JP2021127451A - バインダー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】リグニンを用いたバインダー組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】該方法は、i)原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程であって、この破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%は、10mm以下の粒子サイズを有する工程と、ii)準備された原料を水性溶剤組成物に溶解する工程であって、この水性溶剤組成物に提供される上記原料の全量の少なくとも95重量%が最長60分以内に上記水性溶剤組成物に溶解される工程と、iii)工程ii)で形成された組成物を、架橋剤及びフェノール類のクラスから選択される化合物の存在下で60〜150℃の温度で加熱して、上記原料、上記架橋剤、及びフェノール類のクラスから選択される上記化合物を重合する工程とを備える。
【選択図】なし

Description

本開示はバインダー組成物の製造方法に関する。本開示はさらに、バインダー組成物及びその使用に関する。
リグニンは、例えば、木材から抽出することができる天然ポリマーである。リグニンは天然のバイオポリマーであるので、合成物質の代わりに接着剤においてそれを成分として使用することが、より環境にやさしい接着剤組成物を考案するために検討されてきた。とりわけ、フェノールホルムアルデヒド樹脂等のフェノール樹脂の中の合成フェノールを置き換えることが可能であるということが、研究の目的でありつづけている。リグニンは、樹脂組成物中の合成フェノールの量を減らす目的で使用することができる。リグニンは、これまで、リグニン−フェノール−ホルムアルデヒド樹脂の製造の際にフェノールを置き換えるために使用されてきた。
しかしながら、現在公知のリグニンベースの樹脂は、従来のフェノール樹脂が使用されているすべての用途に好適であるわけではない。例えば、現在公知のリグニンベースの樹脂は、高圧積層体に好適ではない。プラスチック積層体としても知られる高圧積層体(HPL)は、紙、布、又は他のコア材料の複数の層を、熱硬化性樹脂をバインダー(結合剤)として使用することにより、熱及び圧力の影響の下で一緒に融着させることにより製造することができる。本発明者らは、その樹脂においてより高いフェノール置き換えを生じうる、従って高圧積層体等の様々な用途において使用するための好適な特性を有するより環境にやさしいバインダー組成物を生じうる方法の必要性を認識した。
バインダー組成物の製造方法が開示される。当該方法は、i)原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程であって、この破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%は、10mm以下の粒子サイズを有する工程と、ii)準備された原料を水性溶剤組成物に溶解する工程であって、この水性溶剤組成物に提供される上記原料の全量の少なくとも95重量%が最長60分以内に上記水性溶剤組成物に溶解される工程と、iii)工程ii)で形成された組成物を、架橋剤及びフェノール類のクラスから選択される化合物の存在下で60〜150℃の温度で加熱して、上記原料、フェノール類のクラスから選択される上記化合物、及び上記架橋剤を重合する工程とを備えてもよい。
本明細書に開示される方法によって得られうるバインダー組成物がさらに開示される。
本明細書に開示される方法によって得られうるバインダー組成物の使用がさらに開示される。
添付の図面は、実施形態のさらなる理解を提供し本明細書の一部を構成するために含まれ、種々の実施形態を説明する。
図1は例1からの結果を提示する。 図2は、双眼実体顕微鏡Wild M5Aを用いて測定された、未破砕リグニン(図2a)及び破砕リグニン(図2b)からの双眼実体顕微鏡写真を提示する。 図3は、FE SEM Hitachi SU 5000(SEM=走査電子顕微鏡)を用いて測定された、未破砕リグニン(3a)及び破砕リグニン(3b)からのSEM写真である。
バインダー組成物の製造方法が開示される。当該方法は、i)原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程であって、この破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%は、10mm以下の粒子サイズを有する工程と、ii)準備された上記原料を水性溶剤組成物に溶解する工程であって、この水性溶剤組成物に提供される上記原料の全量の少なくとも95重量%が最長60分以内に上記水性溶剤組成物に溶解される工程と、iii)工程ii)で形成された組成物を、架橋剤及びフェノール類のクラスから選択される化合物の存在下で60〜150℃の温度で加熱して、上記原料、フェノール類のクラスから選択される上記化合物、及び上記架橋剤を重合する工程とを備えてもよい。
