JP2021128948A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルゲートのトレンチゲート構造のパワーMOSFETを有する半導体装置において、セル部の耐圧<外周部の耐圧を実現できる構造を提供する。【解決手段】ゲートトレンチ5の幅を変化させ、セル部と外周部とでメサ幅を変化させてセル部のメサ幅を外周部のメサ幅よりも大きくする。これにより、ドリフト濃度との関係から、セル部の方が外周部よりも耐圧が低くなるようにでき、ダブルゲートのトレンチゲート構造のパワーMOSFETを有する半導体装置において、セル部の耐圧<外周部の耐圧を実現できる。【選択図】図4

Description

本発明は、ダブルゲートのトレンチゲート構造を有する半導体スイッチング素子を備えた半導体装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるようなダブルゲートのトレンチゲート構造を有するパワーMOSFETを備えた半導体装置が知られている。この半導体装置では、n型基板の上にn型ドリフト層を形成した半導体基板の表層部に、ダブルゲートのトレンチゲート構造が形成される。トレンチゲート構造は、ゲートトレンチの底部側にシールド絶縁膜を介してソース電位とされるシールド電極が配置されると共に、トレンチ内におけるシールド電極の上側にもゲート絶縁膜を介してゲート電極層が配置されることでダブルゲートとされる。シールド電極とゲート電極層との間には層間絶縁膜(以下、中間絶縁膜という)が形成され、中間絶縁膜によってシールド電極とゲート電極層とが絶縁されている。
また、ゲートトレンチは、一方向を長手方向とするライン状で構成され、ゲートトレンチに沿ってシールド電極およびゲート電極層が形成されている。そして、トレンチゲート構造の間に、p型ボディ層やn型ソース領域を形成した構造とされる。このようなシールド電極を有するダブルゲートのトレンチゲート構造のパワーMOSFETでは、トレンチゲート構造の間を二次元的に空乏化することが可能であるため、シングルゲート構造のパワーMOSFETと比較して、n型ドリフト層の厚みが薄くても所望の耐圧が得られる。そして、n型ドリフト層を薄くできることから、低オン抵抗を実現することが可能となる。
特開2013−84922号公報
パワーMOSFETでは、その構造を素子として機能するセル部と、その外周に位置する外周部とに分けることができる。通常、それぞれの耐圧について、セル部の耐圧<外周部の耐圧と設計することが一般的である。シングルゲート構造のパワーMOSFETでは、周辺構造としてFLR(Field Limiting Ring)構造を備えたり、RESURF(Reduced Surface Field)構造を用いることで、上記耐圧設計仕様を満たしている。
しかしながら、ダブルゲートのトレンチゲート構造を有するパワーMOSFETでは、セル部の耐圧を二次元空乏化により維持しているため、セル部の耐圧<外周部の耐圧とすることが原理的に難しい。
本発明は上記点に鑑みて、ダブルゲートのトレンチゲート構造のパワーMOSFETを有する半導体装置において、セル部の耐圧<外周部の耐圧を実現できる構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、ダブルゲートのトレンチゲート構造を有する半導体スイッチング素子を備えた半導体装置であって、半導体スイッチング素子は、第1導電型のドリフト層(2)と、ドリフト層上に形成された第2導電型のボディ領域(3)と、ボディ領域内における該ボディ領域の表層部に形成され、ドリフト層より高不純物濃度とされた第1導電型の第1不純物領域(4)と、一方向を長手方向とすると共に第1不純物領域からボディ領域を貫通してドリフト層に達するストライプ状に配置された複数のゲートトレンチ(5)内それぞれに、絶縁膜(6)を介して、シールド電極(7)と中間絶縁膜(9)およびゲート電極層(8)が順に積層されてダブルゲートとされた複数のトレンチゲート構造と、ドリフト層を挟んでボディ領域と反対側に形成され、ドリフト層よりも高不純物濃度とされた第1または第2導電型の高濃度層(1)と、トレンチゲート構造とボディ領域および第1不純物領域の上に配置され、ボディ領域および第1不純物領域に繋がるコンタクトホール(11a)が形成された層間絶縁膜(11)と、コンタクトホールを通じて第1不純物領域およびボディ領域と電気的に接続される上部電極(10)と、高濃度層と電気的に接続された下部電極(15)と、を有している。