JP2021128238A - 画像形成装置 - Google Patents

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英樹 石田
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浩二 宇野
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則夫 冨家
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浩 山▲崎▼
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Abstract

【課題】トナー像の偏在に起因する中間転写ベルトの蛇行を抑制可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】画像形成装置は、複数の画像形成部と、画像形成部に沿って移動する無端状の中間転写ベルトと、一次転写部材と、二次転写部材と、制御部と、を備える。中間転写ベルトは、幅方向の中心線を境界線として一方側の第1領域と、他方側の第2領域とに区画されている。第1領域および第2領域は、それぞれ境界線を挟んで隣接する画像領域と、画像領域の幅方向外側に位置する非画像領域と、を有する。制御部は、第1領域および第2領域の画像領域に転写されるトナー像のトナー量を算出し、算出されたトナー量に基づいて第1領域および第2領域の非画像領域に補正トナー像を形成し、像担持体と中間転写ベルトの密着レベルを幅方向において均等化する。【選択図】図5

Description

本発明は、トナー像が一次転写される中間転写ベルトを備え、中間転写ベルト上に形成されたトナー像を記録媒体に二次転写する中間転写方式の画像形成装置に関するものである。
従来、所定方向に回動される無端状の中間転写ベルトと、中間転写ベルトに沿って設けられた複数の画像形成部とを備え、各画像形成部により中間転写ベルト上に各色のトナー像を順次重ね合わせて一次転写した後、二次転写ローラーにより用紙等の記録媒体上にトナー像を二次転写する中間転写方式の画像形成装置が知られている。
ところで、中間転写式の画像形成装置において中間転写ベルトの蛇行(偏り)が発生すると、中間転写ベルトの幅方向端部に機械的ストレスが加わり、中間転写ベルトの寿命を短くする。また、過度な蛇行が発生した場合は中間転写ベルトが破損する。
そこで、中間転写ベルトの蛇行を検出する方法が種々提案されており、例えば特許文献1、2には、軸方向に沿って徐々に増加する増加部分と軸方向に沿って徐々に減少する減少部分を有する、同一形状の多数の寄り位置検出用パターンをベルト周長に対して十分に短い間隔でベルト搬送方向に沿って連続的に形成し、寄り位置検出用パターンの検出幅に応じた検出信号に基づいてベルトの基準位置からの寄り量を検出するベルト寄り止め方法が開示されている。
特開平3−252691号公報 特開平4−63389号公報
上述したような中間転写ベルトの蛇行の原因の一つに、中間転写ベルト上のトナー像の偏在が挙げられる。中間転写ベルトと感光体ドラムは転写電圧によって電気的に引き寄せられているとともに機械的にも密着している。中間転写ベルトと感光体ドラムの間にトナーが介在すると、電気的吸引力および機械的密着が弱くなり、中間転写ベルトと感光体ドラムがスリップし易くなる。つまり、中間転写ベルトの幅方向においてトナー像の偏りがあると、トナー像が多い(スリップし易い)側と、トナー像が少ない(密着し易い)側とで中間転写ベルトの速度差が生じ、中間転写ベルトの蛇行を誘発する。
特許文献1、2の方法は、いずれもベルトの蛇行検出用マークを専用のセンサーを用いて検出し、検出結果に基づいて蛇行補正を行うものである。そのため、トナー像の偏在に起因する中間転写ベルトの蛇行を抑制することはできなかった。
本発明は、上記問題点に鑑み、トナー像の偏在に起因する中間転写ベルトの蛇行を抑制可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、複数の画像形成部と、中間転写ベルトと、一次転写部材と、二次転写部材と、制御部と、を備えた画像形成装置である。複数の画像形成部は、異なる色のトナー像を担持する像担持体を含む。中間転写ベルトは、無端状であって画像形成部に沿って移動し、像担持体に所定のニップ圧で圧接されて一次転写ニップ部を形成する。複数の一次転写部材は、中間転写ベルトを挟んで各画像形成部に配置された像担持体に対向配置され、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写ベルト上に一次転写する。二次転写部材は、中間転写ベルト上に一次転写されたトナー像を記録媒体上に二次転写する。制御部は、画像形成部を制御する。中間転写ベルトは、幅方向の中心線を境界線として一方側の第1領域と、他方側の第2領域とに区画されている。第1領域および第2領域は、それぞれ境界線を挟んで隣接する画像領域と、画像領域の幅方向外側に位置する非画像領域と、を有する。制御部は、第1領域および第2領域の画像領域に転写されるトナー像のトナー量を算出し、算出されたトナー量に基づいて第1領域および第2領域の非画像領域に補正トナー像を形成し、像担持体と中間転写ベルトの密着レベルを幅方向において均等化する。