本明細書に規定される方法によって得ることができるバインダー組成物がさらに開示される。
高圧積層体、連続加圧積層体(continuous pressure laminate)、ロックウール、絶縁ウール(insulation wool)、配向性ストランドボード、パネル表面フィルム、又は合板表面フィルムの製造のための、本明細書に規定される方法によって得ることができるバインダー組成物の使用がさらに開示される。
本発明者らは、驚くべきことに、原料の破砕リグニン凝集体を準備するとき、使用される原料を水性溶剤組成物に効率よく溶解させることが可能であるということを見出した。本発明者らは、驚くべきことに、リグニン原料の粒子サイズだけではなく、破砕プロセス自体も、その原料が水性溶剤組成物に溶解する能力に影響するということを見出した。なぜ破砕リグニン凝集体が、いずれの様式の破砕にもかけられていない対応するリグニンよりも効率的に溶解されうるかについては何の特定の理論にも限定されないが、破砕プロセスがリグニン原料をより柔らかくする可能性があり、従ってリグニン凝集体の分子は凝集体の表面層からより容易に溶解されると考えられる。存在する硬いリグニンの粒子又は凝集体は、上記原料が水性溶剤組成物に溶解する能力に悪影響を及ぼす可能性があり、これにより、硬い石のようなリグニン凝集体が以降の加熱処理工程の間に存在し続け、形成されたバインダー組成物の特性に悪影響を及ぼす可能性がある。このような硬いリグニンの粒子又は凝集体は、例えば大きい保存袋の中でのそのリグニンの保存の間に形成された可能性があり、又は以前のリグニンを分離回収するプロセスの間に形成された可能性がある。原料の中に存在する硬い石のような凝集体は、加熱処理工程又は重合工程の間、不活性な充填剤として残る可能性がある。この原料を破砕することは、好適なサイズのリグニン凝集体を提供するだけでなく、生じうる不純物、例えば繊維性粒子のサイズを小さくし、これにより、バインダー組成物の製造に対するそれら不純物が起こしうる悪影響が低減される可能性がある。さらに、当該バインダー組成物の噴霧を含む配向性ストランドボードの製造等の応用例において、未溶解の硬い粒子は、使用されるノズルを塞ぐ可能性がある。
本明細書に関しては、用語「リグニン凝集体」は、互いに結合されている少なくとも2つのリグニン粒子を指してもよい。リグニン粒子は、1つのリグニンポリマーから形成されると考えられてもよい。リグニンは、異なる連結基により連結されたフェニルプロパン単位の不規則な、ランダムに架橋されたポリマーと考えることができる。
破砕リグニン凝集体の表面は、破砕プロセスにかけられていないリグニン凝集体の表面よりも粗い。
破砕リグニン凝集体は、9mm以下、又は8mm以下、又は7mm以下、又は6mm以下、又は5mm以下、又は4mm以下の粒子サイズを有してもよい。破砕リグニン凝集体は、少なくとも0.15mm、又は少なくとも0.5mm、又は少なくとも1mmの粒子サイズを有してもよい。使用されるリグニン凝集体の粒子サイズは、例えばリグニン凝集体を篩分することにより決定することができる。
1つの実施形態では、破砕リグニン凝集体の少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%は、10mm以下の粒子サイズを有する。1つの実施形態では、破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%は、9mm以下、又は8mm以下、又は7mm以下、又は6mm以下、又は5mm以下、又は4mm以下の粒子サイズを有する。
本発明者らは、驚くべきことに、リグニン凝集体の粒子サイズを制御することは、リグニン原料の溶解性に有益に影響を及ぼすという付加的な有用性を有するということを認識した。分子はリグニンの粒子又は凝集体の表面層からより容易に溶解していくので、粒子サイズはリグニン原料の溶解性に影響を及ぼしうるということが認識された。粒子サイズが減少するにつれて比表面積は増加し、これにより分散液のより迅速な形成及び加熱処理工程又は重合工程の際の後続の反応が可能になる。
原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンを、破砕リグニン凝集体を製造するためのプロセスに供することを含んでもよい。このプロセスは、破砕(crushing)、磨砕(grinding)、ラビング(摩擦)(rubbing)、微粉砕(pulverizing)、剥離(stripping)、及びこれらのいずれかのものの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
破砕リグニン凝集体を製造するためのプロセスに供されるリグニンは、少なくとも50%、又は少なくとも65%の乾燥物含有量を有してもよい。