そして、複数のゲートトレンチそれぞれの両先端位置を外周部、該外周部の内側をセル部として、セル部ではボディ領域および第1不純物領域が形成されることで半導体スイッチング素子が構成されており、複数のゲートトレンチそれぞれの幅が外周部においてセル部よりも大きくされることで、外周部の耐圧よりもセル部の耐圧が低くなっている。
このように、ゲートトレンチの幅を変化させ、セル部と外周部とで隣り合うトレンチゲート構造の間の間隔となるメサ幅を変化させて、セル部のメサ幅が外周部のメサ幅よりも大きくなるようにしている。これにより、ドリフト濃度との関係から、セル部の方が外周部よりも耐圧が低くなるようにでき、ダブルゲートのトレンチゲート構造の半導体スイッチング素子を有する半導体装置において、セル部の耐圧<外周部の耐圧を実現できる構造となる。
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態にかかる半導体装置の上面レイアウト図である。 図1中のII−II断面図である。 図1中のIII−III断面図である。 トレンチゲート構造の先端部の拡大図である。 変形例として示すトレンチゲート構造の先端部の拡大図である。 型ドリフト層のn型不純物濃度とブレークダウン電圧との関係を示した図である。 型ドリフト層のn型不純物濃度とメサ幅とに応じたセル部耐圧と外周部耐圧の関係を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。本実施形態では、ダブルゲートのトレンチゲート構造を有するnチャネルタイプの縦型のパワーMOSFET(以下、単にMOSFETという)が備えられた半導体装置を例に挙げて説明する。以下、図1〜図4に基づいて本実施形態にかかる半導体装置の構造について説明する。
以下では、図1〜図3に示すように、MOSFETの幅方向をx方向、x方向に対して交差するMOSFETの奥行方向をy方向、MOSFETの厚み方向もしくは深さ方向、つまりxy平面に対する法線方向をz方向として説明する。
図2に示すように、本実施形態にかかる半導体装置は、不純物濃度が高濃度とされたシリコン等の半導体材料によって構成されたn型の半導体基板1を用いて形成されている。n型の半導体基板1の表面上には、n型の半導体基板1よりも不純物濃度が低濃度とされたn型ドリフト層2が形成されている。
また、n型ドリフト層2の表層部の所望位置には、比較的不純物濃度が低く設定されたp型ボディ領域3が形成されている。p型ボディ領域3は、例えばn型ドリフト層2に対してp型不純物をイオン注入することなどによって形成され、チャネル領域を形成するチャネル層としても機能する。p型ボディ領域3は、図1に示すように、後述する複数のトレンチゲート構造の間において、y方向を長手方向として形成されている。
p型ボディ領域3の表層部には、n型ドリフト層2よりも不純物濃度が高濃度とされたソース領域に相当するn型不純物領域4が備えられている。また、n型不純物領域4には、コンタクトトレンチ4aが形成されており、このコンタクトトレンチ4aの底面においてp型ボディ領域3が露出した状態となっている。p型ボディ領域3のうちの露出した部分には、ボディコンタクトとなるp型コンタクト領域3aが形成されている。さらに、n型不純物領域4のうちのコンタクトトレンチ4aの側面に、ソースコンタクトとなるn型コンタクト領域4bが形成されている。
また、n型ドリフト層2の表層部のうち各p型ボディ領域3や各n型不純物領域4の間には、一方向を長手方向とする複数本のゲートトレンチ5が形成されている。このゲートトレンチ5はトレンチゲート構造を形成するためのトレンチであり、本実施形態では、各ゲートトレンチ5が等間隔に平行に並べられることでストライプ状のレイアウトとされている。
