JP2021128213A - 画像形成装置 - Google Patents

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英樹 石田
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浩二 宇野
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則夫 冨家
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浩 山▲崎▼
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Abstract

【課題】無端状のベルトの蛇行を精度よく検出可能であり、且つ、センサー個数の増加や画像形成装置の大型化も抑制可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、複数の画像形成部と、画像形成部に沿って移動する無端状のベルトと、画像濃度センサーと、制御部と、を備える。画像濃度センサーは、ベルト上に形成された色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンを検知する。制御部は、画像濃度センサーによる色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンの検知結果に基づいて、記録媒体上に形成されるトナー像の濃度および色ずれを補正する。ベルトの表面には、主走査方向において色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンの形成位置と重なる位置に蛇行量検知パターンが形成されている。制御部は、画像濃度センサーによる蛇行量検知パターンの検知結果に基づいてベルトの蛇行方向および蛇行量を検知する。【選択図】図6

Description

本発明は、トナー像が一次転写される中間転写ベルトや、トナー像が転写される記録媒体を担持して搬送する搬送ベルトを備えた画像形成装置に関するものである。
従来、所定方向に回動される無端状の中間転写ベルトと、中間転写ベルトに沿って設けられた複数の画像形成部とを備え、各画像形成部により中間転写ベルト上に各色のトナー像を順次重ね合わせて一次転写した後、二次転写ローラーにより用紙等の記録媒体上にトナー像を二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られている。中間転写方式の画像形成装置においては、発色性や色の再現性を向上させるために、所定のタイミングで画像濃度や色ずれを補正するキャリブレーションを実行する。
ところで、中間転写式の画像形成装置において中間転写ベルトの蛇行(偏り)が発生すると、中間転写ベルトの幅方向端部に機械的ストレスが加わり、中間転写ベルトの寿命を短くする。また、過度な蛇行が発生した場合は中間転写ベルトが破損する。
そこで、中間転写ベルトの蛇行を検出する方法が種々提案されており、例えば特許文献1、2には、軸方向に沿って徐々に増加する増加部分と軸方向に沿って徐々に減少する減少部分を有する、同一形状の多数の寄り位置検出用パターンをベルト周長に対して十分に短い間隔でベルト搬送方向に沿って連続的に形成し、寄り位置検出用パターンの検出幅に応じた検出信号に基づいてベルトの基準位置からの寄り量を検出するベルト寄り止め方法が開示されている。
特開平3−252691号公報 特開平4−63389号公報
特許文献1、2の方法では、いずれもベルトの蛇行検出用マークを専用のセンサーを用いて検出する。そのため、センサー個数が増加してコストアップにつながるという問題点があった。また、蛇行検出用マークを画像形成領域外に形成する必要があることから、蛇行検出用マークの形成領域分だけベルト幅を大きくする必要があり、画像形成装置が大型化するという問題点もあった。
本発明は、上記問題点に鑑み、無端状のベルトの蛇行を精度よく検出可能であり、且つ、センサー個数の増加や画像形成装置の大型化も抑制可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、複数の画像形成部と、ベルトと、画像濃度センサーと、制御部と、を備えた画像形成装置である。複数の画像形成部は、異なる色のトナー像を形成する。ベルトは、無端状であって画像形成部に沿って移動する。画像濃度センサーは、画像形成部によりベルト上に形成された色ずれ検知パターンの位置情報および濃度検知パターンの濃度を検知する。制御部は、画像濃度センサーによる色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンの検知結果に基づいて、記録媒体上に形成されるトナー像の濃度および色ずれを補正するキャリブレーションを実行する。ベルトの表面には、主走査方向において色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンの形成位置と重なる位置に蛇行量検知パターンが形成されている。制御部は、画像濃度センサーによる蛇行量検知パターンの検知結果に基づいてベルトの蛇行方向および蛇行量を検知する。