1つの実施形態では、原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンを、破砕、磨砕、ラビング、微粉砕、剥離、及びこれらのいずれかのものの組み合わせからなる群から選択されるプロセスに供することを含む。
1つの実施形態では、原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンを以下の、破砕、磨砕、ラビング、微粉砕、又は剥離のうちの1以上に供することを含む。1つの実施形態では、原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンを以下の、破砕、磨砕、ラビング、微粉砕、剥離、乾燥、篩過、又は篩分のうちの少なくとも2つに供することを含む。
1つの実施形態では、原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンを、破砕、磨砕、ラビング、微粉砕、剥離、及びこれらのいずれかのものの組み合わせからなる群から選択されるプロセスの間及び/又はそのプロセスの後に篩分及び/又は篩過に供することを含む。
上記磨砕は粗い磨砕であることができる。上記破砕は粗い破砕であることができる。
1つの実施形態では、原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)は、リグニンの篩分及び/又は篩過だけを含むわけではない。
上記プロセス選択肢のうちの少なくとも1つを用いてリグニンを加工することは、上記原料が活性化されて軟化して、硬い石のような粒子又は凝集体が存在しなくなりうるか、又は少なくともそれらの量が、リグニンをこれらの加工工程に供する前の状況と比べて、減少するという付加的な有用性を有する。リグニンを破砕することは、リグニン凝集体が破壊されて粒子の表面がより柔らかくなるということをもたらす可能性があり、これによって、原料の破砕リグニン凝集体は、より容易に水性溶剤組成物に溶解する可能性がある。この原料の破砕リグニン凝集体はより粗くなり、従って上記の加工工程に供されなかったリグニンと比べてより素早く溶解する可能性がある。
本明細書に関しては、用語「リグニン」は、任意の好適なリグニン源に由来するリグニンを指してもよい。1つの実施形態では、リグニンは実質的に純粋なリグニンである。表現「実質的に純粋なリグニン」は、少なくとも70%純粋なリグニン、又は少なくとも90%純粋なリグニン、又は少なくとも95%純粋なリグニン、又は少なくとも98%純粋なリグニンと理解されるべきである。この実質的に純粋なリグニンは、30%以下、若しくは10%以下、若しくは5%以下、若しくは2%以下の他の成分及び/又は不純物を含んでもよい。抽出成分及びヘミセルロース等の炭水化物が、このような他の成分の例として挙げられうる。
上記リグニンは、30重量%未満、又は10重量%未満、又は5重量%未満、又は2重量%未満の炭水化物を含有してよい。リグニン中に存在する炭水化物の量は、標準的なSCAN−CM 71に従って、パルスアンペロメトリック検出器(HPAE−PAD)を用いる高性能アニオン交換クロマトグラフィーによって測定することができる。
リグニンの灰分百分率は、7.5重量%未満、又は5重量%未満、又は3重量%未満、又は1重量%未満であってもよい。灰分含有量は、有機物が燃焼してしまう前にアルカリ塩が溶融しないように、リグニン試料を炭素化し素早く燃焼させて(例えば20〜200℃で30分間。このあと、温度は200〜600℃に1時間調整され、そのあと温度を600〜700℃で1時間調整する)、最後にこのリグニン試料を700℃で1時間着火させることにより決定することができる。リグニン試料の灰分含有量は、燃焼及び着火の後に残る試料の質量を指し、それは、試料の乾燥含有量のパーセントとして提示される。1つの実施形態では、リグニンは工業リグニンである。本明細書に関しては、用語「工業リグニン」は、任意のバイオマスの中のリグニンから任意の技術的プロセスによって誘導されるリグニンを指してもよい。1つの実施形態では、工業リグニンは、工業的なプロセスから受け入れられるリグニンである。
1つの実施形態では、上記リグニンは、クラフトリグニン、蒸気爆砕リグニン、バイオリファイナリーリグニン、超臨界分離リグニン、加水分解リグニン、フラッシュ沈殿処理(flash precipitated)リグニン、バイオマス由来のリグニン、アルカリパルプ化プロセスからのリグニン、ソーダ法からのリグニン、オルガノソルブパルプ化からのリグニン、アルカリプロセスからのリグニン、酵素による加水分解プロセスからのリグニン、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択される。1つの実施形態では、上記リグニンは、木材ベースのリグニンである。リグニンは、軟材、硬材、一年生植物又はこれらのいずれかの組み合わせに由来することができる。