本発明の第1の構成によれば、中間転写ベルトの幅方向の一方側の第1領域および他方側の第2領域の画像領域に転写されるトナー像のトナー量を算出し、算出されたトナー量に基づいて第1領域および第2領域の非画像領域に補正トナー像を形成する。これにより、中間転写ベルトと像担持体との密着レベルを軸方向で均等化することができ、トナーの偏在による中間転写ベルトの蛇行を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の内部構成を示す概略図 図1における画像形成部Pa付近の拡大図 本実施形態の画像形成装置100に搭載される中間転写ユニット30の側面断面図 本実施形態の画像形成装置100の制御経路の一例を示すブロック図 中間転写ベルト8の第1領域R1および第2領域R2に形成される印字画像G1、G2および補正トナー像Tcの平面図であり、印字画像G1、G2のトナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図 中間転写ベルト8の第1領域R1および第2領域R2に形成される印字画像G1、G2および補正トナー像Tcの平面図であり、印字画像G1、G2のトナー像Tが存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示す図 本実施形態の画像形成装置100において実行される画像形成制御例を示すフローチャート 感光体ドラム1a〜1dと中間転写ベルト8とのニップ部における軸方向のニップ圧の分布を示すグラフ トナー量とベルト幅方向中心からの距離との積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図 トナー量とベルト幅方向中心からの距離との積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示す図 トナー量とニップ圧との積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図 トナー量とニップ圧との積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示す図 トナー量、ベルト幅方向中心からの距離、およびニップ圧の積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図 トナー量、ベルト幅方向中心からの距離、およびニップ圧の積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しくなるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示す図 補正トナー像Tcの形成制御と現像ローラー31上のトナー強制吐出制御とを兼用したトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー量、ベルト幅方向中心からの距離、およびニップ圧の積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しく、且つ、トナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図 補正トナー像Tcの形成制御と現像ローラー31上のトナー強制吐出制御とを兼用したトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー量、ベルト幅方向中心からの距離、およびニップ圧の積から得られるベルト周方向の各領域の加重平均が等しく、且つ、トナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示す図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の構成を示す概略図であり、図2は、図1における画像形成部Pa付近の拡大図である。
図1に示す画像形成装置100は、いわゆるタンデム方式のカラープリンターであり、以下のような構成になっている。画像形成装置100本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、PcおよびPdが、搬送方向上流側(図1では左側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像および転写の各工程によりイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム1a、1b、1cおよび1dが配設されている。さらに図1において反時計回り方向に回転する中間転写ベルト8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次転写された後、二次転写ローラー9において記録媒体の一例としての用紙S上に一度に転写される。さらに、定着部13において用紙S上に定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において時計回り方向に回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が転写される用紙Sは、画像形成装置100の本体下部の用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12aおよびレジストローラー対12bを介して二次転写ユニット9へと搬送される。中間転写ベルト8には継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。以下、画像形成部Paについて詳細に説明するが、画像形成部Pb〜Pdについても基本的に同様の構成であるため説明を省略する。図2に示すように、感光体ドラム1aの周囲には、ドラム回転方向(図2の時計回り方向)に沿って帯電装置2a、現像装置3a、クリーニング装置7aが配設され、中間転写ベルト8を挟んで一次転写ローラー6aが配置されている。また、感光体ドラム1aに対し中間転写ベルト8の回転方向上流側には中間転写ベルト8を挟んでテンションローラー11に対向するベルトクリーニングユニット19が配置されている。