本発明の第1の構成によれば、色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンを検知する画像濃度センサーを用いて蛇行量検知パターンを検知することにより、蛇行量を検知する専用のセンサーが不要となる。また、色ずれ検知パターンおよび濃度検知パターンと蛇行量検知パターンとを並行して読み取ることができ、画像濃度および色ずれの調整とベルトの蛇行量の調整とを短時間で行うことができる。さらに、蛇行量検知パターンの形成領域だけベルト幅を大きくする必要がないため、画像形成装置の小型化、コンパクト化にも寄与する。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構成を示す概略図 図1における画像形成部Pa付近の拡大図 本実施形態の画像形成装置100に搭載される中間転写ユニット30の側面断面図 本実施形態の画像形成装置100の制御経路の一例を示すブロック図 中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1および蛇行量検知パターンPmの平面図であり、蛇行量検知パターンPmの間に色ずれ検知パターンP1を配置した例を示す図 図5における蛇行量検知パターンPmの拡大図 図6に示した蛇行量検知パターンPmを画像濃度センサー25で読み取る場合のセンサー出力値の推移を中間転写ベルト8の使用開始時と耐久時とで比較したグラフ 画像形成時に主走査方向における印字領域R1の外側に色ずれ検知パターンP1と蛇行量検知パターンPmを形成した例を示す図 中間転写ベルト8上に形成される濃度検知パターンP2および蛇行量検知パターンPmの平面図であり、蛇行量検知パターンPmの間に濃度検知パターンP2を配置した例を示す図 本実施形態の画像形成装置100において実行される画像形成制御例を示すフローチャート 中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1および蛇行量検知パターンPmの平面図であり、蛇行量検知パターンPm、色ずれ検知パターンP1を平面視台形状に形成した例を示す図 図11における蛇行量検知パターンPmの拡大図 図12に示した蛇行量検知パターンPmを画像濃度センサー25で読み取る場合のセンサー出力値の推移を中間転写ベルト8の使用開始時と耐久時とで比較したグラフ 中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1および蛇行量検知パターンPmの平面図であり、色ずれ検知パターンP1を構成する基準画像Y、M、C、Kと点対称な蛇行量検知パターンPmを形成した例を示す図 本実施形態の画像形成装置100における中間転写ベルト8の寿命予測制御例を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図であり、図2は、図1における画像形成部Pa付近の拡大図である。
図1に示す画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターであり、以下のような構成になっている。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dが配設されている。さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において記録媒体の一例としての用紙S上に一度に転写される。さらに、定着部13において用紙S上に定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Sは、画像形成装置100の本体下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9へと搬送される。中間転写ベルト8には継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。以下、画像形成部Paについて詳細に説明するが、画像形成部Pb〜Pdについても基本的に同様の構成であるため説明を省略する。図2に示すように、感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の時計回り方向)に沿って帯電装置2a、現像装置3a、クリーニング装置7aが配設され、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラー6aが配置されている。また、感光体ドラム1aに対し中間転写ベルト8の回転方向上流側には中間転写ベルト8を挟んでテンションローラー11に対向するベルトクリーニングユニット19が配置されている。
次に、画像形成装置100における画像形成手順について説明する。ユーザーにより画像形成開始が入力されると、先ず、メインモーター61(図4参照)により感光体ドラム1a〜1dの回転が開始され、帯電装置2a〜2dの帯電ローラー20によって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5から出射されたビーム光(レーザー光)によって感光体ドラム1a〜1dの表面を光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。
現像装置3a〜3dには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーが所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラー21により感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着する。これにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dのクリーニングブレード22および摺擦ローラー23により除去される。