「クラフトリグニン」は、本明細書においては、特段の記載がない限り、クラフト黒液に由来するリグニンと理解されたい。黒液は、リグニン残渣、ヘミセルロース、及びクラフトパルプ化プロセスで使用される無機化学物質のアルカリ水溶液である。パルプ化プロセスからの黒液は、様々な軟材及び硬材の種に由来する成分を種々の割合で含む。リグニンは、例えば沈殿及び濾過を含めた様々な技法によって黒液から分離することができる。リグニンは、通常、11〜12未満のpH値で沈殿し始める。異なる特性を有するリグニン画分を沈殿させるために、異なるpH値を使用することができる。これらのリグニン画分は、分子量分布、例えばMw及びMn、多分散性、ヘミセルロース及び抽出内容物によって互いに異なる。より高いpH値で沈殿したリグニンのモル質量は、より低いpH値で沈殿したリグニンのモル質量よりも高い。さらに、より低いpH値で沈殿したリグニン画分の分子量分布は、より高いpH値で沈殿したリグニン画分の分子量分布よりも広い。沈殿したリグニンは、酸性洗浄工程を使用して無機不純物、ヘミセルロース及び木材抽出成分から精製することができる。さらなる精製は、濾過によって成し遂げることができる。
用語「フラッシュ沈殿処理リグニン」は、本明細書においては、200〜1000kPaの加圧の影響の下で二酸化炭素ベースの酸性化剤、好ましくは二酸化炭素を使用して、リグニンの沈殿レベルにまで黒液の流れのpHを下げることにより、及びリグニンを沈殿させるために圧力を急激に解放することにより、連続プロセスにおいて黒液から沈殿したリグニンとして理解されたい。フラッシュ沈殿処理リグニンの製造方法はフィンランド国特許出願第20106073号に開示されている。上記の方法における滞留時間は300s未満である。2μm未満の粒径を有するフラッシュ沈殿処理リグニン粒子は凝集体を形成し、この凝集体は、例えば濾過を使用して黒液から分離することができる。フラッシュ沈殿処理リグニンの優位点は、通常のクラフトリグニンと比べてより高いその反応性である。フラッシュ沈殿処理リグニンは、さらなる処理のために必要に応じて精製及び/又は活性化することができる。
リグニンは、アルカリプロセスから誘導されてもよい。このアルカリプロセスは、強アルカリを用いてバイオマスを液化することで始まり、このあと中和プロセスが続くことができる。アルカリ処理のあと、このリグニンは、上で提示されたのと同様にして沈殿させることができる。
リグニンは、蒸気爆砕から誘導されてもよい。蒸気爆砕は、木材及び他の繊維性の有機材料に適用することができるパルプ化及び抽出の技術である。
「バイオリファイナリーリグニン」は、本明細書において、特段の記載がない限り、バイオマスが燃料、化学物質及び他の材料へ変換される純化(精製)設備又は純化プロセスから回収することができるリグニンと理解されるべきである。
「超臨界分離リグニン」は、本明細書において、特段の記載がない限り、超臨界流体による分離又は抽出の技術を使用してバイオマスから回収することができるリグニンと理解されるべきである。超臨界状態は、与えられた物質についての臨界点を超える温度及び圧力に対応する。超臨界状態では、明確な液相及び気相は存在しない。超臨界水又は超臨界液体による抽出は、水又は液体を超臨界条件下で用いることによりバイオマスをセルロース系糖類へ分解し変換する方法である。溶剤として作用するこの水又は液体は、セルロース植物体から糖類を抽出し、リグニンは固体粒子として残る。
リグニンは、加水分解プロセスから誘導されてもよい。加水分解プロセスから誘導されるリグニンは、製紙用パルプ又は木材化学プロセスから回収することができる。
リグニンは、オルガノソルブプロセスに由来してもよい。オルガノソルブは、リグニン及びヘミセルロースを可溶化するために有機溶剤を使用するパルプ化技術である。
リグニンは、酵素による加水分解プロセスからのリグニンであってもよい。酵素による加水分解は、水の元素の付加を用いて酵素が分子の中の結合を切断することを支援するプロセスである。1つの実施形態では、酵素による加水分解はセルロースの酵素による加水分解を含む。
1つの実施形態では、上記水性溶剤組成物は、フェノール類及び/又はアルカリのクラスから選択される化合物を含むか、又はそれらからなる。上記水性溶剤組成物は、アルカリの水性溶剤組成物、フェノール類のクラスから選択される化合物の水性溶剤組成物、又はフェノール類及びアルカリのクラスから選択される化合物の水性溶剤組成物であってもよい。
フェノール類のクラスから選択される上記化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されてもよい。1つの実施形態では、フェノール類のクラスから選択される上記化合物はフェノールである。
工程ii)におけるフェノール類のクラスから選択される化合物の濃度は、工程ii)における組成物の総重量に基づき10〜60重量%、又は20〜50重量%、又は30〜45重量%であってもよい。
