JP2021128160A - 積層体に内在する異物の分析方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の樹脂層からなる積層体について内在する異物の存在位置を把握し、その異物を精度よく分析する。【解決手段】積層体の表面を観察し、異物の介在に起因して表面に生じる異物領域の位置を特定する異物領域特定工程と、異物領域を分断するように積層体を切断し、その切断面に異物を露出させる切断工程と、切断面に露出する異物を分析する分析工程と、を有し、分析工程は、異物に対してX線を照射してEDXスペクトルを取得する第1取得工程と、異物の周囲にある樹脂層に対して所定のレーザ光強度でレーザ光を照射し、樹脂層の炭化の有無を確認する確認工程と、異物に対して、確認工程で炭化が確認されなかったレーザ光強度でレーザ光を照射して、ラマンスペクトルを取得する第2取得工程と、を有し、EDXスペクトルおよびラマンスペクトルに基づいて異物を分析する、積層体に内在する異物の分析方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、積層体に内在する異物の分析方法に関する。
近年、電子機器には、より高い信頼性が求められるようになっている。そのため、製造工程においては、品質管理がより重要となっており、その確実性が求められている。品質管理としては、例えば最終製品や中間製品などに混入する異物を把握するだけでなく、異物混入の原因を特定することが必要となる。具体的には、異物がどのような成分であって、何に由来するのか、を特定する必要がある。
例えば、ウェハ表面上に付着する異物(パーティクル)を同定する方法として、ウェハ上の異物を観察により見つけた後、異物に対してレーザービームを照射し、異物から発生するラマン散乱光に基づいて、異物の同定を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2006−300883号公報
ところで、複数の樹脂層からなる積層体を対象とした品質管理では、積層体の外観検査によって異常な外観を有する部位が観察された場合に、その異常な外観が、積層体表面ではなく、積層体の内部に存在する異物に起因することがある。この場合、その異物の存在位置を把握し、異物を同定・分析することが重要である。
本発明は、複数の樹脂層からなる積層体について内在する異物の存在位置を把握し、その異物を精度よく分析する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、
複数の樹脂層が積層された積層体において前記樹脂層の間に介在して前記積層体に内在する異物を分析する分析方法であって、
前記積層体の表面を観察し、前記異物の介在に起因して表面に生じる異物領域の位置を特定する異物領域特定工程と、
前記異物領域を分断するように前記積層体を切断し、その切断面に前記異物を露出させる切断工程と、
前記切断面に露出する前記異物を分析する分析工程と、を有し、
前記分析工程は、
前記異物に対してX線を照射してEDXスペクトルを取得する第1取得工程と、
前記異物の周囲にある前記樹脂層に対して所定のレーザ光強度でレーザ光を照射し、前記樹脂層の炭化の有無を確認する確認工程と、
前記異物に対して、前記確認工程で炭化が確認されなかったレーザ光強度でレーザ光を照射して、ラマンスペクトルを取得する第2取得工程と、を有し、前記EDXスペクトルおよび前記ラマンスペクトルに基づいて前記異物を分析する、
積層体に内在する異物の分析方法である。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、
前記確認工程では、前記レーザ光強度を低いレベルから徐々に高めて、前記樹脂層が炭化しないようなレーザ光強度を求める。
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、
前記第2取得工程では、前記レーザ光の波長が450nm〜800nmである。
本発明の第4の態様は、第1〜3の態様のいずれかにおいて、
前記切断工程では、前記積層体に集束イオンビームを照射して切断する。
本発明の第5の態様は、第4の態様において、
前記切断工程では、前記集束イオンビームの照射により得られるSIM像で前記異物領域を観察しながら、前記積層体を切断する。
本発明によれば、複数の樹脂層からなる積層体について内在する異物の存在位置を把握し、その異物を精度よく分析することができる。
本発明における異物を内在する積層体の概略構成を示す模式図である。 積層体を切断し、その断面に異物を露出させる場合を説明するための図である。
<本発明の一実施形態>