ベルト駆動モーター63(図4参照)による駆動ローラー10の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Sがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、フルカラー画像が転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部13へと搬送される。中間転写ベルト8の表面に残存したトナーはベルトクリーニングユニット19によって除去される。
定着部13に搬送された用紙Sは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面印字された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
中間転写ベルト8を挟んで駆動ローラー10と対向する位置には画像濃度センサー25が配置されている。画像濃度センサー25としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサーが用いられる。中間転写ベルト8上のトナー付着量を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上に形成された各パッチ画像(基準画像)に対し測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、およびベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーおよびベルト表面からの反射光には正反射光と乱反射光とが含まれる。この正反射光および乱反射光は、偏光分離プリズムで分離された後、それぞれ別個の受光素子に入射する。各受光素子は、受光した正反射光と乱反射光を光電変換して制御部90(図4参照)に出力信号を出力する。
そして、正反射光と乱反射光の出力信号の特性変化からパッチ画像の画像濃度(トナー量)、画像位置を検知し、予め定められた基準濃度、基準位置と比較して現像電圧の特性値、露光装置5の露光開始位置およびタイミング等を調整することにより、各色について濃度補正および色ずれ補正(キャリブレーション)が行われる。
図3は、本実施形態の画像形成装置100に搭載される中間転写ユニット30の側面断面図である。図3に示すように、中間転写ユニット30は、下流側の駆動ローラー10と上流側のテンションローラー11とに掛け渡された中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1dに接触する一次転写ローラー6a〜6dと、押圧切換ローラー34と、を有する。
中間転写ベルト8は、例えばポリイミド樹脂やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)にイオン導電材や導電性カーボン等の導電材を混合して導電性を付与したもので構成される。また、中間転写ベルト8に弾性を付与して応力集中による画像の中抜け現象を防止するために弾性層を設けてもよい。弾性層の材質としては、例えばヒドリンゴムやクロロプレンゴム、ポリウレタンゴム等が用いられる。さらに弾性層を保護するコート層を設けてもよい。コート層の材質としてはアクリル、シリコン、フッ素樹脂等が用いられる。
テンションローラー11に対向する位置には、中間転写ベルト8の表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニングユニット19が配置されている。駆動ローラー10には中間転写ベルト8を介して二次転写ローラー9が対向配置されている。
中間転写ユニット30は、一次転写ローラー6a〜6dおよび押圧切換ローラー34の回転軸の両端部を回転可能、且つ中間転写ベルト8の進行方向に対し垂直(図3の上下方向)に移動可能に支持する一対の支持部材(図示せず)と、一次転写ローラー6a〜6dおよび押圧切換ローラー34を上下方向に往復移動させる駆動手段(図示せず)と、を有するローラー接離機構35を備えている。ローラー接離機構35は、4本の一次転写ローラー6a〜6dを、それぞれ中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1d(図1参照)に圧接するカラーモードと、一次転写ローラー6dのみを中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1dに圧接するモノクロモードと、4本の一次転写ローラー6a〜6dの全てを感光体ドラム1a〜1dから離間させる退避モードとに切り替え可能である。
図4は、本実施形態の画像形成装置100の制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンター95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部80からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。制御部90は、画像形成装置100の本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、RAM93(またはROM92)には、キャリブレーションに用いる濃度補正テーブル等も記憶される。カウンター95は、印字枚数を積算してカウントする。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa〜Pd、二次転写ユニット9、ローラー接離機構35、メインモーター61、ベルト駆動モーター63、転写ローラー駆動モーター64、アライメント調整機構65、画像入力部70、電圧制御回路71、操作部80等が挙げられる。