工程ii)における原料の濃度は、工程ii)における組成物の総重量に基づき10〜40重量%、又は20〜30重量%であってもよい。
1つの実施形態では、上記アルカリはアルカリ金属の水酸化物である。1つの実施形態では、アルカリは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はこれらの組み合わせである。
工程ii)におけるアルカリの濃度は、工程ii)における組成物の総重量に基づき0.1〜11重量%、又は0.3〜9重量%、又は0.5〜5重量%、又は1〜2重量%であってもよい。
上記組成物の温度は、工程ii)においては、15〜95℃、又は18〜80℃、又は20〜70℃、又は25〜60℃、又は30〜50℃、又は35〜40℃に保つことができる。
1つの実施形態では、上記水性溶剤組成物に提供される原料の全量の少なくとも95重量%は、最長45分間以内、又は最長30分間以内、又は最長15分間以内に上記水性溶剤組成物に溶解される。
1つの実施形態では、上記水性溶剤組成物に提供される原料の全量の少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%は、最長60分間以内、又は最長45分間以内、又は最長30分間以内、又は最長15分間以内に上記水性溶剤組成物に溶解される。
原料の破砕リグニン凝集体を上記水性溶剤組成物に素早く溶解できるということは、加熱工程iii)のために必要とされる時間を短縮することにより、上記リグニン原料、フェノール類のクラスから選択される化合物及び架橋剤の重合を可能にする後続の工程に有益な影響を及ぼすと同時に均一な品質を有する形成されたバインダー組成物を提供するという付加的な有用性を有する。
準備された原料を水性溶剤組成物に溶解すると、形成された組成物を加熱する工程iii)は、架橋剤及びフェノール類のクラスから選択される化合物の存在下で行われてもよい。
架橋剤は、アルデヒド、アルデヒドの誘導体、アルデヒド形成化合物、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されてもよい。1つの実施形態では、アルデヒドの誘導体は、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアルデヒド、又はトリオキサンである。1つの実施形態では、架橋剤は、芳香族アルデヒド、グリオキサール、フルフリルアルコール、カプロラクタム及びグリコール化合物からなる群から選択される。このアルデヒドはホルムアルデヒドであることができる。芳香族アルデヒドはフルフリルアルデヒドであることができる。1つの実施形態では、架橋剤は、アルデヒド、好ましくはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド又はこれらの組み合わせである。
フェノール類のクラスから選択される化合物は、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、及びこれらのいずれかの組み合わせからなる群から選択されてもよい。1つの実施形態では、フェノール類のクラスから選択される化合物はフェノールである。
1つの実施形態では、フェノール類のクラスから選択される化合物は、工程ii)の組成物に水性溶剤組成物の一部として、及び/又は工程iii)において提供される。フェノール類のクラスから選択される化合物は、工程iii)の組成物に加えられてもよい。しかしながら、工程ii)で原料が溶解された水性溶剤組成物がフェノール類のクラスから選択される化合物を含む場合、フェノール類のクラスから選択される化合物を工程iii)において別途添加することは必要ではない可能性がある。しかしながら、上記水性溶剤組成物がフェノール類のクラスから選択される化合物を含むとしても、さらなる量のフェノール類のクラスから選択される化合物が工程iii)で添加されてもよい。
工程iii)における加熱は、触媒の存在下で行われてもよい。この触媒はアルカリであってもよい。この触媒はアルカリ金属の水酸化物であってもよい。触媒は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はこれらの組み合わせであってもよい。この触媒の濃度は、工程iii)における上記組成物の総重量に基づき0.1〜15重量%、又は0.5〜12重量%、又は3〜10重量%、又は5〜8重量であってもよい。工程ii)で上記原料が溶解された水性溶剤組成物がアルカリを含む場合は、触媒を工程iii)において別途添加することが必要とはならない可能性がある。しかしながら、上記水性溶剤組成物がアルカリを含むとしても、ある量の触媒が工程iii)で添加されてもよい。
工程iii)で使用される触媒の全量は、実質的に一度に添加されてもよい。当該方法で使用される架橋剤の全量及び当該方法で触媒の全量は、工程iii)の間に、工程ii)で形成された組成物と混合することができる。
