入球音および上段通過音が「中音量」に調節され、中段通過音およびV通過音が「大音量」に調節される。次に、音量レベル5であれば、上大入賞口入球音が「小音量」に調節され、上段通過音および中段通過音が「中音量」に調節され、V通過音が「大音量」に調節される。
また、音量レベル4であれば、上大入賞口入球音が「消音」に調節され、上段通過音が「小音量」に調節され、中段通過音およびV通過音が「中音量」に調節される。音量レベル3であれば、上大入賞口入球音および上段通過音が「消音」に調節され、中段通過音が「小音量」に調節され、V通過音が「中音量」に調節される。音量レベル2であれば、上大入賞口入球音、上段通過音、中段通過音の何れも「消音」に調節され、V通過音だけが「小音量」に調節される。そして、音量レベル1であれば、上大入賞口入球音、上段通過音、中段通過音、V通過音の全てが「消音」に調節される。
このように消音に調節される音量レベルが効果音毎に異なっているため、例えば、電サポ状態における小当り遊技で頻繁に出力される上大入賞口入球音を遊技者が煩わしく感じるのであれば、音量レベル4を選択することで、上大入賞口入球音を消音することができる。この場合でも、上大入賞口入球音に比べて出力頻度が低い上段通過音、中段通過音、V通過音については出力が可能である。また、遊技者が上大入賞口入球音だけでなく上段通過音も煩わしく感じるのであれば、音量レベル3に下げることで、上大入賞口入球音および上段通過音を消音することができる。さらに、音量レベル2に下げることで、上大入賞口61に遊技球が入球しても、中段通過音までを消音して、効果音の出力をV通過音に限定することも可能である。
図10の上大入賞口効果音処理では、S128の処理で音量レベルに従って効果音の出力音量を調節すると、その調節された音量で各種スピーカー6a,6bから効果音を出力して(S129)、図10の上大入賞口効果音処理を終了する。尚、消音に調節された場合は、効果音が選択されていても、各種スピーカー6a,6bから効果音が出力されることはない。
一方、S126の判断において、下段通過コマンドを受信していない場合は(S126:no)、上大入賞口入球コマンド、上段通過コマンド、中段通過コマンド、下段通過コマンドの何れも受信していないので、S127〜S129の処理を省略し、何れの効果音も出力することなく、図10の上大入賞口効果音処理を終了する。そして、所定周期でタイマ割り込みが発生すると、再び図10の上大入賞口効果音処理を実行する。
以上に説明したように本実施例のパチンコ機1では、音量レベル1から音量レベル6の6段階の中から何れかの音量レベルを遊技者による方向ボタン10cの操作に基づいて設定することが可能であり、上大入賞口ユニット60への遊技球の入球に伴って出力される複数の効果音の出力音量を、設定の音量レベルに従って調節するようになっている。そして、出力音量が消音に調節される音量レベルは、効果音毎に(効果音の出力条件に応じて)異なっている。このようにすれば、遊技者が自らの操作で音量レベルを適切に選択することにより、複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力することが可能となる。
特に、本実施例のパチンコ機1では、効果音の出力頻度(出力条件の成立頻度)が高いほど、その効果音の出力音量が消音に調節される音量レベルが大きくなっている。このため、出力条件の成立頻度が高く頻繁に出力されて遊技者が煩わしく感じ易い効果音については、消音することで遊技者の煩わしさを軽減することが可能でありながら、出力条件の成立頻度が低く出力が稀な効果音については、消音せずに出力することで遊技興趣を高めることが可能となる。
具体的には、電サポ状態における小当り遊技で上大入賞口61への遊技球の入球は成立頻度が高く、頻繁に出力される上大入賞口入球音については、音量レベル4で消音されるので、遊技者の煩わしさを軽減することができる。これに対して、上段通過口66aや中段通過口67aにおける遊技球の通過は成立頻度が低く、出力されることが少ない上段通過音や中段通過音については、音量レベル3や音量レベル2まで下げなければ消音されない(出力される)ので、遊技興趣を高めることが可能となる。
D.変形例 :
以上、本実施例のパチンコ機1について説明したが、実施態様はこれに限られるわけではなく、次のような変形例の態様で実施することも可能である。尚、変形例の説明にあたっては、上述した実施例と同様の構成部分については、実施例と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
上述した実施例では、上大入賞口ユニット60の上大入賞口61に遊技球が入球した際や、3つのクルーン66,67,68の各通過口66a,67a,68aを遊技球が通過した際に、対応する効果音(上大入賞口入球音、上段通過音、中段通過音、V通過音)を出力する例について説明した。しかし、設定の音量レベルに従って出力音量が調節される効果音は、上大入賞口ユニット60への遊技球の入球に伴って出力されるものに限られず、演出表示装置41で装飾図柄41a,41b,41cを変動表示させる図柄変動演出の実行に伴って出力される効果音であってもよい。