画像入力部70は、画像形成装置100にパソコン等の上位機器から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部70より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
電圧制御回路71は、帯電電圧電源72、現像電圧電源73、転写電圧電源74と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させる。これらの各電源は、電圧制御回路71からの制御信号によって、帯電電圧電源72は帯電装置2a〜2d内の帯電ローラー20に、現像電圧電源73は現像装置3a〜3d内の現像ローラー21に、転写電圧電源74は一次転写ローラー6a〜6dおよび二次転写ローラー9に、それぞれ所定の電圧を印加する。
操作部80には、液晶表示部81、各種の状態を示すLED82が設けられており、ユーザーは操作部80のストップ/クリアボタンを操作して画像形成を中止し、リセットボタンを操作して画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする。液晶表示部81は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。画像形成装置100の各種設定はパソコンのプリンタードライバーから行われる。
アライメント調整機構65は、制御部90からの出力信号により中間転写ベルト8を張架するいずれかのローラーの回転軸のアライメント(平行度)を調整する。アライメント(平行度)を変化させることにより、中間転写ベルト8の幅方向における張力に差異が発生し、中間転写ベルト8は張力の弱い側に移動する。この現象を利用して中間転写ベルト8の蛇行を補正する。本実施形態では、アライメント調整機構65によりテンションローラー11(図3参照)の回転軸のアライメントを調整する。
本実施形態の画像形成装置100では、中間転写ベルト8の表面に、中間転写ベルト8の蛇行量を検出する蛇行量検知パターンが形成されている。そして、画像濃度センサー25を用いて、キャリブレーションに用いる色ずれ補正用の基準画像(色ずれ検知パターン)および濃度補正用の基準画像(濃度検知パターン)と併せて蛇行量検知パターンを読み取る。
図5は、中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1および蛇行量検知パターンPmの平面図であり、蛇行量検知パターンPmの間に色ずれ検知パターンP1を配置した例を示す図である。なお、矢印Xはベルト進行方向を示している。中間転写ベルト8の幅方向の一端部(図5の上端部)には、蛇行量検知パターンPmと、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の基準画像Y、M、C、Kからなる色ずれ検知パターンP1と、が形成されている。
蛇行量検知パターンPmは、主走査方向(ベルト幅方向)において画像濃度センサー25の読み取り可能範囲である基準画像形成領域Rsに、副走査方向(ベルト進行方向)に一定の間隔を隔てた複数個所に予め印刷、若しくは刻印されている。各蛇行量検知パターンPmは、中間転写ベルト8の側端縁8aとの距離が一定となる位置に配置される。蛇行量検知パターンPmは何色であっても良いが、画像濃度センサー25による検知精度を高めるために、中間転写ベルト8と光反射率の差が大きい色で形成することが好ましい。例えば中間転写ベルト8が黒色系である場合は、白色の蛇行量検知パターンPmが形成される。
色ずれ検知パターンP1は、副走査方向において複数の蛇行量検知パターンPmの間に形成される。図5に示す縦線と斜線で構成される基準画像Y〜Kのパターンは一般的なものであり、各色の斜線と横線を用いて主走査方向の色ずれを検出し、各色の横線間の間隔から副走査方向の色ずれを検出する。
なお、図5では色ずれ検知パターンP1を主走査方向の一端側にのみ形成しているが、画像濃度センサー25を主走査方向の両端側に配置し、色ずれ検知パターンP1を主走査方向の両端側に同一パターンで形成することにより、主走査等倍度や走査傾きを検出可能である。さらに、中間転写ベルト8の周方向(副走査方向)の色ずれの検知むらを低減するため、色ずれ検知パターンP1を構成する基準画像Y〜Kは副走査方向に繰り返し形成されており、同一パターンを複数回測定してずれ量の平均値を取るようになっている。
これら各色の斜線および直線の位置関係を画像濃度センサー25で検知して予め決められた基準位置と比較し、主走査方向の色ずれを補正する場合は露光装置5の露光開始位置を調整し、副走査方向の色ずれを補正する場合は露光装置5の露光開始タイミングを調整することにより、各色について色ずれ補正が行われる。
図6は、図5における蛇行量検知パターンPmの拡大図である。蛇行量検知パターンPmは、色ずれ検知パターンP1と同様に主走査方向に平行な第1直線L1と主走査方向に対し所定角度だけ傾斜した第2直線L2で構成される平面視V字状である。図6に示すように、画像濃度センサー25で色ずれ検知パターンP1を読み取る場合、画像濃度センサー25のビームスポットBsが第1直線L1および第2直線L2を通過したときに得られるセンサー出力波形のピーク位置を用いて第1直線L1および第2直線L2の通過時間差Δtを取得する。そして、取得された通過時間差Δtを基準時間差Δtsと比較する。