次に、画像形成装置100における画像形成手順について説明する。ユーザーにより画像形成開始が入力されると、先ず、メインモーター61(図4参照)により感光体ドラム1a〜1dの回転が開始され、帯電装置2a〜2dの帯電ローラー20によって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させる。次いで露光装置5から出射されたビーム光(レーザー光)によって感光体ドラム1a〜1dの表面を光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像信号に応じた静電潜像を形成する。
現像装置3a〜3dには、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各色のトナーが所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dの現像ローラー21により感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着する。これにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナーがクリーニング装置7a〜7dのクリーニングブレード22および摺擦ローラー23により除去される。
ベルト駆動モーター63(図4参照)による駆動ローラー10の回転に伴い中間転写ベルト8が反時計回り方向に回転を開始すると、用紙Sがレジストローラー対12bから所定のタイミングで中間転写ベルト8に隣接して設けられた二次転写ローラー9へ搬送され、フルカラー画像が転写される。トナー像が転写された用紙Sは定着部13へと搬送される。中間転写ベルト8の表面に残存したトナーはベルトクリーニングユニット19によって除去される。
定着部13に搬送された用紙Sは、定着ローラー対13aにより加熱および加圧されてトナー像が用紙Sの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された用紙Sは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられ、そのまま(或いは、両面搬送路18に送られて両面印字された後に)、排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
画像形成部Pdの下流側において中間転写ベルト8と対向する位置には画像濃度センサー25が配置されている。画像濃度センサー25としては、一般にLED等から成る発光素子と、フォトダイオード等から成る受光素子を備えた光学センサーが用いられる。中間転写ベルト8上のトナー付着量を測定する際、発光素子から中間転写ベルト8上に形成された各パッチ画像(基準画像)に対し測定光を照射すると、測定光はトナーによって反射される光、およびベルト表面によって反射される光として受光素子に入射する。
トナーおよびベルト表面からの反射光には正反射光と乱反射光とが含まれる。この正反射光および乱反射光は、偏光分離プリズムで分離された後、それぞれ別個の受光素子に入射する。各受光素子は、受光した正反射光と乱反射光を光電変換して制御部90(図4参照)に出力信号を出力する。
そして、正反射光と乱反射光の出力信号の特性変化からパッチ画像の画像濃度(トナー量)、画像位置を検知し、予め定められた基準濃度、基準位置と比較して現像電圧の特性値、露光装置5の露光開始位置およびタイミング等を調整することにより、各色について濃度補正および色ずれ補正(キャリブレーション)が行われる。
図3は、本実施形態の画像形成装置100に搭載される中間転写ユニット30の側面断面図である。図5に示すように、中間転写ユニット30は、下流側の駆動ローラー10と上流側のテンションローラー11とに掛け渡された中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1dに接触する一次転写ローラー6a〜6dと、押圧切換ローラー34と、を有する。
中間転写ベルト8は、例えばポリイミド樹脂やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)にイオン導電材や導電性カーボン等の導電材を混合して導電性を付与したもので構成される。また、中間転写ベルト8に弾性を付与して応力集中による画像の中抜け現象を防止するために弾性層を設けてもよい。弾性層の材質としては、例えばヒドリンゴムやクロロプレンゴム、ポリウレタンゴム等が用いられる。さらに弾性層を保護するコート層を設けてもよい。コート層の材質としてはアクリル、シリコン、フッ素樹脂等が用いられる。
テンションローラー11に対向する位置には、中間転写ベルト8の表面に残存するトナーを除去するためのベルトクリーニングユニット19が配置されている。駆動ローラー10には中間転写ベルト8を介して二次転写ローラー9が対向配置されている。
中間転写ユニット30は、一次転写ローラー6a〜6dおよび押圧切換ローラー34の回転軸の両端部を回転可能、且つ中間転写ベルト8の進行方向に対し垂直(図3の上下方向)に移動可能に支持する一対の支持部材(図示せず)と、一次転写ローラー6a〜6dおよび押圧切換ローラー34を上下方向に往復移動させる駆動手段(図示せず)と、を有するローラー接離機構35を備えている。ローラー接離機構35は、4本の一次転写ローラー6a〜6dを、それぞれ中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1a〜1d(図1参照)に圧接するカラーモードと、一次転写ローラー6dのみを中間転写ベルト8を介して感光体ドラム1dに圧接するモノクロモードと、4本の一次転写ローラー6a〜6dの全てを感光体ドラム1a〜1dから離間させる退避モードとに切り替え可能である。