以下、本発明の一実施形態に係る分析方法について図を用いて説明する。図1は、本発明における異物を内在する積層体の概略構成を示す模式図である。図2は、積層体を切断し、その断面に異物を露出させる場合を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態の積層体10は、第1の樹脂層11と、第1樹脂層11上に積層された第2の樹脂層12とを備えて構成される。積層体10において、第1の樹脂層11と第2の樹脂層12との間に異物13が介在すると、第2の樹脂層12の表面の、異物13が位置する箇所に、異物13に起因する異物領域14が形成されることがある。異物領域14は、表面外観の不良として観察される。異物13は、第2の樹脂層12で覆われて積層体10に内在しているので、その表面(異物領域14)から直接分析することが困難である。
積層体10に内在して表面から直接分析できない異物13を同定するため、本実施形態では、異物領域特定工程と、切断工程と、分析工程とを行う。以下、各工程について説明する。
(異物領域特定工程)
本実施形態では、積層体10に内在する異物13を精度よく同定するために、まず、異物13に起因して第2の樹脂層12の表面に生じる異物領域14の位置を特定する。具体的には、例えば光学顕微鏡により第2の樹脂層12の表面を観察し、異物領域14の位置を特定する。これにより、異物13の位置を特定する。
(切断工程)
積層体10において、異物13が第2の樹脂層12で覆われた状態だと、異物13を直接分析することが困難であり、異物13がどのような物質であるかを精度よく同定することができない。そこで、本実施形態では、積層体10を切断し、その切断面に異物13を露出させるようにする。具体的には、図1に示すように、異物領域14が分断されるようなカットライン(図1中の点線)に沿って積層体10を積層方向に切断する。これにより、図2に示すような、切断面20aに異物13が露出する分析試料20を作製する。後述する分析工程では、この分析試料20の切断面20aを被分析面とする。
切断方法としては、特に限定されないが、集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam)により行うことが好ましい。FIBによれば、積層体10にイオンビームを照射したときに2次電子を測定することによりSIM(Scanning Ion Microscope)像を観測することができるので、SIM像を観察しながら切断加工を行うことができる。しかも、その分解能が10nm以下であるので、異物領域14が微小なサイズ、例えばサブμmレベルのサイズであっても、切断加工を行うことができる。
なお、図1では、積層体10を厚さ方向に垂直に切断する場合を示すが、斜めに切断してもよい。切断工程においては切断方向を適宜変更し、切断面20aに露出する異物13の断面積を大きく確保することが好ましい。これにより、異物13が微細であっても、切断したときに所望の断面積を得られ、後述の分析工程で高い分析精度を維持することができる。
(分析工程)
続いて、分析試料20の切断面20aに露出する異物13を分析する。具体的には、異物13についてのEDXスペクトルおよびラマンスペクトルを取得し、これらに基づいて異物13の分析を行う。
EDXスペクトルによれば、異物13がどのような元素から構成されているかを把握することができる。例えば、異物13が金属や金属酸化物などの無機化合物からなる場合であれば、異物13の元素を特定することで、その化合物種を同定することが可能となる。一方、異物13が有機物からなる場合、異物13が有機物として例えば炭素を含むといったように元素分析はできるものの、その化学構造などまでは特定できず、有機化合物としての種類までは同定することができない。
有機物の化学構造などを把握する方法としては、例えば顕微ラマン分光法や顕微フーリエ変換赤外分光法(顕微FTIR)といった分光手法が考えられるが、本実施形態では、顕微ラマン分光法を用いる。
顕微ラマン分光法とは、光学顕微鏡とレーザラマン分光器を組み合わせた顕微ラマン分光システムである。これは、顕微鏡に単色光(レーザ光)を導入し、顕微鏡下に置かれた微小試料にレーザ光を集光し、微小試料からの散乱光を顕微鏡で収集し、それをラマン分光計に導入してラマンスペクトルを得るものである。試料にレーザ光を照射した際に発生するラマン散乱光を検出・分光することにより、試料の化学結合や結晶状態などに関する情報を得る方法で、各種化合物の化学分析を高い空間分解能で行うことができる。また、測定された試料のラマンスペクトルを、既知物質のスペクトルのデータベースと照らし合わせることで、試料の物質名を特定することができる。