中間転写ベルト8が進行方向に向かって左側(図5の上側)に蛇行している場合、ビームスポットBsの通過位置は図6の下側にずれる。その結果、通過時間差Δtは基準時間差Δtsよりも短くなる。一方、中間転写ベルト8が進行方向に向かって右側(図5の下側)に蛇行している場合、ビームスポットBsの通過位置は図6の上側にずれる。その結果、通過時間差Δtは基準時間差Δtsよりも長くなる。即ち、通過時間差Δtと基準時間差Δtsとの大小関係、および差分|Δts−Δt|を算出することで、中間転写ベルト8の蛇行方向および蛇行量を検知することができる。
図7は、図6に示した蛇行量検知パターンPmを画像濃度センサー25で読み取る場合のセンサー出力値の推移を中間転写ベルト8の使用開始時と耐久時とで比較したグラフである。中間転写ベルト8の耐久時(図7の破線)においては、ベルト表面の反射率の変化等により、使用開始時(図7の実線)に比べてセンサー出力値の波形のベースラインが上昇し、波形がブロードとなる。この理由としては、画像濃度センサー25のビームスポットBsが点ではなく一定の面積を有しており、スポット領域内の濃度変化を平均化して読み取るためである。
しかし、センサー出力値の波形のピーク位置は中間転写ベルト8の使用開始時(図7の実線)と耐久時(図7の破線)とで変化しない。従って、図6に示したような第1直線L1および第2直線L2からなる蛇行量検知パターンPmを用いることで、中間転写ベルト8の反射率変化等のノイズの影響を受けずに蛇行量を精度よく検知することができる。
また、第1直線L1を主走査方向に平行な直線とすることで、画像濃度センサー25による第1直線L1の検知タイミングが常に一定となる。そのため、蛇行量検知パターンPmの第1直線L1を基準画像Y〜Kの形成タイミングを決める際の基準(トリガー)とすることで、色ずれ検知パターンP1を構成する基準画像Y〜Kを蛇行量検知パターンPmに重ならない位置に形成することができる。即ち、色ずれ検知パターンP1の形成位置(形成タイミング)を容易に決定することができる。
図8は、中間転写ベルト8の主走査方向における画像領域R1の外側に予め蛇行量検知パターンPmを形成しておき、画像形成時に蛇行量検知パターンPmの間に色ずれ検知パターンP1を形成した例を示す図である。図8のような構成にすることで、印字中でも印字画像Gに重ならない位置に色ずれ検知パターンP1を形成することができ、色ずれ調整と中間転写ベルト8の蛇行検知の両方への対応が可能となる。
なお、画像領域R1は、所定サイズ(ここではA4横サイズ)以下の用紙Sに対応する画像を形成する領域であり、画像形成装置100に挿通可能な最大サイズ(ここでは13インチサイズ)の用紙Sに対応する画像は、画像領域R1と基準画像形成領域Rsを合わせた中間転写ベルト8の幅方向全域に形成される。そのため、所定サイズよりも幅方向のサイズが大きい用紙Sを使用する場合はキャリブレーションおよび蛇行量検知パターンPmの検知は行われない。
また、蛇行量検知パターンPmが形成される位置は印字領域R1の外側に限らず、主走査方向において印字領域R1に重なる位置であってもよい。この場合、非画像形成時に色ずれ検知パターンP1を形成してキャリブレーションおよび蛇行検知を行う必要がある。また、印字中に印字画像Gの間(紙間)に色ずれ検知パターンP1を形成してキャリブレーションおよび蛇行検知を行う方法もあるが、色ずれ検知パターンP1を形成するために印字画像Gの間隔を一定間隔以上とする必要がある。そのため、図8の構成に比べて画像形成効率(生産性)は低下する。
図9は、蛇行量検知パターンPmの間に色ずれ検知パターンP1に代えて濃度検知パターンP2を配置した例を示す図である。濃度検知パターンP2は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の基準画像y、m、c、kから構成される。基準画像y、m、c、kは、それぞれ複数段階の濃度のパッチ画像で構成される。蛇行量検知パターンPmは図5および図6に示した構成と同様である。
基準画像m〜kのトナー付着量(トナー濃度)を画像濃度センサー25により検知して予め決められた標準濃度と比較し、各トナー濃度と標準濃度との濃度差の平均値が算出される。得られた濃度差の平均値に応じて濃度補正に用いるパラメーター値が濃度補正テーブルから読み出され、各色について濃度補正が実行される。
図10は、本実施形態の画像形成装置100において実行される画像形成制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図9を参照しながら、図10のステップに沿って画像形成時のキャリブレーションおよび中間転写ベルト8の蛇行補正制御手順について説明する。
先ず、制御部90は印字命令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。印字命令が受信されない場合は(ステップS1でNo)印字待機状態を継続する。印字命令を受信した場合は(ステップS1でYes)、パソコン等の上位機器や操作部80から入力された用紙サイズ情報に基づいて用紙サイズを検出する(ステップS2)。次に、制御部90は用紙サイズが所定サイズ(ここではA4横サイズ)以下であるか否かを判定する(ステップS3)。
用紙サイズがA4横サイズ以下である場合は(ステップS3でYes)、制御部90はキャリブレーションを実行するか否かを判定し(ステップS4)、キャリブレーションを実行する場合は(ステップS4でYes)中間転写ベルト8の基準画像形成領域Rs(図5参照)に色ずれ検知パターンP1および濃度検知パターンP2を、蛇行量検知パターンPmに重ならない位置に形成する(ステップS5)。
そして、通常の画像形成動作によって印字を実行する(ステップS6)。具体的には、画像形成部Pa〜Pdの駆動が開始され、二次転写ローラー9に転写電圧が印加される。中間転写ベルト8上に形成されたトナー像が二次転写ニップ部Nを通過する用紙Sに転写される。