ゲートトレンチ5は、p型ボディ領域3よりも深い位置まで、つまり基板表面側からn型不純物領域4およびp型ボディ領域3を貫通してn型ドリフト層2まで達する深さとされている。また、本実施形態では、ゲートトレンチ5は、底部に向かうほど徐々に幅が狭くなり、底部が丸まった形状とされている。
ゲートトレンチ5の内壁面は、絶縁膜6によって覆われている。絶縁膜6については、単独の膜で構成されていても良いが、本実施形態の場合は、ゲートトレンチ5のうちの下方部分を覆っているシールド絶縁膜6aと上方部分を覆っているゲート絶縁膜6bとによって構成している。シールド絶縁膜6aは、ゲートトレンチ5の底部から下方部分の側面を覆い、ゲート絶縁膜6bは、ゲートトレンチ5の上方部分の側面を覆っている。本実施形態では、シールド絶縁膜6aをゲート絶縁膜6bよりも厚く形成してある。
また、ゲートトレンチ5内には、絶縁膜6を介してドープトPoly−Siによって構成されたシールド電極7およびゲート電極層8が積層されてダブルゲートとなっている。シールド電極7は、ソース電位に固定されることで、ゲート−ドレイン間の容量を小さくし、縦型MOSFETの電気特性の向上を図るために形成されている。ゲート電極層8は、縦型MOSFETのスイッチング動作を行うもので、ゲート電圧印加時にゲートトレンチ5の側面のp型ボディ領域3にチャネル領域を形成する。
シールド電極7とゲート電極層8との間には中間絶縁膜9が形成されており、中間絶縁膜9によってシールド電極7とゲート電極層8とが絶縁されている。これらゲートトレンチ5、絶縁膜6、シールド電極7、ゲート電極層8および中間絶縁膜9によってトレンチゲート構造が構成されている。このトレンチゲート構造は、例えば図1の紙面左右方向となるy方向を長手方向として、図1の紙面上下方向となるx方向、図2で言えば紙面左右方向に複数本が並べられることでストライプ状のレイアウトとされている。そして、トレンチゲート構造のうちの長手方向の内側の部分にn型不純物領域4等が形成され、その部分においてMOSFETとして機能させられるセル部が構成されている。また、セル部よりも外側となるトレンチゲート構造の先端位置は外周部とされる。図4に示すように、トレンチゲート構造は、MOSFETとして機能させるセル部では一定幅の第1幅W1とされているが、両先端位置の外周部では第1幅W1よりも大きな一定幅の第2幅W2とされている。このトレンチゲート構造のうちの長手方向の両先端位置での構造の詳細については後述する。
さらに、図3に示すように、ゲートトレンチ5の長手方向の両端部、すなわち図2の紙面手前側および紙面向こう側の端部において、シールド電極7は、ゲート電極層8よりも外側まで延設されている。そして、それらの部分がシールドライナー7aとしてp型ボディ領域3やn型不純物領域4の表面側から露出させられている。なお、このゲートトレンチ5の長手方向の両端部において、シールド電極7のうちゲート電極層8よりも外側に延設された部分とゲート電極層8の先端との間も中間絶縁膜9のうちの先端部9aによって絶縁されている。
また、ゲート電極層8を覆うように酸化膜などで構成された層間絶縁膜11が形成され、この層間絶縁膜11の上にソース電極に相当する上部電極10やゲート配線12およびシールド配線13が形成されている。上部電極10は、図2に示すように、層間絶縁膜11に形成されたコンタクトホール11a内に埋込まれたタングステン(W)プラグなどの接続部10aを通じてp型ボディ領域3やn型不純物領域4と接触させられている。これにより、上部電極10がn型不純物領域4およびp型ボディ領域3に電気的に接続されている。
図3に示すように、ゲート配線12も、層間絶縁膜11に形成されたコンタクトホール11b内のWプラグなどの接続部12aを通じて、ゲート電極層8に電気的に接続されている。また、シールド配線13も、層間絶縁膜11に形成されたコンタクトホール11c内のWプラグなどの接続部13aを通じて、シールド電極7に電気的に接続されている。
また、n型の半導体基板1のうちn型ドリフト層2とは反対側の面にドレイン電極に相当する下部電極15が形成されている。このような構成により、縦型MOSFETの基本構造が構成されている。そして、縦型MOSFETが複数セル集まって形成されることで、セル領域が構成されている。