本実施形態において、異物13を顕微ラマン分光法により分析する理由としては、顕微ラマン分光法の空間分解能(最小分析サイズ)が1μm程度であって、顕微FTIRの空間分解能(10μm程度)よりも小さく、より微細な試料を分析できるためである。また、顕微ラマン分光法によれば、顕微FTIRのように、分析対象である異物13の下地(本実施形態では第1の樹脂層11)による影響を受けることなく分析できるので、異物13の組成や化学構造などを精度よく分析できるためである。
顕微ラマン分光法で取得できるラマンスペクトルによれば、異物13について化学構造などを含む詳細な情報が得られ、化合物種を同定することができる。
ただし、本発明者らの検討によると、ラマンスペクトルを取得する際に照射するレーザ光の強度によっては、異物13の化合物種を正確に同定できないことが分かった。具体的には、例えば異物13が有機物からなる場合、レーザ光の強度が高いと異物13が炭化して、異物13の化合物種が炭素と同定されてしまうことがある。この場合、異物13が元々、炭素から構成されていたのか、それとも炭化により炭素を含むとされたのか、不明であり、化合物種を正確に同定できなくなる。一方、レーザ光強度を過度に低くすると、検出感度が低くなるので、化合物種を特定できるようなスペクトルを取得しにくくなる。
異物13を正確に分析するには、レーザ光強度を、所望の高い検出感度を実現しながらも、異物13を炭化させないような適度な強度に設定する必要がある。この点についてさらに検討したところ、異物13にレーザ光を照射する前に、異物13の周囲にある樹脂層(第1の樹脂層11または第2の樹脂層12)に対してレーザ光を照射し、これらの樹脂層が炭化しないかどうかを確認することで、適切なレーザ光強度を確認するとよいことを見出した。炭化が確認されなかったレーザ光強度であれば、異物13にレーザ光を照射しても炭化を抑制できるので、化合物種を特定できるようなラマンスペクトルを取得することができる。なお、異物13は、樹脂層(第1の樹脂層11または第2の樹脂層12)に比べてレーザ光で炭化しにくい成分からなる。以下、本実施形態の分析工程について詳述する。
(第1取得工程)
まず、SEM−EDXを用いて切断面20aに対してX線を照射してEDXスペクトルを取得する。SEM−EDXによれば、EDXスペクトルに基づいて異物13がどのような元素から構成されているかを把握することができる。しかも、数μmオーダーの微小な対象に対し元素の分析を行うことが可能である。
第1取得工程では、EDXスペクトルの取得を行うとともに、SEMにより分析試料20の切断面20aの形態観察を行うことが好ましい。SEMによる観察によれば、切断面20aの凹凸状態だけでなく、組成の分布状態、結晶粒子の状態なども観察することができる。つまり、異物13の周囲の状態を物理的に把握することが可能となる。
(確認工程)
続いて、分析試料20を顕微ラマン分光分析装置の測定部に導入する。このとき、分析試料20の分析面となる切断面20aが、測定部から照射される単色光(レーザー光)の光軸と直行するように、かつ焦点深度が分析面で同じとなるように、分析試料20を測定部に配置する。
分析試料20の配置の際、分析試料20が厚く、自立できるようであれば、測定部にそのまま配置すればよい。一方、分析試料20が薄く、自立できないようであれば、例えば、分析試料20の側面、例えば第2の樹脂層12の表面側(図2の紙面の奥側)に金属プレートを添えるように貼り合わせるとよい。これにより、分析試料20の取り扱い性を良くし、分析試料20を位置ずれや焦点深度のずれなどを生じさせることなく移動させることが可能となる。
続いて、測定部に配置した分析試料20の切断面20aに露出する第1の樹脂層11に対してレーザ光30aを所定のレーザ光強度で照射する。照射により第1の樹脂層11から発生するラマン散乱光を分光部にて分光し、分光されたラマン散乱光を検出部にて検出することで、第1の樹脂層11のラマンスペクトルを得る。得られた第1の樹脂層11のラマンスペクトルを既知物質のラマンスペクトルと照らし合わせることにより、第1の樹脂層11の化合物種を同定する。そして、ラマンスペクトルから第1の樹脂層11が炭化したかどうかを確認する。炭化が確認されなければ、レーザ光強度を上げて再度照射を行い、炭化の有無を確認する。ここでは、レーザ光強度を徐々に高めて繰り返し操作を行うことで、炭化が確認されず、所望の検出感度が得られるようなレーザ光強度を求める。
好ましくは、確認工程では、レーザ光強度を低いレベルから徐々に高めて、樹脂層が炭化しないようなレーザ光強度を求めるとよい。例えば、レーザ光強度を、低いレベル、例えば出力0.1mW、露光時間1.0秒程度から徐々に高くして、異物13などが損傷しないような範囲で、高感度となるように適宜調整するとよい。
(第2取得工程)