図12は、演出表示装置41での図柄変動演出の実行に伴って出力される各効果音の出力音量を設定の音量レベルに従って調節する例を示した説明図である。前述したように、特別図柄(第1特図および第2特図)の変動表示と連動して、演出表示装置41では図柄変動演出が実行され、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示を開始する際に、変動開始音が出力される。特に、電サポ状態では、第2特図の変動表示が頻繁に行われるため、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示の開始頻度が高まり、変動開始音の出力頻度も高まる。
そして、3つの装飾図柄41a,41b,41cのうち2つが同じ図柄で停止表示されてリーチ演出が発生すると、リーチ発生音が出力される。また、ノーマルリーチ演出よりも大当り信頼度が高いスーパーリーチ演出に発展すると、スーパーリーチ発展音が出力される。さらに、3つの装飾図柄41a,41b,41cが同じ数字で揃ったゾロ目で停止表示されると、大当り停止音が出力される。このように、効果音の出力条件の成立頻度としては、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示の開始が最も高く、リーチ演出の発生、スーパーリーチ演出への発展の順に低くなり、ゾロ目での停止表示が最も低くなっている。従って、効果音の出力頻度は、変動開始音が最も高く、リーチ発生音、スーパーリーチ発展音の順に低くなり、大当り停止音が最も低くなる。
これらの効果音は、設定の音量レベルに従って、「消音」、「小音量」、「中音量」、「大音量」の何れかに出力音量が調節される。図12の例では、まず、音量レベル6であれば、変動開始音およびリーチ発生音が「中音量」に調節され、スーパーリーチ発展音および大当り停止音が「大音量」に調節される。次に、音量レベル5であれば、変動開始音が「小音量」に調節され、リーチ発生音およびスーパーリーチ発展音が「中音量」に調節され、大当り停止音が「大音量」に調節される。
また、音量レベル4であれば、変動開始音が「消音」に調節され、リーチ発生音が「小音量」に調節され、スーパーリーチ発展音および大当り停止音が「中音量」に調節される。音量レベル3であれば、変動開始音およびリーチ発生音が「消音」に調節され、スーパーリーチ発展音が「小音量」に調節され、大当り停止音が「中音量」に調節される。音量レベル2であれば、変動開始音、リーチ発生音、スーパーリーチ発展音の何れも「消音」に調節され、大当り停止音だけが「小音量」に調節される。そして、音量レベル1であれば、変動開始音、リーチ発生音、スーパーリーチ発展音、大当り停止音の全てが「消音」に調節される。
このように消音に調節される音量レベルが効果音毎に異なっているため、例えば、電サポ状態における第2特図の変動表示に伴って頻繁に出力される変動開始音を遊技者が煩わしく感じるのであれば、音量レベル4を選択することで、変動開始音を消音することができる。この場合でも、変動開始音に比べて出力頻度が低いリーチ発生音、スーパーリーチ発展音、大当り停止音については出力が可能である。また、遊技者が変動開始音だけでなくリーチ発生音も煩わしく感じるのであれば、音量レベル3に下げることで、変動開始音およびリーチ発生音を消音することができる。さらに、音量レベル2に下げることで、装飾図柄41a,41b,41cの変動表示が行われても、スーパーリーチ発展音までを消音して、効果音の出力を大当り停止音に限定することも可能である。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、音量レベルの表示を、演出表示装置41における音量レベルの選択画面で行うようになっていた(図9参照)。しかし、音量レベルの表示は、これに限られず、複数のLEDで構成された専用の表示部を前面枠4などに設けておくこととして、設定の音量レベルに応じてLEDを点灯してもよい。そして、遊技者が方向ボタン10cなどを操作することで、音量レベルを選択可能としてもよい。
また、前述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明した。これに限らず、「遊技球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入球口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入球口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。
<上述した実施例から抽出できる遊技機A1〜A3>
上述した実施例のパチンコ機1は、次のような遊技機A1〜A3として捉えることができる。
<遊技機A1>
音出力手段を搭載し、複数の効果音を出力可能な遊技機において、
遊技者による入力を検知する入力検知手段と、
前記入力検知手段で検知された前記入力に基づいて、最小から最大までの複数段階の音量レベルの中から何れかを設定する音量レベル設定手段と、
予め定められた複数の出力条件の何れかが成立すると、該出力条件に対応して出力する前記効果音を選択する効果音選択手段と、
前記音量レベル設定手段で設定された前記音量レベルに従って、前記効果音選択手段で選択された前記効果音を出力する音量を調節する音量調節手段と
を備え、
前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルは、前記出力条件に応じて異なっている
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A1によれば、遊技者が自らの入力で音量レベルを適切に選択することにより、複数の効果音のうち何れかを消音しつつ、他の効果音については消音せずに出力することが可能となる。