工程iii)は、工程ii)で形成された組成物を65〜140℃の温度、又は70〜100℃の温度、又は75〜95℃の温度、又は80〜90℃の温度で加熱することを含んでもよい。
1つの実施形態では、工程iii)における上記リグニン原料、フェノール類のクラスから選択される化合物、及び架橋剤の重合は、0.5〜6時間のうちに、又は1.0〜5時間のうちに、又は2〜4時間のうちに、又は1.5〜3.0時間のうちに完結する。
加熱する工程iii)は、500〜6000g/mol、又は1000〜4000g/molの重量平均分子量を有するバインダー組成物が形成されるまで続けられることが可能である。
当該バインダー組成物の重量平均分子量は、高性能サイズ排除クロマトグラフィーを使用することにより決定することができる。1つの実施形態では、バインダー組成物の重量平均分子量は、高性能サイズ排除クロマトグラフィーを以下のように使用することにより決定される:2つの並行する測定が実施される。0.1M NaOHが溶離液として使用される。1100〜73900g/molの分子量を有するNa−ポリスチレンスルホン酸塩標品を使用して検量を行う。品質管理のために、標準品質のクラフトリグニン及びPSS分子量標品が使用される。使用されるカラムは、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体マトリクスが充填されたPSS MCXプレカラム、1000Å及び100000Å分離カラムである。定組成の実行プログラムが使用される。実行時間は45分間である。注入量は50μlである。流量は毎分0.5mlである。温度は25℃である。このクロマトグラフィーの結果として、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ピーク分子量(Mp)及び多分散性指数(PDI)の値を報告することが可能である。
工程iii)における形成された組成物を加熱することは、バインダー組成物の粘度が増加するように、反応物質成分、すなわち破砕リグニン凝集体、フェノール類のクラスから選択される化合物、及び架橋剤を重合するために実施されてもよい。この加熱は、所定の粘度値が生成されるまで続けられてもよい。最終のバインダー組成物の所定の粘度値は、当該バインダー組成物が使用されることになる特定の用途に応じて変わってもよい。
1つの実施形態では、加熱する工程iii)は、バインダー組成物が30〜300cP、又は40〜200cP、又は50〜150cP、又は80〜120cPの粘度値を有するまで、続けられる。この粘度は、工程iii)において、回転粘度計(デジタル式ブルックフィールド(Brookfield)粘度計LVDV−II+ Pro;コーンスピンドル)を使用して25℃の温度で測定される。
1つの実施形態では、加熱する工程iii)は、一ステップ反応として実施される。1つの実施形態では、加熱する工程(iii)は、少なくとも2つのステップで実施される。この少なくとも2つのステップにおける温度は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
当該バインダー組成物を製造するために使用される成分及びそれらの正確な量は変わってよく、異なる成分及びそれらの量の選択は、本明細書に基づけば当業者の知識の範囲内である。温度及びあらゆる他の値は、製造過程の間に必要に応じて制御し調整することができる。
本明細書中に記載されるバインダー組成物は、高圧積層体、連続加圧積層体、ロックウール、絶縁ウール、配向性ストランドボード、パネル表面フィルム、又は合板表面フィルムの製造に好適な特性を有するという付加的な有用性を有する。本明細書中に記載される方法は、水性溶剤組成物に効率的にかつ素早く溶解させることができる原料を提供するという付加的な有用性を有する。上記原料を効率的に溶解させることができるということは、上記原料がこのように活性化され、後続の加熱処理工程のために反応活性な形態にあり、これにより均一かつ適正なバインダー組成物を成し遂げることができるという付加的な有用性を有する。
ここで、種々の実施形態が詳細に参照される。
以下の記載は、当業者が本開示に基づいて実施形態を利用することができる程度に詳しく、いくつかの実施形態を開示する。その実施形態のすべての工程又は特徴が詳細に論じられるわけではない。というのも、それら工程又は特徴の多くは、本明細書に基づくと当業者には自明であろうからである。
例1 − リグニン試料をフェノールの水性組成物に溶解すること
この例において、非破砕リグニンと比べて破砕リグニン凝集体を準備することの効果を、以下の溶解試験に基づいて判定した。フェノールの水性組成物を水性溶剤組成物として使用した。
すべての試験について、1000gのフェノールの水性組成物を最初に反応器に加え、50℃の温度に加熱した。その後、リグニン原料をこの反応器に加え、そのリグニン原料を撹拌しながらフェノールの水性組成物に溶解させた。以下の試験手順を同時に行った。