以上のようにして、縦型MOSFETを有する半導体装置が構成されている。続いて、上記したトレンチゲート構造のうちの長手方向の両先端位置での構造の詳細について、図4を参照して説明する。
図4に示すように、トレンチゲート構造は、外周部となる両先端位置から所定距離の位置において、それよりも内側に位置するセル部よりも幅広とされている。具体的には、ゲートトレンチ5は、ゲートトレンチ5の長手方向において、幅広とされる部分よりも内側の位置を第1領域5a、先端側の位置を第2領域5bとして、上記したように第1領域5aでは第1幅W1、第2領域5bでは第2幅W2とされている。第1領域5aは、側面にMOSFETとして機能させられる各部が配置される部分であり、第2領域5bは、シールドライナー7aが配置される部分である。そして、これら第1領域5aと第2領域5bとの境界位置は、幅が変化させられた傾斜部とされ、第1幅W1から第2幅W2となるように徐々に幅が拡大されている。
なお、ここでは第1領域5aは、側面にMOSFETとして機能させられる各部が配置される部分と説明したが、第1領域5aの全域がそのような構造とされている必要はない。すなわち、図1に示されるように、少なくとも第1領域5aのうちの第2領域5bから離れた内側部分において、側面にMOSFETとして機能させられる各部が配置される。同様に、第2領域5bについても、全域にシールドライナー7aが配置されている必要はなく、第2領域5bのうちの第1領域5a側にはシールドライナー7aが配置されていなくても良い。
ゲートトレンチ5の幅については、第1幅W1が例えば0.2〜1.0μmとされ、第2幅W2が例えば第1幅W1よりも0.1μm程度が広くされる。例えば第1幅W1が0.4μmとされ、第2幅W2が0.5μmとされる。また、z方向から見て、第1領域5aと第2領域5bとの境界位置とされた傾斜部がゲートトレンチ5の長手方向となるy方向に対してなす角度θについては任意であるが、ここでは30°≦θ≦60°としてある。角度θが小さいと、y方向における幅広部5cの長さが長くなり、トレンチゲート構造の全体長さが長くなるため、ある程度の角度があった方が好ましい。このため、30°≦θとしている。角度θが大きすぎると、加工の安定性が低下し得る。また、角部においてゲート電極層8を構成するポリシリコンの結晶性の乱れが発生したり、先端部9aを含む中間絶縁膜9の付き周り、つまり成膜量にばらつきが生じたりする。このため、θ≦60°としている。
なお、上記したように、第1領域5aの側面にはMOSFETとして機能させられる各部が配置され、第2領域5bの側面にはMOSFETとして機能させられないようにされている。しかしながら、p型ボディ領域3については、第1領域5aの端部までしか形成せずに第1領域5aからの突出量を0μmとする場合に限らず、図5に示すように第2領域5b側まで形成して第1領域5aから突出させることもできる。このようにすれば、p型ボディ領域3から伸びる空乏層によってトレンチゲート構造の先端側からの等電位線の入り込みを抑制できるため、より的確に当該先端位置での耐圧を確保することが可能になる。
このように、セル部となる第1領域5aを第1幅W1とし、外周部となる第2領域5bを第1幅W1よりも大きな第2幅W2としている。このような構成とすることで、セル部の耐圧<外周部の耐圧という耐圧設計を行うことを可能にしている。この理由について、以下に説明する。
まず、ゲートトレンチ5の幅をセル部でも外周部でも同じにした状態で、隣り合うトレンチゲート構造のMOSFETのセルピッチを変化させ、n型ドリフト層2のn型不純物濃度(以下、ドリフト濃度という)とブレークダウン電圧との関係について調べた。図6は、その結果を示した図である。なお、この場合、ゲートトレンチ5の幅を一定としているため、セル部でも外周部でも耐圧は概ね同様となる。
この図に示されるように、ドリフト濃度が高くなるにつれて耐圧が増加し、ある不純物濃度となるときを極大値(以下、耐圧が極大値となるときの不純物濃度を極大濃度という)として、極大濃度以上に不純物濃度が高くなると耐圧が低下する。極大濃度はセルピッチに応じて異なっているものの、セルピッチに関わらず同様の特性となった。