<遊技機A2>
遊技機A1において、
前記複数の出力条件は、成立頻度が異なっており、
成立頻度が高い前記出力条件であるほど、対応する前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A2では、出力条件の成立頻度が高く頻繁に出力されて遊技者が煩わしく感じ易い効果音については、消音することで遊技者の煩わしさを軽減することが可能でありながら、出力条件の成立頻度が低く出力が稀な効果音については、消音せずに出力することで遊技興趣を高めることが可能となる。
<遊技機A3>
遊技機A2において、
遊技盤に形成された遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1通過部と、
前記第1通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第2通過部と、
前記第2通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第3通過部と
を備え、
前記遊技球が前記第1通過部を通過することで成立する第1出力条件に対応する第1効果音は、前記遊技球が前記第2通過部を通過することで成立する第2出力条件に対応する第2効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっており、
前記第2効果音は、前記遊技球が前記第3通過部を通過することで成立する第3出力条件に対応する第3効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機A3では、第1通過部における遊技球の通過は成立頻度が高く、頻繁に出力されて遊技者が煩わしく感じ易い第1効果音については、大きい音量レベルを選択していても消音されるので、遊技者の煩わしさを軽減することができる。これに対して、第2通過部や第3通過部における遊技球の通過は成立頻度が低く、出力されることが少ない第2効果音や第3効果音については、音量レベルを小さくしなければ消音されない(出力される)ので、遊技興趣を高めることが可能となる。
本発明は、遊技ホールで用いられる遊技機に利用することができる。
1…パチンコ機(遊技機)、 20…遊技盤、 21…遊技領域、
6a…上部スピーカー(音出力手段)、 6b…下部スピーカー(音出力手段)、
10a…演出ボタン、 10b…ジョグシャトル、
10c…方向ボタン(入力検知手段)、 24…第1始動口、
25…第2始動口、 27…普通図柄作動ゲート、
28…下大入賞口、 41…演出表示装置、
41a,41b,41c…装飾図柄、 50…セグメント表示部、
60…上大入賞口ユニット、 61…上大入賞口(第1通過部)、
62…開閉部材、 66…上段クルーン、
66a…上段通過口(第2通過部)、 67…中段クルーン、
67a…中段通過口(第3通過部)、 68…下段クルーン、
68a…下段通過口、 200…主制御基板、
201…CPU、 220…サブ制御基板、
221…CPU(音量レベル設定手段、効果音選択手段、音量調節手段)。

Claims (3)

  1. 音出力手段を搭載し、複数の効果音を出力可能な遊技機において、
    遊技者による入力を検知する入力検知手段と、
    前記入力検知手段で検知された前記入力に基づいて、最小から最大までの複数段階の音量レベルの中から何れかを設定する音量レベル設定手段と、
    予め定められた複数の出力条件の何れかが成立すると、該出力条件に対応して出力する前記効果音を選択する効果音選択手段と、
    前記音量レベル設定手段で設定された前記音量レベルに従って、前記効果音選択手段で選択された前記効果音を出力する音量を調節する音量調節手段と
    を備え、
    前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルは、前記出力条件に応じて異なっている
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記複数の出力条件は、成立頻度が異なっており、
    成立頻度が高い前記出力条件であるほど、対応する前記効果音の音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    遊技盤に形成された遊技領域に向けて発射された遊技球が通過可能な第1通過部と、
    前記第1通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第2通過部と、
    前記第2通過部を通過した前記遊技球が通過可能な第3通過部と
    を備え、
    前記遊技球が前記第1通過部を通過することで成立する第1出力条件に対応する第1効果音は、前記遊技球が前記第2通過部を通過することで成立する第2出力条件に対応する第2効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっており、
    前記第2効果音は、前記遊技球が前記第3通過部を通過することで成立する第3出力条件に対応する第3効果音よりも、音量が前記音量調節手段によって消音に調節される前記音量レベルが大きくなっている
    ことを特徴とする遊技機。
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