1)15分間混合する ⇒ 400μmの篩を通して篩分けして、溶解しない粒子があればそれを見る + 写真撮影。次いで、すべてを反応器に戻す;
2)さらに15分間混合を続ける(合計30分) ⇒ 400μmの篩を通して篩分けして、溶解しない粒子があればそれを見る + 写真撮影。次いで、すべてを反応器に戻す;
3)さらに15分間混合を続ける(合計45分) ⇒ 400μmの篩を通して篩分けして、溶解しない粒子があればそれを見る + 写真撮影。次いで、すべてを反応器に戻す;
4)さらに15分間混合を続ける(合計60分) ⇒ 400μmの篩を通して篩分けして、溶解しない粒子があればそれを見る + 写真撮影。60分後に試験を止める。
以下の試料を試験した。
試料1:非破砕リグニン
試料2:振動篩によって篩分けした非破砕リグニン
試料3:ジョーブレーカ(Laitex Oy、型式RML 220)を用いて破砕したリグニン
試料4:砕塊機(Telschig GmbH、CEMBREAK KB−330−ED/S−6−P)を用いて破砕したリグニン
試料5:Atrex(Megatrex Oy、Atrex Gシリーズ 型式CD500 G 45−P)を用いて破砕したリグニン
上記試験からの結果を図1に提示する。添付の結果からわかるように、破砕リグニン凝集体は、非破砕リグニン凝集体及び篩分けに供しただけのリグニン凝集体と比べて、フェノールの水性組成物に効率的に溶解する。
試料番号4は、破砕リグニン凝集体を製造するプロセスの前後にその試料を篩分けに供することにより、さらに分析した。全量3kgのこの試料を、以下のサイズの篩を使用することによるRetsch振盪ふるいを用いる篩分けに供した:16mm、10mm、5mm、2mm、及び1mm。篩分け時間は60の振幅で15分間であった。この篩分けからの結果を下記表1に提示する。
Figure 2021127451
さらに、表1の試料を、双眼実体顕微鏡Wild M5Aを用いて測定した双眼実体顕微鏡イメージングに供した。結果を図2a(未破砕)及び図2b(破砕)に提示する。図2から分かるように、破砕した試料の表面、すなわちリグニン凝集体の表面は、破砕プロセスによって影響を受けた。なお、リグニン凝集体の表面は破砕プロセスによって影響を受けたが、水性溶剤組成物への溶解も有益に影響を受けた。
さらに、表1の試料を、FE SEM Hitachi SU 5000を用いて測定したSEM(走査電子顕微鏡)撮影に供した。結果を図3a(未破砕)及び図3b(破砕)に提示する。図3a及び図3bから、破砕リグニン凝集体の表面は、未破砕リグニン凝集体の表面よりも多孔質であるということが分かる。図3aから分かるように、未破砕リグニン凝集体の表面は、明らかに滑らかで高密度の箇所を含有する。破砕プロセスの結果としてリグニン凝集体の表面はより多孔質になるので、化学物質はリグニン凝集体により容易に浸透し、従ってリグニン凝集体が水性溶剤組成物により素早く溶解することができることを支援する可能性がある。イメージングの間、電子線が破砕リグニン凝集体の表面に衝突するとき、明確なリグニン粒子はほぐれる(loosened)ということにさらに注目された。この種の現象は、電子線を未破砕リグニン凝集体に当てたときには認められなかった。
さらに、上記の試料を使用することからバインダー組成物を製造することは、破砕リグニン凝集体の使用が、例えば、未破砕リグニン原料を使用することにより製造したバインダー組成物と比べて均一な品質を有する製造されたバインダー組成物を準備することにより、その後のバインダー組成物製造に有益に影響するということを示した。
技術の進歩に伴って、基本の概念は種々のやり方で実行されてもよいということは、当業者には自明である。従って、実施形態は上記の例に限定されず、代わりに、実施形態は、請求項の範囲内で変わってもよい。
これまで本明細書に記載された実施形態は、互いに任意の組み合わせで使用されてもよい。実施形態のいくつかが一緒に組み合わされて、さらなる実施形態を形成してもよい。本明細書に開示される方法、組成物、又は使用は、本明細書にこれまでに記載された実施形態のうちの少なくとも1つを含んでもよい。上記の有益さ及び利点は1つの実施形態に関してもよいし、又はいくつかの実施形態に関してもよいということは理解されるであろう。実施形態は、上記の課題のいずれも若しくはすべてを解決するもの、又は上記の有益さ及び利点のいずれも若しくはすべてを有するものに限定されない。「an」が付いた項目に言及することは1以上のそれらの項目にも言及するということをさらに理解されたい。用語「comprising(含む、備える)」は、1以上のさらなる特徴の存在を排除せず、後に続く特徴(1又は複数)又は行為(1又は複数)を「including(含む)」ことを意味するために本明細書中で使用される。

Claims (14)