図4は、本実施形態の画像形成装置100の制御経路の一例を示すブロック図である。なお、画像形成装置100を使用する上で装置各部の様々な制御がなされるため、画像形成装置100全体の制御経路は複雑なものとなる。そこで、ここでは制御経路のうち、本発明の実施に必要となる部分を重点的に説明する。
制御部90は、中央演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)91、読み出し専用の記憶部であるROM(Read Only Memory)92、読み書き可能な記憶部であるRAM(Random Access Memory)93、一時的に画像データ等を記憶する一時記憶部94、カウンター95、画像形成装置100内の各装置に制御信号を送信したり操作部80からの入力信号を受信したりする複数(ここでは2つ)のI/F(インターフェイス)96を少なくとも備えている。また、制御部90は、画像形成装置100の本体内部の任意の場所に配置可能である。
ROM92には、画像形成装置100の制御用プログラムや、制御上の必要な数値等、画像形成装置100の使用中に変更されることがないようなデータ等が収められている。RAM93には、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや、画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される。また、RAM93(またはROM92)には、キャリブレーションに用いる濃度補正テーブル等も記憶される。カウンター95は、印字枚数を積算してカウントする。
また、制御部90は、画像形成装置100における各部分、装置に対し、CPU91からI/F96を通じて制御信号を送信する。また、各部分、装置からその状態を示す信号や入力信号がI/F96を通じてCPU91に送信される。制御部90が制御する各部分、装置としては、例えば、画像形成部Pa〜Pd、二次転写ユニット9、ローラー接離機構35、メインモーター61、ベルト駆動モーター63、転写ローラー駆動モーター64、画像入力部70、電圧制御回路71、操作部80等が挙げられる。
画像入力部70は、画像形成装置100にパソコン等の上位機器から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部70より入力された画像信号はデジタル信号に変換された後、一時記憶部94に送出される。
電圧制御回路71は、帯電電圧電源72、現像電圧電源73、転写電圧電源74と接続され、制御部90からの出力信号によりこれらの各電源を作動させる。これらの各電源は、電圧制御回路71からの制御信号によって、帯電電圧電源72は帯電装置2a〜2d内の帯電ローラー20に、現像電圧電源73は現像装置3a〜3d内の現像ローラー21に、転写電圧電源74は一次転写ローラー6a〜6dおよび二次転写ローラー9に、それぞれ所定の電圧を印加する。
操作部80には、液晶表示部81、各種の状態を示すLED82が設けられており、ユーザーは操作部80のストップ/クリアボタンを操作して画像形成を中止し、リセットボタンを操作して画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする。液晶表示部81は、画像形成装置100の状態を示したり、画像形成状況や印字部数を表示したりするようになっている。画像形成装置100の各種設定はパソコンのプリンタードライバーから行われる。
本実施形態の画像形成装置100では、画像形成時に画像形成領域の外側(非画像領域)に、中間転写ベルト8の幅方向におけるトナー量の偏りを補正する補正トナー像を形成する。これにより、中間転写ベルト8上のトナーの偏在に起因する中間転写ベルト8の蛇行を抑制する。
図5は、中間転写ベルト8上に形成される印字画像G1、G2および補正トナー像Tcを上方から見た斜視図であり、印字画像G1、G2のトナー像Tの存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示す図である。矢印Xは中間転写ベルト8の進行方向を示している。
中間転写ベルト8は、ベルト幅方向(主走査方向、図5の上下方向)の中心線である境界線Lによって、ベルト進行方向(副走査方向、図5の左から右方向)に向かって左側(図5の上側)の第1領域R1と、右側(図5の下側)の第2領域R2とに区画されている。第1領域R1、第2領域R2は、それぞれ境界線Lを挟んで隣接する画像領域P1、P2と、画像領域P1、P2のベルト幅方向の外側に隣接する非画像領域B1、B2と、に区画されている。印字画像G1、G2は、第1領域R1の画像領域P1と第2領域R2の画像領域P2に跨って形成される。非画像領域B1、B2は、それぞれ画像領域P1、P2および中間転写ベルト8の側端縁と所定の間隔を有している。
図5に示す例では、副走査方向の所定幅wにおける第1領域R1と第2領域R2の印字画像G1、G2のトナー量を比較して、不足分を非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcとして形成している。所定幅wは、第1領域R1と第2領域R2のトナー量を比較して補正する際の最小単位となる長さであり、感光体ドラム1a〜1dと中間転写ベルト8のニップ部(一次転写ニップ部)のニップ幅(1〜2mm)以下であれば任意に設定可能である。例えば1ピクセルであってもよいし、1mmであってもよい。
具体的には、画像領域P1に形成されるトナー像Tの面積が画像領域P2に形成されるトナー像Tの面積よりも大きい部分では、画像領域P1とP2におけるトナー量の差分に当たる補正トナー像Tcを非画像領域B2に形成している。即ち、所定幅wの間ではトナー像Tと補正トナー像Tcのトナー量を加算したトナー量の総和が第1領域R1と第2領域R2とで等しくなっている。