このことを利用し、ドリフト濃度が同じであったとしても、セル部においては耐圧が低くなり、外周部においては耐圧が高くなるようにするには、セルピッチを異ならせるのと同様の構造とすれば良い。すなわち、ここではセルピッチと対応する耐圧として記載しているが、実際には、耐圧は、隣り合うトレンチゲート構造の間の間隔となるメサ幅に応じて決まる。したがって、メサ幅を変化させることで耐圧を変化させることができる。
具体的には、ドリフト電圧として高電圧が印加されると、隣り合うトレンチゲート構造の間に等電位線がせり上がってくる。この等電位線のせり上がりがシールド電極7側から伸びる空乏層およびp型ボディ領域3側から伸びる空乏層によって抑制されることで耐圧が決まる。しかしながら、メサ幅が広いとシールド電極7側から伸びる空乏層によって隣り合うトレンチゲート構造の間を十分に空乏化できず、等電位線のせり上がりが十分に抑制できなくなる。このため、メサ幅に応じて耐圧を変化させることができる。
メサ幅を変化させるには、ゲートトレンチ5の幅を変化させれば良い。そして、ドリフト濃度が所定値である場合、図6に示すようにセルピッチが小さいほど耐圧が大きくなる。したがって、図7に示すように、耐圧を低くしたいセル部については、ドリフト濃度が極大濃度よりも大きくなっているセルピッチに相当するメサ幅にする。また、耐圧を高くしたい外周部については、ドリフト濃度が極大濃度よりも小さくなっているセルピッチに相当するメサ幅にする。
図7の例で言えば、ドリフト濃度が6.5×1016cm−3の場合には、セル部についてはドリフト濃度が極大濃度よりも大きくなっているセルピッチ1.2μmに相当するメサ幅にする。また、外周部についてはドリフト濃度が極大濃度よりも小さくなっているセルピッチ1.15μmに相当するメサ幅にする。つまり、セル部の方が外周部よりもゲートトレンチ5の幅が小さくなるようにし、セル部の方が外周部よりもメサ幅が大きくなるようにする。このようにすれば、図7に示されるようにセル部についてはブレークダウン電圧が40V未満となり、外周部についてはブレークダウン電圧が40V以上となって、セル部の方が外周部よりも耐圧が低い耐圧設計にできる。
以上説明したように、本実施形態の半導体装置では、ゲートトレンチ5の幅を変化させ、セル部と外周部とでメサ幅を変化させてセル部のメサ幅が外周部のメサ幅よりも大きくなるようにしている。これにより、ドリフト濃度との関係から、セル部の方が外周部よりも耐圧が低くなるようにでき、ダブルゲートのトレンチゲート構造のパワーMOSFETを有する半導体装置において、セル部の耐圧<外周部の耐圧を実現できる。そして、このようにセル部の方が外周部よりも耐圧を低くできることから、広面積なセル部側で外周部よりも先にブレークダウンするようにできる。このため、外周部の一部に局所的にブレークダウン電流が流れることが抑制され、半導体装置の破壊を抑制することが可能となる。
なお、ここではドリフト濃度の一例を挙げて、そのドリフト濃度との関係から、セル部の耐圧<外周部の耐圧となるセルピッチの一例を挙げたが、これはあくまでも一例を挙げたに過ぎず、以下に説明する条件を満たしていれば良い。
上記した極大濃度をNで表すと、極大濃度Nは次の数式1のように示される。なお、数式1において、εは真空誘電率、εoxは酸化膜誘電率、すなわちシールド絶縁膜6aの誘電率、Ecは半導体、ここではシリコンの絶縁破壊電界、toxはシールド絶縁膜6aの膜厚、εsiはシリコンの誘電率を表している。また、qは電気素量、Wはシールド電極7の深さでのメサ幅を表している。
Figure 2021128948
この数式は、極大濃度N以下のドリフト濃度とブレークダウン電圧との関係を近似した線(以下、第1近似線という)と、極大濃度N以上のドリフト濃度とブレークダウン電圧との関係を近似した線(以下、第2近似線という)の交点を求めることで得られる。第1近似線は、隣り合うトレンチゲート構造のシールド電極7側からn型ドリフト層2に伸びる空乏層によって隣り合うトレンチゲート構造の間のn型ドリフト層2を空乏化したときに得られる理想的な耐圧に対応する線である。第2近似線は、p型ボディ領域3とn型ドリフト層2とのPNジャンクションによって決まる耐圧に対応する線である。これらの交点が極大濃度Nとなる。