  1. バインダー組成物の製造方法であって、
    i)原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程であって、前記破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%は、10mm以下の粒子サイズを有する工程と、
    ii)準備された前記原料を水性溶剤組成物に溶解する工程であって、前記水性溶剤組成物に提供される前記原料の全量の少なくとも95重量%が最長60分以内に前記水性溶剤組成物に溶解される工程と、
    iii)工程ii)で形成された組成物を、架橋剤及びフェノール類のクラスから選択される化合物の存在下で60〜150℃の温度で加熱して、前記原料、前記架橋剤、及びフェノール類のクラスから選択される前記化合物を重合する工程と
    を備える方法。
  2. 前記破砕リグニン凝集体の少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%、又は少なくとも99.5重量%が、10mm以下の粒子サイズを有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記破砕リグニン凝集体の少なくとも90重量%、又は少なくとも95重量%、又は少なくとも99重量%が、9mm以下、又は8mm以下、又は7mm以下、又は6mm以下、又は5mm以下、又は4mm以下の粒子サイズを有する請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記水性溶剤組成物が、フェノール類及び/若しくはアルカリのクラスから選択される化合物を含むか、又はフェノール類及び/若しくはアルカリのクラスから選択される化合物からなる請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法。
  5. フェノール類のクラスから選択される前記化合物が、工程ii)の組成物に前記水性溶剤組成物の一部として、及び/又は工程iii)において提供される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記原料の破砕リグニン凝集体を準備する工程i)が、リグニンを、破砕、磨砕、ラビング、微粉砕、剥離、及びこれらのいずれかのものの組み合わせからなる群から選択されるプロセスに供することを含む請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記水性溶剤組成物に提供される前記原料の全量の少なくとも95重量%が、最長45分間以内、又は最長30分間以内、又は最長15分間以内に前記水性溶剤組成物に溶解される請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水性溶剤組成物に提供される前記原料の全量の少なくとも97重量%、又は少なくとも99重量%が、最長60分間以内、又は最長45分間以内、又は最長30分間以内、又は最長15分間以内に前記水性溶剤組成物に溶解される請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 工程ii)におけるフェノール類のクラスから選択される前記化合物の濃度が、工程ii)における前記組成物の総重量に基づき10〜60重量%、又は20〜50重量、又は30〜45重量%である請求項4に記載の方法。
  10. 工程iii)における前記原料、フェノール類のクラスから選択される前記化合物、及び前記架橋剤の重合が、0.5〜6時間、又は1.0〜5時間、又は2〜4時間、又は1.5〜3.0時間のうちに完結する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 加熱する工程iii)が、500〜6000g/mol、又は1000〜4000g/molの重量平均分子量を有するバインダー組成物が形成されるまで続けられる請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 加熱する工程iii)が、30〜300cP、又は40〜200cP、又は50〜150cP、又は80〜120cPの粘度値を有するバインダー組成物が形成されるまで続けられる請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるバインダー組成物。
  14. 高圧積層体、連続加圧積層体、ロックウール、絶縁ウール、配向性ストランドボード、パネル表面フィルム、又は合板表面フィルムの製造のための請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法によって得ることができるバインダー組成物の使用。
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