図5のように補正トナー像Tcを形成することで、中間転写ベルト8上のトナー量が第1領域R1と第2領域R2とで均等になり、中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dとの密着レベルも軸方向で均等になる。その結果、トナーの偏在による中間転写ベルト8の蛇行を抑制することができる。
このとき、例えば画像形成部Pa〜Pcで形成された補正トナー像Tc上に、画像形成部Pdで形成される補正トナー像Tcが重なった場合、各補正トナー像Tcを重ならないように形成した場合と比べて、トナー量は同一であるが補正トナー像Tcの形成面積が小さくなる。その結果、中間転写ベルト8と画像形成部Pdの感光体ドラム1dとの密着レベルも変化する。
そこで、所定幅wの間で各画像形成部Pa〜Pdにおいて形成される補正トナー像Tcが中間転写ベルト8上で重ならないようにすることが好ましい。具体的には、各画像形成部Pa〜Pdにおける補正トナー像Tcの形成位置をベルト幅方向(主走査方向)にずらしておく。補正トナー像Tcをこのように形成することにより、例えば画像形成部Pdでは、ベルト進行方向に対し上流側の画像形成部Pa〜Pcで形成される補正トナー像Tcの影響を受けずに感光体ドラム1dと中間転写ベルト8との密着レベルを一定に維持することができる。
図6は、中間転写ベルト8上に形成される印字画像G1、G2および補正トナー像Tcを上方から見た斜視図であり、画像領域P1、P2のトナー像Tが存在しない部分にも非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcを形成した例を示す図である。図6に示す例では、印字画像G1、G2の間(紙間)を含む中間転写ベルト8の周方向の略全域に補正トナー像Tcを形成している。
補正トナー像Tcは、第1領域R1と第2領域R2のトナー量が中間転写ベルト8の周方向の全域において均等になるように形成されている。具体的には、印字画像G1、G2の間(紙間)、および印字画像G1、G2内であってトナー像Tが形成されない部分では一定幅(最大幅)の補正トナー像Tcを形成している。一方、印字画像G1、G2内であってトナー像Tが形成される部分では、トナー像Tの分だけ補正トナー像Tcの形成幅を小さくしている。
図6のように補正トナー像Tcを形成することで、図5の場合と同様に中間転写ベルト8上のトナー量が第1領域R1と第2領域R2とで均等になる。さらに、中間転写ベルト8の周方向におけるトナー量も均等化される。従って、トナーの偏在による中間転写ベルト8の蛇行をより効果的に抑制することができる。
図7は、本実施形態の画像形成装置100において実行される画像形成制御例を示すフローチャートである。必要に応じて図1〜図6を参照しながら、図7のステップに沿って画像形成時における中間転写ベルト8上のトナー量補正制御手順について説明する。
先ず、制御部90は印字命令を受信したか否かを判定する(ステップS1)。印字命令が受信されない場合は(ステップS1でNo)印字待機状態を継続する。印字命令を受信した場合は(ステップS1でYes)、制御部90はパソコン等の上位機器から画像入力部70に入力された画像データに基づいて、中間転写ベルト8上の第1領域R1および第2領域R2の印字画像のトナー量を算出する(ステップS2)。
次に、制御部90はステップS2で算出された第1領域R1および第2領域R2のトナー量に基づいて補正トナー像Tcの画像データを作成する(ステップS3)。具体的には、所定幅wの範囲で第1領域R1および第2領域R2のトナー量の和が等しくなるように補正トナー像Tcの画像データを作成する。補正トナー像Tcの画像データは、図5に示したように印字画像G1、G2の形成される部分のみに作成してもよいし、図6に示したように印字画像G1、G2が形成されない部分を含む中間転写ベルト8の周方向の略全域に作成してもよい。
次に、制御部90は印字を実行して画像領域P1、P2にトナー像Tを形成するとともに、非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcを形成する(ステップS4)。具体的には、画像形成部Pa〜Pdの駆動が開始され、二次転写ローラー9に転写電圧が印加される。そして、中間転写ベルト8の画像領域P1、P2にトナー像Tが、非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcがそれぞれ形成される。画像領域P1、P2に形成されたトナー像Tは二次転写ニップ部Nを通過する用紙Sに転写される。非画像領域B1、B2に形成された補正トナー像Tcはベルトクリーニングユニット19によって除去される。
次に制御部90は、印字が終了したか否かを判定する(ステップS5)。印字が継続している場合は(ステップS5でNo)ステップS2に戻り、第1領域R1、第2領域R2のトナー量の算出、補正トナー像の画像データの作成および印字動作を継続する。印字が終了している場合は(ステップS5でYes)処理を終了する。
本実施形態の構成によれば、中間転写ベルト8上のトナー量を第1領域R1と第2領域R2とで均等にすることができ、中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dとの密着レベルも軸方向で均等になる。その結果、トナーの偏在による中間転写ベルト8の蛇行を抑制することができる。
ところで、中間転写ベルト8の第1領域R1と第2領域R2のトナー量が均等である場合でも、中間転写ベルト8の幅方向中心(境界線L)からのトナー像の距離や、中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dのニップ圧によって中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dの密着レベルが変動する。具体的には、中間転写ベルト8の蛇行に対する影響は境界線Lからのトナー像の距離、および中間転写ベルト8と感光体ドラム1a〜1dのニップ圧に比例して大きくなる。