そして、真空誘電率ε、電気素量q、酸化膜誘電率εox、シリコンの絶縁破壊電界Ecは決まった値である。このため、メサ幅Wおよびシールド絶縁膜6aの膜厚toxと極大濃度Nとを調整することで、セル部の耐圧<外周部の耐圧の関係となるようにできる。
例えば、セル部におけるメサ幅をWMS、シールド絶縁膜6aの膜厚をtoxSとすると、これら3つの値が決まれば、それに対応するセル部の極大濃度NDSが決まる。同様に、外周部におけるメサ幅をWMO、シールド絶縁膜6aの膜厚をtoxOとすると、これら3つの値が決まれば、それに対応する外周部の極大濃度NDOが決まる。ここで、セル部におけるメサ幅WMS>外周部におけるメサ幅WMOである。このため、図7中に示したように、セル部の極大濃度NDS<外周部の極大濃度NDOとなる。
このため、セル部および外周部のメサ幅Wおよびシールド絶縁膜6aの膜厚toxを決め、ドリフト濃度がセル部の極大濃度NDSより高く、かつ、外周部の極大濃度NDO未満となるようにすれば、セル部の耐圧<外周部の耐圧となる。
逆に言えば、決められたドリフト濃度を極大濃度Nとし、シールド絶縁膜6aの膜厚toxを所望の値に設定した場合に、外周部ではゲートトレンチ幅を極大濃度Nに対応するゲートトレンチ幅よりも大きくする。また、セル部ではゲートトレンチ幅を極大濃度Nに対応するゲートトレンチ幅よりも小さくする。このようにすれば、セル部の耐圧<外周部の耐圧となるようにできる。
なお、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法については、基本的には従来からのダブルゲートのトレンチゲート構造を有するパワーMOSFETが備えられた半導体装置の製造方法と同様である。ただし、ゲートトレンチ5を形成する際のトレンチエッチング工程の際に、ゲートトレンチ5のうちの第1領域5aを第1幅W1とし、第2領域5bを第1幅W1よりも大きな第2幅W2となるエッチングマスクを用いるようにする。また、p型ボディ領域3などの不純物層については、例えばトレンチゲート構造を形成してから不純物のイオン注入によって形成することができるが、トレンチゲート構造やシールドライナー7aがマスクとなって注入される領域が決まってくる。このため、p型ボディ領域3を形成する際に、p型ボディ領域3をゲートトレンチ5の先端のどの位置まで形成するかに合わせて、シールドライナー7aのうちの第1領域5a側の端部の位置を決めれば良い。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)例えば、上記実施形態では、半導体基板1によって高濃度の不純物領域を形成し、その上にn型ドリフト層2をエピタキシャル成長させることで、高濃度層とn型ドリフト層2とが形成された基板を構成している。これは、ドリフト層を挟んでp型ボディ領域3と反対側に高濃度層を構成する場合の一例を示したに過ぎず、ドリフト層を半導体基板によって構成し、その一面側にイオン注入等を行うことで高濃度層を形成するようにしても良い。
(2)また、上記実施形態では、複数個のトレンチゲート構造の間に配置されるp型ボディ領域3をy方向に沿って形成し、n型不純物領域4もy方向に沿って形成されるようにしたが、これも一例を示したに過ぎない。例えば、n型不純物領域4をy方向において複数個に分断された構造としても良い。すなわち、p型ボディ領域3の一部の表面部にn型不純物領域4が形成された構造とされていれば良い。
(3)また、上記実施形態では、p型ボディ領域3におけるx方向の中央位置にp型コンタクト領域3aを形成し、n型不純物領域4におけるx方向の中央位置にn型コンタクト領域4bを形成している。しかしながら、これは好ましい形態として記載したのであり、マスクずれ等の影響で配置場所がずれたりしても構わないし、これらが形成されていなくても良い。