制御部90は、画像形成動作と並行して画像濃度センサー25により色ずれ検知パターンP1、濃度検知パターンP2、蛇行検知パターンPmを検知する(ステップS7)。そして、濃度検知パターンP1および濃度検知パターンP2の検知結果に基づいて各色について色ずれ補正、濃度補正が行われる。また、蛇行検知パターンPmの検知結果に基づいて中間転写ベルト8の蛇行量が検知される。
一方、ステップS4でキャリブレーションを実行しない場合は(ステップS4でNo)、色ずれ検知パターンP1、濃度検知パターンP2を形成せずに印字のみを実行し(ステップS8)、蛇行量検知パターンPmの検知を行う(ステップS9)。
制御部90は、蛇行量検知パターンPmの検知結果に基づいて中間転写ベルト8の蛇行があるか否かを判定する(ステップS10)。中間転写ベルト8が蛇行している場合は(ステップS10でYes)、制御部90はアライメント調整機構65に制御信号を送信し、検知された蛇行量に応じてテンションローラー11の回転軸のアライメント(平行度)を調整し、中間転写ベルト8の蛇行を補正する(ステップS11)。
ステップS3において用紙サイズがA4横サイズよりも大きい場合(ステップS3でNo)は、色ずれ検知パターンP1、濃度検知パターンP2を形成せず、蛇行量検知パターンPmの検知も行わずに印字のみを実行する(ステップS12)。
その後、制御部90は印字が終了したか否かを判定する(ステップS13)。印字が継続している場合は(ステップS13でNo)ステップS2に戻り、印字動作および必要に応じてキャリブレーション、蛇行検知、蛇行補正を継続する。印字が終了している場合は(ステップS13でYes)処理を終了する。
本実施形態の構成によれば、色ずれ検知パターンP1および濃度検知パターンP2を検知する画像濃度センサー25を用いて蛇行量検知パターンPmを読み取ることにより、蛇行量を検知する専用のセンサーが不要となる。また、色ずれ検知パターンP1および濃度検知パターンP2と蛇行量検知パターンPmとを並行して読み取ることができ、画像濃度および色ずれの調整と中間転写ベルト8の蛇行量の調整とを短時間で行うことができる。
また、用紙Sのサイズが所定サイズ以下である場合、画像領域R1の外側に、蛇行量検知パターンPmと共に色ずれ検知パターンP1または濃度検知パターンP2を形成することで、画像形成効率を低下させずにキャリブレーションを実行し、中間転写ベルト8の蛇行量を検知することができる。さらに、蛇行量検知パターンPmは最大サイズの用紙幅の内側に形成されるため、蛇行量検知パターンPmの形成領域だけベルト幅を大きくする必要がない。その結果、画像形成装置100の小型化、コンパクト化にも寄与する。
なお、図5において蛇行量検知パターンPmと色ずれ検知パターンP1とが副走査方向に重なると、各パターンのエッジ部を正確に読み取ることができず、色ずれおよび蛇行量の誤検知の原因となる。また、図9において蛇行量検知パターンPmと濃度検知パターンP2とが副走査方向に重なると、濃度検知パターンP2の検知結果に蛇行量検知パターンPmの濃度が影響を及ぼし、正確な濃度検知が困難になる。
そのため、図5および図9に示すように、色ずれ検知パターンP1および濃度検知パターンP2が蛇行量検知パターンPmと重ならないように、ベルト進行方向(副走査方向)において各蛇行量検知パターンPmの間に色ずれ検知パターンP1および濃度検知パターンP2を形成する必要がある。
図11は、中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1と蛇行量検知パターンPmの平面図であって、蛇行量検知パターンPm、色ずれ検知パターンP1を平面視台形状に形成した例を示す図である。図12は、図11における蛇行量検知パターンPmの拡大図である。蛇行量検知パターンPmは、色ずれ検知パターンP1と同様に主走査方向に平行なエッジ部E1と主走査方向に対し所定角度だけ傾斜したエッジ部E2を有する平面視台形状である。
図12に示すように、画像濃度センサー25で色ずれ検知パターンP1を読み取る場合、画像濃度センサー25のビームスポットBsがエッジ部E1およびエッジ部E2を通過したときに得られるセンサー出力波形のピーク位置を用いてエッジ部E1およびエッジ部E2の通過時間差Δtを取得する。そして、取得された通過時間差Δtを基準時間差Δtsと比較する。
中間転写ベルト8が進行方向に向かって左側(図11の上側)に蛇行している場合、ビームスポットBsの通過位置は図12の下側にずれる。その結果、通過時間差Δtは基準時間差Δtsよりも短くなる。一方、中間転写ベルト8が進行方向に向かって右側(図11の下側)に蛇行している場合、ビームスポットBsの通過位置は図12の上側にずれる。その結果、通過時間差Δtは基準時間差Δtsよりも長くなる。即ち、通過時間差Δtと基準時間差Δtsとの大小関係、および差分|Δts−Δt|を算出することで、中間転写ベルト8の蛇行方向および蛇行量を検知することができる。
図13は、図12に示した蛇行量検知パターンPmを画像濃度センサー25で読み取る場合のセンサー出力値の推移を中間転写ベルト8の使用開始時と耐久時とで比較したグラフである。中間転写ベルト8の耐久時(図13の破線)においては、ベルト表面の反射率の変化等により、使用開始時(図13の実線)に比べてセンサー出力値の波形がブロードとなる。
図12に示した台形状の蛇行量検知パターンPmの場合、中間転写ベルト8の使用開始時と耐久時とでセンサー出力値の立ち上がり、立ち下り位置が変化するため、ビームスポットBsが同じ位置を通過しても、中間転写ベルト8の使用開始時における通過時間差Δtと、耐久時における通過時間差Δt′とが異なる結果として検知される。従って、図6に示したような第1直線L1および第2直線L2からなる蛇行量検知パターンPmを用いることが好ましい。