図8は、感光体ドラム1a〜1dと中間転写ベルト8とのニップ部における軸方向のニップ圧比率の分布を示すグラフである。図8に示すように、感光体ドラム1a〜1dと中間転写ベルト8のニップ圧は、軸方向の両端部のニップ圧比率を1とすると中央部に向かうにつれて連続的に低下し、中央部のニップ圧比率は0.2となっている。即ち、軸方向の両端部に比べて中央部のニップ圧が弱くなる。特に、中間転写ベルト8を挟んで感光体ドラム1a〜1dに対向する一次転写ローラー6a〜6dが、軸方向の全域に亘って外径が均一なストレートローラーである場合にこの傾向がみられる。
そこで、トナー量に加えて、トナー像が形成されるそれぞれの位置におけるベルト幅方向の中心からの距離、或いはニップ圧を加味(重み付け)した加重平均が、第1領域R1と第2領域R2とで等しくなるように補正トナー像を形成することが好ましい。
図9および図10は、中間転写ベルト8上の第1領域R1、第2領域R2に形成されるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー量とベルト幅方向中心からの距離との積から得られる各領域の加重平均が等しくなるようにトナー像Tおよび補正トナー像Tcを形成した例を示す図である。図9では画像領域P1、P2にトナー像Tが存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示しており、図10ではトナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示している。
図9に示すように、中間転写ベルト8は多数の行および列からなるマトリクス状に区画されている。第1領域R1、R2は、それぞれ境界線Lから左方向および右方向に16列分の画像領域P1、P2と、1列おいて7列分の非画像領域B1、B2を有する。マトリクスの各列の境界線Lからの距離Dは0.5mm〜23.5mmまで1mm間隔となっている。マトリクスの各行の間隔は所定幅w(ここでは1mm)である。マトリクスの行および列が交差する各領域(マス)には、画像濃度100%のトナー量を1としたときの各領域におけるトナー量を表す数値が記載されている。
図9における加重平均の算出方法について詳細に説明する。加重平均は、マトリクスの各行におけるトナー量と境界線Lからの距離Dとの積を加算したものである。例えば図9の上から2行目における第1領域R1の画像領域P1における加重平均は、1×(1.5+2.5+3.5+12.5+14.5)+0.2×4.5+0.5×(11.5+13.5)=47.9である。第2領域R2の画像領域P2における加重平均は、0.3×(1.5+2.5+3.5+4.5+5.5+6.5+7.5+8.5)+0.5×(11.5+12.5+13.5+14.5)=38である。
即ち、図9の上から2行目では、第1領域R1の画像領域P1のほうが第2領域R2の画像領域P2に比べて47.9−38=9.9だけ加重平均が大きい。そこで、第2領域R2の非画像領域B2の7列目にトナー量0.42の補正トナー像Tcを形成する。この補正トナー像Tcは境界線Lからの距離Dが23.5mmであるから、加重平均は0.42×23.5≒9.9となる。従って、第2領域R2の加重平均は38+9.9=47.9となり、第1領域R1と等しくなる。上記の計算を、マトリクスの各行について同様に行うことにより、図9に示したような補正トナー像Tcの画像データを作成することができる。
以上、図9における加重平均の算出方法について説明したが、図10においても全く同様に加重平均を算出することができる。図10では、トナー像Tが形成されない部分においても非画像領域B1、B2の全域にトナー量が1である補正トナー像Tcを形成することにより、加重平均を0.11×17.5+1×(18.5+19.5+20.5+21.5+22.5+23.5)≒128として、中間転写ベルト8の周方向におけるトナー量×距離Dのトナー量を均等化(=128)している。
図11および図12は、中間転写ベルト8上の第1領域R1、第2領域R2に形成されるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー量とニップ圧比率との積から得られる各領域の加重平均が等しくなるようにトナー像Tおよび補正トナー像Tcを形成した例を示す図である。図11では画像領域P1、P2にトナー像Tが存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示しており、図12ではトナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示している。マトリクスの各列には、図8のグラフに基づいて0.2〜1.0までのニップ圧比率Prが割り当てられている。マトリクスの他の構成は図9および図10と同様である。
図11における加重平均の算出方法について詳細に説明する。加重平均は、マトリクスの各行におけるトナー量とニップ圧比率Prとの積を加算したものである。例えば図11の上から2行目における第1領域R1の画像領域P1における加重平均は、1×(0.2×3+0.4+0.5)+0.2×0.2+0.5×(0.4+0.5)=1.99である。第2領域R2の画像領域P2における加重平均は、0.3×(0.2×5+0.3×3)+0.5×(0.4×2+0.5×2)=1.47である。
即ち、図11の上から2行目では、第1領域R1の画像領域P1のほうが第2領域R2の画像領域P2に比べて1.99−1.47=0.52だけ加重平均が大きい。そこで、第2領域R2の非画像領域B2の7列目にトナー量0.56の補正トナー像Tcを形成する。この補正トナー像Tcはニップ圧比率Prが1.0であるから、加重平均は0.56×1.0=0.56となる。従って、第2領域R2の加重平均は1.47+0.56=2.03となり、第1領域R1(=1.99)とほぼ等しくなる。上記の計算を、マトリクスの各行について同様に行うことにより、図11に示したような補正トナー像Tcの画像データを作成することができる。