(4)また、上記実施形態では、第1導電型をn型、第2導電型をp型としたnチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETを半導体スイッチング素子の一例として説明した。しかしながら、これは一例を示したに過ぎず、他の構造の半導体スイッチング素子、例えばnチャネルタイプに対して各構成要素の導電型を反転させたpチャネルタイプのトレンチゲート構造のMOSFETとしても良い。さらに、MOSFET以外に、同様の構造のIGBTに対しても本発明を適用することができる。IGBTの場合、半導体基板1の導電型をn型からp型に変更する以外は、上記実施形態で説明した縦型MOSFETと同様である。
3 p型ボディ領域
3a p型コンタクト領域
4 n型不純物領域
4a n型コンタクト領域
5 ゲートトレンチ
6 絶縁膜
7 シールド電極
8 ゲート電極層
10 上部電極
12 下部電極

Claims (4)

  1. ダブルゲートのトレンチゲート構造を有する半導体スイッチング素子を備えた半導体装置であって、
    前記半導体スイッチング素子は、
    第1導電型のドリフト層(2)と、
    前記ドリフト層上に形成された第2導電型のボディ領域(3)と、
    前記ボディ領域内における該ボディ領域の表層部に形成され、前記ドリフト層より高不純物濃度とされた第1導電型の第1不純物領域(4)と、
    一方向を長手方向とすると共に前記第1不純物領域から前記ボディ領域を貫通して前記ドリフト層に達するストライプ状に配置された複数のゲートトレンチ(5)内それぞれに、絶縁膜(6)を介して、シールド電極(7)と中間絶縁膜(9)およびゲート電極層(8)が順に積層されてダブルゲートとされた複数のトレンチゲート構造と、
    前記ドリフト層を挟んで前記ボディ領域と反対側に形成され、前記ドリフト層よりも高不純物濃度とされた第1または第2導電型の高濃度層(1)と、
    前記トレンチゲート構造と前記ボディ領域および前記第1不純物領域の上に配置され、前記ボディ領域および前記第1不純物領域に繋がるコンタクトホール(11a)が形成された層間絶縁膜(11)と、
    前記コンタクトホールを通じて前記第1不純物領域および前記ボディ領域と電気的に接続される上部電極(10)と、
    前記高濃度層と電気的に接続された下部電極(15)と、を有し、
    前記複数のゲートトレンチそれぞれの両先端位置を外周部、該外周部の内側をセル部として、前記セル部では前記ボディ領域および前記第1不純物領域が形成されることで前記半導体スイッチング素子が構成されており、
    前記複数のゲートトレンチそれぞれの幅が前記外周部において前記セル部よりも大きくされることで、前記外周部の耐圧よりも前記セル部の耐圧が低くなっている、半導体装置。
  2. 真空誘電率をε、前記絶縁膜のうち前記シールド電極を囲む部分をシールド絶縁膜(6a)として、該シールド絶縁膜の誘電率をεox、該シールド絶縁膜の膜厚をtox、半導体の絶縁破壊電圧をEc、半導体の誘電率をεsi、電気素量をq、隣り合う前記複数のゲートトレンチの間の間隔であるメサ幅をWとし、耐圧が最も高くなる前記ドリフト層の濃度である極大濃度をNとして、該極大濃度Nが次式で表される場合において、
    Figure 2021128948
    前記外周部での前記ゲートトレンチの幅が前記極大濃度に対応する前記ゲートトレンチの幅よりも大きく、前記セル部での前記ゲートトレンチの幅が極大濃度Nに対応するゲートトレンチ幅よりも小さくされている、請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記ゲートトレンチのうち前記両先端位置の幅が大きくされる部分よりも内側の部分を第1領域(5a)とし、前記両先端位置の幅が大きくされる部分を第2領域(5b)として、
    前記ボディ領域は、前記第1領域の側面に加えて前記第2領域のうちの前記第1領域側の側面にも形成されている、請求項1または2に記載の半導体装置。
  4. 前記ゲートトレンチは、前記第1領域と前記第2領域との境界位置において、徐々に幅が拡大されている、請求項3に記載の半導体装置。
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