次に、測定部に配置した分析試料20の切断面20aに露出する異物13に対してレーザ光30bを照射する。このときのレーザ光強度を、確認工程で炭化が確認されず、かつ所望の高い感度を得られるような強度に設定する。この照射により異物13から発生するラマン散乱光を分光部にて分光し、分光されたラマン散乱光を検出部にて検出することで、最終的に異物13のラマンスペクトルを得る。そして、異物13のラマンスペクトルを既知物質のラマンスペクトルと照らし合わせることにより、異物13の化合物種を同定する。
なお、顕微ラマン分光を行うときのレーザ光の照射条件は特に限定されない。この照射条件としては、例えばレーザ波長や露光時間などがあり、これらは短時間の測定でSN比の高いラマンスペクトルを得られることを目指して適宜変更すればよい。
レーザ光源の励起波長は特に制限されないが、微細な異物13を分析できるような高い空間分解能を得る目的からは、可視光線の領域450〜800nmが好ましく、例えば、アルゴンイオンレーザやヘリウムネオンレーザを用いることができる。レーザ光の波長は基本的には短い波長が好ましい。その理由は、短波長であるほどラマン散乱の効率が上がるためである。
また、露光時間については、上記で決定したレーザ光強度でラマンスペクトルの強度が十分得られるように適宜変更すればよい。
このように、本実施形態の方法によれば、複数の樹脂層からなる積層体10において、その層間に異物13が介在し、表面から直接分析できない場合であっても、積層体10の切断により異物13を露出させて、異物13のEDXスペクトルおよびラマンスペクトルを取得し、これらに基づいて異物13の化合物種を同定している。しかも、ラマンスペクトルの取得に際し、第1の樹脂層11にレーザ光を照射して、異物13が炭化せず、かつ所望の高い感度を得られるようなレーザ光強度を確認したうえで、異物13に対してレーザ光を照射している。そのため、異物13が炭化することで、その化合物種が炭素であるといったような誤分析を抑制することができる。したがって、本実施形態の分析方法によれば、積層体10に内在する異物13について、その化合物種を正確に分析することができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
上述の実施形態では、積層体10が第1の樹脂層11および第2の樹脂層12の2層から構成される場合について説明したが、積層体10は3以上の樹脂層から構成されてもよい。
また、上述の実施形態では、分析工程で異物13を分析する場合を説明したが、異物13とともに第1の樹脂層11や第2の樹脂層12についても同様に分析を行ってもよい。これにより、第1の樹脂層11や第2の樹脂層12に含まれる元素を特定し、例えば、異物13に含まれる元素と比較することで、異物13が何に由来する成分であるかを把握することができる。
また、上述の実施形態では、図2に示すように、異物13を積層体10に埋め込まれた状態のまま分析する場合について説明したが、異物13を積層体10から例えばマニプュレーターを用いて抽出し分析してもよい。このとき、異物13が微細である場合、例えばガラスプレートで異物13を挟み、押しつぶした状態で分析することが好ましい。押しつぶすことにより異物13の断面積を大きくできるので、EDXスペクトルやラマンスペクトルをより精度よく取得することができるためである。
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
(実施例1)
まず、分析対象である積層体を準備した。本実施例では、第1の樹脂層(厚さ約50μm)と、第1の樹脂とは組成および構造式が異なる第2の樹脂層(厚さ約25μm)とを積層させたフィルム状の積層体を用いた。
次に、準備した積層体の第2の樹脂層の表面を光学顕微鏡により観察し、積層体に内在する異物に起因して第2の樹脂層の表面に生じる異物領域の位置を特定した。異物領域の大きさは、径が約25μmであることが確認された。
続いて、FIBにて、異物領域を分断するように積層体を切断し、切断面に異物が露出する分析試料を得た。その切断面を観察したところ、第1の樹脂層と第2の樹脂層とが積層され、これらの間に異物が存在していることが確認された。異物の大きさは、約2μmであることが確認された。
続いて、SEM−EDX分析装置にて、分析試料の切断面に露出する異物に対応するEDXスペクトルを取得した。また、異物と同様に、切断面に露出する第1の樹脂層および第2の樹脂層に対応するEDXスペクトルをそれぞれ取得した。この結果、異物は第2の樹脂層と同じ成分で構成されていることが分かった。
なお、SEM−EDX分析装置としては、日本電子株式会社製の電界放出型走査電子顕微鏡JSM−7100Fを用いた。測定条件としては、加速電圧は、観察時5kV、分析時15kVとし、W.D(分析試料とプローブとの間の距離)は、観察時、分析時ともに10mmとした。