以上、図11における加重平均の算出方法について説明したが、図12においても全く同様に加重平均を算出することができる。図12では、トナー像Tが形成されない部分においても非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcを形成することにより、加重平均を0.18×0.6+1×(0.7+0.8×2+0.9×2+1.0)≒5.2として、中間転写ベルト8の周方向におけるトナー量×ニップ圧比率Prの加重平均を均等化(=5.2)している。
図13および図14は、中間転写ベルト8上の第1領域R1、第2領域R2に形成されるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、トナー量、ベルト幅方向中心からの距離D、およびニップ圧比率Prの3つの値の積から得られる各領域の加重平均が等しくなるようにトナー像Tおよび補正トナー像Tcを形成した例を示す図である。図13では画像領域P1、P2にトナー像Tが存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示しており、図14ではトナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示している。マトリクスの各列には、0.5mm〜23.5mmまでの境界線Lからの距離D、および0.2〜1.0までのニップ圧比率Prが割り当てられている。マトリクスの他の構成は図9〜図12と同様である。
図13における加重平均の算出方法について詳細に説明する。加重平均は、マトリクスの各行におけるトナー量、距離D、ニップ圧比率Prの積を加算したものである。例えば図13の上から2行目における第1領域R1の画像領域P1における加重平均は、1×(1.5+2.5+3.5)×0.2+1×12.5×0.4+1×14.5×0.5+0.2×4.5×0.2+0.5×11.5×0.4+0.5×13.5×0.5≒19.6である。第2領域R2の画像領域P2における加重平均は、0.3×(1.5+2.5+3.5+4.5+5.5)×0.2+0.3×(6.5+7.5+8.5)×0.3+0.5×(11.5+12.5)×0.4+0.5×(13.5+14.5)×0.5≒14.9である。
即ち、図13の上から2行目では、第1領域R1の画像領域P1のほうが第2領域R2の画像領域P2に比べて19.6−14.9=4.7だけ加重平均が大きい。そこで、第2領域R2の非画像領域B2の7列目にトナー量0.21の補正トナー像Tcを形成する。この補正トナー像Tcは距離Dが23.5、ニップ圧比率Prが1.0であるから、加重平均は0.21×23.5×1.0≒4.9となる。従って、第2領域R2の加重平均は14.9+4.9=19.8となり、第1領域R1(=19.6)とほぼ等しくなる。上記の計算を、マトリクスの各行について同様に行うことにより、図13に示したような補正トナー像Tcの画像データを作成することができる。
以上、図13における加重平均の算出方法について説明したが、図14においても全く同様に加重平均を算出することができる。図14では、トナー像Tが形成されない部分においても非画像領域B1、B2に補正トナー像Tcを形成することにより、加重平均を0.26×21.5×0.9+1×22.5×0.9+1×23.5×1.0≒48.8として、中間転写ベルト8の周方向におけるトナー量×距離D×ニップ圧比率Prの加重平均を均等化(=48.8)している。
また、印字動作の繰り返しによりトナー外添剤の剥がれやトナー内への埋没等によりトナーが劣化して現像装置3a〜3d内のトナー帯電特性が変化し、トナーが過剰に帯電して画像濃度低下やかぶり画像が発生することがある。この場合、現像ローラー31上のトナーを感光体ドラム1a〜1d側に強制吐出するとともに、現像装置3a〜3d内に新たなトナーを補給することでトナーの帯電状態を回復することができる。
そのため、補正トナー像Tcの形成制御と現像ローラー31上のトナー強制吐出制御とを兼用することが好ましい。具体的には、補正トナー像Tcのトナー量を、トナー強制排出制御において排出される、トナーの帯電状態の回復に必要なトナー量以上とする。これにより、中間転写ベルト8の蛇行抑制とトナーの帯電状態の安定化を両立させることができ、印字動作以外のトナーの消費を極力抑制することができる。
図15および図16は、中間転写ベルト8上の第1領域R1、第2領域R2に形成されるトナー像Tおよび補正トナー像Tcの画像データを示す模式図であり、補正トナー像Tcの形成制御と現像ローラー31上のトナー強制吐出制御とを兼用した例を示す図である。図15および図16では、図13および図14と同様にトナー量、ベルト幅方向中心からの距離D、およびニップ圧比率Prの3つの値の積から得られる各領域の加重平均が等しくなるようにトナー像Tおよび補正トナー像Tcを形成している。図15では画像領域P1、P2にトナー像Tが存在する部分のみに補正トナー像Tcを形成した例を示しており、図16ではトナー像Tの存在しない部分にも補正トナー像Tcを形成した例を示している。
図15では、中間転写ベルト8の周方向の全域において、画像濃度100%のトナー量を1としたときのトナー排出量が6以上となるように、トナー像の存在しない部分にも各行について非画像領域B1、B2にそれぞれトナー量1のマスが3つの補正トナー像Tcを形成している。図16では、さらに中間転写ベルト8の周方向におけるトナー量×距離D×ニップ圧比率Prの加重平均を均等化(=63.1)している。加重平均の算出方法については図13、図14と同様である。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、第1領域R1、第2領域R2における画像領域P1、P2および非画像領域B1、B2の寸法は、画像形成装置100において使用される用紙Sの寸法および使用頻度に応じて適宜設定することができる。