図14は、中間転写ベルト8上に形成される色ずれ検知パターンP1と蛇行量検知パターンPmの平面図であって、蛇行量検知パターンPmと色ずれ検知パターンP1を異なるパターンで形成した例を示す図である。図14に示す例では、図6に示した平面視V字状の蛇行検知パターンPmを180°回転させた形状とし、基準画像Y、M、C、Kと点対称な蛇行量検知パターンPmを形成している。そして、各蛇行量検知パターンPmの間に各基準画像Y、M、C、Kを1つずつ配置している。
図14の構成によれば、蛇行検知パターンPmと色ずれ検知パターンP1との間隔を縮めた場合でも蛇行検知パターンPmと色ずれ検知パターンP1とが重なり合うリスクが低くなり、色ずれ検知パターンP1の挿入位置の自由度が大きくなる。また、色ずれ検知パターンP1を蛇行検知パターンPmと共に効率よく配置することができる。その結果、キャリブレーションの実行時間も短縮することができる。
ところで、中間転写ベルト8を長期間使用すると、中間転写ベルト8の劣化が進行して蛇行量が増加する。蛇行量が規定量を超えた場合は中間転写ベルト8の側端縁がベルトの寄り止め部材等に接触して摩耗し、さらには破断するおそれもある。そこで、本発明の画像形成装置100では、蛇行量検知パターンPmを読み取ることで検知された蛇行量の推移に基づいて中間転写ベルト8の寿命を予測する。
図15は、本実施形態の画像形成装置100における中間転写ベルト8の寿命予測制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図14を参照しながら、図15のステップに沿って寿命予測制御の実行手順について詳細に説明する。
先ず、制御部90は中間転写ベルト8の回転駆動時に蛇行検知パターンPmを検知し(ステップS1)、蛇行検知パターンPmの検知結果に基づいて中間転写ベルト8の蛇行量を検知する。そして、検知された蛇行量mをRAM93に記憶する(ステップS2)。
次に、制御部90は所定時間内(例えば中間転写ベルト8が10周回する時間)の蛇行量の変化量Δmを算出し(ステップS3)、制御部90はΔm≧Aであるか否かを判定する(ステップS4)。Aは予め設定されたΔmの閾値である。Δm<Aである場合は(ステップS4でNo)、次にΔm≧Bであるか否かを判定する(ステップS5)。Bは予め設定されたΔmの閾値であり、Aよりも小さい値である。
Δm≧Bである場合は(ステップS5でYes)、制御部90は中間転写ベルト8の寿命が近いと判定し、液晶表示部81に中間転写ベルト8の寿命を通知する表示を行う(ステップS6)。Δm<Bである場合は(ステップS5でNo)、制御部90は中間転写ベルト8の寿命が近づいていないと判定し、そのまま処理を終了する。
一方、ステップS4でΔm≧Aである場合は(ステップS4でYes)、制御部90は中間転写ベルト8の寿命に到達したと判定し、画像形成を停止する(ステップS7)。また、液晶表示部81に中間転写ベルト8の交換を促す表示を行う(ステップS8)。
図15の制御によれば、RAM93に記憶された蛇行量mの推移に基づいて、中間転写ベルト8の経時的な変化をある程度予測することができる。そこで、蛇行量がどの程度変化すれば中間転写ベルト8の寿命に到達するかを予め設定しておけば、中間転写ベルト8の寿命に到達するまでの適切なタイミングで中間転写ベルト8の交換を通知することができる。従って、中間転写ベルト8の劣化に起因する蛇行の発生、および蛇行に伴うベルトの摩耗や破断を効果的に抑制することができる。
特に、アライメント調整機構65を有しない画像形成装置100において、中間転写ベルト8の摩耗や破断を未然に防止することができる。アライメント調整機構65を有しない画像形成装置100の場合、中間転写ベルト8の使用開始時からの蛇行量の累積値を予め設定された閾値と比較することで中間転写ベルト8の寿命を判定してもよい。
また、アライメント調整機構65を備えた画像形成装置100においても、中間転写ベルト8の劣化が進行すると、アライメントを調整してもすぐに蛇行が発生するため、所定時間内の蛇行量の変化量Δmに基づいて中間転写ベルト8の寿命を精度よく予測することができる。
また、画像形成装置100の予知保全を確実に行うことができ、サービスマンによる監視負担やメンテナンスコストも軽減することができる。サービスマンへの通知方法としては、例えばI/F96からメンテナンスを行うサービスマンの通信端末に現像剤の交換を促す通知をCBM(Condition Based Maintenance)アラートとして送信する。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では主走査方向に平行な第1直線L1またはエッジ部E1と、主走査方向に対し所定角度だけ傾斜した第2直線L2またはエッジ部E2を有する蛇行量検知パターンPmを用いたが、これに限定されるものではない。即ち、画像濃度センサー25のビームスポットが通過する互いに平行でない2つの直線部分を有する蛇行量検知パターンPmであれば、2つの直線部分の通過時間差から中間転写ベルト8の蛇行方向および蛇行量を検出することができる。
また、本発明は図1に示したような中間転写ベルト8に一次転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に限らず、画像形成部Pa〜Pdに沿って移動する無端状の搬送ベルトを備え、搬送ベルト上に吸着担持された用紙に画像形成部Pa〜Pdで形成された各色のトナー像を直接転写する直接転写方式の画像形成装置において、搬送ベルトの蛇行方向および蛇行量を検知することも可能である。