続いて、分析試料の側面に金属プレートを貼り合わせ、これを顕微ラマン分光分析装置の試料ステージに載置した。この試料ステージを分析装置に設けられる光学顕微鏡の対物レンズの直下に動かした。その後、レーザ光の焦点を第1の樹脂層に移動させ、第1の樹脂層に対応するラマンスペクトルを取得した。本実施例では、レーザ光の強度を、出力0.1mW、露光時間1.0秒から徐々に上げて、第1の樹脂層が炭化せず、かつ所望の高い検出感度が得られるような強度を確認した。
続いて、レーザ光の焦点を異物に移動させ、異物に対応するラマンスペクトルを取得した。このときのレーザ光強度を上記で確認した強度に設定した。また同様に、切断面に露出する第1の樹脂層および第2の樹脂層に対応するラマンスペクトルの取得も行った。
なお、顕微ラマン分光分析装置としては、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製のDXR型を用いた。測定条件は以下のとおりである。励起光源としては、波長532nmのArレーザを使用した。励起光の出力は、分析試料の分析面で0.5mWとなるように設定した。対物レンズとしては、倍率50倍の長焦点レンズを使用した。露光時間は1秒とし、露光(積算)回数は10回とし、アパーチャーを25μmピンホールとし、測定範囲を50cm−1〜3400cm−1とした。
異物、第1の樹脂層および第2の樹脂層のそれぞれのラマンスペクトルを比較したところ、異物からは、第2の樹脂層と同じ位置にラマンピークが検出されることが確認された。このことから、異物が第2の樹脂層に由来するものと同定された。
以上のように、本発明によれば、積層体の内部に存在し、表面分析では化合物種を同定できないような異物であっても、積層体を切断して切断面に露出させ、露出した異物を直接分析することで、その化合物種を同定することが可能となる。そして、本発明によれば、電子機器などの製造工程に適用することにより、例えば中間製品や最終製品への異物の発生原因を明らかにして、品質管理や品質向上に寄与することができる。
10 積層体
11 第1の樹脂層
12 第2の樹脂層
13 異物
14 異物領域
20 分析試料
20a 切断面(分析面)

Claims (5)

  1. 複数の樹脂層が積層された積層体において前記樹脂層の間に介在して前記積層体に内在する異物を分析する分析方法であって、
    前記積層体の表面を観察し、前記異物の介在に起因して表面に生じる異物領域の位置を特定する異物領域特定工程と、
    前記異物領域を分断するように前記積層体を切断し、その切断面に前記異物を露出させる切断工程と、
    前記切断面に露出する前記異物を分析する分析工程と、を有し、
    前記分析工程は、
    前記異物に対してX線を照射してEDXスペクトルを取得する第1取得工程と、
    前記異物の周囲にある前記樹脂層に対して所定のレーザ光強度でレーザ光を照射し、前記樹脂層の炭化の有無を確認する確認工程と、
    前記異物に対して、前記確認工程で炭化が確認されなかったレーザ光強度でレーザ光を照射して、ラマンスペクトルを取得する第2取得工程と、を有し、前記EDXスペクトルおよび前記ラマンスペクトルに基づいて前記異物を分析する、
    積層体に内在する異物の分析方法。
  2. 前記確認工程では、前記レーザ光強度を低いレベルから徐々に高めて、前記樹脂層が炭化しないようなレーザ光強度を求める、
    請求項1に記載の積層体に内在する異物の分析方法。
  3. 前記第2取得工程では、前記レーザ光の波長が450nm〜800nmである、
    請求項1又は2に記載の積層体に内在する異物の分析方法。
  4. 前記切断工程では、前記積層体に集束イオンビームを照射して切断する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体に内在する異物の分析方法。
  5. 前記切断工程では、前記集束イオンビームの照射により得られるSIM像で前記異物領域を観察しながら、前記積層体を切断する、
    請求項4に記載の積層体に内在する異物の分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116577300A (zh) * 2023-03-27 2023-08-11 胜科纳米(苏州)股份有限公司 一种用于有机体器件内部异物分析的制样及检测方法

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CN116577300A (zh) * 2023-03-27 2023-08-11 胜科纳米(苏州)股份有限公司 一种用于有机体器件内部异物分析的制样及检测方法

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