また、本発明は図1に示したようなタンデム式のカラープリンターに限らず、カラー複写機、ファクシミリ等の、画像形成部Pa〜Pdに沿って移動する無端状の中間転写ベルトを備えた中間転写方式の画像形成装置にも全く同様に適用することができる。
本発明は、中間転写ベルトを備えた画像形成装置に利用可能である。本発明の利用により、トナー像の偏在に起因する中間転写ベルトの蛇行を抑制可能な画像形成装置を提供することができる。
Pa〜Pd 画像形成部
1a〜1d 感光体ドラム(像担持体)
6a〜6d 一次転写ローラー(一次転写部材)
8 中間転写ベルト
9 二次転写ローラー(二次転写部材)
25 画像濃度センサー
30 中間転写ユニット
74 転写電圧電源
80 操作部
90 制御部
100 画像形成装置
N 二次転写ニップ部
S 用紙(記録媒体)
R1 第1領域
R2 第2領域
P1、P2 画像領域
B1、B2 非画像領域
Tc 補正トナー像

Claims (11)

  1. 異なる色のトナー像を担持する像担持体を含む複数の画像形成部と、
    前記画像形成部に沿って移動し、前記像担持体に所定のニップ圧で圧接されて一次転写ニップ部を形成する無端状の中間転写ベルトと、
    前記中間転写ベルトを挟んで前記各画像形成部に配置された像担持体に対向配置され、前記像担持体上に形成された前記トナー像を前記中間転写ベルト上に一次転写する複数の一次転写部材と、
    前記中間転写ベルト上に一次転写された前記トナー像を記録媒体上に二次転写する二次転写部材と、
    前記画像形成部を制御する制御部と、
    を備えた画像形成装置において、
    前記中間転写ベルトは、幅方向の中心線を境界線として一方側の第1領域と、他方側の第2領域とに区画されており、前記第1領域および前記第2領域は、それぞれ前記境界線を挟んで隣接する画像領域と、前記画像領域の幅方向外側に位置する非画像領域と、を有し、
    前記制御部は、前記第1領域および前記第2領域の前記画像領域に転写される前記トナー像のトナー量を算出し、算出された前記トナー量に基づいて前記第1領域および前記第2領域の前記非画像領域に補正トナー像を形成し、前記像担持体と前記中間転写ベルトの密着レベルを前記幅方向において均等化することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記中間転写ベルトの周方向の単位領域毎に前記第1領域および前記第2領域に存在する前記トナー像および前記補正トナー像のトナー量の総和が等しくなるように前記補正トナー像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、前記中間転写ベルトの周方向の単位領域毎に前記第1領域および前記第2領域に存在する前記トナー像および前記補正トナー像のトナー量の加重平均が等しくなるように前記補正トナー像を形成することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記加重平均は、前記トナー量と、前記中間転写ベルトの幅方向中心からの距離との積から得られる平均であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記加重平均は、前記トナー量と、前記一次転写ニップ部における前記像担持体の軸方向のニップ圧比率との積から得られる平均であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記加重平均は、前記トナー量、前記中間転写ベルトの幅方向中心からの距離、および前記一次転写ニップ部における前記像担持体の軸方向のニップ圧比率の積から得られる平均であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 前記単位領域は、前記一次転写ニップ部のニップ幅以下であることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記画像形成部は、前記像担持体に前記トナーを供給して前記トナー像を形成する現像装置を含み、
    前記制御部は、前記現像装置内の前記トナーを前記像担持体に強制吐出させて前記トナーの帯電量を回復するトナー強制吐出制御を実行可能であり、
    前記補正トナー像のトナー量を、前記トナー強制排出制御において排出されるトナー量以上とすることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記補正トナー像は、前記中間転写ベルトの周方向において前記画像領域に前記トナー像が転写される部分のみに形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 前記補正トナー像は、前記中間転写ベルトの周方向において前記画像領域に前記トナー像が転写されない部分にも形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
  11. 前記補正トナー像は、前記中間転写ベルトの幅方向において、前記中間転写ベルトの進行方向に対し上流側の前記画像形成部で形成された前記補正トナー像に重ならない位置に形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の画像形成装置。
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