本発明は、中間転写ベルトや搬送ベルト等の無端状のベルトを備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、ベルトの蛇行を精度よく検出可能であり、且つ、センサー個数の増加や画像形成装置の大型化も抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
6a〜6d 一次転写ローラー(一次転写部材)
8 中間転写ベルト
9 二次転写ローラー(二次転写部材)
25 画像濃度センサー
30 中間転写ユニット
65 アライメント調整機構
74 転写電圧電源
80 操作部
90 制御部
100 画像形成装置
N 二次転写ニップ部
S 用紙(記録媒体)
P1 色ずれ検知パターン
P2 濃度検知パターン
Pm 蛇行量検知パターン
L1 第1直線
L2 第2直線

Claims (11)

  1. 異なる色のトナー像を形成する複数の画像形成部と、
    前記画像形成部に沿って移動する無端状のベルトと、
    前記画像形成部により前記ベルト上に形成された色ずれ検知パターンの位置情報および濃度検知パターンの濃度を検知する画像濃度センサーと、
    前記画像濃度センサーによる前記色ずれ検知パターンおよび前記濃度検知パターンの検知結果に基づいて、記録媒体上に形成される前記トナー像の濃度および色ずれを補正するキャリブレーションを実行する制御部と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記ベルトの表面には、前記ベルトの幅方向である主走査方向において前記色ずれ検知パターンおよび前記濃度検知パターンの形成位置と重なる位置に蛇行量検知パターンが形成されており、
    前記制御部は、前記画像濃度センサーによる前記蛇行量検知パターンの検知結果に基づいて前記ベルトの蛇行方向および蛇行量を検知することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記蛇行量検知パターンは、前記ベルトの前記主走査方向において所定サイズの前記記録媒体に対応する画像領域の外側に複数形成されており、
    前記色ずれ検知パターンおよび前記濃度検知パターンは、所定サイズ以下の前記記録媒体に対する画像形成時に前記蛇行量検知パターンの間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記色ずれ検知パターンおよび前記濃度検知パターンは、前記ベルトの進行方向である副走査方向において前記蛇行量検知パターンと重ならない位置に形成されることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記蛇行量検知パターンは、前記ベルトの進行方向である副走査方向に所定の間隔を隔てて対峙する互いに平行でない2つの直線部分を有し、
    前記制御部は、前記直線部分が前記画像濃度センサーを通過する通過時間差に基づいて前記ベルトの蛇行方向および蛇行量を検知することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記蛇行量検知パターンは、前記主走査方向に平行な直線部分と、前記主走査方向に対し所定角度だけ傾斜した直線部分とを有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記蛇行量検知パターンは、前記主走査方向に平行な第1直線と、前記主走査方向に対し所定角度だけ傾斜した第2直線とで構成される平面視V字状であり、
    前記制御部は、前記画像濃度センサーのビームスポットが前記第1直線および前記第2直線を通過したときに得られるセンサー出力波形のピーク位置を用いて前記第1直線および前記第2直線の通過時間差Δtを取得し、取得された前記通過時間差Δtを基準時間差Δtsと比較して前記ベルトの蛇行方向および蛇行量を検知することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記蛇行量検知パターンは、前記色ずれ検知パターンを構成する各色の基準画像を180°回転させた形状であることを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記ベルトを張架する複数の張架ローラーのうちの何れかの前記張架ローラーのアライメントを調整するアライメント調整機構を備え、
    前記制御部は、前記ベルトの蛇行方向および蛇行量の検知結果に基づいて前記アライメント調整機構により前記ベルトの蛇行を補正することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記ベルトの蛇行量を記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部に記憶された前記ベルトの蛇行量の推移に基づいて前記ベルトの寿命を予測することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、前記ベルトの蛇行量が所定値以上となったとき画像形成動作を停止することを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記ベルトは、前記記録媒体に二次転写するための前記トナー像が一次転写される中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
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